JP2013148449A - 磁気探傷装置および磁気探傷方法 - Google Patents

磁気探傷装置および磁気探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動ノイズの影響を受けることなく被検査体中の微小欠陥を高いS/N比で検出すること。
【解決手段】複数の減算器7a〜7eが鋼帯の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を算出し、判定部8が複数の減算器7a〜7eによって算出された差分信号に基づいて鋼帯の内部又は表面に存在する欠陥を検出する。全波整流器6a〜6eの感度は全波整流器間で同一になるように調整されている。鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔が所定の条件式を満足するように調整されている。これにより、振動ノイズの影響を受けることなく鋼帯中の微小欠陥を高いS/N比で検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、漏洩磁束を検出することによって鋼帯などの被検査体の内部や表面に存在する欠陥を検出する磁気探傷装置および磁気探傷方法に関する。
従来より、漏洩磁束を検出することによって鋼帯などの被検査体の内部や表面に存在する欠陥を検出する磁気探傷装置が知られている。具体的には、特許文献1には、被検査体の走行方向に配列された一対の磁極と一対の磁極間に配置された中央磁極とを備えるE型磁気センサを用いて漏洩磁束を検出することによって欠陥を検出する磁気探傷装置が開示されている。また、特許文献2には、被検査体の走行方向に配列された一対の強磁性体コアに巻回されたサーチコイルを備える磁気探傷用センサを用いて漏洩磁束を検出することによって欠陥を検出する磁気探傷装置が開示されている。
特許文献1記載の磁気探傷装置によれば、被検査体やE型磁気センサの振動に起因する磁場の変化は、一対の磁極のうちの一方の磁極と中央磁極とで構成される磁気回路と中央磁極と一対の磁極のうちの他方の磁極とで構成される磁気回路とで打ち消されるので、振動に起因するノイズがE型磁気センサの出力信号に混入することを抑制できる。また、磁極中心間距離P、リフトオフ量L、および被検査体の走行速度Vに応じて、E型磁気センサの出力信号を処理するハイパスフィルタのカットオフ周波数を設定することによって、最大に近いS/N比で欠陥を検出することができる。
一方、特許文献2記載の磁気探傷装置によれば、一対の強磁性体コアに巻回されたサーチコイルを差動接続することによって、一方および他方のサーチコイルの出力に重畳される振動ノイズ成分を互いに打ち消し、欠陥からの出力成分を増大させ、S/N比を高めることができる。また、一方のサーチコイルが正側ピーク信号を検出するタイミングと他方のサーチコイルが負側ピーク信号を検出するタイミングとを一致させる、つまり一対の強磁性体コアの間隔を最適に調整することによって、S/N比を向上させることができる。
特開平09−145679号公報 特開2005−106602号公報
しかしながら、特許文献1,2記載の磁気探傷装置には以下に示すような問題点がある。すなわち、特許文献1によれば、E型磁気センサを使用することによって振動ノイズを低減できるとしているが、10−4[mm]オーダーの微小欠陥を検出対象とする場合には振動ノイズの低減効果は十分であるとは言えない。ここで、図11を用いてより具体的に説明する。図11は、磁極中心間距離P=1[mm]のE型磁気センサを鋼帯に対しリフトオフ量L=0.5mmで配置し、鋼帯を速度V=2,000[mm/s]で移動させ、バンドパスフィルタ通過中心周波数を1.2[kHz]として欠陥の存在しない鋼帯健全部を検査したときの全波整流器の出力波形を示す。一般に、鋼帯中の5×10−4[mm]程度の大きさの微小介在物を検出対象とするためには、鋼帯の透磁率むらに起因した材料性ノイズに対して2〜3倍程度のレベルに欠陥判定閾値Lを設定する必要がある。しかしながら、図11に示す例では、欠陥判定閾値Lよりも大きな振動に起因したノイズNが混入しているため、微小介在物を安定的に検出することができない。
また、特許文献1記載の磁気探傷装置によれば、磁極中心間距離P、リフトオフ量L、および被検査体の走行速度Vに応じて自動設定されるハイパスフィルタのカットオフ周波数以下の振動ノイズ成分は低減させることができる。しかしながら、被検査体の移動速度Vによっては、カットオフ周波数よりも大きな周波数の振動による磁場変化に起因したノイズ成分がE型磁気センサの出力信号に混入することがあるために、十分なS/N比を確保できないことがある。なお、このような問題を解決するために、ハイパスフィルタの代わりにバンドパスフィルタを用いる方法が考えられる。しかしながら、バンドパスフィルタを用いたとしても、被検査遺体の移動速度Vによっては振動ノイズ周波数成分と欠陥信号周波数成分とが重なる領域があり、両者を分離することは極めて困難である。このような傾向は、被検査体の移動速度Vが4,000[mm/s]以下の比較的低速域において顕著になる。
一方、特許文献2によれば、一対の強磁性体コアの間隔を最適に調整することによってS/N比を向上できるとしているが、一対の強磁性体コアに巻き回されたサーチコイルの感度は、強磁性体コアの磁気特性のばらつき、磁気探傷用センサの取付精度誤差に伴うリフトオフ量のばらつき、およびサーチコイルの巻付具合などの要因によって必ずしも一致しない。このため、特許文献2記載の磁気探傷装置によれば、サーチコイルの感度の違いにより、微小介在物を検出可能なレベルまで振動ノイズを十分に低減し、高いS/N比で欠陥を検出することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、振動ノイズの影響を受けることなく被検査体中の微小欠陥を高いS/N比で検出可能な磁気探傷装置および磁気探傷方法を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る磁気探傷装置は、走行する被検査体内に磁界を発生させる、該被検査体に対向配置された一対の磁極を有する磁化器と、前記被検査体の走行方向に略直交する被検査体の幅方向に千鳥状に複数列で配置された、該被検査体の内部又は表面に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を検出する複数の磁気センサと、前記複数の磁気センサの出力信号のうち、所定周波数帯域の出力信号を抽出する複数のバンドパスフィルタと、前記複数のバンドパスフィルタによって抽出された所定周波数帯域の出力信号を全波整流する複数の全波整流器と、前記被検査体の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を算出する複数の減算器と、前記複数の減算器によって算出された差分信号に基づいて、前記被検査体の内部又は表面に存在する欠陥を検出する判定部と、を備え、前記磁気センサと前記被検査体の表面との間の距離をL、前記磁化器の一対の磁極間の間隔をWy、複数の磁気センサの千鳥配列数をnとしたとき、前記被検査体の走行方向における前記複数の磁気センサの配列間隔Wgが以下に示す数式(1)を満足し、前記複数の全波整流器の感度は、各全波整流器のゲインを調整することによって所定値に調整されていることを特徴とする。
Figure 2013148449
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る磁気探傷方法は、走行する被検査体に対向配置された一対の磁極を有する磁化器を利用して、該被検査体内に磁界を発生させるステップと、前記被検査体の走行方向に略直交する被検査体の幅方向に千鳥状に複数列で配置された複数の磁気センサを利用して、該被検査体の内部又は表面に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を検出するステップと、前記複数の磁気センサの出力信号のうち、所定周波数帯域の出力信号を抽出するステップと、ゲインを調整することによって感度が所定値に調整された複数の全波整流器を利用して、抽出された所定周波数帯域の出力信号を全波整流するステップと、前記被検査体の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の所定周波数帯域の出力信号の差分信号を算出するステップと、前記差分信号に基づいて前記被検査体の内部又は表面に存在する欠陥を検出するステップと、を含み、前記磁気センサと前記被検査体の表面との間の距離をL、前記磁化器の一対の磁極間の間隔をWy、複数の磁気センサの千鳥配列数をnとしたとき、前記被検査体の走行方向における前記複数の磁気センサの配列間隔Wgが以下に示す数式(2)を満足することを特徴とする。
Figure 2013148449
本発明に係る磁気探傷装置および磁気探傷方法によれば、振動ノイズの影響を受けることなく被検査体中の微小欠陥を高いS/N比で検出することができる。
図1は、本発明の一実施形態である磁気探傷装置の構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す磁化器の構成を示す断面図である。 図3は、図1に示す磁気センサの配置例を示す平面図である。 図4は、欠陥の通過に伴う全波整流器の出力信号の変化を示す図である。 図5は、欠陥の通過に伴う減算器の出力信号の変化を示す図である。 図6は、減算器と判定部との間に半波整流器を設けた場合に判定部に入力される出力信号を示す図である。 図7は、鋼帯の走行方向における磁気センサの間隔が小さい場合の磁気センサの検出信号を示す図である。 図8は、鋼帯の走行方向における磁気センサの間隔が大きい場合の磁気センサの検出信号を示す図である。 図9は、E型磁気センサの配置例を示す図である。 図10は、隣接する一対の全波整流器の出力信号と出力信号を半波整流した後の差分信号を示す図である。 図11は、従来技術における全波整流器の出力波形の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である磁気探傷装置の構成およびその磁気探傷方法について説明する。
〔全体構成〕
始めに、図1乃至図3を参照して、本発明の一実施形態である磁気探傷装置の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態である磁気探傷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す磁化器2の構成を示す断面図である。図3は、図1に示す磁気センサ3a〜3eの配置例を示す平面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である磁気探傷装置1は、磁化器2と、磁気センサ3a〜3eと、増幅器4a〜4eと、バンドパスフィルタ5a〜5eと、全波整流器6a〜6eと、減算器7a〜7eと、判定部8と、制御部9と、を主な構成要素として備えている。
図2に示すように、磁化器2は、回転軸10aを中心として回転する円筒形状の非磁性体ロール10内に配置されている。磁化器2は、非磁性体ロール10に接触する鋼帯Sに対向配置された磁極21a,21bを有する強磁性体コア22と、磁極21a,21bにそれぞれ巻き回されたコイル23a,23bとを備えている。磁化器2は、制御部9からの制御信号に従ってコイル23a,23bに通電することによって、鋼帯Sを直流磁化して鋼帯S内に磁束を発生させる。
図3に示すように、磁気センサ3a〜3eは、所定のリフトオフ量およびピッチで鋼帯Sの幅方向に千鳥状に複数列(図3に示す例では2列)で配置されている。磁化器2によって発生する磁束の大部分は磁気抵抗が少ない鋼帯Sの中を通過する。しかしながら、鋼帯Sの内部又は表面に欠陥が存在する場合には、その欠陥によって磁束の通過が妨げられ、一部の磁束が漏洩磁束として空中に漏洩する。各磁気センサは、この漏洩磁束を検出し、対応するバンドパスフィルタに検出信号を出力する。
なお、極めて微小な介在物などの微小欠陥を検出する場合、欠陥部位が鋼帯Sの幅方向における磁気センサ間の間隙を通過すると、欠陥が磁気センサの直下位置を通過した際と比較して検出信号のレベルが低下する。このため、本来、磁気センサは鋼帯Sの幅方向に密に一列に配列することが望ましい。しかしながら、実際には磁気センサの物理的な大きさによる制約によって、磁気センサを一列に配列することは困難である。このため、本実施形態では、磁気センサを複数列で千鳥状に配列するようにしている。
増幅器4a〜4eは、各磁気センサに対応付けて設けられ、各磁気センサの検出信号を増幅出力する。バンドパスフィルタ5a〜5eは、各増幅器に対応付けて設けられ、各増幅器の出力信号のうち、所定周波数帯域の出力信号のみを通過させる。所定周波数帯域は、欠陥に関係する出力信号のみを通過するように、鋼帯Sの走行速度V[mm/s]に応じて自動設定される。全波整流器6a〜6eは、バンドパスフィルタ5a〜5eの出力信号に対し全波整流処理を施すことによってバンドパスフィルタ5a〜5eからの正負の出力信号を絶対値信号に変換する。
なお、全波整流器6a〜6eのゲインは、全波整流器6a〜6eの感度が磁気センサ3a〜3e、増幅器4a〜4e、およびバンドパスフィルタ5a〜5eの個体差によらず一定になるように、基準サンプル欠陥や模擬欠陥信号を用いた試験によって予め調整されている。
減算器7a〜7eは、幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を判定部8に出力する。具体的には、減算器7aは、全波整流器6aの出力信号と全波整流器6bの出力信号との差分信号を出力し、減算器7bは、全波整流器6bの出力信号と全波整流器6cの出力信号との差分信号を出力し、減算器7cは、全波整流器6cの出力信号と全波整流器6dの出力信号との差分信号を出力し、減算器7dは、全波整流器6dの出力信号と全波整流器6eの出力信号との差分信号を出力する。
判定部8は、減算器7a〜7eから出力された差分信号に基づいて鋼帯S中に欠陥があるか否かを判定し、判定結果を出力する。制御部9は、磁気探傷装置1全体の動作を制御するものである。
〔磁気探傷方法〕
このような構成を有する磁気探傷装置1は、以下に示すように動作することによって鋼帯Sの内部や表面に存在する欠陥を検出する。以下、図4および図5を参照して、鋼帯Sの内部や表面に存在する欠陥を検出する際の磁気探傷装置1の動作について説明する。なお、以下では、図3に示すように欠陥Dが鋼帯Sの幅方向における磁気センサ3bと磁気センサ3cとの間の間隙を通過した場合を一例として、磁気探傷装置1の動作を説明する。
図4(a)〜(d)はそれぞれ、欠陥Dの通過に伴う全波整流器6a,6b,6c,6dの出力信号の変化を示す図である。図5(a)〜(c)はそれぞれ、欠陥Dの通過に伴う減算器7a,7b,7cの出力信号の変化を示す図である。図6(a)〜(c)はそれぞれ、減算器7a,7b,7cと判定部8との間に半波整流器を設けた場合に判定部8に入力される出力信号を示す図である。
図4(a)〜(d)に示すように、欠陥Dが鋼帯Sの幅方向における磁気センサ3bと磁気センサ3cとの間の間隙を通過した場合、全波整流器6bおよび全波整流器6cの出力信号には欠陥Dによる漏洩磁束に応じた欠陥信号P1および欠陥信号P2がそれぞれ観測される。また、欠陥信号P2は、欠陥信号P1の発生タイミングより鋼帯Sの走行速度Vと鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wg(図3参照)とに対応する時間差Δt(=Wg/V(s))だけ遅れたタイミングで発生する。これに対して、振動ノイズNは、隣接するチャンネル間であればその影響度合いは等しくなることから、全波整流器において同一のタイミングで発生し、またその大きさも同じになる。
このため、図5(a)〜(c)に示すように、減算器7a,7b,7cの出力信号は差分処理によって振動ノイズNのみが打ち消された波形となる。これにより、判定部8は、減算器7a,7b,7cの出力信号に基づいて欠陥の有無を検出することによって、振動ノイズの影響を受けることなく鋼帯S中の微小欠陥を安定的に検出することができる。また、既に述べたように、全波整流器の感度は全波整流器間で同一になるように調整されているので、振動ノイズに対する全波整流器の感度も全波整流器間で同一となり、減算処理によって極めて低いレベルまで振動ノイズを除去し、高S/N比での検査が可能となる。なお、判定部8は、減算器7a,7b,7cの正側の出力信号のみで欠陥の有無を検出できるので、減算器7a,7b,7cと判定部8との間に半波整流器を設けてもよい。この場合、減算器7a,7b,7cから判定部8に入力される出力信号は図6(a)〜(c)に示すようになる。
〔磁気センサの配列間隔〕
ところで、欠陥Dが鋼帯Sの幅方向における磁気センサ3bと磁気センサ3cとの間の間隙を通過した場合において、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgが小さすぎると、図7(a),(b)に示すように、欠陥信号P1,P2が互いの欠陥出力区間内に入るために、差分処理によって検出信号が打ち消されることによって、減算器の出力信号が減衰する。元来、隣接する磁気センサの鋼帯Sの幅方向の間隙部を通過する欠陥に対する検出信号のレベルは磁気センサの直下位置を通過する欠陥に対する検出信号のレベルと比較して小さいことから、このような減算器の出力信号の減衰は鋼帯Sの幅方向の欠陥検出感度差の拡大に繋がり問題である。
一方、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgが比較的大きいと、図8(a),(b)に示すように、欠陥信号P1,P2は互いの欠陥出力区間から外れるために、減算器の出力信号が減衰することはない。ここで、欠陥出力区間の大きさは欠陥による漏洩磁束分布の広がりWs[mm]の4倍程度の大きさであることが知られており、特許文献2によれば漏洩磁束分布の広がりWsは以下に示す数式(3)のように表される。
このため、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgを以下に示す数式(4)のように2Ws、すなわち2(L+1)[mm]より大きく設定することによって減算器の出力信号が減衰することを抑制できる。一方、磁気センサが十分磁化された鋼帯Sの範囲における磁束を検出するように、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgは磁化器2の磁極21a,21bの間隔Wy(図2参照)より小さく設定する必要がある。このため、磁極センサの千鳥配列数をnとしたとき、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgは以下に示す数式(5)を満足する必要がある。
Figure 2013148449
Figure 2013148449
Figure 2013148449
以上のことから、以下に示す数式(6)を満足するように鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgを調整することにより、欠陥信号を減衰させることなく振動ノイズを除去し、欠陥信号を安定的に検出することが可能となる。
Figure 2013148449
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である磁気探傷装置1によれば、複数の減算器7a〜7eが鋼帯Sの幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を算出し、判定部8が複数の減算器7a〜7eによって算出された差分信号に基づいて鋼帯Sの内部又は表面に存在する欠陥を検出するので、振動ノイズの影響を受けることなく鋼帯S中の微小欠陥を安定的に検出することができる。また、全波整流器6a〜6eの感度は全波整流器間で同一になるように調整されているので、振動ノイズに対する全波整流器の感度も隣接するチャンネル間であれば全波整流器間で同一となり、減算処理によって極めて低いレベルまで振動ノイズを除去し、高S/N比で欠陥を検出することができる。また、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgが上述の数式(6)を満足するので、欠陥信号を減衰させることなく振動ノイズを除去し、欠陥信号を安定的に検出することができる。これにより、本発明の一実施形態である磁気探傷装置1によれば、振動ノイズの影響を受けることなく鋼帯S中の微小欠陥を高いS/N比で検出できる。
〔実施例〕
本実施例では、図9に示すように、鋼帯Sの幅方向に2列千鳥状にE型磁気センサを3[mm]ピッチで配置し、鋼帯Sの走行方向における磁気センサの間隔Wgを5[mm]としたときの、全波整流器の出力信号中における振動ノイズを評価した。なお、E型磁気センサ25は、鋼帯Sの走行方向に配列された一対の磁極24a,24cと一対の磁極24a,24c間に配置された中央磁極24bとを備え、中央磁極24bにはサーチコイル26が巻き回されている。また、磁気センサの間隔Wgは、リフトオフ量Lを0.5[mm]、磁化器の磁極間の間隔Wyを15[mm]とした時に上述の数式(6)に示す条件式:3(=2(0.5+1))[mm]<Wg<15(=15/(2−1))[mm]を満足するように決定した。
図10(a),(b)は隣接する一対の全波整流器の出力信号を示し、図10(c)は隣接する一対の全波整流器の出力信号を差分した後の半波整流信号を示す。図10(c)に示すように、隣接する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を算出することによって、振動ノイズが材料性ノイズレベルまで低減されている。従って、材料性ノイズに対して2〜3倍程度のレベルに欠陥判定閾値Lを設定しても、欠陥判定閾値Lよりも大きな振動ノイズが混入することなく、微小介在物を安定的に検出することができる。なお、本実施例において、隣接する一対の磁気センサ間を欠陥部位が通過するように非磁性ロールに欠陥サンプルを巻き付けて減算器の出力信号の変化を評価したところ、減算器の出力信号は減衰しないことが確認された。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例、および運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
1 磁気探傷装置
2 磁化器
3a〜3e 磁気センサ
4a〜4e 増幅器
5a〜5e バンドパスフィルタ
6a〜6e 全波整流器
7a〜7e 減算器
8 判定部
9 制御部
10 非磁性体ロール
10a 回転軸
21a,21b,24a,24c 磁極
22 強磁性体コア
23a,23b コイル
24b 中央磁極
25 E型磁気センサ
26 サーチコイル
D 欠陥
S 鋼帯

Claims (2)

  1. 走行する被検査体内に磁界を発生させる、該被検査体に対向配置された一対の磁極を有する磁化器と、
    前記被検査体の走行方向に略直交する被検査体の幅方向に千鳥状に複数列で配置された、該被検査体の内部又は表面に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を検出する複数の磁気センサと、
    前記複数の磁気センサの出力信号のうち、所定周波数帯域の出力信号を抽出する複数のバンドパスフィルタと、
    前記複数のバンドパスフィルタによって抽出された所定周波数帯域の出力信号を全波整流する複数の全波整流器と、
    前記被検査体の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の全波整流器の出力信号の差分信号を算出する複数の減算器と、
    前記複数の減算器によって算出された差分信号に基づいて、前記被検査体の内部又は表面に存在する欠陥を検出する判定部と、
    を備え、
    前記磁気センサと前記被検査体の表面との間の距離をL、前記磁化器の一対の磁極間の間隔をWy、複数の磁気センサの千鳥配列数をnとしたとき、前記被検査体の走行方向における前記複数の磁気センサの配列間隔Wgが以下に示す数式(1)を満足し、前記複数の全波整流器の感度は、各全波整流器のゲインを調整することによって所定値に調整されていること
    を特徴とする磁気探傷装置。
    Figure 2013148449
  2. 走行する被検査体に対向配置された一対の磁極を有する磁化器を利用して、該被検査体内に磁界を発生させるステップと、
    前記被検査体の走行方向に略直交する被検査体の幅方向に千鳥状に複数列で配置された複数の磁気センサを利用して、該被検査体の内部又は表面に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を検出するステップと、
    前記複数の磁気センサの出力信号のうち、所定周波数帯域の出力信号を抽出するステップと、
    ゲインを調整することによって感度が所定値に調整された複数の全波整流器を利用して、抽出された所定周波数帯域の出力信号を全波整流するステップと、
    前記被検査体の幅方向に隣接する一対の磁気センサに対応する一対の所定周波数帯域の出力信号の差分信号を算出するステップと、
    前記差分信号に基づいて前記被検査体の内部又は表面に存在する欠陥を検出するステップと、
    を含み、
    前記磁気センサと前記被検査体の表面との間の距離をL、前記磁化器の一対の磁極間の間隔をWy、複数の磁気センサの千鳥配列数をnとしたとき、前記被検査体の走行方向における前記複数の磁気センサの配列間隔Wgが以下に示す数式(2)を満足すること
    を特徴とする磁気探傷方法。
    Figure 2013148449
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