以下、図面を参照して、実施形態に係る駆動装置について説明する。本実施形態に係る駆動装置は、便器のケーシング内に配置され、便座や便蓋を開閉駆動する。なお、以下の説明で参照する図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(第1の実施形態)
図1及び2は、第1の実施形態に係る駆動装置を備えた便器の一例を示す側面図である。ここで、図1は、便器の便座及び便蓋が開いた状態を示しており、図2は、便器の便座及び便蓋が閉じた状態を示している。例えば、図1に示すように、便器2は、基部6の上面側の一端部に設けたケーシング3に2つの駆動装置1を備える。2つの駆動装置1は、それぞれ、便座4及び便蓋5のいずれかを自動で開閉させる。
例えば、一方の駆動装置1は、ケーシング3に取り付けられる便座4の回動軸の両端部のうちの一端部側に設けられ、後述するモータ13の駆動により便座4を自動で開閉させる。また、例えば、他方の駆動装置1は、ケーシング3に取り付けられる便蓋5の回動軸の両端部のうちの一端部側に設けられ、モータ13の駆動により便蓋5を自動で開閉させる。なお、図1に示す例では、2つの駆動装置1がケーシング3内の同じ側に向きを揃えて設けられる場合を示すが、2つの駆動装置1は、それぞれ反対側の端部に設けられてもよい。
図3及び4は、第1の実施形態に係る駆動装置1の一例を示す斜視図である。ここで、図3は、筐体を含む駆動装置1の外観を示しており、図4は、図3と同じ視点から見た場合の筐体を除いた駆動装置1の外観を示している。
例えば、図3及び4に示すように、本実施形態に係る駆動装置1は、第1の筐体11と、第2の筐体12と、モータ13と、第1のギア14と、第2のギア15と、第3のギア16と、回転軸17と、ねじりコイルばね18とを備える。
第1の筐体11及び第2の筐体12は、内部の空間が連通するように形成されており、内部の空間にモータ13、第1のギア14、第2のギア15、第3のギア16、回転軸17、及びねじりコイルばね18を収容する。例えば、第1の筐体11は、中空の円筒状に形成され、第2の筐体12は、中空の箱状に形成されている。そして、第1の筐体11及び第2の筐体12は、便器2のケーシング3内に固定されている。
モータ13は、駆動装置1が取り付けられる便座4又は便蓋5を回動させる駆動源として機能する。具体的には、モータ13は、回転する駆動力を出力する出力軸を有しており、図示しないリード線を介して供給される駆動信号によって出力軸を回転させる。例えば、モータ13は、DCモータ、DCブラシレスモータ、ステッピングモータ等である。
第1のギア14は、モータ13の出力軸に取り付けられており、モータ13の出力軸とともに回転して、モータ13の駆動力を第2のギア15に伝達する。第2のギア15は、第1のギア14と噛み合いながら回転して、第1のギア14から伝達された駆動力を第3のギア16に伝達する。第3のギア16は、回転軸17の軸方向における一方の端部に取り付けられており、第2のギア15と噛み合いながら回転して、第2のギア15から伝達された駆動力で回転軸17を軸まわりに回転させる。
回転軸17は、モータ13によって軸まわりに回転する。具体的には、回転軸17は、軸方向における第3のギア16とは反対側の端部が第1の筐体11から突出するように配置されており、第1の筐体11及び第2の筐体12に対して相対的に回転する。ここで、回転軸17の第1の筐体11から突出した端部は、便座4又は便蓋5に固定されている。これにより、回転軸17は、モータ13の駆動力によって回転することで、便座4又は便蓋5を開閉させる。
ねじりコイルばね18は、回転軸17が挿通され、当該回転軸17を所定の回転方向に付勢する。本実施形態では、ねじりコイルばね18は、便座4又は便蓋5を開く方向に、回転軸17を付勢する。ここで、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11の内部に配置されており、軸方向の一端181が第1の筐体11に係止され、他端182が回転軸17に係止されている。
具体的には、ねじりコイルばね18は、軸方向に延びるコイル状に形成されており、軸方向の一端181が、回転軸17の便座4又は便蓋5側の端部に近い側に配置され、軸方向の他端182が、回転軸17の第3のギア16側の端部に近い側に配置されている。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181が、第1の筐体11の内部に設けられた挿入穴(図示せず)に嵌合することによって第1の筐体11に係止され、軸方向の他端182が、回転軸17に設けられた係止部171の挿入穴に嵌合することによって回転軸17に係止されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が便座4又は便蓋5を閉じる方向に回転した際に巻き込まれて(ねじられて)、力を蓄え、回転軸17が便座4又は便蓋5を閉じる方向に回転する際に巻き戻されて、蓄えた力を回転トルクとして回転軸17に与えるように機能する。
ここで、通常、ねじりコイルばね18は、回転軸17から加えられる外力によって巻き込まれる際に、その外力から逃げるように径方向へ移動する。そのため、一般的に、このような駆動装置1では、ねじりコイルばね18を確実に巻き込むために、ねじりコイルばね18の移動を規制するためのガイド機構が設けられる。
例えば、ねじりコイルばね18の内周面を回転軸17の外周面等の他部材に接触させたり、ねじりコイルばね18の外周面を第1の筐体11の内周面等の他部材に接触させたりすることで、ねじりコイルばね18の径方向の移動を規制する方法が考えられる。ここで、ねじりコイルばね18の内周面を他部材に接触させる方法を内径ガイドと呼び、ねじりコイルばね18の外周面を他部材に接触させる方法を外径ガイドと呼ぶ。
図5及び6は、本実施形態の比較例に係る駆動装置1の一例を示す断面図である。ここで、図5及び6は、比較例に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示しており、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図5及び6では、上側が、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側、すなわち、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側、すなわち、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側を示している。また、図5及び6に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
図5は、内径ガイドでねじりコイルばね18の移動を規制する場合の例を示している。例えば、図5に示すように、内径ガイドでねじりコイルばね18の移動を規制する場合には、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbより小さくなるように配置される。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側においても、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置される。
このような構成によれば、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側(図5に示す上側)の内周面が回転軸17に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側の内周面が回転軸17に当接することで、当該他端182側(図5に示す下側)の径方向の移動が規制される。すなわち、内径ガイドでは、ねじりコイルばね18の軸方向の両側について、回転軸17によって径方向の移動が規制されることになる。
また、図6は、外径ガイドでねじりコイルばね18の移動を規制する場合の例を示している。例えば、図6に示すように、外径ガイドでねじりコイルばね18の移動を規制する場合には、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaより小さくなるように構成される。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側においても、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスcより小さくなるように配置される。
このような構成によれば、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側(図6に示す上側)の外周面が第1の筐体11に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側の外周面が第1の筐体11に当接することで、当該他端182側(図6に示す下側)の径方向の移動が規制される。すなわち、外径ガイドでは、ねじりコイルばね18の軸方向の両側について、第1の筐体11によって径方向の移動が規制されることになる。
しかしながら、上述した内径ガイド及び外径ガイドでは、ねじりコイルばね18の内周面又が回転軸17に接触した際、又は、ねじりコイルばね18の外周面が第1の筐体11に接触した際に、摺動摩擦によってトルク損失が生じることがあり得る。
このようなことから、本実施形態に係る駆動装置1では、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができるように構成されている。
具体的には、本実施形態では、ねじりコイルばね18が、回転軸17が回転した際に、軸方向における一端181側の径方向の移動が第1の筐体11によって規制され、軸方向における他端182側の径方向の移動が回転軸17によって規制される。
このような構成によれば、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側では、第1の筐体11によって移動が規制され、回転軸17に係止されている側では、回転軸17によって移動が規制されることになる。
ここで、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されているため、巻き込まれる際、又は、巻き戻される際に生じる第1の筐体11との間の相対周速度は、軸方向の一端181側で最小となると考えられる。また、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182が回転軸17に係止されているため、巻き込まれる際、又は、巻き戻される際に生じる回転軸17との間の相対周速度は、軸方向の他端182側で最小となると考えられる。
したがって、上記構成によれば、ねじりコイルばね18は、巻き込まれる際、及び巻き戻される際に、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で、移動が規制されることになる。これにより、本実施形態では、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができるようになる。
図7は、第1の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図7は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図7では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図7に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図7に示すように、本実施形態では、第1の筐体11は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に延在する規制部111を有している。
例えば、規制部111は、中空の略円筒形状に形成されており、第1の筐体11において、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が配置される側の端部から、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側へ延びるように形成されている。そして、規制部111は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側に、回転軸17の外周の全周にわたって、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に挿入された状態で配置されている。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部111との間のクリアランスaが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の内周面が規制部111に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
また、本実施形態では、回転軸17は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する側に、ねじりコイルばね18に向けて延出する規制部172を有している。
例えば、規制部172は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する範囲に、回転軸17の外周の全周にわたって、回転軸17の中心軸から離れる方向へ延出するように設けられている。すなわち、回転軸17は、規制部172が設けられることによって、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する部分の径が、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側と対向する部分の径より大きくなるように形成されている。なお、規制部172が設けられる範囲は、少なくとも、ねじりコイルばね18における軸方向の他端182側で最も端に位置する一巻き分と対向する範囲を含んでいればよい。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部172との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の内周面が規制部172に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
なお、ここでは、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、規制部111が、回転軸17の外周の全周にわたって配置されており、ねじりコイルばね18が、ねじりコイルばね18の内周面と規制部111との間のクリアランスaが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbより小さくなるように配置されている場合の例を説明した。これについて、規制部111は、必ずしも回転軸17の外周の全周にわたって、クリアランスaがクリアランスbより小さくなるように構成されていなくてもよい。
また、ここでは、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、規制部172が、回転軸17の外周の全周にわたって設けられており、ねじりコイルばね18が、ねじりコイルばね18の内周面と規制部172との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている場合の例を説明した。これについて、規制部172は、必ずしも回転軸17の外周の全周にわたって、クリアランスcがクリアランスdより小さくなるように構成されていなくてもよい。
通常、ねじりコイルばね18は、巻き込まれる際に、軸方向の一端181側では、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が回転軸17に最も近接し、軸方向の他端182側では、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が回転軸17に最も近接すると考えられる。したがって、ねじりコイルばね18は、少なくとも、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置、又は、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置で、径方向の移動が規制されていればよい。
この場合には、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、規制部111が、回転軸17の外周のうち、少なくとも、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置において、クリアランスaがクリアランスbより小さくなるように構成される。例えば、規制部111は、回転軸17の外周の全周に設けられつつ、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、部分的に、クリアランスaがクリアランスbより小さくなるように形成される。または、例えば、規制部111は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、部分的に設けられてもよい。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部111に当接することで、径方向の移動が規制される。
また、この場合には、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、規制部172が、回転軸17の外周のうち、少なくとも、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置において、クリアランスcがクリアランスdより小さくなるように構成される。例えば、規制部172は、回転軸17の外周の全周に設けられつつ、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、部分的に、クリアランスcがクリアランスdより小さくなるように形成される。または、例えば、規制部172は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、部分的に設けられてもよい。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部172に当接することで、径方向の移動が規制される。
上述したように、第1の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11の規制部111によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17の規制部172によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態によれば、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
なお、上述した第1の実施形態は、設計上の制限や用途等に応じて、駆動装置1の構成の一部を適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、駆動装置1に関する他の実施形態について説明する。なお、以下で説明する実施形態では、第1の実施形態と共通する内容については説明を省略し、第1の実施形態と異なる内容を中心に説明する。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図8は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図8では、上側が、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側、すなわち、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側、すなわち、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側を示している。また、図8に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図8に示すように、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の外周面が第1の筐体11に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
また、本実施形態では、回転軸17は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18と第1の筐体11との間に延在する規制部173を有している。
例えば、規制部173は、中空の略円筒形状に形成されており、回転軸17において、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が配置される側の端部から、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側へ延びるように形成されている。そして、規制部173は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に、第1の筐体11の内周の全周にわたって、ねじりコイルばね18と第1の筐体11との間に挿入された状態で配置されている。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の外周面と規制部173との間のクリアランスdが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスcより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の外周面が規制部173に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
なお、ここでは、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、規制部173が、第1の筐体11の内周の全周にわたって設けられており、ねじりコイルばね18が、ねじりコイルばね18の外周面と規制部173との間のクリアランスdが、ねじりコイルばね18の内周面と第1の筐体11との間のクリアランスcより小さくなるように配置されている場合の例を説明した。これについて、規制部173は、必ずしも第1の筐体11の内周の全周にわたって、クリアランスdがクリアランスcより小さくなるように構成されていなくてもよい。
前述したように、通常、ねじりコイルばね18は、巻き込まれる際に、軸方向の他端182側では、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が、回転軸17に最も近接すると考えられる。したがって、ねじりコイルばね18は、少なくとも、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置で、径方向の移動が規制されていればよい。
この場合には、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、規制部173が、第1の筐体11の内周のうち、少なくとも、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置において、クリアランスdがクリアランスcより小さくなるように構成される。例えば、規制部173は、第1の筐体11の内周の全周に設けられつつ、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、部分的に、クリアランスdがクリアランスcより小さくなるように形成される。または、例えば、規制部173は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、部分的に設けられてもよい。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部173に当接することで、径方向の移動が規制される。
上述したように、第2の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17の規制部173によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態でも、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図9は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図9では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図9に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図9に示すように、本実施形態では、第1の筐体11は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側と対向する側に、ねじりコイルばね18に向けて延出する規制部112を有している。
例えば、規制部112は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する範囲に、第1の筐体11の内周の全周にわたって、回転軸17の中心軸に向かう方向へ延出するように設けられている。すなわち、回転軸17は、規制部112が設けられることによって、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側と対向する部分の径が、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する部分の径より小さくなるように形成されている。なお、規制部112が設けられる範囲は、少なくとも、ねじりコイルばね18における軸方向の一端181側で最も端に位置する一巻き分と対向する範囲を含んでいればよい。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と規制部112との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の外周面が規制部112に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
なお、ここでは、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、規制部112が、第1の筐体11の内周の全周にわたって設けられており、ねじりコイルばね18が、ねじりコイルばね18の外周面と規制部112との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaより小さくなるように配置されている場合の例を説明した。これについて、規制部112は、必ずしも第1の筐体11の内周の全周にわたって、クリアランスbがクリアランスaより小さくなるように構成されていなくてもよい。
前述したように、通常、ねじりコイルばね18は、巻き込まれる際に、軸方向の一端181側では、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が回転軸17に最も近接すると考えられる。したがって、ねじりコイルばね18は、少なくとも、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置で、径方向の移動が規制されていればよい。
この場合には、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、規制部112が、第1の筐体11の内周のうち、少なくとも、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置において、クリアランスbがクリアランスaより小さくなるように構成される。例えば、規制部112は、第1の筐体11の内周の全周に設けられつつ、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、部分的に、クリアランスbがクリアランスaより小さくなるように形成される。または、例えば、規制部112は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、部分的に設けられてもよい。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部112に当接することで、径方向の移動が規制される。
また、本実施形態では、回転軸17は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する側に、第1の筐体11に向けて延出する規制部174を有している。ここで、回転軸17に設けられる規制部174は、図示した例では形状が少し異なっているが、第1の実施形態で説明した規制部172と同様である。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部174との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の内周面が規制部174に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
上述したように、第3の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11の規制部112によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17の規制部174によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態でも、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図10は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図10では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図10に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図10に示すように、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側の巻き径が、軸方向の他端182側の巻き径より大きくなるように形成されている。言い換えると、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側の巻き径が、軸方向の一端181側の巻き径より小さくなるように形成されている。
例えば、ねじりコイルばね18は、軸方向における略中心から他端182側の端までは、巻き径が同じになるように形成され、軸方向における略中心から一端181側の端までは、巻き径が徐々に大きくなるように形成されている。この場合に、ねじりコイルばね18は、少なくとも、軸方向の一端181側で最も端に位置する一巻きの巻き径が、他端182側で最も端に位置する一巻きの巻き径より大きく形成されていればよい。
または、ねじりコイルばね18は、軸方向における略中心から一端181側の端までは、巻き径が同じになるように形成され、軸方向における略中心から他端182側の端までは、巻き径が徐々に小さくなるように形成されていてもよい。この場合に、ねじりコイルばね18は、少なくとも、軸方向の他端182側で最も端に位置する一巻きの巻き径が、一端181側で最も端に位置する一巻きの巻き径より小さく形成されていればよい。あるいは、巻き始めから巻き終わりまで連続的に径が変化するように形成されてもよい。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と第1の筐体11との間のクリアランスaより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の外周面が第1の筐体11に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
また、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の内周面が回転軸17に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
上述したように、第4の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態でも、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
(第5の実施形態)
図11は、第5の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図11は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図11では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図11に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図11に示すように、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスaより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の外周面が第1の筐体11に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
また、本実施形態では、駆動装置1は、回転軸17の外周面に沿って、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置された規制部材191を備える。
例えば、規制部材191は、中空の略円筒形状に形成されており、内径の大きさが、回転軸17における、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置される側の外径の大きさと略同じになるように形成されている。そして、規制部材191は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に挿入された状態で配置されている。ここで、規制部材191は、回転軸17に固定されていてもよいし、回転軸17に固定されずに、回転軸17を中心に回転が可能となっていてもよい。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部材191との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の内周面が規制部材191に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
なお、例えば、規制部材191において、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置される端部には、径方向に突出する突出部1911が設けられている。ここで、突出部1911は、規制部材191の外周の全周にわたって設けられていてもよいし、規制部材191の外周の一部又は複数の部分に設けられていてもよい。そして、突出部1911は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に位置するばね部分の端部に係合することで、規制部材191がねじりコイルばね18の軸方向の一端181側へ移動するのを防ぐ。これにより、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側の径方向の移動をより確実に規制することができるようになる。
上述したように、第5の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、規制部材191を介して回転軸17によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態でも、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
なお、ここでは、ねじりコイルばね18に対して、規制部材191が回転軸17側に配置される場合の例を説明したが、規制部材191は、第1の筐体11側に配置されてもよい。その場合には、規制部材191は、第1の筐体11の内周面に沿って、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側に配置される。
そして、この場合には、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の外周面と規制部材191との間のクリアランスが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスより小さくなるように配置される。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の外周面が規制部材191に当接することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。
(第6の実施形態)
なお、上述した第1〜第5の実施形態では、ねじりコイルばね18が、軸方向における一端181側の径方向の移動が第1の筐体11によって規制され、軸方向における他端182側の径方向の移動が回転軸17によって規制される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
例えば、以下で説明する第6の実施形態では、駆動装置1が、回転軸17と第1の筐体11との間に配置され、回転軸17の周方向に沿って移動可能な規制部材を備える。そして、ねじりコイルばね18が、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側及び軸方向の他端182側の少なくとも一方の径方向の移動が規制部材によって規制される。
図12は、第6の実施形態に係る駆動装置1におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図12は、ねじりコイルばね18の中心軸を通る断面を示している。また、図12では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図12に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図12に示すように、本実施形態では、規制部材192が、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に延在するように配置されている。
例えば、規制部材192は、中空の略円筒形状に形成されており、内径の大きさが、回転軸17における、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置される側の外径の大きさと略同じになるように形成されている。そして、規制部材192は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側に、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に挿入された状態で配置されている。ここで、規制部材192は、回転軸17に固定されずに、回転軸17を中心に回転が可能となっている。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部材192との間のクリアランスaが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の一端181側の内周面が規制部材192と当接した状態で周方向に沿って移動することで、当該一端181側の径方向の移動が規制される。ここで、規制部材192は、ねじりコイルばね18のねじりと連動して回転することになるため、ねじりコイルばね18と規制部材192との間の相対周速度が最小化されることになる。
また、本実施形態では、駆動装置1は、回転軸17の外周面に沿って、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置された規制部材191を備える。ここで、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側に配置された規制部材191は、第5の実施形態で説明した規制部材191と同様である。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、当該ねじりコイルばね18の内周面と規制部材191との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の内周面が規制部材191に当接することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。
上述したように、第6の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、回転軸17の周方向に沿って移動可能な規制部材192によって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17の外周面に沿って配置された規制部材191によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態によれば、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
なお、ここでは、ねじりコイルばね18に対して、回転可能な規制部材192が回転軸17側に配置される場合の例を説明したが、規制部材192は、第1の筐体11側に配置されてもよい。その場合には、規制部材192は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18と第1の筐体11との間に延在するように配置される。
そして、この場合には、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の外周面と規制部材192との間のクリアランスが、ねじりコイルばね18の内周面と回転軸17との間のクリアランスより小さくなるように配置される。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、軸方向の他端182側の外周面が規制部材192と当接した状態で周方向に沿って移動することで、当該他端182側の径方向の移動が規制される。ここで、規制部材192は、ねじりコイルばね18のねじりと連動して回転することになるため、ねじりコイルばね18と規制部材192との間の相対周速度が最小化されることになる。
(第7の実施形態)
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、回転軸17又は第1の筐体11の全周にわたって規制部が設けられる場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、規制部は、第1の筐体11の内周又は回転軸17の外周のうち、ねじりコイルばね18が最も近接する位置に部分的に設けられてもよい。
前述したように、通常、ねじりコイルばね18は、巻き込まれる際に、軸方向の一端181側では、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が回転軸17に最も近接し、軸方向の他端182側では、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が、回転軸17に最も近接すると考えられる。したがって、ねじりコイルばね18は、少なくとも、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置、又は、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置で、径方向の移動が規制されていればよい。
図13は、第7の実施形態に係るねじりコイルばね18の規制を示す図である。ここで、図13は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側における回転軸17の断面とねじりコイルばね18の一部とを示している。例えば、図13に示すように、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側では、巻き込まれる際に、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置(図13に示す一点鎖線で囲んだ部分)が、回転軸17に最も近接すると考えられる。
そこで、例えば、第1の実施形態において、規制部172が、回転軸17の外周のうち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に部分的に設けられてもよい。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所が規制部172に当接することで、径方向の移動が規制される。
同様に、第2の実施形態における規制部173や、第3の実施形態における規制部174が、回転軸17の外周のうち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に部分的に設けられてもよい。
また、同様に、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側でも、第1の筐体11に設けられる規制部が、第1の筐体11の内周のうち、ねじりコイルばね18が最も近接する位置に部分的に設けられてもよい。例えば、第1の実施形態における規制部111や、第2の実施形態における規制部112が、第1の筐体11の内周のうち、ねじりコイルばね18が最も近接する位置に部分的に設けられてもよい。
図14は、第7の実施形態に係る駆動装置におけるねじりコイルばね18の周辺の構成を示す断面図である。ここで、図14は、ねじりコイルばね18の中心軸を通り、かつ、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置と、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置とを通る断面を示している。また、図14では、上側が、ねじりコイルばね18が第1の筐体11に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側を示しており、下側が、ねじりコイルばね18が回転軸17に係止されている側、すなわち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側を示している。また、図14に示すクリアランスa〜dの寸法は、それぞれ、ねじりコイルばね18が巻き込まれた状態における寸法を示している。
例えば、図14に示すように、本実施形態では、第1の筐体11は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に延在する延出部113を有している。
延出部113は、中空の略円筒形状に形成されており、第1の筐体11において、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が配置される側の端部から、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側へ延びるように形成されている。そして、延出部113は、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181側に、回転軸17の外周の全周にわたって、ねじりコイルばね18と回転軸17との間に挿入された状態で配置されている。
ここで、本実施形態では、延出部113が、回転軸17の外周のうち、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、ねじりコイルばね18に向けて延出する規制部113aを有している。
図15は、第7の実施形態に係る規制部113aの一例を示す斜視図である。ここで、図15は、第1の筐体11の内側を延出部113の先端側から見た様子を示している。例えば、図15に示すように、規制部113aは、延出部113において、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、回転軸17の中心軸から離れる方向へ延出するように設けられている。すなわち、延出部113は、規制部113aが設けられることによって、ねじりコイルばね18の軸方向の一端181が第1の筐体11に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、それ以外の部分と比べて厚くなるように形成されている。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の一端181側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部113aとの間のクリアランスaが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスbより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、第1の筐体11に係止されている軸方向の一端181の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部113aに当接することで、径方向の移動が規制される。
また、例えば、図14に示すように、本実施形態では、回転軸17は、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する側に、ねじりコイルばね18に向けて延出する規制部175を有している。ここで、規制部175は、回転軸17の外周のうち、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、ねじりコイルばね18に向けて延出するように設けられている。
図16は、第7の実施形態に係る規制部175の一例を示す斜視図である。ここで、図16は、回転軸17における、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182側と対向する側に配置される部分を示している。例えば、図16に示すように、規制部175は、回転軸17において、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置に、回転軸17の中心軸から離れる方向へ延出するように設けられている。すなわち、回転軸17は、規制部175が設けられることによって、ねじりコイルばね18の軸方向の他端182が回転軸17に係止されている位置から巻き方向に90°ずれた位置の部分が、それ以外の部分と比べて太くなるように形成されている。
そして、本実施形態では、ねじりコイルばね18は、軸方向の他端182側において、ねじりコイルばね18の内周面と規制部175との間のクリアランスcが、ねじりコイルばね18の外周面と第1の筐体11との間のクリアランスdより小さくなるように配置されている。これにより、ねじりコイルばね18は、回転軸17が回転した際に、回転軸17に最も近接する箇所、すなわち、回転軸17に係止されている軸方向の他端182の位置から巻き方向に90°ずれた位置が規制部175に当接することで、径方向の移動が規制される。
上述したように、第7の実施形態では、ねじりコイルばね18は、第1の筐体11に係止されている側(軸方向の一端181側)では、第1の筐体11の規制部113aによって径方向の移動が規制され、回転軸17に係止されている側(軸方向の他端182側)では、回転軸17の規制部175によって径方向の移動が規制される。したがって、本実施形態によれば、ねじりコイルばね18が、第1の筐体11又は回転軸17との間で相対周速度が最小となる側で移動が規制されることになり、ねじりコイルばね18と第1の筐体11又は回転軸17との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。
また、上述した実施形態では、第1の筐体11が固定されており、回転軸17が回転する構成において、駆動装置1が、回転軸17の回転を付勢する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、駆動装置1は、回転軸17が固定されており、筐体が回転するような構成でも、同様に用いることが可能である。
また、上述した実施形態では、駆動装置1が便器2に備えられた場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、上述した実施形態で説明した駆動装置1は、洗濯機に備えられ、洗濯漕の蓋を開閉駆動するために用いられることもできる。
また、上述した各実施形態で説明したねじりコイルばね18の移動を規制する構成は、それぞれ、適宜に組み合わせて実施することも可能である。すなわち、上述した複数の実施形態のうちの1つの実施形態におけるねじりコイルばね18の軸方向の一端側の移動を規制する構成と、他の実施形態におけるねじりコイルばね18の軸方向の他端側の移動を規制する構成とを組み合わせて実施することも可能である。
以上、説明した実施形態及び変形例によれば、ねじりコイルばねと筐体又は回転軸との摺動摩擦によるトルク損失を低減することができる。また、摺動摩擦による騒音や巻き込みムラを低減し、ばねの寿命を向上することもできる。また、これらの結果として、駆動装置1の高信頼性化、静音化、ばねトルク向上による小型化、低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。