JPH09145678A - 微小欠陥検出装置 - Google Patents

微小欠陥検出装置

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JPH09145678A
JPH09145678A JP30006495A JP30006495A JPH09145678A JP H09145678 A JPH09145678 A JP H09145678A JP 30006495 A JP30006495 A JP 30006495A JP 30006495 A JP30006495 A JP 30006495A JP H09145678 A JPH09145678 A JP H09145678A
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sensor
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Akio Nagamune
章生 長棟
Hiroharu Katou
宏晴 加藤
Junichi Yotsutsuji
淳一 四辻
Kozo Maeda
孝三 前田
Kenichi Iwanaga
賢一 岩永
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リフトオフをあまり小さくすることなく、被
検査体の微小欠陥から生じる微弱で局所的な漏洩磁束
を、高いS/N比で効率よく検出可能とする。 【解決手段】 非磁性ロール8内に電磁石を有する磁化
器7を配置し、非磁性ロール8を介して、その上を走行
する被検査体3を走行方向に磁化する。非磁性ロール8
の上方に、前述のE型磁気センサ1を設置する。被検査
体3が走行し、その内部に微小介在物が存在すると、そ
こから微小な漏洩磁束が局部的に発生する。この漏洩磁
束が、E型磁気センサ1の直下を通過すると、これに対
応した電気信号がE型磁気センサ1から出力される。E
型磁気センサ1からの出力を、増幅器9により電気的に
増幅し、フィルタ10を介してノイズを抑制してS/N
を改善し、これを整流器11により整流した後、判定回
路12で欠陥を判定してその結果を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄鋼帯のような被
検出体中に混入する微小介在物のような微小欠陥を、漏
洩磁束法により検出する微小欠陥検出装置に関し、特に
高感度な磁気センサを使用した微小欠陥検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼帯のような磁性体中の欠陥を検出する
方法として、漏洩磁束法が広く使用されている。図14
にその原理図を示す。図14において、21は磁気セン
サ、22は磁化器、23は鋼帯等の被検査体、24は欠
陥、25は磁束を示す。磁化器22により被検査体22
を磁化する。磁化器22により発生する磁束の大部分は
磁気抵抗の少ない被検査体23の中を通過するが、被検
査体中23中に欠陥24が存在すると、その欠陥24に
より磁束の通過が妨げられ、一部の磁束が空中に漏洩す
る。この漏洩した磁束を、磁気センサ21で検出するこ
とにより欠陥24の存在を検出する。
【0003】磁気センサ21としては、ホール素子、磁
気抵抗素子、磁気半導体素子等が使用される他、特開昭
59ー160750号公報に開示されているような、円
筒鉄心にコイルを巻いた磁気探傷コイル、特開平2ー1
62276号公報に開示されているような、強磁性体コ
アにコイルを巻き、これに交流電流を供給し、このコイ
ルの両端に発生する電圧の正側電圧と負側電圧との差を
検出するものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来要求されていた検
出すべき薄鋼帯中の欠陥は、ガウジと呼ばれるような比
較的大きな欠陥が対象であった。近年、産業分野におけ
る薄鋼帯の適用範囲拡大に伴い、より微小な内部介在物
を検出することが必要となり、例えば、10-3(mm3
以下の体積の微小な内部介在物が検出対象となってき
た。このような微小欠陥を検出するためには、従来技術
には以下のような問題点がある。
【0005】(1) いずれの従来技術においても、微小な
欠陥を検出するためには、鋼帯と磁気センサとの距離
(リフトオフ)を小さくする必要がある。この対策とし
て、実開昭61ー119759号公報に開示されている
ように、磁気センサをエアフロートさせることによりリ
フトオフを0.1 (mm)程度の微小値に保つ方法が用いら
れている。しかしながら、この方法には、磁気センサと
鋼帯との接触事故が増加するなどの操業上の問題があ
る。
【0006】(2) 微小欠陥検出のためにリフトオフを低
下させると、鋼帯の振動などの外乱の影響を受けやすく
なり、また鋼帯の磁気的なむらから生ずる地合ノイズを
拾い易くなるので、十分なS/Nを得ることが困難であ
る。
【0007】(3) 欠陥検出信号の周波数成分と地合ノイ
ズの周波数成分とが重なり合う部分が多く、フィルタな
どによるS/N向上が十分に行えない。
【0008】(4) より微小な欠陥検出のためには、鋼帯
をより強く磁化させ、欠陥による漏洩磁束が効率的に発
生するようにする必要がある。しかし、鋼帯近傍に生ず
る浮遊磁束(磁化器の磁極から他の磁極へ空中を通じて
達する磁束)も増加し、磁気センサを飽和させることが
あり、検出感度の低下を引き起こす。
【0009】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたもので、リフトオフをあまり小さくすること
なく、被検査体の微小欠陥から生じる微弱で局所的な漏
洩磁束を、高いS/N比で効率よく検出可能な微小欠陥
検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題は、被検査体を
磁化するための磁化器と、被検査体の欠陥から発生する
漏洩磁束を検出するための磁気センサとを有してなる欠
陥検出装置において、磁気センサとして、強磁性体で作
られたE型コアの中央磁極にサーチコイルが設けられた
E型磁気センサを使用し、このE型コアの3個の磁極の
列が被検査体の走行方向に沿うように配置することによ
り解決される。
【0011】図1にE型磁気センサを使用した本発明の
原理図を示す。図1において、1は強磁性体で作られた
E型コアからなるE型磁気センサ、1a〜1cはその磁
極、2はサーチコイル、3は被検査体、4は欠陥、5は
磁束を示す。E型磁気センサ1は、図1に示すように3
個の磁極1a〜1cの列が被検査体の走行方向に沿うよ
うに配置されている。欠陥4が図1(a) で示す位置にあ
るとき、漏洩磁束は磁極1aから磁極1cを通過し、サ
ーチコイル2を下向きに通過する。被検査体3が走行し
て欠陥4が図1(b) で示す位置に来ると、漏洩磁束は磁
極1cから磁極1bを通過し、サーチコイル2を上向き
に通過する。よって、欠陥4の通過に伴ってサーチコイ
ル2を通過する磁束が変化し、サーチコイル2には磁束
の変化量に比例した電圧が発生する。
【0012】図2(a) は、欠陥4がE型磁気センサ1の
下を通過するときのサーチコイル2を通る磁束Φの変化
を、図2(b) はそのときにサーチコイル2に発生する電
圧Eを示す。この電圧を検出することにより、欠陥の存
在を検出することができる。
【0013】E型磁気センサを使用した本発明において
は、鋼帯近傍の浮遊磁束、E型磁気センサの外側から到
来する地合ノイズなどは、磁極1aから磁極1bへ直接
通過するので、サーチコイル2への影響はなく、ノイズ
を低減できる。また、鋼帯の振動、センサの振動に起因
する磁場変化も、磁極1aと磁極1cで構成される磁気
回路と磁極1bと磁極1cで構成される磁気回路とで打
ち消され、サーチコイル2の信号内にノイズとして混入
することを防ぐことができる。
【0014】よって、リフトオフをそれほど小さくしな
くても、欠陥をS/Nよく検出することができ、浮遊磁
束により磁気センサ出力が飽和することもない。また、
欠陥信号の周波数成分が地合ノイズの周波数成分に対し
て相対的に高周波になるので、信号とノイズとの分離が
し易くなる。
【0015】図3にE型磁気センサの外観図を示す。以
下の図においては、図1と同じ部位には同じ符号を付し
てその説明を省略する。E型磁気センサ1は、左右が対
称の形状をしており、各磁極の厚さは同一である。その
磁極間の間隔をAとし、各磁極の厚さをBとし、E型コ
アの幅をWとする。また、被検査体3とE型磁気センサ
1の間の間隔即ちリフトオフをLとする。
【0016】図4(a) は、鋼板中に存在する10-3(mm
3 )程度の欠陥の検出信号と地合ノイズに及ぼす(A+
B)/Lの影響を示したものである。地合ノイズは(A
+B)/Lの増加と共に徐々に増加する。これは、(A
+B)/Lが増加するとE型磁気センサの検出面積が広
くなるので、地合ノイズを拾い易くなるためであると考
えられる。
【0017】一方、検出信号は(A+B)/Lが4にな
るまでに急激に増加し、その後は徐々に低下する傾向に
ある。これは、(A+B)/Lが小さすぎると、鋼帯の
欠陥部からの局所的な漏洩磁束が、磁極1aと磁極1c
で構成される磁気回路と磁極1bと磁極1cで構成され
る磁気回路の両方の磁気回路に入力され部分的に打ち消
されるため、サーチコイルの検出信号の出力電圧が小さ
くなって検出効率が低下し、一方、(A+B)/Lが大
きすぎると、鋼帯の欠陥部がE型センサ直下を走行する
ときの、サーチコイル内の磁束変化が減少するためであ
ると考えられる。
【0018】これらの結果、図4(b)に示したよう
に、(A+B)/Lを変化させたとき、S/Nが最大と
なる最適な範囲が存在する。実用的には、S/Nの最大
値から約20%低下した条件内で使用することが効率的
である。よって、E型磁気センサの寸法は、 1<(A+B)/L<4 …… (1) を満足するように選ぶことが好ましい。
【0019】(A+B)を一定とし、磁極厚さBと磁極
間隔Aとの比B/Aを変化させたときの、E型磁気セン
サの出力電圧の変化を図5に示す。B/Aを変化させて
も出力電圧は、ほとんど変化しない。実用的には、磁極
厚さが薄すぎると、加工しにくく、磁気的に飽和しやす
くなるなどの問題があり、磁極厚さが厚すぎて磁極間隔
が狭すぎるとサーチコイルが巻きにくくなるなどの問題
があるので、一般的にはAとBの比率は製作しやすい範
囲に取られる。
【0020】図6(a)は、鋼板中に存在する10
-3(mm3 )程度の欠陥の検出信号、地合ノイズとW/L
の関係を示した図である。E型磁気センサ幅Wが小さす
ぎると、サーチコイルの断面積が減り、検出電圧が減少
し、検出効率が低下する。センサ幅Wが大きくなり、あ
る程度の大きさに達すると、微小欠陥部からの局部的な
漏洩磁束分布をほぼ覆うようになり、もうそれ以上Wを
大きくしても、出力電圧は大きくならない。一方、Wが
大きくなると、E型磁気センサ直下の検出範囲が大きく
なり、ノイズを拾い易くなって地合ノイズは大きくな
る。従って、図6(b)に示すように、W/Lを変化さ
せたときに、S/N比が最大となる最適な範囲が存在す
る。実用的には、S/N比が最大値から20%低下する
までの範囲で使用することが効率的であるので、図6
(b)から、 1<W/L<10 …… (2) とすることが好ましい。
【0021】また、磁化器からの強い浮遊磁場が大きく
なると、磁束が通りやすい形状をしたE型磁気センサの
コア(特に磁極1aと1b)が磁気的に飽和するおそれ
がある。これを防ぎ、更に、外部からの磁気的ノイズを
遮断するため、図7に示すように、このE型磁気センサ
1の外側に強磁性体のシールド板6を配置することが好
ましい。
【0022】センサを小型化するためには、なるべくシ
ールド板とE型コアとの間隙を小さくすることが望まし
いが、あまり両者を近づけすぎると、シールド板に吸収
された浮遊磁場がE型コアへ流入し、悪影響を与えてし
まう。そのため、磁気シールド板とE型コアの間に必要
最小限の磁気抵抗部分を構成することが有効である。磁
性体の比透磁率は通常100〜1000で、空気の比透
磁率は1であるから、磁気シールド中の磁気抵抗の約1
0倍の磁気抵抗を間隙に作ればよい。そのためには、磁
気シールドとE型コアとの間隙Gsは、磁気シールド板
の厚さSの約1/10以上とすることが必要であり、 S/10<Gs …… (3) とすることが好ましい。
【0023】10-3(mm3 )程度の欠陥に対するE型磁
気センサの幅方向の感度は、図8(a) に示すような特性
をしている。図8(a) のように、幅方向の感度が、最大
値の80%、40%となる幅をそれぞれW80、W40とす
ると、センサ幅WとリフトオフLの比W/Lに対して、
図8(b) のような特性を示す。
【0024】図9(a) のように、E型磁気センサを一列
に並べ、隣り合うE型磁気センサの出力を加算して鋼帯
幅方向の探傷をカバーすれば、互いに補償し合うので、
鋼帯幅方向に一定範囲内で一様な感度分布が得られる。
実用的な観点から、E型磁気センサの数をできるだけ減
らし、鋼帯幅方向の感度分布の落ち込みを20%まで許
容するとすれば、ひとつのE型磁気センサの感度は40
%まで低下させて使用できる。よって、図8(b) から、
センサとセンサのピッチP1 について、 P1 <1.6 W …… (4) を満足させることが好ましい。
【0025】ここで、隣り合うセンサ同士を加算する
と、センサのカバー範囲は拡大されるものの、ノイズ成
分も加算され、ノイズの振幅は√2倍に増大し、S/N
が悪化する。S/Nの劣化を避ける必要がある場合に
は、2つのセンサの出力を逐次比較し大きい方の信号を
使用する演算、すなわちOR演算を行えばよい。しか
し、この場合には、信号の大きさは加算されないので、
センサとセンサの間の感度の落ち込みは改善されない。
そこで、センサとセンサの間隔を詰めて、感度が低下す
る範囲を狭める必要がある。この場合、感度の落ち込み
を最大20%以内とするためには、図8(b) から、セン
サとセンサとのピッチを、0.9 W/Lにする必要があ
る。これを実現するためには、図9(b) に示すようにセ
ンサとセンサが幅方向に重なるように千鳥配置し、セン
サとセンサのピッチP2 について、 P2 <0.9 W …… (5) とすることが好ましい。
【0026】すなわち、S/Nの若干の低下が許容され
る場合には、センサを一列アレー状に配置し、隣り合う
センサ出力の加算を行うことが好ましい。一方、できる
だけS/Nを劣化させずに検出を行うためには、センサ
を千鳥状に配置し、幅方向に重なり合うセンサ出力のO
R演算を実施することが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図10
は、本発明の一実施例の構成を示す図である。図10に
おいて、7は磁化器、8は非磁性ロール、9は増幅器、
10はフィルタ、11は整流器、12は判定回路であ
る。非磁性ロール8内に電磁石を有する磁化器7を配置
し、非磁性ロール8を介して、その上を走行する被検査
体(薄鋼帯)3を走行方向に磁化する。非磁性ロール8
の上方に、前述のE型磁気センサ1を設置する。被検査
体3が走行し、その内部に微小介在物が存在すると、そ
こから微小な漏洩磁束が局部的に発生する。この漏洩磁
束が、E型磁気センサ1の直下を通過すると、これに対
応した電気信号がE型磁気センサ1から出力される。E
型磁気センサ1からの出力を、増幅器9により電気的に
増幅し、フィルタ10を介してノイズを抑制してS/N
比を改善し、これを整流器11により整流した後、判定
回路12で欠陥を判定してその結果を出力する。
【0028】本実施例では、被検査体3とE型磁気セン
サ1との間のリフトオフL=0.5 (mm)、E型磁気セン
サ1の磁極間隔A=0.5 (mm)、磁極厚さB=0.4 (m
m)、センサ幅W=3.5 (mm)とした。また、E型磁気
センサ1の外側には、厚さS=2(mm)のパーマロイ製
のシールドをセンサとの間隙Gs=0.5 (mm)で設けて
いる。センサヘッドとしては、鋼帯幅1100(mm)の
全幅の探傷を行えるように、220個のE型磁気センサ
を鋼帯幅方向に一列に並べ、隣り合うE型磁気センサ1
の間隔P1 を5(mm)とし、隣り合うE型磁気センサの
出力同士を加算して検出に用いた。即ち、E型磁気セン
サ1同士の間隔は3.5 (mm)である。
【0029】E型磁気センサ1の出力の加算は、増幅器
9の後で行った。加算する場所は、フィルタ10の後で
もよいが整流器11の前で行うことが好ましい。この理
由は、信号成分は整流器11の後でも前でも単純に加算
されるが、ノイズ成分は、整流器の前で加算すると2
1/2 倍になるのに対して、整流器の後で加算すると2倍
になり、その結果後者の方がS/N比が低下するからで
ある。
【0030】非磁性ロールの材質はステンレス鋼とし、
その中の磁化器の磁化力は3000ATとした。薄鋼帯
の走行速度は300(m/ 分)である。また、フィルタ
としては、カットオフ周波数3kHzのハイパスフィルタ
を使用した。
【0031】図11に、本発明の実施例の装置により検
出された人工欠陥の波形(整流器11の出力波形)を示
す。これは、薄鋼板に、孔径0.05、0.1 、0.2 (mm)の
ドリルホールを加工し、この人工欠陥を探傷したときの
検出波形である。図11によれば、微小欠陥を高いS/
N比で検出できることが分かる。また、図12は、自然
欠陥を検出したときの波形で、後でこの欠陥部切り出
し、これを研磨しながら顕微鏡で大きさを確認したとこ
ろ、5×10-4( mm3)程度の大きさの内部介在物であ
った。
【0032】フィルタのカットオフ周波数は3kHzが最
適であったが、この値は従来の磁気センサ使用時の最適
値よりも2〜3倍高いものであり、低周波成分を多く含
む地合ノイズと検出信号の分離が容易となり、S/Nが
格段に向上した。
【0033】E型コアの外側の磁気シールドを外したと
ころ、センサが磁気的に飽和し、センサの感度が低下し
た。そのため、磁気センサが飽和しないように、磁化力
を2000ATに低減して使用したが、そのときには孔
径0.05(mm)のドリルホールによる人工欠陥を検出する
ことはできなかった。
【0034】この実施例の装置における鋼帯幅方向の感
度の分布を図13(a) に示す。横軸は幅方向距離Y(m
m)、縦軸は感度の相対値を示す。E型磁気センサ間隔
が5(mm)であるので、5(mm)毎に感度は最大になっ
ており、E型磁気センサの中間で感度が最低になってい
るが、感度の低下は20%以内に抑えられている。
【0035】さらに、上記センサヘッドと交換可能なセ
ンサヘッドとして、磁極間隔A=0.5 (mm)、磁極厚さ
B=0.4 (mm)、センサ幅W=3.5 (mm)、センサ間隔
を2.5 (mm)のE型磁気センサ183個を1列のセンサ
アレーとしたものを2つ並べて千鳥配置とし、このセン
サ群全体を磁気シールドした。このとき、センサが重な
り合う幅は0.5 (mm)である。また、千鳥配置の場合に
は、重り合うセンサの出力をOR演算して得られた信号
を使用した。この場合の鋼帯幅方向の感度分布は、図1
3(b) に示すようなものであり、最大感度に対する感度
の落ち込みは約20%に抑えられた。
【0036】また、E型磁気センサの各磁極の断面形状
は、本実施例では、長方形であるが、角を落とした丸型
でも効果は同様である。
【0037】
【発明の効果】本発明はE型磁気センサを使用している
ため、浮遊磁場、地合ノイズ、鋼板の振動の影響を低減
でき、リフトオフを比較的大きく設定できるので、鋼帯
の走行速度を落とさないで安定した操業で検査を行うこ
とができる。
【0038】また、検出信号の周波数成分が高くなるの
で、低周波成分の多い地合ノイズとの分離がハイパスフ
ィルタで容易に行えるようになり、S/Nの向上が実現
できる。
【0039】更に、E型磁気センサの外側に磁気シール
ド板を配置すれば、E型磁気センサが磁化器からの強い
磁場で飽和しにくくなり、その分、磁化力を増強でき
て、大きな検出信号が得られる。
【0040】これらの結果、10-3(mm3) 以下の微小内
部介在物の検出が可能な実用的な検出装置が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原理を示す図である。
【図2】 欠陥がセンサの下を通過するときのサーチコ
イル通る磁束Φとサーチコイルに発生する電圧Eの変化
を示す図である。
【図3】 E型磁気センサの外観を示す図である。
【図4】 E型磁気センサの寸法と、センサの出力電圧
及びS/N比の関係を示す図である。
【図5】 磁極厚さBと磁極間隔Aとの比B/AとE型
磁気センサ出力の関係を示す図である。
【図6】 E型磁気センサの幅とセンサの出力との関係
を示す図である。
【図7】 シールド板とE型磁気センサとの位置関係を
示す図である。
【図8】 E型磁気センサの幅方向感度分布を示す図で
ある。
【図9】 E型磁気センサの配列を示す図である。
【図10】本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施例の装置により検出された人工
欠陥の波形を示す図である。
【図12】本発明の実施例の装置により検出された自然
欠陥の波形を示す図である。
【図13】本発明の実施例において、センサを1列に配
置した場合、センサを千鳥配列した場合の、幅方向の感
度分布を示す図である。
【図14】漏洩磁束法の原理を示す図である。
【符号の説明】
1 E型磁気センサ 1a、1b、1c 磁極 2 サーチコイル 3 被検出体 4 欠陥 5 磁束 6 磁気シールド板 7 磁化器 8 非磁性ロール 9 増幅器 10 フィルタ 11 整流器 12 判定回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 孝三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 岩永 賢一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体を磁化するための磁化器と、被
    検査体の欠陥から発生する漏洩磁束を検出するための磁
    気センサとを有してなる欠陥検出装置において、磁気セ
    ンサは、強磁性体で作られたE型コアの中央磁極にサー
    チコイルが設けられたE型磁気センサであり、このE型
    コアの3個の磁極の列が被検査体の走行方向に沿うよう
    に配置されていることを特徴とする微小欠陥検出装置。
  2. 【請求項2】 E型コアのリフトオフをLとするとき、
    次の(1) 式を満足する磁極間隔Aおよび磁極厚さBで構
    成されたE型磁気センサを用いることを特徴とする請求
    項1に記載の微小欠陥検出装置。 1<(A+B)/L<4 …… (1)
  3. 【請求項3】 次の(2) 式を満足するセンサ幅WのE型
    磁気センサを用いることを特徴とする請求項2に記載の
    微小欠陥検出装置。 1< W/L …… (2)
  4. 【請求項4】 E型コアの外側に強磁性体のシールド板
    を配し、磁気シールド板の厚みをSとするとき、コアと
    磁気シールドの間隙Gsを、次の(3) 式を満足するよう
    にしたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちい
    ずれか1項に記載の微小欠陥検出装置。 S/10<Gs …… (3)
  5. 【請求項5】 E型磁気センサの幅をWとするとき、次
    の(4) 式を満足するようなピッチP1 でE型磁気センサ
    を鋼帯幅方向に一列に配列し、隣り合うE型センサの出
    力を加算して欠陥検出に用いることを特徴とする請求項
    1から請求項4のうちいずれか1項に記載の微小欠陥検
    出装置。 P1 <1.6 W …… (4)
  6. 【請求項6】 E型磁気センサの幅をWとするとき、次
    の(5) 式を満足するようなピッチP2 でE型磁気センサ
    を鋼帯幅方向に千鳥配列し、幅方向に重なり合うE型磁
    気センサの出力のうち大きい出力を欠陥検出に用いるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1
    項に記載の微小欠陥検出装置。 P2 < 0.9 W …… (5)
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