JP2018073937A - 固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】固体電解質の高温劣化の少ない低ESRの固体電解コンデンサを提供する。【解決手段】固体電解コンデンサ1は、陽極導体11と、陽極導体11上に順次形成された誘電体層12と固体電解質層13と陰極引出層14とを含むコンデンサ素子10を備える。固体電解質層13は、修飾基を有していてもよいグラフェン又は修飾基を有していてもよいグラフェンの積層体からなる1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、陽極導体と、陽極導体上に順次形成された誘電体層と固体電解質層と陰極引出層とを含むコンデンサ素子を備える。かかる電解コンデンサ用の電解質(以下、「コンデンサ電解質」ともいう)の形態は、液体又は固体等である。液体電解質としては、エチレングリコール及びγ−ブチロラクトン等の低分子の有機溶媒に、アジピン酸、セバシン酸、ホウ酸、リン酸、及びこれらの塩等の有機電解質を溶解させた電解液等が挙げられる。固体電解質としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、及びこれらの誘導体等の有機導電性高分子:二酸化マンガン等の無機半導体等が挙げられる。
特許文献1には、陽極体と、前記陽極体上に形成された誘電体層と、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、前記固体電解質層に対向する陰極層とを備え、前記陰極層が、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆うカーボン層と、金属粒子と樹脂とを含む金属ペースト層とを含み、前記カーボン層が、グラフェン片を含むグラフェン層を含む、電解コンデンサが開示されている(請求項1)。
特許文献1には、固体電解質として、二酸化マンガン、導電性高分子、及びTCNQ錯塩体が挙げられ、中でも導電性高分子が好ましいことが記載されている(段落0023)。
特許文献1には、固体電解質として、二酸化マンガン、導電性高分子、及びTCNQ錯塩体が挙げられ、中でも導電性高分子が好ましいことが記載されている(段落0023)。
特許文献2には、金属材からなる陽極体の表面に、誘電体酸化皮膜層、固体電解質層、導電性カーボン層及び陰極引出層を順次形成した固体電解コンデンサにおいて、前記導電性カーボン層は、グラフェン及び/又はナノグラフェンを含有した固体電解コンデンサが開示されている(請求項1)。
特許文献2には、固体電解質として導電性高分子が挙げられている(段落0041)。
特許文献2には、固体電解質として導電性高分子が挙げられている(段落0041)。
電解コンデンサは、車載用途等において高温環境に曝されることがあるため、耐久温度が高いことが好ましい。しかしながら、有機電解質を含む電解液及び導電性高分子等の有機固体電解質は高温環境下で揮発又は分解し、等価直列抵抗(以下、「ESR」と略記する場合がある)等の電気特性の悪化を招く恐れがある。二酸化マンガン等の無機固体電解質は耐熱性が高いものの、上記有機電解質に比して導電性が比較的低く、これを用いたコンデンサはESRが比較的に高く電気特性が劣る傾向がある。このように、従来のコンデンサ電解質では、耐熱性と導電性とは背反する特性であり、これらを両立することは難しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電解質の高温劣化の少ない低ESRの固体電解コンデンサを提供することを目的とするものである。
本発明者は、コンデンサ電解質として1種以上のグラフェン構造体を用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の固体電解コンデンサは、
陽極導体と、当該陽極導体上に順次形成された誘電体層と固体電解質層と陰極引出層とを含むコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサであって、
前記固体電解質層が、修飾基を有していてもよいグラフェン又は修飾基を有していてもよいグラフェンの積層体からなる1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含むものである。
本発明の固体電解コンデンサは、
陽極導体と、当該陽極導体上に順次形成された誘電体層と固体電解質層と陰極引出層とを含むコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサであって、
前記固体電解質層が、修飾基を有していてもよいグラフェン又は修飾基を有していてもよいグラフェンの積層体からなる1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含むものである。
本発明によれば、電解質の高温劣化の少ない低ESRの固体電解コンデンサを提供することができる。
「固体電解コンデンサ」
図面を参照して、本発明に係る一実施形態の固体電解コンデンサについて、説明する。図1は固体電解コンデンサの要部模式断面図である。
図面を参照して、本発明に係る一実施形態の固体電解コンデンサについて、説明する。図1は固体電解コンデンサの要部模式断面図である。
図示するように、固体電解コンデンサ1は、陽極導体11と、陽極導体11上に順次形成された誘電体層12と固体電解質層13と陰極引出層14とを含むコンデンサ素子10を備える。なお、固体電解質層13は誘電体層12の少なくとも一部を覆い、陰極引出層14は、固体電解質層13の少なくとも一部を覆う。
本実施形態の固体電解コンデンサ1において、固体電解質層13は、修飾基を有していてもよいグラフェン又は修飾基を有していてもよいグラフェンの積層体からなる1種以上のグラフェン構造体からなる1層以上のグラフェン含有層を含む。
その他の基本構成は従来公知の固体電解コンデンサと同様であり、コンデンサの全体構成、並びに、各構成要素の形状及び材質等は公知のものを採用でき、特に制限されない。図中、符号21は導電接着剤、符号22は電極、符号23は弁作用金属からなる金属リード、符号24は外装樹脂である。
その他の基本構成は従来公知の固体電解コンデンサと同様であり、コンデンサの全体構成、並びに、各構成要素の形状及び材質等は公知のものを採用でき、特に制限されない。図中、符号21は導電接着剤、符号22は電極、符号23は弁作用金属からなる金属リード、符号24は外装樹脂である。
陽極導体11は、少なくとも一方の表層部が1種以上の弁作用金属を含む。弁作用金属としては、電解質との間に整流作用が発現するものであれば特に制限されず、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、及びこれらの合金等が挙げられる。陽極導体11の形態としては特に制限されず、粉末焼結体、エッチング箔、及び蒸着フィルム等が挙げられる。
誘電体層12としては特に制限されず、陽極導体11の弁作用金属を含む表層部を陽極酸化することで形成された誘電体酸化被膜(陽極酸化被膜)等が挙げられる。
陰極引出層14としては固体電解質層13と後記電極とを電気的に接続するものであれば特に制限されず、銀、銅、及びアルミニウム等の金属を含む金属含有層が好ましい。一態様において、金属含有層は、金属粒子、樹脂、および必要に応じて分散媒を含む金属ペーストを用いて形成することができる。金属粒子としては、銀粒子、銅粒子、及びアルミニウム粒子等が挙げられ、電気抵抗値が低い点で銀粒子が好ましい。樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等が挙げられる。分散媒は公知方法にて乾燥除去される。
固体電解コンデンサ1において、コンデンサ素子10の陰極引出層14に、電極が取り付けられている(図示せず)。一態様において、電極は帯状等の金属板を折り曲げて形成され、好ましくは導電性接着層を用いて陰極引出層14に機械的及び電気的に接続される。導電性接着層の材料としては、金属粒子、樹脂、および必要に応じて分散媒を含む金属ペースト等が挙げられる。金属ペーストに用いられる金属粒子と樹脂は、陰極引出層14の説明で挙げた金属ペーストと同様である。
上記したように、本実施形態の固体電解コンデンサ1において、固体電解質層13は、1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含む。
コンデンサ電解質は、誘電体層12(好ましくは誘電体酸化被膜)との間に蓄電のため整流作用が発現することが必要である。本発明者は実際に誘電体層12上に1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含む固体電解質層13を形成した場合、整流作用が発現しコンデンサ性能が発現することを見出した。
コンデンサ電解質は、誘電体層12(好ましくは誘電体酸化被膜)との間に蓄電のため整流作用が発現することが必要である。本発明者は実際に誘電体層12上に1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含む固体電解質層13を形成した場合、整流作用が発現しコンデンサ性能が発現することを見出した。
「グラフェン」は、複数の炭素原子が1原子の厚さでsp2結合して2次元六角形格子構造を形成した炭素原子シートである。
「グラフェン構造体」は、上記単層構造の炭素原子シートからなるグラフェン、又は、上記単層構造の炭素原子シートからなるグラフェンがファンデルワールス力により複数積層した積層体からなる。グラフェン構造体は、修飾基を有していてもよい。グラフェン構造体はドーピング処理等の処理が施されたものであってもよい。
「グラフェン構造体」は、上記単層構造の炭素原子シートからなるグラフェン、又は、上記単層構造の炭素原子シートからなるグラフェンがファンデルワールス力により複数積層した積層体からなる。グラフェン構造体は、修飾基を有していてもよい。グラフェン構造体はドーピング処理等の処理が施されたものであってもよい。
上記構造のグラフェン構造体は他の炭素材料にはない特有の特性を示し、高電子移動度、高熱伝導度、及び高機械的強度を発現することができる。グラフェン構造体は、層数が少ない程、電子移動度、熱伝導度、及び機械的強度が向上する傾向がある。このようにグラフェン構造体は高導電性かつ高耐熱性の材料であるため、固体電解質として1種以上のグラフェン構造体を用いることで、高温劣化が少なく低ESRの固体電解コンデンサ1を提供することができる。
グラフェン構造体の上記特性(高導電率等)が効果的に発現することから、グラフェン構造体の層数は、好ましくは1〜35層、より好ましくは1〜30層、特に好ましくは1〜20層、最も好ましくは1〜15層である。
グラフェン構造体の上記特性(高導電率等)が効果的に発現することから、グラフェン構造体の層数は、好ましくは1〜35層、より好ましくは1〜30層、特に好ましくは1〜20層、最も好ましくは1〜15層である。
グラファイトは、上記単層構造の炭素原子シートからなるグラフェンが多数積層された構造を有し、その層数は40層以上、通常100層以上である。グラファイト、及びカーボンブラック等の無定形炭素は、上記層数のグラフェン構造体のような、優れた電子移動度/熱伝導度/機械的強度を有さない。したがって、本明細書において、特に明記しない限り、「グラフェン構造体を含む炭素材料」には、グラファイト、及びカーボンブラック等の無定形炭素は含まないものとする。
本明細書において、特に明記しない限り、「グラフェン構造体の層数」は、無作為に選択したグラフェン構造体20個当たりの平均値である。なお、グラフェン構造体の層数は、原子間力顕微鏡(AFM)、ラマン分光分析、及びシリコン基板上での光学顕微鏡観察等により同定することが可能である。
例えば、1〜35層のグラフェン構造体と、40層以上のグラフェン構造体からなるグラファイト等の他の炭素材料とは、ラマン分光スペクトルが異なる。1〜35層のグラフェン構造体は、1600cm−1付近にsp2結合に由来するピーク(Gバンドと呼ばれる)を有し、2700cm−1付近にsp3結合に由来するピーク(2Dバンドと呼ばれる)を有し、両者のピーク強度比(sp2ピーク強度/sp3ピーク強度)が、グラフェン構造体の層数と相関するといわれている。
一態様において、グラフェン構造体は薄平形状を有する。この場合、炭素シートの面方向における最大径は特に限定されないが、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μmである。グラフェン構造体の厚さは、好ましくは1〜10nm、より好ましくは1〜5nmである。本明細書において、特に明記しない限り、「グラフェン構造体の厚さ及び最大径」は、グラフェン構造体20個当たりの平均値である。
グラフェン構造体として、炭素原子のみからなるグラフェン構造体を用いてもよいし、炭素原子のみからなるグラフェン構造体に各種官能基を付加した修飾グラフェン構造体を用いてもよい。修飾基としては、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基、及びスルホ基等の酸素含有基等が挙げられる。グラフェン構造体にかかる酸素含有基を付与することで、グラフェン構造体を水等の極性溶媒に可溶化できるようになり、グラフェン含有層を液相法により容易に形成できるようになる。また、誘電体層12に対する修復機能が発現し、コンデンサの漏れ電流(LC)を低減することが可能となる。
グラフェン含有層の形成方法は特に制限されず、CVD(化学気相成長)法等の気相法、及び誘電体層12上に公知方法により製造されたグラフェン構造体(好ましくは修飾グラフェン構造体)の分散液又は溶液を付着させ乾燥させる液相法等が挙げられる。
気相法に用いられる原料としては特に制限されず、炭素単体、炭素原子を含む酸化物等の炭素含有化合物等が挙げられる。
液相法に用いられるグラフェン構造体の製造方法としては、原料黒鉛から単層又は複層のグラフェンを剥離する方法等が挙げられる。
グラフェン構造体の修飾方法は特に制限されない。例えば修飾基がカルボニル基、水酸基、及びカルボキシ基等である場合、硫酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液等の酸化剤を用いて酸化処理する方法が挙げられる。任意の修飾基について、付与したい修飾基を有する化合物を触媒と共に溶液中で加熱する方法が挙げられる。修飾基がスルホ基である場合、特開2015−215188号公報に記載の方法にて直接修飾を行う方法でもよい。修飾基を付与するタイミングは特に制限されず、原料黒鉛からグラフェン構造体を剥離する前、剥離する最中、及び剥離した後のいずれでもよい。
気相法に用いられる原料としては特に制限されず、炭素単体、炭素原子を含む酸化物等の炭素含有化合物等が挙げられる。
液相法に用いられるグラフェン構造体の製造方法としては、原料黒鉛から単層又は複層のグラフェンを剥離する方法等が挙げられる。
グラフェン構造体の修飾方法は特に制限されない。例えば修飾基がカルボニル基、水酸基、及びカルボキシ基等である場合、硫酸及び過マンガン酸カリウムを含む溶液等の酸化剤を用いて酸化処理する方法が挙げられる。任意の修飾基について、付与したい修飾基を有する化合物を触媒と共に溶液中で加熱する方法が挙げられる。修飾基がスルホ基である場合、特開2015−215188号公報に記載の方法にて直接修飾を行う方法でもよい。修飾基を付与するタイミングは特に制限されず、原料黒鉛からグラフェン構造体を剥離する前、剥離する最中、及び剥離した後のいずれでもよい。
陽極導体11として粉末焼結体及びエッチング箔等の比較的表面凹凸の大きい材料を用い、陽極酸化法により誘電体層12を形成する場合、表面凹凸が比較的大きい誘電体層12が形成される。このような場合、容量引出しのために誘電体層12の表面の微細な凹部内にも電解質を充填する必要があることから、誘電体層12/陽極導体11の積層体をグラフェン構造体(好ましくは修飾グラフェン構造体)の分散液又は溶液に浸漬させる液相法が好ましい。
グラフェン含有層の形成条件は、特に制限されず、形成方法に応じて適宜設計することができる。環境温度は室温でも高温でもよく、コンデンサ素子は非加熱でも加熱してもよい。雰囲気は空気中でも不活性ガス雰囲気でもよい。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、及び窒素ガス等が挙げられる。圧力は、減圧、大気圧、加圧のいずれでもよい。
上記したように、修飾グラフェン構造体を用いることで、液相法を採用でき、好ましい。ただし、グラフェン含有層の酸素含有量が過多では、導電率が低下してコンデンサのESR及びLCが悪化する恐れがある。固体電解質層13の酸素含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。
修飾グラフェン構造体を用いて形成されるグラフェン含有層の酸素含有量が上記範囲より高くなる場合には、水素ガス、アンモニアガス、及びヒドラジン等の公知の還元剤を用いて酸化グラフェン構造体を還元することで、酸素含有量(修飾基量)を調整することが可能である。
なお、グラフェン含有層の酸素含有量は、公知の元素分析により測定することができる。
修飾グラフェン構造体を用いて形成されるグラフェン含有層の酸素含有量が上記範囲より高くなる場合には、水素ガス、アンモニアガス、及びヒドラジン等の公知の還元剤を用いて酸化グラフェン構造体を還元することで、酸素含有量(修飾基量)を調整することが可能である。
なお、グラフェン含有層の酸素含有量は、公知の元素分析により測定することができる。
上記したグラフェン含有層の形成方法を組み合わせて、2層以上のグラフェン含有層を積層形成してもよい。例えば、液相法によりグラフェン含有層を形成し、必要に応じて還元処理を実施した後、気相法によりグラフェン含有層を形成することができる。
本発明の関連技術としては、「背景技術」の項で挙げた特許文献1、2がある。これら特許文献はいずれも、固体電解コンデンサの陰極引出層にグラフェン構造体を用いている。しかしながら、特許文献1では、固体電解質としては、二酸化マンガン、導電性高分子、及びTCNQ錯塩体のみが具体的に挙げられ、中でも、導電性高分子が好ましいことが記載されている(段落0023)。特許文献2では、固体電解質として導電性高分子のみが挙げられている(段落0041)。いずれの文献にも、コンデンサ電解質にグラフェン構造体を用いる点については、記載も示唆もない。コンデンサ電解質にグラフェン構造体を用いることは、本発明者が見出した新規知見である。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、グラフェン含有層は、グラフェン構造体以外の1種以上の任意成分を含むことができる。
任意成分としては、グラフェン以外の他の固体電解質が挙げられる。他の固体電解質としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、及びこれらの誘導体等の有機導電性高分子:二酸化マンガン等の無機半導体等が挙げられる。
他の任意成分としては、有機導電性高分子以外の任意の樹脂が挙げられる。有機導電性高分子以外の樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
任意成分としては、グラフェン以外の他の固体電解質が挙げられる。他の固体電解質としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、及びこれらの誘導体等の有機導電性高分子:二酸化マンガン等の無機半導体等が挙げられる。
他の任意成分としては、有機導電性高分子以外の任意の樹脂が挙げられる。有機導電性高分子以外の樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、セルロース、ニトロセルロース、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、固体電解質層13はグラフェン含有層以外の1層以上の他の固体電解質層を含むことができる。他の固体電解質層に含まれる固体電解質としては、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、及びこれらの誘導体等の有機導電性高分子:二酸化マンガン等の無機半導体等が挙げられる。1層以上のグラフェン含有層と1層以上の他の固体電解質層との積層順序は、特に制限されない。ただし、誘電体層12の表面の少なくとも一部とグラフェン構造体とが直接接触する構成とすることが好ましい。
低ESRのコンデンサが得られる観点から、グラフェン含有層の導電率は、好ましくは1S/cm以上、より好ましくは10S/cm以上、特に好ましくは50S/cm以上である。
低ESRおよびESRの高温劣化の少ないコンデンサが得られる観点から、誘電体層12の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率は、高い方が好ましい。具体的には、当該接触面積比率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは80%以上である。
低ESRおよびESRの高温劣化の少ないコンデンサが得られる観点から、誘電体層12の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率は、高い方が好ましい。具体的には、当該接触面積比率は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、特に好ましくは50%以上、最も好ましくは80%以上である。
コンデンサ素子10は必要に応じて、上記以外の任意の構成要素を含むことができる。
例えば、誘電体層12は、固体電解質層13側に、好ましくは厚さ1μm以下のプレコート層を含むことができる。プレコート成分としては公知のものを使用でき、シリコン等の無機物及び各種樹脂等が挙げられる。プレコート層用の樹脂としては、グラフェン含有層に任意で含まれる有機導電性高分子以外の樹脂と同様のものを使用できる。プレコート層用の樹脂としては、誘電体酸化被膜を修復する観点から、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基、及びスルホ基等の酸素含有基を含む樹脂が好ましい。
固体電解質層13の形成工程が高温プロセスを含む場合、プレコート層の構成成分としては、シリコン等の無機物又はシリコーン樹脂等の比較的耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。
プレコート層の形成方法としては特に制限されず、誘電体層12上に、プレコート成分を含む溶液の付着と乾燥を1回以上、好ましくは2回以上実施する液相法が好適である。
例えば、誘電体層12は、固体電解質層13側に、好ましくは厚さ1μm以下のプレコート層を含むことができる。プレコート成分としては公知のものを使用でき、シリコン等の無機物及び各種樹脂等が挙げられる。プレコート層用の樹脂としては、グラフェン含有層に任意で含まれる有機導電性高分子以外の樹脂と同様のものを使用できる。プレコート層用の樹脂としては、誘電体酸化被膜を修復する観点から、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基、及びスルホ基等の酸素含有基を含む樹脂が好ましい。
固体電解質層13の形成工程が高温プロセスを含む場合、プレコート層の構成成分としては、シリコン等の無機物又はシリコーン樹脂等の比較的耐熱性の高い樹脂を用いることが好ましい。
プレコート層の形成方法としては特に制限されず、誘電体層12上に、プレコート成分を含む溶液の付着と乾燥を1回以上、好ましくは2回以上実施する液相法が好適である。
以上説明したように、本実施形態によれば、電解質の高温劣化の少ない低ESRの固体電解コンデンサ1を提供することができる。
以下、本発明に係る実施例および比較例について、説明する。
[実施例1]
陽極導体としてTa板を用意した。このTa板をリン酸水溶液中、10Vで電解酸化(陽極酸化)して、Ta板の表面積に誘電体酸化被膜(誘電体層)を形成した。次いで、誘電体酸化被膜の表面全体に、固体電解質層としてCVD法により単層グラフェンからなるグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した。次いで、市販の銀ペーストを用いて、陰極引出層として銀層を形成して、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
陽極導体としてTa板を用意した。このTa板をリン酸水溶液中、10Vで電解酸化(陽極酸化)して、Ta板の表面積に誘電体酸化被膜(誘電体層)を形成した。次いで、誘電体酸化被膜の表面全体に、固体電解質層としてCVD法により単層グラフェンからなるグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した。次いで、市販の銀ペーストを用いて、陰極引出層として銀層を形成して、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例2]
誘電体酸化被膜上に単層グラフェンのN−メチルピロリドン(NMP)分散液を滴下し、120℃で60分間乾燥してグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した以外は実施例1と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
誘電体酸化被膜上に単層グラフェンのN−メチルピロリドン(NMP)分散液を滴下し、120℃で60分間乾燥してグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した以外は実施例1と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例3〜8]
単層グラフェンのNMP分散液の代わりに、グラフェン積層体(層数2〜31層)のNMP分散液を用いてグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した以外は実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
単層グラフェンのNMP分散液の代わりに、グラフェン積層体(層数2〜31層)のNMP分散液を用いてグラフェン含有層(酸素含有率0%)を形成した以外は実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例9〜11]
単層グラフェンのNMP分散液の代わりに、修飾グラフェン積層体(層数5層)のNMP分散液を用いてグラフェン含有層(酸素含有率10〜40%)を形成した以外は実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
単層グラフェンのNMP分散液の代わりに、修飾グラフェン積層体(層数5層)のNMP分散液を用いてグラフェン含有層(酸素含有率10〜40%)を形成した以外は実施例2と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例12]
固体電解質層の形成工程を変更した以外は実施例9と同様にして、コンデンサ素子を得た。具体的には、誘電体酸化被膜の表面の90%を覆うように、PEDOT/PSS(ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン)の水分散液(ヘレウス株式会社製、商品名:Clevios(登録商標)P)を滴下し、120℃で60分間乾燥して、導電性高分子層を形成した。次いで、誘電体酸化被膜の表面露出部分(残りの10%部分)と上記導電性高分子層とを被覆するように、実施例9と同様にして修飾グラフェン積層体のNMP分散液を用いてグラフェン含有層を形成した。このようにして、導電性高分子層とグラフェン含有層との積層構造を有する固体電解質層を形成した。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
固体電解質層の形成工程を変更した以外は実施例9と同様にして、コンデンサ素子を得た。具体的には、誘電体酸化被膜の表面の90%を覆うように、PEDOT/PSS(ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン)の水分散液(ヘレウス株式会社製、商品名:Clevios(登録商標)P)を滴下し、120℃で60分間乾燥して、導電性高分子層を形成した。次いで、誘電体酸化被膜の表面露出部分(残りの10%部分)と上記導電性高分子層とを被覆するように、実施例9と同様にして修飾グラフェン積層体のNMP分散液を用いてグラフェン含有層を形成した。このようにして、導電性高分子層とグラフェン含有層との積層構造を有する固体電解質層を形成した。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例13]
誘電体酸化被膜の表面の95%を覆うように導電性高分子層を形成した以外は実施例12と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
誘電体酸化被膜の表面の95%を覆うように導電性高分子層を形成した以外は実施例12と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[実施例14]
陽極導体を公知の方法で作成したTaの粉末焼結体とした以外は実施例9と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
陽極導体を公知の方法で作成したTaの粉末焼結体とした以外は実施例9と同様にして、コンデンサ素子を得た。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[比較例1]
実施例12と同様の方法にて、Ta板の表面に誘電体酸化被膜(誘電体層)を形成し、その表面全体に、固体電解質層として導電性高分子層を形成した。次いで、固体電解質層の上に、陰極引出層としてグラファイト層及び銀層を順次積層して、コンデンサ素子を得た。グラファイト層は、市販のグラファイトペーストを塗布及び乾燥して形成した。銀層の形成方法は、実施例12と同様である。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
実施例12と同様の方法にて、Ta板の表面に誘電体酸化被膜(誘電体層)を形成し、その表面全体に、固体電解質層として導電性高分子層を形成した。次いで、固体電解質層の上に、陰極引出層としてグラファイト層及び銀層を順次積層して、コンデンサ素子を得た。グラファイト層は、市販のグラファイトペーストを塗布及び乾燥して形成した。銀層の形成方法は、実施例12と同様である。固体電解質層の組成及び誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積比率を表1に示す。
[評価項目および評価方法]
実施例1〜14及び比較例1の各例において、以下の評価を実施した。市販のLCRメーターを用いて、得られたコンデンサ素子の初期ESRを測定した。得られたコンデンサ素子に対して、125℃電圧印加試験(1.0W.V)を1000時間実施した後、初期と同じLCRメーターを用いてESRと漏れ電流(LC)を測定し、コンデンサ素子の不良率を評価した。この時、ESR規格外は初期値の2倍以上、漏れ電流値規格外は0.1CV以上(0.1×初期容量×化成電圧)と規定した。評価コンデンサ素子数は100個とした。
実施例1〜14及び比較例1の各例において、以下の評価を実施した。市販のLCRメーターを用いて、得られたコンデンサ素子の初期ESRを測定した。得られたコンデンサ素子に対して、125℃電圧印加試験(1.0W.V)を1000時間実施した後、初期と同じLCRメーターを用いてESRと漏れ電流(LC)を測定し、コンデンサ素子の不良率を評価した。この時、ESR規格外は初期値の2倍以上、漏れ電流値規格外は0.1CV以上(0.1×初期容量×化成電圧)と規定した。評価コンデンサ素子数は100個とした。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
表1に示すように、固体電解質層がグラフェン含有層を含むコンデンサ素子を製造した実施例1〜14では、導電性高分子層のみからなる固体電解質層を形成した比較例1に対して、ESR不良率及びLC不良率を顕著に低減することができた。中でも、1〜30層(特に1〜20層)のグラフェン構造体を用いた実施例1〜7(特に1〜6)では、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。修飾グラフェン構造体を用いた実施例9〜11、14においても、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。また、誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積の比率が高い程、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。
なお、実施例1〜14では、陽極導体として単板または粉末焼結体を用いたコンデンサ素子について評価を行ったが、陽極導体としてとしてエッチング箔等を用いても同様の効果が期待できる。
評価結果を表1に示す。
表1に示すように、固体電解質層がグラフェン含有層を含むコンデンサ素子を製造した実施例1〜14では、導電性高分子層のみからなる固体電解質層を形成した比較例1に対して、ESR不良率及びLC不良率を顕著に低減することができた。中でも、1〜30層(特に1〜20層)のグラフェン構造体を用いた実施例1〜7(特に1〜6)では、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。修飾グラフェン構造体を用いた実施例9〜11、14においても、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。また、誘電体層の表面積に対するグラフェン構造体の接触面積の比率が高い程、ESR不良率及びLC不良率の低減効果が顕著であった。
なお、実施例1〜14では、陽極導体として単板または粉末焼結体を用いたコンデンサ素子について評価を行ったが、陽極導体としてとしてエッチング箔等を用いても同様の効果が期待できる。
(設計変更)
本発明は上記実施形態及び実施例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更が可能である。
本発明は上記実施形態及び実施例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更が可能である。
1 固体電解コンデンサ
10 コンデンサ素子
11 陽極導体
12 誘電体層
13 固体電解質層
14 陰極引出層
10 コンデンサ素子
11 陽極導体
12 誘電体層
13 固体電解質層
14 陰極引出層
Claims (5)
- 陽極導体と、当該陽極導体上に順次形成された誘電体層と固体電解質層と陰極引出層とを含むコンデンサ素子を備えた固体電解コンデンサであって、
前記固体電解質層が、修飾基を有していてもよいグラフェン又は修飾基を有していてもよいグラフェンの積層体からなる1種以上のグラフェン構造体を含むグラフェン含有層を含む固体電解コンデンサ。 - 前記グラフェン構造体が、修飾基を有するグラフェン又は修飾基を有するグラフェンの積層体である請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記修飾基が、カルボニル基、水酸基、カルボキシ基、及びスルホ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸素含有基である請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記誘電体層の表面積に対する前記グラフェン構造体の接触面積比率が10%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
- 前記陽極導体が粉末焼結体である請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ。
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