JP2018090852A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い磁気特性を保ったまま、高いレベルでの鏡面化を実現する。【解決手段】鋼素材に熱間圧延を施して熱延鋼板とし、該熱延鋼板に、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚を有する冷延鋼板とし、該冷延鋼板に脱炭焼鈍を施し、該脱炭焼鈍後の冷延鋼板に、Mg、Al、Mn、CaおよびSrのケイ酸塩のうち少なくとも1つ並びに/またはMg、Fe、Ca、Mn、NiおよびCoのアルミン酸塩のうち少なくとも1つを含む焼鈍分離剤を塗布し、その後、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、方向性電磁鋼板の製造方法に関し、特に、主として大型のモータ、発電機、および大型変圧器等の鉄心材料として用いられる、フォルステライト(Mg2SiO4)を主体とする下地被膜(グラス被膜)を有しない方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、主にトランスの鉄心材料として使用されることから、磁気特性に優れること、特に鉄損の低いことが強く求められている。そのため方向性電磁鋼板は、冷間圧延したSi含有鋼板に、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施し、MgOを主剤とする焼鈍分離剤を塗布した後、仕上焼鈍において二次再結晶を起こさせ、結晶粒を{110}<001>方位(いわゆるゴス方位)に高度にそろえる方法で製造されている。上記仕上焼鈍は、二次再結晶させる焼鈍と、最高1200℃程度の温度まで昇温する純化処理を合わせて10日間程度を要するため、通常、コイルに巻いた状態で行うバッチ焼鈍により行われている。
上記仕上焼鈍中においては、脱炭焼鈍時に鋼板表面に形成されるSiO2を主体としたサブスケールと、脱炭焼鈍後に鋼板表面に塗布したMgOを主剤とする焼鈍分離剤が、2MgO+SiO2→Mg2SiO4の反応を起こし、鋼板表面にガラス質のフォルステライト被膜が形成される。
しかしながらこの被膜は硬質なため、電磁鋼板をコアに加工するためにスリットで剪断したり、打ち抜きしたりする際、金型が摩耗して、頻繁に再研磨したり交換したりする必要があった。このため、これらの打ち抜き加工性を向上させることも、方向性電磁鋼板の重要な課題となっていた。
さらに、近年、方向性電磁鋼板の磁気特性を向上させる要求がさらに高まっており、このような課題を解決するために、被膜−地鉄界面を平滑化させて表面荒れによる磁壁移動のピンニングをなくす方法も鋭意検討されている。そのためには、フォルステライト被膜を極力形成させないことが必要とされる。このために、数多くの方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、焼鈍分離剤中に塩化物を添加する方法が、また、特許文献2には、脱炭焼鈍後の酸素目付量を低く抑えた上で、焼鈍分離剤の主剤にAl2O3を用いる方法が開示されている。さらに特許文献3には仕上焼鈍中に低熱膨張性の被膜を形成させて、地鉄と被膜との間に働く応力で被膜を剥離させる方法が開示されている。
特開平9-49027号公報 特開平8-269558号公報 特開平10-8141号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、仕上焼鈍の低温域で被膜が剥離するものの、その後の高温域で塩素イオンが系外に抜けた後に再度被膜形成反応が起こってしまうため、十分な鏡面化が得られないという問題が生じていた。また、AlN、MnSといった鋼中のインヒビター成分が塩化物の影響を受けて劣化するために、二次再結晶挙動が変化し、高い磁束密度が得られないという問題もあった。さらに、仕上焼鈍時に有害な塩素ガスが排出されて、それがガス配管や炉体を損傷させたり、ガスの廃棄のための処理コストが増大するという問題が生じていた。
また、特許文献2の方法では、反応を抑制するためにAl2O3を用いているものの、実際はAl2O3が内部のSiO2と反応して薄い被膜が形成されて十分な鏡面化が得られなかったり、微細なAl2O3が鋼中に析出してヒステリシス損が劣化するという問題が生じていた。特に、仕上焼鈍をコイルの状態でバッチ式で行う際に、コイルエッジ部と中心部で鏡面状態が変わってしまい、中心部を鏡面状態に調整するとエッジ部に膜が被成されてしまうという問題が生じていた。
また、特許文献3の方法では、いったん成膜したのちにその被膜を剥離するという過程を経るため、被膜の凹凸がそのまま地鉄表面に残り、ヒステリシス損が十分改善されないという問題があった。
これらの他にも、鏡面化のための数多くの方法が提案されているが、いずれも上記のようなヒステリシス損の劣化や薄い被膜の残存などの問題が十分解決できたとは言い難い状況にある。しかも、近年の環境に対する関心の高まりから、磁気特性をさらに改善するために、様々な添加元素を鋼中に含有させる技術が開発され、環境規制の厳格化に伴い有害物質の使用や排出が厳しく規制され、また、省エネルギー推進のため、高性能な電磁鋼板の使用量が増えて、そのために1ロットで大量に処理する必要が生じ、仕上焼鈍コイルが大型化してコイル内での不均一性が増大する等、種々の環境変化が生じている。このような条件下では、従来技術により鏡面化と高い磁気特性とを、コイルの全長全幅で両立させることはさらに困難な状況となっている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高い磁気特性を保ったまま、高いレベルでの鏡面化を実現する方法を提供することを目的とする。
以下、本発明を導くに至った実験について説明する。
<実験>
C:0.060質量%、Si:3.40質量%、Mn:0.07質量%、Al:0.030質量%、およびN:0.007質量%を含有する鋼を溶製し、連続鋳造法で鋼スラブとした後、1400℃に加熱し、熱間圧延して板厚2.2mmの熱延板とし、1050℃×60秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延して中間板厚の1.7mmとし、1100℃×80秒の中間焼鈍を施した後、200℃の温間圧延により最終板厚0.23mmの冷延板とした。次いで、50vol%H2−50vol%N2、露点51℃の湿潤雰囲気下で820℃×100秒保持する脱炭焼鈍を施した。
このときの脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量は0.85g/m2、残留炭素量は10ppmであった。脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量は、JIS G 1239:2014の不活性ガス融解−赤外線吸収法に基づいて測定した。また、残留炭素量(以下、「炭素量」と記載する。)は、脱炭焼鈍後に鋼中に残留する炭素量を意味し、JIS G 1211: 2013の燃焼−赤外線吸収法に基づいて測定した。
その後、表1に示すような成分を主剤として含む粉体のうち、F、J、R、S、T、U、およびVの7種類の粉体を用いて、これをスラリー状にして塗布、乾燥したのち、1200℃までを20℃/hで昇温して5時間保定する仕上焼鈍を施した。このときの焼鈍雰囲気は、800℃までは乾燥窒素(dryN2)雰囲気で、800℃から1200℃で5時間の保定焼鈍までは乾燥水素(dryH2)雰囲気である。その後、リン酸マグネシウムを主成分とする絶縁コーティングを塗布後、乾燥を兼ねて800℃30秒の平坦化焼鈍を行い製品板とした。
かくして得られた各製品板における表面性状および磁束密度、並びに仕上焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量の測定結果を表2に示す。磁束密度はJIS C 2550:2011の磁束密度の波高値等の測定手順に基づいて測定した。仕上焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量は、仕上焼鈍後残存する焼鈍分離剤を除去した後、絶縁コーティングを塗布する前の鋼板において、JIS G 1239:2014の不活性ガス融解−赤外線吸収法に基づいて測定した。酸素目付量は、酸化膜が形成されているかどうかの指標となる。酸素目付量が0.50g/m2以下である場合には、外観上光沢のある表面を有するため、実質的に酸化膜が形成されていないと判断した。表2における表面性状の評価については、○:完全な光沢、△:白っぽい曇りあり、×:酸化膜が形成され金属光沢なし、である。
Figure 2018090852
Figure 2018090852
表2の結果に示されるように、MgAl2O4を焼鈍分離剤に用いたFおよびMg2SiO4+MgAl2O4を焼鈍分離剤に用いたJの条件では、実質的に完全な膜なし(酸化膜が形成されない)と評価されたのに対し、MgO、Al2O3、およびこれらを混合した焼鈍分離剤の場合は、いずれも多かれ少なかれ酸化膜が形成された。また、磁気特性も、条件Fでは高い磁束密度が得られているのに対し、R、S、T、UおよびVではいずれも磁束密度が低く、磁気特性が劣化する傾向となった。条件Uでは、条件FとAlおよびMgの組成比が同一であるにもかかわらず、表面性状、磁束密度とも大きく異なる結果となった。Vは、Uの条件にSiO2およびBi2O3をさらに加えたものであって、これにより表面性状が少し改善したものの、その効果は不十分であった。
この原因としては、本発明者らは以下の通り考える。
MgOは鋼板表層の内部酸化層のSiO2と反応してMg2SiO4を形成する。また、Al2O3もSiO2やその他と反応してケイ酸塩やスピネルを形成する。これらが形成されるため、酸化膜の形成を防止することができない。しかし、あらかじめこれらを反応させてケイ酸塩やスピネルの形で用いれば、これらがさらに反応することはないため、被膜形成は行われない。
ここで、焼鈍分離剤として低反応な粉体を用いると内部酸化層中のSiO2が残存することが考えられるが、SiO2は、仕上焼鈍中に表面エネルギーを下げるために表面に移動し、そこで接着力を失い剥落するために、特に対策をとらなくても除去できる。また、このような表面への移動を促進させるために、アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物を焼鈍分離剤に添加すると、さらに効果的に鋼板表面の鏡面化を進行させることができる。アルカリ金属の化合物では、Li、Na、K、Rb、Csの化合物が特に鏡面化の促進に好適であり、アルカリ土類金属の化合物では、Ca、Sr、Baの化合物が特に鏡面化の促進に好適である。これらの化合物は酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物、硫化物等のいずれも使用可能である。
本発明は、上記の新規な知見に立脚するものであり、その要旨構成は、以下のとおりである。
1.鋼素材に熱間圧延を施して熱延鋼板とし、
該熱延鋼板に、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚を有する冷延鋼板とし、
該冷延鋼板に脱炭焼鈍を施し、
該脱炭焼鈍後の冷延鋼板に、Mg、Al、Mn、CaおよびSrのケイ酸塩のうち少なくとも1つ並びに/またはMg、Fe、Ca、Mn、NiおよびCoのアルミン酸塩のうち少なくとも1つを含む焼鈍分離剤を塗布し、その後、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法。
2.前記仕上焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量が0.50g/m2以下である、上記1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
3.前記焼鈍分離剤に対して0.5〜15.0%のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を前記焼鈍分離剤に添加する、上記1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
4.前記脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量が1.00g/m2以下であり、かつ炭素量が100ppm以下である、上記1から3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、高い磁気特性を保ったまま、高いレベルでの鏡面化を実現することができる。
[成分組成]
以下、本発明の一実施形態による方向性電磁鋼板およびその製造方法について説明する。まず、鋼素材(スラブ)の好適な成分組成について述べる。なお、本明細書において、各成分元素の含有量を表す「%」は、特に断らない限り「質量%」を意味する。
鋼素材は、質量%で、C:0.020%以上0.080%以下、Si:2.50%以上4.50%以下およびMn:0.03%以上0.30%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物である成分組成を有することが好ましい。
C:0.020%以上0.080%以下
Cは、0.020%に満たないと、Cによる粒界強化効果が失われ、スラブに割れが生じるなど、製造に支障を来たす欠陥を生ずるようになる。一方、0.080%を超えると、脱炭焼鈍で、磁気時効の起こらない0.005%以下に低減することが困難となる。よって、Cは0.020%以上0.080%以下の範囲とするのが好ましい。より好ましくは0.025%以上0.075%以下の範囲である。
Si:2.50%以上4.50%以下
Siは、鋼の比抵抗を高め、鉄損を低減するのに必要な元素である。この効果は、2.50%未満では十分ではなく、一方4.50%を超えると加工性が低下し、圧延して製造することが困難となる。よって、Siは2.50%以上4.50%以下の範囲とするのが好ましい。より好ましくは2.80%以上4.00%以下の範囲である。
Mn:0.03%以上0.30%以下
Mnは、鋼の熱間加工性を改善するために必要な元素である。この効果は、0.03%未満では十分ではなく、一方、0.30%を超えると、製品板の磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.03%以上0.30%以下の範囲とするのが好ましい。より好ましくは0.04%以上0.20%以下の範囲である。
以上に加え、インヒビターによる粒成長抑制力を補強する鋼素材を用いる製造方法においては、Al:0.010%以上0.040%以下、N:0.003%以上0.012%以下、並びにS:0.002%以上0.030%以下および/またはSe:0.003%以上0.030%以下をさらに含むことが好ましい。
Al:0.010%以上0.040%以下
Alはインヒビター構成元素として用いられる。使用する場合、0.010%より少ないと、インヒビター効果が十分に得られず、一方、0.040%を超えると、二次再結晶が不安定となって磁気特性が大きくばらつく。よって、Alは0.010%以上0.040%以下とするのが好ましい。より好ましくは、0.015%以上0.030%以下である。
N:0.003%以上0.012%以下
Nは、AlとともにインヒビターのAlNを構成する元素である。0.012%を超えると、フクレや穴などの表面欠陥が発生するので、これ以下とする。下限については、製造工程途中で増窒処理を行う場合と行わない場合があるが、いずれの場合も0.003%以上とする。これを下回ると、たとえ増窒処理をしたとしてもインヒビター抑制力不足となり、二次再結晶が十分行われない。これ以外には、SやSeを利用することも可能である。
S:0.002%以上0.030%以下および/またはSe:0.003%以上0.030%以下
S、Seは、MnとともにMnSe、MnS等のインヒビターを構成する元素として使用することができる。これらの析出物とAlNが複合析出することにより、二次再結晶焼鈍が高温であっても、安定して抑制力を発揮できるようになる。Sが0.002%未満でかつSeが0.003%未満の場合、抑制力不足となって二次再結晶不良となる。また、Sが0.030%を超える場合、または、Seが0.030%を超える場合には、ヘゲなどの表面欠陥が発生する。従って上記範囲内とする。
一方、インヒビターを積極的に用いないいわゆるインヒビターレスによる製造方法においては、Al:0.010%以下、N:0.005%以下、およびS:0.005%以下、Se:0.005%以下のように低減することが有効である。
上記成分以外に、さらなる磁気特性の改善を目的として、Ni:0.01〜1.50%、Cr:0.01〜0.50%、Cu:0.01〜0.50%、P:0.005〜0.20%、Sb:0.005〜0.20%、Sn:0.005〜0.50%、Bi:0.005〜0.10%、Mo:0.005〜0.10%、B:0.0002〜0.0025%、Te:0.0005〜0.010%、Nb:0.001〜0.010%、V:0.001〜0.010%、Ti:0.001〜0.010%、およびTa:0.001〜0.010%のうちから選ばれる1種または2種以上を適宜添加してもよい。各成分組成の添加量が下限値より少ない場合には、磁気特性の向上効果がなく、上限値を超える場合には、二次再結晶粒の発達が抑制されて磁気特性が劣化する。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
上記成分組成を有する鋼を常法の精錬プロセスで溶製した後、造塊−分塊圧延法または連続鋳造法で鋼素材(スラブ)を製造する。あるいは、直接鋳造法で100mm以下の厚さの薄鋳片を製造してもよい。
[加熱]
AlN、MnS、MnSe等のインヒビター成分を利用する場合は、加熱温度は1350℃以上1450℃以下とし、均熱時間は5分以上120分以下とする。加熱温度と均熱時間のいずれかが上限値を超えるとスラブが一部溶融して表面疵の原因となり、下限値を下回るとインヒビター成分が十分固溶しないため、磁気特性が劣化する。
インヒビター成分を用いない場合には、加熱温度は1100℃以上1350℃未満とし、均熱時間は5分以上120分以下とする。加熱温度と均熱時間のいずれかが上限値を超えると、粒成長が進みすぎて表面疵の原因となるため、好ましくない。加熱温度と均熱時間のいずれかが下限値を下回ると、微量の不純物元素が溶解しきれず、磁気特性が劣化する。
[熱間圧延]
上記加熱後に、熱間圧延を行う。熱間圧延温度は、AlNやMnS、MnSe等のインヒビター成分を利用する場合は開始温度を1330℃以上とし、インヒビター成分を利用しない場合は1080℃以上とする。この温度に満たないと、スラブを加熱してから熱間圧延するまでの間に微量成分が析出しすぎて、磁気特性が劣化する。また、終了温度は800℃以上1000℃以下が望ましい。800℃を超えると、熱延後に微量成分が析出して磁性劣化し、1000℃を下回ると、熱間圧延中に微量成分が析出して磁性劣化する。薄鋳片の場合には、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程を行うこととしてもよい。
[熱延板焼鈍]
上記熱間圧延後に、必要に応じて熱延板焼鈍を施す。この熱延板焼鈍の焼鈍温度は、良好な磁気特性を得るためには、800〜1150℃の範囲とするのが好ましい。800℃未満では、熱間圧延で形成されたバンド組織が残留し、整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなり、二次再結晶の発達が阻害される。一方、1150℃を超えると、熱延板焼鈍後の粒径が粗大化し過ぎて、やはり整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなるからである。保持時間は、上記の一次再結晶組織の観点から、5〜120秒が好ましい。
[冷間圧延]
熱間圧延後あるいは熱延板焼鈍後の熱延板または薄鋳片に、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延をして最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍の焼鈍温度は、900〜1200℃の範囲とするのが好ましい。900℃未満では、中間焼鈍後の再結晶粒が細かくなり、さらに一次再結晶組織におけるGoss核が減少して製品板の磁気特定が低下する傾向がある。一方、1200℃を超えると、熱延板焼鈍のときと同様、結晶粒が粗大化し過ぎて整粒の一次再結晶組織を得ることが難しくなる。中間焼鈍時間は、5〜120秒程度とすることが好ましい。
また、最終板厚とする冷間圧延(最終冷間圧延)は、冷間圧延時の鋼板温度を100〜300℃に上昇させて行うことや、冷間圧延の途中で100〜300℃の温度で時効処理を1回または複数回施すことが、一次再結晶集合組織を改善し、磁気特性を向上させるのに有効である。なお、上記冷間圧延は、温間圧延も含むものとする。
[脱炭焼鈍]
最終板厚とした冷延板に、一次再結晶焼鈍を兼ねた脱炭焼鈍を施す。焼鈍温度は700℃〜900℃、焼鈍時間は30〜300秒の範囲とする。700℃未満あるいは30秒未満では、脱炭が不十分となったり、一次再結晶粒径が小さすぎるため磁気特性が劣化し、900℃超あるいは300秒超では、一次粒径が大きくなりすぎて、やはり磁気特性が劣化する。脱炭焼鈍時の雰囲気酸化性PH2O/PH2は、脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量および炭素量を適正範囲に合わせこむために調整する。同一雰囲気条件でも、素材の成分組成や脱炭焼鈍前までの通板条件により、脱炭焼鈍後の酸素目付量や炭素量は異なってくるが、PH2O/PH2は、概ね0.15〜0.60の範囲とする。鏡面化をさらに促進させるために、脱炭焼鈍雰囲気のPH2O/PH2を0.15〜0.40で行うことが好ましい。
脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量は1.0g/m2以下とすることが望ましい。1.0g/m2を超えると、仕上焼鈍中にSiO2が表層濃化しても地鉄表層に食い込んだ形で残存してしまうためである。脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量を1.0g/m2以下に制御するためには、脱炭焼鈍の温度を上記範囲内で低減したりPH2O/PH2を低くする必要がある。また、コイル全長全幅での仕上焼鈍によるCの除去は困難であるため、炭素量は100ppm以下とすることが望ましい。炭素量を100ppm以下に制御するためには、脱炭焼鈍の温度を上記範囲内で低減したりPH2O/PH2を増大させることが有効である。ここで、PH2O/PH2については、酸素目付量の低減と脱炭で相反するため、0.15〜0.60、さらに望ましくは0.15〜0.40の適正値とすることが肝要である。
[焼鈍分離剤の塗布]
この後、焼鈍分離剤を塗布するが、このとき焼鈍分離剤の主剤として焼鈍分離剤にMg、Al、Mn、Ca、Srのケイ酸塩のうち少なくとも一種および/または、Mg、Fe、Ca、Mn、Ni、Coのアルミン酸塩のうち少なくとも一種を用いることが重要である。上記主剤を焼鈍分離剤中に80%以上含むこととする。好ましくは、85%以上とする。残部はMgO,Al2O3等の不純物である。これらを用いることにより、酸化膜が形成されず、コイルの全長にわたって均一な膜なし化が達成される。
さらに、上記焼鈍分離剤に添加剤を加えることも可能である。添加剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を用いる。これらは仕上焼鈍中に内部酸化層のSiO2の表層への濃化を促進する。アルカリ金属としてはLi、Na、K、Rb、およびCsが、またアルカリ土類金属としては、Ca、Sr、およびBaが好適である。これらの化合物は酸化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、塩化物、硫化物等のいずれも使用可能である。これらのアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物を単独でまたは組み合わせて添加剤として使用することとしてもよい。添加量は、焼鈍分離剤中に0.5〜15.0%含まれる量とする。0.5%より少ないと効果がなく、15.0%より多いと、これらの添加剤が反応源となって、酸化膜が薄く形成される。
[仕上焼鈍]
焼鈍分離剤塗布後、鋼板をコイル状に巻き取った状態で、二次再結晶焼鈍を兼ねた仕上焼鈍を施す。仕上焼鈍は、純化焼鈍を兼ねることとしてもよい。仕上焼鈍の焼鈍温度は、二次再結晶を発現のためには800℃以上で行うことが好ましく、また、二次再結晶を完了させるためには1100℃まで行うことが好ましい。
二次再結晶は、一定温度で保定中に完了させる方法と昇温中に完了させる方法の二つがあるが、いずれも採用することができる。保定中に完了させる方法では、焼鈍温度を700℃以上950℃以下、焼鈍時間を5時間以上200時間以下とする。この焼鈍温度や焼鈍時間に満たないと保定中に二次再結晶が完了せず、この焼鈍温度や焼鈍時間を超えるとコイルに熱負荷がかかりすぎて、自重による座屈や側歪などの形状不良が起きるので好ましくない。
昇温中に二次再結晶を完了させる方法では、700℃から1100℃間の昇温速度を2.5℃/h以上50℃/h以下とする。2.5℃/h未満では、二次再結晶粒が細粒化しすぎて磁気特性が劣化傾向となり、50℃/hを超えると完全に二次再結晶が完了しないまま温度が高くなりすぎて、やはり磁気特性が劣化傾向となる。
純化焼鈍は1150℃以上の温度域で2時間〜50時間保持する。時間が短すぎると純化が不十分となり磁気特性が劣化し、50時間を超えると熱負荷がかかりすぎてコイル形状が劣化するため、この範囲とする。
これらの処理のうち、鏡面化をさらに進めるために、純化焼鈍の保持時間を5時間〜40時間とするのが好ましい。
仕上焼鈍後に、Goss方位に高度に集積させた二次再結晶組織が得られる。そして、このようにして得られた鋼板は、鋼板表面の酸素目付量が0.5g/m2以下であって、酸化膜が形成されていない状態である。脱炭焼鈍後の鋼板に上記のような焼鈍分離剤を使用することにより、仕上焼鈍後の酸素目付量を0.5g/m2以下に制御することが可能となる。さらに、脱炭焼鈍時の酸素目付量を1.0g/m2以下に制御すること、焼鈍分離剤にアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物を適量含有させることにより、仕上焼鈍後の酸素目付量をさらに低減化させて、より鏡面化を促進することができる。
[平坦化焼鈍]
上記仕上焼鈍後に、必要に応じて平坦化焼鈍を行う。鋼板表面に付着した未反応の焼鈍分離剤を除去するための水洗やブラッシング、酸洗等を行う。その後、コーティング液を塗布し、平坦化焼鈍を行う。コーティング液としては、例えば、リン酸塩−コロイド状シリカ系、ホウ酸塩系、TiやSi,Al等の各種窒化物系、有機樹脂にSiO2などの無機成分を分散させた系などの公知の各種コーティング液を用いることができ、絶縁コーティングを施すために用いる。
また、平坦化焼鈍の焼鈍温度は800〜900℃とし、その際の炉内張力を6.9MPa以上とする。温度が800℃より低い、または、炉内張力が6.9MPa未満では、形状矯正能力が不十分のため歩留まりが低下し、900℃を超える温度で行うと、鋼板がクリープ変形して鉄損が劣化する。焼鈍時間は、形状矯正効果とクリープ変形による鉄損との兼ね合いの観点から、2秒以上120秒以下が好ましい。このほか、PVD法やCVD法によりTiN,Si3N4などのセラミクス膜を成膜させる方法もあり、これらの方法は、本発明のような膜なし材への被膜形成には特に有効である。このようなセラミクス膜を成膜させた後に上記のコーティング液を塗布、焼き付けることも可能である。
[磁区細分化処理]
上記平坦化焼鈍後に、鉄損低減のために、磁区細分化処理を行うことが有効である。処理方法としては、例えば、一般的に実施されているような、最終製品板や最終冷延後のいずれかの工程途中に溝をいれる方法、レーザーや電子ビームにより線状または点状に熱歪や衝撃歪を導入する方法、最終仕上板厚に達した冷間圧延板などの中間製品や最終製品板にエッチング加工を施して溝を形成する方法が挙げられる。本発明の上記鏡面化のための製法工程とこれらの磁区細分化方法を併用することにより、鉄損を著しく低減することが可能となる。
その他の製造条件は、方向性電磁鋼板の一般的な製造方法に従えばよい。
(実施例1)
C:0.070%、Si:3.43%、Mn:0.08%、Se:0.020%、Al:0.020%、N:0.007%、P:0.02%、Sn:0.05%、Bi:0.002%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1380℃の温度に加熱した後、熱間圧延して、板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延により1.8mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚が0.23mmの冷延板に仕上げて脱炭焼鈍した。脱炭焼鈍は50vol%H2−50vol%N2、露点45℃の湿潤雰囲気下で840℃×100秒保持して行った。このときの酸素目付量は0.7g/m2であり、炭素量は40ppmであった。
次いで、表1のA〜Kの焼鈍分離剤をスラリー状にして鋼板表面に塗布、乾燥した。さらに1200℃×10時間の純化処理を伴う仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH2、昇温時および降温時はN2とした。
その後、未反応分離剤を除去して、コーティングを塗布し、平坦化焼鈍を850℃×20sで、炉内張力13.7MPaで行い、さらに電子ビーム照射により磁区細分化処理を施して最終製品板とした。この製品板における、表面性状、鉄損、および磁束密度、並びに仕上焼鈍後の酸素目付量を表3に示す。ここで、仕上焼鈍後の酸素目付量は、仕上焼鈍後残存する焼鈍分離剤を除去した後、絶縁コーティングを塗布する前の鋼板において、JIS G 1239:2014の不活性ガス融解−赤外線吸収法に基づいて測定した。最終製品板の磁束密度はJIS C 2550:2011の鉄損の測定に基づいて測定し、鉄損はJIS C 2550:2011の磁束密度の波高値等の測定手順に基づいて測定した。A〜Kのいずれの焼鈍分離剤を用いた場合も、コイルの全長全幅にわたって酸化膜は形成されず、高い磁気特性が得られた。表3における表面性状の評価については、○:完全な光沢、△:白っぽい曇りあり、×:酸化膜が形成され金属光沢なし、である。
Figure 2018090852
(実施例2)
C:0.060%、Si:3.40%、Mn:0.07%、Cu:0.06%、Sb:0.03%、Cr:0.03%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1250℃の温度に加熱した後、熱間圧延して、板厚2.4mmの熱延板とし、900℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延により1.5mmの中間板厚とし、1000℃×20秒の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚が0.20mmの冷延板に仕上げて脱炭焼鈍した。脱炭焼鈍は50vol%H2−50vol%N2、露点50℃の湿潤雰囲気下で840℃×100秒保持して行った。このときの酸素目付量は0.8g/m2であり、C量は0.003%であった。
次いで、焼鈍分離剤として表1のL〜Qに示される、Mg2SiO4+各種添加物を含有させた粉体をスラリー状にして鋼板表面に塗布、乾燥した。さらに1200℃×10時間の純化処理を伴う仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH2、昇温時および降温時はN2とした。
その後、未反応分離剤を除去して、PVD法でTiNのセラミクス被膜を被成したあと、さらにコーティングを塗布し、平坦化焼鈍を850℃×20sで行い、レーザーによる磁区細分化処理を行い最終製品板とした。この製品板における、表面性状、鉄損、および磁束密度、並びに仕上焼鈍後の酸素目付量を表4に示す。なお、酸素目付量、磁束密度、および鉄損は(実施例1)と同様に測定した。焼鈍分離剤に適量の添加物を加えることにより、コイルの全長全幅にわたって酸化膜が形成されず、より高いレベルでの鏡面化を達成することができた。表4における表面性状の評価については、○:完全な光沢、△:白っぽい曇りあり、×:酸化膜が形成され金属光沢なし、である。
Figure 2018090852
(実施例3)
C:0.080%、Si:3.60%、Mn:0.12%、Al:0.005%、N:0.003%、Ni:0.05%、Mo:0.02%、B:0.0020%、Ti:0.003%、Ta:0.001%、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造法で製造し、1330℃の温度に加熱した後、熱間圧延して、板厚2.4mmの熱延板とし、1000℃×50秒の熱延板焼鈍を施した後、一次冷間圧延により1.8mmの中間板厚とし、1100℃×20秒の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延して最終板厚が0.27mmの冷延板に仕上げて脱炭焼鈍した。脱炭焼鈍は50vol%H2−50vol%N2、露点を40〜55℃の範囲で調整することにより脱炭焼鈍後の酸素目付量と炭素量を種々に変化させ、湿潤雰囲気下で840℃×100秒保持して行った。
次いで、焼鈍分離剤として表1のJの粉体をスラリー状にして鋼板表面に塗布、乾燥した。さらに1200℃×10時間の純化処理を伴う仕上焼鈍を施した。仕上焼鈍の雰囲気は、純化処理する1200℃保定時はH2、昇温時および降温時はN2とした。
その後、未反応分離剤を除去して、PVD法でTiN被膜を被成させた後、コーティング液を塗布し、平坦化焼鈍を850℃×20sで行い、電子ビーム照射により磁区細分化処理を行って最終製品板とした。この製品板における、表面性状、鉄損および磁束密度、並びに仕上焼鈍後の酸素目付量、並びに脱炭焼鈍後の酸素目付量および炭素量を表5に示す。なお、仕上焼鈍後の酸素目付量、磁束密度、および鉄損は、(実施例1)と同様に測定した。脱炭焼鈍後の酸素目付量は、脱炭焼鈍後の鋼板において、JIS G 1239:2014の不活性ガス融解−赤外線吸収法に基づいて測定し、炭素量は、JIS G 1211:2013の燃焼−赤外線吸収法に基づいて測定した。脱炭焼鈍後の酸素目付量および炭素量、並びに仕上焼鈍後の酸素目付量が本発明の範囲内となることにより、コイルの全長全幅にわたって酸化膜は形成されず、高い磁気特性が得られていることに加えて、より高いレベルでの鏡面化を達成することができた。表5における表面性状の評価については、○:完全な光沢、△:白っぽい曇りあり、×:酸化膜が形成され金属光沢なし、である。このように、本発明によれば、方向性電磁鋼板について、高い磁束密度を保ったまま、ヒステリシス損の劣化もなく、高いレベルでの鏡面化を実現することができる。
Figure 2018090852

Claims (4)

  1. 鋼素材に熱間圧延を施して熱延鋼板とし、
    該熱延鋼板に、1回の冷間圧延または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して最終板厚を有する冷延鋼板とし、
    該冷延鋼板に脱炭焼鈍を施し、
    該脱炭焼鈍後の冷延鋼板に、Mg、Al、Mn、CaおよびSrのケイ酸塩のうち少なくとも1つ並びに/またはMg、Fe、Ca、Mn、NiおよびCoのアルミン酸塩のうち少なくとも1つを含む焼鈍分離剤を塗布し、その後、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法。
  2. 前記仕上焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量が0.50g/m2以下である、請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記焼鈍分離剤に対して0.5〜15.0%のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を前記焼鈍分離剤に添加する、請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記脱炭焼鈍後の鋼板表面の酸素目付量が1.00g/m2以下であり、かつ炭素量が100ppm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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