JP2018076426A - ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リサイクル性が高く、微細な独立気泡を有するために、外観がきれいで加熱二次成形による物性低下が抑えられる、容易に外観のきれいなリサイクル可能なポリオレフィン系樹脂発泡体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂組成物に、高温、高圧下で超臨界状態にした不活性ガスを含浸した後に、圧力を開放して発泡させる製造方法において、平均気泡径が10〜300μmで、独立気泡率が60%以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体であって、ポリオレフィン系樹脂組成物のポリマー成分100質量部に対し、分子量が200〜1000であるノニオン系界面活性剤を0.005〜10質量部を含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体およびその製造方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂を用いた発泡体は、樹脂本来の特徴である耐薬品性に加え、軽量で、断熱性や外部応力に対する緩衝性が良好であり、また真空成形などの加熱二次成形によって容易に成形体を得ることができるので、緩衝材、断熱材、食品容器、自動車用部材などの用途で幅広く利用されている。
ポリオレフィン系樹脂発泡体を構成する気泡が微細であると、表面状態が整った外観のきれいな発泡体となるだけでなく、加熱二次成形による発泡倍率の低下を抑えることができるため、軽量、断熱性、緩衝性などの発泡に起因する特性に優れた発泡成形体を得ることができる。
微細気泡を持つポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法としては、特許文献1の方法などがあるが、気泡核剤として無機充填剤を多量に添加するため、気泡が破泡しやすく、発泡倍率の高い発泡体を得るのが困難であったり、連続気泡率が高くなるため、発泡成形体の物性が低くなるという問題があった。また、この様な方法では、気泡核剤が数μmの大きさとなるため、気泡を微細にするのには限度があった。
一方、無機充填剤などの気泡核剤に頼らずに微細気泡を得る方法として、非特許文献1に記載の核剤のない場所から気泡の誕生を考えた均質系核生成速度式によれば、樹脂に溶解したガス濃度を高くすることが有効と考えられる。すなわち、樹脂に溶解するガス濃度が高くなると、単位時間・単位樹脂体積あたりに発生する気泡、つまり気泡核が増加するため、より微細な気泡が得られるようになると考えられる。樹脂へのガス溶解量を増やす方法として、使用する発泡剤ガスとの親和性が高い分子構造を樹脂の分子構造内に導入することが考えられる。
さらに、独立気泡率の高いポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する方法として、化学的もしくは物理的にポリオレフィン系樹脂を架橋させる特許文献2、3の方法などがある。
特許4526986号 特開2007−138150 特開2014−028925
「発泡成形」、情報機構、2008年、P.37
しかし、ポリオレフィン系樹脂には、使用する発泡剤と親和性の高い任意の官能基を導入することは難しいという問題があり、また、特許文献2、3の方法では、ポリオレフィン系樹脂に架橋構造を導入していることから、リサイクル性が低いといった問題点があった。
本発明は、微細な独立気泡を有するために、外観がきれいで加熱二次成形による断熱性及び外観性の低下が抑えられる、容易にリサイクル可能なポリオレフィン系樹脂発泡体、およびその製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、
(i)ポリオレフィン系樹脂組成物に、高温、高圧下で超臨界状態にした不活性ガスを含浸した後に、圧力を開放して発泡させる樹脂発泡体の製造方法において、ポリオレフィン系樹脂配合物のポリマー成分100質量部に対して、分子量が200〜1000であるノニオン系界面活性剤0.005〜10質量部を含有することを特徴とする平均気泡径が10〜300μm、独立気泡率が60%以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(ii)ポリオレフィン系樹脂配合物のポリマー成分として、ポリプロピレン系樹脂を50〜100重量%含む(i)記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(iii)ノニオン系界面活性剤の親水基と疎水基の連結基がエーテル基であることを特徴とする、(i)又は(ii)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(iv)ノニオン系界面活性剤のHLBが6〜18であることを特徴とする、(i)〜(iii)のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(v)不活性ガスが二酸化炭素である(i)〜(iv)に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
(vi)(i)〜(v)のいずれかに記載の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を熱成形して成形体を得る成形体の製造方法。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性に優れ、発泡剤との親和性が高い界面活性剤によって、微細な独立気泡を持つ発泡体を形成するため、表面が整った外観のきれいな発泡体となり、さらに、加熱二次成形による発泡倍率の低下や物性低下が抑えられるので、発泡に起因した軽量性、断熱性、緩衝性などの特性に優れた発泡成形体を得ることができる。
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造工程は、ポリオレフィン系樹脂の架橋反応を伴わないため、リサイクルが可能な発泡体を製造することができる。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、ノニオン系界面活性剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物に、高温、高圧下で超臨界状態にした不活性ガスを含浸した後に、圧力開放によって発泡させたものである。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知のポリオレフィン系樹脂を選択することができる。所望の物性を容易に得るために、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂及びこれらの組み合わせが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体又はプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が好ましく、プロピレン単独重合体がより好ましい。プロピレンと共重合する他のオレフィンとしては、例えば、エチレンの他に、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどの炭素数が4〜10であるα−オレフィンが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体としてはエチレン成分の少ない共重合体が好ましく、ランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれであってもよいが、耐熱性に優れていることから、ブロック共重合体が好ましい。
また、本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂としては、発泡性に優れることから、高溶融張力ポリプロピレン系樹脂を使用することが好ましい。高溶融張力ポリプロピレン系樹脂としては、分子構造中に自由末端長鎖分岐を有していたり、高分子量成分を含んでいたりすることで溶融張力を上げたものなどがある。この高溶融張力ポリプロピレンは、市販品を使用できる。
ポリエチレン系樹脂として、例えば、分枝鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン並びにエチレン単量体を主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体のような重合体を挙げることができる。前記例示中、低密度とは0.91〜0.94g/cmであることが好ましく、0.91〜0.93g/cmであることがより好ましい。高密度とは0.95〜0.97g/cmであることが好ましく、0.95〜0.96g/cmであることがより好ましい。中密度とはこれら低密度と高密度の中間の密度である。
ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて混合して用いてもよい。
また、ポリオレフィン系樹脂配合物のポリマー成分に占めるポリプロピレン系樹脂の割合は、50重量%以上であることが好ましく、より好ましくは60重量%以上である。ポリプロピレン系樹脂の割合が50重量%より少ないと、発泡体の耐熱性が低くなり、さらに熱成形の際に発泡倍率が低下しやすくなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には、発泡体の物性や成形性を損なわない範囲で、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂以外に、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリブテン樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂などのポリプロピレン系樹脂との相溶性の高い樹脂をポリオレフィン系樹脂成分以外のポリマー成分として含有させることもできる。
本発明のノニオン系界面活性剤には、ポリオレフィン系樹脂との相溶性と発泡剤との親和性の二つの特性が必要であることから、親水基と疎水基がエーテル基で結合されている構造であることが好ましい。この様なノニオン系の界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール型のノニオン系界面活性剤などが挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤は、分子量200〜1000であることが好ましく、分子量300〜800であることがより好ましい。さらに、界面活性剤の親水性を示すグリフィンのHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)が6〜18であることが好ましく、8〜16であることがより好ましい。分子量とHLBがこの範囲から外れると、ポリオレフィン樹脂との相溶性が低下するため、界面活性剤が樹脂に均一に分散しないため、発泡体全体に均一に気泡核が形成されなくなって歪な発泡体となったり、樹脂から界面活性剤がブリードアウトしやすくなって発泡体を汚染してしまう。また、発泡剤との親和性が低下するため、ポリオレフィン樹脂に対する発泡剤溶解量が増えないので、微細気泡が形成されない。なお、HLBは[親水部分の分子量/界面活性剤の分子量]×20で定義される値である。
アニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤では発泡は行われるが充分ではないため好ましくない。
ノニオン系界面活性剤は、ポリオレフィン系樹脂組成物を構成する樹脂成分100質量部に対して、0.005〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部である。0.01質量部より少ないと、微細気泡を形成する効果が低く、10質量部より多いと樹脂組成物の樹脂粘度が低下するため、破泡し易くなって、発泡倍率や独立気泡率が低下する。
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂配合物には各種の添加剤を添加してもよい。各種の添加剤としては、例えば、発泡核剤、着色剤、造核剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、収縮防止剤などが挙げられる。その場合の添加量は10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
前述のポリオレフィン系樹脂、ノニオン系界面活性剤および場合によって任意に配合する成分からなる樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練する。なお、押出機としては、単軸押出機、二軸押出機、あるいはそれらを組合せたタンデム型押出機などが挙げられるが、押出条件を調整しやすいことから、タンデム型押出機が好ましい。
また、発泡剤は押出機の途中から溶融状態の樹脂組成物中に圧入されて均一に混合される。発泡剤としては、超臨界状態で前記の樹脂組成物に含浸するものであればよく、常温常圧で気体である不活性ガスとして、窒素、ヘリウム、二酸化炭素など、およびそれらの混合ガスなどが挙げられ、取り扱いが容易で、安全性が高く、作業環境が優れていることから、二酸化炭素および窒素が好ましく、二酸化炭素が特に好ましい。
発泡剤の量は、樹脂発泡体の発泡倍率に応じて適宜、調整できる。しかし、発泡剤量が少ないと、樹脂発泡体の発泡倍率が低くなり、軽量性や断熱性が低下することがある。一方、多いと、気泡成長時に破泡しやすく、樹脂発泡体中の独立気泡率が低下したり、発泡倍率が高くなりすぎて発泡体の強度が不足することがある。従って、発泡剤の量は、樹脂組成物100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、1.5〜4質量部であることがより好ましい。
押出機内において発泡剤が混合された樹脂組成物を押出機の先端に取り付けた金型から押出発泡させて所望の形態を有するポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。なお、金型として円環ダイを用いた場合、樹脂発泡体がシート状になるため、加熱二次成形に適した発泡体となる。
本発明の樹脂発泡体は、平均気泡径が10〜300μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。気泡成長が十分でないと、平均気泡径が10μmより小さくなるため、重く、断熱性や緩衝性の乏しい発泡体となる。また、300μmより大きいと発泡体の表面の凹凸が大きくなり、発泡体の外観が悪化する。
本発明の樹脂発泡体は、該発泡体の独立気泡率が60%以上であることが好ましい。独立気泡率が60%より低いと、後述の加熱二次成形時に、発泡体が押し潰されて発泡倍率の低下が起こるので、断熱性や緩衝性などの発泡によって得られた特性が低下する。
本発明の樹脂発泡体は、多くの成形方法を取ることができ、真空成形、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形など)、自由吹込成形、折り曲げ加工、マッチド・モールド成形、熱板成形などの慣用の熱成形などで、簡便に二次成形することができる。凹部形状などの三次元形状の成形体を容易に成形できる観点から、加熱したシートを圧空により金型に押し当てて成形する圧空成形や、金型と加熱したシートとの間を真空にすることにより加熱シートを金型側に引き込んで成形する真空成形、あるいは真空圧空成形が好ましい。
また、本発明の樹脂発泡体は、剛性や弾性の異なる他の樹脂フィルム、樹脂シート、ゴムシートなどの各種材料と組み合わせて複合化してもよい。発泡体と上記各種材料との複合体の製造方法は、接着剤などを用いた貼合わせでもよいし、熱ラミネート法でもよいし、共押出法により熱融着させてもよい。
本発明の樹脂発泡体を加熱二次成形した発泡成形体は、熱成形による物性低下が抑制されるため、軽量で断熱性や緩衝性に優れた、外観のきれいな成形体となるため、食品容器などに好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。本実施例においては、下記に示す方法で、実施例および比較例のポリオレフィン系樹脂発泡体を製造し、その特性を評価した。
<実施例1>
[ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造]
スクリュー径40mmφと50mmφのタンデム型単軸押出機にて樹脂発泡体を製造した。まず、高溶融張力タイプのポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製 商品名「NEWFOAMER FTS−6000」)100質量部に対し、ノニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレン(9−10)オクチルフェニルエーテル(和光純薬工業社製 商品名「Triton X−100」、分子量625、HLB13.5)0.5質量部を均一に混合したものを、スクリュー径40mmφの単軸押出機に供給した。更に、発泡剤として超臨界状態にした二酸化炭素(発泡剤A)を樹脂100質量部に対して2質量部の割合で40mmφの押出機の途中から圧入し、溶融混合した。このときのシリンダー温度160〜210℃、樹脂温度170〜210℃、樹脂圧力10〜16MPaであった。
その後、200℃に設定した連結管を介して、シリンダー温度165〜180℃に調整したスクリュー径50mmφの単軸押出機に移送した。さらに、リップ開度0.3mm、口径40mmの円環ダイより吐出10kg/hrで押出し、直径152mmのマンドレルに添わせて引取った円筒状の樹脂発泡体を、円周の下部一箇所をカッターで切開し、厚み3〜5mmのシート状の樹脂発泡体を得た。
[発泡成形体の成形]
シート状の樹脂発泡体を単発成形機を使用し、マッチド・モールド成形法によって、間口が110×110mmで、底面が90×90mmの深さ25mmの角型容器に熱成形した。成形条件としては、ヒーター温度は500℃に設定した上で、発泡体の表面温度が135〜140℃となるように適宜、加熱時間を調整した。
[樹脂発泡体および発泡成形体の発泡倍率]
樹脂発泡体および発泡成形体の発泡倍率は、未発泡体の組成物の比重と、JIS K7112に準拠した電子比重計MDS−300(アルファーミラージュ社製)によって測定した発泡体の見かけ比重から算出した。
なお、発泡成形体の発泡倍率は、容器の底面の見かけ比重から算出した。
[樹脂発泡体の平均気泡径]
樹脂発泡体の平均気泡径は、発泡体をMD方向(押出方向)及びTD方向(押出方向に直交する方向)に沿って切断し、それぞれの切断面の中央部をレーザー共焦点顕微鏡LEXT OLS4100(オリンパス社製)を用いて観察した。得られた画像の100個以上の気泡について気泡径を、画像解析式粒度分布ソフトウェアMac−View(マウンテック社製)によって測定し、平均した。
[樹脂発泡体の独立気泡率]
樹脂発泡体の独立気泡率は、ASTM D−2856−87に準拠して測定した。発泡体の幅方向に3等分した各位置から10mm×10mmの大きさにサンプルを6点切り出し、空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を使用して連続気泡部を除いた独立気泡部分の体積を測定して次式により独立気泡率を求め、それらの独立気泡率を平均した。
独立気泡率(%)=独立気泡部体積(cm)/発泡体見かけの体積(cm)×100
[樹脂発泡体の熱伝導率]
発泡体の熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業社製)によって測定した。
[樹脂発泡体および発泡成形体の外観]
樹脂発泡体および発泡成形体の外観は、下記の基準によって目視にて評価した。
○:キメが細かく、平滑な面となっている(外観良好)
△:キメが粗いが、平滑な面となっている
×:表面の凹凸が著しく、平滑な面とならない
[発泡成形体の耐熱性]
発泡成形体の耐熱性は、発泡成形体の容器を130℃のオーブンで15分加熱した後、変化の状態を下記の基準によって評価した。
〇:変形無し
△:表面の膨れ、フランジの反りなどの軽微な変形
×:著しい変形
[発泡成形体の断熱性]
発泡成形体の断熱性は、発泡成形体の容器に80℃の熱湯を注いだ30秒後の容器底の外面温度を測定し、下記の基準によって評価した。
◎:水温と底部外面の温度の差が25℃以上。
○:水温と底部外面の温度の差が15℃以上25℃未満。
△:水温と底部外面の温度の差が10℃以上15℃未満。
×:水温と底部外面の温度の差が10℃未満。
<実施例2〜3>
発泡剤量を変えて、実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂発泡体および発泡成形体を作製し、評価した。
<実施例4、比較例1〜2>
界面活性剤の配合量を変えて、実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂発泡体および発泡成形体を作製し、評価した。
<実施例5、実施例8>
ポリプロピレン系樹脂の配合量を変えて、実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂発泡体および発泡成形体を作製し、評価した。なお、実施例5と実施例8におけるポリエチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン(東ソー社製 商品名「ニポロンハード8300A」)である。
<実施例6〜7、比較例3〜4>
界面活性剤の種類を変えて、実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂発泡体および発泡成形体を作製し、評価した。なお、実施例6における界面活性剤Bはポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル(花王社製 商品名「エマルゲン102KG」、分子量274、HLB6.3)、実施例7における界面活性剤Cはポリオキシエチレン(12)ステアリルエーテル(花王社製 商品名「エマルゲン320」、分子量782、HLB13.9)であり、比較例3における界面活性剤Eはポリオキシエチレンステアリルアミン(花王社製 商品名「アミート302」)であり、比較例4における界面活性剤Fはグリセリロールモノステアレート(花王社製 商品名「レオドールMS−50」)であり、比較例5における界面活性剤Dはポリオキシエチレン(41)ラウリルエーテル(花王社製 商品名「エマルゲン130K」、分子量1990、HLB18.1)である。
<比較例6>
発泡剤として不活性ガスをイソブタン35質量%及びノルマルブタン65質量%の混合ガス(発泡剤B)に変えて、実施例1と同様に、ポリオレフィン系樹脂発泡体および発泡成形体を作製し、評価した。
以上の結果を、下表1〜2にまとめて示す。
上記表2に示すように、界面活性剤の配合量が本発明の範囲より少ない比較例1では、ポリオレフィン系樹脂発泡体は、気泡径が大きく、樹脂発泡体および発泡成形体の外観が悪くなり、逆に、界面活性剤の配合量が本発明の範囲を超えている比較例2のポリオレフィン系樹脂発泡体は、発泡倍率が低下するため、樹脂発泡体の熱伝導率が高く、発泡成形体の断熱性が低かった。親水基と疎水基がエーテル基で結合されていないポリオキシエチレンステアリルアミンを用いた比較例3では、低発泡倍率であるのにも拘らず、巨大な気泡が出来るために樹脂発泡体の表面の凹凸が酷く、樹脂発泡体の熱伝導率や発泡成形体の評価をすることができなった。親水基と疎水基がエーテル基で結合されていないグリセリロールモノステアレートを用いた比較例4では、気泡径が大きく、樹脂発泡体および発泡成形体の外観が悪かった。さらに、ノニオン系界面活性剤の特徴が本発明の範囲を外れている比較例6では、低発泡倍率であるのにも拘らず、巨大な気泡が出来るために樹脂発泡体の表面の凹凸が酷く、樹脂発泡体の熱伝導率や発泡成形体の評価をすることができなった。
これに対して、上記表1に示すように、樹脂配合物のポリマー成分に対するポリプロピレン系樹脂の比率と、親水基と疎水基がエーテル基で結合されているノニオン系界面活性剤の特徴および配合量を本発明の範囲内とした実施例1〜8のポリオレフィン系樹脂発泡体は、独立気泡率の高い、微細気泡を形成しており、発泡倍率が高いため、熱伝導率の低く、外観のきれいな樹脂発泡体となった。また、この樹脂発泡体を熱成形しても、発泡倍率の低下は起こらず、断熱性と耐熱性の優れた発泡成形体が得られた。また、樹脂組成物のポリマー成分に占めるポリプロピレン系樹脂の比率が比較的低い実施例8では、発泡成形体の発泡倍率と耐熱性が多少劣った。
以上の結果から、本発明によれば、リサイクル性の高い、微細な独立気泡を有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られることが確認された。
産業上の利用の可能性
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、多様な形状に熱成形することで、食品容器などの各種容器として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂組成物に、高温、高圧下で超臨界状態にした不活性ガスを含浸した後に、圧力を開放して発泡させる樹脂発泡体の製造方法において、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、分子量が200〜1000であるノニオン系界面活性剤0.005〜10質量部を含有することを特徴とする平均気泡径が10〜300μm、独立気泡率が60%以上であるポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 前記ポリオレフィン系樹脂組成物のポリマー成分として、ポリプロピレン系樹脂を50〜100重量%含む請求項1記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 前記ノニオン系界面活性剤の親水基と疎水基の連結基がエーテル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  4. 前記ノニオン系界面活性剤のHLBが6〜18であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  5. 前記不活性ガスが二酸化炭素である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡体を熱成形して成形体を得る成形体の製造方法。
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