JP3770514B2 - 新規熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規熱可塑性樹脂組成物、詳しくはそれを成型したときに熱可塑性樹脂の耐熱老化性を著しく改善することができる熱可塑性樹脂組成物、それより成型して得られる樹脂成型物及び当該成型物を含む末端製品(樹脂成型品)に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂を使用して、例えば混練成型して得られる樹脂成型物は樹脂成型品、例えばバンパー製品やインストルメンタルパネルのような自動車部品、コンピュータハウジングのような電気部品、断熱材のような建築用品等として多くの分野で使用されている。
【0003】
従来、これらの樹脂成型物や成型品を製造する場合、加熱をしながら混練することが行われているがこの際生ずる着色の発生や樹脂強度の低下等の点で耐熱老化性に問題があった。そこで、これを防止すべく酸化防止剤を添加することが行われていた(酸化防止剤ハンドブック、大成社、昭和51年10月25日初版発行参照)。
【0004】
この様な場合に使用される酸化防止剤として、フェノール系、リン系、アミン系、硫黄系等の酸化防止剤を添加、使用することにより着色、樹脂強度の低下を防止しているが、酸化防止剤の分散性が悪く、又、多量に添加しても着色防止能等を十分に発揮することができないし、多量に添加すると、樹脂強度の低下や経済性の点で障害ともなる。
【0005】
他の方法として、脂肪酸、脂肪酸Ca塩等の脂肪酸金属石鹸、脂肪酸アミド等の通常滑剤として使用される添加剤を使用する方法もあるが、これ等の方法では十分な分散効果が得られず、樹脂成型物からブリードアウトし(浸み出し)易い。又、耐熱老化性改善を目的としてポリグリセリンと、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物:ポリエステルとの縮合物を用いることが知られている(特開平08−302065号公報参照)が、耐熱老化性の面で必ずしも満足が得られない。又、熱可塑性樹脂に、ポリグリセリン脂肪酸エステルを無機フィラーと共に配合した組成物により耐衝撃性、耐候性を向上できることが報告されている(特開平4−202429号公報参照)が、同様に上記耐熱老化性については十分な改善が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記に問題点や課題を含めて説明した従来の技術から明らかな如く、熱可塑性樹脂を成型したときに、耐熱老化性を改善できる添加剤或いは熱可塑性樹脂組成物を提供することが課題となっている。
本発明の目的は、上記課題の解決、即ち、特に少量の添加物で成型された熱可塑性樹脂成型物の耐熱老化性を改善できる熱可塑性樹脂組成物、更にはそれより成型して得られる樹脂成型物やそれを含む末端製品(成型品)を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリグリセリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化された形のポリグリセリン誘導体と酸化防止剤、特に常温常圧下で固体状酸化防止剤とを熱可塑性樹脂に併用配合して得られた熱可塑性樹脂組成物が、これより成型して得られる樹脂成型物の強度物性及び耐熱老化性に極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
更に、必要により充填剤を添加、配合すると一段と効果が高まることも見出した。
即ち、本発明は、熱可塑性樹脂、ポリグリセリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化された形のポリグリセリン誘導体及び酸化防止剤の3種を、又はこれに更に充填剤を加えた4種を、それぞれ少なくとも含有し、前記熱可塑性樹脂の主成分が、ポリオレフィン系樹脂、及び/又はポリスチレン系樹脂であり、前記ポリグリセリン誘導体の重合度が、3〜10であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物、これより成型して得られる樹脂成型物や成型品、及び当該組成物に適したポリグリセリン誘導体と抗酸化剤の2種又はこれに更に充填剤を加えた3種を、少なくとも混合又は組み合わせて含有するポリオレフィン系樹脂、及び/又はポリスチレン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂の耐熱老化性改善剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明で使用するポリグリセリン誘導体は、ポリグリセリン1分子に存する水酸基の一部又は全部が脂肪酸エステル化された形の誘導体、即ちポリグリセリン脂肪酸エステルであればよい。ここで、「脂肪酸エステル化された形の誘導体」とは、製造ルートの如何を問わず、結果的にポリグリセリンの水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化された構造、即ち酸素−アシル基を有する構造を有する誘導体であればよく、例えばポリグリセリンに対し脂肪酸を反応させて得られるエステル体は勿論、他の化合物、例えば脂肪酸の低級アルコールエステルを反応させて結果的にポリグリセリンの水酸基の一部又は全部が脂肪酸エステル化された構造を有する誘導体も全て含まれる。従って、本発明で使用されるポリグリセリン誘導体とは異なるポリグリセリン誘導体、例えばその水酸基の一部又は全部がメチルエステル化された誘導体と脂肪酸との反応で上記構造の本発明の脂肪酸エステル化された誘導体とすることもできる。
上記エステル体の脂肪酸エステル化部分は、好ましくは、式:RCOOHで示される脂肪酸を構成するアシル基:RCOを有する。
【0010】
このとき、ポリグリセリン1分子内の水酸基が複数の異種脂肪酸のアシル基でエステル化されている形のエステル体でもよく、又、同一脂肪酸のアシル基のみでエステル化されている形のエステル体でもよい。更に、これ等の異種のエステル体による複数のエステル体混合物であってもよい。例えば、同一脂肪酸のアシル基によりエステル化された形のエステル体と、当該脂肪酸のアシル基とは異なる脂肪酸単独のアシル基によりポリグリセリンの水酸基の一部又は全部がエステル化された形のエステル体との混合物でもよい。又、1分子内に複数の異種脂肪酸のアシル基によりエステル化された形のエステル体についても、それぞれエステル化の条件を異にする複数のエステル体混合物、更には、同一脂肪酸によりエステル化された形のエステル体との混合物も、本発明のポリグリセリン誘導体として使用可能である。
【0011】
ポリグリセリンの1分子において、脂肪酸エステル化された状態の水酸基の割合は、好ましくは1個〜全水酸基の三分の二程度、より好ましくは1個〜半数程度である。このときの2/3或いは半数の値が整数にならない場合には、少数点以下切り上げて整数とする。
【0012】
本発明で使用されるポリグリセリンは、工業的に製造されている市販の化合物を購入、入手することができ、例えば坂本薬品工業製のポリグリセリン#310、ポリグリセリン#500、ポリグリセリン#750が挙げられる。ポリグリセリンを合成してもよく、グリセリンを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸等の触媒存在下200〜250℃に加熱し、脱水縮合することにより得ることができる。本発明で使用されるポリグリセリンの重合度は、2〜30であればよいが、より好ましくは3〜10が生成物の性状、溶剤に対する溶解性、最終の成型品にしたときの耐熱老化性の点で好ましい。尚、ポリグリセリンはα位で縮合した直鎖状ポリグリセリン以外に一部β位で縮合した分岐状ポリグリセリン及び環状ポリグリセリンを含有してもよい。
【0013】
本発明で使用されるポリグリセリン誘導体、即ちポリグリセリン脂肪酸エステルを調製する場合、従来技術を利用して行うこともできる(例えば、前記特開平4−202429号公報参照)が、別途調製することもできる。
【0014】
ポリグリセリンと脂肪酸から直接エステル化法によりポリグリセリン誘導体を調製するには、特に困難は無く、例えば前記式:RCOOHで示される脂肪酸と、好ましくは前記重合度を有するポリグリセリンを常法により反応すればよい。
【0015】
脂肪酸としては、炭化水素系モノカルボン酸が好ましく、その場合カルボキシル基を1個有する以外は水酸基、アミノ基、メルカプト基等のカルボキシル基と反応する官能基を有しない1個のカルボキシル基のみを官能基として有する有機化合物(炭化水素)が特に好ましい。更に好ましくは、1個のカルボキシル基以外では分子内に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子をを有しないモノカルボン酸であり、例えば炭素数5〜31の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和アルキル基(炭化水素残基)を有するモノカルボン酸がより好ましい。
【0016】
従って、Rとしては好ましくは炭素数4〜30の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和アルキル基(炭化水素残基)を表す。不飽和アルキル基は、飽和炭化水素基ではなく、その中に1個か複数の二重結合及び/又は三重結合を有する炭化水素残基を意味する。芳香族環や脂環式環は含まれない方が好ましい。
【0017】
ポリグリセリン誘導体を脂肪酸の直接反応により調製する場合に使用される脂肪酸としては、例えばカプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソノナン酸、アラキン酸等の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。
【0018】
ポリグリセリンと脂肪酸の反応を行う場合は脱水しながら行われる。通常反応温度は90〜210℃で行うのが好ましい。250℃以上であると、反応生成物に着色をきたし、90℃以下であると反応時間が長くなり、何れも好ましくない。又、反応は窒素気流下で行う方が着色の少いものが得られる点で好ましい。反応時間としては0.5〜24時間行うのが一般的である。反応に際して、反応溶剤や触媒を使用することができる。
【0019】
ポリグリセリンと脂肪酸の反応に溶剤を使用する場合、用いられる反応溶剤としては、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤が好ましい。
【0020】
上記の如く、ポリグリセリンと脂肪酸のエステル化反応に触媒を使用することができるが、その場合の触媒としては、この種の反応に通常使用される、例えばテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨウ化物、テトラブチルアンモニウムヨウ化物、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヨウ化物等の四級アンモニウム塩、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウムヨウ化物、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメチルホスホニウムヨウ化物、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨウ化物等の四級ホスホニウム塩の他、トリフェニルホスフィン等のリン化合物、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等のアルカリ金属アルコラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタネート化合物、及び塩化亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0021】
本発明において、ポリグリセリンと脂肪酸からエステルを調製する場合の反応比率はポリグリセリンの重合度:aにより異なるが、(a+2)個の水酸基:OH基を有するポリグリセリン1モルに対して1モル以上2×(a+2)/3モル以下の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体が好ましい。より好ましくは、1モル以上(a+2)/2モル以下の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体が好ましい。ポリグリセリン1モルに対して1モルより少ない脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体は樹脂に対する相溶性が悪く、熱可塑性樹脂組成物の加工性を低下させる。更に、ポリグリセリン1モルに対して2モル以上2×(a+2)/3モル以下の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体は樹脂に対する相溶性がよく、加工性の点で特に優れる。また、2×(a+2)/3モル以上の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体は耐熱老化性改善効果が得られ難く、(a+2)/2モル以下の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体は耐熱老化性で特に優れる。
【0022】
又、本発明のポリグリセリン誘導体は、脂肪酸エステルとポリグリセリンとを反応する(エステル交換法)ことにより調製することもできる。ここで、使用されるポリグリセリンについはは前記説明の通りであり、脂肪酸エステルとしては、例えばアルコールと脂肪酸とをエステル化反応に付して得られる脂肪酸のアルコールエステルを使用すればよい。ここで使用される脂肪酸については、ポリグリセリンと脂肪酸とを反応して本発明で使用するポリグリセリン誘導体を調製する方法において使用する脂肪酸として上記に説明した脂肪酸を使用することができる。
【0023】
又、アルコールには、例えば炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和の炭化水素基を有するアルコールを用いるとよい。例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール等が挙げられる。
【0024】
上記本発明で使用されるポリグリセリン誘導体の調製において採用される脂肪酸エステルの具体的な例としては、ステアリン酸のメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル等のアルコールエステルや、カプロン酸、エナンチル酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の脂肪酸のメチルエステル等が挙げられる。
【0025】
ポリグリセリンと上記脂肪酸エステルとを反応させて本発明で使用するポリグリセリン誘導体を調製する場合の反応については、常法により脱アルコールしながら行うとよい。反応条件については、前記した、ポリグリセリンと脂肪酸との反応によりポリグリセリンをエステル化する方法において説明された反応条件(反応時間等)を適宜選択利用することができる。反応物質の反応比率についても、ポリグリセリンと脂肪酸との反応によりポリグリセリン誘導体を調製する方法において上記に説明された反応比率に準ずればよく、そこで使用される脂肪酸の代わりに脂肪酸エステルの量を適当に選択すればよい。
【0026】
このようにして調製されるポリグリセリン誘導体において脂肪酸エステル化されていない水酸基が存在する場合、この水酸基は更に何ら修飾されていない誘導体が好ましいが、本発明の耐熱老化性改善効果を有する限り、一部修飾されたり、保護された誘導体であっても本発明におけるポリグリセリン誘導体に含まれる。
【0027】
本発明で使用される熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を示す樹脂であればよいが、その主成分として、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド等の芳香族系樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル等のビニル系樹脂等、複合材料の分野で使用される熱可塑性樹脂を挙げることができ、これら複数の樹脂を併用することもできる。
【0028】
これらの中で、上記グリセリン誘導体との相溶性、耐熱老化性改善の点でポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリエステル系樹脂等が好適であり、ポリプロピレン樹脂やエチレン−プロピレン共重合体樹脂が最も適している。
【0029】
本発明で使用される酸化防止剤としては、それ自体常温常圧で固体状が好ましく、通常複合材料の分野で使用されるものであれば特に限定されないが、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、トリイソデシルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤等が挙げられるが、これらを2種類以上併用することもできる。
【0030】
酸化防止剤が常温常圧で液体状の場合、樹脂や粉体等と混合する際不均一になり易く、一方固体状の場合、それ自体の分散性が悪いために本発明で使用されるポリグリセリン誘導体がその分散剤としての作用を示し、耐熱老化防止に大きく寄与する。
【0031】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、好ましくは熱可塑性樹脂100重量部に対して酸化防止剤0.01〜10重量部、更に好ましくは0.01〜1重量部程度を、又ポリグリセリン誘導体0.01〜10重量部、更に好ましくは0.05〜1重量部程度をそれぞれ配合すればよい。
【0032】
本発明においてはポリグリセリン誘導体と酸化防止剤を併用して配合使用するが、その配合比率としては酸化防止剤、例えば固体状の酸化防止剤100重量部に対し、好ましくはポリグリセリン誘導体0.1〜1000重量部で使用することができる。更に好ましくは1〜500重量部である。1000重量部以上では熱可塑性樹脂組成物の耐熱老化性はそれ以上改善せず、樹脂成型物の機械的強度の低下をきたし、0.1重量部以下では本発明で得られる効果がそれ程大きくないので、それぞれ好ましくない。
【0033】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を具体的に製造する方法として、例えば1)例えば固体状である酸化防止剤を予めポリグリセリン誘導体で処理を行ってから熱可塑性樹脂、更に必要に応じて充填剤等の添加剤と混合、混練する方法、2)酸化防止剤と本発明のポリグリセリン誘導体、熱可塑性樹脂、更に必要に応じて充填剤等の他の添加剤を一度に混合、混練する方法、或いは3)タルク等の充填剤に予め本発明のポリグリセリン誘導体で処理を行い、処理を行った充填剤と酸化防止剤及び熱可塑性樹脂を混合、混練する方法等がある。以下に、熱可塑性樹脂組成物の具体的な製造方法を説明する。
【0034】
本発明の、例えばポリグリセリンと脂肪酸よりエステル化されて得られるポリグリセリン誘導体で処理された酸化防止剤、例えば固体状酸化防止剤の調製方法としては、固体状酸化防止剤にポリグリセリン誘導体をそのまま添加し、ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサーの攪拌機を用いて表面処理をする乾式法等を採用して実施すればよい。
【0035】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更に充填剤やその他の添加剤を配合してもよいが、本発明で更に充填剤を配合する場合の充填剤としては、通常複合材料の分野で用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、セラミック繊維(炭化珪素繊維、アルミナ繊維等)、金属繊維等の繊維類や、ケイ砂、ケイ石、砂利、川砂、海砂、砕石、カーボンブラック、アセチレンブラック、松煙、黒鉛、アイボリーブラック、ボーンブラック、パインブラック、酸化チタン、酸化鉄黒、マンガン黒、イルメナイト黒、黄鉛、カドミウム黄、亜鉛黄、シアナミド鉛、ネープルス黄、ウルトラマリン黄、雄黄、朱、カドミウム赤、アンチモン赤、ベンガラ、ウルトラマリンレッド、ウルトラマリンバイオレット、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット、プルシアンブルー、コバルト青、酸化クロム緑、ギネー緑、クロム緑、亜鉛緑、緑土、緑青、花緑青、酸化鉄黄、オーカー、シーンナ、アンバー、ホワイトカーボン、合成ケイ酸塩、無定形シリカ、白亜、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、ごふん、バライト粉、硫酸バリウム、クレイ、との粉、地の粉、タルク、シリカ、ガラス粉、けい石粉、けいそう土、アスベスト、ワラストナイト、ケイ酸カルシウム、アルミナ、石膏、アルミニウム粉、ブロンズ粉、鉛丹、シアナミド鉛、クロム酸鉛、硫酸鉛、亜鉛末、亜酸化鉛、MO・Fe2O3(MはBa、Sr、Ca、Mg、Zn、Pbの一種又2種以上)より成るフェライト磁性粉末、サマリウム、コバルト、ネオジウム鉄コバルト、ジルコニウムコバルト、アルミニウム、鉄、亜鉛、銅、銀、ニッケル、タングステン、モリブデン、レニウム、ニオブ、タンタル、鉛等を挙げることができ、これ等の単独又は複数を使用することができる。
【0036】
特に、充填剤としてタルクを使用すると熱可塑性樹脂成型物はタルク等の充填剤を添加しない場合と比較して耐熱老化性及び加工性の改善効果が著しく大きいことが分かった。
タルク以外では、加工性改善の効果(例えば、成型速度の促進)の点でガラス繊維等の繊維類や、、マイカ、クレイ、アスベスト、ワラストナイト、ケイ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、ゾノトライト、セピオライト、モスハイジ等が好ましく、粉体の取り扱い易さ、加工性や経済性の点でより好ましくはガラス繊維、マイカ、クレイ等が挙げられるが、耐熱老化性の点で固体状酸化防止剤と併用効果が特に著しい点でタルクが最適である。タルクは、特にポリエチレン樹脂やエチレン−プロピレン共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂に対する効果が著しい。
【0037】
本発明で使用するグリセリン誘導体で処理された充填剤の調製方法としては、(1)充填剤にグリセリン誘導体をそのまま添加し、ヘンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサーの攪拌機を用いて表面処理をする乾式法、や(2)溶剤にグリセリン誘導体と充填剤を加え、攪拌、混合後、溶剤を除去する湿式法等を採用して実施すればよい。
【0038】
又、上記表面処理方法の中で湿式法(2)で用いられる溶剤としては、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル類、トルエン、キシレン、高沸点石油炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶剤、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシプロピルアセテート等のエステル溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールのモノエーテル系溶剤の他、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、水等が挙げられ、又これ等は単独又は2種以上を混合して適宜使用することができる。
【0039】
(1)熱可塑性樹脂100重量部に対して乾式法で前処理した固体状酸化防止剤0.01〜10重量部をホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バンバリミキサ、アトマイザー等の攪拌機で攪拌して得る方法、や(2)熱可塑性樹脂100重量部に対し未処理の固体状酸化防止剤0.01〜10重量部、ポリグリセリン誘導体0.01〜10重量部をホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バンバリミキサ、ロール、インターナルミキサ等の攪拌機で攪拌して得る方法等がある。尚、これ等の製造時において、ポリグリセリン誘導体を全て同時に使用する必要はなく、一部を前処理に用い、一部を熱可塑性樹脂組成物製造時に添加する方法を用いてもよい。又、混練温度は熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、使用する熱可塑性樹脂のゲル化温度を参考にして設定するとよい。
【0040】
熱可塑性樹脂組成物中に更に充填剤を添加、使用する場合、用いられる充填剤の添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜300重量部が好ましく、より好ましくは、1〜100重量部程度である。300重量部以上の場合、樹脂組成物の加工が困難であり、又、0.01重量部以下の場合、充填剤の使用目的である補強効果等がそれ程得られないので、何れも好ましくない。酸化防止剤100部に対しては、好ましくは100〜10000、更に好ましくは500〜10000重量部程度使用するとよい。
【0041】
本発明の組成物を用いて樹脂成型物を製造する場合、特に困難は無く、常法の樹脂成型方法を利用することができるが、その製造方法を例示すると、上記方法で製造した熱可塑性樹脂組成物を用いて、ロール、プレス、押し出し成型機、トランスファー成型機、射出成型機により成型して、樹脂成型物を容易に取得することができる。当然のことながら、得られる樹脂成型物や成型品も本発明の範囲内にある。
【0042】
更に、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて本発明の特徴を損なわない範囲で安定剤、有機又は無機の顔料、染料、可塑剤、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド等の滑剤、整泡剤、発泡剤、リン酸エステル、アンチモン、ブロム系等の難燃剤、紫外線吸収剤、モノグリセライド、アミン化合物等の帯電防止剤、造核剤(ポリマーの結晶化を促進し、透明な成型品を与える。)を1種又は複数併用して含まれることができる。
【0043】
本発明には、前記樹脂組成物は勿論、それより成型して得られる樹脂成型物や成型品が含まれるが、更に、ポリグリセリン誘導体及び酸化防止剤の2種又はこれに更に充填剤を加えた3種を、それぞれ少なくとも含有する(これ等複数が混合して含まれる場合や、混合されてはいないがそのために組み合わされた形で含まれる場合でもよい。)熱可塑性樹脂用の耐熱老化性改善剤及びその対象となる熱可塑性樹脂も含まれる。
【0044】
【本発明の作用】
本発明により得られる効果は以下の機構で発現するものと考えられる。本発明で使用されるポリグリセリン誘導体は、酸化防止剤特に固体状の酸化防止剤に対して親和性があり、速やかに表面に吸着する。又、本発明で使用される、例えばポリグリセリン誘導体は熱可塑性樹脂等の有機マトリクスとの濡れ性が良好なため、混練時の粘度を低下させることができる。更に、末端に樹脂、溶剤成分と濡れ性良好な側鎖を有しているので、混練、成型後の樹脂成型物の剛性に影響を与えない。この他、使用されるポリグリセリン誘導体が存在することにより樹脂成型物の耐熱老化性も向上する。耐熱老化性の向上の原因は、樹脂中に含まれる、樹脂製造の際使用された触媒や充填剤に含有する不純物とキレートを形成することにより酸化防止剤の添加量を減少することができ、樹脂組成物の耐熱老化性を向上させるものと考えられる。
【0045】
【実施例】
次に、本発明の熱可塑性樹脂組成物及びそれより成型して得られる樹脂成型物について、その内容を実施例及び比較例を挙げて詳細に説明する。尚、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の内容をより明確に例示するためにのみ使用される。又、各例における「部」および「%」はいずれも重量基準によるものである。
【0046】
(実施例1)ポリグリセリン誘導体の調製(1)
温度計、撹拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フラスコ内に、ステアリン酸 50.0部、ポリグリセリン(坂本薬品工業製ポリグリセリン#500)87.88部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、反応液の酸価が1(mgKOH/g)程度になるまで加熱を行った。次いで、室温まで冷却した。
【0047】
以下、この反応液をポリグリセリン誘導体PG−1と称する。ポリグリセリン誘導体PG−1に含まれるポリグリセリン誘導体は、数平均分子量が764.41でOH価が547.18(mgKOH/g)、酸価が0.50の特性を有していた。
【0048】
(実施例2、3、5−11、対照例1)ポリグリセリン誘導体の調製(2)−(11)
実施例1と同様に、下記表1に示される配合で酸価が1(mgKOH/g)程度になるまで反応を行い、ポリグリセリン誘導体PG−2〜11を得た。得られたポリグリセリン誘導体のそれぞれの数平均分子量、OH価及び酸価を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
(比較例1)ポリエステルの調製(1)
温度計、撹拌機、窒素導入口及び還流菅を備えた反応フラスコ内に、リシノレイン酸(東京化成製)100.0部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、反応液の酸価が50(mgKOH/g)程度になるまで加熱を行った。次いで、室温まで冷却した。
【0051】
以下、この反応液をポリエステルPE−1と称する。ポリエステルPE−1に含まれるポリエステルは、数平均分子量が1120で酸価が48.3の特性を有していた。
【0052】
(比較例2)ポリエステルの調製(2)
温度計、撹拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フラスコ内に、12−ヒドロキシステアリン酸(純正化学製)100.0部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、反応液の酸価が50(mgKOH/g)程度になるまで加熱を行った。次いで、室温まで冷却した。
【0053】
以下、この反応液をポリエステルPE−2と称する。ポリエステルPE−2に含まれるポリエステルは、数平均分子量が1037で酸価が54.0の特性を有していた。
【0054】
(比較例3)比較ポリグリセリン誘導体の調製(1)
温度計、撹拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フラスコ内に、ポリエステルPE−1 70.0部、ポリグリセリン#500(坂本薬品工業製)31.25部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、反応液のOH価が264(mgKOH/g)程度になるまで加熱を行った。次いで、室温まで冷却した。
【0055】
以下、この反応液をグリセリン誘導体PEG−1と称する。グリセリン誘導体PEG−1に含まれるグリセリン誘導体は、数平均分子量が1570でOH価が258、酸価が1.6の特性を有していた。
【0056】
(比較例4)比較ポリグリセリン誘導体の調製(2)
温度計、撹拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フラスコ内に、ポリエステルPE−2 70.0部、ポリグリセリン#500(坂本薬品工業製)33.8部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温し、160℃で2時間加熱した後、反応液のOH価が280程度になるまで加熱を行った。次いで、室温まで冷却した。
【0057】
以下、この反応液をグリセリン誘導体PEG−2と称する。グリセリン誘導体PEG−2に含まれるグリセリン誘導体は、数平均分子量が1490でOH価が282、酸価が1.5の特性を有していた。
【0058】
(実施例12)熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物の製造1
実施例1で得られたポリグリセリン誘導体PG−1 0.005kg、固体状酸化防止剤としてテトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kg、及び110℃で5時間予備乾燥した高結晶性エチレン−プロピレン共重合樹脂(市販無安定化樹脂使用)10kgを混合し(1720rpm、5分)、2軸混練機(池貝製、PCM30/30型)で混練後(シリンダー温度;C1=100、C2=220、C3=210、C4=210、C5=20、AD(アダプター温度)=220、スクリュー回転数=250rpm、吐出量=8kg/hr)、ペレット化を行った。得られたペレットを用いて、JIS K 7210に従い流れ性試験を実施した。更に、得られたペレットから射出成型機(日本製鋼所、クロックナーF85、シリンダー温度;ノズル=220℃、前部=220℃、中央部=210℃、後部=200℃、射出圧力=360kg/cm2、射出スピード=20%、金型温度=45℃)を用い、JIS K7152に準拠して射出成型を行い、JIS K7139の多目的試験片を調製した。得られた試験片の外観を目視にて評価するとともに、曲げ強度(降伏値)をJIS K 7203に準じて測定を行った。次に、JIS K7212に従い熱老化性試験を行い外観の変化を観察した。評価の結果を表2に示す。
流れ性試験条件:230℃、2.16kgf、A法。
熱老化性試験:表面のひび割れ、外観により評価を実施(状態の良いもの順に5〜1の5段階で評価)。
【0059】
【表2】
【0060】
(実施例13)
実施例12においてポリグリセリン誘導体PG−1 0.005kg使用する代わりに同誘導体0.02kg使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2照)。
【0061】
(実施例14)
実施例12において酸化防止剤として固体状酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kg使用する代わりに同剤0.02kgを使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0062】
(実施例15)
実施例12において酸化防止剤として固体状酸化防止剤:2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)を使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0063】
(実施例16)
実施例12において酸化防止剤として固体状酸化防止剤:2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)0.005kgを使用する代わりに同剤2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)0.02kg使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0064】
(実施例17−21)
実施例12においてポリグリセリン誘導体として、ポリグリセリン誘導体PG−2、3、8〜10を使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0065】
(実施例22)
実施例12においてポリグリセリン誘導体として、ポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0066】
(実施例23)
実施例12においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び酸化防止剤として固体状酸化防止剤:2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)を使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0067】
(実施例24)
実施例12においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び酸化防止剤として固体状酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kgとトリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイト(旭電化製、MARK2112)0.005kgを使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0068】
(実施例25)
実施例12においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び酸化防止剤として固体状酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kgとトリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイト(旭電化製、MARK2112)0.02kgを使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表2参照)。
【0069】
(比較例5)
実施例12においてポリグリセリン誘導体と固体状酸化防止剤を使用しないこと以外は何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0070】
【表3】
(比較例6)
実施例12においてポリグリセリン誘導体を使用しないこと及び固体状酸化防止剤0.005kgを用いる代わりに同剤0.02kgを用いること以外は何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0071】
(比較例7)
実施例12においてポリグリセリン誘導体を使用しないこと以外は実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0072】
(比較例8)
実施例12において固体状酸化防止剤を使用しないこと以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0073】
(比較例9)
実施例12において固体状酸化防止剤0.005kgを使用する代わりに同剤0.02kgを使用すること及びポリグリセリン誘導体PG−1を用いる代わりに比較例3で調製したPEG−1を用いること以外は何ら変更することなく実施例12を繰り返し同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0074】
(比較例10)
実施例12においてポリグリセリン誘導体PG−1を使用する代わりに比較例3で調製したPEG−1を使用すること以外は何ら変更することなく実施例12を繰り返し同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0075】
(比較例11)
実施例12において固体状酸化防止剤0.005kgを使用する代わりに同剤0.05kgを使用すること及びポリグリセリン誘導体PG−1 0.005kgを用いる代わりに比較例3で調製したPEG−1 0.05kgを用いること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0076】
(比較例12)
実施例12においてポリグリセリン誘導体PG−1を使用する代わりに比較例3で調製したPEG−2を使用すること以外何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0077】
(比較例13−15)
実施例12においてポリグリセリン誘導体をPG−1を使用する代わりにグリセリンモノステアリン酸エステル(東京化成製)、ステアリン酸カルシウム塩(東京化成製)又はエチレンビスステアリン酸アミド(東京化成製)をそれぞれ使用すること以外は何ら変更することなく実施例12を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表3参照)。
【0078】
(実施例26)熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物の製造2
実施例2で得られたポリグリセリン誘導体PG−1 0.02kg、酸化防止剤として固体状酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kg、タルク(松村産業製、ハイ・フィラー #5000PJ、平均粒径1.4〜1.8μm)2kg、及び110℃、5hにて予備乾燥した高結晶性エチレン−プロピレン共重合樹脂(市販無安定化樹脂使用)10kgを混合し(1720rpm、5分)、2軸混練機(池貝製、PCM30/30型)で混練後(シリンダー温度;C1=100、C2=220、C3=210、C4=210、C5=20、AD(アダプター温度)=220、スクリュー回転数=250rpm、吐出量=8kg/hr)、ペレット化を行った。得られたペレットを用いて、JIS K 7210に従い流れ性試験を実施した。更に、得られたペレットから射出成型機(日本製鋼所、クロックナーF85、シリンダー温度;ノズル=220℃、前部=220℃、中央部=210℃、後部=200℃、射出圧力=360kg/cm2、射出スピード=20%、金型温度=45℃)を用い、JIS7152に準拠して射出成型を行い、JIS K 7139の多目的試験片を調製した。得られた試験片の外観を目視にて評価するとともに、曲げ強度(降伏値)をそれぞれJIS K7203に準じて測定を行った。次に、JIS K7212に従い熱老化性試験を行い外観の変化を観察し、評価の結果を表4に示す。
流れ性試験条件:230℃、2.16kgf、A法。
熱老化性試験:表面のひび割れ、外観により評価を実施(状態の良いもの順に5〜1の5段階で評価)。
【0079】
【表2】
【0080】
(実施例27)
実施例2で得られたポリグリセリン誘導体PG−1 1部をトルエン200部に添加し、タルク(松村産業製、ハイ・フィラー #5000PJ、平均粒径1.4〜1.8μm)100部を混合した後、60℃でトルエンを減圧留去して処理粉とした。110℃、5hにて予備乾燥した高結晶性エチレン−プロピレン共重合樹脂(市販無安定化樹脂使用)10kgに対して、前出処理タルクを2.02kg、酸化防止剤として固体状酸化防止剤:テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kgの比率で30lのヘンシェルミキサを用いて混合し(1720rpm、5分)、2軸混練機(池貝製、PCM30/30型)で混練後(シリンダー温度;C1=100、C2=220、C3=210、C4=210、C5=20、AD(アダプター温度)=220、スクリュー回転数=250rpm、吐出量=8kg/hr)、ペレット化を行った。得られたペレットを用いて、JIS K7210に従い流れ性試験を実施した。更に、得られたペレットから射出成型機(日本製鋼所、クロックナーF85、シリンダー温度;ノズル=220℃、前部=220℃、中央部=210℃、後部=200℃、射出圧力=360kg/cm2、射出スピード=20%、金型温度=45℃)を用い、JIS K7152に準拠して射出成型を行い、JIS K7139の多目的試験片を調製した。得られた試験片の外観を目視にて評価するとともに、曲げ強度(降伏値)をそれぞれJIS K7203に準じて測定を行った。次に JIS K7212に従い熱老化性試験を行い外観の変化を観察した(評価の結果は表4参照)。
【0081】
(実施例28)
実施例26においてポリグリセリン誘導体PG−1 0.02kg使用する代わりに同誘導体0.005kg使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0082】
(実施例29)
実施例26において固体状酸化防止剤としてテトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kg使用する代わりに同剤0.02kgを使用すること及びポリグリセリン誘導体PG−1 0.02kg使用する代わりに同誘導体0.005kg使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0083】
(実施例30)
実施例26において固体状酸化防止剤として2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0084】
(実施例31)
実施例26において固体酸化防止剤として2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)0.005kgを使用する代わりに同剤2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)0.02kg使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0085】
(実施例32−33、及び35−37、並びに対照例2)
実施例26においてポリグリセリン誘導体として、ポリグリセリン誘導体PG−2〜6、11を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0086】
(実施例38)
実施例26においてポリグリセリン誘導体として、ポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0087】
(実施例39)
実施例26においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び固体状酸化防止剤として2,6−ジ−tーブチル−p−クレゾール(川口化学製、アンテージBHT)を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0088】
(実施例40)
実施例26においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び固体状酸化防止剤としてテトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kgとトリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイト(旭電化製、MARK2112)0.005kgを使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0089】
(実施例41)
実施例26においてポリグリセリン誘導体としてポリグリセリン誘導体PG−7を使用すること及び固体状酸化防止剤としてテトラキス{メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン(チバガイギー製、IRGANOX1010)0.005kgとトリス(2,4−ジ−t−ブチル)ホスファイト(旭電化製、MARK2112)0.02kgを使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表4参照)。
【0090】
(比較例16)
実施例26においてポリグリセリン誘導体と固体状酸化防止剤を使用しないこと以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した。その結果を表5に示す。
【0091】
【表5】
【0092】
(比較例17)
実施例26においてポリグリセリン誘導体を使用しないこと及び固体状酸化防止剤0.005kg使用する代わりに0.02kg使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0093】
(比較例18)
実施例26においてポリグリセリン誘導体を使用しないこと及び固体状酸化防止剤0.005kgを使用する代わりに同剤0.05kg使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0094】
(比較例19)
実施例26において酸化防止剤を使用しないこと以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0095】
(比較例20)
実施例27において酸化防止剤を使用しないこと以外何ら変更することなく実施例27を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0096】
(比較例21)
実施例26において固体状酸化防止剤0.005kgを使用する代わりに同剤0.02kg使用すること及びポリグリセリン誘導体PG−1を使用する代わりに比較例3で調製したPEG−1を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0097】
(比較例22)
実施例26においてポリグリセリン誘導体PG−1を使用する代わりに比較例3で調製したPEG−1を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0098】
(比較例23)
実施例26においてポリグリセリン誘導体PG−1を使用する代わりに比較例4で調製したPEG−2を使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0099】
(比較例24−28)
実施例26においてポリグリセリン誘導体を使用する代わりにグリセリンモノステアリン酸エステル(東京化成製)、ステアリン酸カルシウム塩(東京化成製)、ステアリン酸(純正化学製)、ステアリン酸アミド(東京化成製)又はエチレンビスステアリン酸アミド(東京化成製)を、それぞれ使用すること以外何ら変更することなく実施例26を繰り返し、同様に熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成型物を製造した(表5参照)。
【0100】
表2と表3の結果から明らかなように、本発明で使用するポリグリセリン誘導体単独では耐熱老化性の効果は小さく、これと酸化防止剤、特に固体状の酸化防止剤を併用使用することにより、耐熱老化性において相乗効果が見られる。又、通常使用される滑剤(グリセリンモノステアリン酸エステル、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアリン酸アミド)は各種物性、特に強度物性を低下させるが、耐熱老化性の改善には殆ど効果が無いことも分かった。ポリグリセリンと、ヒドロキシカルボン酸の縮重合物:ポリエステルとの縮合物は物性の低下は小さいが、本発明で使用するポリグリセリン誘導体であるポリグリセリン脂肪酸エステルと比較すると耐熱老化の効果は小さいことが分かった。
【0101】
表4及び表5の結果から明らかなように、本発明で使用するポリグリセリン誘導体単独では耐熱老化性の効果は小さいが、酸化防止剤、特に固体状酸化防止剤を併用使用することにより耐熱老化性において相乗効果が見られる。又、通常使用される滑剤(グリセリンモノステアリン酸エステル、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアリン酸アミド)は各種物性、特に強度物性を低下させるが、耐熱老化性の改善には効果がないことも分かった。ポリグリセリンとポリエステルとの縮合物は物性の低下は小さいが、本発明で使用するポリグリセリン誘導体と比較すると耐熱老化性の効果は小さいことが分かった。又、表2及び表3と比較してタルク等の充填剤を含有することにより、効果が著しく高いことも分かった。
【0102】
【発明の効果】
本発明のポリグリセリン誘導体、酸化防止剤及び熱可塑性樹脂を、必要によりこれに更に充填剤を加えて、含有する熱可塑性樹脂組成物は、これより成型して樹脂成型物としたときに耐熱老化性の点で極めて著しく改善される。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂、ポリグリセリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化されているポリグリセリン誘導体及び酸化防止剤の3種を、又はこれに更に充填剤を加えた4種を、それぞれ少なくとも含有し、前記熱可塑性樹脂の主成分が、ポリオレフィン系樹脂、及び/又はポリスチレン系樹脂であり、前記ポリグリセリン誘導体の重合度が、3〜10であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
- 脂肪酸エステル化部分のアシル基が、炭素数5〜31の直鎖若しくは分岐鎖、飽和又は不飽和の炭化水素系モノカルボン酸を構成するアシル基であり、酸化防止剤が常温常圧で固体状酸化防止剤である請求項1記載の組成物。
- ポリグリセリンの1分子における脂肪酸エステル化された状態の水酸基の割合が、1個〜全水酸基の3分の2である請求項1記載の組成物。
- ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂及び/又はエチレン−プロピレン共重合体樹脂である請求項1記載の組成物。
- 熱可塑性樹脂100重量部に対して、それぞれ、酸化防止剤0.01〜10重量部及びポリグリセリン誘導体0.01〜10重量部を含有し、又は酸化防止剤0.01〜10重量部、ポリグリセリン誘導体0.01〜10重量部及び充填剤0.1〜300重量部を含有する請求項1記載の組成物。
- 酸化防止剤100重量部に対して、それぞれ、ポリグリセリン誘導体0.1〜5000重量部を含有し、又はポリグリセリン誘導体0.1〜5000重量部及び充填剤100〜10000重量部を含有する請求項5記載の組成物。
- 熱可塑性樹脂がポリプロプレン樹脂及び/又はエチレン−プロピレン共重合体樹脂であり、酸化防止剤が固体状酸化防止剤であり、充填剤がタルクである請求項1記載の組成物。
- 請求項1〜7記載の組成物を使用して得られたことを特徴とする樹脂成形物及び当該成型物を含む製品。
- 請求項1〜7の何れか一つに規定されるポリグリセリン誘導体及び酸化防止剤の2種又はこれに更に充填剤を加えた3種を、それぞれ少なくとも含有することを特徴とするポリオレフィン系樹脂、及び/又はポリスチレン系樹脂を主成分とする熱可塑性樹脂の耐熱老化性改善剤。
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