JP3606439B2 - 漏洩磁束探傷方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性体金属被検体に磁界を印加した状態で、強磁性体金属被検体の表面近傍に磁気センサを配置し、異なる2種の探傷条件での漏洩磁束の測定を行い、強磁性体金属被検体上の同位置に対応する測定結果同士を比較し、欠陥の深さを測定する漏洩磁束探傷法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄のような強磁性体の内部に存在する欠陥を検出する方法として、漏洩磁束探傷法が広く用いられている。その一例として、製鉄プラントにおける製鉄検査ラインに組み込まれている磁気センサを利用した磁気探傷装置の構成を図7に示す。
【0003】
製品検査ラインを搬送ローラ21、22により、ほぼ一定速度Vで搬送される薄鋼帯23の搬送路に沿って磁気探傷装置24が配設されている。この磁気探傷装置24は、走行状態の薄鋼帯23に磁界を印加する磁化器25と、薄鋼帯23を挟んで磁化器25の対向位置に配設された磁気センサ26と、この磁気センサ26からの検出信号に基づいて薄鋼帯23の内部または表面の欠陥27を検出する信号処理装置28とで構成されている。
【0004】
薄鋼帯23に欠陥27が存在すると、この欠陥27に起因して薄鋼帯23内の磁力線が乱され、薄鋼帯23の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ26はこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥27の大きさに対応するので、磁気センサ26の検出信号の信号レベルで欠陥27の大きさが評価できる。
【0005】
以上のように、従来の、強磁性体金属被検体の欠陥を、漏洩磁束を測定することによって検出する方法においては、磁気センサの検出信号の信号レベルによって欠陥の大きさを検出していた。しかしながら、磁気センサによって検出される磁気的な信号には、上記の欠陥に起因する漏洩磁束信号以外にも、強磁性体金属被検体における局部的な磁気的特性変化、むらなどに起因する強磁性体金属被検体外部の磁束分布の乱れや、表面粗さにより生じる磁束分布の乱れが含まれる場合がある。この磁束分布の乱れは、欠陥検出という観点からすれば、不要な磁束(雑音磁束)である。
【0006】
このような雑音磁束による影響を避けるため、欠陥漏洩磁束に起因する信号と雑音磁束に起因する信号とで周波数が異なることを利用して、欠陥を判断する方法が用いられることがある。図8は欠陥信号と雑音磁束の周波数特性の測定結果の一例を示す図である。すなわち、図8は、薄鋼板を一定速度で走行させた状態において、欠陥に起因する漏洩磁束を磁気センサで検出した場合の欠陥信号の周波数特性と、雑音磁束を磁気センサにより検出した場合の周波数特性を示している。
【0007】
図8に示されるように、一般に欠陥信号の方が雑音磁束よりも高い周波数分布を持っている。そこで、信号処理装置に遮断周波数fを有するハイパスフィルタを組み込むことにより、磁気センサから当該信号処理装置に出力された検出信号の内、欠陥信号を雑音磁束に比べて相対的に強調して抽出することが可能である。このように漏洩磁束探傷法において、欠陥検出能を上げるため、適当な定数を持つフィルタを使用する方式は実開昭61−119760号公報にも開示されている。
【0008】
しかしながら、図8に示すように、欠陥信号の周波数特性と雑音磁束の周波数特性は重なり合う部分もあるため、検出すべき欠陥が小さくて欠陥信号のレベルが小さい場合や、雑音磁束が大きい場合には、たとえ前記のようなハイパスフィルタを設けて欠陥信号を周波数弁別したとしても、欠陥を検出できるレベルまで、雑音磁束を除去することは困難であるという問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
これら、従来の技術の問題点を解決するために、発明者らは、強磁性体被検体を2つの異なるレベルに磁化し、各々の磁化条件での漏洩磁束を測定し、測定された漏洩磁束を演算して内部欠陥を精度良く検出する方法を発明し、平成11年特許願第29782号として特許出願した(以下、「先願発明」という)。この先願発明の概要を、図9を用いて説明する。
【0010】
製品検査ラインでは、鋼板31が搬送ロール32、33によって、一定速度Vで搬送されている。鋼板31の搬送路に沿って磁気探傷装置34が設置されている。この磁気探傷装置34は主に磁化器35a、35b、磁気センサ36a、36b、信号処理装置37によって構成されている。磁気センサ36a、36bは、鋼板31を挟んでそれぞれ磁化器35a、35bの対向位置に配置されている。
【0011】
磁化器35aによる磁化は、磁化器35bによる磁化よりも強く設定され、鋼板31を磁気飽和に近い程度まで磁化するようになっている。磁気センサ36aは、磁化器35aで磁化された状態での鋼板31よりの漏洩磁束を測定する。磁気センサ36bは、磁化器35bで磁化された状態での鋼板31よりの漏洩磁束を測定する。信号処理装置37は、磁気センサ36a、36bで検出された鋼板31の同一位置の磁気信号同士を演算し、雑音磁束を低減する。これにより、相対的に欠陥信号が強調され、S/N比が向上する。
【0012】
たとえば、磁気センサ36aで検出された出力をVa、鋼板31の同じ位置において磁気センサ36bで検出された信号をVbとすると、信号処理装置の出力として、
A=k1・(Vaーk2・Vb) …(1)
が得られるようにする。ここで、k1、k2は定数であり、k2の値は、欠陥8のない場所でAの値が0に近くなるように設定する。
【0013】
図10に信号処理の様子を示す。(a)は磁気センサ36aの出力で、印加する磁界が強い方の信号とする。(b)は磁気センサ36bの出力で磁界が弱い方の出力とする。それぞれ欠陥部と雑音部があるが、欠陥部と雑音部の出力比が異なっており、雑音部を除去するように係数を決定することにより、欠陥部がより強調される(c)の結果となり、S/N比が向上する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、先願発明においては表面粗さ等に起因するノイズの影響を低減し、S/N良く欠陥を検出することができる。しかしながら、このような方法によっても、欠陥の存在する深さ位置を測定することはできなかった。
【0015】
欠陥が存在しても、それが表面欠陥であるならば、後工程で手入れにより取り除くことができる場合がある。しかし、内部欠陥ではこのようなことができず、重大な影響を与えるので、小さなものであっても、それを含む鋼板部を除去して出荷することが必要となる場合がある。このように、同じ程度の欠陥でも、表面欠陥と内部欠陥ではその影響が大きく異なるため、両者を区別したり、欠陥の深さ方向位置を求めることは極めて重要である。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、欠陥の深さ位置を検出することができる漏洩磁束探傷方法、表面欠陥と内部欠陥を区別して検出することができる漏洩磁束探傷方法を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の直流磁化の強さでの漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の直流磁化の強さにおける測定結果同士の比を求めることにより、欠陥の表面からの深さ位置を測定することを特徴とする漏洩磁束探傷方法(請求項1)である。
【0018】
直流磁化の強さを変える方法は、磁化電流を変えるだけで探傷条件を変えることができるので、最も手軽な方法である。また、直流磁化の強さを変えることにより、欠陥の深さ方向位置に対応して漏洩磁束の変化の大きさが顕著に異なってくるので、これを利用して、演算操作により欠陥の深さ方向の位置を正確に判別することができる。すなわち、異なる直流磁化の強さで得られた漏洩磁束信号の比を求めることにより、欠陥の存在する深さ方向位置を測定することができる。
【0019】
前記課題を解決するための第2の手段は、強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の磁化条件での漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の比を求めることにより欠陥の表面からの深さ位置を測定し、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の、重み付けされた差を求めることにより欠陥の大きさを判別することを特徴とする漏洩磁束探傷方法(請求項2)である。
【0020】
本手段においては、前記第1の手段に対応する第1の比較方法により、欠陥の表面からの深さ位置を測定する。そして、強磁性体金属被検体上の同位置に対応する異なる2種の磁化条件における測定結果同士の差を求めることにより欠陥の大きさを判別する。磁化条件を変えることにより、欠陥とノイズとの比も顕著に異なってくるので、これを利用して、異なる2種の磁化条件における測定結果同士の、重み付けされた差を求めることにより欠陥の大きさを正確に決定することもできる。
よって、欠陥の深さ方向位置とその大きさの両方を決定することができる。本手段においては、例えば内部欠陥のみを検出したい場合は、まず、前記第1の手段に対応する第1の比較方法により、欠陥の表面からの深さ位置を測定し、所定の深さ以上の位置にある欠陥のみについて、欠陥の大きさの判別を行ってもよい。
【0021】
前記課題を解決するための第3の手段は、強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の磁化条件での漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の比を求めることにより欠陥の表面からの深さ位置を測定し、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の、重み付けされた差を求めることにより欠陥の大きさを仮に求め、仮に求められた欠陥の大きさを、前記測定された欠陥の表面からの深さ位置で補正するすることにより欠陥の大きさを判別することを特徴とする漏洩磁束探傷方法(請求項3)である。
【0022】
本手段は、前記第2の手段とほとんど同じであるが、欠陥の大きさを判別するに当たり、第2の比較方法で得られた結果を、測定された欠陥の表面からの深さ位置で補正して欠陥の大きさを判別するようにしている。一般に、欠陥の大きさが同じ場合、欠陥の深さ方向の位置が深くなるにしたがって、漏洩磁束信号が小さくなる。本手段においては、このことに着目して補正を行っているので、欠陥の深さ方向位置が変わっても、正確にその大きさを検出することができる。本手段においても、例えば内部欠陥のみを検出したい場合は、まず、前記第1の手段に対応する第1の比較方法により、欠陥の表面からの深さ位置を測定し、所定の深さ以上の位置にある欠陥のみについて、欠陥の大きさの判別を行ってもよい。
【0027】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、検出された欠陥の深さを基に、表面欠陥と内部欠陥を弁別することを特徴とするもの(請求項4)である。
【0028】
前記第1の手段から第3の手段によれば、欠陥の深さ方向位置が決定できるので、これを基に、表面欠陥であるか内部欠陥であるかの判別が可能である。表面欠陥であるか内部欠陥であるかは、深さ方向位置に閾値を設けて、それより浅い位置にあるものを表面欠陥、深い位置にあるものを内部欠陥とすればよい。前述のように、表面欠陥であるか内部欠陥であるかによって、その欠陥部位の取り扱いの方法が異なってくる場合があるので、これらを識別することは極めて重要である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の1例である漏洩磁束探傷法を実施する装置の概要を示す図である。図1において、1は薄鋼板、2a、2bは搬送ローラ、3は磁化器、4は磁気センサ、5は信号処理装置、6は漏洩磁束探傷装置、7は内部欠陥、8は磁化器電源、9は前処理装置、10は記憶装置、11は比較装置、12は演算装置である。信号処理装置5は、磁気センサ出力信号の前処理(増幅やバンドフィルタ処理)を行う前処理装置9と、一方の探傷条件での磁気センサ4の出力を記憶する記憶装置10と、比較装置11と、比較結果から深さ位置を求める演算装置12を中心として構成される。
【0030】
この製品検査ラインでは、鋼板1の搬送路に沿って漏洩磁束探傷装置6が設置されている。この漏洩磁束探傷装置6は、主に磁気センサ4、磁化器3、信号処理装置5、磁化器電源8から構成されている。磁化器3は磁化器電源8により電力を供給され、鋼板1を磁化する。磁気センサ4と鋼板1との距離であるリフトオフはL1とされている。
【0031】
鋼板1は、磁化器3、磁気センサ4によりある探傷条件にて探傷される。磁気センサ4の出力は前処理装置9を通り記憶装置10に格納される。次に鋼板1の同じ場所を別の探傷条件にて行う。この時磁気センサ4の出力は信号処理装置5にて処理が施されるが、前処理装置9を通った後、比較装置11へ入力される。比較装置11は、前処理装置9から入力される磁気センサ4の信号と、記憶装置10に格納されている信号とを、鋼板1上のほぼ同一位置の信号同士で比較を行う。そして、比較した値を基に、演算装置12により欠陥の深さを求める。
【0032】
探傷条件には磁化器の電流、磁化器の形状、強磁性体金属被検体と磁化器の距離、強磁性体金属被検体とセンサの距離、センサの向き、センサの角度、強磁性体金属被検体の移動方向などがあるが、前述のように、磁化の強さを変えることにより探傷条件を変えるのが好ましい。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態の他の例である漏洩磁束探傷法を実施する装置の概要を示す図であり、内部介在物を検出することを主たる目的とするものである。以下の図において、発明の実施の形態の欄以後における前出の図に示された前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略することがある。
【0034】
この実施の形態においては、磁化条件(強磁性体金属被検体内の磁界の強さ・向きの条件)を変えることにより異なる2つの探傷条件で探傷を行っている。すなわち、磁化電流を変えることにより磁化条件を変えている。
【0035】
図2において、3a、3bは磁化器、4a、4bは磁気センサ、8a、8bは磁化器電源、13は比演算器である。信号処理装置5は、各磁気センサ出力信号の前処理を行う前処理装置9、各出力値の比を求める比演算器13、磁気センサ4aの出力と4bの出力の演算を行う比較装置11、演算後の欠陥判定を行い欠陥を出力する演算装置12を中心として構成される。
【0036】
この製品検査ラインでは、鋼板1の搬送路に沿って漏洩磁束探傷装置6が設置されている。この漏洩磁束探傷装置6は、主に磁化器3a、3b、磁気センサ4a、4b、信号処理装置5、磁化器電源8a、8bから構成されている。磁化器3a、3bは磁化器電源8a、8bにより電力を供給され、鋼板1を磁化する。磁気センサ4a、4bと鋼板1との距離であるリフトオフは、それぞれL1、L2とされている。
【0037】
鋼板1は、磁化器3a、磁気センサ4aによりある磁化状態にて探傷される。磁化器3b、磁気センサ4bは、磁化器3a、磁気センサ4aとは異なる磁化レベルにて探傷を行う。磁気センサ4a、4bの出力は信号処理装置5に入力されて処理が施される。信号処理装置5内では、磁気センサ4aからの信号出力と磁気センサ4bからの信号出力を前処理装置9に通して増幅、フィルタリング等の処理を行い、その後、比演算器13にて両出力値の比を得る。
【0038】
一方、前処理装置6からの磁気センサ4a、4bの処理後の信号出力を、比較装置11に入力して、鋼板1上のほぼ同一位置からの信号同士で(1)式に示したような演算を行い、欠陥を強調した出力を得る。
【0039】
比演算器13の出力と、比較装置11の出力は演算装置12入力される。演算装置12は、比演算器13の出力より欠陥の深さ方向位置を判断し、この値と比較装置11の出力から、欠陥の大きさを判断して出力する。なお、欠陥の深さ方向位置と比演算器13の出力との関係は、2種の磁化状態によって異なり、(1)式の係数も2種の磁化状態によって異なるので、予め2種の磁化状態におけるこれらの関係式や係数を、実験等によって定めておく必要がある。
【0040】
【実施例】
以下に本発明を、薄鋼板中の微小な内部介在物をオンラインにて検出する装置に適用した例について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施例を実施した装置の構成を示す概要図であるが、この装置の構成は、図2に示したものとほとんど同じであるが、信号処理装置5の中に遅延回路14及びA/D変換器15、計算機16が設置されているのが異なる点である。
【0041】
製品検査ラインを搬送される薄鋼板の厚さは1mmである。また、この鋼板1は搬送ローラ2a、2bによりほぼ一定速度V=30m/minで搬送される。各磁気センサ4a、4bはそれぞれリフトオフL1=L2=1.0mmに設定されている。図示していないが、複数個の磁気センサ4a、4bが板幅方向に直線的に5mmピッチで配列されており、200組400個の磁気センサにて1m幅を探傷する。磁気センサ4aの列と4bの列との距離は1mとした。磁化器3a、3bと鋼板との距離はそれぞれ5mmとし、磁化器3aの磁化力は4000AT、磁化器3bの磁化力は1000ATとした。
【0042】
磁気センサ4aの出力は、遅延回路14にて薄鋼板が磁気センサ4aと4bの間を走行する時間である2秒遅延される。その後前処理装置9にて100倍増幅され、200−800Hzの周波数成分のみが取り出される。一方磁気センサ4bの出力は遅延回路を経ずに前処理装置9に入力されて処理される。処理された4a、4bのそれぞれの信号はA/D変換器15にてディジタル化され、計算機16のメモリーに格納される。
【0043】
格納後の信号処理の様子を図4に示す。磁気センサ4aの探傷データをVa(t)、4bの探傷データをVb(t)(いずれも前処理9の出力)とし、メモリーに格納し、以下の計算を行う。
V(t)=Va(t)−Vb(t)*2 …(2)
これは、前記(1)式に対応するもので、係数の2は磁化状態によって変わるが、本実施例の場合2が最適値であった。得られたV(t)は、常に欠陥を強調する信号となっている。ここで敷値Z(S/N=3となる値)を定め、Z以上の出力を示す位置についてVa(t)/Vb(t)の比を求める。この比が予め求めていた比の敷値Zr(本実施例では4)より大きい場合を内部欠陥と判定し、計算機に欠陥の詳細データを表示する。ここで詳細データとは欠陥出力値、Va/Vb比、鋼板上の位置などである。
【0044】
図5に探傷信号例を示す。(a)はある磁化条件(強い磁化条件)のおける磁気センサ4aの出力信号であり、(b)は(a)とは異なる磁化条件(弱い磁化条件)における磁気センサ4bの出力信号である。
【0045】
波形(a)中の探傷結果a−1は内部欠陥、探傷結果a−2では表面欠陥を検出している。探傷結果b−1は探傷結果a−1と全く同じ場所を探傷した場合であり、探傷結果b−2は探傷結果a−2と全く同じ場所を探傷した結果である。探傷結果a−1と探傷結果b−1の差分と探傷結果a−2と探傷結果b−2の差分を(2)式によりそのまま計算すると、探傷結果c−1のS/N比も探傷結果c−2のS/Nも4である。これでは表面欠陥と内部欠陥の区別をつけることができない。
【0046】
そこで、4a、4bの出力比の計算を行うと探傷範囲c−1では2、探傷範囲c−2では5となる。表6は、これらの磁化状態における欠陥の板厚方向の位置と磁気センサ4aと4bの信号の比を求めたグラフである。深さ0.2mmより深い欠陥を求めたい場合、図6より比の敷値を5として判別すると、探傷範囲c−1における欠陥は表面欠陥、探傷範囲c−2における欠陥は求めるべき内部欠陥であると判別される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る発明においては、欠陥の存在する深さ方向位置を測定することができる。
請求項2に係る発明においては、欠陥の深さ方向位置とその大きさの両方を決定することができる。
【0048】
請求項3に係る発明においては、欠陥の深さ方向位置が変わっても、正確にその大きさを検出することができる。
請求項4に係る発明においては、表面欠陥であるか内部欠陥であるかの判別が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例である漏洩磁束探傷法を実施する装置の概要を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例である漏洩磁束探傷法を実施する装置の概要を示す図である。
【図3】本発明の実施例を実施した装置の構成を示す概要図である。
【図4】本発明の実施例における信号処理方式をブロック図で示した図である。
【図5】本発明の実施例における探傷信号の例を示す図である。
【図6】欠陥の板厚方向の位置と磁気センサの信号の比を求めたグラフである。
【図7】従来の漏洩磁束探傷装置の構成の概要を示す図である。
【図8】欠陥信号と雑音磁束の周波数特性の測定結果の一例を示す図である。
【図9】先願発明の漏洩磁束探傷装置の構成の概要を示す図である。
【図10】先願発明における信号処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
1…薄鋼板、2a、2b…搬送ローラ、3、3a、3b…磁化器、4、4a、4b…磁気センサ、5…信号処理装置、6…漏洩磁束探傷装置、7…内部欠陥、8、8a、8b…磁化器電源、9…前処理装置、10…記憶装置、11…比較装置、12…演算装置、13…比演算器、14…遅延回路、15…A/D変換器、16…計算機

Claims (4)

  1. 強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の直流磁化の強さでの漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の直流磁化の強さにおける測定結果同士の比を求めることにより、欠陥の表面からの深さ位置を測定することを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
  2. 強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の磁化条件での漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の比を求めることにより欠陥の表面からの深さ位置を測定し、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の、重み付けされた差を求めることにより欠陥の大きさを判別することを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
  3. 強磁性体金属被検体の表面に対して磁気センサを対向配置させて、前記強磁性体金属被検体に対して異なる2種の磁化条件での漏洩磁束の測定を行い、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の比を求めることにより欠陥の表面からの深さ位置を測定し、前記強磁性体金属被検体上の同位置に対応する前記異なる2種の磁化条件における測定結果同士の、重み付けされた差を求めることにより欠陥の大きさを仮に求め、仮に求められた欠陥の大きさを、前記測定された欠陥の表面からの深さ位置で補正するすることにより欠陥の大きさを判別することを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の漏洩磁束探傷方法であって、検出された欠陥の深さを基に、表面欠陥と内部欠陥を弁別することを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
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