JP2018075991A - 乗物用シート、および乗物用シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品点数の削減,組み付け工程の簡素化等を図る。【解決手段】シートクッションの骨格をなすクッションフレームに連結された1対のフロントリンク76aによって、フロアに対する高さを変更可能な車両用シートにおいて、クッションフレームが、1対のサイドフレーム82a,82bと、フロントパイプ86とを含み、フロントパイプが、直接的に、サイドフレーム及びフロントリンクに連結される。これにより、カラー等の別部材を設ける必要が無くなり、部品点数の削減,組み付け工程の簡素化等を図ることが可能となる。また、フロントパイプの端部の外周面を、工具120によって、サイドフレーム及びフロントリンクに向かって削りつつ、押し込むことで、その押し込まれた部分(凸部122)によって、サイドフレームのフロントパイプからの抜けが防止される。これにより、組み付け工程の簡素化を図ることが可能となる。【選択図】図5
Description
本発明は、クッションフレームに連結された1対のリンクによって、フロアに対する高さを変更可能な乗物用シート、および乗物用シートの製造方法に関するものである。
乗物用シートのシートクッションの骨格をなすクッションフレームの多くは、引用文献に記載されているように、前後方向に延びるように配設された1対のサイドフレームと、左右方向に延びるように配設された連結フレームとによって構成されている。そして、連結フレームが、両端部において、1対のカラーを介して、1対のサイドフレームに連結されている。そして、カラーにリンクが連結されることで、クッションフレームが上下方向に移動可能とされ、乗物用シートの上下方向の高さが変更される。
上記特許文献に記載された乗物用シートでは、連結フレームが、両端部において、1対のカラーを介して、1対のサイドフレームに連結されるため、部品点数が多くなる。また、連結フレームとカラーとを溶接する必要があり、組み付け工程が煩雑となる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、部品点数の削減,組み付け工程の簡素化等を図ることを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の乗物用シートは、シートクッションの骨格をなすクッションフレームに連結された1対のリンクによって、フロアに対する高さを変更可能な乗物用シートであって、前記クッションフレームが、1対のサイドフレームと、前記1対のサイドフレームの各々に形成されたフレーム貫通孔に、両端部が挿入され、前記1対のサイドフレームを連結する連結フレームとを有し、前記連結フレームは、径の異なる外径部を備え、前記外径部は、フレーム貫通孔及び、前記リンクに形成されたリンク貫通孔に挿入される挿入部と、前記挿入部より前記連結フレームの端部側に位置し、前記挿入部の外径より大きな外径の拡径部と、前記拡径部より前記連結フレームの端部側に位置し、前記挿入部の外径より小さな外径の小径部とを有し、前記拡径部によって、前記サイドフレームと前記リンクとの少なくとも一方を挟み込むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の乗物用シートは、請求項1に記載の乗物用シートにおいて、前記連結フレームが、円筒状をなすことを特徴とする。
また、請求項3に記載の乗物用シートは、請求項1または請求項2に記載の乗物用シートにおいて、前記小径部が、前記連結フレームの端に配設されることを特徴とする。
また、請求項4に記載の乗物用シートの製造方法は、シートクッションの骨格をなすクッションフレームに連結された1対のリンクによって、フロアに対する高さを変更可能な乗物用シートの製造方法であって、前記クッションフレームが、1対のサイドフレームと、前記1対のサイドフレームを連結する連結フレームとを有し、前記乗物用シートの製造方法が、前記1対のサイドフレームの各々に形成されたフレーム貫通孔と、前記1対のリンクの各々に形成されたリンク貫通孔とに前記連結フレームの両端部を挿入する挿入工程と、前記フレーム貫通孔および前記リンク貫通孔から延び出した前記連結フレームの端部の外周面を、前記フレーム貫通孔および前記リンク貫通孔に向かって削りつつ、押し込むことで、その押し込まれた部分によって、前記サイドフレームと前記リンクとの少なくとも一方を挟み込む削り押し込み工程とを含むことを特徴とする。
請求項1に記載の乗物用シートでは、連結フレームが、直接的に、サイドフレーム及びリンクに連結される。これにより、カラーを設ける必要が無くなり、部品点数の削減,組み付け工程の簡素化等を図ることが可能となる。また、拡径部によって、サイドフレームとリンクとの少なくとも一方が挟み込まれる。つまり、連結フレームの外周面に拡径部を形成することで、サイドフレームとリンクとの少なくとも一方の連結フレームからの抜けが防止される。これにより、組み付け工程の簡素化を図ることが可能となる。
請求項2に記載の乗物用シートでは、連結フレームが中空形状とされる。これにより、乗物用シートの軽量化を図ることが可能となる。
請求項3に記載の乗物用シートでは、連結フレームの端に、小径部が形成される。これにより、比較的容易に拡径部を形成することが可能となる。
請求項4に記載の乗物用シートの製造方法では、連結フレームが、直接的に、サイドフレーム及びリンクに連結される。これにより、カラーを設ける必要が無くなり、部品点数の削減,組み付け工程の簡素化等を図ることが可能となる。また、連結フレームの外周面を、連結フレームに連結されたサイドフレーム及びリンクに向かって、削り押し込むことで、その削り押し込まれた部分によって、サイドフレームとリンクとの少なくとも一方が挟み込まれる。つまり、連結フレームの外周面がカシメられることで、サイドフレームとリンクとの少なくとも一方の連結フレームからの抜けが防止される。これにより、組み付け工程の簡素化を図ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態として、本発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
図1に、本発明の実施例の車両用シート10を斜め前方からの視点において示す。車両用シート10は、自動車の助手席として構成されており、着座乗員の臀部を支持するシートクッション20と、着座乗員の背部を支持するシートバック22と、シートバック22の上端に設けられて着座乗員の頭部を支持するヘッドレスト24とによって構成されている。車両用シート10は、電動で各種着座姿勢を調節することが可能なシート、所謂、パワーシートとされており、リクライニング装置(図2参照)30、スライド装置32、リフター装置34を備えている。
リクライニング装置30は、シートバック22のシートクッション20に対する傾斜角度を変更可能なリクライニングギヤ機構(図示省略)と、そのギヤ機構を駆動する電磁モータ(図2参照)36とを有しており、電磁モータ36の駆動によって、シートバック22の傾斜角度を調整することが可能とされている。
スライド装置32は、車両のフロアに固定される1対のロアレール38a,38bと、それら1対のロアレール38a,38bにスライド可能に設けられた1対のアッパレール40a,40bと、ロアレール38a,38bとアッパレール40a,40bとを相対的に移動させる電磁モータ(図2参照)42とを有しており、電磁モータ42の駆動により車両用シート10を前後方向にスライドさせることが可能とされている。
リフター装置34は、シートクッション20と車両フロアとの間の距離を変更可能なリンク機構50と、そのリンク機構50を駆動する電磁モータ52とを有しており、電磁モータ52の駆動により車両用シート10の高さを調整することが可能とされている。
また、車両用シート10は、図2に示すように、リクライニング装置30,スライド装置32,リフター装置34の各々の装置に対応するスイッチ54,56,58と、制御装置60とを有している。制御装置60は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ62と、上記電磁モータ36,42,52に対応する複数の駆動回路64とを備えている。コントローラ62には、各駆動回路64を介して、電磁モータ36,42,52が接続されており、リクライニング装置30等の作動を制御することが可能とされている。また、コントローラ62には、スイッチ54,56,58が接続されており、各スイッチ54,56,58による操作信号が、コントローラ62に入力される。そして、各操作信号に基づいて、リクライニング装置30等の作動が制御される。
このような構造により、車両用シート10は、シートバック22を任意の角度に前後方向に傾斜させ、着座位置を前後方向および上下方向に移動させることが可能なシート、所謂、「6ウェイ」と呼ばれる6方向の調整操作が可能なシートとされている。
上記説明において、リクライニング装置30,スライド装置32,リフター装置34の各々に対して、簡単に説明したが、以下に、リフター装置34について詳しく説明する。リフター装置34は、上述したように、リンク機構50を有しており、リンク機構50は、図1に示すように、1対のアッパレール40a,40bの上面の前方側に固定的に設けられた1対のフロントブラケット70a,70bと、1対のアッパレール40a,40bの上面の後方側に固定的に設けられた1対のリアブラケット72a,72bと、シートクッション20の前方側において左右両側の下部に設けられた1対のフロントリンク76a,76bと、シートクッション20の後方側において左右両側の下部に設けられた1対のリアリンク78a,78bとによって構成されている。
また、シートクッション20の骨格を成すクッションフレーム80は、車両の前後方向に延びるようにして配設された1対のサイドフレーム82a,82bと、それら1対のサイドフレーム82a,82bを前方側端部において連結するフロントフレーム84と、フロントフレーム84の下方において1対のサイドフレーム82a,82bを連結するフロントパイプ(図3参照)86と、1対のサイドフレーム82a,82bを後方側端部において連結するリアパイプ88とによって構成されている。
そして、1対のフロントリンク76a,76bが、上端部において、フロントパイプ86の両端部に連結されるとともに、下端部において、1対のフロントブラケット70a,70bに連結されている。また、1対のリアリンク78a,78bが、上端部において、リアパイプ88の両端部に連結されるとともに、下端部において、1対のリアブラケット72a,72bに連結されている。
具体的には、図3に示すように、サイドフレーム82a,82bは、プレス加工された1枚の鋼板材により形成されており、車両用シート10の前後方向に長尺な板形状にカットされて、互いに車両用シート10の幅方向に向かい合う状態で配設されている。そのサイドフレーム82a,82bの前方側の端部には、貫通孔100a,100bが形成され、サイドフレーム82a,82bの後方側の端部には、貫通孔102a,102bが形成されている。
また、フロントパイプ86は、円筒形状の鋼管により構成されており、外径は均一とされている。そして、図3及び図4に示すように、車両外側に配設されたサイドフレーム82aの貫通孔100aに、フロントパイプ86の一端部が、メタルブッシュ106aを介して、挿入されており、貫通孔100aから車両外側に向かって延び出している。また、フロントパイプ86の外径は均一であるが、フロントパイプ86の貫通孔100aに挿入される側の外周面には、突起部107が形成されており、その突起部107によって、フロントパイプ86の貫通孔100aへの挿入量が規制されている。つまり、貫通孔100aのメタルブッシュ106aが突起部107に接触するまで、フロントパイプ86が貫通孔100aに挿入されている。なお、メタルブッシュ106aは円環状をなし、メタルブッシュ106aの内径は、フロントパイプ86の外径と略同一とされているが、フロントパイプ86は、メタルブッシュ106aにより、貫通孔100aの内部において、円滑に軸心周りに回転可能とされている。
その貫通孔100aから車両外側に延び出したフロントパイプ86の一端部には、円筒状のスペーサ108aが外嵌されており、そのスペーサ108aの内部から、フロントパイプ86の一端部が、車両外側に向かって延び出している。また、フロントリンク76aの上端部には、貫通孔110aが形成されている。この貫通孔110aの内径は、フロントパイプ86の外径と略同一とされており、スペーサ108aから車両外側に延び出したフロントパイプ86の一端部が、その貫通孔110aに挿通され、車両外側に向かって延び出している。そして、車両外側に向かって延び出したフロントパイプ86の一端部とフロントリンク76aとが、図5に示すように、溶接され、固定されている。なお、溶接部は、図において黒塗りで示される。
一方、フロントパイプ86の車両外側の端部と反対側の端部、つまり、車両内側の端部に、図3及び図4に示すように、円筒状のスペーサ108bが挿入されており、そのフロントパイプ86の車両内側の端部が、スペーサ108bから車両内側に向かって延び出している。また、フロントリンク76bの上端部には、貫通孔110bが形成されている。この貫通孔110bの内径は、フロントパイプ86の外径と略同一とされており、スペーサ108bから車両内側に延び出したフロントパイプ86の一端部が、その貫通孔110bに挿通され、車両内側に向かって延び出している。
そして、車両内側に向かって延び出したフロントパイプ86の一端部が、サイドフレーム82bの貫通孔100bに、メタルブッシュ106bを介して、挿入されており、貫通孔100bから車両内側に向かって延び出している。なお、メタルブッシュ106bは円環状をなし、メタルブッシュ106bの内径は、フロントパイプ86の外径と略同一とされているが、フロントパイプ86は、メタルブッシュ106bにより、貫通孔100bの内部において、円滑に軸心周りに回転可能とされている。
また、図5に示すように、スペーサ108bは、車両外側の端部において、フロントパイプ86の外周面に溶接され、固定されている。さらに、スペーサ108bは、車両内側の端部において、フロントリンク76bと接触し、そのフロントリンク76bと溶接され、固定されている。また、フロントパイプ86の車両内側の端部は、外周面において、工具120によってカシメられており、フロントパイプ86の軸方向へのサイドフレーム82bの移動が規制されている。
詳しくは、工具120は円筒状をなし、工具120の内径は、フロントパイプ86の外径と内径との中間程度とされている。その工具120を、自身の軸心とフロントパイプ86の軸心とを一致させた状態で、フロントパイプ86の車両内側の端部と対向させる。そして、工具120をプレス機によりフロントパイプ86に向かって移動させる。この際、フロントパイプ86の車両内側の端部の外周面が、工具120によって削られ、サイドフレーム82bに向かって押し込まれる。そのフロントパイプ86の外周面が削られて押し込まれた部分が、凸部122となる。この際、工具120によって削られた部分の外径が小さくなり、小径部123となる。そして、外周面が削られて押し込まれた部分である凸部122の外径は、拡げられる。このため、凸部122の外径は、サイドフレーム82bが挿入されている部分(以下、「挿入部」と記載する)124の外径より大きくなり、サイドフレーム82bが、凸部122とフロントリンク76bとによって挟持される。これにより、フロントパイプ86の軸方向へのサイドフレーム82bの移動が規制されている。つまり、フロントパイプ86の車両内側の端部の外周面がカシメられ、そのカシメによって、サイドフレーム82bのフロントパイプ86からの抜けが防止されている。
また、車両外側のフロントリンク76aは、下端部において、車両外側に配設されたアッパレール40aに固定されたフロントブラケット70aに、連結ピン126aを介して、搖動可能に連結されており、車両内側のフロントリンク76bは、下端部において、車両内側に配設されたアッパレール40bに固定されたフロントブラケット70bに、連結ピン126bを介して、搖動可能に連結されている。
また、図3及び図6に示すように、リアパイプ88も、フロントパイプ86と同様に、円筒形状の鋼管により構成されており、外径は均一とされている。そのリアパイプ88の車両外側の端部には、セクタギア130が外嵌されている。セクタギア130は、板状をなし、セクタギア130の一端部には、貫通孔132が形成され、他端部には、複数の歯134が形成されている。セクタギア130の貫通孔132の内径は、リアパイプ88の外径と略同一とされており、その貫通孔132に、リアパイプ88の車両外側の端部が挿入され、貫通孔132から車両外側に向かって延び出している。なお、セクタギア130の複数の歯134には、ピニオンギア(図示省略)が噛合されており、そのピニオンギアは、リフター装置34の電磁モータ52の駆動により回転する。
また、貫通孔132から車両外側に延び出したリアパイプ88の端部に、円筒状のスペーサ136a1が外嵌されており、そのスペーサ136a1の内部から、リアパイプ88の端部が、車両外側に向かって延び出している。さらに、スペーサ136a1の内部から車両外側に向かって延び出しているリアパイプ88の端部が、車両外側に配設されたサイドフレーム82aの貫通孔102aに、メタルブッシュ138aを介して、挿入されており、貫通孔102aから車両外側に向かって延び出している。なお、メタルブッシュ138aは円環状をなし、メタルブッシュ138aの内径は、リアパイプ88の外径と略同一とされているが、リアパイプ88は、メタルブッシュ138aにより、貫通孔102aの内部において、円滑に軸心周りに回転可能とされている。
その貫通孔102aから車両外側に延び出したリアパイプ88の一端部には、円筒状のスペーサ136a2が外嵌されており、そのスペーサ136a2の内部から、リアパイプ88の一端部が、車両外側に向かって延び出している。また、リアリンク78aの上端部には、貫通孔140aが形成されている。この貫通孔140aの内径は、リアパイプ88の外径と略同一とされており、スペーサ136a2から車両外側に延び出したリアパイプ88の一端部が、その貫通孔140aに挿通され、車両外側に向かって延び出している。そして、車両外側に向かって延び出したリアパイプ88の一端部とリアリンク78aとが、図7に示すように、溶接され、固定されている。また、リアパイプ88とセクタギア130の車両内側の面とが、溶接され、固定されている。
また、図3及び図6に示すように、車両内側に配設されるリアリンク78bの上端部には、貫通孔140bが形成されている。この貫通孔140bの内径は、リアパイプ88の外径と略同一とされており、リアパイプ88の車両内側の端部が挿入され、車両内側に向かって延び出している。さらに、その貫通孔140bから車両内側に延び出しているリアパイプ88の端部に、円筒状のスペーサ136bが挿入されており、そのリアパイプ88の車両内側の端部が、スペーサ136bから車両内側に向かって延び出している。
そして、スペーサ136bから車両内側に向かって延び出したリアパイプ88の端部が、サイドフレーム82bの貫通孔102bに、メタルブッシュ138bを介して、挿入されており、貫通孔102bから車両内側に向かって延び出している。なお、メタルブッシュ138bは円環状をなし、メタルブッシュ138bの内径は、リアパイプ88の外径と略同一とされているが、リアパイプ88は、メタルブッシュ138bにより、貫通孔102bの内部において、円滑に軸心周りに回転可能とされている。
また、図7に示すように、リアリンク78bの車両外側の面とリアパイプ88とが溶接され、固定されている。また、リアパイプ88の車両内側の端部は、フロントパイプ86の車両内側の端部と同様に、外周面において、工具120によってカシメられており、リアパイプ88の軸方向へのサイドフレーム82bの移動が規制されている。
詳しくは、工具120の内径は、リアパイプ88の外径と内径との中間程度とされている。その工具120を、自身の軸心とリアパイプ88の軸心とを一致させた状態で、リアパイプ88の車両内側の端部と対向させる。そして、工具120をプレス機によりリアパイプ88に向かって移動させる。この際、リアパイプ88の車両内側の端部の外周面が、工具120によって削られ、サイドフレーム82bに向かって押し込まれる。そのリアパイプ88の外周面が削られて押し込まれた部分が、凸部150となる。この際、工具120によって削られた部分の外径が小さくなり、小径部149となる。そして、外周面が削られて押し込まれた部分である凸部150の外径は、拡げられる。このため、凸部150の外径は、サイドフレーム82bが挿入されている部分(以下、「挿入部」と記載する)151の外径より大きくなり、サイドフレーム82bが、凸部150とスペーサ136bとによって挟持される。これにより、リアパイプ88の軸方向へのサイドフレーム82bの移動が規制されている。つまり、リアパイプ88の車両内側の端部の外周面がカシメられ、そのカシメによって、サイドフレーム82bのリアパイプ88からの抜けが防止されている。
また、車両外側のリアリンク78aは、下端部において、車両外側に配設されたアッパレール40aに固定されたリアブラケット72aに、連結ピン152aを介して、搖動可能に連結されており、車両内側のリアリンク78bは、下端部において、車両内側に配設されたアッパレール40bに固定されたリアブラケット72bに、連結ピン152bを介して、搖動可能に連結されている。
このような構造により、リフター装置34では、電磁モータ52の駆動によりセクタギア130がリアパイプ88と共に、リアパイプ88の軸心周りに回転する。この際、リアパイプ88は、サイドフレーム82a,82bの貫通孔102a,102bの内部において回転し、リアパイプ88の回転に伴って、リアリンク78a,78bが、連結ピン152a,152bを中心に搖動する。また、リアリンク78a,78bの搖動によって、サイドフレーム82a,82bが上下方向に移動し、サイドフレーム82a,82bの上下方向への移動に伴って、フロントパイプ86も上下方向に移動し、フロントリンク76a,76bが搖動する。これにより、サイドフレーム82a,82bにより構成されるクッションフレーム80が上下方向に移動し、車両用シート10の上下方向の高さが調整される。
このように、車両用シート10では、フロントパイプ86が直接的にサイドフレーム82a,82b及びフロントリンク76a,76bに連結され、リアパイプ88が直接的にサイドフレーム82a,82b及びリアリンク78a,78bに連結されている。一方、従来の車両用シートでは、フロントパイプが、カラーを介して、サイドフレーム82a,82b及びフロントリンク76a,76bに連結され、リアパイプが、カラーを介して、サイドフレーム82a,82b及びリアリンク78a,78bに連結されている。
詳しくは、図8に示すように、従来の車両用シートでは、フロントパイプ200の両端部に、円筒状の1対のカラー202a,202bが外嵌されており、1対のカラー202a,202bが車両外側及び内側に向かって延び出している。その車両外側に向かって延び出しているカラー202aの外周面には、サイドフレーム82a,スペーサ108a,フロントリンク76aが、図4と同様に、外嵌されている。そして、カラー202aの車両外側の端部とフロントリンク76aとが溶接され、固定されている。また、カラー202aの車両内側の端部とフロントパイプ200とが溶接され、固定されている。
また、車両内側に向かって延び出しているカラー202bの外周面には、サイドフレーム82b,フロントリンク76b,スペーサ108bが、図4と同様に、外嵌されている。そして、カラー202bの車両内側の端部とフロントパイプ200とが溶接され、固定されている。また、スペーサ108bの車両内側の端部とカラー202bとが溶接され、固定されている。さらに、スペーサ108bの車両外側の端部とフロントリンク76bとが溶接され、固定されている。なお、カラー202bの車両外側の端部には、外側に延び出すフランジ部206が形成されており、そのフランジ部206によって、カラー202bからのサイドフレーム82bの抜けが防止されている。
なお、リアパイプが、カラーを介して、サイドフレーム82a,82b及びリアリンク78a,78bに連結される手法は、フロントパイプ200と略同じであるため、説明および、図示を省略する。
このように、従来の車両用シートでは、フロントパイプ及び、リアパイプの両端部に、カラーが外嵌され、そのカラーを介して、サイドフレーム82a,82b等に連結されている。一方、車両用シート10では、フロントパイプ86及び、リアパイプ88が、直接的にサイドフレーム82a,82b等に連結されている。これにより、リフター装置34を構成する部品点数を少なくすることが可能となり、コスト削減を図ることが可能となる。また、車両用シート10では、フロントパイプとカラーとの溶接、及び、リアパイプとカラーとの溶接を行う必要がなくなり、リフター装置34の組み付け工程の短縮化、簡素化等を図ることが可能となる。さらに言えば、車両用シート10では、フロントパイプ86等の端部の外周面をカシメるだけで、サイドフレーム82aを組み付けることが可能となり、組み付け工程の簡素化を図ることが可能となる。
ちなみに、上記実施例において、車両用シート10は、乗物用シートの一例である。シートクッション20は、シートクッションの一例である。フロントリンク76a,76b及び、リアリンク78a,78bは、リンクの一例である。クッションフレーム80は、クッションフレームの一例である。サイドフレーム82a,82bは、サイドフレームの一例である。フロントパイプ86及び、リアパイプ88は、連結フレームの一例である。貫通孔100a,100b及び、貫通孔102a,102bは、フレーム貫通孔の一例である。貫通孔110a,110b及び、貫通孔140a,140bは、リンク貫通孔の一例である。小径部123及び、小径部149は、小径部の一例である。凸部122及び、凸部150は、拡径部の一例である。挿入部124及び、挿入部151は、挿入部の一例である。また、フロントパイプ86及び、リアパイプ88を、貫通孔100a,100b、貫通孔102a,102b、貫通孔110a,110b、貫通孔140a,140bに挿入する工程が、挿入工程の一例である。フロントパイプ86及び、リアパイプ88の外周面を削りつつ、押し込む工程が、削り押し込み工程の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。具体的には、例えば、実施例では、フロントパイプ86等の外周面のカシメによりサイドフレーム82aの抜けが防止されているが、フロントパイプ86等の外周面のカシメによりフロントリンク76a等の抜けを防止してもよい。
また、上記実施例では、フロントパイプ86及び、リアパイプ88の端部の外周面が、削り押し込まれているが、フロントパイプ86及び、リアパイプ88の両端部の間の外周面が削り押し込まれてもよい。
また、上記実施例では、本発明が車両用シート10に適用されているが、他の乗物、例えば、飛行機,船等の種々の乗物用のシートに本発明を適用することが可能である。
10:車両用シート(乗物用シート) 20:シートクッション 76a:フロントリンク(リンク) 76b:フロントリンク(リンク) 78a:リアリンク(リンク) 78b:リアリンク(リンク) 80:クッションフレーム 82a:サイドフレーム 82b:サイドフレーム 86:フロントパイプ(連結フレーム) 88:リアパイプ(連結フレーム) 100a:貫通孔(フレーム貫通孔) 100b:貫通孔(フレーム貫通孔) 102a:貫通孔(フレーム貫通孔) 102b:貫通孔(フレーム貫通孔) 110a:貫通孔(リンク貫通孔) 110b:貫通孔(リンク貫通孔) 122:凸部(拡径部) 123:小径部 124:挿入部 140a:貫通孔(リンク貫通孔) 140b:貫通孔(リンク貫通孔) 149:小径部 150:凸部(拡径部) 151:挿入部
Claims (4)
- シートクッションの骨格をなすクッションフレームに連結された1対のリンクによって、フロアに対する高さを変更可能な乗物用シートであって、
前記クッションフレームが、
1対のサイドフレームと、
前記1対のサイドフレームの各々に形成されたフレーム貫通孔に、両端部が挿入され、前記1対のサイドフレームを連結する連結フレームと
を有し、
前記連結フレームは、径の異なる外径部を備え、
前記外径部は、
フレーム貫通孔及び、前記リンクに形成されたリンク貫通孔に挿入される挿入部と、
前記挿入部より前記連結フレームの端部側に位置し、前記挿入部の外径より大きな外径の拡径部と、
前記拡径部より前記連結フレームの端部側に位置し、前記挿入部の外径より小さな外径の小径部と
を有し、
前記拡径部によって、前記サイドフレームと前記リンクとの少なくとも一方を挟み込むことを特徴とする乗物用シート。 - 前記連結フレームが、円筒状をなすことを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
- 前記小径部が、前記連結フレームの端に配設されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
- シートクッションの骨格をなすクッションフレームに連結された1対のリンクによって、フロアに対する高さを変更可能な乗物用シートの製造方法であって、
前記クッションフレームが、
1対のサイドフレームと、前記1対のサイドフレームを連結する連結フレームとを有し、
前記乗物用シートの製造方法が、
前記1対のサイドフレームの各々に形成されたフレーム貫通孔と、前記1対のリンクの各々に形成されたリンク貫通孔とに前記連結フレームの両端部を挿入する挿入工程と、
前記フレーム貫通孔および前記リンク貫通孔から延び出した前記連結フレームの端部の外周面を、前記フレーム貫通孔および前記リンク貫通孔に向かって削りつつ、押し込むことで、その押し込まれた部分によって、前記サイドフレームと前記リンクとの少なくとも一方を挟み込む削り押し込み工程と
を含むことを特徴とする乗物用シートの製造方法。
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JP2016219485A JP2018075991A (ja) | 2016-11-10 | 2016-11-10 | 乗物用シート、および乗物用シートの製造方法 |
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2016
- 2016-11-10 JP JP2016219485A patent/JP2018075991A/ja active Pending
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