JP2000239439A - 新規樹脂添加剤組成物及び樹脂組成物 - Google Patents

新規樹脂添加剤組成物及び樹脂組成物

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JP2000239439A
JP2000239439A JP3783499A JP3783499A JP2000239439A JP 2000239439 A JP2000239439 A JP 2000239439A JP 3783499 A JP3783499 A JP 3783499A JP 3783499 A JP3783499 A JP 3783499A JP 2000239439 A JP2000239439 A JP 2000239439A
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resin
magnesium hydroxide
polyglycerin
acid
fatty acid
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JP3783499A
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Naoki Yasuda
直樹 安田
Sukeyuki Tanaka
祐之 田中
Katsuhiro Otsuka
勝弘 大塚
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NP KASEI KK
Ajinomoto Co Inc
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NP KASEI KK
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然産の水酸化マグネシウムを充填剤、特に難
燃剤として使用して熱可塑性樹脂等を成型したときに、
耐熱老化性及び加工性に優れた樹脂添加剤組成物又は熱
可塑性樹脂組成物等を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂等に天然産の水酸化マグネシ
ウムと共にその表面処理剤として、ポリグリセリン分子
の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化されてい
るポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基性アミノ酸
の少なくとも1種を配合使用することにより得られた熱
可塑性樹脂組成物等は、成型したときに耐熱老化性及び
加工性が著しく改善され、老化性及び加工性に優れた成
型物を提供することができるので、特に難燃性樹脂とし
て電線、ケーブル等の被覆等各種の成型(被覆)品に幅
広く使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規樹脂添加剤組
成物、更に詳しくは、ポリグリセリン分子の水酸基の少
なくとも1個が脂肪酸エステル化されているポリグリセ
リン誘導体及び/又はN−アシル塩基性アミノ酸と、天
然産の水酸化マグネシウムとを含有する、熱可塑性樹脂
等の樹脂添加剤組成物、これを含有する樹脂組成物及び
この樹脂組成物を使用して成型又は被覆(以下、併せて
「成型」と称することがある。)された製品(電線、ケ
ーブル等)に関する。更に、ポリグリセリン分子の水酸
基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化されているポリ
グリセリン誘導体及び/又はN−アシル塩基性アミノ酸
を含有する樹脂添加剤として使用可能な天然産の水酸化
マグネシウム用表面処理剤も含まれる。
【0002】特に、熱可塑性樹脂組成物に適用した場
合、難燃性樹脂組成物としてそれを成型したときに熱可
塑性樹脂の耐熱老化性及び加工性を著しく改善すること
ができる。
【0003】
【従来の技術】水酸化マグネシウムを樹脂の難燃剤とし
て用いることは古くから知られている。近年、ダイオキ
シン等の環境問題から、従来より広く用いられてきたハ
ロゲン系難燃剤の使用を抑制する動きが活発化してお
り、水酸化マグネシウムの難燃剤としての使用にも注目
が集まりつつある。
【0004】このような中、例えば電線、ケーブル用樹
脂においては、従来使用されていたポリ塩化ビニル樹脂
やハロゲン系難燃剤に替わり、ポリオレフィン系樹脂及
び水酸化マグネシウムを用いた難燃性樹脂が開発されて
いる。
【0005】水酸化マグネシウムを使用する場合、水酸
化マグネシウム中の鉄分等の不純物含有量が高いと樹脂
の耐熱老化性等に問題が生じる。従って、難燃剤に使用
する水酸化マグネシウムには、通常海水から得られる水
酸化マグネシウムを工業的に精製して得られた非常に高
純度のものが使用されている。しかしながら、高純度に
するための精製に大きなコストを要し、より低コスト化
が求められている。
【0006】不純物を含む天然産の水酸化マグネシウム
を利用する試みも幾つか行われている。具体的には、天
然産ブルーサイト等の水酸化マグネシウムを主成分とす
る天然鉱物を粉砕したものを、脂肪酸のアンモニウム塩
又はアミン塩等で表面処理したもの(特公平7−424
61号公報参照)、脂肪酸、脂肪酸金属塩、カップリン
グ剤等で表面処理したもの(特開平5−17692号公
報参照)が報告されている。
【0007】しかしながら、上記天然産、特に天然鉱物
由来の水酸化マグネシウムは、粒度や形状が不均一であ
るため、樹脂に配合した場合の加工性が著しく低下す
る。また、天然産の水酸化マグネシウムは鉄分等の不純
物を多く含むため、耐熱老化性にも問題がある。前記の
方法は、何れもこれらの問題を十分に解決するものでは
なく、天然産の水酸化マグネシウムを難燃剤として実用
的に使用可能にする技術の開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然産の水
酸化マグネシウムを添加剤として樹脂に配合して使用す
る場合に求められる、耐熱老化性及び加工性を改善する
添加剤組成物を開発することにある。更には、それより
成型して得られる樹脂成型物及びそれを含む末端製品
(成型品)を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、天然産の水酸化マグネシウム用の表
面処理剤を開発すべく鋭意検討した結果、ポリグリセリ
ン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化さ
れているポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基性ア
ミノ酸が目的とする表面処理剤として優れていること、
更に、このような組成物に基づき成型して得られる樹脂
成型物の耐熱老化性及び加工性が極めて優れていること
等を見出し、これら各種の知見に基づいて本発明を完成
するに到った。
【0010】即ち、本発明の第一は、 a.ポリグリセリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂
肪酸エステル化されているポリグリセリン誘導体;及び b.N−アシル塩基性アミノ酸 の少なくとも1種、即ち上記a成分及びb成分の少なく
とも1種と、天然産の水酸化マグネシウムとを含有する
樹脂添加剤組成物である。本発明の目的に沿い、又は本
発明の目的を害しない範囲で上記必須成分以外の成分を
更に含有することは何ら差し支えが無い。
【0011】尚、本明細書において、「本発明に使用す
る表面処理剤」と記載されている場合ポリグリセリン分
子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化されて
いるポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基性アミノ
酸の少なくとも1種を、即ちこれら2種の成分(上記a
成分及びb成分)のどちらか一方又はその両方を意味す
る。
【0012】本発明には、更に次の内容も含まれる。
【0013】1. 当該水酸化マグネシウムが本発明に
使用する表面処理剤で表面処理された状態にある上記組
成物。
【0014】当該表面処理剤には、前記2種の成分の少
なくとも1種を含んでおればよく、更に本発明の目的を
害しない範囲で別の成分(前記以外の他の表面処理剤成
分や表面処理剤以外の成分等)を含むことは差し支えが
無い。
【0015】2. 天然産の水酸化マグネシウム及び前
記本発明に使用する表面処理剤を、重量比で100対
0.05〜10、好ましくは0.1〜5、更に好ましく
は0.5〜3含有する上記組成物。天然産の水酸化マグ
ネシウムの重量に関してはその中に含まれる水酸化マグ
ネシウムMg(OH)2に換算したもので上記比率が算
定される。
【0016】3. 難燃性組成物である上記組成物。
【0017】4. 樹脂中に上記何れかの組成物を含有
する樹脂組成物。
【0018】上記何れかの組成物に必要な成分(前記
1.〜3項においてそれぞれ必須の成分)と樹脂とを少
なくとも含有している樹脂組成物であればよく、本発明
の目的を害しない範囲で、更に別の成分を含むこともで
きる。
【0019】5. 樹脂が熱可塑性樹脂である上記何れ
かの組成物。
【0020】6. 樹脂100重量部に対して、本発明
に使用する表面処理剤(ポリグリセリン分子の水酸基の
少なくとも1個が脂肪酸エステル化されているポリグリ
セリン誘導体及びN−アシル塩基性アミノ酸の少なくと
も1種)を好ましくは10重量部以下、更に好ましくは
5重量部以下を含有する上記樹脂組成物。
【0021】樹脂に対する前記本発明に使用する表面処
理剤の配合量については、使用する天然産の水酸化マグ
ネシウムの配合量により異なるが、この表面処理剤の配
合量が多過ぎると樹脂の物性を劣化させることにもなる
ので、上記範囲で適宜配合するとよい。配合量の下限は
特に示すことはできないが、通常は0.1重量部以上配
合される。
【0022】当該水酸化マグネシウムの樹脂への配合量
については、樹脂100重量部に対して当該水酸化マグ
ネシウム、Mg(OH)2換算で0.1〜300重量部程
度である。難燃性樹脂組成物として使用する場合、好ま
しくは1〜250重量部程度、より好ましくは10〜2
00重量部程度、更に好ましくは50〜150重量部程
度である。
【0023】7. 前記何れかの組成物を使用して得ら
れた樹脂成型物及び当該成型物を含む製品。製品には、
難燃性が求められる樹脂成型(被覆)品が含まれるが、
特に電線、ケーブル等、或いは壁紙等への適用が好まし
い。その他、断熱材、電気製品、自動車用断熱部品等に
使用可能である。
【0024】8. 前記樹脂添加剤組成物を含有する樹
脂を使用して成型(被覆)された電線、ケーブル等及び
壁紙等である樹脂成型物及び当該成型物を含む製品。
【0025】最近、人体に対する安全性から、ハロゲン
系難燃剤を含まない電線やケーブル等が求められている
が、劣化性や加工性が優れているので、特に本発明の樹
脂組成物による被覆製品は、これに応えることができ
る。
【0026】9. 当該天然産の水酸化マグネシウムが
水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕して
得られたものである上記何れかの組成物、樹脂組成物、
及びそれを使用した製品。
【0027】10. 熱可塑性樹脂がポリオレフィン系
樹脂である上記各種組成物。
【0028】本発明において適用される樹脂としては、
熱可塑性樹脂が好ましいことは前述の通りである。特
に、電線、ケーブル等に使用する場合には、ノンハロゲ
ン系の樹脂で、特にポリオレフィン系樹脂が好適に採用
される。
【0029】11. ポリグリセリン誘導体における脂
肪酸エステル化部分のアシル基、或いはN−アシル塩基
性アミノ酸を構成するアシル基はそれぞれ独立してい
て、炭素数5〜31の直鎖若しくは分岐鎖、飽和又は不
飽和の炭化水素系モノカルボン酸を構成するアシル基で
ある上記組成物。
【0030】12. N−アシル塩基性アミノ酸を構成
する塩基性アミノ酸がリジン、アルギニン、オルニチン
及びヒスチジンの何れかを含む上記組成物。
【0031】N−アシル塩基性アミノ酸については、α
−位でないN−アシル塩基性アミノ酸である方が、不純
物の金属へのキレート能や水酸化マグネシウムへの吸着
能の点で好ましい。
【0032】13. 前記ポリオレフィン系樹脂がポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピ
レン共重合体樹脂及びエチレン−アクリレート系共重合
体樹脂の少なくとも1種である上記組成物。
【0033】14. 更に、酸化防止剤を含有する上記
組成物。
【0034】酸化防止剤としては、特に常温常圧下で固
体状の酸化防止剤を添加、配合すると相乗作用的に一段
と効果が高まるので好ましい。
【0035】15. 本発明に使用する表面処理剤(ポ
リグリセリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エ
ステル化されているポリグリセリン誘導体及びN−アシ
ル塩基性アミノ酸の少なくとも1種)を含有する天然産
の水酸化マグネシウム用表面処理剤。
【0036】当該水酸化マグネシウム用表面処理剤は、
前記本発明に使用する表面処理剤の成分(即ち、前記
a.成分及びb.成分の少なくとも一方の成分)を少な
くとも含有しておればよく、本発明の目的を害しない範
囲で更に別の成分(前記以外の他の表面処理剤成分や表
面処理剤以外の成分等)を含むことができる。
【0037】本発明において、特に難燃性樹脂組成物と
して好ましい形態は、熱可塑性樹脂(好ましくは、ポリ
オレフィン系樹脂)、前記本発明に使用する表面処理剤
及び天然産の水酸化マグネシウムの3種、更に必要によ
り酸化防止剤の4種を、それぞれ含有する熱可塑性樹脂
組成物であり、或いはこれより成型して得られる樹脂成
型物や成型品である。更には、当該組成物に適した、本
発明に使用する表面処理剤と天然産の水酸化マグネシウ
ムの2種又はこれに更に酸化防止剤を加えた3種を、少
なくとも混合又は組み合わせて含有する樹脂添加剤組成
物も本発明の好適な形態に含まれる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について詳細
に説明する。本発明に使用する表面処理剤は、ポリグリ
セリン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル
化されているポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基
性アミノ酸の少なくとも1種であるが、これらについて
先ず説明する。
【0039】[1] 表面処理剤について イ.ポリグリセリン誘導体 本発明に使用するポリグリセリン誘導体は、ポリグリセ
リン1分子に存する水酸基の一部又は全部が脂肪酸エス
テル化された形の誘導体、即ちポリグリセリン脂肪酸エ
ステルであればよい。ここで、「脂肪酸エステル化され
た形の誘導体」とは、製造ルートの如何を問わず、結果
的にポリグリセリンの水酸基の少なくとも1個が脂肪酸
エステル化された構造、即ち酸素原子−アシル基を有す
る構造を有する誘導体であればよく、例えばポリグリセ
リンに対し脂肪酸を反応させて得られるエステル体は勿
論、他の化合物、例えば脂肪酸の低級アルコールエステ
ルを反応させて結果的にポリグリセリンの水酸基の一部
又は全部が脂肪酸エステル化された構造を有する誘導体
も全て含まれる。従って、本発明に使用するポリグリセ
リン誘導体とは異なるポリグリセリン誘導体、例えばそ
の水酸基の一部又は全部がメチルエステル化された誘導
体と脂肪酸との反応で上記構造の本発明における脂肪酸
エステル化された誘導体とすることもできる。
【0040】上記エステル体の脂肪酸エステル化部分
は、好ましくは、式:RCOOHで示される脂肪酸を構
成するアシル基:RCOを有する。
【0041】このとき、ポリグリセリン1分子内の水酸
基が複数の異種脂肪酸のアシル基でエステル化されてい
る形のエステル体でもよく、また、同一脂肪酸のアシル
基のみでエステル化されている形のエステル体でもよ
い。更に、これ等の異種のエステル体による複数のエス
テル体混合物であってもよい。例えば、同一脂肪酸のア
シル基によりエステル化された形のエステル体と、当該
脂肪酸のアシル基とは異なる脂肪酸単独のアシル基によ
りポリグリセリンの水酸基の一部又は全部がエステル化
された形のエステル体との混合物でもよい。また、1分
子内に複数の異種脂肪酸のアシル基によりエステル化さ
れた形のエステル体についても、それぞれエステル化の
条件を異にする複数のエステル体混合物、更には、同一
脂肪酸によりエステル化された形のエステル体との混合
物も、本発明に使用するポリグリセリン誘導体として使
用可能である。
【0042】ポリグリセリンの1分子において、脂肪酸
エステル化された状態の水酸基の割合は、好ましくは1
個〜全水酸基の三分の二程度、より好ましくは1個〜半
数程度である。このときの2/3或いは半数の値が整数
にならない場合には、少数点以下切り上げて整数とす
る。
【0043】本発明においてポリグリセリン誘導体の調
製のために使用するポリグリセリンはグリセリン複数分
子が縮合重合したポリマーであり、工業的に製造されて
いる市販の化合物を購入、入手することができ、例えば
坂本薬品工業製のポリグリセリン#310、ポリグリセ
リン#500、ポリグリセリン#750が挙げられる。
ポリグリセリンを合成してもよく、グリセリンを水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸等の触媒存在下20
0〜250℃に加熱し、脱水縮合することにより得るこ
とができる。前記ポリグリセリン誘導体の調製に使用す
るポリグリセリンの重合度は、2〜30であればよい
が、より好ましくは3〜10が生成物の性状、溶剤に対
する溶解性、最終の成型品にしたときの耐熱老化性の点
で好ましい。尚、ポリグリセリンはα−位で縮合した直
鎖状ポリグリセリン以外に一部β位で縮合した分岐状ポ
リグリセリン及び環状ポリグリセリンを含有してもよ
い。
【0044】本発明に使用するポリグリセリン誘導体、
即ちポリグリセリン脂肪酸エステルを調製する場合、従
来技術を利用して行うこともできる(例えば、特開平4
−202429号公報参照)が、別途調製することもで
きる。
【0045】ポリグリセリンと脂肪酸から直接エステル
化法によりポリグリセリン誘導体を調製するには、特に
困難は無く、例えば前記式:RCOOHで示される脂肪
酸と、好ましくは前記重合度を有するポリグリセリンを
常法により反応すればよい。
【0046】脂肪酸としては、炭化水素系モノカルボン
酸が好ましく、その場合カルボキシル基を1個有する以
外は水酸基、アミノ基、メルカプト基等のカルボキシル
基と反応する官能基を有しない1個のカルボキシル基の
みを官能基として有する有機化合物(炭化水素)が特に
好ましい。更に好ましくは、1個のカルボキシル基以外
では分子内に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ
原子をを有しないモノカルボン酸であり、例えば炭素数
5〜31の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和アル
キル基(炭化水素残基)を有するモノカルボン酸がより
好ましい。
【0047】従って、Rとしては好ましくは炭素数4〜
30の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和アルキル
基(炭化水素残基)を表す。不飽和アルキル基は、飽和
炭化水素基ではなく、その中に1個か複数の二重結合及
び/又は三重結合を有する炭化水素残基を意味する。芳
香族環や脂環式環は含まれない方が好ましい。
【0048】ポリグリセリン誘導体を脂肪酸の直接反応
により調製する場合に使用される脂肪酸としては、例え
ばカプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ノナン酸、
カプリン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
ベヘニン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、イソノナン酸、アラキン酸等の脂
肪族モノカルボン酸等が挙げられる。
【0049】ポリグリセリンと脂肪酸の反応を行う場合
は脱水しながら行われる。通常反応温度は90〜210
℃で行うのが好ましい。250℃以上であると、反応生
成物に着色をきたし、90℃以下であると反応時間が長
くなり、何れも好ましくない。また、反応は窒素気流下
で行う方が着色の少いものが得られる点で好ましい。反
応時間としては0.5〜24時間行うのが一般的であ
る。反応に際して、反応溶剤や触媒を使用することがで
きる。
【0050】ポリグリセリンと脂肪酸の反応に溶剤を使
用する場合、用いられる反応溶剤としては、トルエン、
キシレン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系
溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系溶剤が好ましい。
【0051】上記の如く、ポリグリセリンと脂肪酸のエ
ステル化反応に触媒を使用することができるが、その場
合の触媒としては、この種の反応に通常使用される、例
えばテトラメチルアンモニウムクロリド、テトラブチル
アンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロ
ミド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラメチ
ルアンモニウムヨウ化物、テトラブチルアンモニウムヨ
ウ化物、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリ
メチルアンモニウムヨウ化物等の四級アンモニウム塩、
テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホス
ホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミ
ド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラメチル
ホスホニウムヨウ化物、テトラブチルホスホニウムヨウ
化物、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベン
ジルトリメチルホスホニウムブロミド、ベンジルトリメ
チルホスホニウムヨウ化物、テトラフェニルホスホニウ
ムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テ
トラフェニルホスホニウムヨウ化物等の四級ホスホニウ
ム塩の他、トリフェニルホスフィン等のリン化合物、酢
酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息
香酸ナトリウム等の有機カルボン酸塩、ナトリウムアル
コラート、カリウムアルコラート等のアルカリ金属アル
コラートの他、三級アミン類、有機錫化合物、有機アル
ミニウム化合物、有機チタネート化合物、及び塩化亜鉛
等の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0052】本発明において、ポリグリセリンと脂肪酸
からエステルを調製する場合の反応比率はポリグリセリ
ンの重合度:aにより異なるが、(a+2)個の水酸
基:OH基を有するポリグリセリン1モルに対して1モ
ル以上2×(a+2)/3モル以下の脂肪酸と反応させ
たポリグリセリン誘導体が好ましい。より好ましくは、
1モル以上(a+2)/2モル以下の脂肪酸と反応させ
たポリグリセリン誘導体が好ましい。ポリグリセリン1
モルに対して1モルより少ない脂肪酸と反応させたポリ
グリセリン誘導体は樹脂に対する相溶性が悪く、熱可塑
性樹脂組成物の加工性を低下させる。更に、ポリグリセ
リン1モルに対して2モル以上2×(a+2)/3モル
以下の脂肪酸と反応させたポリグリセリン誘導体は樹脂
に対する相溶性がよく、加工性の点で特に優れる。ま
た、2×(a+2)/3モル以上の脂肪酸と反応させた
ポリグリセリン誘導体は耐熱老化性改善効果が得られ難
く、(a+2)/2モル以下の脂肪酸と反応させたポリ
グリセリン誘導体は耐熱老化性で特に優れる。
【0053】また、本発明に使用するポリグリセリン誘
導体は、脂肪酸エステルとポリグリセリンとを反応する
(エステル交換法)ことにより調製することもできる。
ここで、使用されるポリグリセリンについては前記説明
の通りであり、脂肪酸エステルとしては、例えばアルコ
ールと脂肪酸とをエステル化反応に付して得られる脂肪
酸のアルコールエステルを使用すればよい。ここで使用
される脂肪酸については、ポリグリセリンと脂肪酸とを
反応して本発明に使用するポリグリセリン誘導体を調製
する方法において使用する脂肪酸として上記に説明した
脂肪酸を使用することができる。
【0054】また、アルコールには、例えば炭素数1〜
5の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和の炭化水素
基を有するアルコールを用いるとよい。例えば、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、n−
ペンチルアルコール等が挙げられる。
【0055】上記本発明に使用するポリグリセリン誘導
体の調製において採用される脂肪酸エステルの具体的な
例としては、ステアリン酸のメチル、エチル、イソプロ
ピル、n−プロピル、n−ブチル等のアルコールエステ
ルや、カプロン酸、エナンチル酸、オクチル酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸等の脂
肪酸のメチルエステル等が挙げられる。
【0056】ポリグリセリンと上記脂肪酸エステルとを
反応させて本発明に使用するポリグリセリン誘導体を調
製する場合の反応については、常法により脱アルコール
しながら行うとよい。反応条件については、前記した、
ポリグリセリンと脂肪酸との反応によりポリグリセリン
をエステル化する方法において説明された反応条件(反
応時間等)を適宜選択利用することができる。反応物質
の反応比率についても、ポリグリセリンと脂肪酸との反
応によりポリグリセリン誘導体を調製する方法において
上記に説明された反応比率に準ずればよく、そこで使用
される脂肪酸の代わりに脂肪酸エステルの量を適当に選
択すればよい。
【0057】このようにして調製されるポリグリセリン
誘導体において脂肪酸エステル化されていない水酸基が
存在する場合、この水酸基は更に何ら修飾されていない
誘導体が好ましいが、本発明で得られる耐熱老化性改善
効果を有する限り、一部修飾されたり、保護された誘導
体であっても本発明におけるポリグリセリン誘導体に含
まれる。
【0058】ロ.N−アシル塩基性アミノ酸 本発明に使用するN−アシル塩基性アミノ酸は、塩基性
アミノ酸の少なくとも1つのアミノ基又はイミノ基がア
シル化された誘導体であり、α−位でないN−、例えば
ω−アシル塩基性アミノ酸が耐熱老化性改善や加工性
改善の点で好ましい。
【0059】本発明におけるN−アシル塩基性アミノ酸
を構成する塩基性アミノ酸は、塩基性アミノ酸であれば
何れも採用可能である。L−体に限らず他の異性体、例
えばD−体やDL−体、これら混合物も採用可能であ
る。塩基性アミノ酸の種類としては、天然に存在し入手
し易いという点でリジン、オルニチン、ヒスチジン及び
アルギニン、α・γ−ジアルキル酪酸、及びそれらのN
α−低級アルキル置換体が好ましいが、耐熱老化性改善
の点で特にリジン及びオルニチンが好ましい。
【0060】本発明に使用するN−アシル塩基性アミノ
酸は、同一種類のN−アシル塩基性アミノ酸、即ち1種
類の塩基性アミノ酸の同一アシル基によるN−アシル体
でもよく、また複数の異種N−アシル体によるN−アシ
ル体混合物であってもよい。例えば、同一脂肪酸を構成
するアシル基によりNω−アシル化された形のアシル体
と、当該脂肪酸を構成するアシル基とは異なる脂肪酸の
アシル基により塩基性アミノ酸のNω−アミノ基がアシ
ル化された形のN−アシル体との混合物でもよい。ま
た、それを構成する塩基性アミノ酸の種類が複数含まれ
る混合物も、本発明に使用するN−アシル塩基性アミノ
酸として使用可能である。
【0061】本発明に使用するN−アシル塩基性アミノ
酸を塩基性アミノ酸から製造する場合の塩基性アミノ酸
は、工業的に製造されている市販品を購入、入手するこ
とができる。
【0062】本発明に使用するN−アシル塩基性アミノ
酸を調製する場合、従来技術を利用して行うこともでき
る。例えば、塩基性アミノ酸を常法のアシル化方法、特
にN ω−位アミノ基(及び/又はイミノ基)をアシル化
する方法に付すとよい(例えば、特公昭51−2861
0号公報参照)。
【0063】別途、N−アシル塩基性アミノ酸を直接製
造することもできるし、また、例えばモノカルボン酸エ
ステルやモノカルボン酸クロライドを使用して製造する
こともできる。
【0064】塩基性アミノ酸とモノカルボン酸とを反応
させてN−アシル塩基性アミノ酸を製造する場合のモノ
カルボン酸としては炭化水素系モノカルボン酸が好まし
く、その場合カルボキシル基を1個有する以外は水酸
基、アミノ基、メルカプト基等のカルボキシル基と反応
する官能基を有しない1個のカルボキシル基のみを官能
基として有する有機化合物(炭化水素)が特に好まし
い。更に好ましくは、1個のカルボキシル基以外では分
子内に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を
を有しないモノカルボン酸であり、例えば炭素数5〜3
1の直鎖若しくは分岐鎖の、飽和又は不飽和アルキル基
(炭化水素残基)を有するモノカルボン酸がより好まし
い。
【0065】前記不飽和アルキル基は、飽和炭化水素基
ではなく、その中に1個か複数の二重結合及び/又は三
重結合を有する炭化水素残基を意味する。芳香族環や脂
環式環を含まない方が好ましい。
【0066】塩基性アミノ酸とモノカルボン酸の直接反
応によりN−アシル塩基性アミノ酸を製造する場合に使
用される脂肪酸としては、例えばカプロン酸、エナンチ
ル酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、オクチル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、パルミチ
ン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、
イソノナン酸、アラキン酸等の脂肪族モノカルボン酸等
が挙げられる。
【0067】塩基性アミノ酸のカルボン酸塩から脱水反
応によりN−アシル塩基性アミノ酸を製造する場合は、
例えば上記のモノカルボン酸の塩を使用して加温による
通常の脱水をしながら行われる。通常反応温度は90〜
250℃で行うのが好ましい。250℃以上であると、
反応生成物に着色をきたし、90℃以下であると反応時
間が長くなり、何れも好ましくない。また、反応は窒素
気流下で行う方が着色の少いものが得られる点で好まし
い。反応時間としては0.5〜24時間行うのが一般的
である。反応に際して、反応溶剤や触媒を使用すること
ができる。
【0068】上記脱水反応に溶剤を使用する場合、用い
られる反応溶剤としては、トルエン、キシレン、n−ヘ
キサン、石油エーテル、流動パラフィン等の炭化水素系
溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等
の無水の有機溶剤溶剤が好ましい。
【0069】次に、本発明について使用する樹脂につい
て説明する。 [2] 樹脂について 本発明に使用する樹脂としては特に限定されないが、難
燃性樹脂組成物として用いる場合、通常熱可塑性樹脂が
使用される。このような熱可塑性樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、6ナイロ
ン、66ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテ
ルエーテルケトン、ポリイミド等のエンジニアリングプ
ラスチック、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の
ハロゲン系樹脂、その他複合材料の分野で使用される熱
可塑性樹脂を挙げることができ、また1種又はそれら複
数の樹脂を併用することもできる。
【0070】これらの中で、本発明に使用する表面処理
剤の成分との相溶性、耐熱老化性改善の点でポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリエステル系樹
脂等が好適であるが、燃焼時の有毒なハロゲン系ガスの
発生や、近年話題となっているダイオキシン類発生の問
題を回避するために、難燃性樹脂組成物に用いる樹脂と
してはハロゲン原子を含まないノンハロゲン系の樹脂が
好ましく用いられる傾向にある。このような観点から、
例えば電線、ケーブル等や壁紙等用途にはポリオレフィ
ン系樹脂好ましく用いられるようになっている。
【0071】ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン
の単独重合体、エチレンと他のα−オレフィン(プロピ
レン等)との共重合体、エチレンと酢酸ビニル又はエチ
ルアクリレート等アクリレート系モノマーとの共重合
体、エチレン以外のα−オレフィン(プロピレン等)の
単独重合体、α−オレフィンと共重合可能なビニルモノ
マーとの共重合体等を挙げることができる。
【0072】具体例としては、高圧法低密度ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、高密度ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン、気相法直鎖状低密度ポリエチレン、気相法
超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム、イソブチレン−イソ
プレンゴム、ポリプロピレン、ポリブテン−1等を挙げ
ることができ、これら1種又は複数混合して使用するこ
とができる。
【0073】次に、本発明に使用する天然産の水酸化マ
グネシウムついて説明する。 [3] 水酸化マグネシウムについて 本発明に使用する天然産の水酸化マグネシウムとして
は、例えば海水中のニガリ成分から精製した比較的精製
度の低いもの、水酸化マグネシウム以外の形態(例え
ば、炭酸マグネシウム等の形態)で存在する鉱物から調
製した比較的精製度の低いもの、水酸化マグネシウムを
主成分とするブルーサイト等の鉱物を粉砕したもの等が
挙げられる。特に、水酸化マグネシウムの含有量の高い
ブルーサイト等の鉱物から調製される水酸化マグネシウ
ムは、調製コストが主に粉砕のみであり、粉体の形状は
不定形で不揃いであるが、工業的に用いるメリットが非
常に高い。鉱物粉砕品を本発明に使用する場合、粒子径
で示すと細かくても支障は無いが、好ましくは1μm以
上の粉体、例えば1〜10μm程度の粉体が実用的であ
り好ましい。
【0074】天然産の水酸化マグネシウムは多くの不純
物を含んでいるが、特に鉄等の重金属が樹脂の耐熱老化
性を悪くする原因となる。例えば、本発明者等がICP
( Inductively Coupled Plasma )法で、市販の水酸
化マグネシウム中の鉄分を分析(鉄原子換算で)した結
果は以下の通りであった。 (1) 電線、ケーブル等の用途に用いられる精製水酸化
マグネシウム:6.5ppm; (2) 海水由来の未精製水酸化マグネシウム:144p
pm;及び (3) 鉱物粉砕品天然産の水酸化マグネシウム1750
ppm。
【0075】本発明では上記(1)精製水酸化マグネシウ
ムではなく、(2)や(3)示されるような不純物の含有量が
多く、非常に安価に入手できる天然産の水酸化マグネシ
ウムを樹脂組成物へ適用することができるので、本発明
は工業的に極めて優れている。更に、不純物の含有とは
無関係に、粒度や形状の不均一等物理的不揃い品の水酸
化マグネシウムの使用も効果的である。即ち、本発明に
使用する水酸化マグネシウムとしては、前記高純度の精
製水酸化マグネシウムではなく、このような不純物を含
んだ水酸化マグネシウム或いは/及び粒度や粉砕品に見
られるような形状の不均一性等物理的不揃い品が本発明
において大きな効果を奏する。また、例えば、精製品で
なくとも一部精製品でも或る程度の不純物を含むもの或
いは物理的不揃い品を含むものについても本発明の効果
を奏するので使用可能である。従って、本発明に使用す
る水酸化マグネシウム、特に難燃性樹脂組成物に使用す
る水酸化マグネシウムの純度としては、耐熱老化性及び
加工性改善について大きな効果が得られるという観点か
ら或る程度の不純物を含むものが好適に採用される。こ
のような水酸化マグネシウムを当業者であれば適宜選択
することができるが、鉄分含有量を基準とすれば、使用
する水酸化マグネシウム(不純物込み)に対し重量比で
鉄分含有量が、鉄原子換算で好ましくは少なくとも10
ppm(10ppm以上)、より好ましくは少なくとも
50ppm(50ppm以上)である方が効果的であ
る。一方、不純物含有量の上限についても、ある程度の
不純物を含むものが効果的であるが多過ぎると効果をあ
まり奏しなくなるので5000ppm程度が好ましい。
同様に上記鉄原子換算でより効果を奏する観点からその
範囲を示すと、好ましくは50〜5000ppm程度、
より好ましくは100〜5000ppm程度、更に好ま
しくは100〜3000ppm程度、より更に好ましく
は1000〜2500ppm程度を含む水酸化マグネシ
ウムが採用できる。
【0076】本発明に使用する天然産の水酸化マグネシ
ウムの純度については、特に限定されないが、難燃剤用
途に用いる場合で通常85%(重量)以上、好ましくは
90%(重量)以上、更に好ましくは95%(重量)以
上である。市販されている天然産の水酸化マグネシウム
の純度は通常95%(重量)以上であり、本発明に好適
に使用することができる。市販品としては、鋼管鉱業
製、神島化学製等各種の製品が知られているので、簡便
には市販品を購入使用することができる。
【0077】全不純物の含有量で示すと、好ましくは1
0%未満(重量)、より好ましくは5%以下の水酸化マ
グネシウムを使用することができる。
【0078】一方、物理的不揃い品の程度に関しては特
に制限されるものではない。例えば、天然産ブルーサイ
ト等の水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉
砕したものと実質的に同等の品質を有するもの或いはこ
れを含む水酸化マグネシウムを使用することができる。
【0079】本発明の樹脂添加剤組成物、或いは樹脂組
成物に配合される天然産の水酸化マグネシウム及び本発
明に使用する表面処理剤の配合比率については、、使用
する樹脂の種類や水酸化マグネシウムの物性等により適
宜選択すればよい。好ましくは、天然産の水酸化マグネ
シウム及び当該表面処理剤を、重量比で水酸化マグネシ
ウム100対当該エステル体0.05〜10、より好ま
しくは0.1〜5程度の比率で含有することができる。
天然産の水酸化マグネシウムの重量に関してはその中に
含まれる水酸化マグネシウムMg(OH)2に換算した
もので上記比率が算定される。
【0080】樹脂に対する配合量に関しては、樹脂10
0重量部に対して、本発明に使用する表面処理剤を好ま
しくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、
更に好ましくは0.1〜5重量部程度含有するとよい。
多過ぎると、ブリードアウトや物性の劣化を起こし、少
な過ぎると老化防止等の効果が十分でなくなるので、何
れも好ましくない。
【0081】当該水酸化マグネシウムの使用量について
は、樹脂100重量部に対して難燃性樹脂組成物として
好ましくは、当該水酸化マグネシウム、Mg(OH)2
算で0.1〜300重量部程度、好ましくは1〜250
重量部程度、より好ましくは10〜200重量部程度、
更に好ましくは50〜200重量部程度である。多過ぎ
ると成型した場合混練が困難となり実用的ではなく、ま
た加工性、強度、剛性等十分でなくなる。一方少な過ぎ
ると難燃性の付与効果が不十分となり、何れも好ましく
ない。
【0082】本発明で難燃剤(難燃性充填剤)として使
用する水酸化マグネシウム以外に充填剤を必要により使
用することもできる。
【0083】次に、使用できる場合のその他の充填剤に
ついて説明する。 [4] 充填剤について 本発明において、その他の充填剤を使用する場合の充填
剤としては、通常複合材料の分野で用いられるものであ
れば特に限定されない。具体的には、ガラス繊維、炭素
繊維、金属繊維等の繊維類や、ケイ砂、ケイ石、カーボ
ンブラック、黒鉛、酸化チタン、酸化鉄黒、亜鉛黄、ベ
ンガラ、ウルトラマリンバイオレット、亜鉛緑、酸化鉄
黄等の顔料、合成ケイ酸塩、白亜、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸バリウム、クレ
イ、タルク、シリカ、ワラストナイト、ケイ酸カルシウ
ム、石膏、アルミニウム粉、亜鉛末、亜酸化鉛等の充填
剤、MO・Fe23(MはBa、Sr、Ca、Mg、Z
n、Pbの一種又は2種以上)より成るフェライト磁性
粉末、鉛等を挙げることができる。
【0084】本発明に使用する表面処理剤で処理された
水酸化マグネシウムを調製する場合、その調製方法とし
ては、(1)本発明に使用する難燃剤(天然産の水酸化
マグネシウム)に当該表面処理剤をそのまま添加し、ヘ
ンシェルミキサー、ボールミル、アトマイザーコロイド
ミル、バンバリミキサーの撹拌機を用いて表面処理をす
る乾式法や、(2)溶剤に前記表面処理剤と難燃剤を加
え、撹拌、混合後、溶剤を除去する湿式法等を採用して
実施すればよい。
【0085】また、上記表面処理方法の中で湿式法
(2)で用いられる溶剤としては、フタル酸ジイソブチ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル
酸ジブチル等のフタル酸エステル類、トルエン、キシレ
ン、高沸点石油炭化水素、n−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタン等の炭化水素系溶剤、塩化メチレン、
クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ブチルエー
テル、ブチルエチルエーテル、ジグライム等のエーテル
系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
イソホロン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、2−メトキシプロピルアセテート等のエステル溶
剤、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロパノール、ブタノール等のアル
コール溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレ
ングリコールのモノエーテル系溶剤の他、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、水
等が挙げられ、また、これ等は単独又は2種以上を適宜
混合して使用することができる。
【0086】使用する表面処理剤の溶解性が低い場合に
は、溶剤を加熱して用いても構わない。
【0087】本発明において酸化防止剤を併用使用する
ことにより、樹脂に対して更に耐熱老化性の効果が改善
される。
【0088】次に、酸化防止剤を使用する場合の酸化防
止剤について説明する。 [5] 酸化防止剤について 本発明において、酸化防止剤を使用する場合の酸化防止
剤としては、それ自体常温常圧で固体状が好ましく、通
常複合材料の分野で使用されるものであれば特に限定さ
れないが、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、テトラキス{メチレン−3(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト}メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタン等のフ
ェノール系酸化防止剤、トリイソデシルホスファイト、
ジフェニルイソデシルホスファイト、トリフェニルホス
ファイト、トリノニルフェニルホスファイト等のリン系
酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステ
アリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオ
ジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤、フェニル−β
−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニ
レンジアミン等のアミン系酸化防止剤等が挙げられる
が、これらを2種類以上併用することもできる。
【0089】酸化防止剤が常温常圧で液体状の場合、樹
脂や粉体等と混合する際、不均一となり易い。一方、固
体状の場合、それ自体の分散性が良くないが、本発明に
使用する表面処理剤がその分散剤として作用するため、
好適に使用できる。
【0090】酸化防止剤を使用する場合の熱可塑性樹脂
等に対する添加剤の配合比率に関しては、当該熱可塑性
樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを前記
配合量、本発明に使用する表面処理剤を前記配合量、酸
化防止剤を好ましくは0.01〜10重量部、より好ま
しくは0.1〜5重量部程度配合すればよい。
【0091】本発明の樹脂組成物或いはそれを用いて樹
脂成型品を製造する場合は、特に困難はなく、表面処理
方法自体、或いは成型方法自体等、従来から使用され又
は知られている方法を利用して製造することができる。
特に好ましくは、難燃性充填剤として水酸化マグネシウ
ムを樹脂に配合使用する方法として知られている公知の
方法を利用して、例えば前記表面処理剤を使用したり、
電線、ケーブル等への樹脂被覆製品を製造することがで
きる。
【0092】通常、本発明の熱可塑性樹脂等組成物を具
体的に製造する方法として、例えば 1)例えば必要により固体状である酸化防止剤を予め前
記表面処理剤で処理を行ってから熱可塑性樹脂、更に難
燃剤、その他必要により使用する添加剤と混合、混練す
る方法、2)酸化防止剤と本発明に使用する表面処理
剤、熱可塑性樹脂等、更に難燃剤やその他の添加剤を一
度に混合、混練する方法、或いは3)前記難燃剤を予め
前記表面処理剤で処理を行い、処理を行った難燃剤と酸
化防止剤及び熱可塑性樹脂等を混合、混練する方法等が
ある。以下に、熱可塑性樹脂組成物の具体的な製造方法
を説明する。
【0093】本発明において酸化防止剤を併用使用する
ことができることは前記の通りであるが、例えば前記表
面処理剤で処理された酸化防止剤、例えば固体状の酸化
防止剤の調製方法としては、固体状の酸化防止剤に当該
エステル体をそのまま添加し、ヘンシェルミキサー、ボ
ールミル、アトマイザーコロイドミル、バンバリミキサ
ーの撹拌機を用いて表面処理をする乾式法等を採用して
実施すればよい。
【0094】(1)熱可塑性樹脂100重量部に対して
乾式法で前処理した固体状の酸化防止剤0.01〜10
重量部をホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バンバ
リミキサ、アトマイザー等の撹拌機で撹拌して得る方
法、や(2)熱可塑性樹脂100重量部に対し未処理の
固体状の酸化防止剤0.01〜10重量部、表面処理剤
前記適当量をホモミキサー、らいかい機、ニーダー、バ
ンバリミキサ、ロール、インターナルミキサ等の撹拌機
で撹拌して得る方法等がある。尚、これ等の製造時にお
いて、使用する表面処理剤を全て同時に使用する必要は
無く、一部を前処理に用い、一部を熱可塑性樹脂組成物
製造時に添加する方法を用いてもよい。また、混練温度
は熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、使用する熱可
塑性樹脂のゲル化温度を参考にして設定するとよい。
【0095】本発明の組成物を用いて樹脂成型物を製造
する場合、特に困難は無く、常法の樹脂成型方法を利用
することができるが、その製造方法を例示すると、上記
方法で製造した熱可塑性樹脂組成物を用いて、ロール、
プレス、押し出し成型機、トランスファー成型機、射出
成型機により成型して、樹脂成型物を容易に取得するこ
とができる。
【0096】本発明の樹脂組成物による被覆電線を製造
する場合、天然産の水酸化マグネシウム、特に好ましく
は水酸化マグネシウムを主成分として含む天然鉱物を粉
砕し、これを本発明に使用する前記表面処理剤の所定量
で表面処理を施し、使用する樹脂に添加する。この樹脂
組成物を用いて、それ自体通常の成型(被覆)方法に従
って、成型(被覆)すればよい。
【0097】当然のことながら、得られる樹脂被覆物、
成型物や成型品も本発明の範囲内に含まれる。
【0098】更に、本発明の樹脂添加剤組成物又は樹脂
組成物には、必要に応じて本発明の特徴を損なわない範
囲で安定剤、有機又は無機の顔料、染料、可塑剤、脂肪
酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド等の滑剤、整泡剤、発泡
剤、リン酸エステル、アンチモン等その他の難燃剤、紫
外線吸収剤、モノグリセライド、アミン化合物等の帯電
防止剤、造核剤(ポリマーの結晶化を促進し、透明な成
型品を与える。)を1種又は複数併用して含まれること
ができる。
【0099】本発明には、前記樹脂組成物は勿論、それ
より成型して得られる樹脂成型物や成型品が含まれる。
更に、難燃性樹脂組成物として使用可能な樹脂組成物と
して使用する目的で、本発明に使用する表面処理剤の1
種、又はこれに天然産の水酸化マグネシウムを加えた2
種、又は必要によりこれに更に酸化防止剤を加えた3種
を、それぞれ少なくとも含有する(これ等複数が混合し
て含まれる場合や、混合されてはいないが本発明の目的
のために組み合わされた形で含まれる場合でもよい。)
組成物(難燃性水酸化マグネシウムの表面処理剤或るい
は樹脂添加剤組成物等として)、及びその対象となる熱
可塑性樹脂等の樹脂も本発明に含まれる。
【0100】ポリグリセリン誘導体の場合は、酸化防止
剤特に固体状の酸化防止剤に対して親和性があり、速や
かに表面に吸着するので、その併用が特に好ましい。
【0101】
【実施例】次に、本発明の樹脂添加剤組成物について、
その内容を製造例、実施例及び比較例を挙げて詳細に説
明する。尚、以下の製造例、実施例等は本発明の範囲を
限定するものではなく、本発明の内容をより明確に例示
するためにのみ使用される。また、各例における「部」
及び「%」は何れも重量基準によるものである。
【0102】(製造例1)ポリグリセリン誘導体の調製
(1) 温度計、攪拌機、窒素導入口及び還流管を備えた反応フ
ラスコ内に、ステアリン酸 50.0部、ポリグリセリ
ン(坂本薬品工業製ポリグリセリン#500)87.88
部及びテトラブチルチタネート(純正化学製)0.01
部を仕込み窒素気流下で160℃まで4時間かけて昇温
し、160℃で2時間加熱した後、反応液の酸価が1
(mgKOH/g)程度になるまで加熱を行った。次い
で、室温まで冷却した。
【0103】以下、この反応液をポリグリセリン誘導体
PG−1と称する。ポリグリセリン誘導体PG−1に含
まれるポリグリセリン誘導体は、数平均分子量が76
4.41でOH価が547.18(mgKOH/g)、
酸価が0.50の特性を有していた。
【0104】(製造例2−11)ポリグリセリン誘導体
の調製(2)−(11) 製造例1と同様に、下記表1に示される配合で酸価が1
(mgKOH/g)程度になるまで反応を行い、ポリグ
リセリン誘導体PG−2〜11を得た。得られたポリグ
リセリン誘導体のそれぞれの数平均分子量、OH価及び
酸価を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】(実施例1〜3及び比較例1〜5)EEA
樹脂配合難燃性評価 表2に示した組成配合により、天然産の水酸化マグネシ
ウム(純度:Mg(OH)2の含有量で97%、鉄分含
有量:鉄元素換算で1750ppm、平均粒径3μm、
鋼管鉱業(株)製)、処理剤(試料)、ステアリン酸カ
ルシウム(堺化学(株)製)を採取、10リットルヘン
シェルミキサー(PB−10、三井鉱山(株)製)で3
000rpm/3分間混合した。この混合物とEEA樹
脂(J−REX、日本ポリオレフィン(株)製、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体)をドライブレンド
し、2軸ニーダー(S1コンテニアスニーダー、栗本鉄
工所(株)製)で混練、ペレット化した後、オーブン中
で80℃、24時間乾燥した。このペレットのメルトフ
ローレートを、JIS K 7210に準じて、メルト
フローインデクサーP−111((株)東洋精機製作所
製)を使用し、測定条件:230℃、荷重5.0Kgf
で測定した。
【0107】これを160℃で3分間、加熱ロールを使
用してシート化し、厚さ3mmの型枠にこのシートを入
れ180℃、100Kg/cm2で4分間プレス成型し
板を作成した。このように作製された板を用いて、オー
ブン中180℃で加熱し、目視にて変色を観察し、オー
ブンライフを測定した。その結果を表2に示す。
【0108】尚、上記評価に使用した処理剤(試料)
は、前記製造例1及び2で得られたポリグリセリン誘導
体:PG−1及びPG−2、並びにN−ラウロイルリジ
ン(味の素(株)製、フェメックスL−12;「L−1
2」と略称する。)である。
【0109】(評価方法)オーブンライフテスト結果に
ついて、○:変色無し;×:褐色を表す。
【0110】尚、表2において、ステアリン酸:日本油
脂(株)製;T−1:チタネート系カップリング剤(味
の素(株)製、KR TTS);S−1:シラン系カッ
プリング剤(日本ユニカー(株)製、A−1100);
オレイン酸アンモニウム:市販の25%アンモニア水2
5gに水道水100gを添加、これに撹拌しながらオレ
イン酸(東京化成(株)製)100gを滴下、3時間撹
拌した。この中和液を乾燥して、得られた淡黄色固体を
使用した。
【0111】
【表2】
【0112】表2の結果から明らかなように、本発明に
使用する表面処理剤の使用により天然産の水酸化マグネ
シウムを樹脂、特に熱可塑性樹脂の充填剤として使用し
たときに、耐熱老化性及び加工性において優れた効果が
得られる。従って、本発明の樹脂組成物(特にノンハロ
ゲン樹脂組成物)を電線等の被覆に好適に使用できる。
【0113】
【発明の効果】天然産の水酸化マグネシウムを充填剤と
して使用する樹脂組成物において、ポリグリセリン分子
の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化されてい
るポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基性アミノ酸
の少なくとも1種を水酸化マグネシウムの表面処理剤と
して含有、使用することにより、耐熱老化性及び加工性
を著しく改善することができる。本発明の樹脂添加剤組
成物又は樹脂組成物は、特に難燃性樹脂として電線、ケ
ーブル等の用途及び壁紙等の用途における使用に極めて
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5:17) (72)発明者 田中 祐之 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−2 味の 素ファインテクノ株式会社内 (72)発明者 大塚 勝弘 群馬県佐波郡玉村町川井155−1 エヌピ ー化成株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB031 BB041 BB121 BB151 BB171 BB181 BC031 BD041 BD101 BN151 CF061 CF071 CF081 CH052 CH071 CH091 CL011 CL031 CM041 CN011 DE077 EH046 EH056 EN116 FB087 FB267 FB292 FB296 FD010 FD017 FD070 FD130 FD137 GQ01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリグリセリン分子の水酸基の少なくとも
    1個が脂肪酸エステル化されているポリグリセリン誘導
    体及びN−アシル塩基性アミノ酸の少なくとも1種と、
    天然産の水酸化マグネシウムとを含有することを特徴と
    する樹脂添加剤組成物。
  2. 【請求項2】当該水酸化マグネシウムが、ポリグリセリ
    ン分子の水酸基の少なくとも1個が脂肪酸エステル化さ
    れているポリグリセリン誘導体及びN−アシル塩基性ア
    ミノ酸の少なくとも1種で表面処理された状態にある請
    求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】樹脂中に請求項1記載の組成物を含有する
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 【請求項4】天然産の水酸化マグネシウムが水酸化マグ
    ネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものである
    請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】樹脂が熱可塑性樹脂である請求項3記載の
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であ
    る請求項5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】ポリグリセリン誘導体における脂肪酸エス
    テル化部分のアシル基及び/又はN−アシル塩基性アミ
    ノ酸を構成するアシル基が、炭素数5〜31の直鎖若し
    くは分岐鎖、飽和又は不飽和の炭化水素系モノカルボン
    酸を構成するアシル基である請求項1記載の組成物。
  8. 【請求項8】N−アシル塩基性アミノ酸を構成する塩基
    性アミノ酸がリジン、アルギニン、オルニチン及びヒス
    チジンの少なくとも1種である請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】請求項3記載の樹脂組成物を使用して得ら
    れたことを特徴とする樹脂成型物及び当該成型物を含む
    製品。
  10. 【請求項10】請求項3記載の樹脂組成物を使用して製
    造された電線、ケーブル等である請求項9記載の樹脂成
    型物及び当該成型物を含む製品。
  11. 【請求項11】ポリグリセリン分子の水酸基の少なくと
    も1個が脂肪酸エステル化されているポリグリセリン誘
    導体及びN−アシル塩基性アミノ酸の少なくとも1種を
    含有することを特徴とする天然産の水酸化マグネシウム
    用表面処理剤。
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