JP3271246B2 - 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント - Google Patents

漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント

Info

Publication number
JP3271246B2
JP3271246B2 JP02978299A JP2978299A JP3271246B2 JP 3271246 B2 JP3271246 B2 JP 3271246B2 JP 02978299 A JP02978299 A JP 02978299A JP 2978299 A JP2978299 A JP 2978299A JP 3271246 B2 JP3271246 B2 JP 3271246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic flux
magnetization
condition
defect
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02978299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000227418A (ja
Inventor
宏晴 加藤
淳一 四辻
章生 長棟
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Engineering Corp filed Critical JFE Engineering Corp
Priority to JP02978299A priority Critical patent/JP3271246B2/ja
Priority to TW89115618A priority patent/TWI234651B/zh
Publication of JP2000227418A publication Critical patent/JP2000227418A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3271246B2 publication Critical patent/JP3271246B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性体金属被検体
に磁界を印加し、この強磁性体金属被検体の内部に存在
する欠陥に起因する漏洩磁束を検出することによって、
欠陥を探傷する漏洩磁束探傷方法に関するものであり、
さらに詳しくは、材料に起因するノイズの影響を抑さえ
ることにより、微少な欠陥でも確実に検出することが可
能な漏洩磁束探傷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄のような強磁性体の内部に存在する欠
陥を検出する方法として、漏洩磁束探傷法が広く用いら
れている。その一例として、製鉄プラントにおける製鉄
検査ラインに組み込まれている磁気センサを利用した磁
気探傷装置の構成を図6に示す。
【0003】製品検査ラインを搬送ローラ11,12に
より、ほぼ一定速度Vで搬送される薄鋼帯13の搬送路
に沿って磁気探傷装置14が配設されている。この磁気
探傷装置14は、走行状態の薄鋼帯13に磁界を印加す
る磁化器15と、薄鋼帯13を挟んで磁化器15の対向
位置に配設された磁気センサ16と、この磁気センサ1
6からの検出信号に基づいて薄鋼帯13の内部または表
面の欠陥17を検出する信号処理装置18とで構成され
ている。
【0004】薄鋼帯13に欠陥17が存在すると、この
欠陥17に起因して薄鋼帯13内の磁力線が乱され、薄
鋼帯13の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ
16はこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥
17の大きさに対応するので、磁気センサ16の検出信
号の信号レベルで欠陥17の大きさが評価できる。
【0005】以上のように、従来の、強磁性体金属被検
体の欠陥を、漏洩磁束を測定することによって検出する
方法においては、磁気センサの検出信号の信号レベルに
よって欠陥の大きさを検出していた。しかしながら、磁
気センサによって検出される磁気的な信号には、上記の
欠陥に起因する漏洩磁束信号以外にも、強磁性体金属被
検体における局部的な磁気的特性変化、むらなどに起因
する強磁性体金属被検体外部の磁束分布の乱れや、表面
粗さにより生じる磁束分布の乱れが含まれる場合があ
る。この磁束分布の乱れは、欠陥検出という観点からす
れば、不要な磁束(雑音磁束)である。
【0006】このような雑音磁束による影響を避けるた
め、欠陥漏洩磁束に起因する信号と雑音磁束に起因する
信号とで周波数が異なることを利用して、欠陥を判断す
る方法が用いられることがある。図7は欠陥信号と雑音
磁束の周波数特性の測定結果の一例を示す図である。す
なわち、図7は、薄鋼板を一定速度で走行させた状態に
おいて、欠陥に起因する漏洩磁束を磁気センサで検出し
た場合の欠陥信号の周波数特性と、雑音磁束を磁気セン
サにより検出した場合の周波数特性を示している。
【0007】図7に示されるように、一般に欠陥信号の
方が雑音磁束よりも高い周波数分布を持っている。そこ
で、信号処理装置に遮断周波数fを有するハイパスフィ
ルタを組み込むことにより、磁気センサから当該信号処
理装置に出力された検出信号の内、欠陥信号を雑音磁束
に比べて相対的に強調して抽出することが可能である。
このように漏洩磁束探傷法において、欠陥検出能を上げ
るため、適当な定数を持つフィルターを使用する方式は
実開昭61−119760号公報にも開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示すように、欠陥信号の周波数特性と雑音磁束の周波数
特性は重なり合う部分もあるため、検出すべき欠陥が小
さくて欠陥信号のレベルが小さい場合や、雑音磁束が大
きい場合には、たとえ前記のようなハイパスフィルター
を設けて欠陥信号を周波数弁別したとしても、欠陥を検
出できるレベルまで、雑音磁束を除去することは困難で
あるという問題点がある。
【0009】本発明は、以上のような実状に鑑みてなさ
れたもので、微小な欠陥であっても検出可能であり、検
出精度の高い強磁性体金属被検体の漏洩磁束探傷方法及
漏洩磁束探傷装置、及びそれを使用した製鉄プラント
を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、強磁性体金属被検体を異なる複数の磁
化条件、即ち強磁化条件と弱磁化条件であって、弱磁化
条件においては雑音信号も欠陥信号も強磁化条件の場合
よりも小さくなるが、欠陥信号の方がより小さくなる条
件で磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩
磁束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、そ
の演算結果に基づいて欠陥判定を行うことを特徴とする
漏洩磁束探傷方法(請求項1)である。
【0011】このような手段により検出能向上を図るこ
とができる理由を述べるため、まず雑音磁束の性質につ
いて説明する。まず、厚さ1mmの鋼板を、その表面よ
り、歪みが入らないよう化学的に少しずつ削っていき、
雑音磁束レベルの変化を調べた。この結果、図2に示す
ように雑音磁束は徐々に小さくなっていき、表層20μm
ほど削ったところで、削る前の状態の半分以下になって
安定することが分った。
【0012】これは、例えば表面の粗さに起因して出る
磁気的信号が、表面を研削することによって減少するた
め、あるいは、鋼板製造時、表面から冷却されることに
より生じる表層組織の局所的なばらつきなどによる、磁
気的性質のむらの影響が減少するためと考えられる。い
ずれにしても、これより、雑音磁束の主要な源は表層に
あることが判明した。このような現象はここで使用した
サンプル以外でも発生しており、雑音磁束が持つ性質の
一つと考えることができる。このように、雑音磁束主要
部は表層部にその源を持つものであるが、内部欠陥は一
般にそれよりも深い位置にある。
【0013】磁化レベルの異なる2種の測定条件にて、
雑音磁束と欠陥信号レベルの挙動を考えるとどのような
ことが起こるかを以下に述べる。説明を容易にするた
め、強い磁化条件として強磁性体金属被検体を飽和させ
るレベルを考えるものとする。そのようなレベルでは、
強磁性体といえども微分的な比透磁率は1に近くなり、
磁気シールド効果はないと考えてよい。そのため、セン
サと信号源(欠陥あるいは雑音磁束源)との距離の差に
より欠陥信号の方が検出信号は小さくなるが、センサと
信号源の間に存在する強磁性体金属被検体自身によるシ
ールド効果により欠陥信号と雑音磁束の信号強度に差が
生じることはない。
【0014】一方、弱磁化レベルの場合は、強磁性体金
属被検体が飽和していない状態を選ぶと、微分比透磁率
は1より大きくなり、センサと信号源の間に存在する強
磁性体金属被検体自身によるシールド効果が生じる。深
いところにある信号源ほど、このシールド効果の影響を
強く影響を受け、センサに達する信号が小さくなる。
【0015】従って、強磁化条件から弱磁化条件に磁化
条件を変化させることで、雑音磁束も欠陥信号も小さく
なるが、欠陥信号の方が弱磁化時のシールド効果によ
り、より小さくなる。この様子を図3に示す。図3よ
り、飽和磁化レベル2500ATより磁化レベルを下げていく
と、雑音磁束と欠陥信号は両者とも小さくなって行く
が、表面から深い位置にある欠陥からの信号の方がシー
ルド効果により、より小さくなっていくことがわかる。
【0016】ここでは説明を簡単にするため、強い磁化
条件として飽和磁化レベルを使用した。飽和磁化レベル
では、微分比透磁率が1になるので、本発明の効果が明
瞭に出やすい効果があるため、飽和磁化レベルは強磁化
条件の重要な選択肢の一つである。しかし磁化レベルの
強いほど微分透磁率は低く、シールド効果が低いという
傾向は変わらないため、強い磁化レベルが飽和レベルで
なくとも同様の効果が期待できることはいうまでもな
い。
【0017】よって、強磁化条件と弱磁化条件であっ
て、弱磁化条件においては雑音信号も欠陥信号も強磁化
条件の場合よりも小さくなるが、欠陥信号の方がより小
さくなる条件を選びこの2種の磁化条件から得られた
サンプル上同じ位置に対応する検出信号同士の適当な演
算を行うことで、2種の測定条件に共通に大きく存在す
る雑音磁束を相殺して低減し、欠陥信号を相対的に強め
ることができる。
【0018】なお、ここでは2種の磁化条件を用いる場
合について述べたが、強磁化条件と弱磁化条件であっ
て、弱磁化条件においては雑音信号も欠陥信号も強磁化
条件の場合よりも小さくなるが、欠陥信号の方がより小
さくなる3種以上の磁化条件で測定を行い、同じ測定対
象の位置に対応するデータ同士を演算する場合にも、同
様のやり方により欠陥検出能向上が図れることはいうま
でもない。
【0019】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、強磁化条件での漏洩磁束の測
定結果と、弱磁化条件での漏洩磁束の測定結果とを、重
み付けを行って減算し、その演算結果に基づいて欠陥判
定を行うことを特徴とする漏洩磁束探傷方法(請求項
2)である。
【0020】前記第1の手段で行う演算としては、欠陥
信号、雑音ノイズの性質に応じて検出能が向上できるよ
う適当なものを選択すればよいが、強磁化信号測定値か
ら、重み付けした弱磁化信号測定値を減算する方式、ま
たは、弱磁化信号測定値から、重み付けした強磁化信号
測定値を減算する方式が、両測定値に共通して比較的大
きく存在する雑音ノイズを除去し、欠陥信号を相対的に
強調するためには、簡単で効果のある方法である。
【0021】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1の手段又は第2の手段であって、最強の磁化条
件として、強磁性体金属被検体が磁気飽和するレベルの
磁化を加えることを特徴とするもの(請求項3)であ
る。
【0022】前述のように、飽和磁化レベルでは、微分
比透磁率が1になるので、シールド効果がなくなり、本
発明の効果を特に有効に得ることができるので好まし
い。前記課題を解決するための第4の手段は、強磁性体
金属被検体を異なる複数の磁化条件、即ち強磁化条件と
弱磁化条件であって、弱磁化条件においては雑音信号も
欠陥信号も強磁化条件の場合よりも小さくなるが、欠陥
信号の方がより小さくなる条件で磁化する磁化器と、各
々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁束の測定を行
う磁気センサと、これらの測定結果同士を演算し、その
演算結果に基づいて欠陥判定を行う信号処理装置を有す
ることを特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項4)であ
る。 前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4
の手段であって、前記信号処理装置は、強磁化条件での
漏洩磁束の測定結果と、弱磁化条件での漏洩磁束の測定
結果とを、重み付けを行って減算し、その演算結果に基
づいて欠陥判定を行うことを特徴とするものであること
を特徴とする漏洩磁束探傷装置(請求項5)である。
記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段
又は第5の手段である漏洩磁束探傷装置が組み込まれた
検査ラインを有する製鉄プラント(請求項6)である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
である漏洩磁束探傷方法を実施するための磁気探傷装置
の例を示す図である。図1において、1は鋼板、2,3
は搬送ロール、4は磁気探傷装置、5a,5bは磁化
器、6a,6bは磁気センサ、7は信号処理装置、8は
欠陥である。
【0024】製品検査ラインはでは、鋼板1が搬送ロー
ル2,3によって、一定速度Vで搬送されている。鋼板
1の搬送路に沿って磁気探傷装置4が設置されている。
この磁気探傷装置4は主に磁化器5a,5b、磁気セン
サ6a,6b、信号処理装置7によって構成されてい
る。磁気センサ6a,6bは、鋼板1を挟んでそれぞれ
磁化器5a,5bの対向位置に配置されている。この各
磁気センサ6a,6bと鋼板1との距離であるリフトオ
フの値は双方とも同じでLである。
【0025】磁化器5aによる磁化は、磁化器5bによ
る磁化よりも強く設定され、鋼板1を磁気飽和に近い程
度まで磁化するようになっている。磁気センサ6aは、
磁化器5aで磁化された状態での鋼板1よりの漏洩磁束
を測定する。磁気センサ6bは、磁化器5bで磁化され
た状態での鋼板1よりの漏洩磁束を測定する。信号処理
装置7は、磁気センサ6a,6bで検出された鋼板1の
同一位置の磁気信号同士を演算し、雑音磁束を低減す
る。これにより、相対的に欠陥信号が強調され、S/N
比が向上する。
【0026】たとえば、磁気センサ6aで検出された出
力をVa、鋼板1の同じ位置において磁気センサ6bで
検出された信号をVbとすると、信号処理装置の出力と
して、 A=k1・(Vaーk2・Vb) …(1) が得られるようにする。ここで、k1、k2は定数であ
り、k2の値は、欠陥8のない場所でAの値が0に近く
なるように設定する。
【0027】なお、リフトオフLは必ずしも、磁気セン
サ6a、6b間で同じである必要はなく、相互に異なっ
ていてもよい。また、2種の磁化条件を実現するために
は、必ずしも2組の磁化器と磁気センサを使う必要はな
く、1組の磁化器と磁気センサを用い、磁化電流を変え
て2度測定するなどの手段をとることができる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明を、薄鋼板中の微小な介在物
をオンラインにて検出する装置に適用した例について図
4を参照しながら説明する。図4に示すような磁気探傷
装置を使用して、実際の鋼板に存在する微少欠陥を探傷
した。図4において、図1に示されたものと同じ構成要
素には、同じ符号を付してその説明を省略する。9は遅
延処理回路、10は信号処理装置本体である。なお、製
品検査ラインを搬送される薄鋼板1の厚さは1[mm]で
あった。また、この鋼板1の搬送速度は、ほぼ一定で、
速度V=100[m/min]であった。
【0029】各磁気センサ6a,6bと鋼板1の表面ま
での距離であるリフトオフLは0.7[mm]に設定した。ま
た、実際には、磁気センサ6a,6bは、板幅方向に直
線的に5mmピッチで複数配列されており、200組400個の
磁気センサ6a,6bによって板幅方向1mをカバーす
るようにされている。この磁気探傷装置4の基本的な作
動は、図1の説明において述べたものと同じである。
【0030】磁化器5aにかける、より強い磁化条件
(強磁化条件)としては、欠陥信号と雑音磁束が両方と
も大きく検出される飽和磁化レベル近傍を選んだ。ただ
し、強磁化条件において検出される雑音磁束信号が、よ
り弱い方の磁化条件においても存在するようにするため
に、また、強磁化レベルも、弱い方の磁化条件に近づけ
るという意味で、不必要に大きくならない条件とした。
【0031】磁化器5bにかける、より弱い磁化条件
(弱磁化条件)としては、磁化を下げたことによる欠陥
信号レベルの変化が、雑音磁束信号レベルの変化の割合
よりもできるだけ大きい範囲で、かつ強磁化条件におい
て検出される雑音磁束が弱磁化条件においても存在する
よう、小さくなりすぎないようなレベルとした。
【0032】信号処理装置本体10は、各磁気センサ6
a,6bの検出信号Va(t)、Vb(t)を20kHzの
サンプリング周波数によりアナログ-ディジタル変換し
てから、前記(1)式に示した信号処理を行うものであ
る。
【0033】また、鋼板2の移動方向における磁気セン
サ6aと磁気センサ6bの位置ずれ量dを逐次実測した
鋼板速度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差Δ
tを求め、遅延処理回路9により磁気センサ6aの信号
Va(t)を相対的に磁気センサ6bの信号Vb(t)
に対して遅らせてVa(t−Δt)とVb(t)を対応
させるようにした。
【0034】また、検出信号Va(t−Δt)、および
Vb(t)は直流分や周波数の低い地合ノイズ成分の低
減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズなどをカットす
るため、バンドパスフィルタにかけられる。通過帯域
は、両磁化条件とも同じで、1kHz〜2kHzである。
【0035】図5に検出能改善効果を示す。強磁化条件
(磁化力2500AT、磁化器5aにより磁化)では材料に起
因するノイズが大きくS/N比は1.3である。弱磁化条
件(磁化力1000AT、磁化器5bにより磁化)では、強磁
化条件で出ていた雑音磁束が同様に現れているのがわか
る。弱磁化条件における信号を2.5倍し、対応する位置
の強磁化条件における信号より引いた結果が差分処理結
果である((1)式においてk2=2.5としたもの)。差
分処理結果においては、雑音磁束が激減し、相対的に欠
陥信号が強調され、S/N比は3.5まで向上しているこ
とがわかる。
【0036】なお、強磁化条件での測定値と弱磁化条件
での測定値の減算、遅延処理、フィルタリングなどの処
理は、アナログ信号にて行ってもよいし、アナログ信号
をディジタル信号に変換した後に行ってもよい。また、
ディジタル信号に変換してから行う場合でも、ハードウ
エアによって行っても、ソフトウエアによって行っても
かまわない。
【0037】また、本手法によると表層に近いところに
ある欠陥は逆に検出能が低下することが考えられるが、
表層欠陥は従来法により検出しやすいため、本発明方法
と従来法を併用することにより、この問題は解決するこ
とができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1にかかる発明においては、適当な2種の磁化条件を
選び、2種の磁化条件から得られたサンプル上同じ位置
に対応する検出信号同士の適当な演算を行うことで、2
種の測定条件に共通に大きく存在する雑音磁束を相殺し
て低減し、欠陥信号を相対的に強めることができる。よ
って、強磁性体金属被検体中の欠陥が微小であっても確
実に検出でき、欠陥検出精度を大幅に向上させることが
できる。
【0039】請求項2にかかる発明においては、強磁化
信号測定値から、重み付けした弱磁化信号測定値を減算
するようにしているので、簡単な方法により、確実に、
欠陥検出精度を大幅に向上させることができる。
【0040】請求項3にかかる発明においては、強い方
の磁化条件として、強磁性体金属被検体が磁気飽和する
レベルの磁化を加えているので、シールド効果が無い状
態で漏洩磁束の検出を行うことができ、本発明の効果を
特に有効に得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である漏洩磁束探傷方法を
実施するための磁気探傷装置の例を示す図である。
【図2】鋼板の表面の削除厚さと、正規化された雑音磁
束信号のレベルとの関係を示す図である。
【図3】磁化レベルと、正規化された欠陥信号と雑音磁
束信号のレベルとの関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例に使用した磁気探傷装置の構成
を示す図である。
【図5】本発明の実施例における欠陥検出性能の向上を
示す図である。
【図6】従来の磁気探傷装置の構成を示す図である。
【図7】欠陥信号と雑音磁束の周波数特性の測定結果の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1…鋼板 2,3…搬送ロール 4…磁気探傷装置 5a,5b…磁化器 6a,6b…磁気センサ 7…信号処理装置 8…欠陥 9…遅延処理回路 10…信号処理装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−274016(JP,A) 特開 平9−145679(JP,A) 特開 平8−193980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化
    条件、即ち強磁化条件と弱磁化条件であって、弱磁化条
    件においては雑音信号も欠陥信号も強磁化条件の場合よ
    りも小さくなるが、欠陥信号の方がより小さくなる条件
    磁化し、各々の磁化条件下で同一場所における漏洩磁
    束の測定を行い、これらの測定結果同士を演算し、その
    演算結果に基づいて欠陥判定を行うことを特徴とする漏
    洩磁束探傷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の漏洩磁束探傷方法であ
    って、強磁化条件での漏洩磁束の測定結果と、弱磁化条
    での漏洩磁束の測定結果とを、重み付けを行って減算
    し、その演算結果に基づいて欠陥判定を行うことを特徴
    とする漏洩磁束探傷方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の漏洩磁束
    探傷方法であって、最強の磁化条件として、強磁性体金
    属被検体が磁気飽和するレベルの磁化を加えることを特
    徴とする漏洩磁束探傷方法。
  4. 【請求項4】 強磁性体金属被検体を異なる複数の磁化
    条件、即ち強磁化条件と弱磁化条件であって、弱磁化条
    件においては雑音信号も欠陥信号も強磁化条件の場合よ
    りも小さくなるが、欠陥信号の方がより小さくなる条件
    で磁化する磁化器と、各々の磁化条件下で同一場所にお
    ける漏洩磁束の測定を行う磁気センサと、これらの測定
    結果同士を演算し、その演算結果に基づいて欠陥判定を
    行う信号処理装置を有することを特徴とする漏洩磁束探
    傷装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の漏洩磁束探傷装置であ
    って、前記信号処理装置は、強磁化条件での漏洩磁束の
    測定結果と、弱磁化条件での漏洩磁束の測定結果とを、
    重み付けを行って減算し、その演算結果に基づいて欠陥
    判定を行うものであることを特徴とする漏洩磁束探傷装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の漏洩磁束
    探傷装置が組み込まれた検査ラインを有する製鉄プラン
    ト。
JP02978299A 1999-02-08 1999-02-08 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント Expired - Fee Related JP3271246B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02978299A JP3271246B2 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント
TW89115618A TWI234651B (en) 1999-02-08 2000-08-03 Magnetic flaw detecting method, hot rolled steel sheet manufacturing method using the same and manufactured hot coil

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02978299A JP3271246B2 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000227418A JP2000227418A (ja) 2000-08-15
JP3271246B2 true JP3271246B2 (ja) 2002-04-02

Family

ID=12285595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02978299A Expired - Fee Related JP3271246B2 (ja) 1999-02-08 1999-02-08 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3271246B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005016566A1 (ja) * 2003-08-13 2005-02-24 Jfe Steel Corporation 鋼帯または表面処理鋼帯の製造方法
WO2009025384A1 (ja) * 2007-08-23 2009-02-26 Jfe Steel Corporation 凹凸表面欠陥の検出方法及び装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4724967B2 (ja) * 2001-07-11 2011-07-13 Jfeスチール株式会社 探傷結果情報が添付された熱延鋼板の製造方法
US7109702B2 (en) 2001-09-25 2006-09-19 Daihatsu Motor Co., Ltd. Non-destructive inspection method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005016566A1 (ja) * 2003-08-13 2005-02-24 Jfe Steel Corporation 鋼帯または表面処理鋼帯の製造方法
WO2009025384A1 (ja) * 2007-08-23 2009-02-26 Jfe Steel Corporation 凹凸表面欠陥の検出方法及び装置
JP2009052903A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Jfe Steel Kk 微小凹凸表面欠陥の検出方法及び装置
US8466673B2 (en) 2007-08-23 2013-06-18 Jfe Steel Corporation Method and apparatus for detecting concavo-convex shape surface defects
CN101688851B (zh) * 2007-08-23 2015-07-08 杰富意钢铁株式会社 凹凸表面缺陷的检测方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000227418A (ja) 2000-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100487737B1 (ko) 누설자속 탐상법 및 그 것을 이용한 열연강판의 제조방법
JP3811039B2 (ja) 磁気探傷装置の漏洩磁気検出センサ
RU2342653C2 (ru) Способ неразрушающего испытания труб и устройство для его осуществления
CN102759567B (zh) 直流磁化下钢管内外壁缺陷的涡流检测识别及评价方法
JP3266128B2 (ja) 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置
WO1992014145A1 (fr) Procede d'inspection magnetique et dispositif prevu a cet effet
JP3271246B2 (ja) 漏洩磁束探傷法及び漏洩磁束探傷装置並びに製鉄プラント
CN112083059B (zh) 一种滤除钢轨顶面提离干扰的方法
CN108562640B (zh) 一种漏磁信号增强结构
JP3266899B2 (ja) 磁性金属体の探傷方法および装置
JPH1183808A (ja) 漏洩磁束探傷方法
JP3743191B2 (ja) 渦流探傷法
JP2000227422A (ja) 渦流探傷法
JP4724967B2 (ja) 探傷結果情報が添付された熱延鋼板の製造方法
JP3606439B2 (ja) 漏洩磁束探傷方法
JP2000275219A (ja) 漏洩磁束探傷法
JP4019964B2 (ja) 漏洩磁束探傷方法および装置
JP3307220B2 (ja) 磁性金属体の探傷方法および装置
JP3584462B2 (ja) 漏洩磁束探傷方法
JP3309702B2 (ja) 金属体の探傷方法および装置
JP3690580B2 (ja) 磁気探傷方法
JP2001194342A (ja) 漏洩磁束探傷法
JPH04296648A (ja) 磁気探傷方法および装置
JP3606438B2 (ja) 漏洩磁束探傷方法
JP2004037218A (ja) 磁気探傷装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080125

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090125

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090125

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100125

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110125

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120125

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130125

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140125

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees