JPH11193420A - 極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板及びその製造方法 - Google Patents
極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 方向性けい素鋼板において、Alを含有する鋼
を素材としている場合であっても、地鉄表層部へのAl2O
3 の残存を効果的に抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化する
ことによりヒステリシス損を効果的に低減して、極めて
低い鉄損を達成する。 【解決手段】 二次再結晶粒の(110)面が板面に対
して面積加重平均で3度以上8度以下傾き、地鉄表層に
Al2O3 の残存がなく、フォルステライト被膜のない鋼板
上に張力被膜を有するヒステリシス損Wh が1.7 T にて
0.3 W/kg以下の方向性けい素鋼板。かかる鋼板は、焼鈍
分離剤の調整により製造することができる。
を素材としている場合であっても、地鉄表層部へのAl2O
3 の残存を効果的に抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化する
ことによりヒステリシス損を効果的に低減して、極めて
低い鉄損を達成する。 【解決手段】 二次再結晶粒の(110)面が板面に対
して面積加重平均で3度以上8度以下傾き、地鉄表層に
Al2O3 の残存がなく、フォルステライト被膜のない鋼板
上に張力被膜を有するヒステリシス損Wh が1.7 T にて
0.3 W/kg以下の方向性けい素鋼板。かかる鋼板は、焼鈍
分離剤の調整により製造することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器や発電機
の鉄心等に利用される方向性けい素鋼板のなかでも、鉄
損が極めて低い方向性けい素鋼板をその有利な製造方法
とともに提案しようとするものである。
の鉄心等に利用される方向性けい素鋼板のなかでも、鉄
損が極めて低い方向性けい素鋼板をその有利な製造方法
とともに提案しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】Siを含有し、かつ、結晶方位が(11
0)[001]方位に配向した方向性けい素鋼板は、優
れた軟磁気特性を有することから、商用周波数域での各
種鉄心材料として広く用いられている。これらの用途に
おいて方向性けい素鋼板に要求される特性としては、一
般に50Hzの周波数で1.7 T に磁化させた場合の損失であ
るW17/50(W/kg)で表されるところの鉄損があり、この鉄
損値ができるだけ低いことが重要である。
0)[001]方位に配向した方向性けい素鋼板は、優
れた軟磁気特性を有することから、商用周波数域での各
種鉄心材料として広く用いられている。これらの用途に
おいて方向性けい素鋼板に要求される特性としては、一
般に50Hzの周波数で1.7 T に磁化させた場合の損失であ
るW17/50(W/kg)で表されるところの鉄損があり、この鉄
損値ができるだけ低いことが重要である。
【0003】鉄損は、渦電流損(We )とヒステリシス
損(Wh )との和で表されることから、この渦電流損及
びヒステリシス損のいずれか一方又は双方を低減するこ
とが方向性けい素鋼板に求められる。そのため、この方
向性けい素鋼板においては、渦電流損を低下させるため
に鋼中にSiを含有させて電気抵抗を高めること、鋼板板
厚を低減すること、また結晶粒径を低減することなどが
行われ、一方、ヒステリシス損を低下させるために結晶
方位を圧延方向に〈100〉軸に高度に揃えることが行
われている。
損(Wh )との和で表されることから、この渦電流損及
びヒステリシス損のいずれか一方又は双方を低減するこ
とが方向性けい素鋼板に求められる。そのため、この方
向性けい素鋼板においては、渦電流損を低下させるため
に鋼中にSiを含有させて電気抵抗を高めること、鋼板板
厚を低減すること、また結晶粒径を低減することなどが
行われ、一方、ヒステリシス損を低下させるために結晶
方位を圧延方向に〈100〉軸に高度に揃えることが行
われている。
【0004】これらの鉄損低減方法のうち、Siを含有さ
せる方法は、Siを過度に含有させると飽和磁束密度の低
下を招き鉄心のサイズ拡大の原因になることから、鉄損
低減には限界があり、また、鋼板板厚を低減する方法
も、過度の板厚の低減は極端なコストの増大をもらたす
ので限界があった。更に、結晶方位を揃える方法も、現
在の製品で磁束密度B8 が1.96 Tや1.97 Tといった良好
な特性の製品が得られていて、これ以上の磁気特性の改
善の余地は少なくなっている。
せる方法は、Siを過度に含有させると飽和磁束密度の低
下を招き鉄心のサイズ拡大の原因になることから、鉄損
低減には限界があり、また、鋼板板厚を低減する方法
も、過度の板厚の低減は極端なコストの増大をもらたす
ので限界があった。更に、結晶方位を揃える方法も、現
在の製品で磁束密度B8 が1.96 Tや1.97 Tといった良好
な特性の製品が得られていて、これ以上の磁気特性の改
善の余地は少なくなっている。
【0005】この他、近年プラズマジェットやレーザー
光を照射して鋼板表面に局所的に歪を導入したり、鋼板
表面に溝を形成する等の方法によって人工的に磁区幅を
細分化して鉄損を低減する技術が開発され、大幅な鉄損
低減効果が得られている。しかし、この技術による鉄損
低減効果にも限度があった。
光を照射して鋼板表面に局所的に歪を導入したり、鋼板
表面に溝を形成する等の方法によって人工的に磁区幅を
細分化して鉄損を低減する技術が開発され、大幅な鉄損
低減効果が得られている。しかし、この技術による鉄損
低減効果にも限度があった。
【0006】これらの鉄損低減技術とは別に、特公昭5
2−24499号公報に開示されているように、鋼板の
金属(地鉄)表面と、この金属表面上に形成された非金
属被膜との界面の粗度を低減し、更に張力被膜を被成す
ることで材料の鉄損が大幅に低減することが報告されて
いる。しかしながら、通常の方向性けい素鋼板の製造過
程で行われるように、二次再結晶焼鈍に先立って鋼板表
面にMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布する場合にあ
っては、この焼鈍分離剤中のMgO と一次再結晶焼鈍を経
た鋼板表面上に形成されるサブスケールとが反応して、
二次再結晶焼鈍後の鋼板表面にフォルステライトを主成
分とする緻密な被膜が形成する。この被膜直下の地鉄表
面は十分に滑らかとはいえないので鉄損低減に寄与せ
ず、また、フォルステライト被膜が緻密なため、この被
膜を除去し地鉄を鏡面化するための研磨やサーマルエッ
チングも容易ではない。そこで、上記フェルステライト
を主成分とする被膜を形成させないようにするために、
例えば特開平7−48674号公報では、一次再結晶焼
鈍で生じたサブスケールを除去したのち、二次再結晶焼
鈍を行う方法を提案しているが、コストの上昇は避けら
れない。
2−24499号公報に開示されているように、鋼板の
金属(地鉄)表面と、この金属表面上に形成された非金
属被膜との界面の粗度を低減し、更に張力被膜を被成す
ることで材料の鉄損が大幅に低減することが報告されて
いる。しかしながら、通常の方向性けい素鋼板の製造過
程で行われるように、二次再結晶焼鈍に先立って鋼板表
面にMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布する場合にあ
っては、この焼鈍分離剤中のMgO と一次再結晶焼鈍を経
た鋼板表面上に形成されるサブスケールとが反応して、
二次再結晶焼鈍後の鋼板表面にフォルステライトを主成
分とする緻密な被膜が形成する。この被膜直下の地鉄表
面は十分に滑らかとはいえないので鉄損低減に寄与せ
ず、また、フォルステライト被膜が緻密なため、この被
膜を除去し地鉄を鏡面化するための研磨やサーマルエッ
チングも容易ではない。そこで、上記フェルステライト
を主成分とする被膜を形成させないようにするために、
例えば特開平7−48674号公報では、一次再結晶焼
鈍で生じたサブスケールを除去したのち、二次再結晶焼
鈍を行う方法を提案しているが、コストの上昇は避けら
れない。
【0007】以上の観点から、フォルステライト被膜を
形成させない焼鈍分離剤として、Al 2O3 を主成分とする
焼鈍分離剤や少量の塩化物を含む焼鈍分離剤が、鏡面化
方向性けい素鋼板の製造に用いられている。しかし、こ
れらの焼鈍分離剤を用いる場合には、特に方向性けい素
鋼板用素材がAlを含有する場合に、鋼板表面下に針状の
Al2O3 を形成して、磁気特性のうちヒステリシス損を劣
化させるという問題が知られている。
形成させない焼鈍分離剤として、Al 2O3 を主成分とする
焼鈍分離剤や少量の塩化物を含む焼鈍分離剤が、鏡面化
方向性けい素鋼板の製造に用いられている。しかし、こ
れらの焼鈍分離剤を用いる場合には、特に方向性けい素
鋼板用素材がAlを含有する場合に、鋼板表面下に針状の
Al2O3 を形成して、磁気特性のうちヒステリシス損を劣
化させるという問題が知られている。
【0008】この点に関する従来技術として、特公昭5
8−44152号公報、特開昭64−79381号公報
に開示された技術では、Al2O3 を主成分とする焼鈍分離
剤に適量の含水けい酸塩鉱物、Sr又はBa化合物及びCaO
又はCa(OH)2 を配合すること、あるいはCa、Srのメタけ
い酸塩ないしはCaのアルミン酸塩を配合することにより
優れた表面性状を有する方向性けい素鋼板を得ようとし
ているが、冷延素材にAlを含有する場合の鋼板表面下の
Al2O3 残存の問題を必ずしも効果的には回避できなかっ
た。
8−44152号公報、特開昭64−79381号公報
に開示された技術では、Al2O3 を主成分とする焼鈍分離
剤に適量の含水けい酸塩鉱物、Sr又はBa化合物及びCaO
又はCa(OH)2 を配合すること、あるいはCa、Srのメタけ
い酸塩ないしはCaのアルミン酸塩を配合することにより
優れた表面性状を有する方向性けい素鋼板を得ようとし
ているが、冷延素材にAlを含有する場合の鋼板表面下の
Al2O3 残存の問題を必ずしも効果的には回避できなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、Alを含有する鋼を素材とし
ている場合であっても、地鉄表層部へのAl2O3 の残存を
効果的に抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化することにより
ヒステリシス損を効果的に低減して、極めて低い鉄損を
達成した方向性けい素鋼板を、その有利な製造方法とと
もに提案することを目的とする。
題を有利に解決するもので、Alを含有する鋼を素材とし
ている場合であっても、地鉄表層部へのAl2O3 の残存を
効果的に抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化することにより
ヒステリシス損を効果的に低減して、極めて低い鉄損を
達成した方向性けい素鋼板を、その有利な製造方法とと
もに提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記観点に
鑑みて鋭意検討を行った結果、二次再結晶焼鈍に先立っ
て鋼板表面に塗布する焼鈍分離剤に関して、Al2O3 を重
量比率で15wt%以上配合しながらも最大量を70wt%に制
限しするとともにCaO を15wt%以上及びSiO2を同じく15
wt%以上同時に存在させた場合に、鋼板の地鉄表層部の
Al2O3 の残存を効果的に抑制しながら鋼板の優れた結晶
配向性と優れた表面性状とを確保できることを見いだ
し、そこから、この発明の鏡面方向性けい素鋼板の製造
方法を得るに至ったのである。
鑑みて鋭意検討を行った結果、二次再結晶焼鈍に先立っ
て鋼板表面に塗布する焼鈍分離剤に関して、Al2O3 を重
量比率で15wt%以上配合しながらも最大量を70wt%に制
限しするとともにCaO を15wt%以上及びSiO2を同じく15
wt%以上同時に存在させた場合に、鋼板の地鉄表層部の
Al2O3 の残存を効果的に抑制しながら鋼板の優れた結晶
配向性と優れた表面性状とを確保できることを見いだ
し、そこから、この発明の鏡面方向性けい素鋼板の製造
方法を得るに至ったのである。
【0011】また、この発明の製造方法によれば、極め
て小さなヒステリシス損Wh が得られることを発見し、
その良好な特性が得られる条件について鋭意検討を行っ
た結果、二次再結晶粒の(110)面が板面に対して面
積加重平均で3度以上8度以下傾いた二次再結晶板が上
記焼鈍分離剤を用いた場合に得られ、そしてこの二次再
結晶粒の(110)面が板面に対して3度以上8度以下
傾いた鋼板を鏡面化材として用いるときに、特に磁気的
な鋼板表面の平滑性が高く、低いヒステリシス損Wh が
得られることを知見し、この発明の方向性けい素鋼板を
得るに至ったのである。
て小さなヒステリシス損Wh が得られることを発見し、
その良好な特性が得られる条件について鋭意検討を行っ
た結果、二次再結晶粒の(110)面が板面に対して面
積加重平均で3度以上8度以下傾いた二次再結晶板が上
記焼鈍分離剤を用いた場合に得られ、そしてこの二次再
結晶粒の(110)面が板面に対して3度以上8度以下
傾いた鋼板を鏡面化材として用いるときに、特に磁気的
な鋼板表面の平滑性が高く、低いヒステリシス損Wh が
得られることを知見し、この発明の方向性けい素鋼板を
得るに至ったのである。
【0012】なお、これまでも鋼板の渦電流損を低減す
る手段として二次再結晶粒の〈100〉軸と圧延方向と
のなす角を制御する手法が知られているが、この発明の
ようにヒステリシス損Wh に及ぼす二次結晶粒の幾何学
的配置の影響に関する知見は、発明者らの知る限り、従
来技術で述べたとおり磁束密度B8 を向上させることを
目指して二次再結晶粒を〈100〉軸に高度に揃えるこ
と以外は知られていなく、ましてやこの発明のように二
次再結晶粒の(110)面が板面に対して面積加重平均
で3度以上8度以下傾いた二次再結晶板のヒステリシス
損に関する影響については全く知られていなかった。
る手段として二次再結晶粒の〈100〉軸と圧延方向と
のなす角を制御する手法が知られているが、この発明の
ようにヒステリシス損Wh に及ぼす二次結晶粒の幾何学
的配置の影響に関する知見は、発明者らの知る限り、従
来技術で述べたとおり磁束密度B8 を向上させることを
目指して二次再結晶粒を〈100〉軸に高度に揃えるこ
と以外は知られていなく、ましてやこの発明のように二
次再結晶粒の(110)面が板面に対して面積加重平均
で3度以上8度以下傾いた二次再結晶板のヒステリシス
損に関する影響については全く知られていなかった。
【0013】上記の知見に立脚するこの発明は、Siを1.
5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以上含む鋼を用いて二次
再結晶させた方向性けい素鋼板であって、二次再結晶粒
の(110)面が板面に対して面積加重平均で3度以上
8度以下傾き、フォルステライト被膜のない鋼板上に張
力被膜を有することを特徴とするヒステリシス損Whが
1.7 T にて0.3 W/kg以下の極めて鉄損の低い方向性けい
素鋼板である。
5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以上含む鋼を用いて二次
再結晶させた方向性けい素鋼板であって、二次再結晶粒
の(110)面が板面に対して面積加重平均で3度以上
8度以下傾き、フォルステライト被膜のない鋼板上に張
力被膜を有することを特徴とするヒステリシス損Whが
1.7 T にて0.3 W/kg以下の極めて鉄損の低い方向性けい
素鋼板である。
【0014】また、この発明は、Siを1.5 〜7.0 wt%、
Alを0.006 wt%以上含む方向性けい素鋼板用素材に二次
再結晶焼鈍を施すに先立って、Caの非金属化合物を15wt
%以上、Siの非金属化合物を15wt%以上、Alの非金属化
合物を15wt%以上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物と
Siの非金属化合物とAlの非金属化合物の和は100 wt%以
下)を含有する焼鈍分離剤を該素材表面に塗布するこ
と、この二次再結晶焼鈍の後に張力被膜のコーティング
処理を施すこと、を特徴とするヒステリシス損Wh が1.
7 T にて0.3 W/kg以下の極めて鉄損の低い方向性けい素
鋼板の製造方法である。
Alを0.006 wt%以上含む方向性けい素鋼板用素材に二次
再結晶焼鈍を施すに先立って、Caの非金属化合物を15wt
%以上、Siの非金属化合物を15wt%以上、Alの非金属化
合物を15wt%以上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物と
Siの非金属化合物とAlの非金属化合物の和は100 wt%以
下)を含有する焼鈍分離剤を該素材表面に塗布するこ
と、この二次再結晶焼鈍の後に張力被膜のコーティング
処理を施すこと、を特徴とするヒステリシス損Wh が1.
7 T にて0.3 W/kg以下の極めて鉄損の低い方向性けい素
鋼板の製造方法である。
【0015】この発明の極めて鉄損の低い方向性けい素
鋼板の製造方法においては、 ・Caの非金属化合物がCaO 又はCa(OH)2 、Siの非金属化
合物がSiO2、Alの非金属化合物がAl2O3 であること、 ・方向性けい素鋼板用素材がSbを0.02wt%含有するもの
であること、 ・焼鈍分離剤が、Ca以外のアルカリ土類金属又はアルカ
リ金属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸
塩、炭酸塩、硫酸塩及び硫化物の1種又は2種以上を含
むこと、及び ・製造工程の途中又は製造後に磁区細分化処理を施すこ
と の一又は二以上の組み合わせが、より有利に適合する。
鋼板の製造方法においては、 ・Caの非金属化合物がCaO 又はCa(OH)2 、Siの非金属化
合物がSiO2、Alの非金属化合物がAl2O3 であること、 ・方向性けい素鋼板用素材がSbを0.02wt%含有するもの
であること、 ・焼鈍分離剤が、Ca以外のアルカリ土類金属又はアルカ
リ金属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸
塩、炭酸塩、硫酸塩及び硫化物の1種又は2種以上を含
むこと、及び ・製造工程の途中又は製造後に磁区細分化処理を施すこ
と の一又は二以上の組み合わせが、より有利に適合する。
【0016】まず、この発明を得るに至った実験につい
て説明する。C:0.05wt%、Si:3.4 wt%、Mn:0.07wt
%、Al:0.03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%を含
み、残部はFe及び不可避的不純物からなる板厚:0.22mm
の一次再結晶焼鈍後の方向性けい素鋼板用素材の表面に
NaCl電解処理での溝形成による磁区細分化処理をあらか
じて施したのち、実験室でCaO 、SiO2、Al2O3 よりなる
焼鈍分離剤(CaO 、SiO2、Al2O3 の比率を種々に変化さ
せてある。)を水スラリーとして10g/m2の量で塗布して
から、最高温度1200℃、4Hr の二次再結晶焼鈍を水素雰
囲気で行い、冷却後の鋼板に磁気測定、外観観察及び表
面下のAl2O3 の存在観察並びに鋼板の結晶方位を約30粒
に対して測定してその(110)面と鋼板面とのなす角
の面積加重平均測定を行った。
て説明する。C:0.05wt%、Si:3.4 wt%、Mn:0.07wt
%、Al:0.03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%を含
み、残部はFe及び不可避的不純物からなる板厚:0.22mm
の一次再結晶焼鈍後の方向性けい素鋼板用素材の表面に
NaCl電解処理での溝形成による磁区細分化処理をあらか
じて施したのち、実験室でCaO 、SiO2、Al2O3 よりなる
焼鈍分離剤(CaO 、SiO2、Al2O3 の比率を種々に変化さ
せてある。)を水スラリーとして10g/m2の量で塗布して
から、最高温度1200℃、4Hr の二次再結晶焼鈍を水素雰
囲気で行い、冷却後の鋼板に磁気測定、外観観察及び表
面下のAl2O3 の存在観察並びに鋼板の結晶方位を約30粒
に対して測定してその(110)面と鋼板面とのなす角
の面積加重平均測定を行った。
【0017】また、上記の実験により得られた鋼板に加
えて、通常のMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布して
二次再結晶させた後に表面のフォルステライト被膜を硫
酸除去した鋼板を用意し、これらの鋼板にNaCl水溶液中
で片側5μm の電解を行い、1μm 厚のCrメッキを施し
た鋼板の(110)面と鋼板面とのなす角の平均値と1.
7 T におけるヒステリシス損Wh を調べた。
えて、通常のMgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布して
二次再結晶させた後に表面のフォルステライト被膜を硫
酸除去した鋼板を用意し、これらの鋼板にNaCl水溶液中
で片側5μm の電解を行い、1μm 厚のCrメッキを施し
た鋼板の(110)面と鋼板面とのなす角の平均値と1.
7 T におけるヒステリシス損Wh を調べた。
【0018】図1,2にこれらの実験結果を示す。図1
は焼鈍分離剤の組成と製品の諸特性との関係を示すもの
であり、図2は鋼板の(110)面と鋼板表面のなす角
がシステリシス損に及ぼす影響に示すものである。図1
より、Al2O3 、CaO 及びSiO2をそれぞれ15wt%以上同時
に存在された場合に、鋼板中のAl2O3 の残存を効果的に
抑制しながら優れた結晶配向性と優れた表面性状とを確
保できるとともに、二次再結晶粒の(110)面が板面
に対して面積加重平均で3度以上8度以下傾いた二次再
結晶板が得られることが分かる。また、図2より、二次
再結晶粒の(110)面が板面に対し3度以上8℃以下
傾いた鋼板は磁気的平滑性が高く、低いヒステリシス損
Wh が安定して得られることが分かった。
は焼鈍分離剤の組成と製品の諸特性との関係を示すもの
であり、図2は鋼板の(110)面と鋼板表面のなす角
がシステリシス損に及ぼす影響に示すものである。図1
より、Al2O3 、CaO 及びSiO2をそれぞれ15wt%以上同時
に存在された場合に、鋼板中のAl2O3 の残存を効果的に
抑制しながら優れた結晶配向性と優れた表面性状とを確
保できるとともに、二次再結晶粒の(110)面が板面
に対して面積加重平均で3度以上8度以下傾いた二次再
結晶板が得られることが分かる。また、図2より、二次
再結晶粒の(110)面が板面に対し3度以上8℃以下
傾いた鋼板は磁気的平滑性が高く、低いヒステリシス損
Wh が安定して得られることが分かった。
【0019】なお、CaO の一部又は全部をCa(OH)2 やCa
Cl2 等の他の化合物で置き換えた実験を行ったところ、
総量の重量でCa化合物が15wt%以上存在すれば、同様の
効果を示し、また、Si、Alについても同様に置換可能で
あった。また、一部を例えば2MgO ・SiO2等の複合酸化
物として与えることも可能で、この場合もSiO2相当分の
重量が上記範囲となるように調整すれば良かった。
Cl2 等の他の化合物で置き換えた実験を行ったところ、
総量の重量でCa化合物が15wt%以上存在すれば、同様の
効果を示し、また、Si、Alについても同様に置換可能で
あった。また、一部を例えば2MgO ・SiO2等の複合酸化
物として与えることも可能で、この場合もSiO2相当分の
重量が上記範囲となるように調整すれば良かった。
【0020】また、冷延方向性けい素鋼素材にSbを0.02
wt%以上含む場合には、極めて優れた表面性状が得られ
た。また、焼鈍分離剤中にアルカリ土類金属又はアルカ
リ金属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸
塩、炭酸塩、硫酸塩及び硫化物の1種又は2種以上を適
宜加えて、上記の焼鈍分離剤の作用効果を補足すること
が可能であった。更に、製造工程の途中、若しくは製造
後に磁区細分化処理を施すことで、更なる低鉄損化を行
うことや、鏡面化処理後、更にNaCl電解等で一層の表面
平滑化を行うなど、公知の手法との組み合わせが可能で
あった。
wt%以上含む場合には、極めて優れた表面性状が得られ
た。また、焼鈍分離剤中にアルカリ土類金属又はアルカ
リ金属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸
塩、炭酸塩、硫酸塩及び硫化物の1種又は2種以上を適
宜加えて、上記の焼鈍分離剤の作用効果を補足すること
が可能であった。更に、製造工程の途中、若しくは製造
後に磁区細分化処理を施すことで、更なる低鉄損化を行
うことや、鏡面化処理後、更にNaCl電解等で一層の表面
平滑化を行うなど、公知の手法との組み合わせが可能で
あった。
【0021】
【発明の実施の形態】この発明の鋼板の成分としては、
Siを1.5 〜7.0 wt%を含有することを必須とする。ま
た、Mnを0.03〜2.5 wt%含有させるのが望ましい。すな
わち、SiやMnは製品の電気抵抗を高め、鉄損を低減する
のに有効な成分であり、その作用を有効に発揮するため
にはSiは1.5 wt%以上の含有が必要であるが、7.0 wt%
を超えると硬度が高くなり製造や加工が困難になりがち
ある。また、Mnも同様に鉄損低減のためには0.03wt%以
上の含有が望ましいが、2.5 wt%を超えると熱処理時に
γ変態を誘起して磁気特性を劣化させる可能性がある。
Siを1.5 〜7.0 wt%を含有することを必須とする。ま
た、Mnを0.03〜2.5 wt%含有させるのが望ましい。すな
わち、SiやMnは製品の電気抵抗を高め、鉄損を低減する
のに有効な成分であり、その作用を有効に発揮するため
にはSiは1.5 wt%以上の含有が必要であるが、7.0 wt%
を超えると硬度が高くなり製造や加工が困難になりがち
ある。また、Mnも同様に鉄損低減のためには0.03wt%以
上の含有が望ましいが、2.5 wt%を超えると熱処理時に
γ変態を誘起して磁気特性を劣化させる可能性がある。
【0022】また、インヒビター成分としてAlを0.006
wt%以上含有させることにより、結晶配向性を向上する
ことができると同時に、結晶の(110)面を特定の角
度で板面から傾けた材料での鏡面化に際して低鉄損が得
られるので、Alはこの発明において必須成分である。Al
量の上限は特に定めないが、0.06wt%程度であり、これ
を超えると却って結晶配向性の劣化が生じる。二次再結
晶後は鋼板からは通例純化焼鈍により除去される。Alを
単独又は複合の窒化物として用いる場合には、製鋼段階
から二次再結晶直前までの任意の段階で窒化する公知の
方法が用いられる。
wt%以上含有させることにより、結晶配向性を向上する
ことができると同時に、結晶の(110)面を特定の角
度で板面から傾けた材料での鏡面化に際して低鉄損が得
られるので、Alはこの発明において必須成分である。Al
量の上限は特に定めないが、0.06wt%程度であり、これ
を超えると却って結晶配向性の劣化が生じる。二次再結
晶後は鋼板からは通例純化焼鈍により除去される。Alを
単独又は複合の窒化物として用いる場合には、製鋼段階
から二次再結晶直前までの任意の段階で窒化する公知の
方法が用いられる。
【0023】鋼中には、上記の成分の他に公知の方向性
けい素鋼板の製造に適するインヒビター成分として、
B、Bi、Sb、Mo、Te、Sn、P、S、Se、Ge、As、Nb、C
r、Ti、Cu、Pb、Zn及びIn等の成分を単独又は複合で含
有させることができる。また、C、S、Se、N等の成分
はいずれも、磁気特性上有害な作用があり、特に鉄損を
劣化させるので、それぞれ製品板においては、C:0.00
3 wt%以下、S、Se:0.02wt%以下、N:0.002 wt%以
下に低減することが好ましい。
けい素鋼板の製造に適するインヒビター成分として、
B、Bi、Sb、Mo、Te、Sn、P、S、Se、Ge、As、Nb、C
r、Ti、Cu、Pb、Zn及びIn等の成分を単独又は複合で含
有させることができる。また、C、S、Se、N等の成分
はいずれも、磁気特性上有害な作用があり、特に鉄損を
劣化させるので、それぞれ製品板においては、C:0.00
3 wt%以下、S、Se:0.02wt%以下、N:0.002 wt%以
下に低減することが好ましい。
【0024】この発明の鋼板では二次再結晶粒の(10
0)面が板面に対して面積加重平均で3度以上8度以下
傾いていることがヒステリシス損低減のために肝要であ
る。かように二次再結晶粒の(110)面が板面に対し
て3度以上8度以下傾いた二次再結晶板で低いヒステリ
シス損Wh が得られる理由は必ずしも明らかではない
が、結晶方位により酸素等の拡散係数が異なることと、
けい素鋼−酸化物間の界面エネルギーが異なるために二
次再結晶に際してフォルステライト等の酸化物のアンカ
ーが残存しにくいため光学顕微鏡レベルで平坦化がなさ
れていることと、体心立方構造を持つけい素鋼の原子最
密面である(110)面の方位がわずかに理想方位から
離れることにより表面原子のステップ間の移動が活性化
されて特に電解研磨、化学研磨やサーマルエッチングで
原子レベルの平滑化が促進されることの相乗効果ではな
いかと考えられる。
0)面が板面に対して面積加重平均で3度以上8度以下
傾いていることがヒステリシス損低減のために肝要であ
る。かように二次再結晶粒の(110)面が板面に対し
て3度以上8度以下傾いた二次再結晶板で低いヒステリ
シス損Wh が得られる理由は必ずしも明らかではない
が、結晶方位により酸素等の拡散係数が異なることと、
けい素鋼−酸化物間の界面エネルギーが異なるために二
次再結晶に際してフォルステライト等の酸化物のアンカ
ーが残存しにくいため光学顕微鏡レベルで平坦化がなさ
れていることと、体心立方構造を持つけい素鋼の原子最
密面である(110)面の方位がわずかに理想方位から
離れることにより表面原子のステップ間の移動が活性化
されて特に電解研磨、化学研磨やサーマルエッチングで
原子レベルの平滑化が促進されることの相乗効果ではな
いかと考えられる。
【0025】この発明の更なる必須要件として張力被膜
処理が挙げられる。これは、この発明の条件で得られる
極めて低いヒステリシス損と引換えに渦電流損が増大し
ているものを引き下げるもので、工業的使用に際しては
不可欠のものである。具体的にはCr等の金属めっきや無
機化合物の塗布により鋼板に張力を与える等の公知の手
法が用いられる。
処理が挙げられる。これは、この発明の条件で得られる
極めて低いヒステリシス損と引換えに渦電流損が増大し
ているものを引き下げるもので、工業的使用に際しては
不可欠のものである。具体的にはCr等の金属めっきや無
機化合物の塗布により鋼板に張力を与える等の公知の手
法が用いられる。
【0026】鋼板の板厚は特に規定しないが、渦電流損
のうち古典的渦電流損は板厚の関数であるので要求され
る鉄損に応じてコストとの勘案のうえ定められるもので
あり、概ね0.15mmから0.25mm程度が望ましい。
のうち古典的渦電流損は板厚の関数であるので要求され
る鉄損に応じてコストとの勘案のうえ定められるもので
あり、概ね0.15mmから0.25mm程度が望ましい。
【0027】前述した成分組成になるこの発明の方向性
けい素鋼板を得るには、所定の成分に調整された鋼塊や
スラブから、公知の方法により熱間圧延及び冷間圧延に
より最終板厚としたのち、必要に応じて一次再結晶焼
鈍、窒化処理を行い、次いで、Caの酸化物、塩化物、水
酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、硫酸
塩、硫化物等の非金属化合物として15wt%以上、Siの酸
化物、塩化物、硫化物等の非金属化合物として15wt%以
上、Alの酸化物、塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硫酸
塩、りん酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硫化物等の非金属化合
物として15wt%以上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物
とSiの非金属化合物とAlの非金属化合物の和は100 wt%
以下)含有する焼鈍分離剤を塗布してから二次再結晶焼
鈍を施すことが好ましい。
けい素鋼板を得るには、所定の成分に調整された鋼塊や
スラブから、公知の方法により熱間圧延及び冷間圧延に
より最終板厚としたのち、必要に応じて一次再結晶焼
鈍、窒化処理を行い、次いで、Caの酸化物、塩化物、水
酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸塩、炭酸塩、硫酸
塩、硫化物等の非金属化合物として15wt%以上、Siの酸
化物、塩化物、硫化物等の非金属化合物として15wt%以
上、Alの酸化物、塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硫酸
塩、りん酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硫化物等の非金属化合
物として15wt%以上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物
とSiの非金属化合物とAlの非金属化合物の和は100 wt%
以下)含有する焼鈍分離剤を塗布してから二次再結晶焼
鈍を施すことが好ましい。
【0028】かように焼鈍分離剤中にCa、Si、Alの3種
の金属の非金属化合物が共存することにより、地鉄表層
にAl2O3 の残存なくして二次再結晶粒の(100)面が
板面に対して面積加重平均で3度以上8度以下傾いた鋼
板が得られ、格別の効果が得られる。工業上実施するう
えではコストの面からCaの非金属化合物としてCaO 又は
Ca(OH)2 、Siの非金属化合物としてSiO2、Alの非金属化
合物としてAl2O3 の如く、酸化物を主体にすることが望
ましい。それぞれの化合物を使用する際の焼鈍分離剤中
における上限と下限はおよそ以下のように定められる。
の金属の非金属化合物が共存することにより、地鉄表層
にAl2O3 の残存なくして二次再結晶粒の(100)面が
板面に対して面積加重平均で3度以上8度以下傾いた鋼
板が得られ、格別の効果が得られる。工業上実施するう
えではコストの面からCaの非金属化合物としてCaO 又は
Ca(OH)2 、Siの非金属化合物としてSiO2、Alの非金属化
合物としてAl2O3 の如く、酸化物を主体にすることが望
ましい。それぞれの化合物を使用する際の焼鈍分離剤中
における上限と下限はおよそ以下のように定められる。
【0029】Ca化合物及びSi化合物は主に介在物の純化
と二次再結晶方位集積化のためにそれぞれ最低15wt%存
在することが望ましい。しかしながら、70wt%を超える
と被膜の過剰な形成や磁気特性の劣化が生じるために上
限は概ね70wt%である。Al化合物は焼鈍分離及び良好な
平滑面形成のために最低15wt%が望ましい。しかしなが
ら70wt%を超えて添加すると鋼中にAl2O3 を残存してヒ
ステリシス損失の低下を招くので好ましくない。焼鈍分
離剤は静電塗装や水スラリー塗装等、公知の手法を用い
て鋼板表面に塗布することができ、塗布量の目安は概ね
3 g/m2から30g/m2である。
と二次再結晶方位集積化のためにそれぞれ最低15wt%存
在することが望ましい。しかしながら、70wt%を超える
と被膜の過剰な形成や磁気特性の劣化が生じるために上
限は概ね70wt%である。Al化合物は焼鈍分離及び良好な
平滑面形成のために最低15wt%が望ましい。しかしなが
ら70wt%を超えて添加すると鋼中にAl2O3 を残存してヒ
ステリシス損失の低下を招くので好ましくない。焼鈍分
離剤は静電塗装や水スラリー塗装等、公知の手法を用い
て鋼板表面に塗布することができ、塗布量の目安は概ね
3 g/m2から30g/m2である。
【0030】なお、この発明の製造するに際しては、上
記焼鈍分離剤が推奨されるが、その他にも、任意の焼鈍
分離剤を用いて二次再結晶粒の(110)面が板面に対
して3度以上8度以下傾いた鏡面化二次再結晶焼鈍板を
製造して得た、又は二次再結晶粒の(110)名が板面
に対して3度以上8度以下傾いたフォルステライト被膜
付きの材料の該被膜を研磨等の手段で除去した被膜なし
素材に、電解研磨、化学研磨、高温焼鈍等の鏡面化処理
を施して製造したりすることもできる。
記焼鈍分離剤が推奨されるが、その他にも、任意の焼鈍
分離剤を用いて二次再結晶粒の(110)面が板面に対
して3度以上8度以下傾いた鏡面化二次再結晶焼鈍板を
製造して得た、又は二次再結晶粒の(110)名が板面
に対して3度以上8度以下傾いたフォルステライト被膜
付きの材料の該被膜を研磨等の手段で除去した被膜なし
素材に、電解研磨、化学研磨、高温焼鈍等の鏡面化処理
を施して製造したりすることもできる。
【0031】更に、冷延方向性けい素鋼素材に、Sbを0.
02wt%以上添加する場合には、一層の鏡面様表面を得る
ことができる。この効果は、0.02wt%から顕著になり、
表面性状に関する限り1wt%程度まで作用の飽和は認め
られないが、冷延性を阻害するために、必ずしも限定す
るものではないが通常は0.2 wt%以下とするの好まし
い。
02wt%以上添加する場合には、一層の鏡面様表面を得る
ことができる。この効果は、0.02wt%から顕著になり、
表面性状に関する限り1wt%程度まで作用の飽和は認め
られないが、冷延性を阻害するために、必ずしも限定す
るものではないが通常は0.2 wt%以下とするの好まし
い。
【0032】Ca以外のアルカリ土類金属又はアルカリ金
属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸塩、
炭酸塩、硫酸塩及び硫化物(例えば、塩化カルシウム、
水酸化バリウム、ほう酸ナトリウム、硝酸マグネシウ
ム、りん酸カリウム、炭酸ストロンチウム、硫酸カルシ
ウム、硫化マグネシウム)の1種又は2種以上を前述の
焼鈍分離剤に含有させることにより、特に鋼中のS、Se
等の成分の除去を促進することができるので、添加する
ことがなお一層好ましい。添加量の下限は概ね0.1 wt%
程度であり、上限は経済性が損なわれない範囲であれば
必ずしも限定されるものではないが、概ね20wt%程度で
ある。
属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝酸塩、りん酸塩、
炭酸塩、硫酸塩及び硫化物(例えば、塩化カルシウム、
水酸化バリウム、ほう酸ナトリウム、硝酸マグネシウ
ム、りん酸カリウム、炭酸ストロンチウム、硫酸カルシ
ウム、硫化マグネシウム)の1種又は2種以上を前述の
焼鈍分離剤に含有させることにより、特に鋼中のS、Se
等の成分の除去を促進することができるので、添加する
ことがなお一層好ましい。添加量の下限は概ね0.1 wt%
程度であり、上限は経済性が損なわれない範囲であれば
必ずしも限定されるものではないが、概ね20wt%程度で
ある。
【0033】この発明の技術は、従来からの磁区細分化
の技術との併用が可能で、併用により加算的以上の相乗
効果が得られる。ここでいう磁区細分化技術とは、公知
のもの全てが適用でき、例えば、製品の鋼板表面にレー
ザーやプラズマジェットを照射して局所的に歪領域を設
ける方法、鋼板表面に溝を設ける方法、鋼板表面の組織
もしくは組成を被膜を含めて局所的に変更する方法など
が挙げられ、製造に際しての手法も突起ロールやエッチ
ング法など、従来公知のものが適用できる。
の技術との併用が可能で、併用により加算的以上の相乗
効果が得られる。ここでいう磁区細分化技術とは、公知
のもの全てが適用でき、例えば、製品の鋼板表面にレー
ザーやプラズマジェットを照射して局所的に歪領域を設
ける方法、鋼板表面に溝を設ける方法、鋼板表面の組織
もしくは組成を被膜を含めて局所的に変更する方法など
が挙げられ、製造に際しての手法も突起ロールやエッチ
ング法など、従来公知のものが適用できる。
【0034】
【実施例】(実施例1)冷延方向性けい素鋼素材として
Si:3.2 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.02
wt%からなり、残部は鉄及び不可避的不純物からなる板
厚:0.21mmの脱炭焼鈍後の方向性けい素鋼板表面に窒化
処理を施したのち、CaO :20wt%、SiO2:60wt%、Al2O
3 :20wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍
分離剤を水スラリーとして二度塗りして20g/m2塗布し、
最高温度1200℃、5Hrの二次再結晶焼鈍を水素3:窒素
1の混合雰囲気で行い冷却後の鋼板を磁気測定した結
果、B8:1.962 T 、被膜のほとんどない外観で、表面下
のAl2O 3 の存在も観察されない良好な二次再結晶板が得
られた。この際の鋼板表面と結晶の(100)面のなす
角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で4.4 度
であった。
Si:3.2 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.02
wt%からなり、残部は鉄及び不可避的不純物からなる板
厚:0.21mmの脱炭焼鈍後の方向性けい素鋼板表面に窒化
処理を施したのち、CaO :20wt%、SiO2:60wt%、Al2O
3 :20wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍
分離剤を水スラリーとして二度塗りして20g/m2塗布し、
最高温度1200℃、5Hrの二次再結晶焼鈍を水素3:窒素
1の混合雰囲気で行い冷却後の鋼板を磁気測定した結
果、B8:1.962 T 、被膜のほとんどない外観で、表面下
のAl2O 3 の存在も観察されない良好な二次再結晶板が得
られた。この際の鋼板表面と結晶の(100)面のなす
角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で4.4 度
であった。
【0035】得られたコイルを5%HCl 中で軽酸洗し表
面の残存する酸化物を完全に除去した後、重クロム酸と
硫酸との混液中を通板して鋼板表面を平坦化し、NaCl水
溶液中で片面5 μm ずつ、電解研磨し、Crめっきによる
張力コーティングを施した結果、W17/50:0.60W/kg、W
h :0.20W/kgの良好な鉄損値が得られた。
面の残存する酸化物を完全に除去した後、重クロム酸と
硫酸との混液中を通板して鋼板表面を平坦化し、NaCl水
溶液中で片面5 μm ずつ、電解研磨し、Crめっきによる
張力コーティングを施した結果、W17/50:0.60W/kg、W
h :0.20W/kgの良好な鉄損値が得られた。
【0036】(比較例1)冷延方向性けい素鋼素材成分
としてSi:3.2 wt%、Mn:0.07、C:0.05wt%、Al:0.
02wt%からなり、残部は鉄及び不可避的不純物からなる
板厚:0.21mmの脱炭焼鈍後の方向性けい素鋼板表面に窒
化処理を施したのち、CaO :10wt%、SiO2:15wt%、Al
2O3 :75wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼
鈍分離剤を水スラリーとして二度塗りして20g/m2塗布
し、最高温度1200度、5Hrの二次再結晶焼鈍を水素3:
窒素1の混合雰囲気で行い冷却後の鋼板を磁気測定した
結果、被膜のほとんどない外観が得られたものの、結晶
配向性の指標であるB8は1.910 T に止まり、表面下のAl
2O3 の存在も多数観察された。この際の鋼板表面と結晶
の(100)面のなす角度の面積加重平均はコイルを平
坦化した状態で9.5 度であった。
としてSi:3.2 wt%、Mn:0.07、C:0.05wt%、Al:0.
02wt%からなり、残部は鉄及び不可避的不純物からなる
板厚:0.21mmの脱炭焼鈍後の方向性けい素鋼板表面に窒
化処理を施したのち、CaO :10wt%、SiO2:15wt%、Al
2O3 :75wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼
鈍分離剤を水スラリーとして二度塗りして20g/m2塗布
し、最高温度1200度、5Hrの二次再結晶焼鈍を水素3:
窒素1の混合雰囲気で行い冷却後の鋼板を磁気測定した
結果、被膜のほとんどない外観が得られたものの、結晶
配向性の指標であるB8は1.910 T に止まり、表面下のAl
2O3 の存在も多数観察された。この際の鋼板表面と結晶
の(100)面のなす角度の面積加重平均はコイルを平
坦化した状態で9.5 度であった。
【0037】得られたコイルを5%HCl 中で軽酸洗し表
面の残存する酸化物を完全に除去した後、重クロム酸と
硫酸との混液中を通板して鋼板表面を平坦化し、NaCl水
溶液中で片面5 μm ずつ、電解研磨し、Crめっきによる
張力コーティングを施した結果、W17/50:0.88W/kg、W
h :0.42W/kgの鉄損値に留まった。
面の残存する酸化物を完全に除去した後、重クロム酸と
硫酸との混液中を通板して鋼板表面を平坦化し、NaCl水
溶液中で片面5 μm ずつ、電解研磨し、Crめっきによる
張力コーティングを施した結果、W17/50:0.88W/kg、W
h :0.42W/kgの鉄損値に留まった。
【0038】(実施例2)冷延方向性けい素鋼素材とし
てSi:3.4 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.
03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%からなり、残部は
鉄及び不可避的不純物からなる板厚:0.20mmの脱炭焼鈍
後の方向性けい素鋼板表面にNaCl電解溝形成の磁区細分
化処理をあらかじめ施したのち、CaO :20wt%、Ca(OH)
2 :10wt%、SiO2:39wt%、Al2O3 :30wt%、LiB4O7:
1 wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍分離
剤を水スラリーとして12g/m2塗布し、最高温度1150℃、
3 Hrの二次再結晶焼鈍を水素+Ar雰囲気で行い冷却後の
鋼板を磁気測定した結果、B8:1.942 T 、被膜の全くな
い外観で、表面下のAl2O3 の存在も観察されない良好な
二次再結晶板が得られた。また、製品板で残存すると磁
気特性に有害な影響を与えるSeも0.001 wt%まで低減さ
れていた。この際の鋼板表面と結晶の(100)面のな
す角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で6.0
度であった。
てSi:3.4 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.
03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%からなり、残部は
鉄及び不可避的不純物からなる板厚:0.20mmの脱炭焼鈍
後の方向性けい素鋼板表面にNaCl電解溝形成の磁区細分
化処理をあらかじめ施したのち、CaO :20wt%、Ca(OH)
2 :10wt%、SiO2:39wt%、Al2O3 :30wt%、LiB4O7:
1 wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍分離
剤を水スラリーとして12g/m2塗布し、最高温度1150℃、
3 Hrの二次再結晶焼鈍を水素+Ar雰囲気で行い冷却後の
鋼板を磁気測定した結果、B8:1.942 T 、被膜の全くな
い外観で、表面下のAl2O3 の存在も観察されない良好な
二次再結晶板が得られた。また、製品板で残存すると磁
気特性に有害な影響を与えるSeも0.001 wt%まで低減さ
れていた。この際の鋼板表面と結晶の(100)面のな
す角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で6.0
度であった。
【0039】得られたコイルを5%HCl 中で軽酸洗し表
面の残存する酸化物を完全に除去した後、片面1 μm ず
つ、化学研磨し、Crめっきによる張力コーティングを施
した結果、W17/50:0.55W/kg、Wh :0.17W/kgの良好な
鉄損値が得られた。
面の残存する酸化物を完全に除去した後、片面1 μm ず
つ、化学研磨し、Crめっきによる張力コーティングを施
した結果、W17/50:0.55W/kg、Wh :0.17W/kgの良好な
鉄損値が得られた。
【0040】(比較例2)冷延方向性けい素鋼素材とし
てSi:3.4 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.
03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%からなり、残部は
鉄及び不可避的不純物からなる板厚:0.20mmの脱炭焼鈍
後の方向性けい素鋼板表面にNaCl電解溝形成の磁区細分
化処理をあらかじめ施したのち、CaO :65wt%、Ca(OH)
2 :10wt%、SiO2:9 wt%、Al2O3 :15wt%、LiB4O7:
1 wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍分離
剤を水スラリーとして12g/m2塗布し、最高温度1150℃、
3 Hrの二次再結晶焼鈍を水素+Ar雰囲気で行い冷却後の
鋼板を磁気測定した結果、B8:1.944 T ながら外面に緻
密な被膜が形成し、その後のHCl 酸洗や化学研磨が不可
能であった。この最の鋼板板面と結晶の(100)面の
なす角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で2.
8 度であった。
てSi:3.4 wt%、Mn:0.07wt%、C:0.05wt%、Al:0.
03wt%、Se:0.02wt%、Sb:0.05wt%からなり、残部は
鉄及び不可避的不純物からなる板厚:0.20mmの脱炭焼鈍
後の方向性けい素鋼板表面にNaCl電解溝形成の磁区細分
化処理をあらかじめ施したのち、CaO :65wt%、Ca(OH)
2 :10wt%、SiO2:9 wt%、Al2O3 :15wt%、LiB4O7:
1 wt%を含有し残部は不可避的不純物よりなる焼鈍分離
剤を水スラリーとして12g/m2塗布し、最高温度1150℃、
3 Hrの二次再結晶焼鈍を水素+Ar雰囲気で行い冷却後の
鋼板を磁気測定した結果、B8:1.944 T ながら外面に緻
密な被膜が形成し、その後のHCl 酸洗や化学研磨が不可
能であった。この最の鋼板板面と結晶の(100)面の
なす角度の面積加重平均はコイルを平坦化した状態で2.
8 度であった。
【0041】
【発明の効果】この発明の方向性けい素鋼板は、Siを1.
5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以上含み、二次再結晶粒
の(100)面が板面に対して面積加重平均で3度以上
8度以下傾き、地鉄表層にAl2O3 の残存がなく、地鉄上
に実質的にフォルステライト被膜以外の張力被膜を有す
るものであり、地鉄表層部へのAl2O3 の残存を効果的に
抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化することによりヒステリ
シス損を効果的に低減することができるので、極めて鉄
損か低いという偉効を奏する。
5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以上含み、二次再結晶粒
の(100)面が板面に対して面積加重平均で3度以上
8度以下傾き、地鉄表層にAl2O3 の残存がなく、地鉄上
に実質的にフォルステライト被膜以外の張力被膜を有す
るものであり、地鉄表層部へのAl2O3 の残存を効果的に
抑制しつつ、地鉄表面を鏡面化することによりヒステリ
シス損を効果的に低減することができるので、極めて鉄
損か低いという偉効を奏する。
【0042】また、この発明の方向性けい素鋼板の製造
方法によれば、Caの非金属化合物を15wt%以上、Siの非
金属化合物を15wt%以上、Alの非金属化合物を15wt%以
上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物とSiの非金属化合
物とAlの非金属化合物の和は100 wt%以下)を含有する
焼鈍分離剤を該素材表面に塗布、この二次再結晶焼鈍の
後に張力被膜のコーティング処理を施すという構成によ
り、地鉄表層部へのAl 2O3 の残存を効果的に抑制しつ
つ、地鉄表面を鏡面化することによりヒステリシス損を
効果的に低減した方向性けい素鋼板を安定し製造するこ
とができる。
方法によれば、Caの非金属化合物を15wt%以上、Siの非
金属化合物を15wt%以上、Alの非金属化合物を15wt%以
上(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物とSiの非金属化合
物とAlの非金属化合物の和は100 wt%以下)を含有する
焼鈍分離剤を該素材表面に塗布、この二次再結晶焼鈍の
後に張力被膜のコーティング処理を施すという構成によ
り、地鉄表層部へのAl 2O3 の残存を効果的に抑制しつ
つ、地鉄表面を鏡面化することによりヒステリシス損を
効果的に低減した方向性けい素鋼板を安定し製造するこ
とができる。
【図1】製造時に使用する焼鈍分離剤の組成と製品の諸
特性との関係を示す図である。
特性との関係を示す図である。
【図2】鋼板の(110)面と鋼板表面のなす角がシス
テリシス損に及ぼす影響に示す図である。
テリシス損に及ぼす影響に示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 Siを1.5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以
上含む鋼を用いて二次再結晶させた方向性けい素鋼板で
あって、二次再結晶粒の(110)面が板面に対して面
積加重平均で3度以上8度以下傾き、フォルステライト
被膜のない鋼板上に張力被膜を有することを特徴とする
ヒステリシス損Wh が1.7 T にて0.3W/kg以下の極めて
鉄損の低い方向性けい素鋼板。 - 【請求項2】 Siを1.5 〜7.0 wt%、Alを0.006 wt%以
上含む方向性けい素鋼板用素材に二次再結晶焼鈍を施す
に先立って、Caの非金属化合物を15wt%以上、Siの非金
属化合物を15wt%以上、Alの非金属化合物を15wt%以上
(焼鈍分離剤中のCaの非金属化合物とSiの非金属化合物
とAlの非金属化合物の和は100 wt%以下)を含有する焼
鈍分離剤を該素材表面に塗布すること、 この二次再結晶焼鈍の後に張力被膜のコーティング処理
を施すこと、を特徴とするヒステリシス損Wh が1.7 T
にて0.3 W/kg以下の極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板
の製造方法。 - 【請求項3】 Caの非金属化合物がCaO 又はCa(OH)2 、
Siの非金属化合物がSiO2、Alの非金属化合物がAl2O3 で
ある請求項2記載の極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板
の製造方法。 - 【請求項4】 方向性けい素鋼板用素材がSbを0.02wt%
含有するものである請求項2又は3記載の極めて鉄損の
低い方向性けい素鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 焼鈍分離剤が、Ca以外のアルカリ土類金
属又はアルカリ金属の塩化物、水酸化物、ほう酸塩、硝
酸塩、りん酸塩、炭酸塩、硫酸塩及び硫化物の1種又は
2種以上を含む請求項2、3又は4記載の極めて鉄損の
低い方向性けい素鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の方
法において、製造工程の途中又は製造後に磁区細分化処
理を施すことを特徴とする極めて鉄損の低い方向性けい
素鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10000165A JPH11193420A (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10000165A JPH11193420A (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11193420A true JPH11193420A (ja) | 1999-07-21 |
Family
ID=11466431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10000165A Withdrawn JPH11193420A (ja) | 1998-01-05 | 1998-01-05 | 極めて鉄損の低い方向性けい素鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11193420A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057201A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2018090852A (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-14 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN113302323A (zh) * | 2019-01-16 | 2021-08-24 | 日本制铁株式会社 | 方向性电磁钢板 |
-
1998
- 1998-01-05 JP JP10000165A patent/JPH11193420A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057201A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 絶縁皮膜付き電磁鋼板 |
JP2018090852A (ja) * | 2016-12-01 | 2018-06-14 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
CN113302323A (zh) * | 2019-01-16 | 2021-08-24 | 日本制铁株式会社 | 方向性电磁钢板 |
CN113302323B (zh) * | 2019-01-16 | 2024-02-13 | 日本制铁株式会社 | 方向性电磁钢板 |
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