JP2018090684A - 有機半導体薄膜形成用インクジェットインク - Google Patents

有機半導体薄膜形成用インクジェットインク Download PDF

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Abstract

【課題】量産可能なプロセスのひとつであるインクジェット法によって、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい有機半導体層を形成する手法を提供する。【解決手段】有機半導体薄膜形成用インクジェットインクであって、一般式(1−1)で表される2,3−(1,2−フェニレンチオ)ベンゾ[b]チオフェン骨格を有する有機半導体化合物一般式(1−1)のR11とR12が異なる有機半導体化合物、置換基を有するジナフトチオフェン環を有する有機半導体化合物、置換基を有するジチエノベンゾチオフェン環を有する有機半導体化合物の中から選択される少なくとも一種以上の有機半導体化合物および沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒を含む有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきを抑制できる有機半導体薄膜を形成するためのインクジェットインクに関する。
ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極、およびゲート絶縁膜層、有機半導体薄膜が積層されたトランジスタは、液晶ディスプレイ、電子ペーパー、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、RF−IDタグ等への活用が期待されている。これら用途に向けたトランジスタは、従来、電極や半導体層を、蒸着法やスパッタリング法のようなドライプロセスでの形成工程を経て製造されてきた。近年、高密度化、小型化、生産性向上がより強く求められるようになっており、蒸着法等を採用した場合に必須となる、大掛かりで高価な真空設備が不要なトランジスタの製造方法が検討されてきたが、最近では、さらにより低温でエネルギー消費を抑制でき、生産性を高めることもでき、より高密度化、小型化が可能な、印刷法等のウェットプロセスが注目を浴びている。
中でも、半導体層に関しては近年ウェットプロセスにより形成するための手法の開発が盛んに行われている。実用化のためには、優れた電界効果移動度に加えて電界効果移動度のばらつきが小さいことが要求されるが、これらを両立した有機半導体薄膜の成膜法に関する報告は多くない。特に、量産可能なプロセスのひとつであるインクジェット法によって有機半導体薄膜を成膜した素子に関しての報告は少ない。
例えば、特許文献1においては、低分子系の有機半導体をスピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、反転印刷法、マイクロコンタクトプリント法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、ディスペンス法等の公知の湿式成膜方法によって有機半導体薄膜を作製した薄膜トランジスタにおいて高い移動度で、移動度のばらつきの小さい膜を容易に形成できるとの記載があるが、インクジェットインクの組成に関して詳細な記載はなく、またインクジェット法によって有機半導体薄膜を形成したトランジスタの特性は実施例にも記載されていない。また、特許文献2においても、低分子系の有機半導体を用い、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、マイクロコンタクト印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法によって有機半導体薄膜を作製した薄膜トランジスタにおいて高い移動度で、移動度のばらつきの小さい膜を容易に形成できるとの記載があるが、インクジェットインクの組成に関して詳細な記載はなく、またインクジェット法によって有機半導体薄膜を形成したトランジスタの特性は実施例にも記載されていない。さらに、特許文献3においては、低分子系有機半導体を用いたインクジェット印刷用またはフレキソ印刷用である有機トランジスタの有機半導体膜形成用組成物が請求項に挙げられており、さらにインクジェット法によって有機半導体薄膜を形成したトランジスタの特性が実施例に記載されているが、電界効果移動度のばらつきは30%未満であるものの電界効果移動度の値は0.2cm/Vs未満と低い値に留まっている。
WO2014−038708号公報 特開2012−39103号公報 特願2014−70262号公報
以上に述べたように、量産可能なプロセスのひとつであるインクジェット法によって有機半導体薄膜を成膜した半導体素子において、優れた電界効果移動度と小さいばらつきを両立することは難しい。
そこで、本発明の目的は、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい有機半導体薄膜を形成するためのインクジェットインク、および該インクからなる有機半導体薄膜を有する薄膜トランジスタ、該トランジスタからなる電子装置を提供することにある。
本発明者らは、前記実状に鑑みて鋭意検討した結果、特定の有機半導体材料と、適切な沸点および表面張力を有する有機溶媒を含む有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを使用することで、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい有機半導体薄膜、薄膜トランジスタ、さらには該薄膜トランジスタからなる電子装置を形成することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
1.有機半導体薄膜形成用インクジェットインクであって、一般式(1−1)で表される有機半導体化合物、一般式(2−1)で表される有機半導体化合物、一般式(3−1)で表される有機半導体化合物、一般式(4−1)で表される有機半導体化合物の中から選択される少なくとも一種以上の有機半導体化合物および沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒を含む有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
Figure 2018090684
(式中、R11およびR12は、下記(I−I)または(I−II)のいずれかで表される基であるが、少なくとも一方は(I−I)である。
(I−I)
一般式(1−2)または(1−3)である基。
Figure 2018090684
Figure 2018090684
(Ar11は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基、Ar12は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)
(I−II)
炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基、芳香族炭化水素基または複素芳香族基、および、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、または炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、から選ばれる基である。)
Figure 2018090684
(式中、R21は(II−I)のいずれかの基であり、R22は(II−II)のいずれかの基から選ばれる基である。
(II−I)
一般式(2−2)または(2−3)である基。
Figure 2018090684
Figure 2018090684
(Ar21は炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基であって、該芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単環式または環数が2若しくは3の多環式である基、Ar22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)
(II−II)
水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基から選ばれる基である。)
Figure 2018090684
(式中、R301〜R312は、水素原子、または任意の置換基であって、R301とR312は同一または異なり、R302とR311は同一または異なり、R303とR310は同一または異なり、R304とR309は同一または異なり、R305とR308は同一または異なり、R306とR307は同一または異なるが、R301とR312、R302とR311、R303とR310、R304とR309、R305とR308、R306とR307、の6組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせは互いに異なる。)
Figure 2018090684
(式中、R42は炭素原子数2〜20の直鎖アルキル基を表し、R47は、水素原子またはメチル基を表す。)
2.前記有機溶媒が芳香環を有する有機溶媒である1.に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
3.さらに絶縁性材料を含む1.または2.に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
4.前記絶縁性材料が高分子材料である3.に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
5.1.〜4.のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる有機半導体薄膜を含む有機半導体素子。
6.1.〜4.のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる有機半導体薄膜を含む薄膜トランジスタ。
7. 5.に記載の有機半導体素子および6.に記載の薄膜トランジスタの中から選択される少なくとも1種以上の5.に記載の有機半導体素子および6.に記載の薄膜トランジスタを含む電子装置。
本発明によれば、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい有機薄膜トランジスタを形成する有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを提供することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの一態様の断面模式図である。 本発明の有機薄膜トランジスタの別の一態様の断面模式図である。 スピンコート法によって形成した絶縁膜の表面SEM画像である。 反転印刷法によって形成した絶縁膜の表面SEM画像である。 真空蒸着法によって形成したソース電極またはドレイン電極の表面SEM画像である。 反転印刷法によって形成したソース電極またはドレイン電極の表面SEM画像である。
以下に、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク、有機半導体素子、薄膜トランジスタ(有機トランジスタ)、および電子装置について詳細に説明する。
(本発明のインク)
本発明のインクは、有機半導体薄膜形成用インクジェットインクであって、一般式(1−1)で表される有機半導体化合物、一般式(2−1)で表される有機半導体化合物、一般式(3−1)で表される有機半導体化合物、一般式(4−1)で表される有機半導体化合物の中から選択される少なくとも一種以上の有機半導体化合物および沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒を含む有機半導体薄膜形成用インクジェットインクである。本発明のインクを用いて製造された薄膜トランジスタは、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さいことを特徴とする。なお、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクの特筆すべき特徴として、下地の表面が粗い場合にも均質な有機半導体薄膜を形成できることが挙げられる。一般に、表面の粗い下地に有機半導体膜を形成した場合、下地の粗さが有機半導体の結晶成長を阻害して有機半導体薄膜の均質性が損なわれる。そのため、表面の粗い電極および絶縁膜層上に有機半導体薄膜を形成する場合には均質な有機半導体薄膜が得られず、電界効果移動度の低下およびばらつきの増大を招く。しかし、本発明のインクを用いてインクジェット法で有機半導体層を形成した場合、スクリーン印刷法、インクジェット法、凸版印刷法等によって形成された表面の粗い電極および/またはスクリーン印刷法、インクジェット法、凸版印刷法等によって形成された表面の粗い絶縁膜層を下地層として用いた場合でも均質な有機半導体薄膜を形成することができ、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい薄膜トランジスタを得ることができる(一般に、真空蒸着法やスピンコート法などのベタコートによって成膜した電極や絶縁膜層と比較して、スクリーン印刷法、インクジェット法、凸版印刷法などの印刷法で形成した電極や絶縁膜層は表面が粗い。詳細は後記。)。
(本発明のインクに用いられる有機半導体化合物)
一般式(1−1)で表される有機半導体化合物について説明する。
Figure 2018090684
(式中、R11−およびR12−は、下記(I−I)または(I−II)のいずれかで表される基であるが、少なくとも一方は(I−I)である。
(I−I)は、
一般式(1−2)または(1−3)である基である。
Figure 2018090684
Figure 2018090684
(Ar11は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基、Ar12は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)
(I−II)
炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基、芳香族炭化水素基または複素芳香族基、および、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、または炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、から選ばれる基である。)
一般式(1−1)で表される有機半導体化合物は、ベンゾチエノベンゾチオフェン([1]ベンゾチエノ[3,2−b][1]ベンゾチオフェン。以下、BTBTと略す)骨格に置換基R11およびR12を有する化合物であり、R11およびR12は、(I−I)または(I−II)のいずれかで表される基であるが、少なくとも一方は(I−I)であることに特徴を有する化合物である。
(I−I)は、
特定のアリーレンアセチレン構造からなる一般式(1−2)または(1−3)の基であり、(I−II)は、炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基、芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、から選ばれる基である。
一般式(1−2)で表される置換基のAr11は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものを挙げることができる。
置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基などの無置換の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、ジュリル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−デカフェニル基、4−ステアリルフェニル基、9、9’−ジヘキシルフルオレニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素基、スチリル基、4−ブテニルフェニル基、4−オクタデセニルフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたアルケニル置換芳香族炭化水素基、
4−フルオロフェニル基、2,6−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−パーフルオロフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素基、4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘプチルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−テトラデシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(12−エトキシドデシル)フェニル基、4−(シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(メチルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)フェニル基、4−(3−n−デシルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(3−オクチルアミノプロピル)フェニル基、4−(3−ドデシルアミノプロピル)フェニル基、4−(ジエチルアミノエチル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換芳香族炭化水素基、等が挙げられる。
また、置換基を有してもよい複素芳香族基としては、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基など、5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基にベンゼンが縮合した多環式複素芳香族基、
5−メチルチエニル基、5−ヘキシルチエニル基、5−デカチエニル基、5−ステアリルチエニル基など前記複素芳香族基が炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアルキル置換複素芳香族基、
フルオロピリジニル基、フルオロインドリル基など、前記の複素芳香族基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化複素芳香族基、
5−(2−エトキシエチル)チエニル基、5−(2−n−テトラデシルオキシエチル)チエニル基、5−(2−シクロヘキシルオキシエチル)チエニル基、5−(12−エトキシドデシル)チエニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換複素芳香族基、
5−(メチルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)チエニル基、5−(3−n−デシルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)チエニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換複素芳香族基、
5−(3−オクチルアミノプロピル)チエニル基、5−(3−ドデシルアミノプロピル)チエニル基、5−(ジエチルアミノエチル)チエニル基など、前記の複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換複素芳香族基、等が挙げられる。
また、一般式(1−3)で表される置換基のAr12は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものを挙げることができる。
フェニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、アセナフテニレン基、アントリレン基、フェナントリレン基、ナフタセニレン基、フルオレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ビフェニレン基、p−ターフェニレン基、クォーターフェニレン基などの炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
トリレン基、キシリレン基、エチルフェニレン基、プロピルフェニレン基、ブチルフェニレン基、メチルナフチレン、9,9’−ジヘキシルフルオレニレン基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数1〜10のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素基、
フルオロフェニレン基、クロロフェニレン基、ブロモフェニルン基など、前記の芳香族炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素基等が挙げられる。
さらに、チエニレン、ピリジレンなどの複素芳香族基や、これらが置換された複素芳香族基も使用することができる。
また、一般式(1−3)で表される置換基のR’は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものが挙げられる。
炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリn−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリn−ブチルシリル、トリsec−ブチル基、
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの直鎖、分岐または環状のアルキル基、
置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基などの炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、ジュリル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−デカフェニル基、4−ステアリルフェニル基、9,9’−ジヘキシルフルオレニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素基、
スチリル基、4−ブテニルフェニル基、4−オクタデセニルフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたアルケニル置換芳香族炭化水素基、
4−フルオロフェニル基、2,6−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−パーフルオロフェニル基など、前記の芳香族炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素基、
4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘプチルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−テトラデシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(12−エトキシドデシル)フェニル基、4−(シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(メチルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)フェニル基、4−(3−n−デシルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(3−オクチルアミノプロピル)フェニル基、4−(3−ドデシルアミノプロピル)フェニル基、4−(ジエチルアミノエチル)フェニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換芳香族炭化水素基、等が挙げられる。
また、置換基を有してもよい複素芳香族基としては、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基など、5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基にベンゼンが縮合した多環式複素芳香族基、5−メチルチエニル基、5−ヘキシルチエニル基、5−デカチエニル基、5−ステアリルチエニル基など前記複素芳香族基が炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアルキル置換複素芳香族基、
フルオロピリジニル基、フルオロインドリル基など、前記の複素芳香族基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲンで置換されたハロゲン化複素芳香族基、5−(2−エトキシエチル)チエニル基、5−(2−n−テトラデシルオキシエチル)チエニル基、5−(2−シクロヘキシルオキシエチル)チエニル基、5−(12−エトキシドデシル)チエニル基など、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換複素芳香族基、
5−(メチルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)チエニル基、5−(3−n−デシルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)チエニル基など、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換複素芳香族基、
5−(3−オクチルアミノプロピル)チエニル基、5−(3−ドデシルアミノプロピル)チエニル基、5−(ジエチルアミノエチル)チエニル基など、前記の複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換複素芳香族基、等が挙げられる。
また、(I−II)は、
炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基、芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基から選ばれる基であり、
(I−II)を例示すると、
炭素数2〜20のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの直鎖、分岐または環状のアルキル基、
炭素数2〜20のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、メチルペンテニル基、シクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセンなどの直鎖、分岐、環状のアルケニル基、
ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基としては、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル基など、前記炭素数2〜20のアルキル基の水素原子の一部をフッ素原子で置換されたアルキル基、
炭素数3〜20のアルコキシアルキル基としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−n−デシルオキシエチル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、2−n−テトラデシルオキシエチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、3−(2’−エチルブトキシ)プロピル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−n−デシルオキシプロピル基、3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−n−テトラデシルオキシプロピル基、3−シクロヘキシルオキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−イソプロポキシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、4−n−オクチルオキシブチル基、4−n−デシルオキシブチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、5−メトキシペンチル基、5−エトキシペンチル基、5−n−プロポキシペンチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、6−エトキシヘキシル基、6−イソプロポキシヘキシル基、6−n−ブトキシヘキシル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、4−メトキシシクロヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、7−エトキシヘプチル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、8−エトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、9−エトキシノニル基、10−メトキシデシル基、10−エトキシデシル基、10−n−ブトキシデシル基、11−メトキシウンデシル基、12−メトキシドデシル基、12−エトキシドデシル基、12−イソプロポキシドデシル基、14−メトキシテトラデシル基、シクロヘキシルオキシエチル基、シクロヘキシルオキシプロピル基などの直鎖、分岐または環状のアルコキシアルキル基、
炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基としては、メチルスルファニルプロピル基、エチルスルファニルプロピル基、ブチルスルファニルプロピル基、ドデシルスルファニルプロピル基などのアルキルスルファニルアルキル基、2−メチルスルファニルエチル基、2−エチルスルファニルエチル基、2−n−プロピルスルファニルエチル基、2−イソプロピルスルファニルエチル基、2−n−ブチルスルファニルエチル基、2−n−ヘキシルスルファニルエチル基、2−(2’−エチルブチルスルファニル)エチル基、2−n−ヘプチルスルファニルエチル基、2−n−オクチルスルファニルエチル基、2−(2’−エチルヘキシルスルファニル)エチル基、2−n−デシルスルファニルエチル基、2−n−ドデシルスルファニルエチル基、2−n−テトラデシルスルファニルエチル基、2−シクロヘキシルスルファニルエチル基、2−メチルスルファニルプロピル基、3−メチルスルファニルプロピル基、3−エチルスルファニルプロピル基、3−n−プロピルスルファニルプロピル基、3−イソプロピルスルファニルプロピル基、3−n−ブチルスルファニルプロピル基、3−n−ペンチルスルファニルプロピル基、3−n−ヘキシルスルファニルプロピル基、3−(2’−エチルブチルスルファニル)プロピル基、3−n−オクチルスルファニルプロピル基、3−(2’−エチルヘキシルスルファニル)プロピル基、3−n−デシルスルファニルプロピル基、3−n−ドデシルスルファニルプロピル基、3−n−テトラデシルスルファニルプロピル基、3−シクロヘキシルスルファニルプロピル基、4−メチルスルファニルブチル基、4−エチルスルファニルブチル基、4−n−プロピルスルファニルブチル基、4−イソプロピルスルファニルブチル基、4−n−ブチルスルファニルブチル基、4−n−ヘキシルスルファニルブチル基、4−n−オクチルスルファニルブチル基、4−n−デシルスルファニルブチル基、4−n−ドデシルスルファニルブチル基、5−メチルスルファニルペンチル基、5−エチルスルファニルペンチル基、5−n−プロピルスルファニルペンチル基、5−n−ペンチルスルファニルペンチル基、6−メチルスルファニルヘキシル基、6−エチルスルファニルヘキシル基、6−イソプロピルスルファニルヘキシル基、6−n−ブチルスルファニルヘキシル基、6−n−ヘキシルスルファニルヘキシル基、6−n−デシルスルファニルヘキシル基、4−メチルスルファニルシクロヘキシル基、7−メチルスルファニルヘプチル基、7−エチルスルファニルヘプチル基、7−イソプロピルスルファニルヘプチル基、8−メチルスルファニルオクチル基、8−エチルスルファニルオクチル基、9−メチルスルファニルノニル基、9−エチルスルファニルノニル基、10−メチルスルファニルデシル基、10−エチルスルファニルデシル基、10−n−ブチルスルファニルデシル基、11−メチルスルファニルウンデシル基、12−メチルスルファニルドデシル基、12−エチルスルファニルドデシル基、12−イソプロピルスルファニルドデシル基、14−メチルスルファニルテトラデシル基、シクロヘキシルスルファニルエチル基、シクロヘキシルスルファニルプロピル基などの直鎖、分岐または環状のアルキルスルファニルアルキル基、
さらに、6−n−プロピルスルファニルヘキシル基、7−n−プロピルスルファニルヘプチル基、8−n−プロピルスルファニルオクチル基、9−n−プロピルスルファニルノニル基、10−n−プロピルスルファニルデシル基、11−エチルスルファニルウンデシル基、11−n−プロピルスルファニルウンデシル基なども挙げられる。
炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基としては、N−メチルアミノエチル基、N−エチルアミノエチル基、N−n−プロピルアミノエチル基、N−イソプロピルアミノエチル基、N−n−ブチルアミノエチル基、N−n−ヘキシルアミノエチル基、N−2−エチルブチルアミノエチル基、N−n−ヘプチルアミノエチル基、N−n−オクチルアミノエチル基、N−2−エチルヘキシルアミノエチル基、N−n−デシルアミノエチル基、N−n−ドデシルアミノエチル基、N−n−テトラデシルアミノエチル基、N−シクロヘキシルアミノエチル基、N−メチルアミノプロピル基、N−メチルアミノプロピル基、N−エチルアミノプロピル基、N−n−プロピルアミノプロピル基、N−イソプロピルアミノプロピル基、N−n−ブチルアミノプロピル基、N−n−ペンチルアミノプロピル基、N−n−ヘキシルアミノプロピル基、N−2−エチルブチルアミノプロピル基、N−n−オクチルアミノプロピル基、N−2−エチルヘキシルアミノプロピル基、N−n−デシルアミノプロピル基、N−n−ドデシルアミノプロピル基、N−n−テトラデシルアミノプロピル基、N−シクロヘキシルアミノプロピル基、N−メチルアミノブチル基、N−エチルアミノブチル基、N−n−プロピルアミノブチル基、N−イソプロピルアミノブチル基、N−n−ブチルアミノブチル基、N−n−ヘキシルアミノブチル基、N−n−オクチルアミノブチル基、N−n−デシルアミノブチル基、N−n−ドデシルアミノブチル基、N−メチルアミノペンチル基、N−エチルアミノペンチル基、N−n−プロピルアミノペンチル基、N−n−ペンチルアミノペンチル基、N−メチルアミノヘキシル基、N−エチルアミノヘキシル基、N−イソプロピルアミノヘキシル基、N−n−ブチルアミノヘキシル基、N−n−ヘキシルアミノヘキシル基、N−n−デシルアミノヘキシル基、N−メチルアミノシクロヘキシル基、N−メチルアミノヘプチル基、N−エチルアミノヘプチル基、N−イソプロピルアミノヘプチル基、N−メチルアミノオクチル基、N−エチルアミノオクチル基、N−メチルアミノノニル基、N−エチルアミノノニル基、N−メチルアミノデシル基、N−エチルアミノデシル基、N−n−ブチルアミノデシル基、N−メチルアミノウンデシル基、N−メチルアミノドデシル基、N−エチルアミノドデシル基、N−イソプロピルアミノドデシル基、N−メチルアミノテトラデシル基、N−シクロヘキシルアミノエチル基、N−シクロヘキシルアミノプロピル基などの直鎖、分岐または環状のN−アルキルアミノアルキル基、
芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基など、或いはこれらの芳香族炭化水素基または複素芳香族基の水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換された2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基などのハロゲン置換芳香族炭化水素基または複素芳香族基、
炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4―n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−n−オクタデシルフェニル基、5−n−ブチル−2−チエニル基、5−n−ヘキシル−2−チエニル基、5−n−オクチル−2−チエニル基、5−n−デシル−2−チエニル基、5−n−トリデシル−2−チエニル基など、前記芳香族炭化水素基または複素芳香族基が前記炭素数2〜20のアルキル基またはアルケニル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基、
ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、4−ペンタフルオロプロピルフェニル基、4−ヘプタフルオロブチルフェニル基、4−ノナフルオロペンチルフェニル基、4−ペンタデカフルオロオクチルフェニル基、4−ノナデカフルオロデシルフェニル基、5−ノナフルオロペンチル−2−チエニル基など、前記芳香族炭化水素基または複素芳香族基が前記ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、
炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−オクチルオキシエチル)フェニル基、4−(3−n−オクチルオキシプロピル)フェニル基、4−(3−n−テトラデシルオキシプロピル)フェニル基、4−(4−n−オクチルオキシブチル)フェニル基、4−(6−n−デシルオキシヘキシル)フェニル基、4−(10−n−ブトキシデシル)フェニル基、5−(2−n−ヘキシルオキシエチル)−2−チエニル基など、前記芳香族炭化水素基または複素芳香族基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、
炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、4−メチルスルファニルプロピルフェニル基、4−ブチルスルファニルプロピルフェニル基、4−ドデシルスルファニルプロピルフェニル基、5−メチルスルファニルプロピル−2−チエニル基など、前記芳香族炭化水素基または複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、
炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基としては、N−メチルアミノプロピルフェニル基、N−ブチルアミノプロピルフェニル基、N−ドデシルアミノプロピルフェニル基、N−メチルアミノプロピル−2−チエニル基など、前記芳香族炭化水素基または複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、等が挙げられる。
上記の(I−II)の中でも、炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数2〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基は、高い電界効果移動度を与えるため好ましい。
さらに、電界効果移動度のばらつきを抑制する点で、上記(I−II)は好ましくは、炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基であり、特に好ましくは、炭素数4〜18のアルキル基、炭素数4〜18のアルコキシアルキル基、炭素数4〜18のアルキルスルファニルアルキル基である。
また、R11とR12について、いずれか一方が(I―I)で表される基であり、他の一方が(I−II)で表される基であることが、好ましい。
さらに、R11とR12について、いずれか一方が(I―I)で表される基であり、他の一方が(I−II)で表される基であり、R11がBTBT骨格の2位の位置に結合し、R12がBTBT骨格の7位の位置に結合していることが、さらに好ましい。
以上の如くして説明した置換基を有する、本発明のインクジェットインクに用いられる具体的な有機半導体化合物として、以下を挙げることができるが、これらに限られるものではない。
Figure 2018090684

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次に、一般式(2−1)で表される有機半導体化合物について説明する。
Figure 2018090684
(式中、R21が(II−I)のいずれかの基であり、R22が(II−II)のいずれかの基から選ばれる基である。
(II−I)
一般式(2−2)または一般式(2−3)である基。
Figure 2018090684
Figure 2018090684
(Ar21は炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基であって、該芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単環式または環数が2もしくは3の多環式である基、Ar22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)
(II−II)
水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基から選ばれる基である。)
一般式(2−1)で表される有機半導体化合物は、BTBT骨格に置換基としてR21およびR22を有する化合物であり、当該置換基の少なくとも一方が、特定のアリーレンアセチレン構造からなる一般式(2−2)または(2−3)で表される基であり、もう一方の置換基が、水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基から選ばれる基であることに特徴を有する。
本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物は、BTBT環を含む主骨格がアセチレン部位を介して芳香環等と連結することで、溶媒溶解性が向上し、さらにπ共役平面の拡張により電界効果移動度が向上する。
また、一方の置換基を、水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、およびトリフルオロメチル基の如く、短くすることで、置換基間相互作用が単純化し、均質な半導体膜を提供することが可能となる。即ち、“インク液滴を滴下し、そのものを乾燥する”という簡便な湿式法であっても、高い電界効果移動度の有機半導体膜を与えることが可能となる。
次に、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の置換基について説明する。
本発明の一般式(2−1)で表される化合物の置換基R22は、水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基から選ばれる基である。
一方、本発明の一般式(2−1)で表せる化合物の置換基R21は、一般式(2−2)または(2−3)
で表される置換基である。
Figure 2018090684
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一般式(2−2)で表される置換基のAr21は、炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基であって、該芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単環式または環数が2もしくは3の多環式である基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものを挙げることができる。
炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基等の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、等が挙げられる。
炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基(Ar21)の具体例としては、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、9,9’−ジヘキシルフルオレニル基、等が挙げられるが、これらに限られるものではない。
また、炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する複素芳香族基の複素芳香族基としては、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、ビチエニル基、ターチエニル基、クォーターチエニル基、チエノチエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、ビチエニル基、ターチエニル基、クォーターチエニル基等、5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基に他の芳香族基が縮合するなどした多環式複素芳香族基、等が挙げられる。
炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する複素芳香族基(Ar21)の具体例としては、5−エチルチエニル基、5−n−プロピルチエニル基、5−イソプロピルチエニル基、5−n−ブチルチエニル基、5−n−ペンチルチエニル基、5−n−ヘキシルチエニル基、5−n−ヘプチルチエニル基、5−n−オクチルチエニル基、5−n−ノニルチエニル基、5−n−デシルチエニル基、等が挙げられる。
Ar21について、上記の中でも、溶媒溶解性の観点からは、炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有するフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基が好ましく、半導体特性(電界効果移動度)の観点からは、炭素数2〜10のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基が好ましく、したがって、溶媒溶解性および半導体特性(電界効果移動度)、両観点からは、炭素数2〜10のアルキル基を置換基として有するフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基が特に好ましい。
一般式(2−3)で表される置換基のAr22は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものを挙げることができる。
フェニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、アセナフテニレン基、アントラセニレン基、フェナントレニレン基、ナフタセニレン基、フルオレニレン基、ピレニレン基、クリセニレン基、ペリレニレン基、ビフェニレン基、p−ターフェニレン基、クォーターフェニレン基等の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素二価基、
トリレン基、キシリレン基、エチルフェニレン基、プロピルフェニレン基、イソプロピルフェニレン基、ブチルフェニレン基、ペンチルフェニレン基、ヘキシルフェニレン基、ヘプチルフェニレン基、オクチルフェニレン基、ノニルフェニレン基、デシルフェニレン基、メチルナフチレン、9,9’−ジヘキシルフルオレニル基等、前記芳香族炭化水素二価基が炭素数2〜18のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素二価基、
フルオロフェニレン基、クロロフェニレン基、ブロモフェニルン基等、前記の芳香族炭化水素二価基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素二価基等が挙げられる。
さらに、チエニレン、ピリジレン等の複素芳香族二価基や、これらが置換された複素芳香族二価基も使用することができる。
また、一般式(2−3)で表される置換基のR’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基であれば、特に制限はないが、例えば以下のものが挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の直鎖、分岐または環状のアルキル基、
置換基を有してもよい芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基、ビフェニル基、p−ターフェニル基、クォーターフェニル基等の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、ジュリル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−デカフェニル基、4−ステアリルフェニル基、9、9’−ジヘキシルフルオレニル基等、前記芳香族炭化水素基が炭素数1〜18のアルキル基で置換されたアルキル置換芳香族炭化水素基、スチリル基、4−ブテニルフェニル基、4−オクタデセニルフェニル基等、前記の芳香族炭化水素基が炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたアルケニル置換芳香族炭化水素基、
4−フルオロフェニル基、2,6−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−パーフルオロフェニル基等、前記の芳香族炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲンで置換されたハロゲン化芳香族炭化水素基、
4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘプチルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−テトラデシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(12−エトキシドデシル)フェニル基、4−(シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基等、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(メチルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)フェニル基、4−(3−n−デシルスルファニルプロピル)フェニル基、4−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)フェニル基等、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換芳香族炭化水素基、
4−(3−オクチルアミノプロピル)フェニル基、4−(3−ドデシルアミノプロピル)フェニル基、4−(ジエチルアミノエチル)フェニル基等、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換芳香族炭化水素基、等が挙げられる。
また、置換基を有してもよい複素芳香族基としては、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基等、5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基にベンゼンが縮合した多環式複素芳香族基、
5−メチルチエニル基、5−ヘキシルチエニル基、5−デカチエニル基、5−ステアリルチエニル基等前記複素芳香族基が炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアルキル置換複素芳香族基、
フルオロピリジニル基、フルオロインドリル基等、前記の複素芳香族基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲンで置換されたハロゲン化複素芳香族基、
5−(2−エトキシエチル)チエニル基、5−(2−n−テトラデシルオキシエチル)チエニル基、5−(2−シクロヘキシルオキシエチル)チエニル基、5−(12−エトキシドデシル)チエニル基等、前記芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルコキシアルキル基で置換されたアルコキシアルキル置換複素芳香族基、
5−(メチルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(2−n−ヘキシルスルファニルエチル)チエニル基、5−(3−n−デシルスルファニルプロピル)チエニル基、5−(シクロヘキシルスルファニルプロピル)チエニル基等、前記の芳香族炭化水素基が炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基で置換されたアルキルスルファニルアルキル置換複素芳香族基、
5−(3−オクチルアミノプロピル)チエニル基、5−(3−ドデシルアミノプロピル)チエニル基、5−(ジエチルアミノエチル)チエニル基等、前記の複素芳香族基が炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基で置換されたアルキルアミノアルキル置換複素芳香族基、等が挙げられる。
以上の如くして説明した、本発明のインクジェットインクに用いられる具体的な有機半導体化合物として、以下を挙げることができるが、これらに限られるものではない。

Figure 2018090684

Figure 2018090684

Figure 2018090684


次に、一般式(3−1)で表される有機半導体化合物について説明する。
Figure 2018090684
(式中、R301〜R312は、水素原子、または任意の置換基であって、R301とR312は同一または異なり、R302とR311は同一または異なり、R303とR310は同一または異なり、R304とR309は同一または異なり、R305とR308は同一または異なり、R306とR307は同一または異なるが、R301とR312、R302とR311、R303とR310、R304とR309、R305とR308、R306とR307、の6組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせは互いに異なる。)
本発明のインクに用いられる、一般式(3−1)で表される有機半導体化合物は、ジナフトチオフェン環に置換基としてR301〜R312を有する化合物である。
本発明のインクジェットインクに用いられる、一般式(3−1)で表される化合物の特徴は、前記、置換基に係わる6組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせが異なることにある。前記6組の組み合わせが、それぞれについて同一である場合(即ち、R301とR312が同一、R302とR311が同一、R303とR310が同一、R304とR309が同一、R305とR308が同一、かつ、R306とR307が同一)、分子の対称性がC2vとなり、対称性が高くなり、結晶性が高まる。このため、凝集能が過度に上がり、インク滴下とその乾燥で作製された多結晶膜の膜質が下がり(一般に大きな結晶粒が析出し膜の均質性が低くなる)、半導体特性(電界効果移動度)が低下する。一方、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物は、対称性が低いため、凝集能が適度に制御され、インク滴下とその乾燥で作製された多結晶膜の膜質が高く、そのため、半導体特性(電界効果移動度)が高い。
こういった観点から、置換基の位置構造としては、R301とR312、R302とR311、R303とR310、R304とR309、R305とR308、R306とR307、の6組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせが互いに異なり、かつ、それ以外の組み合わせが互いに同一で水素原子であることが好ましい。
さらに高い電界効果移動度の化合物を得るためには、R301とR312、R302とR311、R303とR310、R304とR309、R305とR308、R306とR307、の6組の組み合わせのうち、R301とR312、R302とR311、R305とR308、R306とR307、はいずれも同一で水素原子であり、R303とR310は同一または異なり、R304とR309は同一または異なるが、R303とR310、R304とR309、の2組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせが互いに異なることが特に好ましい。
次に、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の置換基について説明する。
本発明の一般式(3−1)で表せる化合物の置換基R301〜R312としては、芳香族化合物の置換基として公知慣用のものであれば制限無く用いることができるが、例えば、非環式または環式の炭素原子数1〜20のアルキル基(該アルキル基中の−CH−が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子が各々直接結合しないように、−O−、−R’C=CR’−、−CO−、−OCO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−または−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の水素原子は、芳香族基、ハロゲノ基、またはニトリル基によって置換されていてもよい(但し、R’は炭素原子数1〜20の非環式または環式アルキル基を表す。))、ハロゲノ基、芳香族基(該芳香族基は、非環式または環式の炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲノ基、芳香族基、またはニトリル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の−CH−が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子が各々直接結合しないように、−O−、−CR’’=CR’’−、−CO−、−OCO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’’−または−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の水素原子は、芳香族基、ハロゲノ基、またはニトリル基によって置換されていてもよい(但し、R’’は炭素原子数1〜20の非環式または環式アルキル基を表す。))、ニトロ基、またはニトリル基から選ばれる基(但し、一般式(3−2)で表される基を除く)を挙げることができる。
321−C≡C−(R322− (3−2)
(R321は置換基を有してもよい芳香族基を表し、R322はフェニレン基を表し、pは0または1の整数を表す。)
具体的に、非環式または環式の炭素原子数1〜20のアルキル基(該アルキル基中の−CH−が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子が各々直接結合しないように、−O−、−R’C=CR’−、−CO−、−OCO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’−または−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の水素原子は、芳香族基、ハロゲノ基、またはニトリル基によって置換されていてもよい(但し、R’は炭素原子数1〜20の非環式または環式アルキル基を表す。))は、(CA−1)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基、(CA−2)炭素数3〜20の脂環式アルキル基、(CA−3)炭素原子数1〜19のアルコキシ基、(CA−4)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基、(CA−5)炭素原子数2〜20のアルケニル基、(CA−6)炭素原子数2〜20のアルカノイル基、(CA−7)炭素原子数3〜20のアルカノイルアルキル基、(CA−8)炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、(CA−9)炭素原子数2〜20のアルカノイルオキシ基、(CA−10)炭素原子数1〜19のアルキルスルファニル基、(CA−11)炭素原子数2〜19のアルキルスルファニルアルキル基、(CA−12)炭素原子数1〜19のアルキルスルホニル基、(CA−13)炭素原子数2〜19のアルキルスルホニルアルキル基、(CA−14)炭素原子数1〜19のアルキルスルフィニル基、(CA−15)炭素原子数2〜19のアルキルスルフィニルアルキル基、(CA−16)炭素原子数1〜19のアルキルアミノ基、(CA−17)炭素原子数2〜19のアルキルアミノアルキル基、(CA−18)炭素原子数2〜20のアルキニル基である。
前記(CA−1)〜(CA−18)の中で、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の成膜性と電界効果移動度を向上させる観点からは、(CA−1)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基、(CA−2)炭素数3〜20の脂環式アルキル基、(CA−3)炭素原子数1〜19のアルコキシ基、(CA−4)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基、(CA−5)炭素原子数2〜20のアルケニル基、(CA−10)炭素原子数1〜19のアルキルスルファニル基、(CA−11)炭素原子数2〜19のアルキルスルファニルアルキル基、または(CA−18)炭素原子数2〜20のアルキニル基が好ましく、
さらに高い電界効果移動度の化合物を得るためには、(CA−1)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基、または(CA−4)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基が特に好ましい。
(CA−1)の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等の直鎖アルキル基、
イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘプチル基、2−プロピルペンチル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、1−メチルデシル基、1−ヘキシルヘプチル基等の分岐アルキル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の環状アルキル基、
等を挙げることができる。
(CA−4)の具体例としては、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−イソプロポキシエチル基、2−n−ブトキシエチル基、2−n−ヘキシルオキシエチル基、2−(2’−エチルブチルオキシ)エチル基、2−n−ヘプチルオキシエチル基、2−n−オクチルオキシエチル基、2−(2’−エチルヘキシルオキシ)エチル基、2−n−デシルオキシエチル基、2−n−ドデシルオキシエチル基、2−n−テトラデシルオキシエチル基、2−シクロヘキシルオキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、3−イソプロポキシプロピル基、3−n−ブトキシプロピル基、3−n−ペンチルオキシプロピル基、3−n−ヘキシルオキシプロピル基、3−(2’−エチルブトキシ)プロピル基、3−n−オクチルオキシプロピル基、3−(2’−エチルヘキシルオキシ)プロピル基、3−n−デシルオキシプロピル基、3−n−ドデシルオキシプロピル基、3−n−テトラデシルオキシプロピル基、3−シクロヘキシルオキシプロピル基、4−メトキシブチル基、4−エトキシブチル基、4−n−プロポキシブチル基、4−イソプロポキシブチル基、4−n−ブトキシブチル基、4−n−ヘキシルオキシブチル基、4−n−オクチルオキシブチル基、4−n−デシルオキシブチル基、4−n−ドデシルオキシブチル基、5−メトキシペンチル基、5−エトキシペンチル基、5−n−プロポキシペンチル基、5−n−ペンチルオキシペンチル基、6−メトキシヘキシル基、6−エトキシヘキシル基、6−イソプロポキシヘキシル基、6−n−ブトキシヘキシル基、6−n−ヘキシルオキシヘキシル基、6−n−デシルオキシヘキシル基、4−メトキシシクロヘキシル基、7−メトキシヘプチル基、7−エトキシヘプチル基、7−イソプロポキシヘプチル基、8−メトキシオクチル基、8−エトキシオクチル基、9−メトキシノニル基、9−エトキシノニル基、10−メトキシデシル基、10−エトキシデシル基、10−n−ブトキシデシル基、11−メトキシウンデシル基、12−メトキシドデシル基、12−エトキシドデシル基、12−イソプロポキシドデシル基、14−メトキシテトラデシル基、シクロヘキシルオキシエチル基、シクロヘキシルオキシプロピル基、
等を挙げることができる。
具体的に、前記ハロゲノ基は、フルオロ基(フッ素原子)、クロロ基(塩素原子)、ブロモ基(臭素原子)、ヨード基(ヨウ素原子)である。
前記ハロゲノ基の中で、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の成膜性と電界効果移動度を向上させる観点からは、フルオロ基およびクロロ基が好ましく、さらに高い電界効果移動度の化合物を得るためには、フルオロ基が特に好ましい。
具体的に、前記芳香族基(該芳香族基は、非環式または環式の炭素原子数1〜20のアルキル基、ハロゲノ基、芳香族基、またはニトリル基で置換されていてもよく、該アルキル基中の−CH−が、酸素原子、硫黄原子および窒素原子が各々直接結合しないように、−O−、−CR’’=CR’’−、−CO−、−OCO−、−COO−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR’’−または−C≡C−で置換されてよく、該アルキル基中の水素原子は、芳香族基、ハロゲノ基、またはニトリル基によって置換されていてもよい(但し、R’’は炭素原子数1〜20の非環式または環式アルキル基を表す。))は、(CB−1)無置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−2)ハロゲン化芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−3)芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単結合で連結した芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−4)ニトリル化芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−5)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−6)炭素数3〜20の脂環式アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−7)炭素原子数1〜19のアルコキシ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−8)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−9)炭素原子数2〜20のアルケニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−10)炭素原子数2〜20のアルカノイル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−11)炭素原子数3〜20のアルカノイルアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−12)炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−13)炭素原子数2〜20のアルカノイルオキシ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−14)炭素原子数1〜19のアルキルスルファニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−15)炭素原子数2〜19のアルキルスルファニルアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−16)炭素原子数1〜19のアルキルスルホニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−17)炭素原子数2〜19のアルキルスルホニルアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−18)炭素原子数1〜19のアルキルスルフィニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−19)炭素原子数2〜19のアルキルスルフィニルアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−20)炭素原子数1〜19のアルキルアミノ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−21)炭素原子数2〜19のアルキルアミノアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−22)炭素原子数2〜20のアルキニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。
前記(CB−1)〜(CB−22)の中で、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の成膜性と電界効果移動度を向上させる観点からは、(CB−1)無置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−2)ハロゲン化芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−3)芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単結合で連結した芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−5)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−6)炭素数1〜20の脂環式アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−7)炭素原子数1〜19のアルコキシ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−8)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−9)炭素原子数2〜20のアルケニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−14)炭素原子数1〜19のアルキルスルファニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−15)炭素原子数2〜19のアルキルスルファニルアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−20)炭素原子数1〜19のアルキルアミノ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−21)炭素原子数2〜19のアルキルアミノアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−22)炭素原子数2〜20のアルキニル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基が好ましく、
さらに高い電界効果移動度の化合物を得るためには、(CB−1)無置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−2)ハロゲン化芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−3)芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単結合で連結した芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−5)炭素原子数1〜20の直鎖または分岐アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−6)炭素数1〜20の脂環式アルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−7)炭素原子数1〜19のアルコキシ基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基、(CB−8)炭素原子数2〜19のアルコキシアルキル基置換の芳香族炭化水素基または複素芳香族基が特に好ましい。
(CB−1)の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、アセナフテニル基、アントラニル基、フェナントリル基、ナフタセニル基、フルオレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ペリレニル基等、無置換の炭素数6〜24の単環または多環式芳香族炭化水素基、
ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ベンゾフリル基、トリアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、インドリニル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアジアジニル基、オキサジアゾリル基、ベンゾキノリニル基、チアジアゾリル基、ピロロチアゾリル基、ピロロピリダジニル基、テトラゾリル基、
オキサゾリル基等、無置換の5員環または6員環の複素芳香族基や、該複素芳香族基に他の芳香族基が縮合した多環式複素芳香族基、
等を挙げることができる。
(CB−2)の具体例としては、4−フルオロフェニル基、2,6−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3,4,5,6−パーフルオロフェニル基、フルオロピリジニル基、フルオロインドリル基等、前記の芳香族炭化水素基または複素芳香族基がフルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等のハロゲノ基で置換されたもの等を挙げることができる。
(CB−3)の具体例としては、ビフェニル基、ターフェニル基、ビナフチル基、ビピリジル基、ビチエニル基、テルチエニル基、クアテルチエニル基、キンクチエニル基、セキシチエニル基、フリルフェニル基、チエニルフェニル基等を挙げることができる。
(CB−5)の具体例としては、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、tert.−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−ヘプチルフェニル基、n−オクチルフェニル基、2−エチルヘキシルフェニル基、n−デカフェニル基、ステアリルフェニル基、5−メチルチエニル基、5−ヘキシルチエニル基、5−デカチエニル基、5−ステアリルチエニル基等を挙げることができる。
(CB−6)の具体例としては、シクロヘキシルフェニル基、4−メチルシクロヘキシルフェニル基、4−エチルシクロヘキシルフェニル基等を挙げることができる。
(CB−7)の具体例としては、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、ドデシルオキシフェニル基、ステアリルオキシフェニル基等を挙げることができる。
(CB−8)の具体例としては、4−(2−エトキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−ヘプチルオキシエチル)フェニル基、4−(2−n−テトラデシルオキシエチル)フェニル基、4−(2−シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、4−(12−エトキシドデシル)フェニル基、4−(シクロヘキシルオキシエチル)フェニル基、5−(2−エトキシエチル)チエニル基、5−(2−n−テトラデシルオキシエチル)チエニル基、5−(2−シクロヘキシルオキシエチル)チエニル基、5−(12−エトキシドデシル)チエニル基等を挙げることができる。
以下に、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の具体例を示すが、本発明で用いられる化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2018090684
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次に、一般式(4−1)で表される有機半導体化合物について説明する。
Figure 2018090684

(式中、R42は炭素原子数2〜20の直鎖アルキル基を表し、R47は、水素原子またはメチル基を表す。)
一般式(4−1)で表される有機半導体化合物は、ジチエノベンゾジチオフェン環に置換基としてR42、R47を有する化合物である。
本発明のインクジェットインクに用いられる、一般式(4−1)で表される化合物の特徴は、置換基R42およびR47に、異なったアルキル鎖長の置換基が導入されていることにある。R42およびR47が同一の置換基の場合、分子の対称性がC2hとなることで、対称性が高くなり、結晶性が過剰に高まる。このため、凝集能が過度に上がり、インクの滴下とその乾燥で作製された多結晶膜の膜質が下がり(一般に大きな結晶粒が析出し膜の均質性が低くなる)、このような方法で製造された膜について、半導体特性(電界効果移動度)が低下する。一方、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物は、対称性が低いため、凝集能が適度に制御され、インクの滴下とその乾燥で作製された多結晶膜の膜質が高く、そのため、このような方法で製造された膜においても高い半導体特性(電界効果移動度)を呈する。
42について、溶媒溶解性の観点から、炭素原子数2〜12の直鎖アルキル基であることが好ましい。
以下に、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物の具体例を示すが、本発明で用いられる有機半導体化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2018090684
(本発明のインクで使用される有機溶媒)
本発明で用いられる有機半導体薄膜形成用インクジェットインクに使用される有機溶媒としては、沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒が選ばれる。
具体的には、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン等の脂肪族系溶媒、
n−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、イソペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、テトラリン、インデン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、酢酸ベンジル、臭化ベンジル、2−ブロモトルエン等の芳香族系溶媒、
キノリン、2−ブチルチオフェン、3−ブチルチオフェン、2−ペンチルチオフェン等複素芳香族系溶媒、
プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、アリルフェニルエーテル等のエーテル系溶媒、
5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、イソホロン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、イソバレロフェノン、フェニルアセトン、ベンジルアセトン、ベンジルエチルケトン等のケトン系溶媒、
等が挙げられるが、これらに限定されることはない。
中でも、溶解性の観点から、芳香環を有する溶媒が特に好ましい。具体的には、n−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、イソペンチルベンゼン、ネオペンチルベンゼン、n−ヘキシルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、テトラリン、インデン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、酢酸ベンジル、臭化ベンジル、2−ブロモトルエン、プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼン、ペンチルオキシベンゼン、ヘキシルオキシベンゼン、アリルフェニルエーテル、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフェノン、イソバレロフェノン、フェニルアセトン、ベンジルアセトン、ベンジルエチルケトン等が好ましい。
なお、溶媒の表面張力の下限値については、使用するインクジェットヘッド依存する。一般的に、インクの表面張力が低くなるとインクジェット法で吐出することができなくなることが知られており、例えば、リコー社製RICOH MH シリーズであれば28mN/m、マイクロジェット社製GlassJetシリーズであれば20mN/mである。
本発明のインクジェットインクは、前記有機半導体化合物のいずれかを、沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒に溶解させることで調製される。
調製された液体組成物における本発明の有機半導体化合物の濃度としては、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましく、さらに0.1〜2重量%であることがより好ましい。
また、有機溶媒は二種以上混合して用いてもよい。
(本発明のインクで使用されるその他の成分)
本発明の有機半導体インクは、用途に応じて、本発明のインクジェットインクに用いられる有機半導体化合物以外に、他の有機半導体材料、即ち、電子供与性材料、電子受容性材料、電子輸送性材料、正孔輸送性材料、発光材料、光吸収材料等を含んでもよい。そのような材料としては、例えば、半導体的性質を示すπ共役系高分子またはオリゴマー、半導体的性質を示す非π共役系高分子またはオリゴマー、低分子系有機半導体化合物等が挙げられる。
また、本発明のインクジェットインクは、用途に応じて、前記の有機半導体化合物と溶媒以外に、絶縁性材料等を含んでもよい。前記したとおり、本発明のインクを用いて製造された薄膜トランジスタは、表面の粗い電極および絶縁膜層を用いた場合でも均質な有機半導体薄膜を形成することができ、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい薄膜トランジスタを得ることができる。絶縁性材料の添加は、この効果の点で、好ましい。
上記の絶縁性材料等としては、例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂、その他ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等の高分子材料が挙げられる。中でも、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂が特に好ましい。
(有機半導体素子)
本発明の有機半導体素子としては、ダイオード、薄膜トランジスタ、フォトダイオード、発光ダイオード、発光トランジスタ、光電変換素子、薄膜太陽電池等を挙げることができる。
中でも、本発明で用いられる有機半導体インクを用いて成膜された有機半導体薄膜は、高い電界効果移動度を有し、さらに電界効果移動度のばらつきを小さく抑えることができるので、薄膜トランジスタまたは発光素子への応用が特に有用である。
(薄膜トランジスタ)
次に本発明の薄膜トランジスタについて説明する。
薄膜トランジスタは、通常、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極、およびゲート絶縁膜層、有機半導体薄膜を有してなるものであり、各電極や各層の配置によって種々のタイプのトランジスタがあるが、本発明の有機半導体材料はトランジスタの種類に限定されることなく、いずれのトランジスタにも使用することができる。トランジスタの種類については、アルドリッチ社の材料科学の基礎第6号「有機トランジスタの基礎」などを参照することができる。
図1に示すボトムコンタクト型を一例に詳説すると、1は基板、2はゲート電極、3はゲート絶縁膜層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は有機半導体である。
基板としては、ガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えば、プラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
ゲート電極、ソース電極、またはドレイン電極の電極材料は、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等の金属電極が用いられるが、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、反転印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
ゲート絶縁膜層は、パリレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂などの有機薄膜が好適に使用できるが、酸化シリコン膜などの無機材料も用いることができる。
ゲート絶縁膜層はスピンコート法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、反転印刷法、マイクロコンタクトプリント法、ワイヤーバーコート法、スプレーコート法、ディスペンス法等の公知の湿式成膜方法により薄膜を作製することが可能であり、必要に応じフォトリソグラフ法で必要な形状にパターニングしてもよい。
有機半導体薄膜は、インクジェット法によって本発明の有機半導体インクを、被印刷物(被印刷体、ソース電極およびドレイン電極上ならびにその間、絶縁膜層等)上に吐出し、着弾したインクを乾燥させることで形成できる。
本発明のインクを用いて製造された薄膜トランジスタは、優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さいことを特徴とする。なお、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクの特筆すべき特徴として、下地の表面が粗い場合にも均質な有機半導体薄膜を形成できることが挙げられる。一般に、表面の粗い下地に有機半導体膜を形成した場合、下地の粗さが有機半導体の結晶成長を阻害して有機半導体薄膜の均質性が損なわれる。そのため、表面の粗い電極および絶縁膜層上に有機半導体薄膜を形成する場合には均質な有機半導体薄膜が得られず、電界効果移動度の低下およびばらつきの増大を招く。しかし、本発明のインクを用いた場合、スクリーン印刷法、インクジェット法、凸版印刷法等によって形成された表面の粗い電極およびスクリーン印刷法、インクジェット法、凸版印刷法等によって形成された表面の粗い絶縁膜層を用いた場合でも均質な有機半導体薄膜を形成することができ、電界効果移動度が高く特性のばらつきが小さい薄膜トランジスタを得ることができる。
また、有機半導体薄膜は、結晶性を高め半導体特性(電界効果移動度)の向上等を図ることおよび残留溶媒を除くことを目的に、必要に応じて、成膜後にアニーリングを実施してもよい。アニーリングの時間および温度は、使用される有機半導体化合物に応じて、適宜選択することができる。
さらに、図2に示すように、ソース電極およびドレイン電極の周囲を囲むように隔壁層を形成する場合もある。ボトムコンタクト型を一例に詳説すると、1は基板、2はゲート電極、3はゲート絶縁膜層、4はソース電極、5はドレイン電極、6は有機半導体、7は隔壁層である。ソース電極およびドレイン電極形成後に隔壁層を設け、隔壁層に囲まれた部分のみに選択的に有機半導体インクを滴下することで有機半導体薄膜の膜厚を制御することができ、電界効果移動度のばらつきをより一層抑制することができる。
本発明の薄膜トランジスタは、ディスプレイを構成する画素のスイッチング用トランジスタ、信号ドライバー回路素子、メモリ回路素子、信号処理回路素子等として好適に使用できる。ディスプレイの例としては、液晶ディスプレイ、分散型液晶ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ、粒子回転型表示素子、エレクトロクロミックディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等が挙げられる。
(電子装置)
本発明の電子装置としては、前記有機半導体素子を用いてなる電子装置であり、例えば、ダイオード、ガスセンサー、バイオセンサー、血液センサー、免疫センサー、人工網膜、味覚センサーなどのセンサー類、論理回路、RFID等を挙げることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<化合物E−1の製造>
WO2014−038708の実施例19に記載の方法に従って化合物E−1を製造した。
Figure 2018090684
<インクE−1の製造>
化合物E−1を濃度0.4wt%となるようにブトキシベンゼン(沸点210℃、表面張力30.4mN/m)に溶解させ、インクE−1を製造した。
なお、溶媒の表面張力は、室温23℃、湿度50%の大気下において、自動表面張力計CBVP−A3型(協和界面科学株式会社製)を用い、自動表面張力計CBVP−A3型取扱説明書VOL No.90の「11.測定」の項に記載の方法に従って測定した。
<薄膜トランジスタE−1の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上にスピンコートし、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。なお、スピンコート法により形成した該絶縁膜層の表面粗さRaは1nm未満であった。表面粗さRaの測定は、菱化システム社製VertScan4.0を用いて行った。また、スピンコート法により形成した該絶縁膜層の表面SEM
画像を図3に示す。なお、画像中央の異物は、非常に平滑性が高くSEM測定が困難な
絶縁膜表面のSEM測定を可能とするため、ピントあわせを目的に意図的に混入させた粒子であり、表面粗さRaの測定は異物のない部分において測定した。
次にソース電極およびドレイン電極として金を、先に形成した絶縁膜層上に真空蒸着し、厚さ30nmの金電極を形成した。なお、真空蒸着法により形成した該電極の表面粗さRaは1nm未満であった。また、真空蒸着法により形成した該電極の表面SEM画像を図4に示す。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は25μmとした。
次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−1を製造した。
<薄膜トランジスタE−1の評価>
このようにして得られた薄膜トランジスタについて、半導体特性(電界効果移動度)を評価した。半導体特性(電界効果移動度)は、ソース電極を接地し、ドレイン電極に−30Vを印加した状態で、半導体パラメータ測定装置(S4200、ケースレー製)を用いて、ゲート電極に20から−30V、電圧(Vg)をスイープ印加しながら、ドレイン電極に流れる電流(Id)を測定し、√Id−Vgの傾きから、(式1)を用いて求めた。単位はcm/V・sである。
=(W/2L)・C・μ・(V−V (式1)
評価は、電界効果移動度と変動係数CVの値を基準として行った。
電界効果移動度は、トランジスタ10個につき上記測定で得られた電界効果移動度の値を算術平均した。トランジスタの電界効果移動度は下記基準に基づいて1〜5の五段階で評価を行った。
5:1.0 cm/Vs以上
4:0.5 cm/Vs以上、1.0 cm/Vs未満
3:0.1 cm/Vs以上、0.5cm/Vs未満
2:0.01 cm/Vs以上、0.1 cm/Vs未満
1:0.01 cm/Vs未満、または 評価不能
また、ばらつきの指標である変動係数CVは、トランジスタ10個につき上記測定で得られた電界効果移動度の値の算術平均を標準偏差で除した値に100を乗じて%表示にした値である。トランジスタの標準偏差は下記基準に基づいて1〜5の五段階で評価を行った。
5:CVが25%未満
4:CVが25%以上30%未満
3:CVが30%以上40%未満
2:CVが40%以上50%未満
1:CVが50%以上
評価結果は、表に記載する。
(実施例2)
<化合物E−2の製造>
WO2014−038708の実施例10に記載の方法に従って化合物E−2を製造した。
Figure 2018090684
<インクE−2の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例1と同様にして、インクE−2を製造した。
<薄膜トランジスタE−2の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−2を製造した。
<薄膜トランジスタE−2の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−2を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例3)
<化合物E−3の製造>
WO2014−038708の実施例2に記載の方法に従って化合物E−3を製造した。
Figure 2018090684
<インクE−3の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例1と同様にして、インクE−3を製造した。
<薄膜トランジスタE−3の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−3を製造した。
<薄膜トランジスタE−3の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−3を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例4)
<化合物E−4の製造>
WO2014−038708の実施例11に記載の方法に従って化合物E−4を製造した。
Figure 2018090684
<インクE−4の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例1と同様にして、インクE−4を製造した。
<薄膜トランジスタE−4の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−4を製造した。
<薄膜トランジスタE−4の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−4を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例5)
<化合物E−5の製造>
WO2014−038708の実施例18に記載の方法に従って化合物E−5を製造した。
Figure 2018090684
<インクE−5の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例1と同様にして、インクE−5を製造した。
<薄膜トランジスタE−5の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−5を製造した。
<薄膜トランジスタE−5の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−5を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例6)
<化合物E−6の製造>
まず、BTBT(0.50g、2.08mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン35mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、塩化アルミニウム(1.16g、8.70mmol)を添加し、さらにp−ペンチルベンゾイルクロリド(0.5mL、2.46mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、4時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から30:70のグラディエント)で回収した生成物をシクロヘキサンで再結晶し、2−(4−ペンチルベンゾイル)BTBTを0.49g得た(収率57%)。
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(1.20mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン10mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.50mL、2.33mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン7mLを加えた2−(4−ペンチルベンゾイル)BTBT(0.49g、1.18mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、3.5時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへジクロロメタンを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(シリカゲルと金属スカベンジャーにまぶした生成物を、55℃に加熱したシクロヘキサンで分取)で回収した生成物をアセトンで再結晶することで、化合物E−6を0.06g得た(収率13%)。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.08(1H,dd,J=4.4,3.7Hz),7.87(3H,ddt,J=19.3,11.0,3.6Hz),7.61−7.56(1H,m),7.49−7.39(4H,m),7.19(2H,d,J=8.1Hz),2.63(2H,t,J=7.1Hz),1.68−1.58(2H,m),1.34(4H,dt,J=12.6,5.0Hz),0.90(3H,dd,J=9.0,5.0Hz).
Figure 2018090684
<インクE−6の製造>
化合物E−1を化合物E−6にした以外は実施例1と同様にして、インクE−6を製造した。
<薄膜トランジスタE−6の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−6を製造した。
<薄膜トランジスタE−6の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−6を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例7)
<化合物E−7の製造>
まず、BTBT(0.50g、2.09mmol)、塩化アルミニウム(1.16g、8.70mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン25mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、p−ヘプチルベンゾイルクロリド(0.70mL、1.45mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、3時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から30:70のグラディエント)で回収した生成物をアセトンで再結晶し、2−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBTを0.39g得た(収率39%)。
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(0.85mL、2.07mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン5mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.0mL、1.55mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン12mLを加えた2−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBT(0.36g、0.82mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、3時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへジクロロメタンを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=100:0から90:10のグラディエント)で回収した生成物を56℃に加熱したアセトンに溶解後、金属スカベンジャーを加え攪拌し、金属スカベンジャーをろ別除去し、ろ液から再結晶することで、化合物E−7を0.04g得た(収率11%)。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.09(1H,d,J=0.7Hz),7.94−7.83(3H,m),7.60(1H,dd,J=8.3,1.3Hz),7.49−7.40(4H,m),7.19(2H,d,J=8.1Hz),2.63(2H,t,J=7.7Hz),1.60−1.56(2H,m),1.31(8H,m),0.89(3H,t,J=J=6.8Hz).
Figure 2018090684
<インクE−7の製造>
化合物E−1を化合物E−7にした以外は実施例1と同様にして、インクE−7を製造した。
<薄膜トランジスタE−7の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−7を製造した。
<薄膜トランジスタE−7の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−7を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例8)
<化合物E−8の製造>
2−メチルBTBT(0.40g、1.66mmol)にアルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン20mLを加え、攪拌した。次に混合液を−70℃に冷却し、塩化アルミニウム(0.90g、6.73mmol)を添加し、さらにp−ヘプチルベンゾイルクロリド(0.5mL、2.10mmol)を滴下した。反応液を0℃まで昇温し、2.5時間攪拌した後、反応液を水に再沈して反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(溶媒組成はヘキサン:ジクロロメタン=90:10から50:50のグラディエント)を行い、2−メチル−7−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBTを0.54g得た(収率71%)。
次いで、2Mのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(1.20mL、2.40mmol)をアルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン4.5mLに加え、攪拌した。さらに混合液を−70℃に冷却し、1.55Mのn−ブチルリチウム溶液(1.50mL、2.33mmol)を滴下し、トリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を発生させた。30分攪拌した後、脱水テトラヒドロフラン21mLを加えた2−メチル−7−(4−ヘプチルベンゾイル)BTBT(0.54g、1.19mmol)溶液を、反応液へ加えた。その後反応液を室温まで昇温し、2.5時間攪拌した後、酢酸10%のメタノール溶液を加え反応を停止した。そこへクロロホルムを加え、分液ロートへ移送し、有機層を水、食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮した。精製はシリカゲルカラム(シリカゲルと金属スカベンジャーにまぶした生成物を、55℃に加熱したシクロヘキサンで分取)で回収した生成物をアセトンで再結晶することで、化合物E−8を0.13g得た(収率24%)。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ 8.05(1H,t,J=3.3Hz),7.81−7.71(3H,m),7.57(1H,dt,J=10.5Hz,3.8Hz),7.46(2H,t,J=7.3Hz),7.29(1H,d,J=0.7Hz),7.17(2H,t,J=7.3Hz),2.66(2H,dd,J=23.3,16.0Hz),2.51(3H,d,J=6.6Hz),1.61(2H,dd,J=14.7,7.3Hz),1.30(8H,dd,J=7.2,5.0Hz),0.89(3H,t,J=6.8Hz).
Figure 2018090684
<インクE−8の製造>
化合物E−1を化合物E−8にした以外は実施例1と同様にして、インクE−8を製造した。
<薄膜トランジスタE−8の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−8を製造した。
<薄膜トランジスタE−8の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−8を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例9)
<化合物E−9の製造>
アルゴン雰囲気下、2−ブロモ−7−ヒドロキシナフタレン80.0g(359mmol)、炭酸カリウム149g(1.08mol)に乾燥アセトン500mLを加え室温で撹拌した。ヨードメタン44.9mL(720mmol)を滴下した後、2時間還流した。反応混合物を室温に冷却し、水250mLを加えた。アセトンを減圧留去し、さらに水750mLを加えて10分撹拌した。生じた白色沈殿をろ過し、ろ集物を水1.5Lで洗浄した。得られた白色固体を乾燥することで2−ブロモ−7−メトキシナフタレン71.8g(収率、84.4%)を得た。次いで、アルゴン雰囲気下、2−ブロモ−7−メトキシナフタレン5.42g(21.1mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.259g(1.05mmol)に乾燥テトラヒドロフラン20mLを加え−78℃で撹拌した。反応液へn−ヘキシルマグネシウムブロミドの2Mエーテル溶液11.6mL(23.2mmol)を滴下した後、ゆっくり室温に昇温した。1時間還流した後、室温に冷却した。反応液へ水5mLをゆっくり滴下した後、セライトろ過で固形分を除去した。ろ液を硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。得られた粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=7/3)で分離精製を行い2−ヘキシル−7−メトキシナフタレン4.55g(収率、82.1%)を得た。次いで、アルゴン雰囲気下、2−ヘキシル−7−メトキシナフタレン4.00g(16.5mmol)に乾燥ジクロロメタン20mLを加え−78℃で撹拌した。反応液へ三臭化ホウ素の1Mジクロロメタン溶液28mL(28mmol)を滴下した後、室温に昇温して1時間撹拌した。再び−78℃に冷却した反応液に、水を加えて反応を停止した。ジクロロメタン50mLを加え、水洗した後、硫酸マグネシウムで有機相を乾燥、溶媒を留去することで、2−ヘキシル−7−ヒドロキシナフタレン3.53g(収率、91.8%)を得た。
次いで、アルゴン雰囲気下、2−ヘキシル−7−ヒドロキシナフタレン1.00g(4.38mmol)、2−ナフタレンチオール0.701g(4.38mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)0.144g(0.219mmol)に1,2−ジクロロエタン8.8mLを加え80℃で16時間撹拌した。反応液を濃縮し、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン)で分離精製し7−ヘキシル−2,2’−ビナフチルスルフィド1.36g(収率、83.8%)を得た。
7−ヘキシル−2,2’−ビナフチルスルフィド0.500g(1.35mmol)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)0.0449g(0.135mmol)、酢酸銀0.901g(5.40mmol)、炭酸カリウム0.187g(1.35mmol)にピバル酸2.7mLを加え110℃で16時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、セライトろ過を行った。ろ液を濃縮し、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で分離精製することで化合物E−9を0.280mg(収率、55.9%)を得た。
H−NMR(300MHz,CDCl):δ8.70(s,1H),δ8.68(s,1H),δ8.22(s,1H),δ8.15(s,1H),δ8.06−8.03(m,1H),δ7.98−7.96(m,1H),δ7.92−7.89(m,1H),δ7.67(s,1H),δ7.54−7.51(m,2H),δ7.38(dd,J=1.5Hz,8.4Hz,1H),δ2.82(t,J=7.2Hz,2H),δ1.76−1.70(m,2H),δ1.36−1.24(m,6H),δ0.90(t,J=6.6Hz,3H).
Figure 2018090684
<インクE−9の製造>
化合物E−1を化合物E−9にした以外は実施例1と同様にして、インクE−9を製造した。
<薄膜トランジスタE−9の製造>
インクE−1をインクE−9にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−9を製造した。
<薄膜トランジスタE−9の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−9にした以外は実施例1と同様にして、 薄膜トランジスタE−9を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例10)
<化合物E−10の製造>
実施例9において、n−ヘキシルマグネシウムブロミドを、n−オクチルマグネシウムブロミドに変更した以外は実施例9に準拠して、化合物E−10(収率、64.3%)を得た。
Figure 2018090684
H−NMR(300MHz,CDCl):δ8.69(s,1H),δ8.67(s,1H),δ8.21(s,1H),δ8.14(s,1H),δ8.09−8.04(m,1H),δ8.03−7.98(m,1H),δ7.91−7.89(m,1H),δ7.66(s,1H),δ7.56−7.48(m,2H),δ7.38(dd,J=1.5Hz,8.4Hz,1H),δ2.82(t,J=7.2Hz,2H),δ1.77−1.69(m,2H),δ1.36−1.24(m,10H),δ0.88(t,J=6.6Hz,3H).
<インクE−10の製造>
化合物E−1を化合物E−10にした以外は実施例1と同様にして、インクE−10を製造した。
<薄膜トランジスタE−10の製造>
インクE−1をインクE−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−10を製造した。
<薄膜トランジスタE−10の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−10を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例11)
<化合物E−11の製造>
Figure 2018090684
Figure 2018090684
アルゴンバルーンを接続した2L三つ口フラスコに、Advanced Materials、2009年、21巻、213−216頁に記載の方法にて(1a−b)で表される化合物のRをHへと変更し合成を行って得たジチエノベンゾジチオフェン(3.02g、10mmol)を加えてアルゴン置換を行った。クロロホルム(1500mL、関東化学社製)を加えて溶解させた後、内温を60度に加熱した。N−ブロモスクシンイミド(NBS、1.86g、10.5mmol、キシダ化学社製)をクロロホルム(150mL)に溶解させた溶液を滴下した。60度を保ちつつ30分間攪拌した後、室温まで冷却し(反応液は黄色に変化)た。わずかに析出した固体(主に臭素二置換体)をろ過にて除去し、濾液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を100mL加えた後、分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた淡黄色固体を乾燥することで目的物であるα−モノブロモジチエノベンゾチオフェンを2.8g(7.3mmol、収率73%)で得た。
Figure 2018090684
アルゴンバルーンを接続した500mL三つ口フラスコに、前記実施例に記載の方法で得たα−モノブロモジチエノベンゾチオフェン(2.67g、7.0mmol)と、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(242mg、0.21mmol、東京化成社製)およびヨウ化銅(40mg、0.21mmol、関東化学社製)を加えてアルゴン置換を行った。乾燥トルエン(150mL、関東化学社製)を加えた後、内温を70度に加熱した。N、N−ジイソプロピルエチルアミン(9.8mL、70mmol、和光純薬社製)と1−ヘキシン(2.4mL、21mmol、東京化成社製)を滴下し、70度を保ちつつ12時間攪拌した後、室温まで冷却し(反応液は黒色に変化)た。反応液にイオン交換水を100mL加えた後、分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、金属スカベンジャーを用いて室温で45分間攪拌し遷移金属を除去し、ろ過後に溶媒を留去した。得られた黒色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:クロロホルム=98:2)で精製し、乾燥することで目的物であるα−モノ(ヘキサ−1−インイル)ジチエノベンゾチオフェンを1.04g(2.7mmol、収率39%)で淡黄色固体として得た。
Figure 2018090684
水素バルーンを接続した1L二つ口フラスコに、前記実施例に記載の方法で得たα−モノ(ヘキサ−1−インイル)ジチエノベンゾチオフェン(956mg、2.5mmol)と、パラジウムカーボン(300mg、50%wet)を加えて水素置換を行った。THF(100mL、関東化学社製)を加えた後、室温で激しく48時間攪拌した。反応液をセライトろ過して遷移金属を除去し、溶媒を留去した。得られた淡黄色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:クロロホルム=98:2)で精製し、アセトニトリル:トルエン=90:10の混合溶媒を用いて加熱再結晶を行なうことで、目的物である化合物E−11を620mg(1.6mmol、収率64%)で無色固体として得た。なお、さらに順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム)、逆相オクタデシルシリルクロマトグラフィー(アセトニトリル/トルエン)、再結晶(アセトニトリル/トルエン)を繰り返し行なうことで、半導体特性(電界効果移動度)の評価に充分な純度の化合物E−11を120mg得ている。
H−NMR(300MHz,CDCl):δppm=0.90(t,H−H=7.2Hz,3H),1.3−1.5(m.95(t,H−H=7.2Hz,2H),7.01(s,1H),7.32(d,H−H=5.1Hz,1H),7.51(d,H−H=5.1Hz,1H),8.20(s,1H),8.27(s,1H).
<インクE−11の製造>
化合物E−1を化合物E−11にした以外は実施例1と同様にして、インクE−11を製造した。
<薄膜トランジスタE−11の製造>
インクE−1をインクE−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−11を製造した。
<薄膜トランジスタE−11の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−11を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例12)
<化合物E−12の製造>
Figure 2018090684
Figure 2018090684
アルゴンバルーンを接続した300mL三つ口フラスコに、実施例11に記載の方法で得た化合物E−11(270mg、0.7mmol)を加えてアルゴン置換を行った。乾燥THF(30mL、関東化学社製)を加えた後、−78度まで冷却し5分間攪拌した。ノルマルブチルリチウム(0.65mL、1.0mmol、約1.6Mヘキサン溶液、関東化学社製)を加え、内温を−78度に保ち30分間攪拌した(反応溶液は淡赤色へと変化した)。ヨードメタン(0.07mL、1.0mmol、東京化成社製)を加え、1時間かけて室温へと昇温させつつ攪拌した(反応溶液は淡黄色へと変化した)。飽和塩化アンモニウム水溶液20mLを加えた後、トルエンを用いた分液操作により有機層を分離し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した後、溶媒を留去した。得られた黄色粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン、ヘキサン:トルエン=99:1)で精製し、アセトニトリル:トルエン=90:10の混合溶媒を用いて加熱再結晶を行ない、乾燥することで目的物である化合物E−12を150mg(0.37mmol、収率53%)で無色固体として得た。なお、さらに順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/トルエン)、逆相オクタデシルシリルクロマトグラフィー(アセトニトリル/トルエン)、再結晶(アセトニトリル/トルエン)を繰り返し行なうことで、半導体特性(電界効果移動度)の評価に充分な純度の化合物E−12を50mg得ている。
H−NMR(300MHz,CDCl):δppm=0.90(t,H−H=6.9Hz,3H),1.3−1.5(m,6H),1.76(m,2H),2.64(d,H−H=0.9Hz,3H),2.94(t,H−H=7.5Hz,2H),6.98(d,H−H=0.9Hz,1H),6.99(s,1H),8.15(s,1H+1H).
<インクE−12の製造>
化合物E−1を化合物E−12にした以外は実施例1と同様にして、インクE−12を製造した。
<薄膜トランジスタE−12の製造>
インクE−1をインクE−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−12を製造した。
<薄膜トランジスタE−12の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−12を評価した。
評価結果は、表1に記載する
(実施例13)
<インクE−13の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノン(沸点222度、表面張力35.3mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−13を製造した。
<薄膜トランジスタE−13の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−13を製造した。
<薄膜トランジスタE−13の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−13にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−13を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例14)
<インクE−14の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−14を製造した。
<薄膜トランジスタE−14の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−14を製造した。
<薄膜トランジスタE−14の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−14にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−14を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例15)
<インクE−15の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−15を製造した。
<薄膜トランジスタE−15の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−15を製造した。
<薄膜トランジスタE−15の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−15にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−15を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例16)
<インクE−16の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−16を製造した。
<薄膜トランジスタE−16の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−16を製造した。
<薄膜トランジスタE−16の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−16にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−16を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例17)
<インクE−17の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからブチロフェノンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−17を製造した。
<薄膜トランジスタE−17の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−17を製造した。
<薄膜トランジスタE−17の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−17にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−17を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例18)
<インクE−18の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼン(沸点215度、表面張力24.7mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−18を製造した。
<薄膜トランジスタE−18の製造>
インクE−1をインクE−18にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−18を製造した。
<薄膜トランジスタE−18の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−18にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−18を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例19)
<インクE−19の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−19を製造した。
<薄膜トランジスタE−19の製造>
インクE−1をインクE−19にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−19を製造した。
<薄膜トランジスタE−19の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−19にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−19を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例20)
<インクE−20の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−20を製造した。
<薄膜トランジスタE−20の製造>
インクE−1をインクE−20にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−20を製造した。
<薄膜トランジスタE−20の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−20にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−20を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例21)
<インクE−21の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−21を製造した。
<薄膜トランジスタE−21の製造>
インクE−1をインクE−21にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−21を製造した。
<薄膜トランジスタE−21の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−21にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−21を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例22)
<インクE−22の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1,3,5−トリエチルベンゼンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−22を製造した。
<薄膜トランジスタE−22の製造>
インクE−1をインクE−22にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−22を製造した。
<薄膜トランジスタE−22の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−22にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−22を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例23)
<インクE−23の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロン(沸点215℃、表面張力31.4)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクE−23を製造した。
<薄膜トランジスタE−23の製造>
インクE−1をインクE−23にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−23を製造した。
<薄膜トランジスタE−23の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−23にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−23を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例24)
<インクE−24の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例2と同様にして、インクE−24を製造した。
<薄膜トランジスタE−24の製造>
インクE−1をインクE−24にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−24を製造した。
<薄膜トランジスタE−24の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−24にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−24を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例25)
<インクE−25の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例3と同様にして、インクE−25を製造した。
<薄膜トランジスタE−25の製造>
インクE−1をインクE−25にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−25を製造した。
<薄膜トランジスタE−25の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−25にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−25を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例26)
<インクE−26の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例4と同様にして、インクE−26を製造した。
<薄膜トランジスタE−26の製造>
インクE−1をインクE−26にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−26を製造した。
<薄膜トランジスタE−26の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−26にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−26を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例27)
<インクE−27の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからイソホロンに変更した以外は実施例5と同様にして、インクE−27を製造した。
<薄膜トランジスタE−27の製造>
インクE−1をインクE−27にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−27を製造した。
<薄膜トランジスタE−27の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−27にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−27を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例28)
<薄膜トランジスタE−28の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上に反転印刷法を用いてパターニングし、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。なお、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面粗さRaは10nmであった。前記したスピンコート法により形成した絶縁膜のRaより大きな値であり、表面が荒れていることがわかる。また、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面SEM画像を図5に示す。図3に示すスピンコート法により形成した絶縁膜層の表面SEM画像と比較すると、反転印刷法により形成した該絶縁膜層の表面が粗いことは表面SEM画像からも明らかである。
次にソース電極およびドレイン電極として金を先に形成した絶縁膜層上に真空蒸着し、厚さ30nmの金電極を形成した。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は25μmとした。次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−28を製造した。
<薄膜トランジスタE−28の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−28にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−28を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例29)
<薄膜トランジスタE−29の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−29を製造した。
<薄膜トランジスタE−29の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−29にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−29を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例30)
<薄膜トランジスタE−30の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−30を製造した。
<薄膜トランジスタE−30の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−30にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−30を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例31)
<薄膜トランジスタE−31の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−31を製造した。
<薄膜トランジスタE−31の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−31にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−31を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例32)
<薄膜トランジスタE−32の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−32を製造した。
<薄膜トランジスタE−32の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−32にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−32を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例33)
<薄膜トランジスタE−33の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−33を製造した。
<薄膜トランジスタE−33の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−33にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−33を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例34)
<薄膜トランジスタE−34の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−34を製造した。
<薄膜トランジスタE−34の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−34にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−34を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例35)
<薄膜トランジスタE−35の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−35を製造した。
<薄膜トランジスタE−35の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−35にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−35を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例36)
<薄膜トランジスタE−36の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−36を製造した。
<薄膜トランジスタE−36の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−36にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−36を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例37)
<薄膜トランジスタE−37の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−37を製造した。
<薄膜トランジスタE−37の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−37にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−37を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例38)
<薄膜トランジスタE−38の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−38を製造した。
<薄膜トランジスタE−38の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−38にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−38を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例39)
<薄膜トランジスタE−39の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−39を製造した。
<薄膜トランジスタE−39の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−39にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−39を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例40)
<薄膜トランジスタE−40の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−40を製造した。
<薄膜トランジスタE−40の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−40にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−40を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例41)
<薄膜トランジスタE−41の製造>
BGBC(ボトムゲートボトムコンタクト)型構造を有する薄膜トランジスタのテスト素子を以下の手順で作製した。
まず、ゲート電極として厚さ0.7mmの無アルカリガラス上に、クロムを用いたスパッタ法により厚さ90nmの電極を形成した。
次にゲート絶縁膜層として、公開番号2010−265423の比較例2の方法に従って製造した樹脂インクをゲート電極が形成された支持体上に反転印刷法によって形成し、厚さ約700nmの絶縁膜層を形成した。
次にソース電極およびドレイン電極として、先に形成した絶縁膜層上に公報番号特開2016−058448の実施例(凸版反転印刷法による電極の作製)に記載の方法に従って、反転印刷法で厚さ100nmの銀電極を形成した。なお、反転印刷法により形成した該電極の表面粗さRaは15nmであった。前記した真空蒸着法により形成した電極のRaより大きな値であり、表面が荒れていることがわかる。また、反転印刷法により形成した該電極の表面SEM画像を図6に示す。図4に示す真空蒸着法により形成した電極の表面SEM画像と比較すると、反転印刷法により形成した該電極の表面が粗いことは表面SEM画像からも明らかである。ソース電極とドレイン電極間のチャネル長は20μmとした。
次に隔壁層として、フッ素系樹脂を用い、先に記載したソース電極およびドレイン電極間のチャネル領域を取り囲むように長方形の隔壁層をインクジェット法で形成した。
次に有機半導体薄膜として、先に形成したソース電極とドレイン電極間のチャネル部分にインクE−1をインクジェット法により滴下し、さらに成膜後、(溶媒を除くために)ホットプレートを用いて素子を80℃で10分間熱処理することで有機半導体薄膜を形成した。
このようにして、薄膜トランジスタE−41を製造した。
<薄膜トランジスタE−41の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−41にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−41を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例42)
<薄膜トランジスタE−42の製造>
インクE−1をインクE−2にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−42を製造した。
<薄膜トランジスタE−42の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−42にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−42を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
実施例43)
<薄膜トランジスタE−43の製造>
インクE−1をインクE−3にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−43を製造した。
<薄膜トランジスタE−43の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−43にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−43を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例44)
<薄膜トランジスタE−44の製造>
インクE−1をインクE−4にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−44を製造した。
<薄膜トランジスタE−44の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−44にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−44を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例45)
<薄膜トランジスタE−45の製造>
インクE−1をインクE−5にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−45を製造した。
<薄膜トランジスタE−45の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−45にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−45を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例46)
<薄膜トランジスタE−46の製造>
インクE−1をインクE−6にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−46を製造した。
<薄膜トランジスタE−46の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−46にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−46を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例47)
<薄膜トランジスタE−47の製造>
インクE−1をインクE−7にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−47を製造した。
<薄膜トランジスタE−47の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−47にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−47を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例48)
<薄膜トランジスタE−48の製造>
インクE−1をインクE−8にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−48を製造した。
<薄膜トランジスタE−48の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−48にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−48を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例49)
<薄膜トランジスタE−49の製造>
インクE−1をインクE−13にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−49を製造した。
<薄膜トランジスタE−49の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−49にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−49を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例50)
<薄膜トランジスタE−50の製造>
インクE−1をインクE−14にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−50を製造した。
<薄膜トランジスタE−50の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−50にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−50を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例51)
<薄膜トランジスタE−51の製造>
インクE−1をインクE−15にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−51を製造した。
<薄膜トランジスタE−51の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−51にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−51を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例52)
<薄膜トランジスタE−52の製造>
インクE−1をインクE−16にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−52を製造した。
<薄膜トランジスタE−52の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−52にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−52を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例53)
<薄膜トランジスタE−53の製造>
インクE−1をインクE−17にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−53を製造した。
<薄膜トランジスタE−53の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−53にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−53を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例54)
<インクE−54の製造>
化合物E−1、ポリスチレン、ブトキシベンゼンを、重量比4:1:995の比率で混合し、インクE−54を製造した。
<薄膜トランジスタE−54の製造>
インクE−1をインクE−54にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−54を製造した。
<薄膜トランジスタE−54の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−54にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−54を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例55)
<インクE−55の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例54と同様にして、インクE−55を製造した。
<薄膜トランジスタE−55の製造>
インクE−1をインクE−55にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−55を製造した。
<薄膜トランジスタE−55の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−55にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−55を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例56)
<インクE−56の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例54と同様にして、インクE−56を製造した。
<薄膜トランジスタE−56の製造>
インクE−1をインクE−56にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−56を製造した。
<薄膜トランジスタE−56の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−56にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−56を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例57)
<インクE−57の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例54と同様にして、インクE−57を製造した。
<薄膜トランジスタE−57の製造>
インクE−1をインクE−57にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−57を製造した。
<薄膜トランジスタE−57の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−57にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−57を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例58)
<インクE−58の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例54と同様にして、インクE−58を製造した。
<薄膜トランジスタE−58の製造>
インクE−1をインクE−58にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−58を製造した。
<薄膜トランジスタE−58の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−58にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−58を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例59)
<インクE−59の製造>
ポリスチレンをポリメチルメタクリレートに変更した以外は実施例54と同様にして、インクE−59を製造した。
<薄膜トランジスタE−59の製造>
インクE−1をインクE−59にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−59を製造した。
<薄膜トランジスタE−59の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−59にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−59を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例60)
<インクE−60の製造>
化合物E−1を化合物E−2にした以外は実施例59と同様にして、インクE−60を製造した。
<薄膜トランジスタE−60の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−60を製造した。
<薄膜トランジスタE−60の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−60にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−60を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例61)
<インクE−61の製造>
化合物E−1を化合物E−3にした以外は実施例59と同様にして、インクE−61を製造した。
<薄膜トランジスタE−61の製造>
インクE−1をインクE−61にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−61を製造した。
<薄膜トランジスタE−61の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−61にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−61を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例62)
<インクE−62の製造>
化合物E−1を化合物E−4にした以外は実施例59と同様にして、インクE−62を製造した。
<薄膜トランジスタE−62の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−62を製造した。
<薄膜トランジスタE−62の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−62にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−62を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例63)
<インクE−63の製造>
化合物E−1を化合物E−5にした以外は実施例59と同様にして、インクE−63を製造した。
<薄膜トランジスタE−63の製造>
インクE−1をインクE−63にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタE−63を製造した。
<薄膜トランジスタE−63の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−63にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−63を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例64)
<薄膜トランジスタE−64の製造>
インクE−1をインクE−59にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−64を製造した。
<薄膜トランジスタE−64の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−64にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−64を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例65)
<薄膜トランジスタE−65の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−65を製造した。
<薄膜トランジスタE−65の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−65にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−65を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例66)
<薄膜トランジスタE−66の製造>
インクE−1をインクE−61にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−66を製造した。
<薄膜トランジスタE−66の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−66にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−66を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例67)
<薄膜トランジスタE−67の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−67を製造した。
<薄膜トランジスタE−67の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−67にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−67を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例68)
<薄膜トランジスタE−68の製造>
インクE−1をインクE−63にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタE−68を製造した。
<薄膜トランジスタE−68の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−68にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−68を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例69)
<薄膜トランジスタE−69の製造>
インクE−1をインクE−60にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−69を製造した。
<薄膜トランジスタE−69の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−69にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−69を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(実施例70)
<薄膜トランジスタE−69の製造>
インクE−1をインクE−62にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−70を製造した。
<薄膜トランジスタE−70の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタE−70にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタE−70を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例1)
<インクC−1の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからp−キシレン(沸点139℃、表面張力27.8mN/m)に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−1を製造した。
<薄膜トランジスタC−1の製造>
インクE−1をインクC−1にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−1を製造した。
<薄膜トランジスタC−1の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−1にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−1を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例2)
<インクC−2の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンからメシチレン(沸点165℃、表面張力28.2mN/m)に変更した以外は実施例2と同様にして、インクC−2を製造した。
<薄膜トランジスタC−2の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−2を製造した。
<薄膜トランジスタC−2の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−2にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−2を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例3)
<インクC−3の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから3−フェノキシトルエン(沸点272℃、表面張力38.1mN/m)に変更した以外は実施例3と同様にして、インクC−3を製造した。
<薄膜トランジスタC−3の製造>
インクE−1をインクC−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−3を製造した。
<薄膜トランジスタC−3の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−3にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−3を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例4)
<インクC−4の製造>
インク溶媒をブトキシベンゼンから1−メチルナフタレン(沸点242℃、表面張力39.7mN/m)に変更した以外は実施例4と同様にして、インクC−4を製造した。
<薄膜トランジスタC−4の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−4を製造した。
<薄膜トランジスタC−4の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−4を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例5)
<インクC−5の製造>
化合物E−1を化合物C−5に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−5を製造した。
Figure 2018090684
<薄膜トランジスタC−5の製造>
インクE−1をインクC−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−5を製造した。
<薄膜トランジスタC−5の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−5にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−5を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例6)
<インクC−6の製造>
化合物E−1を化合物C−6に変更した以外は実施例1と同様にして、インクC−6を製造した。
Figure 2018090684
<薄膜トランジスタC−6の製造>
インクE−1をインクC−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−6を製造した。
<薄膜トランジスタC−6の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−6にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−6を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例7)
<薄膜トランジスタC−7の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−7を製造した。
<薄膜トランジスタC−7の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−7にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−7を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例8)
<薄膜トランジスタC−8の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−8を製造した。
<薄膜トランジスタC−8の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−8にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−8を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例9)
<薄膜トランジスタC−9の製造>
インクE−1をインクC−2にした以外は実施例28と同様にして、薄膜トランジスタ C−9を製造した。
<薄膜トランジスタC−9の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−9にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−9を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例10)
<薄膜トランジスタC−10の製造>
インクE−1をインクC−4にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−10を製造した。
<薄膜トランジスタC−10の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−10にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−10を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例11)
<薄膜トランジスタC−11の製造>
インクE−1をインクC−5にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−11を製造した。
<薄膜トランジスタC−11の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−11にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−11を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
(比較例12)
<薄膜トランジスタC−12の製造>
インクE−1をインクC−6にした以外は実施例41と同様にして、薄膜トランジスタC−12を製造した。
<薄膜トランジスタC−12の評価>
薄膜トランジスタE−1を薄膜トランジスタC−12にした以外は実施例1と同様にして、薄膜トランジスタC−12を評価した。
評価結果は、表1に記載する。
Figure 2018090684

表に示すように、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる薄膜トランジスタは優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい。一方、本発明の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを使用していない、比較例1〜比較例10に記載の薄膜トランジスタC−1〜薄膜トランジスタC−10は、実施例に記載の薄膜トランジスタE−1〜薄膜トランジスタE−69と比べて前記特性が劣る。
また、本発明のインクを用いてなる薄膜トランジスタは、下地層となるゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した場合においても優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さいことを特徴とする。一般的に、下地が粗いと上記特性が大きく低下することが知られている。以下に、これを明示する一例である検証1および検証2の結果を示す。
(検証1)
実施例1に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層としてジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−1と、実施例28に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,ジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−2と、実施例41に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として、ジナフトチエノチオフェンを真空蒸着法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−3を各10個ずつ製造した。電界効果移動度の平均値およびそのばらつきは、薄膜トランジスタS−1:電界効果移動度μ=0.1、ばらつきCV=32%/薄膜トランジスタS−2:電界効果移動度μ=0.02、ばらつきCV=66%/薄膜トランジスタS−3:電界効果移動度μ=0.004、ばらつきCV=73%であった。
(検証2)
実施例1に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−4と、実施例28に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−5と、実施例41に記載の方法に従ってゲート電極、絶縁膜層、ソース電極およびドレイン電極を形成し、さらに有機半導体層として,6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセンをスピンコート法により成膜することによって製造した薄膜トランジスタS−6を各10個ずつ製造した。電界効果移動度の平均値およびそのばらつきは、薄膜トランジスタS−4:電界効果移動度μ=0.1、ばらつきCV=43%/薄膜トランジスタS−5:電界効果移動度μ=0.05、ばらつきCV=76%/薄膜トランジスタS−6:電界効果移動度μ<0.01、ばらつきCV=117%であった。
しかし、本発明のインクを用いた場合、
(ケース1)ゲート絶縁層をスピンコート法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタ
(ケース2)ゲート絶縁層を印刷法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタ
(ケース3)ゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した薄膜トランジスタ
の三種の薄膜トランジスタを比較した場合、(ケース2)ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成し、ゲート絶縁層をスピンコート法で形成した薄膜トランジスタ、および(ケース3)ゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した薄膜トランジスタの特性は、(ケース1)ゲート絶縁層をスピンコート法で形成し、ソースおよびドレイン電極を真空蒸着法で形成した薄膜トランジスタの特性と比べて僅かに劣るものの、ほぼ同等の特性を示す。(具体的には、実施例2と実施例29と実施例42、実施例4と実施例31と実施例44、実施例69と実施例60と実施例65、および実施例70と実施例62と実施例67。)
この結果から、本発明のインクは、下地層となるゲート絶縁層およびソースならびにドレイン電極を印刷法で形成した場合においても優れた電界効果移動度を示し、さらに電界効果移動度のばらつきが小さい薄膜トランジスタを製造することができることが示された。この結果は、本発明のインクに特徴的な効果であるといえる。

Claims (7)

  1. 有機半導体薄膜形成用インクジェットインクであって、一般式(1−1)で表される有機半導体化合物、一般式(2−1)で表される有機半導体化合物、一般式(3−1)で表される有機半導体化合物、一般式(4−1)で表される有機半導体化合物の中から選択される少なくとも一種以上の有機半導体化合物および沸点180℃以上250℃以下かつ表面張力20mN/m以上38mN/m以下の有機溶媒を含む有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
    Figure 2018090684
    (式中、R11およびR12は、下記(I−I)または(I−II)のいずれかで表される基であるが、少なくとも一方は(I−I)である。
    (I−I)
    一般式(1−2)または(1−3)である基。
    Figure 2018090684
    Figure 2018090684
    (Ar11は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基、Ar12は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を有するトリアルキルシリル基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)
    (I−II)
    炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数2〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基、芳香族炭化水素基または複素芳香族基、および、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、ハロゲン原子を有する炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアルコキシアルキル基、炭素数3〜20のアルキルスルファニルアルキル基、または炭素数3〜20のアルキルアミノアルキル基を置換基として持つ芳香族炭化水素基または複素芳香族基、から選ばれる基である。)
    Figure 2018090684
    (式中、R21は(II−I)のいずれかの基であり、R22は(II−II)のいずれかの基から選ばれる基である。
    (II−I)
    一般式(2−2)または(2−3)である基。
    Figure 2018090684
    Figure 2018090684
    (Ar21は炭素数2〜18のアルキル基を置換基として有する芳香族炭化水素基または複素芳香族基であって、該芳香族炭化水素基または複素芳香族基が単環式または環数が2若しくは3の多環式である基、Ar22は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または置換基を有してもよい複素芳香族基、R’は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基または複素芳香族基である。)

    (II−II)
    水素原子、メチル基、シアノ基、フルオロ基、トリフルオロメチル基から選ばれる基である。)
    Figure 2018090684
    (式中、R301〜R312は、水素原子、または任意の置換基であって、R301とR312は同一または異なり、R302とR311は同一または異なり、R303とR310は同一または異なり、R304とR309は同一または異なり、R305とR308は同一または異なり、R306とR307は同一または異なるが、R301とR312、R302とR311、R303とR310、R304とR309、R305とR308、R306とR307、の6組の組み合わせのうち、少なくとも一つの組み合わせは互いに異なる。)
    Figure 2018090684
    (式中、R42は炭素原子数2〜20の直鎖アルキル基を表し、R47は、水素原子または
    メチル基を表す。)
  2. 前記有機溶媒が芳香環を有する有機溶媒である請求項1に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
  3. さらに絶縁性材料を含む請求項1または請求項2に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
  4. 前記絶縁性材料が高分子材料である請求項3に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインク。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる有機半導体薄膜を含む有機半導体素子。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の有機半導体薄膜形成用インクジェットインクを用いてなる有機半導体薄膜を含む薄膜トランジスタ。
  7. 請求項5に記載の有機半導体素子および請求項6に記載の薄膜トランジスタの中から選択される少なくとも1種以上の請求項5に記載の有機半導体素子および請求項6に記載の薄膜トランジスタを含む電子装置。
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