JP2018073439A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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彰 渡部
智樹 梅津
Tomoki Umezu
智樹 梅津
剛 鬼塚
Tsuyoshi Onizuka
剛 鬼塚
兵藤 浩之
Hiroyuki Hyodo
浩之 兵藤
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Abstract

【課題】 スクラッチ耐性の良好な磁気記録媒体を得る。【解決手段】 実施形態にかかる基板と、積層膜とを含み、基板の曲げ弾性率Esubは、積層膜の膜厚をh、積層膜の押し込み弾性率をEfilmとするとき、下記式(1)で表される関係を満たす。Esub≦(200*Efilm)/(6*h)…(1)【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体と磁気ヘッド等の接触により媒体上に発生する浅いスクラッチ耐性の向上には、磁気記録媒体を構成する各層のヤング率や降伏応力といった機械的特性を調整する方法が一般的である。
従来より、スクラッチ耐性を向上するため、軟磁性材料のヤング率を垂直磁気記録層と同等以上にしながら、降伏応力を垂直磁気記録層以下にする技術が開示されている。ここでは、軟磁性層を先に降伏させることにより、垂直磁気記録層の塑性変形を防ぐことができるとしている。しかしながら、磁気記録層にかかる応力場が磁気記録層の降伏応力以上である場合、軟磁性層の降伏の有無によらず、磁気記録層の塑性変形は生じてしまう。また、高密度化に伴う磁気記録層の磁性粒子の微細化に伴い、磁気記録層の降伏応力は減少するため、より小さな応力でも磁気記録層の塑性変形は生じてしまう。
そこで、磁気記録層内部に変形層を挿入することで磁気記録層の塑性変形を改善する技術がある。変形層の挿入により、降伏応力以上の荷重が磁気記録層にかかる場合において
も、変形層が塑性変形するため、磁気記録層の変形量を小さくできる技術である。しかしながら、変形層は磁気記録層の中間に挿入しているため、静磁気特性に大きな影響を与え記録密度容量の悪化を引き起こすリスクが懸念されている。
このようなことから、磁気記録特性を損なうことなく、磁気記録層にかかる応力を低減し、スクラッチ耐性を改善した磁気記録媒体が望まれる。
特開2009−70444号公報 特開2009−134800号公報
本発明の実施形態は、スクラッチ耐性の良好な磁気記録媒体を得ることを目的とする。
実施形態によれば、
基板と、
該基板上に設けられた、磁気記録層を含む積層膜とを含み、
前記基板の押し込み弾性率Esub(GPa)は、前記積層膜の膜厚をh(nm)、積層膜の押し込み弾性率をEfilm(GPa)とするとき、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする磁気記録媒体が提供される。
sub≦(200*Efilm)/(6*h)…(1)
実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の構成を表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の構成を表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の構成を表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の一例の構成を表す断面図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の駆動時間とエラー率との関係を表すグラフ図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の膜厚と信号減衰率との関係を表すグラフ図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の膜厚に対する信号減衰率の傾きaと基板の弾性率との関係を表すグラフ図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の長期信頼性試験と信号測定の結果を表すグラフ図である。 実施形態にかかる磁気記録媒体の曲げ弾性率に対する長期信頼性試験のNRROの結果を表すグラフ図である。 曲げ弾性率に対する長期信頼性試験のエラー率の結果表すグラフ図である。
実施形態にかかる磁気記録媒体は、
基板と、
該基板上に設けられた、磁気記録層を含む積層膜とを含み、
前記基板の押し込み弾性率Esub(GPa)は、前記積層膜の膜厚をh(nm)、積層膜の押し込み弾性率をEfilm(GPa)とするとき、下記式(1)で表される関係を満たす。
sub≦(200*Efilm)/(6*h)…(1)
実施形態にかかる磁気記録媒体によれば、上記式(1)に示すように、基板上に積層する積層膜の押し込み弾性率および積層膜の膜厚で表される値に対し、その値以下の押し込み弾性率を有する基板を使用することにより、基板と磁気記録ヘッドの接触で生じる応力場を基板へ逃がすことができる。これにより、傷耐性の高い磁気記録媒体を提供することができる。
また、実施形態によれば、基板のみの変更のため、記録密度の増加に必要な各積層膜の特性を損なうことなく、磁気記録媒体の傷耐性を向上することが可能である。
上記式(1)に使用される押し込み弾性率は、以下のようにして測定することができる。
≪押し込み弾性率の測定方法≫
押し込み弾性率の評価には、ナノインデンテーション法を用いて測定を行った。本測定は、Hysitron Inc.製のTribo Indenterを用い、バーコビッチ圧子を用いて、単一押し込み測定により評価した。評価試料はアルミ基板上に約40nmの膜厚単層膜をスパッタリング法により成膜したものを用いた。弾性率の評価は、下記の式(2)に示すHertzの接触理論から求めた。
Figure 2018073439
ここで、Pは押し込み荷重(N)、Rは球形圧子の半径(m)、dは押し込み深さ(mm)、Erは複合弾性率(MPa)である。なお、Erは試料の弾性率Es(MPa)とダイアモンド圧子の弾性率E(MPa)および、試料のポアソン比vおよびダイアモンド圧子のポアソン比vを用い、下記式(3)であらわされる。
Figure 2018073439
≪曲げ試験≫
基板の弾性率として、上記インデンテーションで測定される押し込み弾性率のほか、曲げ試験で評価される曲げ弾性率がある。曲げ弾性率の評価には、インストロン社製 5566型の装置を使用することができる。曲げ弾性率はJIS K7074、ASTM D790に倣い測定を行った。具体的には、曲げ荷重−たわみ曲線の直線部の初期勾配より曲げ弾性率を算出する方法であり、曲げ弾性率Eb(MPa)は下記算出式(4)で与えられる。
Figure 2018073439
ここで、Lは支点間距離(mm)、bは試験片幅(mm)、hは試験片厚さ(mm)、Pは荷重(N)、δはストローク(mm)である。
≪磁気記録媒体≫
図1に、実施形態にかかる磁気記録媒体の構成を表す断面図を示す。
図示するように、磁気記録媒体10は、基板1と、基板1上に設けられた積層体8とを含み、積層体8は、下地層2及び下地層2上に設けられた磁気記録層3を有する。
次に、磁気記録媒体の各層に適した材料について説明する。
基板として、ガラス基板またはアルミニウム合金基板等の非磁性基板を用いることができる。実施形態に使用されるアルミニウム合金基板は、アルミニウム板とアルミニウム板上に形成された合金層を含む。合金層はめっき法もしくはスパッタリング法を用いて形成することができる。めっき法の場合、例えば次亜リン酸水溶液に、鉄、ニッケル、コバルト、及びパラジウムなどの鉄族元素、及び白金族元素の金属から選択される少なくとも1種の金属を含浸し、金属の表面を触媒として金属層を析出させることにより、めっきを行うことができる。合金層は、基板上に形成された第1のめっき層、及び第1のめっき層上に形成された第2のめっき層を含む多層構造を有することができる。多層構造のめっき層の合計の膜厚は100nm以上にすることが可能である。
スパッタリング法の場合、例えば、アルミニウムを主成分とする膜を合金層として使用することができる。アルミニウム層は結晶性を有しており、表面粗さが大きくなる傾向がある。表面粗さを抑制する方法としては、基板にバイアスを印加し、プラズマで基板表面をエッチングする逆スパッタリング方式のほか、SiやTiなどを10at%程度添加する方法がある。スパッタリング法により形成する表面層の押し込み弾性率は、成膜時の圧力、基板温度などで制御することが可能である。成膜圧力を高くすると、成膜された膜の密度が下がり、押し込み弾性率を小さくすることができる。また、基板温度を低くすると、成膜された粒子の運動エネルギーが小さくなるため、弾性率を低くすることが可能である。
スパッタリング法で形成する膜の膜厚は、20nm以上にすることが可能である。膜厚を厚くするほど、基板表面の押し込み弾性率を制御することが可能であるが、表面粗さが大きくなる傾向がある。
図2に、実施形態にかかる磁気記録媒体の他の構成を表す断面図を示す。
図示するように、磁気記録媒体20は、基板1の代わりに、基板1と基板1上に設けられた第1の合金層4とを含む合金基板9が設けられること以外は図1と同様である。
図3に、実施形態にかかる磁気記録媒体のさらに他の構成を表す図を示す。
図示するように、磁気記録媒体30は、基板1の代わりに、基板1と、基板1上に設けられた第1の合金層4、及び第1の合金層4の上に設けられた第2の合金層5を含む多層構造の合金層11とを備えた合金基板9’が設けられること以外は図1と同様である。
合金層の作製としては、めっき法のほか、スパッタリング法で作製することができる。めっき法の場合、めっきに使用する金属としては例えばニッケル合金を用いることができる。ニッケルとリンの比率により弾性率を制御することができる。一般的な比率はニッケルが88%〜99%程度、Pが1%から12%程度であり、リンの比率が高くなるほど弾性率が低くなる。スパッタリング法で使用する金属としては、例えばアルミ合金を用いることができる。成膜時の圧力、スパッタ速度、基板温度により制御することが可能である。
基板は、65GPa以上の曲げ弾性率を有することができる。基板の曲げ弾性率が65GPa未満であると、合金層で機械特性を改善することができなくなる傾向があり、回転に同期しない振動成分(NRR)値が大きくなる傾向がある。基板の曲げ弾性率は高いほどよいが、一般的に曲げ弾性率の高い材料は質量が大きくなり、自重が大きくなるため、落下試験におけるエラー率が増加する傾向がある。ただし、ガラスのように、非晶質で曲げ弾性率が80GPa以上でありながら質量が小さい材料は、使用することが可能である。
母材と第1の合金層との積層は、75GPa以上の曲げ弾性率を有することができる。曲げ弾性率が75GPa未満であると、80Gの外力下でのたわみ量が大きくなり、ヘッドが非動作時に待機するために設けているRamp部に接触する確率が増加する傾向がある。ほか、回転に同期しない振動(NRRO)の増加が大きくなり、トラック密度方向の容量が小さくなる傾向がある。
母材と第一の合金層との積層の押し込み弾性率は、数式(1)を満たす条件で小さくすることができる。押し込み弾性率が上記式を満たさない場合、長期信頼性試験において表面に発生するキズによるエラーが大きくなる傾向がある。
図4に、実施形態にかかる磁気記録媒体のさらに他の構成を表す図を示す。
図示するように、磁気記録媒体40は、図3と同様の合金基板9’、及び合金基板9’上に設けられた磁気記録層3を含む積層体8’を含む。
積層体8’は、合金基板9’上に設けられた軟磁性下地層6、軟磁性下地層6上に設けられた下地層2、下地層2上に設けられた中間層7,及び中間層7上に設けられた磁気記録層3を含む。
図示するように、軟磁性下地層(SUL)6は、例えば合金基板9’等の基板上に設けることができる。軟磁性下地層としては、Fe、Ni、Co、及びTaから選択される少なくとも1種の主成分と、Zr、BおよびSiから選択される添加成分とを含む非晶質合金を用いることができる。例えば、FeCoの組成比を65:35にすると、最も大きな飽和磁束密度を得ることができる。
軟磁性下地層6上には、結晶配向性を向上させる下地層(UL)2を設けることができる。結晶配向性を向上させる下地層としては、Cr、Ti、Ni、Ta、及びWから選択される少なくとも2種類以上の金属を含む合金を用いることができる。
下地層2上には、中間層(IL)7を設けることができる。中間層としては、Ru合金を用いることができる。Ru合金には、面内方向の格子のマッチングを考慮し、Crなどを添加することができる。
中間層7の上には、磁気記録層(Mag)を設けることができる。磁気記録層としては、例えば、CoPtを主成分とする連続膜およびグラニュラー膜を用いることができる。
その他、磁気記録層として、FeやTbを主成分とするグラニュラー膜を使用することができる。静磁気特性を改善する目的として、CrやPt、Co、Ta、Cu、B、Ndといった添加元素を加えることができる。また、グラニュラー膜型記録層の非磁性粒界領域材料としては、Si、Cr、Ti等の酸化物を用いることができる。これらの参加粒は、上述のCoPt合金とほとんど固溶しないため、磁性結晶粒子間の結晶粒界に石室しやすく、グラニュラー構造を比較的容易に得ることができる。結晶粒界を形成する材料は、結晶質であっても、非晶質であっても、何も充填しない空隙であっても構わない。
磁気記録層上には、図示しないキャップ層を設けることができる。キャップ層には例えばCoPtを主成分とする連続膜を用いることができる。
キャップ層上には、図示しない保護層を設けることができる。保護層には、例えばCVD(化学気相堆積)により生成したDLC(Diamond Like Carbon)を使用することができる。また、DLC表面上には図示しない潤滑層を設けることができる。
実施形態に用いられる磁気記録媒体の各種試験方法を、以下に説明する。
≪Pre−write≫
まず、得られた媒体に対し、200kFCIの信号を記録する。Writeヘッドとして、例えばWrite幅が約80μmの欠陥検査(サーティファイヤー)用のヘッドを用い、トラック幅が60μmになるように重ね書きする。
≪スクラッチ試験≫
次に、媒体の傷耐性を評価するスクラッチ試験について説明する。
上述のようにPre−writeされた媒体に対し、Hysitron社のTribo Indenter TI950を用いてスクラッチ試験を行う。
使用した圧子は、曲率半径1.5μmの球形圧子を使用である。スクラッチの条件は一定荷重で一定距離をスクラッチする荷重制御モードを使用し、設定荷重を500μN、移動距離を10μmとする。スクラッチの間隔を2μmとし、合計5本のスクラッチを行なう。
その後、磁気力顕微鏡(MFM)でスクラッチ部のPre−write信号の減衰量を測定し、媒体の傷耐性を評価する。スクラッチ部では、押し込み時の塑性変形により凹みが形成されているのと同時に、磁気記録層の結晶が崩れ、結晶磁気異方性が減少することによる信号減衰を確認できる。信号の減衰量はスクラッチの有無による信号強度の二乗平均平方根(RMS値)の比で表す。スクラッチ試験で評価した媒体をドライブに組み込み、1000時間の長期信頼性試験を行った結果、長期信頼性試験でのNG率とRMS値で評価した信号の減衰量との間には相関があることが分かっている。ただし、RMS値で評価する信号の減衰量は、Pre−writeのパターン密度により変化する値である。一般に、Pre−writeの記録密度が低いパターンでは、反磁界が強く、スクラッチ部分の信号減衰量が大きくなる傾向があり、一方、記録密度が高い場合には、反磁界が小さくなるため、スクラッチ部分の信号減衰量は小さくなる傾向がある。評価で用いたトラック幅60μm、200kFCIの記録密度においては、RMS値で評価した信号の減衰率が20%を超える場合、後述するように、1000時間の長期信頼性試験においてNG率が1%を超える。
≪長期信頼性試験≫
障害の発生予測を行うために、1000台以上の装置を1000時間動作させた時のエラー率を評価する試験を実施する。この試験を長期信頼性試験と呼ぶ。長期信頼性試験は、下記に上げる動作を繰り返し行う。
・表面スキャンテスト
表面スキャンテストでは、磁気ヘッドの再生検査と媒体の保磁力検査、再外周から再内周に向けて順次移動するときの位置決め障害の有無を検査する。
・ランダムシークテスト
ランダムシークテストでは、不規則移動を3000回行い、位置決め障害の有無を検査する。乱数によって指定された位置への移動とデータ読み出し動作検査を行う。
・ファネルシークテスト
ファネルシークテストでは、再外周から再内周トラックまでの最大移動距離を繰り返し2000回させながら、位置決め障害の有無を検査する。再外周でのデータ読み出しを行った後、再内周のデータ読み出し検査を実施する。ヘッドの揺れが最大時の動作検査を行う。
・ロード、アンロードテスト
ロード、アンロードテストでは、磁気ヘッドを媒体へロードアンロードさせるときに発生する位置決め障害、再生信号出力障害の有無を検査する。
これらの試験を繰り返し行い、1000時間での障害発生率を検査する。障害発生率が1%を超える場合、品質上問題があると考えられる。
≪NRRO(Non−Repeatable Run−Out)評価≫
ハードディスクドライブ(HDD)のトラック密度の向上において、ヘッドの位置決め精度は極めて重要な役割を担う。ヘッドの位置決め精度は、サーボ技術によるところが大きいが、機構部品に関しては、スピンドルモータや媒体の振動による影響がきわめて大きい。一般的に振動とは、RRO(Repeatable Run Out)とNRRO(Non−Repeatable Run Out)の二つに分けられる。前者が回転に同期する成分、後者が回転に同期しない成分であり、媒体の剛性等により発生する振動は後者に属する。
NRROとして、スピンドルに取り付けたメディアに対し、定常回転時の振動を非接触センサで測定することができる。この時、NRROにはメディア起因のNRRO成分とスピンドルモータ起因のNRRO成分が存在する。同一条件で作製された複数枚のメディアに対し、同じスピンドルモータを使用してNRROを測定することにより、スピンドルモータ起因のNRRO成分を除いて評価している。
実施例1 (積層膜の膜厚と基板弾性率の関係)
実施例1では、スクラッチ試験における基板の弾性率の影響度および、スクラッチ試験を施す試料表面から基板までの距離(膜厚)のスクラッチ試験への影響度の調査を行なう。
基板として、2.5インチのアルミ基板を用いた。ここで、アルミ基板とは、母材のアルミ板の表面にめっきにより形成されたNiP層を有しているものをいう。以後、そのめっき層をNiPめっき層と表現し、NiPめっき層を有したアルミ基板を、単に基板とする。NiPめっき層の弾性率はめっき液のNiおよびPの濃度、めっき中の温度等により制御することが可能である。基板の弾性率と媒体の傷耐性を確認するため、基板の押し込み弾性率を基板(1):70GPa、基板(2):100GPa、基板(3)134GPaとなるように調整を行った。押し込み弾性率の調整は、NiPめっきのNi濃度およびNiPめっき層の膜厚で調整を行った。基板(1)は、Ni:Pの濃度を88:12としたうえで、膜厚を50nmとした。基板(2)は、Ni:Pの濃度を92:8とし、膜厚を10μmとした。基板(3)は、Ni:Pの濃度比を98:2とし、膜厚を10μmとした。また、基板(2)と基板(3)は400℃で1時間の熱処理を実施した。
その後、得られた基板上に磁気記録層の形成を行った。
まず、押し込み弾性率の異なる各基板上に、後述する記録層に垂直方向の強い磁界を印加するために形成されたFeCoTaの合金からなる軟磁性下地層(SUL)を成膜した。SUL層の表面の押し込み弾性率は120GPaであった。軟磁性下地層上に結晶配向性を向上させるためさらにNiW下地層(UL)を成膜した。NiW層の押し込み弾性率は135GPaであった。その下地層上に記録層の磁化の方向を記録媒体表面に対して垂直向きに制御するためRuからなる中間層(IL)を積層した。IL層の押し込み弾性率は145GPaであった。
その後、中間層上に磁気記録層(Mag層)としてCo80Pt20−SiOを積層し、記録層上に記録層の磁化反転を補助するために酸化物を有さないCoPt合金層をキャップ層として形成した。Mag層の押し込み弾性率は136GPaであった。最後に、CVD(化学気相堆積)により保護膜(図示せず)を形成し、潤滑剤を塗布することで実施形態に係る磁気記録媒体が得られた。磁気記録媒体を構成する積層の各層の膜厚を、下記表1に示す。表1の通り、膜厚の異なる試料を作製した。傷耐性の評価をするため、Mag層の膜厚は一定とし、キャップ層を成膜した後の静磁気特性に変化が生じないように作製した。各層の膜厚は、積層膜の膜厚が40nm、60nm、80nmとなるように調整をしている。なお、この調整において、磁気光学Kerr効果で測定される静磁気特性には大きな変化がないことが分かった。積層膜の各層の膜厚を下記表1にまとめる。
Figure 2018073439
今回作製した積層膜の押し込み弾性率をHysitron Inc.製のTribo Indenter(TI950)を用い測定した。バーコビッチ圧子を使用し、押し込み深さを20nmとし、Hertz理論を用いて膜の複合弾性率を測定した。その結果、各試料の複合弾性率Efilmはすべて136GPaであることが分かった。
今回作製した積層膜の長期信頼性試験を行った。
その結果として、駆動時間(時間)とエラー率(%)との関係を表すグラフを下記図5に示す。
図中、101は、膜厚40nmの基板(1)の場合、102は、膜厚80nmの基板(1)の場合、103は、膜厚40nmの基板(2)の場合、104は、膜厚80nmの基板(2)の場合、105は、膜厚40nmの基板(3)の場合、及び106は、膜厚80nmの基板(3)の場合を各々示す。
長期信頼性試験のエラー率が1%を超えるサンプルは、歩留まりが低く、出荷することができない。実施例1の試験結果では、膜厚80nmの基板(1)の場合、膜厚80nmの基板(2)の場合でエラー率が1%を超えていることがわかる。
続いて、曲率半径1.5μmの球形圧子を用い、各媒体のスクラッチ試験を行った。
荷重を500μNとし、スクラッチを行ったところ、深さ1.3nm程度のスクラッチ痕が形成され、スクラッチ部で信号強度の減衰を確認することができた。RMS値の比率で算出した信号減衰率の結果を下記表2に示す。
Figure 2018073439
表2に基づいて、膜厚と信号減衰率との関係を表すグラフを図6に示す。
図中、201は基板(1)の場合、202は基板(2)の場合、及び203は基板(3)の場合を各々示す。
信号減衰率の百分率を比率に換算して、各グラフの一次関数方程式を求めると、グラフ201は、y=0.003x−0.0867、グラフ202は、0.043x−0.818,グラフ203は、y=0.006x−0.007となる。
信号の減衰率(ζ)は、積層する膜厚(h)に正の相関があり、下記式(A)であらわされる。
Figure 2018073439
ここで、aは、図6における信号減衰率の傾き(比例定数)である。グラフ201,202,203の傾きaは各々、0.003,0.043,0.06である。
そこで、膜厚に対する信号減衰率の傾きaと基板の弾性率(GPa)との関係を表すグラフを図7に示す。
グラフ301に示すように、信号減衰率の傾きaは基板の弾性率を小さくするほど小さくなることがわかる。
図中、横軸にEsubとEtotalとの比をとり、縦軸には傾きを記した。
この結果、信号減衰率の傾きaと基板の弾性率との間には下記関係式(B)が成り立つことが分かった。
Figure 2018073439
膜厚に対する信号減衰率の傾きは、EsubとEfilmの比に正の相関を持ち、基板の弾性率Esubの値が小さいほど、膜厚に対する信号減衰量の傾きが小さくなり、傷耐性に強い媒体となることが分かった。
式(A)と(B)の結果から、信号減衰率Rは下記関係式(C)であらわされる。
Figure 2018073439
長期信頼性試験の結果、基板(1)と膜厚80の組み合わせ、基板(2)と膜厚80の組み合わせでエラー率が1%を超えていたため、それらのサンプルは傷耐性がないと考えられる。
また、図8に長期信頼性試験の結果を表すグラフを示す。
グラフ401は、長期信頼性試験におけるエラー率と信号減衰率との関係を表すグラフを示す。グラフ401より、長期信頼性試験のエラー率が1%を達成するためには、スクラッチ試験における信号減衰率が20%以下であればよいことがわかる。
上記関係式(C)に対し、ζ≦20%の制限を加えると、下記式(D)
Figure 2018073439
となり、基板の弾性率Esubは下記関係式(E)を満たす必要があることがわかる。
Figure 2018073439
実施例2
ハードディスクドライブの基板として用いるためには、回転中に周期性のない振動NRROを小さくする必要がある。NRROは曲げ弾性と相関があることが分かっており、曲げ弾性率として少なくとも75GPa以上である必要がある。一方、実施例1で示した通り、長期信頼性試験のエラー率を低減させるためには、基板の押し込み弾性率を低くする必要がある。
この実施例では、上記課題を鑑み、基板(1)を達成させる具体的な方法として、曲げ弾性率を78GPa、押し込み弾性率を70GPaとする方法について説明する。
まず、使用する基板の母材には、1.25mmのアルミ板を使用する。アルミ板の弾性率は、曲げ弾性率70.3GPa、押し込み弾性率69.7GPaである。そのアルミ板上に曲げ弾性率を向上させるため、NiP層を形成する。NiP層の形成には、奥野製薬工業のトップニコロンBLを使用した無電解めっき法を用いる。
温度を80℃、pHを12に調整したトップニコロンBLを含む浴槽内にアルミ板を浸漬させ、膜厚18μmのめっき層を形成した。形成されためっき層のP濃度は約2%であることが分かった。NiPめっき層が形成された基板の弾性率を測定したところ、曲げ弾性率が72.6GPa、押し込み弾性率が114GPaとなった。
その後、NiPめっき層が形成された基板を600℃で1時間熱処理を施したところ、基板の弾性率は、曲げ弾性率が78.8GPa、押し込み弾性率が148GPaとなった。
続いて、トップニコロンBLを含む浴槽の温度を80℃、pHを8.0に制御した後、熱処理後の基板を浸漬し、再度NiPめっきを施して、2μmのNiPめっき層を形成した。得られた基板の弾性率は、曲げ弾性率が78.3GPa、押し込み弾性率が68GPaとなり、75GPa以上の曲げ弾性率を維持しつつ、押し込み弾性率を低減させることに成功した。形成された表面めっき層のP濃度は約12%である。
また、600℃での再熱処理をさらに施すことで、曲げ弾性率を77GPa、押し込み弾性率を98GPaにすることが可能である。
再熱処理をしない押し込み弾性率が68GPaの基板に対し、実施例1の表1に示す膜厚80の条件を適用し、磁気記録媒体の作製を行った。得られた媒体に対しスクラッチ試験を行った結果、MFM測定による信号減衰率は14%であることが分かった。また、5400rpmにおけるNRROは約0.25nmであることが分かった。
得られた結果を下記表3に示す。
実施例3
実施例3として、基板(1)を実施例2の条件以外で作製した例を以下に示す。
比較例1では、曲げ弾性率の下限値である75GPa以下で作製した結果を示す。
基板には実施例2で用いたアルミ板表面上に、pHを8.0に制御された80℃の浴槽内で5μmのめっき層を形成した。得られた基板の弾性率は、曲げ弾性率が70.5GPa、押し込み弾性率が68GPaとなった。上記基板に対し、実施例1の膜厚80の条件で記録層等を成膜し、磁気記録媒体を作製した。上記媒体に対しスクラッチ試験を行った結果、MFM測定による信号減衰率は約13%であった。一方、5400rpmにおけるNRROは2.3nmとなることが分かった。NRROの悪化によりトラックピッチを小さくすることができなくなり記録密度が減少する。今回のように、NRROが2.3nmとなった場合、例えば386kFCIの記録密度が367kFCIの記録密度に低下し、約5%悪化することがわかる。
得られた結果を下記表3に示す。
実施例4
実施例4として、実施例3で作製した基板と同様の基板を用い、長期信頼性試験を行った。
1450台のドライブを用い、長期信頼性試験を行った結果、エラー率は3.5%となった。
スクラッチ試験での信号減衰率が13%のため、長期信頼性試験のエラー率が1%以下であることが見込まれたが、実際のエラー率が高い。押し込み弾性率を70GPaにし、スクラッチ試験における信号減衰率が15%程度となるサンプルに対し、以下のように曲げ弾性率を変化させたサンプルを作製し、それぞれの媒体に対して長期信頼性試験を実施した。
曲げ弾性率が68.6GPaの基板(2−1)として、A1060アルミニウムを用いた。
曲げ弾性率が70.5GPaの基板(2−2)は、実施例3で使用した基板と同様にして得られる。
曲げ弾性率が73.4GPaの基板(2−3)は、実施例3で使用した基板に対し、400℃1時間の焼成を行うことで作製できる。
曲げ弾性率が78.3GPaの基板(2−4)として、実施例1で用いた基板と同様の基板を使用できる。
曲げ弾性率が82.1GPaの基板(2−5)は、焼成温度を750℃に変更以外は実施例1と同様にして作成できる。
それぞれの基板の押し込み弾性率はすべてにおいて68GPaから70GPaであった。
作製した基板に対し、上記表1の膜厚80の条件で、実施例1と同様にして磁気記録媒体の作製を行った。
それぞれの媒体(2−1),(2−2),(2−3),(2−4),及び(2−5)について、曲げ弾性率に対する長期信頼性試験のNRROの結果を表すグラフ図を図9に示す。
図中、点501,502,503,504,及び505は、それぞれ媒体(2−1),(2−2),(2−3),(2−4),及び(2−5)の試験結果を示す。
図9から、NRROは曲げ弾性率に対し線形に変化している様子がわかる。
また、それぞれの媒体(2−1),(2−2),(2−3),(2−4),及び(2−5)について、曲げ弾性率に対する長期信頼性試験のエラー率の結果を図50に示す。
図中、点601,602,603,604,及び605は、それぞれ媒体(2−1),(2−2),(2−3),(2−4),及び(2−5)の結果を示す。
長期信頼性試験でのエラー率は、曲げ弾性率の低下に伴い、指数的に増加している。この原因は弾性率の低下に伴い、基板とヘッドとの間にコンタミが侵入しやすいためと考えられる。上記結果から、長期信頼性試験におけるエラー率を1%以下にするためには、曲げ弾性率は75GPa以上であることが好ましい。特に78GPa以上であるとさらに好ましい。
得られた結果を下記表3に示す。
比較例1
比較例1では、基板として、68GPaの押し込み弾性率を有する実施例2と同様の基板を用い、膜厚を変更して、スクラッチ試験、及び長期信頼性試験を行う。
まず、上記基板上にFeCoTaにBを10%添加した軟磁性下地層(SUL層)を40nm成膜する。SUL層の押し込み弾性率は138GPaであった。SUL層上に結晶配向性を向上させるためNiTa下地層(UL)を15nm成膜した。NiTaの弾性率は135GPaであった。その下地層上に記録層の磁化の方向を記録媒体表面に対して垂直向きに制御するためRuからなる中間層(IL)を25nm積層する。IL層の押し込み弾性率は145GPaであった。
その後、中間層上に磁気記録層(Mag)としてCo80Pt20−SiOを13nm積層し、記録層上に記録層の磁化反転を補助するために酸化物を有さないCoPt合金層をキャップ層として2nm形成する。Mag層の押し込み弾性率は136GPaであった。最後に、CVD(化学気相堆積)により保護膜(図示せず)を2nm形成し、潤滑剤を塗布することで磁気記録媒体が得られる。
基板上に成膜された膜の膜厚hは97nmであり、積層膜の複合弾性率の値は136GPaであった。上記媒体を関係式(C)を用い計算すると、減衰率は29.1%と計算される。実際にスクラッチ実験を行ったところ、減衰率は30.2%となり計算結果とほぼ同じ値を示すことができた。また、ドライブ1300台を用いた長期信頼性試験の結果、エラー率は1.8%となった。
得られた結果を下記表3に示す。
比較例2
比較例2では、実施例1ないし4,及び比較例1よりも高い148GPaの押し込み弾性率を有する基板を用いた。基板の作製には、実施例2で使用しためっき液に対し、pHを12とし、80℃で20μmのめっき層を形成した。その後、600℃で1時間焼成したのち、弾性率を評価したところ、曲げ弾性率が79.2GPa、押し込み弾性率が148GPaであった。つづいて、得られた基板上に各金属層を成膜する。まず、基板上にFeCoTaにBを10%添加したSUL層を25nm成膜した。SUL層の押し込み弾性率は138GPaであった。軟磁性下地層上に結晶配向性を向上させるためNiTa下地層(UL)を5nm成膜した。NiTaの弾性率は135GPaであった。その下地層上に記録層の磁化の方向を記録媒体表面に対して垂直向きに制御するためRuからなる中間層(IL)を25nm積層した。IL層の押し込み弾性率は145GPaであった。
その後、中間層上に磁気記録層(Mag)としてCo80Pt20−SiOを13nm積層し、記録層上に記録層の磁化反転を補助するために酸化物を有さないCoPt合金層をキャップ層として2nm形成した。Mag層の押し込み弾性率は136GPaであった。最後に、CVD(化学気相堆積)により保護膜(図示せず)を2nm形成し、潤滑剤を塗布することで実施形態に係る磁気記録媒体が得られた。
基板上に成膜された膜の膜厚hは72nmであり、積層膜の複合弾性率の値は136GPaであった。上記媒体を関係式(C)を用い計算すると、減衰率は47.0%と計算される。実際にスクラッチ実験を行ったところ、減衰率は39.5%となり計算結果とやや異なる悪い結果となった。また、ドライブ1300台を用いた長期信頼性試験の結果、エラー率は2.2%となった。
得られた結果を下記表3に示す。
Figure 2018073439
1…基板、2…下地層、3…磁気記録層、4…第1の合金層、5…第2の合金層、6…、7…中間層、8…積層体、9…合金基板、10,20,30,40…磁気記録媒体、11…多層構造の合金層

Claims (5)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられた、磁気記録層を含む積層膜とを含み、
    前記基板の弾性率Esubは、前記積層膜の膜厚をh、積層膜の押し込み弾性率をEfilmとするとき、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
    sub≦(200*Efilm)/(6*h)…(1)
  2. 前記基板は、75GPa以上の曲げ弾性率を有する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記基板は、母材と該母材上に形成された合金層とを含む請求項1または2に記載磁気記録媒体。
  4. 前記合金層は、前記基板上に形成された第1のめっき層、及び前記第1のめっき層上に形成された第2のめっき層を含む多層構造を有する請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記第1のめっき層は、78GPa以上の曲げ弾性率を有する請求項4に記載の磁気記録媒体。
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