JP2000275219A - 漏洩磁束探傷法 - Google Patents

漏洩磁束探傷法

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JP2000275219A
JP2000275219A JP11077332A JP7733299A JP2000275219A JP 2000275219 A JP2000275219 A JP 2000275219A JP 11077332 A JP11077332 A JP 11077332A JP 7733299 A JP7733299 A JP 7733299A JP 2000275219 A JP2000275219 A JP 2000275219A
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JP11077332A
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Hiroharu Kato
宏晴 加藤
Junichi Yotsutsuji
淳一 四辻
Akio Nagamune
章生 長棟
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微小な欠陥であっても検出可能であり、検出
精度の高い強磁性体金属被検体の漏洩磁束探傷方法を提
供する。 【解決手段】 鋼板1の搬送路に沿って磁気探傷装置4
が設置されている。この磁気探傷装置4は主に磁化器5
a,5b、磁気センサ6a,6b、信号処理装置8によ
って構成されている。磁化器5a、5bはそれぞれ交流
電源7a(周波数f1)、7b(周波数f2)により励
磁されている(f1<f2)。信号処理装置8は、磁気
センサ6a,6bで検出された磁気信号(交流)の振幅
を求めるため、交流電源7a,7bの出力からの参照信
号を使用して、同期検波処理を行う。さらに鋼板上の同
一位置からの信号同士を演算し、雑音磁束を低減し、相
対的に欠陥信号を強調して、S/N比を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強磁性体金属被検体
に磁界を印加し、この強磁性体金属被検体の内部に存在
する欠陥に起因する漏洩磁束を検出することによって、
欠陥を探傷する漏洩磁束探傷方法に関するものであり、
さらに詳しくは、材料に起因するノイズの影響を抑さえ
ることにより、微少な欠陥でも確実に検出することが可
能な漏洩磁束探傷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄のような強磁性体の内部に存在する欠
陥を検出する方法として、漏洩磁束探傷法が広く用いら
れている。その一例として、製鉄プラントにおける製鉄
検査ラインに組み込まれている磁気センサを利用した磁
気探傷装置の構成を図8に示す。
【0003】製品検査ラインを搬送ローラ21,22に
より、ほぼ一定速度Vで搬送される薄鋼帯23の搬送路
に沿って磁気探傷装置24が配設されている。この磁気
探傷装置24は、走行状態の薄鋼帯23に磁界を印加す
る磁化器25と、薄鋼帯23を挟んで磁化器25の対向
位置に配設された磁気センサ26と、この磁気センサ2
6からの検出信号に基づいて薄鋼帯23の内部または表
面の欠陥27を検出する信号処理装置28とで構成され
ている。
【0004】薄鋼帯23に欠陥27が存在すると、この
欠陥27に起因して薄鋼帯23内の磁力線が乱され、薄
鋼帯23の外部に漏洩して漏洩磁束となる。磁気センサ
26はこの漏洩磁束を検出する。漏洩磁束の強度は欠陥
27の大きさに対応するので、磁気センサ26の検出信
号の信号レベルで欠陥27の大きさが評価できる。
【0005】以上のように、従来の、強磁性体金属被検
体の欠陥を、漏洩磁束を測定することによって検出する
方法においては、磁気センサの検出信号の信号レベルに
よって欠陥の大きさを検出していた。しかしながら、磁
気センサによって検出される磁気的な信号には、上記の
欠陥に起因する漏洩磁束信号以外にも、強磁性体金属被
検体における局部的な磁気的特性変化、むらなどに起因
する強磁性体金属被検体外部の磁束分布の乱れや、表面
粗さにより生じる磁束分布の乱れが含まれる場合があ
る。この磁束分布の乱れは、欠陥検出という観点からす
れば、不要な磁束(雑音磁束)である。
【0006】このような雑音磁束による影響を避けるた
め、欠陥漏洩磁束に起因する信号と雑音磁束に起因する
信号とで周波数が異なることを利用して、欠陥を判断す
る方法が用いられることがある。図9は欠陥信号と雑音
磁束の周波数特性の測定結果の一例を示す図である。す
なわち、図9は、薄鋼板を一定速度で走行させた状態に
おいて、欠陥に起因する漏洩磁束を磁気センサで検出し
た場合の欠陥信号の周波数特性と、雑音磁束を磁気セン
サにより検出した場合の周波数特性を示している。
【0007】図9に示されるように、一般に欠陥信号の
方が雑音磁束よりも高い周波数分布を持っている。そこ
で、信号処理装置に遮断周波数fを有するハイパスフィ
ルタを組み込むことにより、磁気センサから当該信号処
理装置に出力された検出信号の内、欠陥信号を雑音磁束
に比べて相対的に強調して抽出することが可能である。
このように漏洩磁束探傷法において、欠陥検出能を上げ
るため、抵当な定数を持つフィルターを使用する方式は
実開昭61−119760号公報にも開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に
示すように、欠陥信号の周波数特性と雑音磁束の周波数
特性は重なり合う部分もあるため、検出すべき欠陥が小
さくて欠陥信号のレベルが小さい場合や、雑音磁束が大
きい場合には、たとえ前記のようなハイパスフィルター
を設けて欠陥信号を周波数弁別したとしても、欠陥を検
出できるレベルまで、雑音磁束を除去することは困難で
あるという問題点がある。
【0009】本発明は、以上のような実状に鑑みてなさ
れたもので、微小な欠陥であっても検出可能であり、検
出精度の高い強磁性体金属被検体の漏洩磁束探傷方法を
提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の第1の手段は、強磁性体金属被検体に異なる複数の励
磁周波数で交流磁界を印加して磁化し、各々の磁化条件
下で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの
測定結果同士を演算し、その演算結果に基づいて欠陥判
定を行うことを特徴とする漏洩磁束探傷方法(請求項
1)である。
【0011】このような手段により検出能向上を図るこ
とができる理由を述べるため、まず雑音磁束の性質につ
いて説明する。まず、厚さ1mmの鋼板を、その表面よ
り、歪みが入らないよう化学的に少しずつ削っていき、
雑音磁束レベルの変化を調べた。この結果、図4に示す
ように雑音磁束は徐々に小さくなっていき、表層20μm
ほど削ったところで、削る前の状態の半分以下になって
安定することが分った。
【0012】これは、例えば表面の粗さに起因して出る
磁気的信号が、表面を研削することによって減少するた
め、あるいは、鋼板製造時、表面から冷却されることに
より生じる表層組織の局所的なばらつきなどによる、磁
気的性質のむらの影響が減少するためと考えられる。い
ずれにしても、これより、雑音磁束の主要な源は表層に
あることが判明した。このような現象はここで使用した
サンプル以外でも発生しており、雑音磁束が持つ性質の
一つと考えることができる。このように、雑音磁束主要
部は表層部にその源を持つものであるが、内部欠陥は一
般にそれよりも深い位置にある。
【0013】励磁周波数の異なる2種の測定条件にて、
雑音磁束と欠陥信号レベルの挙動を考えるとどのような
ことが起こるかを以下に述べる。鋼などの導電体に交流
磁束を印加すると、表皮効果により導電体に進入する磁
束は深くなればなるほど弱くなっていく。そのため、直
流のみによる磁化の場合に比べ、交流による磁化を行う
と、深いところにある信号源ほど検出信号レベルが弱め
られることになる。この現象は励磁周波数が高いほど、
また被検体の透磁率が高いほど顕著に現れる。たとえ
ば、低い励磁周波数として、欠陥が十分に検出される周
波数を選び、また高い励磁周波数として低い励磁周波数
の場合と比べ、表層にその源を持つ雑音磁束が、深い位
置にある欠陥からの漏洩磁束よりも相対的に強調される
ような周波数を選ぶことができる。
【0014】図5に、励磁周波数と、欠陥信号レベルと
雑音信号レベルの比、いわゆるS/N比の関係を示す。
図5から分かるように、励磁周波数を上げていくと、欠
陥信号が雑音磁束信号に比べて小さくなっていく。欠陥
信号の励磁周波数による変化と雑音磁束の励磁周波数に
よる変化には、上記原理に従い、図5に示すように差が
生じるため、適当な2種の励磁周波数条件をえらび、そ
の2種の励磁周波数条件のもとで得られた、サンプル上
の同じ位置の信号同志の適当な演算を行うことで、2種
の測定条件に共通に大きく存在する雑音磁束を低減し、
欠陥信号を相対的に強めることができる。
【0015】なお、ここでは2種の励磁周波数条件を用
いる場合について述べたが、3種以上の励磁周波数条件
で測定を行い、その結果の測定対象の同じ位置に対応す
るデータを演算する場合にも同様のやり方により欠陥検
出能向上が図れることはいうまでもない。
【0016】前記課題を解決するための第2の手段は、
前記第1の手段であって、異なる2つの励磁周波数で強
磁性体金属被検体を磁化し、低周波の励磁周波数での漏
洩磁束の測定結果と、高周波の励磁周波数での漏洩磁束
の測定結果とを、重み付けを行って減算し、演算結果に
基づいて欠陥判定を行うことを特徴とするもの(請求項
2)である。
【0017】前記第1の手段で行う演算としては、欠陥
信号、雑音ノイズの性質に応じて検出能が向上できるよ
う適当なものを選択すればよいが、異なる2つの励磁周
波数で強磁性体金属被検体を磁化し、低周波励磁時の信
号測定値から、重み付けした高周波励磁時の信号測定値
を減算する方式、または高周波励磁時の信号測定値か
ら、重み付けした低周波励磁時の信号測定値を減算する
方式が、両測定値に共通して比較的大きく存在する雑音
ノイズを除去し、欠陥信号を相対的に強調するために
は、簡単で効果のある方法である。
【0018】前記課題を解決するための第3の手段は、
前記第1又は第2の手段であって、強磁性体金属被検体
に、交流磁界と共に直流磁界を印加することを特徴とす
るもの(請求項3)である。
【0019】交流磁化に加え直流磁化を印加すると、直
流磁化レベルに応じて、被検体の微分透磁率が変化し、
その変化により交流磁束の浸透深さが変化する。たとえ
ば、被検体を磁気飽和レベルまで直流磁化して行くと、
その微分比透磁率は小さくなりほぼ1に近づく。この場
合、直流磁化の無い場合と比べ、交流磁束の浸透深さは
非常に深くなる。交流励磁の周波数とともに、直流磁化
レベルを適当な値とすることで、所望の浸透深さを得る
ことができる。直流磁化レベルは、励磁周波数毎に別の
値を使ってもよいし、同じレベルに設定してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
である漏洩磁束探傷方法を実施するための磁気探傷装置
の第1の例を示す図である。図1において、1は鋼板、
2,3は搬送ロール、4は磁気探傷装置、5a,5bは
磁化器、6a,6bは磁気センサ、7a,7bは交流電
源、8は信号処理装置、9は欠陥である。
【0021】製品検査ラインはでは、鋼板1が搬送ロー
ル2,3によって、一定速度Vで搬送されている。鋼板
1の搬送路に沿って磁気探傷装置4が設置されている。
この磁気探傷装置4は主に磁化器5a,5b、磁気セン
サ6a,6b、信号処理装置8によって構成されてい
る。各磁気センサ6a,6bと鋼板1との距離であるリ
フトオフの値は双方とも同じでLである。磁化器5a、
5bはそれぞれ交流電源7a(周波数f1)、7b(周
波数f2)により励磁されている(f1<f2)。
【0022】信号処理装置8は、磁気センサ6a,6b
で検出された磁気信号(交流)の振幅を求めるため、交
流電源7a,7bの出力からの参照信号を使用して、同
期検波処理を行う。さらに鋼板上の同一位置からの信号
同士を演算し、雑音磁束を低減し、相対的に欠陥信号を
強調して、S/N比を向上する。
【0023】たとえば、磁気センサ6aで検出された出
力をVa、鋼板1の同じ位置において磁気センサ6bで
検出された信号をVbとすると、信号処理装置の出力と
して、 A=k1・(Vaーk2・Vb) …(1) が得られるようにする。ここで、k1、k2は定数であ
り、k2の値は、欠陥9のない場所でAの値が0に近く
なるように設定する。
【0024】漏洩磁束が検出できれば、磁気センサと磁
化器は鋼板を挟んで反対側に配置されていてもよい。な
お、リフトオフLは必ずしも、磁気センサ6a,6bで
同じである必要はなく、相互に異なっていてもよい。
【0025】2種の励磁周波数条件を実現するために
は、必ずしも2組の磁化器-磁気センサを使う必要はな
い。1組の磁化器-磁気センサにて、励磁周波数を変え
て2度測定するなどの手段を取ることができる。
【0026】図2は、本発明の実施の形態である漏洩磁
束探傷方法を実施するための磁気探傷装置の第2の例を
示す図である。以下の図において、発明の実施の形態の
欄における前出の図に示された構成要素と同じ構成要素
には同じ符号を付してその説明を省略する。図2におい
て、5は磁化器、6は磁気センサ、7は交流電源であ
る。
【0027】図2に示した磁気探傷装置は、図1に示し
たものとは、磁化器5、磁気センサ6が1組しかなく、
交流電源7からは、周波数f1と周波数f2の交流をミ
ックスしたものが磁化器5のコイルに供給されている点
が大きく異なっている。よって、磁気センサ6から得ら
れる信号は、重ね合せの原理により、周波数f1の励磁
電流に対応する磁化よって発生する漏洩磁束信号と、周
波数f2の励磁電流に対応する磁化によって発生する漏
洩磁束信号の和になっている。
【0028】磁気センサ6からの信号は、信号処理装置
8に取込まれるが、信号処理装置8には、交流電源7か
ら周波数f1の励磁電流に対応する参照信号と、周波数
f2の励磁電流に対応する参照信号が入力されている。
信号処理装置8は、ロックインアンプ等を使用して、各
々の周波数に同期した出力信号を別々に取出して増幅
し、それを検波したものを各々の励磁周波数に対する出
力信号とする。その後の信号処理方法は、図1に示した
磁気探傷装置と同様のものである。
【0029】図3は、本発明の実施の形態である漏洩磁
束探傷方法を実施するための磁気探傷装置の第3の例を
示す図である。図3において、10a,10bは直流電
源である。図3に示した磁気探傷装置は、図1に示した
ものとは、磁化器5a,5bに加えられる電源が、それ
ぞれ交流電源7aと直流電源10aの出力の和と、交流
電源7bの出力と直流電源10bの出力の和となってい
る点で異なっている。すなわち、磁化器5a,5bに
は、直流バイアス磁化が加えられている。
【0030】直流バイアス磁化を加えることにより、鋼
板1の微分透磁率は小さくなっていき、磁気飽和に至れ
ば1となる。よって、直流電源10a,10bの出力を
変えることにより、鋼板1の微分透磁率を変化させ、こ
れによって磁束の浸透深さを変えることができる。磁束
の浸透深さは、鋼板1の板厚や、検出したい欠陥9の深
さ等に応じて適当に決定すればよい。直流磁化の大きさ
は、磁化器5aと5bで必ずしも同一にする必要はな
い。
【0031】
【実施例】以下に、本発明を、薄鋼板中の微小な介在物
をオンラインにて検出する装置に適用した例について、
図6を参照しながら説明する。図6に示すような磁気探
傷器を用いて、実際に鋼板中の微少欠陥の探傷を行っ
た。図6において、11は遅延処理回路、12は信号処
理装置本体である。なお、製品検査ラインを搬送される
薄鋼板1の厚さは1[mm]であった。また、この鋼板1
の搬送速度は、ほぼ一定で、速度V=20[m/min]であ
った。
【0032】各磁気センサ6a,6bと鋼板1の表面ま
での距離であるリフトオフLは0.7[mm]に設定した。ま
た、実際には、磁気センサ6a,6bは、板幅方向に直
線的に5mmピッチで複数配列されており、200組400個の
磁気センサ6a,6bによって板幅方向1mをカバーす
るようにされている。この磁気探傷装置4の基本的な作
動は、図1の説明において述べたものと同じである。
【0033】磁化器5aに印加する低周波励磁電流の周
波数としては、欠陥信号と雑音磁束が両方とも大きく検
出される周波数を選択した。ただし、この条件における
雑音磁束信号が、高周波励磁条件においても存在するよ
うにし、また両方の磁化条件を似せるという意味で、不
必要に小さくならない条件とした。また、鋼板速度との
関係で、信号の変化を十分に捉えられる周波数とした。
このようにして、励磁周波数として5kHzを選択した。
欠陥信号周波数は上限で700Hz程度を考えておけばよ
く、5kHzの励磁周波数であれば十分である。
【0034】磁化器5bに印加する高周波励磁電流の周
波数としては、低周波励磁条件と比べ、欠陥信号レベル
の雑音ノイズレベルに対する比率が大きく変化する条件
を選ぶ必要があり、ここでは100kHzを選択した。
【0035】磁気センサ6a,6bからの信号Va
(t)、Vb(t)は、信号処理装置8にて、磁化器電源
7a,7bからの参照信号を使って同期検波される。信
号処理装置本体12は、同期検波後の各磁気センサ6
a,6bの検出信号を10kHzのサンプリング周波数
によりアナログ-ディジタル変換する。
【0036】鋼板1の移動方向における磁気センサ6a
と磁気センサ6bの位置ずれ量dを逐次実測した鋼板速
度Vで除して、同じ鋼板位置に対応する時間差Δtを求
め、遅延処理回路11により磁気センサ6aの信号Va
(t)を相対的に磁気センサ11bの信号Vb(t)に
対して遅らせてVa(t+Δt)とVb(t)を対応さ
せるようにした。
【0037】また、同期検波後の検出信号Va(t+Δ
t)、およびVb(t)は直流分や周波数の低い地合ノ
イズ成分の低減、欠陥信号周波数より高い電気ノイズな
どをカットするため、バンドパスフィルタにかけられ
る。通過帯域は、両磁化条件とも同じで、400〜700Hzで
ある。
【0038】図7に検出能改善効果を示す。低周波励磁
条件(磁化器5aにより磁化)では材料に起因するノイ
ズが大きく、S/N比は1.4である。高周波励磁条件
(磁化器5bにより磁化)では、低周波励磁条件で出て
いた雑音磁束が同様に現れているのが判る。弱磁化信号
を2.5倍し、対応する位置の強磁化信号より引いた結果
が差分処理結果である((1)式でk2=2.5としたも
の)。差分処理結果においては、雑音磁束が激減し、相
対的に欠陥信号が強調され、S/N比が3.3まで上昇し
ていることがわかる。
【0039】なお、低周波励磁条件での測定値と高周波
励磁条件での測定値の減算、遅延処理、フィルタリング
などの処理は、アナログ信号にて行っても良いし、アナ
ログ信号をディジタル信号に変換後に行ってもよい。し
かし、同期検波以前の信号は高周波であるので、アナロ
グ演算で行うのが好ましく、遅延処理回路にディジタル
方式を採用する場合は、その前で同期検波を行うように
することが好ましい。また、ディジタル信号に変換して
から処理を行う場合でも、ハードウエアによって行って
も、ソフトウエアによって行ってもかまわない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1に係る発明においては、適当な複数の励磁周波数条
件をえらび、各々の励磁周波数条件のもとで得られた、
サンプル上の同じ位置の信号同志の適当な演算を行うこ
とで、各々の測定条件に共通に大きく存在する雑音磁束
を低減し、欠陥信号を相対的に強めることができる。よ
って、強磁性体金属被検体中の欠陥が微小であっても確
実に検出でき、欠陥検出精度を大幅に向上させることが
できる。
【0041】請求項2に係る発明においては、異なる2
つの励磁周波数で強磁性体金属被検体を磁化し、両測定
値に共通して比較的大きく存在する雑音ノイズを除去
し、欠陥信号を相対的に強調するため、低周波励磁時の
信号測定値から、重み付けした高周波励磁時の信号測定
値を減算する方式であるので、簡単な方法で、ノイズ成
分を低減させることができる。
【0042】請求項3に係る発明においては、交流励磁
の周波数とともに、直流磁化レベルを適当な値とするこ
とで、所望の浸透深さを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である漏洩磁束探傷方法を
実施するための磁気探傷装置の第1の例を示す図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態である漏洩磁束探傷方法を
実施するための磁気探傷装置の第2の例を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施の形態である漏洩磁束探傷方法を
実施するための磁気探傷装置の第3の例を示す図であ
る。
【図4】鋼板の表面の削除厚さと、正規化された雑音磁
束信号のレベルとの関係を示す図である。
【図5】励磁周波数と、欠陥信号と雑音信号のレベル比
との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例に使用した磁気探傷装置の構成
を示す図である。
【図7】本発明の実施例における欠陥検出性能の向上を
示す図である。
【図8】従来の磁気探傷装置の構成を示す図である。
【図9】欠陥信号と雑音磁束の周波数特性の測定結果の
一例を示す図である。
【符号の説明】
1…鋼板 2,3…搬送ロール 4…磁気探傷装置 5,5a,5b…磁化器 6,6a,6b…磁気センサ 7,7a,7b…交流電源 8…信号処理装置 9…欠陥 10a,10b…直流電源 11…遅延処理回路 12…信号処理装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長棟 章生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2G053 AA11 AB22 BA15 BC02 BC03 BC07 BC14 CA03 CB24 DA06 DB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体金属被検体に異なる複数の励磁
    周波数で交流磁界を印加して磁化し、各々の磁化条件下
    で同一場所における漏洩磁束の測定を行い、これらの測
    定結果同士を演算し、その演算結果に基づいて欠陥判定
    を行うことを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の漏洩磁束探傷方法であ
    って、異なる2つの励磁周波数で強磁性体金属被検体を
    磁化し、低周波の励磁周波数での漏洩磁束の測定結果
    と、高周波の励磁周波数での漏洩磁束の測定結果とを、
    重み付けを行って減算し、演算結果に基づいて欠陥判定
    を行うことを特徴とする漏洩磁束探傷方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の漏洩磁束
    探傷方法であって、強磁性体金属被検体に、交流磁界と
    共に直流磁界を印加することを特徴とする漏洩磁束探傷
    方法
JP11077332A 1999-03-23 1999-03-23 漏洩磁束探傷法 Pending JP2000275219A (ja)

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