JP2018090612A - 長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体およびその製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体およびその製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物 Download PDF

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【課題】フラーレンの樹脂への相溶性を向上させることができ、優れた耐熱性を有する樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】球殻状の炭素分子からなるフラーレン骨格に、炭素数4以上の長鎖アルキル基がエーテル結合していることを特徴とする長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体。
【選択図】なし

Description

本発明は、長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体およびその製造方法、並びにそれを用いた樹脂組成物に関し、特に、長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の樹脂への相溶性を向上させ、優れた耐熱性を有する樹脂組成物に関するものである。
近年、フラーレン(C60)を添加することにより、樹脂の耐熱性を向上させる研究が多くなされている。例えば、非特許文献1,2には、フラーレン(C60)を含有するポリプロピレンもしくは高密度ポリエチレン樹脂組成物が開示されている。
しかし、フラーレンを均一に分散させるためには200℃近くで樹脂を溶融させた状態で長時間かけて混合する必要があり、分散が不充分であると耐熱性が向上しないばかりでなく、凝集したフラーレンが光の透過率を低下させるため、より簡便に耐熱性や透明性を向上させるために樹脂と混じり易いフラーレン誘導体の開発が望まれていた。
しかしながら、上記非特許文献1,2に開示されたフラーレン(C60)は、溶ける溶媒がほぼ芳香族系の溶媒に限られており、ヘキサンのような非極性溶媒には全く溶解しない。このことから、フラーレン(C60)のポリエチレンやポリプロピレンのような非極性樹脂に対する相溶性(油溶性)が不充分なため、混合樹脂中にフラーレン(C60)の一部が凝集物として残り、フラーレンの機能(ラジカル捕捉効果等)を最大限、有効に発揮することができなかった。また、フィルムや成形体にしたとき、表面や内部に凝集物が存在するため、透明性や機械的強度の低下など、種々の実用上のトラブルの原因となる。
また、樹脂組成物の耐熱性を向上させることは、食品包装資材、成形資材、自動車関連資材、電気電子機器関連資材、建築資材、工業機械関連資材のいずれの用途でも望まれており、フラーレンを含有させた樹脂組成物によりこれら資材の耐熱性を向上させることができれば、さらなる産業の発展に役立つこととなる。
そこで、本発明はこのような背景下において、フラーレンの樹脂への相溶性を向上させ、優れた耐熱性を有する樹脂組成物の提供を目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明は、球殻状の炭素分子からなるフラーレン骨格に、炭素数4以上の長鎖アルキル基がエーテル結合している長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体であることを、第一の要旨とする。
また、本発明は、第一の要旨の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を製造する方法であって、フラーレンと発煙硫酸からポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成する第一工程と、上記ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を長鎖アルコールと反応させることにより生じるエーテル結合によってフラーレン骨格に少なくとも1以上のアルキル基を導入し、アルキルエーテル化フラーレン誘導体を合成する第二工程と、を備える長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の製造方法を、第二の要旨とする。
さらに、本発明は、上記第一の要旨である長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を含有する樹脂組成物であることを、第三の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、その過程で、樹脂とフラーレンの樹脂への相溶性を向上させるために、これまで困難であった非極性の溶媒に、容易に相溶できるフラーレンを創製できれば、樹脂とフラーレンの相溶性が向上するのではないかとの着想の下、さらに研究を重ねた。その結果、フラーレン骨格にエーテル結合を介して長鎖アルキル基を導入することによって、非極性溶媒に相溶するフラーレン誘導体が得られることを発見し、本発明を完成するに至った。
このように、本発明は、球殻状の炭素分子からなるフラーレン骨格に、炭素数4以上の長鎖アルキル基がエーテル結合していることを特徴とする長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体であるため、長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の樹脂への相溶性を向上させることができ、優れた耐熱性を有する樹脂組成物が得られるようになる。
また、上記フラーレン骨格に、さらに水酸基が結合していると、両親媒的な性質によって帯電防止や結露防止などの効果が得られるだけでなく、フラーレンのπ共役系に結合した弱酸性の水酸基が、抗酸化剤であるポリフェノールやヒドロキノン類の水酸基と同様に、ラジカル捕捉効果を有すると考えられるため、これによって樹脂組成物の耐熱性向上に寄与するようになる。
さらに、上記フラーレン骨格に結合している長鎖アルキル基数と水酸基数の比率(長鎖アルキル基数/水酸基数)が、1/1〜9/1であると、樹脂への相溶性を損なわずに耐熱性向上に寄与するようになる。
上記の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を製造する方法であって、フラーレンと発煙硫酸からポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成する第一工程と、上記ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を長鎖アルコールと反応させることにより生じるエーテル結合によってフラーレン骨格に少なくとも1以上のアルキル基を導入し、アルキルエーテル化フラーレン誘導体を合成する第二工程と、を備える長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の製造方法であると、より簡便な方法によって所望のフラーレン誘導体が得られるようになる。
そして、上記長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を含有する樹脂組成物であると、耐熱性に一層優れるようになる。
上記長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の含有量が、樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部である樹脂組成物であると、少ない含有量でより効果的に耐熱性に優れるようになる。
上記樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂、および硬化性樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種である樹脂組成物であると、耐熱性を高め、これにより得られる成形品の耐熱性も高められるようになる。
オクチルエーテル化フラーレン誘導体のIRスペクトルを示すグラフ図である。 オクチルエーテル化フラーレン誘導体の1H NMRスペクトルを示すグラフ図である。 オクチルエーテル化フラーレン誘導体/ポリプロピレンナノコンポジットの耐熱性(TGA測定の結果)を示すグラフ図である。
本発明に係る樹脂組成物は、長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を含有している。ここでまず、長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体(以下、「フラーレン誘導体」と略すことがある)について説明する。
<フラーレン誘導体>
上記フラーレン誘導体は、球殻状の炭素分子からなるフラーレン骨格に、炭素数4以上の長鎖アルキル基がエーテル結合していることを特徴とする。
本発明において、「フラーレン骨格」とは、球殻状の炭素分子からなる骨格の総称である。球殻状分子を形成しうる炭素分子としては、一般式Cnで表される(ここでnは60以上の整数を示す)ナノマテリアルが挙げられる。フラーレン骨格としてよく知られているnの数としては、60、70、76、78、80、82、84、86、88、90、92、96等が挙げられ、中でもn=60であることが耐熱性向上の点から好ましい。
なお、ここでナノマテリアルとは、少なくとも一次元が100nmより小さい物質を意味する。
また、上記フラーレン誘導体中のアルキルエーテルは、エーテル結合により上記フラーレン骨格に結合し、炭素数4以上の長鎖アルキル基を含んでいる。上記フラーレン誘導体中に炭素数4以上の長鎖アルキル基を含むものであれば、そのアルキル基は、直鎖および分岐鎖のいずれであってもよい。また、アルキル基の炭素数は4以上であるが、樹脂への相溶性向上の点から炭素数6以上であることが好ましく、炭素数の上限値は12であることが好ましい。
そして、上記フラーレン骨格に、上記アルキルエーテル結合とは別に、さらに水酸基が結合していることが好ましい。これは、両親媒的な性質によって帯電防止や結露防止などの効果が得られる傾向にあるだけでなく、フラーレンのπ共役系に結合した弱酸性の水酸基が、抗酸化剤であるポリフェノールやヒドロキノン類の水酸基と同様に、ラジカル捕捉効果を有すると考えられるため、これによって樹脂組成物の耐熱性向上に寄与する傾向にあるからである。
さらに、上記フラーレン誘導体としては、例えば、下記一般式(1)の構造であることが好ましい。
Cn[O(CH2)xCH3]y(OH)z …(1)
〔上記一般式(1)において、nは60以上、xは3以上、yは1以上、zは0または1以上の正数を示す。〕
上記一般式(1)において、y+zは8〜14であることが好ましく、さらには10〜12であることが、簡便な条件にて合成する上で好ましい。例えば、全置換基数y+z=10の場合、yは1以上であるが、さらに5以上、9以下であることが分散性や両親媒性の点から好ましい。また、zは0または1以上の正数であるが、さらに、1以上、5以下であることが耐熱性や安定性の点から好ましい。よって、上記yとzの比率(長鎖アルキル基数/水酸基数)が、1/1〜9/1であることが樹脂への相溶性や他の利点を損なわずに耐熱性向上に寄与する傾向にあることから、さらに好ましい。
<フラーレン誘導体の製造方法>
上記フラーレン誘導体を製造する方法としては、例えば、第一工程として、未処理フラーレンと発煙硫酸からポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成し、第二工程として、上記CSを長鎖アルコールと反応させることにより生じるエーテル結合によってフラーレン骨格に少なくとも1以上のアルキル基を導入し、アルキルエーテル化フラーレン誘導体を合成する方法が挙げられる。
また、上記CSの代わりにフッ素、塩素、臭素のいずれかの原子をフラーレン骨格上の置換基にもつハロゲン化フラーレンやニトロ基を有するニトロ化フラーレンなど、アルコールの求核置換反応に対して脱離しやすい置換基を有する他のフラーレン誘導体を用いてもよいが、前記のCSを長鎖アルコールと反応させる方法が好ましい。
上記第一工程および第二工程の前後に、精製を目的とした前処理・後処理等、他の工程を含んでもよい。
<樹脂組成物>
上記フラーレン誘導体を含有する樹脂組成物について説明する。
まず、樹脂組成物に用いられるフラーレン誘導体は、上記した長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体をいう。
つぎに、樹脂組成物に用いられる樹脂としては、結晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂、および硬化性樹脂が、本発明のフラーレン誘導体を用いることにより、それぞれの樹脂が有する性質以上に、より効果的に耐熱性の向上が得られることから好ましく用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記結晶性熱可塑性樹脂とは、X線解析、示差熱分析等により結晶性を有することが確認できる熱可塑性樹脂である。このような結晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)系、ポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
上記非晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の単独またはその共重合体であるアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、酢酸ビニル、プロピオンビニルなどのビニルエステル等のビニル系樹脂、また、上記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、アルキッド系樹脂等が挙げられる。
上記フラーレン誘導体と樹脂との含有割合は、樹脂100重量部に対してフラーレン誘導体が0.01〜10重量部であることが好ましい。少なすぎると、優れた耐熱性を発揮しにくくなる傾向があり、多すぎると樹脂組成物の粘度が高すぎて成形しにくくなる傾向にあるからである。
そして、本発明に係る樹脂組成物は、上記フラーレン誘導体と樹脂以外に、さらに可塑剤、分散剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候性安定剤、ドリッピング防止剤、離型剤、滑剤、難燃剤、着色剤、抗菌剤、帯電防止剤等の添加剤およびガラス繊維、カーボン繊維、高融点有機質繊維、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シラスバルーン、ガラスバルーン等を含有していてもよい。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明に係る樹脂組成物の製造方法としては、公知のいかなる方法でもよいが、大きく溶媒法と溶融混練が挙げられ、特に、溶媒法が本発明のフラーレン誘導体を高分散させることに適していることから好ましい。
上記溶媒法としては、例えば、フラーレン誘導体を溶媒に溶解し、溶融した樹脂に添加、羽根式撹拌機、ホモジナイザー、ボールミル等で撹拌混合し、その後、熱等で溶媒を除去する方法、また、溶媒に溶解したフラーレン誘導体と樹脂とを混合し、それを溶融、撹拌混合し、その後、熱等で溶媒を除去する方法が挙げられる。
また、上記溶融混練としては、例えば、フラーレン誘導体と樹脂との混合物をニーダー、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が挙げられる。
かくして本発明の樹脂組成物が得られ、これを用いて得られた資材は、例えば、食品包装資材、成形資材、自動車関連資材、電気電子機器関連資材、建築資材、工業機械関連資材等として好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、その要旨を越えない限り、かかる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
<長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の調製>
原料であるフラーレン(C60)(商品名:nanom purple ST)はフロンテイアカーボン社から、購入・準備した。
第一工程のポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)の合成は、特開2005−251505号公報の実施例中の参考例1に準じて次のように行った。
フラーレン(C60)5gを60%発煙硫酸75mLと、窒素雰囲気下、60℃で、撹拌しながら、3日間反応させた。次に、氷浴したジエチルエーテル500mL中に、得られた反応物を滴下して、沈降物を得た。得られた沈降物を遠心分離にて分離し、合計約1000mLの無水ジエチルエーテルを数回に分けて、分離物を洗浄し、さらに、約300mLジエチルエーテル /アセトニトリル=2/1混合溶媒で洗浄し、真空乾燥して試料(CS)を得た。収量5.3gであった。
得られた試料(CS)の赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)は、特開2005−251505号公報の図1の赤外吸収スペクトル(IR)スペクトルと良い一致がみられ、ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)であることを確認した。
つぎに、第二工程のオクチルエーテル化フラーレン(OctC60)の合成を次のように行った。
上記得られたポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)1gをオクチルアルコール10mLと窒素雰囲気下、80℃で、撹拌しながら3日間反応させた。反応物を約500mLの水で洗浄し、洗浄水がpH6.5になるまで生成物の硫酸を除去した。次に、クーゲルロール装置(80℃、10mmHg以下)を用いて減圧留去を行い、未反応オクチルアルコールを除去した。
さらに、ジエチルエーテル/メタノール=40/60混合溶媒を展開液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィ処理を行い、オクチルエーテル化フラーレン(OctC60)を得た。
上記得られたオクチルエーテル化フラーレン(OctC60)の構造については、これを赤外吸収スペクトル測定(IRスペクトル)、核磁気共鳴測定(1H NMRスペクトル)から同定を行い、また、元素分析測定と熱重量分析より見積もった含有水分量から構造式をC60〔O(CH27CH37(OH)3・3H2Oと決定し、オクチルエーテル化フラーレン(OctC60)であることを確認した。
なお、上記赤外吸収スペクトル測定は、JASCO社製のFT/IR−300Eを用いてKBr法により測定したもので、その結果を図1に示す。図1において、2900cm-1付近にC−H伸縮振動に帰属される強い吸収が、1100cm-1付近にC−O伸縮振動に帰属される強い吸収が観察され、これらによりオクチルエーテル基の存在が示唆された。また、3400cm-1付近にO−H伸縮振動に帰属されるブロードな吸収も見られたことから、水酸基の存在も示唆された。
また、上記核磁気共鳴測定は、JEOL社製のJNM−EX270を用いて、270MHz, CDCl3中で行い、その測定結果を図2に示す。図2において、オクチルエーテル基(CHa 3-(CHb 2)6-(CHc 2)-O-)の3種類のプロトンと一致する吸収(Ha = 0.8ppm, Hb=1.2ppm, Hc=4.1ppm; Ha:Hb:Hc = 3:12:2)がそれぞれ観察されたことから、オクチルエーテル基の導入が確認された。なお、水および水酸基に由来するプロトンは1.7 ppm付近に観察された。
さらに、上記元素分析測定は、J−Science Lab社製、Micro Corder JM10を用いて測定し、その結果を下記表1に示す。
Figure 2018090612
構造式をC60[O(CH2)7CH3]y(OH)z・mH2Oとすると、上記表1の元素分析値と計算値とからy、z、mは7,3,3となり、OctC60の構造式はC60[O(CH2)7CH3]7(OH)3・3H2Oであることが分かる。
<樹脂組成物の調製>
オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)を含有する樹脂組成物であるオクチルエーテル化フラーレン誘導体・ポリプロピレンナノコンポジット(OctC60/PP)の作製を次のように行った。
上記得られたオクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の5mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgのポリプロピレン(PP)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに、150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料1を得た。
耐熱性測定(TGA測定)は、熱重量測定装置(島津製作所社製、DTA―50)を用いて行った。TGA測定は、試料重量約4mg、測定温度30〜600℃、昇温温度10℃/分、空気雰囲気下で行い、上記固形状試料1の重量が10重量%(10wt%)減少したときの温度(10wt%重量減少時温度)を求めた。この10wt%重量減少時温度を指標として耐熱性を評価した。後記の表2、および図3にその結果を示した。
上記固形状試料1の10wt%重量減少時温度は282℃であった。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の10mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgのポリプロピレン(PP)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料2を得た。実施例1と同様にして上記固形状試料2の耐熱性を評価した。
上記固形状試料2の10wt%重量減少時温度は289℃であった。
〔実施例3〕
実施例1と同様に、オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の30mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgのポリプロピレン(PP)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料3を得た。実施例1と同様にして上記固形状試料3の耐熱性を評価した。
上記固形状試料3の10wt%重量減少時温度は307℃であった。
〔実施例4〕
実施例1と同様にして、ブチルエーテル化フラーレン誘導体(ButC60)の合成を次のように行った。
第一工程においては、実施例1と同様にして、ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成した。
第二工程において、ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)1gをブチルアルコール10mLと窒素雰囲気下で、80℃で、撹拌しながら3日間反応させた。反応物を約500mLの水で洗浄し、洗浄水がpH6.5になるまで生成物の硫酸を除去した。次に、酢酸エチルを展開液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィ処理を行い、ブチルエーテル化フラーレン誘導体(ButC60)を得た。
次に、実施例1と同様に、ブチルエーテル化フラーレン誘導体(ButC60)の10mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgのポリプロピレン(PP)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料4を得た。実施例1と同様にして上記固形状試料4の耐熱性を評価した。
上記固形状試料4の10wt%重量減少時温度は270℃であった。
〔比較例1〕
オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)を全く加えなかった以外は、実施例1と同様にして固体状比較試料1を作成した。実施例1と同様にして固体状比較試料1の耐熱性を評価した。
上記固体状比較試料1の10wt%重量減少時温度は259℃であった。
〔比較例2〕
オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の代わりにフラーレン(C60)を加えた以外は、実施例1と同様にして固体状比較試料2を作成した。実施例1と同様にして固体状比較試料2の耐熱性を評価した。
上記固体状比較試料2の10wt%重量減少時温度は259℃であった。
〔比較例3〕
実施例1と同様にして、エチルエーテル化フラーレン誘導体(EtoC60)の合成を次のように行った。
第一工程においては、実施例1と同様にして、ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成した。
第二工程において、ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)1gをエチルアルコール10mLと窒素雰囲気下で、80℃で、撹拌しながら3日間反応させた。反応物を約500mLの水で洗浄し、洗浄水がpH6.5になるまで生成物の硫酸を除去した。次に、酢酸エチルを展開液として、シリカゲルカラムクロマトグラフィ処理を行い、エチルエーテル化フラーレン誘導体(EtoC60)を得た。
つぎに、実施例1と同様に、エチルエーテル化フラーレン誘導体(EtoC60)の10mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgのポリプロピレン(PP)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状比較試料3を得た。実施例1と同様にして固体状比較試料3の耐熱性を評価した。
上記固体状比較試料3の10wt%重量減少時温度は262℃であった。
Figure 2018090612
上記表2の結果から分かるように、実施例1〜4においては、フラーレン誘導体を添加しない樹脂のみからなる比較例1(ブランク)との耐熱性差が10℃以上あり、明らかに耐熱性が向上していることが分かった。これに対し、未処理のフラーレンを添加している比較例2、および、エチルエーテル化フラーレン誘導体を添加している比較例3は、ブランクとの耐熱性差が0〜3℃であり、ほとんど耐熱性が向上していないことが分かった。
そして、フラーレン含有量(1.0wt%)および樹脂(PP)が同じである実施例2,4、および比較例3を比較すると、エーテル結合しているアルキル基が、炭素数2のエチル基であると(比較例3)、耐熱性の向上が殆ど見られないのに対し、実施例2,4では高い耐熱性の向上を示していた。このことから、フラーレン誘導体にエーテル結合しているアルキル基が炭素数4以上の長鎖アルキル基であることによって、フラーレン誘導体の樹脂への相溶性が向上し、これによって、優れた耐熱性を有する樹脂組成物が得られることが分かった。
また、上記と異なる樹脂についても同様の効果を示すかを確認するべく、ポリプロピレン(PP)に代えて、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を用い、上記と同様の実験を行った。その結果を後記の表3に示した。
〔実施例5〕
実施例1と同様に、オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の5mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料5を得た。実施例1と同様にして上記固形状試料5の耐熱性を評価した。
上記固形状試料5の20wt%重量減少時温度は397℃であった。
〔実施例6〕
実施例1と同様に、オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の30mgをo−キシレン0.5mLに溶解し、1000mgの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に添加し、150℃で溶解混合し、さらに150〜170℃のホットプレート上でo−キシレンを蒸発除去し、固形状試料6を得た。実施例1と同様にして上記固形状試料6の耐熱性を評価した。
上記固形状試料6の20wt%重量減少時温度は397℃であった。
〔比較例4〕
オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)を全く加えなかった以外は、実施例5と同様にして固形状比較試料4を作成した。実施例5と同様にして固形状比較試料4の耐熱性を評価した。
上記固形状比較試料4の20wt%重量減少時温度は349℃であった。
〔比較例5〕
オクチルエーテル化フラーレン誘導体(OctC60)の代わりにフラーレン(C60)を加えた以外は、実施例5と同様にして固体状比較試料5を作成した。実施例5と同様にして固体状比較試料5の耐熱性を評価した。
上記固体状比較試料5の20wt%重量減少時温度は350℃であった。
Figure 2018090612
上記表3の結果から分かるように、実施例5および6において、フラーレン誘導体を添加しない樹脂のみからなる比較例4(ブランク)との耐熱性差が40℃以上あり、実施例1〜4と同様に、明らかに耐熱性が向上していることが分かった。これに対し、未処理のフラーレンを添加している比較例5は、ブランクとの耐熱性差が1℃であり、ほとんど耐熱性が向上していないことが分かった。
上記のように、実施例1〜4のポリプロピレン(PP)を、実施例5および6の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に代えたとしても、実施例1〜4と同様に耐熱性の向上が見られ、他の樹脂においても、同様の傾向を示すことが分かった。
本発明の樹脂組成物は、様々な食品包装資材、成形資材、自動車関連資材、電気電子機器関連資材、建築資材、工業機械関連資材のいずれの用途にでも有利に利用できる。

Claims (7)

  1. 球殻状の炭素分子からなるフラーレン骨格に、
    炭素数4以上の長鎖アルキル基がエーテル結合していることを特徴とする長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体。
  2. 上記フラーレン骨格に、さらに水酸基が結合していることを特徴とする請求項1記載の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体。
  3. 上記フラーレン骨格に結合している長鎖アルキル基数yと水酸基数zの比率(y/z)が、1/1〜9/1であることを特徴とする請求項1または2に記載の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体。
  4. 上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を製造する方法であって、
    フラーレンと発煙硫酸からポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を合成する第一工程と、
    上記ポリシクロ硫酸化フラーレン(CS)を長鎖アルコールと反応させることにより生じるエーテル結合によってフラーレン骨格に少なくとも1以上のアルキル基を導入し、アルキルエーテル化フラーレン誘導体を合成する第二工程と、
    を備えることを特徴とする長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の製造方法。
  5. 上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  6. 上記長鎖アルキルエーテル化フラーレン誘導体の含有量が、樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 上記樹脂が、結晶性熱可塑性樹脂、非晶性熱可塑性樹脂、および硬化性樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項5または6に記載の樹脂組成物。
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