JP2018091388A - 直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持器とシールとの取り付けが容易であり、且つ取り付け後はシールが外れ難く、確実に案内レールとスライダとの隙間を密封することができる直動案内装置を提供する。
【解決手段】案内レール1と、軸方向に相対移動可能なスライダと、転動体転動路内に転動自在に配置される複数の転動体と、複数の転動体を保持する保持器と、保持器に取付けられて案内レールと保持器との隙間を密封するアンダーシール60と、を備える。保持器は、案内レールとの対向面に開口する取付溝36を有する。アンダーシールは、取付部62と、案内レールと摺接するリップ部61と、を有し、取付溝に収容される。保持器の対向面は、取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面39が、反開口部側に位置する外側対向面40、及びアンダーシールの取付部の押圧面65よりも高く、且つ、リップ部の先端部よりも低く、リップ部が取付溝と内側対向面との間の縁部41と接触する。
【選択図】図3
【解決手段】案内レール1と、軸方向に相対移動可能なスライダと、転動体転動路内に転動自在に配置される複数の転動体と、複数の転動体を保持する保持器と、保持器に取付けられて案内レールと保持器との隙間を密封するアンダーシール60と、を備える。保持器は、案内レールとの対向面に開口する取付溝36を有する。アンダーシールは、取付部62と、案内レールと摺接するリップ部61と、を有し、取付溝に収容される。保持器の対向面は、取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面39が、反開口部側に位置する外側対向面40、及びアンダーシールの取付部の押圧面65よりも高く、且つ、リップ部の先端部よりも低く、リップ部が取付溝と内側対向面との間の縁部41と接触する。
【選択図】図3
Description
本発明は直動案内装置に関し、特に、工作機械、自動車製造設備、搬送装置などで使用される直動案内装置に関する。
通常、直動案内装置においては、スライダの内部にグリース等の潤滑剤が封入され転動体や転動体軌道面の潤滑に供されるが、スライダの走行に伴って、スライダの内部の潤滑剤が転動体によって案内レールに転写されるようにしてスライダの外部に排出される。したがって、定期的なメンテナンスを行って、スライダの内部に潤滑剤を補充する必要がある。
一般的に直動案内装置には、案内レールとスライダとの間の隙間の開口を密封して、スライダの内部の潤滑剤が外部に漏出することを防ぐとともに、外部の異物がスライダの内部に侵入することを防ぐシールが備えられている。例えば、案内レールとスライダとの間の隙間の開口のうち、スライダの軸方向(案内レールの長手方向)端面側に面する部分の開口を密封するサイドシールと、スライダの下面側に面する部分の開口を密封するアンダーシールとが、スライダに装着されている。
従来の直動案内装置としては、スライダ本体の軸方向に沿って長く形成された芯金にゴムシールが固着されてなるアンダーシールの軸方向両端部が、エンドキャップに設けられた保持溝に差し込まれてスライダ本体の下面に配置され、スライダと案内レールとの間の隙間をシールするようにした直動案内軸受装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、直動方向に延びる略三角柱状の支柱部と枠状部とからなる保持器にインナーシール及びアンダーシールが装着され、インナーシールが、案内レールの側面とスライダの内側面との間の隙間をスライダの脚部の基端側で密封し、アンダーシールが、案内レールの側面とスライダの内側面との間の隙間をスライダの脚部の先端側で密封するようにした直動案内軸受装置がある。この保持器とインナーシール及びアンダーシールとの取り付けは、保持器に形成されて案内レール側に開口する溝部及び鉤部に、インナーシール及びアンダーシールの凸部及び凹部が嵌合して取り付けられている(例えば、特許文献2参照)。このようなアンダーシールは、保持器のアリ溝により、スライダの長手方向全長で拘束されるため、スライダの中央で重力方向に撓むことがない。
また、特許文献3に記載の直動案内装置では、図7に示すように、案内レール102の側面部とスライダ103の袖部の内側面部との間に、アッパーシール109およびアンダーシール110が、スライダ103の直動方向ほぼ全長に亘って設けられている。アッパーシール109およびアンダーシール110は、ベース部109a、110aと、案内レール102の側面部に接触する弾性リップ部109b、110bをそれぞれ有する。また、保持器107には、ベース部109a、110aと嵌合するアリ溝状のシール部材取付け溝111、112が形成されている。各シール部材取付け溝111、112には、ベース部109a、110aに設けられた凸状部113と嵌合する抜け止め用の凹状部114がスライダ103のほぼ全長に亘って形成されている。
ところで、図7に示すようなアッパーシール109およびアンダーシール110は、一般にゴム、エラストマなどの軟質材料であり、その弾性を利用して簡易に組み付けが行われる。即ち、ベース部109a,110aの凸状部113を保持器107の凹状部114に嵌め込み、凸状部113を中心にしてベース部109a,110aの上面を押しながら回転させることで、アッパーシール109およびアンダーシール110が保持器107に組み付けられる。しかしながら、手扱いやスライダの走行などに伴って弾性リップ部109b、110bに凸状部113を中心として上記回転方向と反対方向の力が作用した場合、アッパーシール109およびアンダーシール110のベース部109a、110aが各シール部材取付け溝111、112から外れてしまう可能性があり、対策が求められている。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持器とシールとの取り付けが容易であり、且つ取り付け後はシールが外れ難く、確実に案内レールとスライダとの隙間を密封することができる直動案内装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 案内レールと、
該案内レールを跨ぐように取り付けられ、前記案内レールに対して軸方向に相対移動可能なスライダと、
前記案内レールと前記スライダの互いに対向する転動体軌道面間に形成される転動体転動路内に転動自在に配置される複数の転動体と、
前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する開口部を形成する保持器と、
前記案内レールと前記スライダとの隙間を密封するように、前記転動体転動路に沿って延在して、前記保持器に取付けられるシールと、
を備える直動案内装置であって、
前記保持器には、前記案内レールとの対向面に開口する取付溝が形成され、
前記シールは、前記保持器の取付溝内に収容される取付部と、前記案内レールと摺接するリップ部と、を有し、
前記保持器の対向面は、前記取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面が、前記取付け溝に対して反開口部側に位置する外側対向面、及び前記シールの取付部の押圧面よりも高く、且つ、前記リップ部の先端部よりも低く、
前記リップ部は、前記取付溝と前記内側対向面との間の縁部と接触していることを特徴とする直動案内装置。
(2) 前記保持器の取付溝は、前記取付溝と内側対向面との間の縁部を構成し、前記内側対向面に垂直な垂直平面を有することを特徴とする(1)に記載の直動案内装置。
(3) 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する角部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する円弧凸部とを備え、
前記シールは、前記角部と前記円弧凸部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の直動案内装置。
(4) 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する円弧凸部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する角部とを備え、
前記シールは、前記円弧凸部と前記角部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の直動案内装置。
(1) 案内レールと、
該案内レールを跨ぐように取り付けられ、前記案内レールに対して軸方向に相対移動可能なスライダと、
前記案内レールと前記スライダの互いに対向する転動体軌道面間に形成される転動体転動路内に転動自在に配置される複数の転動体と、
前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する開口部を形成する保持器と、
前記案内レールと前記スライダとの隙間を密封するように、前記転動体転動路に沿って延在して、前記保持器に取付けられるシールと、
を備える直動案内装置であって、
前記保持器には、前記案内レールとの対向面に開口する取付溝が形成され、
前記シールは、前記保持器の取付溝内に収容される取付部と、前記案内レールと摺接するリップ部と、を有し、
前記保持器の対向面は、前記取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面が、前記取付け溝に対して反開口部側に位置する外側対向面、及び前記シールの取付部の押圧面よりも高く、且つ、前記リップ部の先端部よりも低く、
前記リップ部は、前記取付溝と前記内側対向面との間の縁部と接触していることを特徴とする直動案内装置。
(2) 前記保持器の取付溝は、前記取付溝と内側対向面との間の縁部を構成し、前記内側対向面に垂直な垂直平面を有することを特徴とする(1)に記載の直動案内装置。
(3) 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する角部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する円弧凸部とを備え、
前記シールは、前記角部と前記円弧凸部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の直動案内装置。
(4) 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する円弧凸部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する角部とを備え、
前記シールは、前記円弧凸部と前記角部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする(1)又は(2)に記載の直動案内装置。
本発明の直動案内装置によれば、保持器は、案内レールとの対向面に開口する取付溝を有し、案内レールとスライダとの隙間を密封するシールは、取付溝内に収容される取付部と、案内レールと摺接するリップ部と、を有する。そして、保持器の対向面は、取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面が、反開口部側に位置する外側対向面、及びアンダーシールの取付部の押圧面よりも高く、且つ、リップ部の先端部よりも低く、リップ部が取付溝と内側対向面との間の縁部と接触している。これにより、スライダの走行等によってアンダーシールのリップ部を開口部側へ倒す方向の力が作用しても、リップ部が取付溝と内側対向面との間の縁部で支持されて、アンダーシールが保持器の取付溝から外れることが防止される。したがって、保持器とシールとの取り付けが容易であり、且つ案内レールとスライダとの隙間を確実に密封することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る直動案内装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、スライダの上下方向、幅方向とは、長手方向を水平にして配置された案内レールに組み付けられたスライダの状態における方向をそれぞれ表しており、スライダの幅方向は、案内レールの長手方向及びスライダの上下方向に垂直な方向であり、左右方向とも言う。
図1に示すように、本実施形態の直動案内装置では、軸方向に延びる断面形状略四角形の案内レール1の上に、スライダ2が軸方向に移動可能に組み付けられている。この案内レール1の左右両側面1a,1aには、軸方向に延びる凹部がそれぞれ形成されている。そして、それら凹部内には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略V字状をなすようにそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面はそれぞれ転動体軌道面10をなしている。
また、図2に示すように、スライダ2は、案内レール1の上面1bに沿う胴部7と、胴部7の左右両側部からそれぞれ下方に延び、側面1aに沿う2つの脚部6,6と、を備える。胴部7と脚部6,6とのなす角度は略直角であり、スライダ2の断面形状は、案内レール1の上面1b及び左右両側面1a,1aに沿う形状をなしている。そして、スライダ2は、両脚部6,6の間に案内レール1を挟むようにして、案内レール1の上に移動可能に取り付けられている。
このようなスライダ2は、スライダ本体2Aと、その軸方向両端部に着脱可能に取り付けられたエンドキャップ2B,2Bと、で構成されている。さらに、スライダ2の軸方向両端部(各エンドキャップ2Bの軸方向外端面)には、エンドキャップ2Bと同様の断面形状に形成されたサイドシール5,5が装着されている。
サイドシール5,5は、案内レール1の上面1b及び左右両側面1a,1a(転動体軌道面10を含む)に滑り接触しており、案内レール1とスライダ2との間の隙間の開口のうち、スライダ2の軸方向端面側での該隙間を密封している。
さらに、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の内側面には、軸方向に延びる凸部が、案内レール1に向かって突出するように形成されている。そして、それら凸部上には、軸方向に延びる上下2つの傾斜面が略V字状をなすようにそれぞれ形成されていて、左右合計4つの傾斜面は、それぞれ案内レール1の転動体軌道面(転動面)10,10,10,10に対向する転動体軌道面(転動面)11,11,11,11をなしている。すなわち、案内レール1の転動体軌道面10とスライダ2の転動体軌道面11との数は同数である。
そして、案内レール1の転動体軌道面10,10,10,10とスライダ2の転動体軌道面11,11,11,11との間に、断面形状略矩形の転動体転動路13,13,13,13がそれぞれ形成されていて、これらの転動体転動路13,13,13,13は軸方向に延びている。この転動体転動路13内には、転動体である複数の円筒ころ3が、保持器8に保持されつつ転動自在に装填されていて、これらの円筒ころ3の転動を介してスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動するようになっている。
また、複数の円筒ころ3間には、スペーサ(図示せず)が介装されており、スペーサの腕部が保持器8の案内溝44(図4参照)に案内されると共に、円筒ころ3がスペーサの円弧面に案内されて転動体転動路13を転動する。
さらに、スライダ2は、スライダ本体2Aの左右両脚部6,6の肉厚部分の上部及び下部に、転動体転動路13,13,13,13と平行をなして軸方向に貫通する断面形状略矩形の直線孔からなる直線状路(転動体戻し路)14,14,14,14を備えている。例えば、両脚部6に形成された軸方向に延びる孔16内に、円筒ころ3の形状に沿う断面形状の内面を有する管状部材18を挿入すれば、この管状部材18の内面で形成される直線孔により直線状路14が構成される。なお、転動体がボールである場合には、直線状路14は断面形状略円形とすることが好ましい。
一方、エンドキャップ2Bは、例えば樹脂材料の成形品からなり、スライダ本体2Aと同様の断面形状に形成されている。また、エンドキャップ2Bの裏面(スライダ本体2Aとの当接面)の左右両側には、断面形状略矩形の半ドーナツ状の湾曲路(図示せず)が上下二段に形成されている。このエンドキャップ2Bをスライダ本体2Aに取り付けると、湾曲路によって転動体転動路13と直線状路14とが連通される。これら直線状路14と両端の湾曲路とで、円筒ころ3を転動体転動路13の終点から始点へ送る転動体戻し路が構成され(転動体戻し路は転動体転動路13と同数設けられている)、転動体転動路13と前記転動体戻し路とで、略環状の転動体循環路が構成される。そして、この略環状の転動体循環路は、案内レール1を挟んで左右両側に形成される。
そして、案内レール1に組みつけられたスライダ2が案内レール1に沿って軸方向に移動すると、転動体転動路13内に装填されている円筒ころ3は、転動体転動路13内を転動しつつ案内レール1に対してスライダ2と同方向に移動する。そして、円筒ころ3が転動体転動路13の終点に達すると、転動体転動路13からすくい上げられ湾曲路へ送られる。湾曲路に入った円筒ころ3はUターンして直線状路14に導入され、直線状路14を通って反対側の湾曲路に至る。円筒ころ3は、ここで再びUターンして転動体転動路13の始点に戻り、このような転動体循環路内の循環を無限に繰り返す。
また、本実施形態の保持器8は、例えば樹脂材料(樹脂の例としてはポリアセタール、ポリアミドがあげられる)、金属材料(金属の例としてはアルミニウム、鋼があげられる)の成形品からなる。そして、保持器8は、軸方向に延びる略三角柱状の中間保持部31と、中間保持部31の平行な3辺のうち2辺から略V字状をなすように延びる上側保持部32及び下側保持部33と、を備え、中間保持部31、上側保持部32、及び下側保持部33が一体に形成されている。
上側保持部32と中間保持部31との間、及び下側保持部33と中間保持部31との間には、長方形状の貫通孔である開口部34がそれぞれ形成されており、これら開口部34内に複数の円筒ころ3が長手方向に沿って並ぶようにして収容保持されている。
そして、中間保持部31が上下の転動体軌道面10,11の間に位置し、保持器8が脚部6の内側面に沿うようにして、スライダ2に固定される。保持器8を固定する部分は特に限定されるものではなく、例えば、中間保持部31をスライダ本体2Aの脚部6の内側面に固定してもよいし、保持器8の軸方向両端部を両エンドキャップ2Bにそれぞれ固定してもよい。
上側保持部32には、インナーシール70を取り付ける取付溝35が形成されている。また、下側保持部33には、アンダーシール60を取り付ける取付溝36が形成されている。なお、エンドキャップ2Bにも、アンダーシール60の長手方向端部、及びインナーシール70の長手方向端部(いずれも図示せず)を嵌める不図示の溝が形成されている。インナーシール70は、案内レール1の側面とスライダ2の内側面との隙間を脚部6の基端側で密封し、アンダーシール60は、案内レール1の側面とスライダ2の内側面との隙間を脚部6の先端側で密封する。
アンダーシール60とインナーシール70、及び取付溝36と取付溝35は、基本的に同一形状であるので、以下の説明では、図3に示すアンダーシール60および取付溝36について説明し、インナーシール70および取付溝35の説明は省略する。
図3に示すように、アンダーシール60は、案内レール1の側面に押圧接触するリップ部61と、保持器8の取付溝36に係合される取付部62と、エンドキャップ2Bの溝に係合される係合部(いずれも図示せず)を有し、一体成型されている。取付部62は、アンダーシール60が取付溝36に嵌合したとき、開口部側となる一方の端面に角部63が形成され、反開口部側となる他方の端面に円弧凸部64が形成されている。また、取付部62の案内レール1側の面は、押圧面65であり、アンダーシール60の組付け時に押圧される。
アンダーシール60(インナーシール70)の材料としては、熱可塑性エラストマ(ポリエステル系エラストマ、ウレタン系エラストマなど)、ゴム(ニトリルゴム、フッ素ゴムなど)の弾性材料が使用可能である。
なお、スライダ2のスライダ本体2Aとエンドキャップ2Bとでは、それぞれの脚部と案内レール1の側面との隙間が異なるため、アンダーシール60は、スライダ本体2Aの範囲に設置される部分と、エンドキャップ2Bの範囲に配置される部分の断面形状が異なる。
保持器8の取付溝36は、図4にも示すように、下側の円筒ころ3の軸線X方向において一方側の面が角面37であり、他方側の面が円弧凹面38の対形状となっている。また、案内レール1の側面1aに対向する保持器8(下側保持部33)の対向面は、取付溝36に対して内側対向面(開口部側の対向面)39が、反開口部側に位置する外側対向面40、及びアンダーシール60の押圧面65よりも高く、且つ、リップ部61の先端部よりも低くなっている。そして、リップ部61は、取付溝36と内側対向面39との間の縁部41と接触している。なお、内側対向面39、外側対向面40、押圧面65の高さは、例えば、案内レール1の転動体軌道面10に垂直な方向で規定され、取付溝36の底面から離間するほど高いとしている。
また、保持器8の取付溝36は、取付溝36と内側対向面39との間の縁部41を構成し、内側対向面39に垂直な垂直平面42を有する。
また、保持器8の取付溝36は、取付溝36と内側対向面39との間の縁部41を構成し、内側対向面39に垂直な垂直平面42を有する。
保持器8に対するアンダーシール60の取付けは、図4(a)に示すように、取付溝36の角面37に、アンダーシール60の角部63を差し込み、押圧面65を図中矢印で示す時計方向に押して円弧凸部64を取付溝36の円弧凹面38に嵌め込むことで、アンダーシール60の弾性を利用して容易に組み付けられる。
これにより、本実施形態の直動案内装置は、転動体である円筒ころ3や転動体軌道面10,11の潤滑のためにスライダ2の内部に配された潤滑剤が、アンダーシール60およびインナーシール70によって密封されている。
また、図4(b)に示すように、手扱いやスライダの走行などに伴ってリップ部61の先端に反時計方向の力が作用したときには、取付溝36の円弧凹面38からアンダーシール60の円弧凸部64を外す方向の回転モーメントが発生する。しかし、リップ部61の根元部が、取付溝36と内側対向面39との間の縁部41に当接してリップ部61の動きが拘束されており、さらに、内側対向面39が、反開口部側に位置する外側対向面40よりも高くなっているので、リップ部61の回転中心の位置が高くなる。これにより、アンダーシール60に作用する回転モーメントは、内側対向面39と外側対向面40の高さが同じ高さの従来品(図6参照)より小さくすることができ、アンダーシール60の外れが抑制される。
また、リップ部61の根元部は、取付溝36の垂直平面42と接触するので、リップ部61の動きがより拘束され、アンダーシール60の外れがより抑制される。なお、回転モーメントを抑制するため、垂直平面42の高さhが0.2mm以上であることが好ましい。
また、リップ部61の根元部は、取付溝36の垂直平面42と接触するので、リップ部61の動きがより拘束され、アンダーシール60の外れがより抑制される。なお、回転モーメントを抑制するため、垂直平面42の高さhが0.2mm以上であることが好ましい。
なお、図4(a)に示すように、リップ部61の先端に時計方向の力が作用した場合も、保持器8の取付溝36の角面37にアンダーシール60の角部63が噛み込んでいるので、この角部63を外す方向の力に対して大きな抵抗力を有しており、アンダーシール60が保持器8から外れることはない。
さらに、図3に示すように、案内レール1に組み込まれた状態では、案内レール1と内側対向面39との隙間が、従来より狭くなり、これによっても密閉性が向上する。
以上説明したように、本実施形態の直動案内装置によれば、保持器8は、案内レール1との対向面に開口する取付溝36を有し、案内レール1とスライダ2との隙間を密封するアンダーシール60は、取付溝36内に収容される取付部62と、案内レール1と摺接するリップ部61と、を有する。そして、保持器8の対向面は、取付溝36に対して開口部側に位置する内側対向面39が、反開口部側に位置する外側対向面40、及びアンダーシール60の取付部62の押圧面65よりも高く、且つ、リップ部61の先端部よりも低く、リップ部61が取付溝36と内側対向面39との間の縁部41と接触している。これにより、スライダ2の走行等によりアンダーシール60にリップ部61を開口部側へ倒す方向の力が作用しても、リップ部61の根元部が取付溝36と内側対向面39との間の縁部41で支持されて、アンダーシール60が保持器8の取付溝36から外れることが防止される。したがって、保持器8とアンダーシール60との取り付けが容易であり、且つ案内レール1とスライダ2との隙間を確実に密封することができる。
図5は、リップ部61に対するアンダーシール60の角部63と円弧凸部64との位置を入れ替えた変形例である。この変形例の場合、組付け時に円弧凸部64の真上を押して円弧凸部64を円弧凹面38に嵌合させることができないので、若干作業性が低下する。一方、リップ部61の先端に図中、時計方向の力が作用したときには、取付溝36の角面37に噛み込んでいるアンダーシール60の角部63の作用によりアンダーシール60の外れが抑制される。
その他の構成及び作用については、上記実施形態の直動案内装置と同様である。
その他の構成及び作用については、上記実施形態の直動案内装置と同様である。
図6は、図3のアンダーシール60に対して、シール60の取付部62及び保持器8の取付溝36の反開口部側における形状を変更した他の変形例である。この他の変形例の場合、取付部62の反開口部側を断面矩形状の凸部64aとし、取付溝36の反開口部側を断面矩形状の凹面38aとして、凸部64aを凹面38aに嵌合させている。この場合にも、組付け時、取付溝36の角面37にアンダーシール60の角部63を差し込み、押圧面65を押して凸部64aを凹面38に嵌合させることができる。一方、リップ部61の先端に図中、時計方向の力が作用したときには、取付溝36の凹面38aに噛み込んでいるアンダーシール60の凸部64aの作用によりアンダーシール60の外れが抑制される。なお、反開口部側の凸部64a及び凹面38aは、断面矩形状に限らず、多角形形状であってもよい。
その他の構成及び作用については、上記実施形態の直動案内装置と同様である。
その他の構成及び作用については、上記実施形態の直動案内装置と同様である。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明のシールは、本実施形態のアンダーシールに限定されず、インナーシールであってもよい。
また、保持器の取付溝36は、本実施形態の垂直平面42を有するものに限定されず、他の形状であってもよく、例えば、角部63や円弧凹面38が縁部41まで連続するものであってもよい。
本発明のシールは、本実施形態のアンダーシールに限定されず、インナーシールであってもよい。
また、保持器の取付溝36は、本実施形態の垂直平面42を有するものに限定されず、他の形状であってもよく、例えば、角部63や円弧凹面38が縁部41まで連続するものであってもよい。
1 案内レール
2 スライダ
3 円筒ころ(転動体)
5 サイドシール
8 保持器
10,11 転動体軌道面(転動面)
13 転動体転動路
36 取付溝
37 角面
38 円弧凹面
39 内側対向面
40 外側対向面
41 縁部
42 垂直平面
60 アンダーシール(シール)
70 インナーシール(シール)
61 リップ部
62 取付部
63 角部
64 円弧凸部
65 押圧面
2 スライダ
3 円筒ころ(転動体)
5 サイドシール
8 保持器
10,11 転動体軌道面(転動面)
13 転動体転動路
36 取付溝
37 角面
38 円弧凹面
39 内側対向面
40 外側対向面
41 縁部
42 垂直平面
60 アンダーシール(シール)
70 インナーシール(シール)
61 リップ部
62 取付部
63 角部
64 円弧凸部
65 押圧面
Claims (4)
- 案内レールと、
該案内レールを跨ぐように取り付けられ、前記案内レールに対して軸方向に相対移動可能なスライダと、
前記案内レールと前記スライダの互いに対向する転動体軌道面間に形成される転動体転動路内に転動自在に配置される複数の転動体と、
前記複数の転動体を前記転動体転動路内に保持する開口部を形成する保持器と、
前記案内レールと前記スライダとの隙間を密封するように、前記転動体転動路に沿って延在して、前記保持器に取付けられるシールと、
を備える直動案内装置であって、
前記保持器には、前記案内レールとの対向面に開口する取付溝が形成され、
前記シールは、前記保持器の取付溝内に収容される取付部と、前記案内レールと摺接するリップ部と、を有し、
前記保持器の対向面は、前記取付溝に対して開口部側に位置する内側対向面が、前記取付け溝に対して反開口部側に位置する外側対向面、及び前記シールの取付部の押圧面よりも高く、且つ、前記リップ部の先端部よりも低く、
前記リップ部は、前記取付溝と前記内側対向面との間の縁部と接触していることを特徴とする直動案内装置。 - 前記保持器の取付溝は、前記取付溝と内側対向面との間の縁部を構成し、前記内側対向面に垂直な垂直平面を有することを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。
- 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する角部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する円弧凸部とを備え、
前記シールは、前記角部と前記円弧凸部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動案内装置。 - 前記シールの取付部は、前記押圧面に対して開口部側に位置する円弧凸部と、前記押圧面に対して反開口部側に位置する角部とを備え、
前記シールは、前記円弧凸部と前記角部を前記取付溝に嵌合させることで、前記保持器に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の直動案内装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016234327A JP2018091388A (ja) | 2016-12-01 | 2016-12-01 | 直動案内装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016234327A JP2018091388A (ja) | 2016-12-01 | 2016-12-01 | 直動案内装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018091388A true JP2018091388A (ja) | 2018-06-14 |
Family
ID=62565462
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016234327A Pending JP2018091388A (ja) | 2016-12-01 | 2016-12-01 | 直動案内装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018091388A (ja) |
-
2016
- 2016-12-01 JP JP2016234327A patent/JP2018091388A/ja active Pending
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