JP2004037217A - 漏洩磁束探傷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】強磁性体金属被検体が走行している場合でも、良好なS/N比で欠陥を検出することのできる漏洩磁束探傷装置を提供する。
【解決手段】磁気センサ6aは、磁化器5の中心位置付近に設けられており、鋼板の移動速度Vに応じてセンサ移動用レール10の上を移動することが可能で、適当な位置において強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ6bは、磁化器5の中心位置から離れた上流位置に設けられており弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】磁気センサ6aは、磁化器5の中心位置付近に設けられており、鋼板の移動速度Vに応じてセンサ移動用レール10の上を移動することが可能で、適当な位置において強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ6bは、磁化器5の中心位置から離れた上流位置に設けられており弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行する強磁性体金属被検体を磁化し、被検体に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を測定することにより、欠陥の検出を行う漏洩磁束探傷装置に関するものであり、さらに詳しくは、1つの磁化器に対して複数のセンサを配置し、各センサからの信号を演算することにより、欠陥の検出性能を向上させた漏洩磁束探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄のような強磁性体の内部に存在する欠陥を検出する方法として、漏洩磁束探傷法が広く用いられている。近年、品質管理レベルの向上を目指して、素材における品質レベルもより高いものが要求されるようになってきた。例えば、鉄においても飲用缶などに見られるような薄板へのシフトが進むにつれ、より小さい内部欠陥の管理が要求されるようになってきた。そういった厳しい品質管理要求に応えるため、例えば、特開平2000−227419号公報に開示されるような、より小さい内部欠陥を検出することのできる装置が開発されてきた。
【0003】
その概要を図7に示す。図7において、21は鋼板、22,23は搬送ロール、24は磁気探傷装置、25は磁化器、26a,26bは磁気センサ、27は信号処理装置、28は欠陥である。26aは磁化器25の磁化方向中心近傍に、26bはそれから離れた位置に設けられている。
【0004】
製品検査ラインを搬送ローラ22、23により、ほぼ一定速度Vで搬送される鋼板21の搬送路に沿って磁気探傷装置24が配設されている。この磁気探傷装置24は、走行状態の鋼板21を磁化する磁化器25と、鋼板11を挟んで磁化器25と対向する位置に配設された磁気センサ26a、26bと、この磁気センサ26a、26bからの検出信号に基づいて鋼板21の内部または表面の欠陥28を検出する信号処理装置27とで構成されている。
【0005】
鋼板21に欠陥28が存在すると、この欠陥28に起因して鋼板21内の磁束が乱され、鋼板21の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ26a、26bはこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥28の大きさに対応するので、磁気センサ26a、26bの検出信号の信号レベルで欠陥28の大きさが評価できる。
【0006】
ここで、磁気センサ26aは、磁化器25の中心位置に設けられており、強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ26bは、磁化器25の中心位置から離れた位置に設けられており、弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8に、全く欠陥が存在しない鋼板21を磁極25a、25bに対して静止させた状態における、センサ26の位置での鋼板21の垂直・水平磁界分布特性D、Fを実線で示す。図8において21は鋼板、22、23は搬送ロール、25a、25bは磁極、25cは磁化コイル、26は磁気センサである。図に示すように、水平方向磁界、垂直方向磁界とも、磁極25a、25bの中心に対して対称となっている。
【0008】
ところが、実際の測定状態にておいては、鋼板21は速度Vで一方方向へ移動している。このとき鋼板21は磁極25a、25bによって磁化され、この励磁磁界内を移動する被検体である鋼板21の速度効果により、見掛上、磁束分布が被検体の移動方向に偏倚する。すなわち、導体である被検体が磁界内で移動している場合には、被検体に渦電流が発生する。この渦電流により生起される磁界の作用により、結果として磁束分布が偏倚する。
【0009】
その結果、垂直磁界分布特性Dが0ラインを横切る位置や水平磁界分布特性が最大となる位置が磁極25a、25b中央位置とはならず、図8に破線E、Gで示すように、鋼板21の走行方向側に平行移動する。
【0010】
また、図9は、図8に示すような磁化装置の配置において、鋼板21の移動速度Vを0m/分から1200m/分まで変化させた場合における、磁極25a、25bの中心位置に配設された垂直型の磁気センサの出力電圧の実測データの相対値を示す図である。なお、図9中の各特性は磁化コイル25の励磁電流Iを0.25A,0.50A,0.75Aと順番に変化させた場合の特性である。この実測図からも理解できるように、中心位置における磁束の垂直成分である浮遊磁束は移動速度Vおよび磁化電流Iの増加に伴って増加する。
【0011】
よって、図7に示されるような弱い磁化条件での検出を受け持つセンサ26bが、対象となる鋼板の走行方向(以下、単に下流方向と呼ぶ)に存在する構成では、対象となる鋼板が走行する際に生じる速度効果の影響により、強い磁化条件を受け持つセンサ26aと弱い磁化条件を受け持つセンサ26bとの磁化条件の差が小さくなり、欠陥を信号源とする信号波形の差も小さくなる。その結果、それぞれの信号を演算して両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルする際に、欠陥信号の成分も一部打ち消されるため、欠陥の検出能が低下するという問題が生じる。また、対象となる鋼板の走行速度の変化によって、センサ位置における磁化条件が変化するため安定した計測が困難となる問題が生じる。
【0012】
また、対象となる鋼板の透磁率などの磁気特性、板厚が変更された場合にも、垂直・水平磁界分布特性が変化するため、鋼板の走行速度が変化した場合とおなじ問題が生じる。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、強磁性体金属被検体からの漏洩磁束を、複数のセンサにより検出し、その出力を演算して欠陥を検出する方式の漏洩磁束探傷装置において、強磁性体金属被検体が走行している場合でも、良好なS/N比で欠陥を検出することのできる漏洩磁束探傷装置、強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚が変わっても、良好なS/N比で欠陥を検出することのできる漏洩磁束探傷装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、前記磁気センサの一つを磁化器の磁極間の中心軸上に、その他のセンサを磁化器の磁極間の中心軸に対して、移動する強磁性体金属被検体の移動方向と反対の方向に配置したことを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項1)である。
【0015】
本手段の作用を図1を用いて説明する。図1において1は鋼板、2、3は搬送ロール、5a、5bは磁極、5cは磁化コイル、6a、6bは磁気センサである。磁気センサは6aは強い磁化条件における漏洩磁束を、6bは弱い磁化条件における漏洩磁束を検出するものである。また、図中破線A、実線Bで示される曲線はそれぞれ鋼板1が静止時、速度Vにて移動しているときにおける水平方向磁場分布を示している。
【0016】
図1(a)にて示されるように、弱い磁化条件を受け持つ磁気センサ6bが鋼板の下流方向に存在する場合、鋼板が速度Vにて移動する場合の鋼板上の水平方向磁場分布は図中Bにて示されるように、鋼板静止時に比して下流方向に偏倚したものとなり強い磁化条件を受け持つセンサ6aと弱い磁化条件を受け持つセンサの磁化条件6bの差が小さくなる。
【0017】
そこで、図1(b)にて示されるように、弱い磁化条件を受け持つセンサ6bを鋼板の上流方向に配置することで、鋼板の移動に応じて起こる水平方向磁場分布の偏倚の影響を受けにくくすることができる。
【0018】
前記課題を解決するための第2の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、少なくとも1つのセンサの位置が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じて、強磁性体金属被検体の移動方向と平行な方向ないしは、強磁性体金属被検体と垂直な方向に変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項2)である。
【0019】
本手段の作用を図2を用いて説明する。以下の図において、番号の若い図において示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略することがある。6a’は静止時における強い磁化条件を担当する磁気センサの位置、6aは速度Vにて移動時における強い磁化条件を担当する磁気センサの位置である。このように少なくとも、強い磁化条件を担当する磁気センサ、弱い磁化条件を担当する磁気センサの、一方の磁気センサを鋼板の速度に応じて適当な磁化条件が得られる位置に変化させることによって、鋼板の速度変化の影響を受けにくい構成が可能である。
【0020】
図2では、強い磁化条件を担当する磁気センサのみ移動させる例をあげたが、弱い磁化条件を担当する磁気センサのみの位置を変化させても、両方の磁気センサの位置を変化させても構わない。その場合、両方の磁気センサ間の相対的な位置を一定に保って変化させても、相対的な位置が変わっても構わない。図2では、弱い磁化条件を担当する磁気センサを鋼板の上流側に配置しているが、下流側に配置しても構わない。また、図2では、鋼板の進行方向に沿って位置を変化させているが、鋼板1に対して垂直方向に変化させても構わない。
【0021】
また、上記説明では、鋼板の速度変化に応じて磁気センサの位置を変化させたが、鋼板の磁気特性、板厚が変化する場合にも同様の考え方で対応可能である。
【0022】
前記課題を解決するための第3の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、磁化器の磁化能力が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じてを変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項3)である。
【0023】
本手段の作用を、図3を用いて説明する。図中一点鎖線Cに示される曲線は、鋼板が速度Vにて移動時に、磁気センサ6a、6bの設置位置において、鋼板1の静止時における磁化に近い強さの磁化が得られるように、磁化器の磁化能力を変化させた場合の水平方向磁化分布である。このように、磁化器の磁化条件を適当な条件にすることで、各磁気センサの設置位置における鋼板1の磁化条件を静止時の磁化条件に近い状態にすることが可能である。
【0024】
図3では、弱い磁化条件6bを担当するセンサを鋼板1の上流側に配置してい以上の三つの手段の説明においては、水平方向磁場を検出して信号として用いる場合を対象として説明してきたが、垂直方向磁場を検出して信号として用いる場合においても同様である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図4を用いて説明する。図4において、1は鋼板、2、3は搬送ロール、4は磁気探傷装置、5は磁化器、5cは磁化コイル、6a,6bは磁気センサ、7は信号処理装置、8は欠陥、9は磁化電源、10はセンサ移動用レールである。6aは磁化器5の磁化方向中心近傍に、6bはそれから離れた位置に設られている。
【0026】
製品検査ラインを搬送ローラ2、3により、ほぼ一定速度Vで搬送される鋼板1の搬送路に沿って磁気探傷装置4を配設する。この磁気探傷装置4は、走行状態の鋼板1の速度に応じて電流値を変化させる事が可能な磁化電源9により磁化コイル10に電流を供給し、鋼板1に磁界を印加する磁化器5と、鋼板1を挟んで磁化器5の対向位置に配設された磁気センサ6a、6bと、この磁気センサ6a、6bからの検出信号に基づいて鋼板1の内部または表面の欠陥8を検出する信号処理装置7とで構成されている。
【0027】
鋼板1に欠陥8が存在すると、この欠陥8に起因して鋼板1内の磁束が乱され、鋼板1の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ6a、6bはこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥8の大きさに対応するので、磁気センサ6a、6bの検出信号の信号レベルで欠陥8の大きさが評価できる。
【0028】
ここで、磁気センサ6aは、磁化器5の中心位置付近に設けられており、鋼板の移動速度Vに応じてセンサ移動用レール10の上を移動することが可能で、適当な位置において強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ6bは、磁化器5の中心位置から離れた上流位置に設けられており弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能である。この方法は、前記特開平2000−227419号公報に記載されているので、その説明を省略する。
【0029】
ここで、磁化電源9から磁化コイル5aに供給する電流値、磁気センサ6aの位置のいずれか、ないしは双方を鋼板の速度、磁気特性、板厚に応じて適当に変えることによって、鋼板の移動速度V、磁気特性、板厚によらない安定した欠陥検出が可能となる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を、薄鋼板中の微小な介在物をオンラインにて検出する装置に適用した例について図5を参照しながら説明する。図5に示すような磁気探傷装置を使用して、実際の鋼板に存在する微少欠陥を探傷した。図5において、構成要素は図1と同じであるのでその説明を省略する。なお、製品検査ラインを搬送される薄鋼板1の厚さは1mmであった。
【0031】
各磁気センサ6a、6bと鋼板1の表面までの距離であるリフトオフLは0.7mmに設定した。また、実際には、磁気センサ6a、6bは、板幅方向に直線的に5mmピッチで複数配列されており、200組400個の磁気センサ6a、6bによって板幅方向1mをカバーするようにされている。この磁気探傷装置4の基本的な作動は、図1の説明において述べたものと同じである。
【0032】
磁化器5aにかける、より強い磁化条件(強磁化条件)としては、欠陥信号と雑音磁束が両方とも大きく検出される飽和磁化レベル近傍を選んだ。ただし、強磁化条件において検出される雑音磁束信号が、より弱い方の磁化条件においても存在するようにするために、また、強磁化レベルも、弱い方の磁化条件に近づけるという意味で、不必要に大きくならない条件とした。
【0033】
磁化器5bにかける、より弱い磁化条件(弱磁化条件)としては、磁化を下げたことによる欠陥信号レベルの変化が、雑音磁束信号レベルの変化の割合よりもできるだけ大きい範囲で、かつ強磁化条件において検出される雑音磁束が弱磁化条件においても存在するよう、小さくなりすぎないようなレベルとした。
【0034】
鋼板の移動速度Vを100mpm、200mpm、磁気センサ6aの移動距離dを0mm、5mmとした。
【0035】
図6に速度変化の影響と、センサ移動による改善効果を示す。図6のグラフ(a)は、V=100mpm、d=0mm、グラフ(b)はV=200mpm、d=0mm、グラフ(c)はV=200mpm、d=5mmにおける鋼板内部欠陥の信号である。グラフ(a)のV=100mpmにおいては強い磁化条件、弱い磁化条件における欠陥信号に4倍の差が見られるが、グラフ(b)のV=200mpmでは両条件の欠陥信号は1.8倍となっており、鋼板の移動速度の増加に伴い強い磁化条件、弱い磁化条件における欠陥信号の指示の差が小さくなっており両者の演算のよる欠陥検出能力が低下する事がわかる。グラフ(c)では、V=200mpmであるが、強い磁化条件を担当するセンサを下流方向に5mm移動させたことで、両条件の欠陥信号はグラフ(a)と同等の4倍となることがわかる。センサを移動させる事によって、鋼板の移動速度によらずほぼ等しいの欠陥検出能が得られる。このことにより安定した計測が実現できるので、より小さいレベルの欠陥の探傷が可能である。
【0036】
本例では、センサを移動させる場合を例に上げたが、磁化条件を変えても同等の結果が得られている。また、本例では、鋼板の移動速度が変化する場合のみを対象としたが、板厚、磁気特性が変化する場合、およびそれらの2つ以上の組み合わせで変化する場合も同様である。また、本例では、鋼板は一方向に動く例を示したが、鋼板は往復運動を行っても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図2】請求項2に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図3】請求項3に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態の例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の実施例として用いた装置の概略構成図である。
【図6】速度変化の影響と、センサ移動による改善効果を示す図である。
【図7】従来の漏洩磁束探傷装置の1例の概略構成図である。
【図8】鋼板の走行に伴う、磁化の変化の例を示す図である。
【図9】鋼板の走行に伴う、磁気センサ出力の変化の例を示す図である。
【符号の説明】
1…鋼板
2、3…搬送ロール
4…磁気探傷装置
5…磁化装置
5a、5b…磁極
5c…磁化コイル
6a、6b…磁気センサ
7…信号処理装置
8…欠陥
9…磁化電源
10…センサ移動用レール
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行する強磁性体金属被検体を磁化し、被検体に存在する欠陥に起因して発生する漏洩磁束を測定することにより、欠陥の検出を行う漏洩磁束探傷装置に関するものであり、さらに詳しくは、1つの磁化器に対して複数のセンサを配置し、各センサからの信号を演算することにより、欠陥の検出性能を向上させた漏洩磁束探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄のような強磁性体の内部に存在する欠陥を検出する方法として、漏洩磁束探傷法が広く用いられている。近年、品質管理レベルの向上を目指して、素材における品質レベルもより高いものが要求されるようになってきた。例えば、鉄においても飲用缶などに見られるような薄板へのシフトが進むにつれ、より小さい内部欠陥の管理が要求されるようになってきた。そういった厳しい品質管理要求に応えるため、例えば、特開平2000−227419号公報に開示されるような、より小さい内部欠陥を検出することのできる装置が開発されてきた。
【0003】
その概要を図7に示す。図7において、21は鋼板、22,23は搬送ロール、24は磁気探傷装置、25は磁化器、26a,26bは磁気センサ、27は信号処理装置、28は欠陥である。26aは磁化器25の磁化方向中心近傍に、26bはそれから離れた位置に設けられている。
【0004】
製品検査ラインを搬送ローラ22、23により、ほぼ一定速度Vで搬送される鋼板21の搬送路に沿って磁気探傷装置24が配設されている。この磁気探傷装置24は、走行状態の鋼板21を磁化する磁化器25と、鋼板11を挟んで磁化器25と対向する位置に配設された磁気センサ26a、26bと、この磁気センサ26a、26bからの検出信号に基づいて鋼板21の内部または表面の欠陥28を検出する信号処理装置27とで構成されている。
【0005】
鋼板21に欠陥28が存在すると、この欠陥28に起因して鋼板21内の磁束が乱され、鋼板21の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ26a、26bはこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥28の大きさに対応するので、磁気センサ26a、26bの検出信号の信号レベルで欠陥28の大きさが評価できる。
【0006】
ここで、磁気センサ26aは、磁化器25の中心位置に設けられており、強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ26bは、磁化器25の中心位置から離れた位置に設けられており、弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図8に、全く欠陥が存在しない鋼板21を磁極25a、25bに対して静止させた状態における、センサ26の位置での鋼板21の垂直・水平磁界分布特性D、Fを実線で示す。図8において21は鋼板、22、23は搬送ロール、25a、25bは磁極、25cは磁化コイル、26は磁気センサである。図に示すように、水平方向磁界、垂直方向磁界とも、磁極25a、25bの中心に対して対称となっている。
【0008】
ところが、実際の測定状態にておいては、鋼板21は速度Vで一方方向へ移動している。このとき鋼板21は磁極25a、25bによって磁化され、この励磁磁界内を移動する被検体である鋼板21の速度効果により、見掛上、磁束分布が被検体の移動方向に偏倚する。すなわち、導体である被検体が磁界内で移動している場合には、被検体に渦電流が発生する。この渦電流により生起される磁界の作用により、結果として磁束分布が偏倚する。
【0009】
その結果、垂直磁界分布特性Dが0ラインを横切る位置や水平磁界分布特性が最大となる位置が磁極25a、25b中央位置とはならず、図8に破線E、Gで示すように、鋼板21の走行方向側に平行移動する。
【0010】
また、図9は、図8に示すような磁化装置の配置において、鋼板21の移動速度Vを0m/分から1200m/分まで変化させた場合における、磁極25a、25bの中心位置に配設された垂直型の磁気センサの出力電圧の実測データの相対値を示す図である。なお、図9中の各特性は磁化コイル25の励磁電流Iを0.25A,0.50A,0.75Aと順番に変化させた場合の特性である。この実測図からも理解できるように、中心位置における磁束の垂直成分である浮遊磁束は移動速度Vおよび磁化電流Iの増加に伴って増加する。
【0011】
よって、図7に示されるような弱い磁化条件での検出を受け持つセンサ26bが、対象となる鋼板の走行方向(以下、単に下流方向と呼ぶ)に存在する構成では、対象となる鋼板が走行する際に生じる速度効果の影響により、強い磁化条件を受け持つセンサ26aと弱い磁化条件を受け持つセンサ26bとの磁化条件の差が小さくなり、欠陥を信号源とする信号波形の差も小さくなる。その結果、それぞれの信号を演算して両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルする際に、欠陥信号の成分も一部打ち消されるため、欠陥の検出能が低下するという問題が生じる。また、対象となる鋼板の走行速度の変化によって、センサ位置における磁化条件が変化するため安定した計測が困難となる問題が生じる。
【0012】
また、対象となる鋼板の透磁率などの磁気特性、板厚が変更された場合にも、垂直・水平磁界分布特性が変化するため、鋼板の走行速度が変化した場合とおなじ問題が生じる。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、強磁性体金属被検体からの漏洩磁束を、複数のセンサにより検出し、その出力を演算して欠陥を検出する方式の漏洩磁束探傷装置において、強磁性体金属被検体が走行している場合でも、良好なS/N比で欠陥を検出することのできる漏洩磁束探傷装置、強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚が変わっても、良好なS/N比で欠陥を検出することのできる漏洩磁束探傷装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、前記磁気センサの一つを磁化器の磁極間の中心軸上に、その他のセンサを磁化器の磁極間の中心軸に対して、移動する強磁性体金属被検体の移動方向と反対の方向に配置したことを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項1)である。
【0015】
本手段の作用を図1を用いて説明する。図1において1は鋼板、2、3は搬送ロール、5a、5bは磁極、5cは磁化コイル、6a、6bは磁気センサである。磁気センサは6aは強い磁化条件における漏洩磁束を、6bは弱い磁化条件における漏洩磁束を検出するものである。また、図中破線A、実線Bで示される曲線はそれぞれ鋼板1が静止時、速度Vにて移動しているときにおける水平方向磁場分布を示している。
【0016】
図1(a)にて示されるように、弱い磁化条件を受け持つ磁気センサ6bが鋼板の下流方向に存在する場合、鋼板が速度Vにて移動する場合の鋼板上の水平方向磁場分布は図中Bにて示されるように、鋼板静止時に比して下流方向に偏倚したものとなり強い磁化条件を受け持つセンサ6aと弱い磁化条件を受け持つセンサの磁化条件6bの差が小さくなる。
【0017】
そこで、図1(b)にて示されるように、弱い磁化条件を受け持つセンサ6bを鋼板の上流方向に配置することで、鋼板の移動に応じて起こる水平方向磁場分布の偏倚の影響を受けにくくすることができる。
【0018】
前記課題を解決するための第2の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、少なくとも1つのセンサの位置が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じて、強磁性体金属被検体の移動方向と平行な方向ないしは、強磁性体金属被検体と垂直な方向に変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項2)である。
【0019】
本手段の作用を図2を用いて説明する。以下の図において、番号の若い図において示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略することがある。6a’は静止時における強い磁化条件を担当する磁気センサの位置、6aは速度Vにて移動時における強い磁化条件を担当する磁気センサの位置である。このように少なくとも、強い磁化条件を担当する磁気センサ、弱い磁化条件を担当する磁気センサの、一方の磁気センサを鋼板の速度に応じて適当な磁化条件が得られる位置に変化させることによって、鋼板の速度変化の影響を受けにくい構成が可能である。
【0020】
図2では、強い磁化条件を担当する磁気センサのみ移動させる例をあげたが、弱い磁化条件を担当する磁気センサのみの位置を変化させても、両方の磁気センサの位置を変化させても構わない。その場合、両方の磁気センサ間の相対的な位置を一定に保って変化させても、相対的な位置が変わっても構わない。図2では、弱い磁化条件を担当する磁気センサを鋼板の上流側に配置しているが、下流側に配置しても構わない。また、図2では、鋼板の進行方向に沿って位置を変化させているが、鋼板1に対して垂直方向に変化させても構わない。
【0021】
また、上記説明では、鋼板の速度変化に応じて磁気センサの位置を変化させたが、鋼板の磁気特性、板厚が変化する場合にも同様の考え方で対応可能である。
【0022】
前記課題を解決するための第3の手段は、一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、磁化器の磁化能力が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じてを変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項3)である。
【0023】
本手段の作用を、図3を用いて説明する。図中一点鎖線Cに示される曲線は、鋼板が速度Vにて移動時に、磁気センサ6a、6bの設置位置において、鋼板1の静止時における磁化に近い強さの磁化が得られるように、磁化器の磁化能力を変化させた場合の水平方向磁化分布である。このように、磁化器の磁化条件を適当な条件にすることで、各磁気センサの設置位置における鋼板1の磁化条件を静止時の磁化条件に近い状態にすることが可能である。
【0024】
図3では、弱い磁化条件6bを担当するセンサを鋼板1の上流側に配置してい以上の三つの手段の説明においては、水平方向磁場を検出して信号として用いる場合を対象として説明してきたが、垂直方向磁場を検出して信号として用いる場合においても同様である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図4を用いて説明する。図4において、1は鋼板、2、3は搬送ロール、4は磁気探傷装置、5は磁化器、5cは磁化コイル、6a,6bは磁気センサ、7は信号処理装置、8は欠陥、9は磁化電源、10はセンサ移動用レールである。6aは磁化器5の磁化方向中心近傍に、6bはそれから離れた位置に設られている。
【0026】
製品検査ラインを搬送ローラ2、3により、ほぼ一定速度Vで搬送される鋼板1の搬送路に沿って磁気探傷装置4を配設する。この磁気探傷装置4は、走行状態の鋼板1の速度に応じて電流値を変化させる事が可能な磁化電源9により磁化コイル10に電流を供給し、鋼板1に磁界を印加する磁化器5と、鋼板1を挟んで磁化器5の対向位置に配設された磁気センサ6a、6bと、この磁気センサ6a、6bからの検出信号に基づいて鋼板1の内部または表面の欠陥8を検出する信号処理装置7とで構成されている。
【0027】
鋼板1に欠陥8が存在すると、この欠陥8に起因して鋼板1内の磁束が乱され、鋼板1の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ6a、6bはこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥8の大きさに対応するので、磁気センサ6a、6bの検出信号の信号レベルで欠陥8の大きさが評価できる。
【0028】
ここで、磁気センサ6aは、磁化器5の中心位置付近に設けられており、鋼板の移動速度Vに応じてセンサ移動用レール10の上を移動することが可能で、適当な位置において強い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。磁気センサ6bは、磁化器5の中心位置から離れた上流位置に設けられており弱い磁化条件下での漏洩磁束の検出を行う。この2つの信号を演算することにより、両者に共通に含まれるノイズ成分をキャンセルすることができ、S/N比の良い欠陥検出が可能である。この方法は、前記特開平2000−227419号公報に記載されているので、その説明を省略する。
【0029】
ここで、磁化電源9から磁化コイル5aに供給する電流値、磁気センサ6aの位置のいずれか、ないしは双方を鋼板の速度、磁気特性、板厚に応じて適当に変えることによって、鋼板の移動速度V、磁気特性、板厚によらない安定した欠陥検出が可能となる。
【0030】
【実施例】
以下に、本発明を、薄鋼板中の微小な介在物をオンラインにて検出する装置に適用した例について図5を参照しながら説明する。図5に示すような磁気探傷装置を使用して、実際の鋼板に存在する微少欠陥を探傷した。図5において、構成要素は図1と同じであるのでその説明を省略する。なお、製品検査ラインを搬送される薄鋼板1の厚さは1mmであった。
【0031】
各磁気センサ6a、6bと鋼板1の表面までの距離であるリフトオフLは0.7mmに設定した。また、実際には、磁気センサ6a、6bは、板幅方向に直線的に5mmピッチで複数配列されており、200組400個の磁気センサ6a、6bによって板幅方向1mをカバーするようにされている。この磁気探傷装置4の基本的な作動は、図1の説明において述べたものと同じである。
【0032】
磁化器5aにかける、より強い磁化条件(強磁化条件)としては、欠陥信号と雑音磁束が両方とも大きく検出される飽和磁化レベル近傍を選んだ。ただし、強磁化条件において検出される雑音磁束信号が、より弱い方の磁化条件においても存在するようにするために、また、強磁化レベルも、弱い方の磁化条件に近づけるという意味で、不必要に大きくならない条件とした。
【0033】
磁化器5bにかける、より弱い磁化条件(弱磁化条件)としては、磁化を下げたことによる欠陥信号レベルの変化が、雑音磁束信号レベルの変化の割合よりもできるだけ大きい範囲で、かつ強磁化条件において検出される雑音磁束が弱磁化条件においても存在するよう、小さくなりすぎないようなレベルとした。
【0034】
鋼板の移動速度Vを100mpm、200mpm、磁気センサ6aの移動距離dを0mm、5mmとした。
【0035】
図6に速度変化の影響と、センサ移動による改善効果を示す。図6のグラフ(a)は、V=100mpm、d=0mm、グラフ(b)はV=200mpm、d=0mm、グラフ(c)はV=200mpm、d=5mmにおける鋼板内部欠陥の信号である。グラフ(a)のV=100mpmにおいては強い磁化条件、弱い磁化条件における欠陥信号に4倍の差が見られるが、グラフ(b)のV=200mpmでは両条件の欠陥信号は1.8倍となっており、鋼板の移動速度の増加に伴い強い磁化条件、弱い磁化条件における欠陥信号の指示の差が小さくなっており両者の演算のよる欠陥検出能力が低下する事がわかる。グラフ(c)では、V=200mpmであるが、強い磁化条件を担当するセンサを下流方向に5mm移動させたことで、両条件の欠陥信号はグラフ(a)と同等の4倍となることがわかる。センサを移動させる事によって、鋼板の移動速度によらずほぼ等しいの欠陥検出能が得られる。このことにより安定した計測が実現できるので、より小さいレベルの欠陥の探傷が可能である。
【0036】
本例では、センサを移動させる場合を例に上げたが、磁化条件を変えても同等の結果が得られている。また、本例では、鋼板の移動速度が変化する場合のみを対象としたが、板厚、磁気特性が変化する場合、およびそれらの2つ以上の組み合わせで変化する場合も同様である。また、本例では、鋼板は一方向に動く例を示したが、鋼板は往復運動を行っても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図2】請求項2に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図3】請求項3に係る発明の基本的な作用を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態の例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の実施例として用いた装置の概略構成図である。
【図6】速度変化の影響と、センサ移動による改善効果を示す図である。
【図7】従来の漏洩磁束探傷装置の1例の概略構成図である。
【図8】鋼板の走行に伴う、磁化の変化の例を示す図である。
【図9】鋼板の走行に伴う、磁気センサ出力の変化の例を示す図である。
【符号の説明】
1…鋼板
2、3…搬送ロール
4…磁気探傷装置
5…磁化装置
5a、5b…磁極
5c…磁化コイル
6a、6b…磁気センサ
7…信号処理装置
8…欠陥
9…磁化電源
10…センサ移動用レール
Claims (3)
- 一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、前記磁気センサの一つを磁化器の磁極間の中心軸上に、その他のセンサを磁化器の磁極間の中心軸に対して、移動する強磁性体金属被検体の移動方向と反対の方向に配置したことを特徴とする漏洩磁束探傷装置。
- 一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、少なくとも1つのセンサの位置が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じて、強磁性体金属被検体の移動方向と平行な方向ないしは、強磁性体金属被検体と垂直な方向に変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置。
- 一方向に移動する強磁性体金属被検体を、当該強磁性体金属被検体の移動方向に沿って磁化する磁化器と、当該強磁性金属被検体の表面近傍に、前記磁化器の磁化方向に沿って、磁化条件の異なる位置に配置された複数の磁気センサと、これら複数の磁気センサによって測定された強磁性体金属被検体の同じ場所からの漏洩磁束信号を測定し、同じ場所に対応する測定結果同士を演算し、その演算結果より欠陥の検出を行う信号処理装置を有する漏洩磁束探傷装置であって、磁化器の磁化能力が、走行する強磁性体金属被検体の速度、磁気特性、板厚の少なくとも一つの変化に応じてを変えられるようにされていることを特徴とする漏洩磁束探傷装置。
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-
2002
- 2002-07-03 JP JP2002194098A patent/JP2004037217A/ja active Pending
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