JP2011233655A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機溶剤の溶液で誘電体層の表面を処理する固体電解コンデンサの製造方法において、静電容量を高め、漏れ電流を小さくすることができる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】陽極2の表面に誘電体層3を形成する工程と、誘電体層3の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させる工程と、溶液を接触させた後、誘電体層3の表面にオゾン水を接触させる工程と、オゾン水を接触させた後、誘電体層3の上に導電性高分子層5を形成する工程とを備えることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体層の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させる工程を含む固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
固体電解コンデンサは、パーソナルコンピューターや、携帯用電子機器、ゲーム機、サーバー等様々な電子機器で広く用いられている。
固体電解コンデンサは、タンタル、ニオブなどの金属粉末の焼結体を陽極として用い、それらの金属の表面を陽極酸化法などの化学的な処理で酸化して誘電体層を形成し、この誘電体層の上に二酸化マンガンなどの無機材料または導電性高分子などの有機材料からなる電解質層を形成し、その上に陰極層を形成することにより一般的に構成されている。
近年、電子機器の小型化、低消費電力化が要望されており、固体電解コンデンサにおいても、その性能の向上が求められている。電解質層として、導電性高分子層を形成した固体電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)を低減することができるため、多くの用途において用いられている。
また、特許文献1においては、各層の表面に紫外線照射またはプラズマ照射を行うことにより、各層の表面に極性を有するカルボキシル基や水酸基を生成させ、それにより密着性を改善し、コンデンサのESRを低減する方法が開示されている。
特開2009−238776号公報
固体電解コンデンサの性能向上を目的として、導電性高分子層を形成する前に、誘電体層の表面を有機溶剤で洗浄したり、あるいは高分子などを溶解した有機溶剤を含む溶液を接触させ、高分子等の膜を形成させる処理を行う場合がある。本発明者らは、誘電体層の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させた後、導電性高分子層を形成すると、誘電体層に対する導電性高分子層の密着性が低下し、静電容量が低下すると共に、漏れ電流が増大するという課題が生じることを見出した。
しかしながら、誘電体層の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させた後、上記特許文献1に開示の方法を適用しても、静電容量の低下及び漏れ電流の増大を充分に低減することができなかった。
本発明の目的は、有機溶剤を含む溶液で誘電体層の表面を処理する固体電解コンデンサの製造方法において、静電容量を高め、漏れ電流を小さくすることができる固体電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
本発明は、固体電解コンデンサを製造する方法であり、陽極の表面に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させる工程と、溶液を接触させた後、誘電体層の表面にオゾン水を接触させる工程と、オゾン水を接触させた後、誘電体層の上に導電性高分子層を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、有機溶剤を含む溶液で誘電体層の表面を処理する固体電解コンデンサの製造方法において、静電容量を高め、漏れ電流を小さくすることができる。
本発明において、有機溶剤を含む溶液は、有機溶剤のみであってもよいし、有機溶剤に溶質を溶解させた溶液であってもよい。有機溶剤に溶解させる溶質としては、例えば、高分子が挙げられる。高分子を有機溶剤に溶解させた溶液を、誘電体層の表面に接触させることにより、誘電体層の表面上に高分子の膜を形成することができる。
また、溶液が有機溶剤のみからなる場合には、誘電体層の表面を有機溶剤で洗浄する目的などで、有機溶剤のみからなる溶液を用いることができる。
本発明において、高分子が溶解された有機溶剤を含む溶液を誘電体層の表面に接触させ、誘電体層の表面上に高分子の膜を形成する場合、導電性高分子層の仕事関数より0.2eV以上大きい仕事関数を有する高分子を用いることが好ましい。このような仕事関数を有する高分子の膜を誘電体層の表面上に形成した後、その上に導電性高分子層を形成することにより、漏れ電流をさらに小さくすることができる。
本発明において、オゾン水の濃度は、0.2ppm〜20ppmの範囲であることが好ましい。このような範囲内にすることにより、静電容量をさらに高め、漏れ電流をさらに小さくすることができる。
本発明によれば、有機溶剤を含む溶液で誘電体層の表面を処理する固体電解コンデンサの製造方法において、静電容量を高め、漏れ電流を小さくすることができる。
本発明の一実施形態における固体電解コンデンサを示す模式的断面図。 図1に示す固体電解コンデンサの陽極の表面近傍を拡大して示す模式的断面図。
図1は、本発明に従う一実施形態の固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。
図1に示すように、陽極2には、陽極リード1が埋設されている。陽極2は、弁作用金属または弁作用金属を主成分とする合金からなる粉末を成形し、この成形体を焼結することにより作製されている。従って、陽極2は、多孔質体から形成されている。図1において図示されていないが、この多孔質体には、その内部から外部に連通する微細な孔が多数形成されている。このように作製された陽極2は、本実施形態において、外形が略直方体になるように作製されている。
陽極2を形成する弁作用金属としては、固体電解コンデンサに用いることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウム、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらの中でも、酸化物の誘電率が高く、原料の入手が容易な、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムが特に好ましい。また、弁作用金属を主成分とする合金としては、例えば、タンタルとニオブ等の2種以上からなる弁作用金属同士の合金や、弁作用金属と他の金属との合金が挙げられる。弁作用金属と他の金属との合金を用いる場合には、弁作用金属の割合を50原子%以上とすることが好ましい。
また、陽極としては、弁作用金属の金属箔または合金箔を用いてもよい。陽極の表面積を大きくするため、金属箔または合金箔をエッチングしたもの、これらの箔を巻いたもの、これらの箔を重ねたものを用いてもよい。また、これらの箔と粉末とを焼結し、一体化したものを用いてもよい。
陽極2の表面には、誘電体層3が形成されている。誘電体層3は、陽極2の孔の表面にも形成されている。図1においては、陽極2の外周側に形成された誘電体層3を模式的に示しており、上述の多孔質体の孔の表面に形成された誘電体層は図示していない。誘電体層3は、陽極2の表面をリン酸水溶液等を用いて陽極酸化などで酸化することにより形成することができる。
本実施形態においては、誘電体層3の表面に、高分子膜4が形成される。高分子膜4は、高分子が溶解された有機溶剤を含む溶液を、誘電体層の表面に接触させ、溶液を誘電体層3の表面に付着させた後、有機溶剤を乾燥して除去することにより形成される。有機溶剤を含む溶液を接触させる方法としては、一般に、誘電体層3を形成した陽極2を、溶液中に浸漬させる方法が挙げられる。陽極2を溶液に浸漬させることにより、陽極2の上記孔内にも溶液が浸入し、孔の表面に溶液が付着する。陽極2を溶液から引き上げ、付着した溶液を乾燥させることにより、誘電体層3の表面上に高分子膜4を形成することができる。
本実施形態においては、高分子膜4を形成した後、高分子膜4の上に、導電性高分子層5を形成する。上述のように、高分子膜4を形成する高分子は、導電性高分子層5の仕事関数より0.2eV以上大きい仕事関数を有することが好ましい。このような高分子としては、フルオレン共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルフェノール、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリフェニレン及びその誘導体、フェニレン共重合体、ポリパラフェニレンビニレン及びその誘導体、フェニレンビニレン共重合体、ポリピリジン及びその誘導体、ピリジン共重合体などが挙げられる。
また、アルキル鎖やアルコキシ基などの置換基のついた誘導体であれば、有機溶剤への溶解性を高めることができ、加工性の観点から好ましい。
仕事関数の観点からは、6員環、特に芳香族のベンゼンやピリジンの誘導体を主鎖に有している場合、6員環の電子的な安定性に基づき、仕事関数が大きくなるため、好ましい。フルオレンは、6員環と5員環が縮合した分子構造であるが、縮合環の電子的安定性により、仕事関数が大きくなる。従って、ポリフルオレンに可溶性の置換基がついた高分子や、フルオレンと他のアリール基が共重合した高分子は、有機溶剤への可溶性が高く、かつ5〜6eVの間で適度に大きい仕事関数を有しており、高分子膜4を形成する高分子として適している。
また、ポリパラフェニレンビニレン誘導体や、ポリフェニレンの誘導体及び共重合体などにおいても、有機溶剤への溶解性を高めるための置換基を有しているものは、加工性において良好であり、高分子膜4を形成するのに用いる高分子として適している。
高分子膜4の膜厚は、5nm〜50nmの範囲であることが好ましい。また、高分子膜4を形成する高分子の仕事関数は、上述のように導電性高分子層5の仕事関数より0.2eV以上大きいことが好ましく、さらに好ましくは、0.2eV以上2.0eV以下の範囲で大きいことが好ましい。なお、本発明における仕事関数の値は、絶対値を意味している。従って、仕事関数が大きいとは、仕事関数の絶対値が大きいことを意味している。
本実施形態においては、誘電体層3の表面に、上記溶液を接触させた後、導電性高分子層5を形成する前に、誘電体層3の表面にオゾン水を接触させて、誘電体層3の上をオゾン水で処理する。本実施形態のように、有機溶剤に高分子を溶解させ、高分子を溶解した溶液を接触させることにより、誘電体層3の上に高分子膜4を形成する場合には、高分子膜4の表面をオゾン水で処理する。高分子膜4が形成されていない部分が存在する場合には、誘電体層3の表面がオゾン水で処理される。オゾン水で処理する方法としては、オゾン水中に、陽極2を浸漬する方法が挙げられる。好ましくは、オゾン水の流水中に陽極2を浸漬する。オゾン水のオゾン濃度は、特に限定されるものではないが、0.2ppm〜20ppmの範囲であることが好ましい。また、オゾン水中に浸漬するオゾン水による洗浄時間は、特に限定されるものではないが、例えば、1分〜240分の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは5分〜120分の範囲である。
オゾン水は、市販のオゾン水発生装置を用いて入手することができる。
本実施形態においては、高分子が溶解された有機溶剤を含む溶液を用いているので、誘電体層3の上に高分子膜4が形成されているが、有機溶剤のみからなる溶液を用い、誘電体層3の表面を洗浄する場合には、誘電体層3の上に、導電性高分子層5が直接形成される。
導電性高分子層5は、気相化学重合や電解酸化重合などの従来より公知の方法を用いて形成することができる。導電性高分子層5は、導電性高分子のモノマーを溶解した水溶液中で形成される場合が多い。本発明においては、上記のように、有機溶剤を含む溶液を接触させた後、オゾン水で処理しているため、導電性高分子層5が形成される下地層はオゾン水で処理されており、導電性高分子層5との密着性を高めることができる。
導電性高分子層5は、例えば、従来より固体電解コンデンサの導電性高分子層を形成する材料として用いられているものを用いることができる。このようなものとして、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンなどが挙げられ、これらにドーパントをドープしたものが好ましく用いられる。6員環のヘテロ環を有する分子を重合させた高分子は、電子供与性が高く、導電性高分子の中でも、仕事関数は小さい。これらの材料に、ドーパントを添加することにより、例えば、0.1〜1000S/cm程度の高い導電率を実現することができる。コンデンサのESRを小さくするためには、より高い導電率を有する材料を用いることが好ましい。
導電性高分子層5は、複数の層を積層した構造であってもよい。例えば、高分子膜4または誘電体層3の上に、化学重合により第1の導電性高分子層を形成し、この第1の導電性高分子層を電極として、第1の導電性高分子層の上に電解重合により第2の導電性高分子層を形成してもよい。導電性高分子層5は、陽極2の内部の孔の表面上にも形成されていることが好ましい。
陽極2の外周部の導電性高分子層5の上には、カーボン層6aが形成され、カーボン層6aの上には、銀層6bが形成されている。カーボン層6aは、カーボンペーストを塗布することにより形成することができる。銀層6bは、銀ペーストを塗布することにより形成することができる。カーボン層6aと銀層6bから陰極層6が構成されている。
銀層6bの上には、導電性接着剤層7を介して陰極端子9が接続されている。また、陽極リード1には、陽極端子8が接続されている。陽極端子8及び陰極端子9の端部が外部に引き出されるようにモールド樹脂外装体10が形成されている。
以上のようにして、本実施形態の固体電解コンデンサが形成されている。
図2は、図1に示す固体電解コンデンサの陽極2の表面近傍を拡大して示す模式的断面図である。
図2に示すように、陽極2は、多孔質体であり、その内部に微細な孔が形成されている。陽極2の表面には、誘電体層3が形成されており、誘電体層3の上に、高分子膜4が形成されている。
上述のように、高分子膜4は、導電性高分子層5の仕事関数より0.2eV以上大きい仕事関数を有している。これにより、漏れ電流をさらに小さくすることができる。漏れ電流をさらに小さくすることができる理由について、詳細は明らかでないが、以下のように推測される。
陽極2と陰極層6の間に一定の電圧を印加した場合、誘電体層3が完全な絶縁体であれば、電流は一切流れない。しかしながら、実際には、少量の電流(漏れ電流)が流れる。漏れ電流が発生する原因については、従来より種々説明されており、誘電体層中を流れる漏れ電流と、誘電体層の外をバイパスにして流れる漏れ電流が知られている。さらに細かく分類すれば、誘電体層内の不純物準位を流れるもの、誘電体層をトンネル電流的に流れるもの、誘電体層の欠陥部分を流れるもの、誘電体層の外側のパスを流れるものなどが考えられる。
誘電体層の膜厚が薄い場合、漏れ電流は流れやすくなる。特に、誘電体層を突き抜けて流れる電流は、誘電体層の膜厚が薄ければ大きくなる。導電性高分子層と誘電体層の間には、ショットキー障壁と呼ばれるエネルギー的な障壁があり、電子はこの障壁を簡単には超えることはできない。しかしながら、膜厚が薄く、かつ電圧が印加されている状態では、エネルギーバンドが曲がり、導電性高分子層から陽極側へ電子が突き抜けて流れる確率が高くなる。実際には、不純物準位や欠陥の影響も大きいと思われるが、同様の原理で概ね説明することができる。
誘電体層の厚みを単純に厚くすることで、漏れ電流は低減することができる。しかしながら、誘電体層の厚みを薄くすると、容量を高めることができない。本発明においては、誘電体層3と導電性高分子層5の間に、仕事関数の大きな高分子膜4を挿入している。高分子膜4を挿入することにより、誘電体層と導電性高分子層の間におけるショットキー障壁を大きくすることができ、これにより電子が陽極側に流れるのを抑制することができる。
本発明によれば、誘電体層3の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させた後、オゾン水で誘電体層3の上を処理している。本実施形態では、有機溶剤を含む溶液に高分子を溶解させているので、高分子膜4を形成した後、誘電体層3及び高分子膜4の上をオゾン水で処理している。これにより、その上に形成する導電性高分子層5を良好な密着性で形成することができる。密着性を高めることができる理由について、詳細は明らかでないが、有機溶剤を含む溶液で処理することにより、親油性となった表面を、オゾン水での処理により、親水性にすることができるため、導電性高分子層5を密着性良く形成することができるものと思われる。
本発明によれば、導電性高分子層5を下地層に対して、密着性良く形成することができるので、静電容量を高めることができ、漏れ電流を小さくすることができる。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において記載する仕事関数は、仕事関数の絶対値を示している。
<実施例1>:固体電解コンデンサA〜Mの作製
(ステップ1)
弁作用金属の粉末として、タンタル金属粉末(平均粒子径約0.5μm)を用い、タンタルからなる陽極リードを内部に埋め込むようにして成形し、真空中において1400℃程度で焼結して、陽極としてのタンタル焼結体素子を作製した。
タンタル焼結体素子を、60℃に保持した濃度0.1質量%のリン酸水溶液中で、10Vの定電圧を6時間印加して、焼結体素子の表面を陽極酸化し、誘電体層を形成した。
次に、陽極をイオン交換水中に15分間浸漬することにより、イオン交換水で洗浄した。その後、65℃に保持した乾燥機中に陽極を入れ、60分間乾燥した。
(ステップ2)
次に、表1に示す有機溶剤からなる溶液中に陽極を30分間浸漬することにより、有機溶剤による洗浄を行った(固体電解コンデンサA〜M)。
その後、有機溶剤を含む溶液から陽極を取り出し、室温にて有機溶剤を除去し乾燥させた。
(ステップ3)
オゾン水を、オゾン水発生装置(ED−OW−8、エコデザイン社製)を用いて生成させ、このオゾン水の流水中に陽極を、表1に示す時間浸漬することにより、オゾン水による洗浄を行った。なお、オゾン水は、表1に示す濃度のものをそれぞれ用いた。
その後、65℃に保持した乾燥機中で陽極を60分間乾燥させた。
(ステップ4)
次に、上記のようにしてオゾン処理した後の陽極に対して、気相化学重合法及び電解重合法により、導電性高分子層としてのポリピロール層を形成した。従って、誘電体層の上に、導電性高分子層を形成した。
導電性高分子層を形成した後の陽極の外周部の上に、カーボンペースト及び銀ペーストを順次塗布し、陰極層を形成して、コンデンサ素子を作製した。
(ステップ5)
リードフレーム端子にコンデンサ素子を載せた後、コンデンサの陽極リード及び陰極層をそれぞれフレーム端子と接着した。
(ステップ6)
次に、エポキシ系のモールド樹脂でコンデンサ素子及びリードフレームをモールドし、固体電解コンデンサA〜Mを作製した。
<実施例2>:固体電解コンデンサNの作製
実施例1のステップ2において、有機溶剤を含む溶液として、フルオレン共重合体を1
質量%含有したトルエン溶液を用い、この溶液中に陽極を30分間浸漬させた後、取り出し乾燥させて、誘電体層の上にフルオレン共重合体からなる高分子膜を形成する以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサNを作製した。
光電子分光装置を用いて、フルオレン共重合体の仕事関数を測定した結果、約5.5eVであった。また、導電性高分子層を形成するポリピロールの仕事関数は、約5.0eVであった。従って、フルオレン共重合体の仕事関数は、導電性高分子層の仕事関数より約0.5eV大きいことが確認された。
また、濃度と素子の空隙率から算出したフルオレン共重合体の膜の厚みは、5nmであった。
<比較例1>:固体電解コンデンサO〜Qの作製
実施例1において、ステップ3のオゾン水による洗浄を行わなかった以外は、同様にして、固体電解コンデンサO(有機溶剤:トルエン)、P(有機溶剤:イソプロピルアルコール)、及びQ(有機溶剤:アセトン)を作製した。
<比較例2>:固体電解コンデンサRの作製
実施例2において、ステップ3のオゾン水による洗浄を行わなかった以外は、実施例2と同様にして固体電解コンデンサRを作製した。
<比較例3>:固体電解コンデンサSの作製
実施例2のステップ3において、オゾン水による洗浄に代えて、オゾンガスによる処理を行った。
具体的には、容量が約30リットルの容器内に、ステップ2の後の陽極をセットし、オゾンガス発生装置(「REX MC オゾナイザー985」、レッキス工業社製)を用いて、約0.14mg/リットルのオゾンガスを容器内に充満させて、30分間陽極をオゾンガス内に放置し、オゾンガスによる処理を行った。それ以外は、実施例2と同様にして、固体電解コンデンサSを作製した。
〔固体電解コンデンサの評価〕
上記のようにして作製した各固体電解コンデンサの静電容量及び漏れ電流を測定した。
静電容量は、LCRメータを用い、周波数120Hzで測定した。また、漏れ電流は、3Vの直流電圧を印加し、60秒後の電流を測定して求めた。
測定結果を表1に併せて示す。なお、表1に示す静電容量及び漏れ電流の値は、比較例1の固体電解コンデンサOの静電容量及び漏れ電流の値を100として示した指数である。
Figure 2011233655
表1に示すように、本発明に従い、有機溶剤を含む溶液で処理した後、オゾン水で処理することにより、静電容量を高め、漏れ電流をさらに小さくできることがわかる。また、固体電解コンデンサB〜Jと、固体電解コンデンサA及びKとの比較から、オゾン水のオゾン濃度は0.2ppm〜20ppmの範囲が特に好ましいことがわかる。オゾン水のオゾン濃度が、20ppmより高くなると、オゾンによる誘電体層中の欠陥の生成量が多くなり、密着性の改善による漏れ電流低減の効果を、欠陥発生による漏れ電流の増加が上回るため、漏れ電流低減の効果が小さくなると考えられる。
また、固体電解コンデンサE、L及びMと、固体電解コンデンサO、P及びQとの比較から、トルエン、イソプロピルアルコール、及びアセトンのいずれの有機溶剤であっても、本発明の効果が得られることがわかる。
固体電解コンデンサEとNとの比較から、導電性高分子層の仕事関数より0.2eV以上大きい仕事関数を有する高分子膜を、誘電体層と導電性高分子層の間に設けることにより、漏れ電流をさらに小さくできることがわかる。
また、固体電解コンデンサNとRとの比較から、誘電体層と導電性高分子層の間に高分子膜を形成する場合において、高分子膜を形成した後、高分子膜の表面をオゾン水で処理することにより、静電容量を大きくすることができ、漏れ電流を小さくできることがわかる。
また、固体電解コンデンサNとR及びSとの比較から、本発明の効果は、オゾンガスによる処理では得られないことがわかる。
上記の実施例においては、有機溶剤として、トルエン、イソプロピルアルコール、及びアセトンを用いたが、本発明は、これらの有機溶剤に限定されるものではなく、その他の有機溶剤を用いた場合にも、本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施例においては、フルオレン共重合体を高分子として用いたが、本発明は、フルオレン共重合体に限定されるものではなく、その他の高分子を有機溶剤に溶解して溶液とすることができる。
1…陽極リード
2…陽極
3…誘電体層
4…高分子膜
5…導電性高分子層
6a…カーボン層
6b…銀層
6…陰極層
7…導電性接着剤層
8…陽極端子
9…陰極端子
10…モールド樹脂外装体

Claims (4)

  1. 陽極の表面に誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の表面に有機溶剤を含む溶液を接触させる工程と、
    前記溶液を接触させた後、前記誘電体層の表面にオゾン水を接触させる工程と、
    前記オゾン水を接触させた後、前記誘電体層の上に導電性高分子層を形成する工程とを備えることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 前記溶液に高分子が溶解されており、前記溶液を接触させることにより、前記誘電体層の前記表面上に前記高分子の膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記高分子が、前記導電性高分子層の仕事関数より0.2eV以上大きい仕事関数を有することを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記オゾン水のオゾン濃度が、0.2ppm〜20ppmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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