JPH05312786A

JPH05312786A - 磁気探傷装置

Info

Publication number: JPH05312786A
Application number: JP11739192A
Authority: JP
Inventors: Hiroyuki Yokota; 廣幸横田; Yasuhiko Masuno; 豈彦増野; Makoto Himeno; 誠姫野; Teruo Hiramatsu; 輝雄平松; Morihiro Masutani; 守洋桝谷; Seiji Ishimaru; 誠二石丸
Original assignee: SYST HIGHTECH KK; Kawasaki Steel Corp
Current assignee: SYST HIGHTECH KK; JFE Steel Corp
Priority date: 1992-05-11
Filing date: 1992-05-11
Publication date: 1993-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】既設ラインへの設置・調整が容易な磁気探傷
装置を提供する。【構成】走行する鋼帯に探査磁界を与える探査磁界発
生部と、該鋼帯の欠陥部から漏洩する磁気を検知する漏
洩磁気検出部を有する磁気探傷装置において、前記探査
磁界発生部と漏洩磁気検出部を、前記鋼帯に対して同じ
側に配置し、ライン内の鋼帯の片側だけで設置・調整作
業が行えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ブリキ、電解クロム
酸処理鋼板、亜鉛メッキ鋼板、薄鋼板などの鋼帯の表面
傷や内部傷を、走行中に非破壊検査する磁気探傷装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種の磁気探傷装置は、走行
する鋼帯の一方の側（例えば、支持ロールに接する裏面
側）から磁界を発生させるとともに、付与した磁束の一
部が該鋼帯の内部や表面に存在する各種の欠陥から漏洩
する成分を、鋼帯の他方の側（支持ロールと反対の表面
側）で検知し、薄鋼帯の表面傷や内部傷をオンライン検
出するように構成されている。

【０００３】例えば、図５、６、７のように、走行鋼帯
１０を支持する中空ロール１１内に配設された磁界発生
部１２によって、該鋼帯１０に鋼帯の幅方向または走行
方向に平行な磁束を付与し、表面傷（ピンホール、ガウ
ジ（筋状傷）、斜め孔など）や内部傷（非金属介在物、
ブローホールなど）から漏洩する磁束を、鋼帯１０に対
して中空ロール１１と反対側に配設された磁気検出部１
３で検出して、傷検知を行うようになっている。

【０００４】こうしたオンライン磁気探傷装置は、「実
開昭６１−１７００６８」、「同６２−１１１５３
９」、「同６３−１０７８４９」などによって開示さ
れ、薄板工業における自動化設備のひとつとして広く実
用化されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の磁気探傷装置は、装置を既設ラインに設置する際、ラ
インの大幅な改良工事が必要となり、ライン停止による
生産性低下と経費増大が避けられないという問題点があ
った。即ち、従来装置では、磁界発生部と漏洩磁束検出
のための磁気検出部とが、鋼帯を挟んで対向する位置に
配設される構成であったため、鋼帯走行域の両側におい
て設置に係わる工事を行わなければならず、面倒であっ
た。同様に、機器設置後の調整作業も、鋼帯の両側で行
わねばならず、やはり面倒であった。

【０００６】この発明は上記の点に鑑み、既設ラインへ
の設置や調整が容易な磁気探傷装置を提供することを目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めこの発明は、鋼帯に探査磁界を付与する探査磁界発生
部と欠陥部から漏洩する磁気を検出する漏洩磁気検出部
を、前記鋼帯に対して同じ側に配置し、ラインを走行す
る鋼帯の一方の側だけで設置・調整作業が行えるように
したものである。

【０００８】

【作用】本願磁気探傷装置は、探査磁界発生部と漏洩磁
気検出部を共に内蔵した探傷ユニットを、鋼帯の一方の
側から鋼帯表面に近接させるだけで、既設ラインへの設
置を行うことができる。この時、本願装置の設置部にお
ける鋼帯の走行が安定していて、かつ探傷ユニットの設
置に充分なスペースを確保できる場所であれば、既設ラ
インに対して何らの改造も行う必要がない。

【０００９】鋼帯に対向する探傷ユニット開口部におい
て、磁界発生部のＮ極を出発した磁束は、鋼帯の内部及
び表面を透過してＳ極に帰還する。この時、鋼帯内部や
表面に欠陥が存在すると、探査磁束の一部は該欠陥部か
ら漏洩し、磁界発生部と同じ側にある磁気検出部で検知
される。即ち、探査磁界発生と漏洩磁気検知が、共に探
傷ユニット内にて行われる。

【００１０】従って、装置の設置に係わる工事と設置後
の調整作業は、鋼帯の一方の側のみにて行われ、既設ラ
インへの改造などは不要となる。

【００１１】

【実施例】以下、この発明を添付図面に示す実施例に基
づいて説明する。図１は本願磁気探傷装置の全体構成を
示す断面図、図２〜図４は既設ラインへの取り付け事例
を示す原理図である。図１において、１は本願磁気探傷
装置の探傷ユニットで、該ユニット１は、底面に開口部
Ｋを有する外筐体２の内部に、探査磁界発生部３と漏洩
磁気検出部４を備えている。該外筐体２は、高強度の磁
性部材で構成され、該ユニット１の機械的強度を確保す
るとともに、外部の磁界が該ユニット１内に影響を及ぼ
さないようにするプロテクタとしても機能するようにな
っている。

【００１２】前記探査磁界発生部３は、コ字形のコア３
１と、該コア３１に巻き付けたコイル３２（８００ター
ン、電源＝２Ａ）とからなる電磁石で構成され、その両
極から底面に略平行な探査磁界を、開口部Ｋより外部に
向けて発生できるようになっている。該コア３１の磁極
３１ａ（Ｎ極），３１ｂ（Ｓ極）は、前記外筐体２の底
面に平行な磁界発生端面を備えてなり、かつ該端面が開
口部Ｋの開口面とほぼ一致するように構成されている。
本実施例では、該磁極３１ａ，３１ｂの端面の幅（磁束
方向の幅）は各々１２ｍｍ，両磁極３１ａ，３１ｂの隙
間は１０ｍｍなどとなっている。

【００１３】該探査磁界発生部３の一方の磁極３１ａ
（Ｎ極）を出発した磁束は、開口部Ｋに近接して走行す
る鋼帯１００の内部及び表面を透過した後、他方の磁極
３１ｂ（Ｓ極）に到達する磁気回路を構成するようにな
っている。ここで、鋼帯１００に表面傷（ピンホール、
ガウジ、斜め孔など）や内部傷（非金属介在物、ブロー
ホールなど）が存在すると、磁束はこれら欠陥部から鋼
帯１００外へ漏出することとなる。

【００１４】前記漏洩磁気検出部４は、該探査磁界発生
部３の両磁極３１ａ，３１ｂの中間で開口面とほぼ一致
する位置に設けられており、鋼帯１００から漏出した磁
束を検出できるようになっている。ここで、該漏洩磁気
検出部４は、漏洩磁気検出部４とともに探傷ユニット１
の内部、即ち、鋼帯１００に対して磁界発生部３と同じ
側に装備されているため、鋼帯１００の反対側がどのよ
うな構成になっているかに関わらず、搬送ライン内の走
行鋼帯１００に近接設置することができる。

【００１５】尚、該探査磁界発生部３のコア３１の内側
には、外形コ字形のストラクチャ５が設けられている。
該ストラクチャ５を構成する部材は、例えば、ＳＵＳ３
０４のような非磁性体であり、前記コア３１を支持する
強度部材である。尚、前記磁気検出手段４の実際的手段
としては、磁気抵抗素子、ホール素子、磁気感応コイル
などを適宜使用すればよい。

【００１６】このように構成された磁気探傷ユニット１
は、鋼帯の位置変動の無い場所でありさえすれば、走行
ラインのほぼ任意の位置に設置することができる。以
下、その設置形態について説明する。図２は、鋼帯１０
０の両側に何の支持手段も存在せず、鋼帯１００のみが
空間を走行する場所に、本願磁気探傷ユニット１を取り
付けた第１実施例を示す原理図である。この場合、鋼帯
１００と磁気探傷ユニット１の間に、ギャップ変動があ
ってはならないので、探傷部の上流と下流に、鋼帯１０
０の走行位置を規制する手段（ここでは、支持ローラ１
０１とガイドローラＲなど）が必要である。こうした取
り付け形態は、設置可能な場所が既設ラインの各所に存
在する上、設置工事の際、周囲の部材に干渉する恐れも
少ないという利点を有している。

【００１７】図３（ａ）は、鋼帯１００を所定の巻き付
き角度θで支持する支持ロール１０２の（鋼帯を挟ん
で）反対側に、前記探傷ユニット１を取り付けた第２実
施例を示す原理図である。この場合、巻き付き角度θ＞
６０度であれば、鋼帯１００は支持ロール１０２の表面
に密着して走行するため、特別な手段を用いなくとも、
鋼帯１００と磁気探傷ユニット１の間のギャップはほぼ
一定に保つことできるという利点がある。但し、鋼帯１
００の上流ないし下流から振動が伝播する恐れのある場
合は、図３（ｂ）の第３実施例のように、磁気探傷ユニ
ット１の前後にサポートローラ１０４、１０４を設け、
該サポートローラ１０４、１０４で、鋼帯１００を支持
ロール１０３に向けて押圧することにより、探傷部の走
行を安定化することが望ましい。この場合、鋼帯１００
の表面と磁気探傷ユニット１（探査磁界発生部３及び漏
洩磁気検出部４）の間のギャップは、０．５ｍｍ程度が
好適である。

【００１８】図４は鋼帯１００を支持する支持ローラ１
０５の内部に、前記磁気探傷ユニット１を内蔵した第４
実施例を示す原理図である。この場合、支持ローラ１０
５の設置工事は、前述した３例に比べて若干困難となる
が、ユニット１が支持ローラ１０５と一体化されて外部
に露出することがないので、設置スペースを省略でき、
検出環境も一定に維持できるという利点を有している。
但し、鋼帯１００と支持ローラ１０５が安定した密着状
態であるには、鋼帯１００の巻き付き角度が６０度以上
であることが望ましい。即ち、こうした設置形態は、巻
き付き角度が大きく、巻き付き部の摩擦力も大きいブラ
イドルロール（張力制御用ローラ）などにて適用するの
が好適である。

【００１９】以上の第１〜４実施例において、前記鋼帯
１００の表面と該磁気検出手段３のギャップ（リフトオ
フ）Ｇは、Ｇ＝０．５ｍｍ程度に設定することが望ましい。上記第１〜４実施例に
おいて、磁気探傷ユニット１は、鋼帯１００の片側だけ
で、鋼帯１００の表面近傍に設置される。この装置設置
に当たり、既設ラインの搬送系に対する変更は不要であ
る。

【００２０】設置された磁気探傷ユニット１の磁気発生
手段３から発生した磁束は、鋼帯１００の内部及び表面
を、鋼帯の進行方向（または鋼帯の幅方向）に沿って透
過する。ここで、鋼帯１００の内部や表面に傷が存在す
ると、その部位から磁束漏洩が生じるが、この漏洩磁束
は、漏洩磁気検出手段４によって、磁気発生手段３と同
じ側で検出される。

【００２１】このため、装置設置に係わる工事や調整作
業は、すべて鋼帯の一方の側だけで行われることとな
る。従って、既設ラインの改造はほとんど不要である。
また、据え付け工事期間や調整期間も大幅に短縮され、
さらに、装置稼動後の保守作業も容易となる。

【００２２】

【発明の効果】上記のように、この発明の磁気探傷装置
は、探査磁界発生部と漏洩磁気検出部が、共に、鋼帯に
対して同じ側に配置されているので、鋼帯に対して一方
の側だけで、据え付け・調整作業を行うことができる。
この結果、据え付け工期の短縮と調整・保守作業の簡素
化を同時に実現することにより生産性向上を達成でき、
しかも探傷装置適用領域の拡大を図ることができるとい
う優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願磁気探傷装置の構成を示す断面図であ
る。

【図２】既設ラインへの取り付け形態を示す第１実施
例の原理図である。

【図３】（ａ）巻き付き角６０度以上のローラを有す
る既設ラインへの取り付け形態を示す第２実施例の原理
図である。（ｂ）サポートローラで補助した取り付け形
態を示す第３実施例の原理図である。

【図４】ブライドルロールのロール内への取り付け形
態を示す第４実施例の原理図である。

【図５】従来装置の内部構成を示す説明図である。

【図６】従来装置の取り付け事例を示す原理図であ
る。

【図７】従来装置の取り付け事例を示す原理図であ
る。

【符号の説明】１磁気探傷ユニット２外筐体３探査磁界発生部３１ａ磁極（Ｎ極）３１ｂ磁極（Ｓ極）３２コイル４漏洩磁気検出部１００鋼帯１０１支持ローラＫ開口

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Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】走行する鋼帯に探査磁界を与える探査磁
界発生部と、該鋼帯の欠陥部から漏洩する磁気を検知す
る漏洩磁気検出部を有する磁気探傷装置において、前記
探査磁界発生部と漏洩磁気検出部を、前記鋼帯に対して
同じ側に配置したことを特徴とする磁気探傷装置。