JP2018076612A - 炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能かつ高品位な炭素繊維束が得られる高い品質の炭素繊維前駆体繊維束を安定して製造できる方法を提供すること。【解決手段】ポリアクリロニトリル系重合体が溶媒に溶解されてなる紡糸溶液を紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得るに際し、紡糸に先立ち、公称ろ過精度が3〜10μmであって、平均直径が0.1〜5μmの繊維により構成されるフィルターろ材を用いて、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度とフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度から計算される線速度変化率が所定の式を満たし、かつフィルターろ材内における滞留時間が所定の範囲の条件でろ過をする、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、高性能かつ高品位な炭素繊維束を得るための炭素繊維前駆体繊維束の製造方法に関するものである。
炭素繊維は、他の繊維に比べて高い比強度および比弾性率を有するため、複合材料用補強繊維として、従来からのスポーツ用途や航空・宇宙用途に加え、自動車や土木・建築、圧力容器および風車ブレードなどの一般産業用途にも幅広く展開されており、更なる高性能化と低コスト化両立の要請が高い。
炭素繊維の中で、最も広く利用されているポリアクリロニトリル系炭素繊維は、その前駆体となるポリアクリロニトリル系重合体からなる紡糸溶液を紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た後、それを200〜300℃の温度の酸化性雰囲気下で加熱して耐炎化繊維束へ転換し、少なくとも1000℃の温度の不活性雰囲気下で加熱して炭素化することによって工業的に製造されている。
炭素繊維は脆性材料であり、わずかな表面欠陥、内在欠陥により引張強度低下を引き起こすため、欠陥の生成に関しては、繊細な注意が払われてきた。原料中の粉塵などの異物を取り除くことは当然のことながら、柔らかい異物、例えば紡糸溶液が一部滞留、熱劣化することでできたゲル状物を口金から吐出前に取り除くことも、引張強度低下だけではなく口金からの吐出時や製糸および焼成工程での糸切れを低減するために行われてきた。例えば、5μm以下の開孔径を持つフィルターろ材を用いてろ過する方法(特許文献1参照)やろ過精度が5μm以下の金属焼結フィルターろ材を用いてろ過する方法(特許文献2参照)、開孔径を段階的に小さくして多段ろ過する方法(特許文献3、4参照)、フィルターろ材の単位面積当たりのろ過流量が特定範囲内になるように制御してろ過する方法(特許文献5参照)が提案されている。
特開昭58―220821号公報 特開昭59―88924号公報 特開2004―27396号公報 特開2012―197548号公報 特開2009―209487号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2のように単にフィルターろ材の開孔径やろ過精度を高める方法では、異物の除去性能を高めることができても、フィルターろ材が目詰まりしやすくなりろ圧上昇速度が著しく増大する結果、フィルターろ材の交換頻度が増し、生産性を高めにくいという問題があった。また、特許文献3や4に記載された方法では、異物の除去性能を高めることができても、多段でろ過を行うため、フィルター装置を設置するスペースが余分に必要となってしまい、限られたスペースでは大量生産が困難となる場合があった。また、特許文献5に記載されている条件でろ過を行っても、使用するフィルターろ材によっては異物の除去率が低下することがあったり、ろ圧上昇速度が増大することがあったりして、その両立が難しい場合があるという問題があった。
本発明は、前記した従来技術が有する問題を解決すること、すなわち、異物をろ過前の紡糸溶液中から精度良くろ過できるだけではなく、フィルターろ材の目詰まりを抑制して、安定して高品質な炭素繊維前駆体繊維束および炭素繊維束を製造できる方法を提案することを課題とする。
上記の課題を達成するための本発明は、ポリアクリロニトリル系重合体が溶媒に溶解されてなる紡糸溶液を紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得るに際し、紡糸に先立ち、公称ろ過精度が3〜10μmであって、平均直径が0.1〜5μmの繊維により構成されるフィルターろ材を用いて、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)とフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)から計算される線速度変化率ΔQが下記式(1)を満たし、かつフィルターろ材内における滞留時間T(秒)が下記式(2)を満たす条件でろ過をする、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の製造方法である。
・ΔQ=(Q’−Q)/Q≦0.24 ・・・(1)
・15≦T≦500・・・(2)。
本発明によれば、紡糸溶液中の異物を効率的に除去できるだけではなく、フィルターろ材の目詰まりを抑制することで高性能かつ高品位な炭素繊維束が得られる高い品質の炭素繊維前駆体繊維束を安定して製造することができる。
本発明で用いられるポリアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルのみから得られる単独重合体だけではなく、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体を用いたポリアクリロニトリル系共重合体であっても良い。アクリロニトリルと他の単量体の含有率は特に制限しないが、アクリロニトリルが90〜100質量%であり、共重合する単量体は10質量%未満であることが好ましい。アクリロニトリル以外の単量体を加えることで耐炎化反応が促進されるが、その量が少ないほど、得られる炭素繊維束の優れた品質および性能を維持することができる。ポリアクリロニトリル系重合体は公知の方法で重合することができる。
前記したポリアクリロニトリル系重合体を、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダンソーダ水溶液などポリアクリロニトリル系重合体が可溶な溶媒に溶解し、紡糸溶液とする。ポリアクリロニトリル系重合体の製造に溶液重合を用いる場合、重合に用いられる溶媒と紡糸溶媒を同じものにしておくと、得られたポリアクリロニトリル系重合体を分離し、紡糸溶媒に再溶解する工程が不要となり、好ましい。
また、45℃の温度における紡糸溶液の粘度は、15〜200Pa・sの範囲であることが好ましく、20〜150Pa・sの範囲であることがより好ましく、30〜100Pa・sの範囲であることが最も好ましい。紡糸溶液の粘度が15Pa・s以上では、紡糸糸条の賦形性が十分に高く、口金から出た糸条を引き取ることができる限界の速度、すなわち可紡性が担保でき、生産性を高める観点から好ましい。また、紡糸溶液の粘度を200Pa・s以下とすれば紡糸溶液が劣化しにくくなるため、フィルターろ材の閉塞を抑制でき、好ましい。45℃の温度における紡糸溶液の粘度は、B型粘度計により測定することができる。具体的には、ビーカーに入れたポリアクリロニトリル系重合体溶液を、45℃の温度に温度調節された温水浴に浸して調温した後、B型粘度計として、例えば、(株)東京計器製B8L型粘度計を用い、ローターNo.4を使用し、ポリアクリロニトリル系重合体溶液の粘度が0〜100Pa・sの範囲はローター回転数6r.p.m.で測定し、またそのポリアクリロニトリル系重合体溶液の粘度が100〜1000Pa・sの範囲はローター回転数0.6r.p.m.で測定する。紡糸溶液の粘度は、ポリアクリロニトリル系重合体の分子量や紡糸溶媒との混合比、すなわち重合体濃度、などにより制御することができる。
本発明では、上記したような紡糸溶液を紡糸するに先立ち、フィルター装置に通し、重合体原料および各工程において混入した異物を除去する。本発明におけるフィルター装置とは、紡糸溶液中に存在する異物をろ過して除去する設備を意味し、ろ過処理を施す紡糸溶液をフィルター装置内に導くための流入路と、紡糸溶液をろ過するためのフィルターろ材と、ろ過された紡糸溶液をフィルター装置外に導くための流出路と、これらを収納するための容器とより構成される。ここで、フィルターろ材とは、フィルター装置内に収納される紡糸溶液のろ過手段である。
紡糸溶液のろ過に際して、フィルターろ材の公称ろ過精度が高いほど紡糸溶液中の異物を除去しやすくなるが、目詰まりが起こりやすくなる。また、フィルターろ材が厚いほど紡糸溶液中の異物を除去しやすくなるが、圧力損失が大きくなり、製造プロセスの安定性が低下する。これまで、上記のような傾向は知られていたが、フィルターろ材ごとに最適なろ過条件が異なっており、紡糸溶液のろ過について一般化できる知見は得られていなかった。そのため、新規なフィルターろ材を適用する際には、ろ過条件の最適化に膨大な時間とコストが必要となっていた。
そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ポリアクリロニトリル系重合体が溶媒に溶解されてなる紡糸溶液を紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得るに際し、紡糸に先立ち、公称ろ過精度が3〜10μmであって、平均直径が0.1〜5μmの繊維により構成されるフィルターろ材を用いて、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)とフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)から計算される線速度変化率ΔQが下記式(1)を満たし、かつフィルターろ材内における滞留時間T(秒)が下記式(2)を満たす条件でろ過をすることにより、紡糸溶液中の異物の効率的な除去とフィルターろ材の目詰まり抑制を両立し、高い品質の炭素繊維前駆体繊維束を安定して製造することができることを見出した。
・ΔQ=(Q’−Q)/Q≦0.24 ・・・(1)
・15≦T≦500 ・・・(2)。
本発明における、フィルターろ材の公称ろ過精度は3〜10μmである。ここで、公称ろ過精度(μm) とはフィルターろ材を通過する間に95%を捕集することができる球粒子の粒子径(直径)であり、JIS規格の方法(JIS−B8356−8:2002)により測定できる。また、JIS規格の方法(JIS−K3832:1990)で求められるバブルポイントと公称ろ過精度の関係を予め調べておけば、バブルポイントの値から公称ろ過精度を推定することもできる。公称ろ過精度が3μm以上である場合、ろ過時にフィルターろ材に発生する圧力損失を低くしやすく、異物の効果的な捕捉が可能になる。また、公称ろ過精度が10μm以下であれば、異物の捕捉性能が十分に高い場合が多い。圧力損失と異物捕捉性能のバランスから、公称ろ過精度は5〜10μmであることが好ましい。
本発明における、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径は0.1〜5μmである。本発明において、フィルターろ材は繊維の集合体で構成された不織布である。フィルターろ材を構成する繊維の平均直径は、フィルターろ材を顕微鏡等で観察し、無作為に選んだ50本の繊維の直径の平均値をとることにより算出する。フィルターろ材の製法によっては、連続した1本の繊維であっても場所により太さが異なる場合があるが、そのような場合は目視で最も細い部分の直径を測定し、これを当該繊維の直径とする。フィルターろ材が公称ろ過精度・繊維の平均直径・厚みなどの異なる単位層を2層以上積層したものである場合は、フィルターろ材の断面を切り出すなどして各層に関して観察を行い、平均直径が最も小さい層の値を当該フィルターろ材の平均直径とする。フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が0.1μm以上である場合、フィルターろ材の力学的安定性を保持するのに有利である。フィルターろ材の空隙率が同じときに、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が細い方が、公称ろ過精度を高くできるため、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が5μm以下である場合、効果的な異物捕捉が可能になる。空隙率と異物捕捉率を高いレベルで両立する観点から、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径は0.5〜3μmであることが好ましい。
本発明における、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)とフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)から計算される線速度変化率ΔQは下記式(1)を満たす。
・ΔQ=(Q’−Q)/Q≦0.24 ・・・(1)。
本発明において紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)とは、流路内を下流に向けて移動する紡糸溶液の平均的な移動線速度のことであり、流路が中空の場合は紡糸溶液の体積流量(cm/時間)を流路の断面積(cm)で割ることにより、あるいは流路がフィルターろ材の場合は紡糸溶液の体積流量(cm/時間)をフィルターろ材の有効断面積(cm)で割ることにより算出することができる。フィルターろ材の有効断面積とは、フィルターろ材の面積にフィルターろ材の空隙率をかけ算して計算される値であり、フィルターろ材を構成する繊維によって流路が減少した分を除いた、フィルターろ材内の空間部の断面積のことである。なお、ここで断面積とは紡糸溶液の流れ方向に直交する平面上における断面積のことを指す。フィルターろ材が公称ろ過精度・繊維の平均直径・厚みなどの異なる単位層を2層以上積層したものである場合は、フィルターろ材全体の空隙率を用いて算出したΔQを、フィルターろ材のΔQと定義する。紡糸溶液における柔らかい異物を効果的に捕捉するためには、柔らかい異物を変形させずに捕捉すること、もしくは変形してすり抜けを起こしたとしても、フィルターろ材内に留めることが重要である。柔らかい異物は、周囲の環境変化、特に流体の流れの変化により容易に変形する。なお、柔らかい異物は正体が明確になっていないものを含め多岐にわたるため、柔らかさの範囲を一律に指定することは難しいが、空気中の粉塵として普遍的に存在している酸化ケイ素や各工程で発生する恐れのある金属の摩耗粉、金属酸化物などに代表される、いわゆる固い異物と比較して明らかに弾性率の低い異物全般を含み、例えばポリマーの変性物や、異物として混入しうる有機物のうち、紡糸溶液に溶解しないものなどを挙げることができる。本発明者らが検討したところ、柔らかい異物は、単にフィルターろ材の公称ろ過精度を高めるよりも、変形やすり抜けを抑制する方が捕捉できること、その支配パラメータとして先述した線速度変化率ΔQを0.24以下とすることが有効であることを見いだした。線速度変化率△Qが0.24以下である場合、柔らかい異物の変形が抑えられるために柔らかい異物を効果的に捕捉できることに加えて、変形によるフィルターろ材内での広がりが抑制されるため、フィルターろ材の目詰まりも抑制できるものと考えられる。フィルターろ材の強度を担保しつつ異物の捕捉性能を最大限高めるために、線速度変化率△Qは0.05〜0.24であることが好ましく、0.1〜0.2であることがより好ましい。線速度変化率△Qは、不織布作成時のプレスの程度を制御するなど、公知の方法で制御することができる。
また本発明における、フィルターろ材内における滞留時間T(秒)は下記式(2)を満たす。
・15≦T≦500・・・(2)。
本発明において滞留時間T(秒)とは、紡糸溶液がフィルターろ材内に滞留する時間のことであり、フィルターろ材の厚みL(cm)をフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)で割ることにより算出する。フィルターろ材が公称ろ過精度・繊維の平均直径・厚みなどの異なる単位層を2層以上積層したものである場合は、フィルターろ材全体を1層のフィルターろ材とみなして、最初の層から最後の層までフィルターろ材内に滞留する時間の合計値を滞留時間Tと定義する。滞留時間Tが長いと、紡糸溶液がフィルターろ材内に長く留まるため、異物がろ材と相互作用する機会が増え、捕捉されやすくなる。一方、滞留時間Tが長すぎると、紡糸溶液の置き換わりが遅くなるため、特に長期間運転した際に紡糸溶液が劣化しやすくなる場合がある。滞留時間Tが短いと、異物がろ材に捕捉される確率は低下するが、上記の紡糸溶液の劣化が起こりにくくなる。滞留時間Tが15秒以上である場合、特に異物の捕捉性能を高めやすい。また、滞留時間Tを500秒以下とすれば、長期間運転しても紡糸溶液の劣化が少なく、製糸プロセスの安定性を高めやすい。紡糸溶液の劣化を抑制しつつ異物の捕捉性能を最大限高めるために、滞留時間Tは15〜200秒であることが好ましく、15〜150秒であることがより好ましい。
本発明で使用されるフィルターろ材の材質は、特に限定されるものでないが、紡糸溶液中に存在する異物を除去するための直接的役割を担う部分であり、定められた開孔径を狭いばらつきで保有することが求められ、加えて、紡糸溶液に対する化学的安定性と耐熱性、ならびに耐圧性が要求される。このような要求を満たすフィルターろ材の材質としては、ガラス、金属、高分子材料等が好適である。とくに、フィルターろ材の材質が高分子材料であれば、その特性上、ろ材を構成する繊維の平均直径を小さくしやすく、公称ろ過精度をそれほど高めなくても柔らかい異物の捕捉性能を高めるやすいため好ましい。高分子材料として具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ナイロン、ポリエステル等を挙げることができる。フィルターろ材の製法は特に制限されないが、高分子材料の場合、熱溶融紡糸法など公知の方法を用いることができる。フィルターろ材の形態としては、リーフディスク型、キャンドル型、プリーツキャンドル型など公知の形態から目的に応じて自由に選択することができる。
本発明では、上述のようにしてろ過した紡糸溶液を湿式、または乾湿式紡糸法により紡糸することにより、炭素繊維前駆体繊維束を製造する。なかでも特に、乾湿式紡糸法は、炭素繊維前駆体繊維束の表面平滑性を向上させ、表面欠陥の少ない炭素繊維前駆体繊維束を製造可能であるため、好ましく用いられる。
本発明において、凝固浴には、ポリアクリロニトリル系重合体溶液の溶媒として用いたジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダンソーダ水溶液などの溶媒と、いわゆる凝固促進成分を含ませることが好ましい。凝固促進成分としては前記のポリアクリロニトリル系重合体を溶解せず、かつポリアクリロニトリル系重合体溶液に用いた溶媒と相溶性があるものが好ましく、具体的には、水を使用することが好ましい。
紡糸溶液を凝固浴中に導入して凝固させ、得られた凝固糸を、水洗工程、浴中延伸工程、油剤付与工程および乾燥工程を通過させることにより、炭素繊維前駆体繊維束が得られる。また、上記の工程に乾熱延伸工程や蒸気延伸工程を加えても良い。凝固糸は、水洗工程を省略して直接浴中延伸を行っても良いし、溶媒を水洗工程により除去した後に浴中延伸を行っても良い。浴中延伸は、通常、30〜98℃の温度に温調された単一または複数の延伸浴中で行うことが好ましい。
このようにして得られた炭素繊維前駆繊維の単繊維は、0.5〜1.5dtexであることが好ましい。単繊維繊度を0.5dtex以上とすることで、ローラーやガイドとの接触による糸切れ発生を抑え、製糸工程および炭素繊維の焼成工程のプロセス安定性を維持することができる。また、単繊維繊度を1.5dtex以下とすることで、耐炎化後の各単繊維における内外構造差を小さくし、続く炭化工程でのプロセス性や得られる炭素繊維の引張強度および引張弾性率を向上させることができる。
得られる炭素繊維前駆体繊維束は、通常、連続繊維の形状である。また、本発明の要件を満足する限り特に制限はないが、1糸条あたりのフィラメント数は品位ならびに品質の観点から、1,000〜36,000本であることがより好ましい。
上記のようにして得られた炭素繊維前駆体繊維束を用い、常法に従って炭素繊維束を製造することができる。すなわち、上記のようにして得られた炭素繊維前駆体繊維束を、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化処理した後、500〜1000℃の最高温度の不活性雰囲気中において予備炭化処理し、次いで1000〜1800℃の最高温度の不活性雰囲気中において炭化処理することにより、炭素繊維束が得られる。
本発明では高品位な炭素繊維前駆体繊維束が得られているため、上記の耐炎化処理、予備炭化処理、炭化処理を行う工程において高いプロセス安定性を維持しつつ、高い引張強度および引張弾性率を持つ炭素繊維束を製造することができる。
以上のようにして得られた炭素繊維束は、マトリックス樹脂との接着性を向上させるために、酸化処理が施され、酸素含有官能基が導入される。酸化処理方法としては、気相酸化、液相酸化および液相電解酸化が用いられるが、生産性が高く、均一処理ができるという観点から、液相電解酸化が好ましく用いられる。本発明において、液相電解酸化の方法については特に制約はなく、公知の方法で行えばよい。かかる電解処理の後、得られた炭素繊維束に集束性を付与するため、サイジング処理をすることもできる。サイジング剤には、複合材料に使用されるマトリックス樹脂の種類に応じて、マトリックス樹脂との相溶性の良いサイジング剤を適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。本実施例で用いた測定方法を次に説明する。
<公称ろ過精度>
JIS規格の方法(JIS−B8356−8:2002)により、フィルターろ材を通過する間に95%を捕集することができる球粒子の粒子径(直径)を測定し、公称ろ過精度とした。
<フィルターろ材を構成する繊維の平均直径>
フィルターろ材が単一層からなる場合、フィルターろ材表面を光学顕微鏡で観察し、無作為に選んだ50本の繊維の直径を計測し、その平均をとることにより算出した。連続した1本の繊維であっても場所により太さが異なる場合は、最も細くなっている部分の直径を測定し、これを当該繊維の直径とした。フィルターろ材が公称ろ過精度・繊維の平均直径・厚みなどの異なる単位層を2層以上積層したものである場合は、潰さないように注意しながら片刃カミソリを用いてフィルターろ材の断面を切り出して、断面を光学顕微鏡で観察し、各層に関して無作為に選んだ50本の繊維の直径を計測し、その平均をとることで各層の平均直径を算出し、各層の平均直径のうち最も小さいものを当該フィルターろ材の平均直径とした。
<線速度変化率ΔQ>
紡糸溶液の体積流量(cm/時間)をフィルターろ材のろ過面の面積で割ることにより、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)を算出した。ここで、フィルターろ材のろ過面とは、紡糸溶液の流れ方向に直交するフィルターろ材表面の面積のうち、ろ過に寄与しない部分、たとえばパッキンにより押さえられた部分などを除いた部分の面積のことである。また、紡糸溶液の体積流量(cm/時間)をフィルターろ材の有効断面積(cm)で割ることにより、フィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)を算出した。ここでフィルターろ材の有効断面積は、フィルターろ材のろ過面の面積にフィルターろ材全体の空隙率をかけ算して計算した値を用いた。このようにして算出したQおよびQ’から、以下の式により線速度変化率ΔQを算出した。
・ΔQ=(Q’−Q)/Q。
<フィルターろ材内における滞留時間T>
マイクロメーターを用いて計測したフィルターろ材全体の厚みL(cm)を、フィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)で割ることにより算出した。
<紡糸溶液の45℃における粘度>
ビーカーに入れた紡糸溶液を、45℃の温度に温度調節された温水浴に浸して調温した後、(株)東京計器製B8L型粘度計を用い、ローターNo.4を使用し、ローター回転数6r.p.m.で測定した。
<炭素繊維前駆体繊維束の品位の判定>
6000フィラメントの炭素繊維前駆体繊維束を1m/分の速度で走行させながら、繊維束中の単繊維切れ(以下、毛羽と呼ぶ)および単繊維切れの集合体(以下、毛玉と呼ぶ)の個数の総和を数え、三段階評価した。評価基準は、次の通りである。なお、炭素繊維前駆体繊維束が3000フィラメントの場合は毛羽・毛玉の数を1.4倍に、炭素繊維前駆体繊維束が12000フィラメントの場合は毛羽・毛玉の数を0.7倍とすることで、評価基準を合わせることができる。なお、数値は小数点以下を四捨五入し整数とした。
・◎:繊維600m中、1個以下
・○:繊維600m中、2〜4個
・△:繊維600m中、5〜30個。
<フィルター寿命の判定>
紡糸時のフィルターろ材の圧力損失が、ろ過開始時から1MPa増加するまでの単位ろ過面積あたりの紡糸原液通過量を測定し、三段階評価した。評価基準は、次の通りである。
・◎:50L/cm以上
・○:25L/cm以上50L/cm未満
・△:25L/cm未満。
[実施例1]
ポリアクリロニトリル系重合体をジメチルスルホキシドに均一に溶解し、45℃の温度における粘度が45Pa・sとなるように紡糸溶液を作製した。
得られた紡糸溶液をフィルター装置に流入させ、ろ過を行った。使用したフィルターろ材は、公称ろ過精度が6μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が2μmであるポリプロピレン不織布であり、平均線速度Qが3cm/時間、線速度変化率ΔQが0.18、滞留時間Tが100秒となるろ過条件にて実施した。
ろ過された紡糸溶液を、紡糸口金から一旦空気中に吐出し、空間を通過させた後、ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式紡糸法により紡糸し凝固糸とした。また、その凝固糸を水洗した後、90℃の温水中で3倍の浴中延伸倍率で延伸し、さらにシリコーン油剤を付与し、160℃の温度に加熱したローラーを用いて乾燥を行い、4倍の水蒸気延伸倍率条件で加圧水蒸気延伸を行い、単繊維繊度0.8dtexの炭素繊維前駆体繊維束を得た。
さらに、当該フィルターろ材を、60℃に加熱したジメチルスルホキシドに30日間浸漬した後、フィルター装置に取り付け、上記と同様にしてろ過を行い、炭素繊維前駆体繊維束を得た。得られた炭素繊維前駆体繊維束の品位およびフィルター寿命は未浸漬のフィルターろ材を用いてろ過した場合と比較して同等であった。
[実施例2]
平均線速度Qを6cm/時間、滞留時間Tを50秒に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[実施例3]
平均線速度Qを12cm/時間、滞留時間Tを25秒に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[実施例4]
公称ろ過精度が3μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が1μmのフィルターろ材に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[実施例5]
公称ろ過精度が3μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が1μmのフィルターろ材に変更した他は、実施例2と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[比較例1]
フィルターろ材を、公称ろ過精度が10μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が9μmであるSUS繊維からなる焼結不織布に変更し、平均線速度Qを12cm/時間、線速度変化率ΔQを0.32、滞留時間Tを6秒に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[比較例2]
フィルターろ材を、公称ろ過精度が3μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が6μmであるSUS繊維からなる焼結不織布に変更し、平均線速度Qを1.6cm/時間、線速度変化率ΔQを0.82、滞留時間Tを100秒に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[比較例3]
フィルターろ材を、公称ろ過精度が1μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が3μmであるSUS繊維からなる焼結不織布に変更し、平均線速度Qを1.6cm/時間、線速度変化率ΔQを0.67、滞留時間Tを110秒に変更した他は、実施例1と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。
[比較例4]
公称ろ過精度が3μm、フィルターろ材を構成する繊維の平均直径が1μmのフィルターろ材に変更し、平均線速度Qを6cm/時間、線速度変化率ΔQを0.43、滞留時間Tを40秒に変更した他は、実施例5と同様に紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得た。なお、上記フィルターろ材は、実施例5で用いたフィルターろ材をプレスすることで作製したが、公称ろ過精度には大きな変化は見られなかった。
上記した実施例および比較例におけるろ過条件ならびに用いたフィルターろ材のスペック、紡糸結果を表1に示す。
Figure 2018076612

Claims (4)

  1. ポリアクリロニトリル系重合体が溶媒に溶解されてなる紡糸溶液を紡糸して炭素繊維前駆体繊維束を得るに際し、紡糸に先立ち、公称ろ過精度が3〜10μmであって、平均直径が0.1〜5μmの繊維により構成されるフィルターろ材を用いて、フィルターろ材進入直前の紡糸溶液の平均線速度Q(cm/時間)とフィルターろ材内における紡糸溶液の平均線速度Q’(cm/時間)から計算される線速度変化率ΔQが下記式(1)を満たし、かつフィルターろ材内における滞留時間T(秒)が下記式(2)を満たす条件でろ過をする、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
    ΔQ=(Q’−Q)/Q≦0.24 ・・・(1)
    15≦T≦500・・・(2)
  2. 前記フィルターろ材が高分子材料からなる、請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
  3. 前記ポリアクリロニトリル系重合体が溶媒に溶解されてなる紡糸溶液の45℃の温度における粘度が15〜200Pa・sである、請求項1または2に記載の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で炭素繊維前駆体繊維束を得た後に、200〜300℃の温度の空気中において耐炎化処理した後、500〜1000℃の最高温度の不活性雰囲気中において予備炭化処理し、次いで1000〜1800℃の最高温度の不活性雰囲気中において炭化処理することを特徴とする炭素繊維束の製造方法。
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