JP2018087705A - 薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法 - Google Patents

薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動による外乱ノイズが比較的大きい場合であっても、極めて低いレベルまで除去可能な、薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法を提供することを目的とする。【解決手段】薄鋼帯に近い方と遠い方のそれぞれに同一巻き数のサーチコイルが巻回された棒状の強磁性体コアと、該棒状の強磁性体コアの前後面及び上方にギャップを挟んで囲うコの字型形状の強磁性体コアとを備えた差分式磁気センサと、前記サーチコイルを差動となるよう直列に接続した出力を増幅する増幅器と、所定の通過周波数帯域に設定されるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタ後の波形を全波整流する全波整流器とを備えた信号処理部と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、強磁性体である薄鋼帯に直流磁界を印加して、この薄鋼帯の内部又は表面に存在する欠陥に起因する漏洩磁束を、薄鋼帯の幅方向へアレイ状に対向配列された複数個の磁気センサで検出することによって探傷する、薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法に関するものである。
漏洩磁束を検出することによって鋼帯などの被検査体の内部や表面に存在する欠陥を検出する磁気探傷装置が、従来より知られている。具体的には、特許文献1には、被検査体の走行方向に配列されたE型形状の強磁性体コアとサーチコイルから構成されるE型磁気センサを用いて漏洩磁束を検出することによって、欠陥を検出する磁気探傷装置が開示されている。
図7は、従来技術によるE型磁気センサの動作を示す図である。特許文献1に記載の磁気探傷装置によれば、図7に示すように、E型磁気センサ13は、強磁性体コア1の3個の脚1a〜1cの列が被検査体である薄鋼帯5の走行方向に沿うように配置されている。
欠陥6が図7(a)で示す位置にあるとき、欠陥漏洩磁束7は強磁性体コア1の脚1aから脚1cを通過し、サーチコイル2を下向きに通過する。薄鋼帯5が走行して欠陥6が図7(b)で示す位置に来ると、欠陥漏洩磁束7は脚1cから脚1bを通過し、サーチコイル2を上向きに通過する。
よって、欠陥6の通過に伴ってサーチコイル2を通過する磁束が変化し、サーチコイル2には磁束の変化量に比例した電圧が発生する。このE型磁気センサ13の出力信号をハイパスフィルタへ入力、薄鋼帯5の走行速度Vに応じて、前記ハイパスフィルタのカットオフ周波数を設定することによって、高いS/N比で欠陥の検出が可能としている。
続いて特許文献2には、前記E型磁気センサを被検査体である薄鋼帯の幅方向に千鳥状に複数個配置し、各E型磁気センサの出力信号を増幅後、バンドパスフィルタを介して全波整流器へ入力、薄鋼帯の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号を減算器により減算し、この減算器の出力信号に基いて欠陥を検出する磁気探傷装置が開示されている。
前記特許文献2に記載の磁気探傷装置によれば、各E型磁気センサに対応した全波整流器の感度は、あらかじめ基準サンプル欠陥などにより、全波整流器間で同一になるように調整されているので、振動ノイズに対する全波整流器の感度も隣接するチャンネル間であれば全波整流器間で同一となり、減算処理によって振動ノイズを除去できることから、高S/N比で欠陥を検出することができるとしている。また、薄鋼帯の走行方向におけるE型磁気センサの間隔を、互いの欠陥検出信号により打ち消し合うことのないように設定することで、欠陥信号を減衰させることなく振動ノイズのみを除去することが可能であるとしている。
なお、以下の[発明を実施するための形態]において、本発明者が先に出願した特願2015−223668(未公開出願1)で提案した内容についても記載している。
特開平09−145679号公報 特開2013−148449号公報
しなしながら、上記した先行技術文献に記載の磁気探傷装置には、それぞれ以下に示すような問題点がある。
特許文献1に記載の磁気探傷装置構成のみでは、特許文献2に記載されているように、微小欠陥を検出対象とした場合、比較的低速域で被検査体である薄鋼帯が移動する際の、E型磁気センサもしくは薄鋼帯の微小な振動に起因したノイズが、その周波数成分が欠陥信号と重なるため除去できず、これが大きいときにはφ0.1mm(直径0.1mm、以下の明細書の記載および図では、「φXX」とmmという単位を省略することもある)ドリルホール欠陥相当以上のレベルで出力されることから、欠陥判定閾値を下げることができず、微小な欠陥の検出が困難である。
続いて、特許文献2に記載の磁気探傷装置の問題点について述べる。図8は、従来技術による振動ノイズの低減効果を、実験的に調査するためのオフラインテスト機の構成を示す図である。特許文献2に記載された実施例に基き、薄鋼帯の幅方向に2列千鳥状に配列された隣接する2個のE型磁気センサ13の信号について、各々増幅及びバンドパスフィルタ処理後、全波整流器へ接続、双方の全波整流器出力信号を減算器により減算することで、振動ノイズがどの程度低減できるかを実験的に調査するために使用したオフラインテスト機の構成を示している。
実験は、図8に示すように、非磁性中空ロール9に薄鋼帯サンプル10を巻き付けて回転させ、内部に固定された直流磁化器(図示せず)により、薄鋼帯サンプル10を長手方向に直流磁化し、上部のセンサホルダー支持機構12に固定されたセンサホルダー11内に収納の磁気センサにより、オンラインでの薄鋼帯の探傷を模擬したものである。センサホルダー11内には、特許文献2の実施例に記載されているように、薄鋼帯サンプル10の幅方向に3mm間隔(図示せず)、走行方向に5mm間隔でE型磁気センサ13を2チャンネル収納している。
薄鋼帯サンプル10は板厚が0.16mmで、幅方向同一線上にφ0.05mm、φ0.1mm、φ0.2mmドリルホール欠陥が長手方向に一定間隔で加工され、これをリフトオフ0.5mm、走行速度50m/minで探傷する。このとき、センサホルダー11内の2チャンネルのE型磁気センサ13の全波整流後の各出力は、各々のE型磁気センサ13の直下にφ0.1mmドリルホール欠陥が通過したときの電圧が3Vとなるよう、各々ゲイン調整した。
この状態で、No.1チャンネルのE型磁気センサ13の直下をドリルホール欠陥が通過するよう、非磁性中空ロール9を回転させながら、センサホルダー支持機構12をハンマーで打撃することで、オンライン探傷における振動ノイズの発生を模擬した。振動ノイズは、E型磁気センサ13の全波整流器後の出力波形をモニタしながら、この振動ノイズレベルが3V程度(φ0.1mmドリルホール出力相当)になるような力加減で打撃を与え、同一タイミングでのNo.1及び2チャンネルE型磁気センサ13の全波整流器後出力波形、並びに両者の減算出力(No.1チャンネル−No.2チャンネル)波形を採取した。
図9は、オフラインテストによる振動ノイズの出力波形例を示す図である。図9(a)、(b)、(c)に各々、振動を与えたときのNo.1チャンネルの全波整流器出力波形、No.2チャンネルの全波整流器出力波形、両者の減算信号(No.1チャンネル−No.2チャンネル)を半波整流した後の波形を、また(d)に振動を与えないときのNo.1チャンネルによるドリルホール探傷波形を示す。図9の各波形中における上向きの矢印線の先はドリルホール欠陥検出信号であり、下向きの矢印の先は振動ノイズ出力である。
ここで、図9(b)より、No.1チャンネルのE型磁気センサ13の直下を通過するドリルホール欠陥は、No.2チャンネルのE型磁気センサ13にもレベルは小さいながらも出力されているが、双方センサ間の薄鋼帯サンプル10の走行方向5mmの間隔により、出力されるタイミングのずれを生じるため、両者を減算することによる欠陥信号低下は無い。
図9(a)〜(c)より、欠陥に対して同一感度となるよう感度調整を行っても、振動ノイズは、No.1、2チャンネルのE型磁気センサ13が配置されている場所が異なるため、検出される振動レベルは必ずしも完全には同一ではなく、減算により低減させることは可能ではあるものの、減算後の出力はゼロにならない。
よって、図9(d)に示すように、振動ノイズが無い場合に、点線で示す薄鋼帯サンプル中の透磁率むらなどに起因した材料性ノイズに対して2倍以上のレベルを有していたφ0.05ドリルホール欠陥出力に対し、図9(c)では、点線で示す振動ノイズレベルが近接するため、これを安定して検出することが困難となる。
以上より、特許文献2による振動ノイズ低減方法は、比較的振動ノイズのレベルが小さい場合や検出対象とする欠陥が大きい場合は有効であるが、φ0.1mmドリルホール欠陥相当以上の振動による外乱ノイズが発生する環境下で、φ0.05mmドリルホール欠陥相当以下のサイズの欠陥を検出する場合においては、効果が不十分である。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、振動による外乱ノイズが比較的大きい場合であっても、極めて低いレベルまで除去可能な、薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および探傷方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の発明によって解決できる。
[1] 直流磁化した薄鋼帯より外部へ漏洩する磁束を検出する磁気センサによって、前記薄鋼帯の欠陥を探傷する薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置であって、
前記薄鋼帯に近い方と遠い方のそれぞれに同一巻き数のサーチコイルが巻回された棒状の強磁性体コアと、該棒状の強磁性体コアをギャップを挟んで前後面及び上方を囲うコの字型形状の強磁性体コアとを備えた差分式磁気センサと、
前記サーチコイルを差動となるよう直列に接続した出力を増幅する増幅器と、所定の通過周波数帯域に設定されるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタ後の波形を全波整流する全波整流器とを備えた信号処理部と、
を具備することを特徴とする薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置。
[2] 直流磁化した薄鋼帯より外部へ漏洩する磁束を検出する磁気センサによって、前記薄鋼帯の欠陥を探傷する薄鋼帯の漏洩磁束探傷方法であって、
前記磁気センサは、前記薄鋼帯に近い方と遠い方のそれぞれに同一巻き数のサーチコイルが巻回された棒状の強磁性体コアと、該棒状の強磁性体コアをギャップを挟んで前後面及び上方を囲うコの字型形状の強磁性体コアとを備えた差分式磁気センサであり、
前記サーチコイルを差動となるよう直列に接続して得た出力を、増幅器、バンドパスフィルタ、全波整流器により信号処理することを特徴とする薄鋼帯の漏洩磁束探傷方法。
本発明によれば、使用する磁気センサは、コの字型形状の強磁性体コアの内側にギャップを挟んで、棒状の強磁性体コアを配置し、これに同一巻き数で巻回された2つのサーチコイルのうち、薄鋼帯に近い方に巻回されたサーチコイルでは欠陥信号、及びセンサ部に振動が加わった場合の振動ノイズ成分を検出する。これに対し、遠い方に巻回されたサーチコイルでは、同一の棒状の強磁性体コアを通過する振動ノイズ成分、すなわち近い方に巻回されたサーチコイルと完全に同一レベルの大きさの振動ノイズ成分を検出する一方で、欠陥信号についてはこれを検出したとしても、振動ノイズに比べると欠陥による漏洩磁束は局所的な空間分布を為していることから、著しく信号レベルが減衰する。これにより、両者を直列に差動接続した構成としたため、振動ノイズ成分をキャンセルすることができ、差分による欠陥出力低下分については、所定の人工欠陥出力が所定の値になるよう電気的に増幅すれば良く、振動が無いときのE型磁気センサ同等のS/Nでの検査が可能となる。
本発明に係る薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置の装置構成例を示す図である。 2個のサーチコイルが差動となるよう直列に接続する様子を示す図である。 各種磁気センサによる、ドリルホール欠陥薄鋼帯サンプルの探傷波形を示す図である。 各種磁気センサによる、振動ノイズ出力波形を示す図である。 E型差分センサ及び本発明による差分センサにおける、振動ノイズの磁束線経路を模式的に示す図である。 各種磁気センサによる、振動ノイズの出力波形を示す図である。 従来技術によるE型磁気センサの動作を示す図である。 従来技術による振動ノイズの低減効果を、実験的に調査するためのオフラインテスト機の構成を示す図である。 オフラインテストによる振動ノイズの出力波形例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に係る薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置の装置構成例を示す図である。図中、1は強磁性体コア、1a、1bはコの字型形状の強磁性体コアの脚、1cは棒状の強磁性体コアの脚、2(2f、2n)はサーチコイル、3は本発明による差分式磁気センサ、4は信号処理部、5は被検査体である薄鋼帯、6は薄鋼帯5中の欠陥、7は欠陥6からの欠陥漏洩磁束、8は直流磁化器の磁極、Gはギャップをそれぞれ表す。
強磁性体コア1は、コの字型形状の強磁性体コアと棒状の強磁性体コアとから形成される。そして、棒状の強磁性体コアの脚1cは、コの字型強磁性体コアの内側中心線上に、前後面(1a、1bに対する面)及び上方(コの字型形状の強磁性体コア上面に対する方向、図1ではGの方向)にギャップを挟んで、コの字型強磁性体コアに囲まれて配置される。
ここで、図1の強磁性体コア1は、先に図7で説明した従来技術におけるE型磁気センサ13の強磁性体コアに同等のものとして機能し、図1の中央の脚1cは、図7におけるE型磁気センサの中央の脚1cが、ギャップGにより、外側の強磁性体コアより分断されたものと見做すことができる。
また、前記2個のサーチコイル2n、2f(薄鋼帯5に近い方と遠い方)は各々、棒状の強磁性体コア1cの下面から上方に向って、同じ向きに同一巻き数(100ターン)で巻回されており、これらが差動となるよう直列に接続する(これについては、後述する)。
差分式磁気センサ3は、上記で説明した構成要素を具備する。なお、本発明で提案する差分式磁気センサ3は、未公開出願1で提案した磁気センサ(後述の図3(c)などで示すE型差分式磁気センサ14)において、E型強磁性体コアの真ん中のコアを棒状の強磁性体コアとして外側の強磁性体コアより分断されたものと見做すことができる。
なお、具体的に、棒状の強磁性体コアとして外側の強磁性体コアよりギャップをもたせて分断させるようにするには、例えば、ベークライト板の中央に板厚途中まで穴を設け(残った板厚分がギャップとなる)、この穴に棒状の強磁性体コアを直立固定させた上で、これらを外側の強磁性体コア内に組み込み、そして外側の間隙を樹脂などで囲うようにするが、この作成方法に限られるものでない。
サーチコイル2f、2nを差動となるよう直列に接続した出力(2fsと2ns間)は、信号処理部4に入力される。信号処理部4は、差分式磁気センサ3の出力を増幅する増幅器、薄鋼帯5の移動速度に応じて所定の通過周波数帯域に設定されるバンドパスフィルタ、バンドパスフィルタ後の波形を全波整流する全波整流器などで構成される。
図1において、欠陥6が同図に示す位置にあるとき、欠陥漏洩磁束7は脚1aの下面から側面を抜けて、脚1cの側面から入り、サーチコイル2を下向きに通過する。薄鋼帯5が走行して欠陥6が脚1cと脚1bの中間に位置すると、欠陥漏洩磁束7は脚1cの下面から入ってサーチコイル2を上向きに通過、脚1bの側面から入って下面より抜ける。このように、欠陥漏洩磁束7が強磁性体コア1の脚1a、1c、1bにより通過するループが形成されるため、E型磁気センサ13と同様に、効率的に、したがって高感度でサーチコイル2にて検知される。
ここで、欠陥6による欠陥漏洩磁束7の空間分布は、局所的な広がりを為しているため、中央脚1cを通過する欠陥漏洩磁束量は、その高さ方向へ進むにつれて急激に減衰する。結果として、薄鋼帯5の移動に伴い欠陥漏洩磁束変化によりサーチコイル2fで誘起される電圧は、サーチコイル2nに比べて小さいものとなるため、両者の差分出力により欠陥検出信号がゼロになることはない。
図2は、2個のサーチコイルが差動となるよう直列に接続する様子を示す図である。図2(a)は、図1と同じ接続方法を示すものであり、2個のサーチコイル2n、2fは同じ向きに同じ巻き数で巻回されているものの、サーチコイル2nとサーチコイル2fとは端子2neと2feで接続されており、信号処理部4への信号は端子2nsと2fsから入力される。
これに対して、図2(b)は、2個のサーチコイルのコイルの巻き方向が異なっている。図2(b)では、図2(a)のサーチコイル2fとは逆の巻き方向のサーチコイル2fが配置され、サーチコイル2nとサーチコイル2fとは端子2neと2fsで接続されており、信号処理部4への信号は端子2nsと2feから入力される。
このように、いずれかの接続方法で、差動となるよう直列に接続された2個のサーチコイルからの信号は、信号処理部4において、信号増幅、バンドパスフィルタ処理、全波整流後、あらかじめ設定される欠陥判定閾値と比較することで、欠陥判定される。
以上のようにして構成された差分式磁気センサ3は、薄鋼帯5の走行方向へ直流電磁石の磁極8により磁化される薄鋼帯5を、所定のリフトオフだけ離して、幅方向へ所定のピッチで薄鋼帯5の最大幅にわたってアレイ状に複数個配置され、薄鋼帯5の全幅探傷を行う。
以下に、前記図1で示した本発明による装置構成例により、振動に起因したノイズが発生した場合であっても、特許文献1に開示されたE型磁気センサ13を振動ノイズが無いところで探傷したときと同等のS/Nで探傷が可能であることを説明する。
図3は、各種磁気センサによる、ドリルホール欠陥薄鋼帯サンプルの探傷波形を示す図である。図8で説明したオフラインテスト機を使用して、従来技術のE型磁気センサ13(コイル巻き数100ターン)、本発明による差分式磁気センサ3(コイル巻き数100×2箇所)、比較検証用としてのE型差分式磁気センサ14(コイル巻き数100ターン×2箇所、未公開出願1で提案した磁気センサ)について、欠陥検出能を調査した結果である(それぞれ、図3(a)、(b)、(c)として表示)。
薄鋼帯サンプルは、前述したものと同一のものを使用、前記各種磁気センサ(13、3、14)について、リフトオフ0.5mm、探傷速度50m/minの条件のもと、各々の磁気センサの直下にφ0.05mm、φ0.1mm、φ0.2mmドリルホール欠陥を通過させ、このときの各磁気センサ出力を増幅、バンドパスフィルタ処理、全波整流した後の波形を採取した結果の一例である。
なお、各出力波形とも、φ0.1mmドリルホール出力が3Vになるよう、ゲイン調整している。図3より、これら3つの磁気センサは、振動によるノイズが無い場合においては、同等のS/Nで探傷できていることがわかる。
続いて、同様にオフラインテスト機を使用して、下記(1)および(2)の2個のセンサホルダー11を準備、各々について振動ノイズ影響についての調査を行った。
(1)従来技術によるE型磁気センサ13及び本発明による差分式磁気センサ3を、幅方向にある間隔だけ離して収納したもの
(2)従来技術によるE型磁気センサ13及びE型差分式磁気センサ14を、幅方向にある間隔だけ離して収納したもの
実験は、図8に示すように薄鋼帯サンプル10を非磁性中空ロール9に巻き付けた状態で、各磁気センサの幅方向位置は、ドリルホール欠陥の直上より離れたところに配置し、リフトオフ0.5mm、探傷速度50mpmで行った。このとき、各磁気センサの感度は、同サンプル上のφ0.1mmドリルホール欠陥出力が3Vになるよう、あらかじめゲイン調整した。
図4は、各種磁気センサによる、振動ノイズ出力波形を示す図である。
まず、前記(1)のセンサホルダー11を使用、従来技術によるE型磁気センサ13の全波整流器後の振動ノイズ出力値が3V程度(φ0.1ドリルホール出力相当)になるよう、センサホルダー支持機構12にハンマーで打撃を与え、このときのE型磁気センサ13及び本発明による差分式磁気センサ3の全波整流後の出力波形を、同一タイミングで採取した。結果を図4の上段(a)、(b)にそれぞれ示す。
続いて、前記(2)のセンサホルダーを使用して、上記同様の実験を行った。結果を図4の下段(c)、(d)にそれぞれ示す。
図4より、本発明による差分式磁気センサ3では、振動ノイズが完全に消失していることがわかる(図4(a)、(b)参照方)。一方、比較検証用として振動ノイズ影響調査に加えた、本発明による差分式磁気センサ3において検出コイル2上部のギャップGを設けない構成の、E型差分式磁気センサ14では、従来技術によるE型磁気センサ13に比べて、振動ノイズが約50%程度まで低減しているものの、本発明による差分式磁気センサ3ほどの振動ノイズ低減効果は得られていない(図4(c)、(d)参照方)。
このメカニズムについて、図5を用いて説明する。図5は、E型差分センサ及び本発明による差分センサにおける、振動ノイズの磁束線経路を模式的に示す図である。図5(a)には、比較検証用として示したE型差分式磁気センサ14における強磁性体コア1内の、振動ノイズなど外部から飛来してくる外乱ノイズ磁束線15の経路、同図(b)には、本発明による差分式磁気センサ3における強磁性体コア1内の外乱ノイズ磁束線15の経路を示す。
図示するように、E型差分式磁気センサ14では、サーチコイル2が巻回されている強磁性体コア1の脚1cを通過していた外乱ノイズ磁束線15が、本発明による差分式磁気センサ3では、ギャップGにより磁気抵抗の小さい両側の脚1a、1bへ迂回することで、サーチコイル2に差交する外乱ノイズによる磁束量が減衰したことによる効果であると考えられる。
上記効果を検証するために、本発明による差分式磁気センサ3及び比較参考用のE型差分式センサ14において、それぞれに有する2個のサーチコイル2のうち、薄鋼帯サンプル10に近い方のサーチコイル2nのみ、すなわち、サーチコイルの差分を行わないものを使用した。各々のサーチコイル2nによるφ0.1ドリルホール欠陥の全波整流器後の出力電圧が3Vになるよう感度調整した後、図4の結果で説明したのと同様の振動ノイズ調査実験を実施した。
結果を、図6に示す。図6は、各種磁気センサによる、振動ノイズの出力波形を示す図である。図6において、上段は同一タイミングにおける、従来技術によるE型磁気センサ13及び本発明による差分式磁気センサ3のサーチコイル2nのみ使用したときの振動ノイズ波形である(それぞれ、図6(a)および図6(b))。下段は同様に、同一タイミングにおける、従来技術によるE型磁気センサ13及びE型差分式磁気センサ14のサーチコイル2nのみ使用したときの振動ノイズ波形を示す(それぞれ、図6(c)および図6(d))。
図6の下段波形より、ギャップGを設けない場合、強磁性体コア長が長くなることで、外乱ノイズ磁束を集め、従来技術によるE型磁気センサ13に比べて振動ノイズに対して悪化することがわかる。一方、図6の上段波形により、ギャップGを設けたことによる磁気シールド効果により、振動により発生する外乱ノイズの磁束が両側の脚1a、1bを通過、中央脚部1cを迂回することで、振動ノイズ出力値が30%以下にまで減衰することが確認された。
以上より、比較的大きな振動ノイズが発生する環境下においても、本発明に係る薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置および薄鋼帯の漏洩磁束探傷方法によって、振動ノイズの無い環境下で従来技術であるE型磁気センサを用いたときと同等のS/Nで探傷が可能である。なお、本発明では、外乱ノイズとして、振動によるノイズを極めて低いレベルまで低減可能な装置及び方法について説明したが、振動ノイズ以外にも、外部から飛来する電気ノイズの低減についても同様に有効である。
1 強磁性体コア
2 サーチコイル
3 本発明による差分式磁気センサ
4 信号処理部
5 薄鋼帯(被検査体)
6 欠陥
7 欠陥漏洩磁束
8 直流磁化器の磁極
9 非磁性中空ロール
G ギャップ
10 薄鋼帯サンプル
11 センサホルダー
12 センサホルダー支持機構
13 E型磁気センサ
14 E型差分式磁気センサ
15 外乱ノイズ磁束線

Claims (2)

  1. 直流磁化した薄鋼帯より外部へ漏洩する磁束を検出する磁気センサによって、前記薄鋼帯の欠陥を探傷する薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置であって、
    前記薄鋼帯に近い方と遠い方のそれぞれに同一巻き数のサーチコイルが巻回された棒状の強磁性体コアと、該棒状の強磁性体コアの前後面及び上方にギャップを挟んで囲うコの字型形状の強磁性体コアとを備えた差分式磁気センサと、
    前記サーチコイルを差動となるよう直列に接続した出力を増幅する増幅器と、所定の通過周波数帯域に設定されるバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタ後の波形を全波整流する全波整流器とを備えた信号処理部と、
    を具備することを特徴とする薄鋼帯の漏洩磁束探傷装置。
  2. 直流磁化した薄鋼帯より外部へ漏洩する磁束を検出する磁気センサによって、前記薄鋼帯の欠陥を探傷する薄鋼帯の漏洩磁束探傷方法であって、
    前記磁気センサは、前記薄鋼帯に近い方と遠い方のそれぞれに同一巻き数のサーチコイルが巻回された棒状の強磁性体コアと、該棒状の強磁性体コアの前後面及び上方にギャップを挟んで囲うコの字型形状の強磁性体コアとを備えた差分式磁気センサであり、
    前記サーチコイルを差動となるよう直列に接続して得た出力を、増幅器、バンドパスフィルタ、全波整流器により信号処理することを特徴とする薄鋼帯の漏洩磁束探傷方法。
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