JP4472655B2 - 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 - Google Patents

垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4472655B2
JP4472655B2 JP2006091438A JP2006091438A JP4472655B2 JP 4472655 B2 JP4472655 B2 JP 4472655B2 JP 2006091438 A JP2006091438 A JP 2006091438A JP 2006091438 A JP2006091438 A JP 2006091438A JP 4472655 B2 JP4472655 B2 JP 4472655B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
recording medium
perpendicular magnetic
layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006091438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006309926A (ja
Inventor
高橋  研
正裕 岡
哲 喜々津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Showa Denko KK
Toshiba Corp
Original Assignee
Tohoku University NUC
Showa Denko KK
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Showa Denko KK, Toshiba Corp filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2006091438A priority Critical patent/JP4472655B2/ja
Publication of JP2006309926A publication Critical patent/JP2006309926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4472655B2 publication Critical patent/JP4472655B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体とそれを使用した磁気記録再生装置に関するものである。
垂直磁気記録方式は、従来、媒体の面内方向に向けられていた磁気記録層の磁化容易軸を媒体の垂直方向に向けることにより、記録ビット間の境界である磁化遷移領域付近での反磁界が小さくなるため、記録密度が高くなるほど静磁気的に安定となって熱揺らぎ耐性が向上することから、面記録密度の向上に適した方式である。
また、基板と垂直磁気記録層との間に軟磁性材料からなる裏打ち層を設けた場合には、いわゆる垂直2層媒体として機能し、高い記録能力を得ることができる。このとき、軟磁性裏打ち層は磁気ヘッドからの記録磁界を還流させる役割を果たしており、記録再生効率を向上させることができる。
一般に垂直磁気記録媒体は、基板上に裏打ち層(非磁性膜)を設け、磁性層の磁化容易軸を基板面に対して垂直に配向させる下地膜、Co合金からなる垂直磁気記録層および保護層の順で構成されている。しかしながら、近年、垂直磁気記録媒体の問題点として、WATE(Wide Area/Adjacent Track Erasure)があることがわかってきている。WATEとは垂直磁気記録媒体特有の問題であり、あるトラックに信号を記録した際に、記録したトラックから数μmの広域にわたっての信号が減磁する現象である。主に裏打ち層の構造、磁気異方性で改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、特に軟磁性裏打ち層の磁化容易軸の向きを基板半径方向にそろえることも効果的であると言われている。これを実現するための方法としては、半径方向の磁場中にて裏打ち層を成膜する方法や裏打ち層を軟磁性膜と反強磁性膜の積層構造として、スピンの向きを一定方向に揃えた方法が提案されている(例えば、特許文献2,特許文献3参照。)。
その他、本願発明と類似の合金組成を用いる例として、面内の磁気記録媒体がある(例えば、特許文献4参照。)。この例は、CoIr系層の膜厚も薄く、c軸配向していない。
また、軟磁性体部分にIrは用いるものの、多孔質体に機能性材料を充填した垂直磁気記録媒体も知られている(例えば、特許文献5参照。)。さらに、軟磁性層の分断層としてIrを用いた垂直磁気記録媒体も知られている(例えば、特許文献6参照。)。
特開昭58−166531号公報 特開平06−103553号公報 米国特許出願公開第2002/0028357号明細書 特開2003−132515号公報 特開2004−237429号公報 特開2003−203326号公報
垂直磁気記録媒体の軟磁性裏打ち層を、磁場中で成膜する場合には以下の問題点が生じる。
(1)磁界を半径方向に均一に制御することが困難である、
(2)基板の内周部で磁界が小さくなる。
今後、さらに媒体の小型化が進んだときには、(2)は大きな問題となると推測される。
また、上記のように単に裏打ち層を設けた場合では、半径方向に均一な磁化容易軸を形成することは非常に困難であり、この問題を解決しかつ安易に製造が可能な磁気記録媒体が要望されている。
また、以上のようなさまざまな工夫をもって磁化容易軸を制御した場合においても、軟磁性裏打ち層の膜中にわずかな垂直磁化成分が残ることが原因となってWATE現象が発生することがありうると考えられている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、裏打ち層の磁気異方性のはたらきを改めて見直し、高密度の情報の記録再生が可能な垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下に掲げた、
(1)非磁性基板上に少なくとも軟磁性裏打ち層と垂直磁気記録層とを有する垂直磁気記録媒体であって、Ms(emu/cc)なる飽和磁化を有する前記軟磁性裏打ち層が、負の一軸結晶磁気異方性エネルギーKu grain を持つ材料を用いて構成され、その磁化困難軸が基板面に対して垂直な方向を向いているとともに、CoとIrとを主成分とする合金から成り、媒体面に対して垂直磁気異方性エネルギーKu(erg/cc)として−2πMsより小さい負の値を持つことを特徴とする垂直磁気記録媒体、
(2)前記軟磁性裏打ち層をなすCoとIrとの合金のIr含有量が5原子%以上、20原子%以下である(1)に記載の垂直磁気記録媒体、
(3)前記軟磁性裏打ち層の下に2次元の六方最密格子面を基板面と平行に配向させた結晶質下地膜を有する(1)又は(2)に記載の垂直磁気記録媒体、
(4)前記非磁性基板が半径28mm以下の円盤状基板である(1)から(3)のいずれか1つに記載の垂直磁気記録媒体、
(5)垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、前記垂直磁気記録媒体(1)から(4)のいずれか1つに記載の垂直磁気記録媒体である磁気記録再生装置、
の各発明を提供する。
本発明によれば、軟磁性裏打ち層の磁化容易軸が基板面内方向に配向し、かつ、磁壁移動が起こりにくく、ひいてはWATE現象、スパイクノイズ等の発生の危険が小さい垂直磁気記録媒体を供することができる。
本発明は、軟磁性裏打ち層に基板面に対して垂直な方向に対する結晶磁気異方性エネルギーKugrainが負の値をとる材料を用いる。このような材料としてCo−Ir合金があげられる。Co−Irの場合は結晶構造が六方稠密構造をとり、そのC軸方向に対して結晶磁気異方性エネルギーKugrain<0となる性質がある。
C軸に対して結晶磁気異方性エネルギーKugrain<0である材料はC軸に対して直角な方向に、したがってC軸が基板面に対して垂直方向を向いている場合は基板面内に、強力に磁化しようとする性質をもつ。このため、軟磁性裏打ち層の垂直磁気異方性Kuは−2πMs−Kugrainとなり、従来の軟磁性裏打ち層が持っていたKuよりも小さい値となる。このため、軟磁性裏打ち層は、従来よりも強い力で基板面内方向に磁化するようになるため、面直方向の磁化成分によりWATE現象が発生するという可能性が著しく低くなる。
本発明の内容を具体的に説明する。
既に述べたように、垂直磁気記録媒体においては、その軟磁性裏打ち層の磁気異方性、容易磁化軸方向の制御が媒体デザインにおいて極めて重要となる。特にWATE(WideArea/Adjacent Track Erasure)現象や軟磁性層の磁区の動きに付随するといわれるスパイクノイズ現象などを抑制するためには、この軟磁性層の磁化容易軸方向を基板面内に配向させたり、軟磁性裏打ち層の下にピン止め層と呼ばれる強磁性膜を設けて軟磁性層の磁壁が動きにくくするなどの工夫が必要といわれている。
本発明は、これら垂直磁気記録媒体の軟磁性裏打ち層に起因する問題点を、軟磁性材料の選定を適切に行うことにより解決しようとするものである。
図1は、本発明の磁気記録媒体の第1の実施形態の一例を示すものである。ここに示されている磁気記録媒体10は、非磁性基板1上に、ピン止め層2及び非磁性の下地層3を介して、軟磁性裏打ち層4、さらに配向制御層5と、垂直磁気記録層6と、保護層7と潤滑層8とが順次形成された構成となっている。
非磁性基板としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属材料からなる金属基板を用いてもよいし、ガラス、セラミック、シリコン、シリコンカーバイド、カーボンなどの非金属材料からなる非金属基板を用いてもよい。
ガラス基板としては、アモルファスガラスや結晶化ガラス等があり、アモルファスガラスとしては汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスを使用できる。また、結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスを用いることができる。
非磁性基板として、特にガラス基板またはシリコン基板が好ましい。
非磁性基板は、平均表面粗さRaが0.8nm以下、好ましくは0.5nm以下であることがヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から望ましい。
また、表面の微小うねり(Wa)が0.3nm以下(より好ましくは0.25nm以下)であるのがヘッドを低浮上させた高記録密度記録に適している点から好ましい。
テクスチャリング処理した処理後の基板の平均表面粗さRaが0.1nm以上0.8nm以下であることが好ましい。0.1nm未満であると、テクスチャリング処理した溝の効果が不十分となり、裏打ち層の磁気異方性が溝からずれるために好ましくない。0.8nmを超えると、磁気ヘッドの浮上量を十分に小さくすることができないため好ましくない。また、垂直磁気記録層の配向が悪化することによるSNRの低下を引き起こすので好ましくない。
本発明においては、ピン止め層、及び/又は、下地層が設けられた構成としても良いし、これらの層の何れかの層、又は両方の層が無くても、発明の効果に何ら影響はない。本発明では軟磁性裏打ち層の結晶磁気異方性エネルギーKugrainが負の値をとることを特徴とするが、例えば軟磁性層材料としてCo−Irを用いた場合、稠密六方晶構造のC軸を基板面に対して垂直な方向に配向させることが必要である。このような結晶配向のコントロールを行う目的で下地層を設けることがある。この場合、下地層自身も稠密六方晶構造をとることが多く、Ti、Ruなどが考えられる。
軟磁性裏打ち層としては、基板面に対して垂直な軸に対する結晶磁気異方性エネルギーKugrainが負の値をとるものが特に適していることを見出した。
ここで、結晶磁気異方性エネルギーKugrainの決定方法は以下のようにした。すなわち、軟磁性裏打ち層材料の薄膜を基板上に成膜し、同試料の小片をトルクメーターにかけ、基板内に直交する面内で磁界を回転させることにより得られる垂直磁気トルク曲線の2θ成分の磁界飽和外挿値が、垂直磁気異方性エネルギーKuであると定義した。
また、一軸結晶磁気異方性を持つ材料のc軸(一軸性対称軸)を膜面に垂直な方向に配向させた軟磁性裏打ち層については、Ku=−2πMs−Kugrainの関係を用いて一軸異方性エネルギーKugrainを算出した。
一般的に膜面に垂直な方向には強力な反磁界が働くことが知られており、そのときのKuの値は、試料の飽和磁化をMsとしたとき、−2πMsとなる。本発明にいう軟磁性裏打ち層とは、このときのKuの値を仮に Ku=−2πMs+Xと表すとしたときに、Xが負の値をとるような性質のものを指す。
従来の軟磁性裏打ち層の場合には、欠陥や不純物の存在によりXの値は小さな正値となることがほとんどであった。しかるに本発明では、Xの値が負になることにより、大きな│Ku│の力で磁化を基板面内方向に向けることができる。また、基板面内に磁化が向いた方向がより安定になるので、外部環境の影響により磁化が動揺する可能性も低くすることができる。
Kuが負の値をとる場合、その材料の磁化状態は磁化方向が基板面内方向であるとしたときに、最もエネルギー的に安定である。従って、このような軟磁性膜は特別な工夫を必要とせずに、自ら基板面内方向に磁化しようとする。
上述のような指針から、本発明者らは、垂直磁気記録媒体の軟磁性裏打ち層用材料として、Co−Ir合金膜が極めて適当な性質を示すことを見出した。
すなわち、Ir含有量が5原子%以上の領域において、Co−Ir合金のC軸方向に対する結晶磁気異方性エネルギーKuは負の値をとるようになり、本発明の用途に適する性質を示す。ただし、Ir添加量が増えるに従って飽和磁束磁化量Msは減少するため、目的に合致する濃度に制御する必要がある。
Co−Irを成膜する際の基板温度は室温から400℃程度までの範囲が好ましい。
軟磁性裏打ち層の保磁力Hcは30(Oe)以下、好ましくは10(Oe)以下、さらに好ましくは1(Oe)以下とするのが望ましい。なお、1(Oe)は、約79A/mである。
軟磁性裏打ち層の飽和磁束密度Bsは、0.6T以上、好ましくは1T以上とするのが望ましい。
軟磁性裏打ち層を構成する軟磁性膜の膜厚は20nm以上120nm以下、好ましくは20nm以上100nm以下、さらに好ましくは20nm以上60nm以下である。
また、本発明に含まれるCo−Ir合金薄膜においては、その磁化モードがネール磁壁構造からブロッホ磁壁構造に変化する膜厚(以後、磁壁臨界膜厚とする)が、Coの原子比の変化に伴って変わることが確認されている。すなわち、Ir濃度を5原子%以上20原子%以下の範囲内のある値に固定した場合、Co−Ir合金薄膜の膜厚を少しずつ厚くしていくと、ある厚さを境にして磁壁の磁化モードがネール型からブロッホ型に変わる。一般的にはWATE現象の抑制にはネール磁界の方が好ましいと考えられるが、ブロッホ磁界構造は、媒体ノイズを抑制する点で有利であることも考えられる。膜厚の設定にはこれらの事実を勘案して決定されるべきである。
軟磁性膜の形成方法としては、スパッタリング法を用いることができる。
軟磁性裏打ち層は、軟磁性膜と、Ru膜またはRe膜とのサンドイッチ構造をとっていてもよい。軟磁性膜と、Ru膜またはRe膜とを設け、所定の厚さに設定することで軟磁性膜を反強磁性結合させることができるためである。このとき、RuまたはReの膜厚は一般に0.3nm以上1.5nm以下、好ましくは0.5nm以上1.2nm以下であるような構成とすることで、垂直媒体特有の問題であるWATE現象をより改善することができる。
配向制御層は、下地層とともに、配向制御層上に設けられる垂直磁気記録層の配向や結晶サイズを制御するためのものである。配向制御層に用いられる材料は、六方細密構造(hcp構造)または面心立方構造(fcc構造)を有するものが好適であり、Pt、Pd、NiCr、NiFeCr、Mgなどが利用できる。hcp構造やfcc構造以外の構造(例えば、体心立方構造(bcc構造)やアモルファス構造)であると、垂直磁気記録層の配向が不十分となり、その結果、SNRの低下や保磁力の低下を生じるので好ましくない。
配向制御層5は、シード層5−1と中間層5−2の2層から形成する。シード層5−1に用いられる材料は、例えばPdが適する。中間層5−2に用いられる材料は、特にRuが好ましい。配向制御層の厚さは30nm以下であることが好ましい。配向制御層の厚さが30nmを超えると記録再生時における磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層の距離が大きくなるため、OW特性や再生信号の分解能が低下するため好ましくない。
垂直磁気記録層5は磁化容易軸が基板面に対し垂直方向に有している。構成元素としては、少なくともCoとPtと酸化物を含んでおり、さらにSNR特性改善などの目的でCr、B、Cu、Ta、Zrを添加することもできる。
垂直磁気記録層を構成する酸化物としては、SiO 、SiO、Cr、CoO、Ta 、TiOを挙げることができる。酸化物の体積率は15〜40体積%であることが好ましい。酸化物の体積率が15体積%未満であると、SNR特性が不十分となるため好ましくない。酸化物の体積率が40体積%を超えると、高記録密度に対応するだけの保磁力を得ることができないため好ましくない。
また、これ以外にもCo/Pt・Co/Pd人工格子系,FePt・FePd規則合金系、RE−TM系等の垂直磁気記録媒体材料を使用することができる。
垂直磁気記録層のニュークリエーション磁界(−Hn)は1.5(kOe)以上であることが好ましい。−Hnが1.5(kOe)未満であると、熱揺らぎが発生するので好ましくない。
垂直磁気記録層の厚さは6〜18nmであることが好ましい。垂直磁気記録層の厚さがこの範囲であると、十分な出力を確保することができ、OW特性の悪化が生じないために好ましい。
垂直磁気記録層は、単層構造とすることもできるし、組成の異なる材料からなる2層以上の構造とすることもできる。
保護層は垂直磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐためのもので、従来公知の材料を使用でき、例えばC、SiO 、ZrO を含むものが使用可能である。保護層の厚さは、1nm以上5nm以下とするのがヘッドと媒体の距離を小さくできるので高記録密度の点から望ましい。
潤滑層には従来公知の材料、例えばパーフルオロポリエーテル、フッ素化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いるのが好ましい。
図2は、上記磁気記録媒体を用いた磁気記録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録再生装置は、磁気記録媒体10と、磁気記録媒体10を回転駆動させる媒体駆動部11と、磁気記録媒体10に情報を記録再生する磁気ヘッド12と、ヘッド駆動部13と、記録再生信号処理系14とを備えている。記録再生信号処理系14は、入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド12に送ったり、磁気ヘッド12からの再生信号を処理してデータを出力することができるようになっている。
以下、実施例を示して本発明の作用効果を明確にする。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板(オハラ社製結晶化基板TS10−SX、直径2.5インチ)を洗浄した後、基板をDCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。この基板上に下地層であるTi膜を7nm成膜した。その上にRu膜を3nm成膜し、さらにその上に88Co−12Ir(Ir;12原子%)軟磁性膜を20nm成膜して、2層構造からなる軟磁性裏打ち層を形成した。
この上にスパッタリング法でPdシード層を6nm、Ru中間層を20nm、CoCrPt−SiO垂直磁気記録層を10nm、及び保護層としてC膜を5nm成膜した。 次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。
(比較例1)
一方、実施例1と同様の基板、手法を用いて、基板上に軟磁性裏打ち層となる第1の軟磁性膜として91Co−5Zr−4Nb(Co含有量91at%、Zr含有量5at%、Nb含有量4at%)を60nm、Ru膜を0.8nm、第2の軟磁性膜として91Co−5Zr−4Nbを60nm成膜した。
軟磁性裏打ち層を形成した後、実施例1と同様に、Pdシード層を6nm、Ru中間層を20nm、CoCrPt−SiO垂直磁気記録層を10nm、及び保護層としてC膜を5nm成膜した。
次いで、ディッピング法によりパーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を形成し、垂直磁気記録媒体を得た。このようにして得た直磁気記録媒体を比較例とした。
引き続き実施例および比較例の垂直磁気記録媒体についてWATE測定を実施した。評価方法は以下の通りである。
(1)媒体表面±6μmにわたって156kfciの基本パターンを記録する。
(2)各トラックの平均出力を全トラックにわたって測定し、初期状態でのトラックプロファイルとする。
(3)真ん中の1トラックを選び、937kfciの信号を10000回繰り返し記録する。
(4)もう一度トラックプロファイルを測定し、初期状態と比較する。
こうして得られた実施例と比較例のトラックプロファイルをそれぞれ図3、図4に示す。
また、それぞれについて、C軸に対する結晶磁気異方性エネルギーKugrain、トラッキングプロファイル中の出力減衰幅、垂直磁気異方性Kuおよび−2πMsの値を表1に示した。
表1の結果から、本発明による垂直磁気記録媒体は、WATE現象を抑える効果があることが明らかになった。
Figure 0004472655
(実施例2〜実施例6、比較例2〜比較例6)
次に、基板として半径22mmのシリコン製基板を用いて実施例1、比較例1と同様のプロセスを用いて垂直磁気記録媒体を作製した。ただし、スパッタリング装置内にて成膜を行う際、基板は計5枚をセットし同時成膜を行った。すなわち実施例1と同じプロセスのものを5枚、比較例1と同じプロセスのものを5枚作製した。この成膜時の基板の配置を図5に示した。
実施例1にならった試料を実施例2〜6、比較例1にならった試料を比較例2〜6とする。
これら試料についてやはり実施例1、比較例1と同様にWATE測定を実施した。ターゲットに対する位置関係の異なる5枚の媒体間にWATE現象の起こり方に差が生じるかどうかを比べた。結果を表2に示した。
Figure 0004472655
表2の結果より、本発明に基づく実施例2〜実施例6においては基板の配置にかかわらず、WATE現象はまったく観測されなかった。これは基板がさらされる磁界の方向、強さやターゲットの方向などにかかわらず、軟磁性裏打ち層の結晶構造さえ制御できれば、磁化容易軸方向を強力に基板面内に向けることができるということを示唆していると考えられる。
一方の比較例2〜比較例6ではWATE現象が観測されるとともに、その強度も基板位置により変動している可能性が認められる。これは裏打ち軟磁性層の軟磁気特性がターゲット裏のマグネトロン磁界や、ターゲットからのスパッタ粒子入射角などによって影響を受けているためであると考えられる。
(実施例7)
2つのターゲットを回転させることができるようになっており、2種類のターゲット材料による混合スパッタリング成膜が可能なマグネトロンスパッタリング装置(アネルバ C−3010)の真空チャンバ内に、結晶化ガラス基板をセットして、同チャンバ内を到達真空度1×10−5Paとなるまで排気した。ターゲット材料としては、純Coと純Irをそれぞれセットした。
先ずランプヒーターを用いて結晶化ガラス基板を350℃に加熱した。次いで、Ti膜を7nm、Ru膜を3nm順次成膜し、引き続いてCoとIrの回転同時成膜を利用してCo100−xIrを20nm成膜した。このとき、CoとIrの放電出力を加減してxを変化させた。
さらに、試料最上部にCの保護膜を成膜した。
このようにしてできた各種組成のCo100−xIrについて、結晶磁気異方性エネルギーKugrainを測定した。測定には前述の通り磁気トルクメーターを用いた。また2つのターゲットの放電出力を変化させて得られた組成を、蛍光X線分析を用いて求めた。これらの測定結果を表3にまとめた。なお、Co100−xIr合金膜を成膜する際のAr分圧は3.0Paと0.6Paの2種類について調べた。
Figure 0004472655
表3に示した結果を基に、Ir濃度とKugrainの関係をグラフ化して図6に示した。
本発明においてはKugrainが負であることが必要である。Kugrainの値は成膜時のArガス分圧によっても挙動が変わるが、上記結果を基に判断するとIr濃度5at%〜30at%の範囲が最も適当であることがわかった。
(実施例8〜12、比較例8〜比較例12)
直径の異なる5種類の基板について、実施例1及び比較例1と同様の方法を用いて垂直磁気記録媒体を作成し、そのWATE特性を測定した。
基板サイズは直径95mm(実施例8)、65mm(実施例9)、48mm(実施例10)、28mm(実施例11)及び22mm(実施例12)の5種類で、それぞれのサイズについて4枚の試料を作成して評価した。裏打ち磁性層材料としてCo−Irを用いたものを実施例8〜実施例12、裏打ち磁性層材料としてCo−Zr−Nbを用いたものを比較例8〜比較例12とした。測定結果を表4に示す。
Figure 0004472655
軟磁性裏打ち層材料がCo−Zr−Nbの場合、基板直径が小さいものでよりWATE現象が顕著になっている。したがって、本発明は直径28mm以下のサイズの基板を用いる場合により大きな価値があるということができる。
本発明の垂直磁気記録媒体の断面構造を示す図である。 本発明の垂直磁気記録再生装置の構造を示す図である。 実施例1に係わる垂直磁気記録媒体のトラックプロファイルを示す図であり、(a)は初期状態を、(b)は10000回記録後の状態を示す。 比較例1に係わる垂直磁気記録媒体のトラックプロファイルを示す図であり、(a)は初期状態を、(b)は10000回記録後の状態を示す。 成膜時の基板の配置を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は平面図を示す。 実施例7におけるIr濃度とKuの関係を示す図である。
符号の説明
1・・・・・非磁性基板、2・・・・・ピン止め層、3・・・・・下地層、4・・・・・軟磁性裏打ち層、5・・・・・配向制御層、6・・・・・垂直磁気記録層、7・・・・・保護層、8・・・・・潤滑層、10・・・・・磁気記録媒体、11・・・・・媒体駆動部、12・・・・・磁気ヘッド、13・・・・・ヘッド駆動部、14・・・・・記録再生信号系、20・・・・・磁気記録再生装置、30・・・・・ターゲット

Claims (5)

  1. 非磁性基板上に少なくとも軟磁性裏打ち層と垂直磁気記録層とを有する垂直磁気記録媒体であって、Ms(emu/cc)なる飽和磁化を有する前記軟磁性裏打ち層が、負の一軸結晶磁気異方性エネルギーKu grain を持つ材料を用いて構成され、その磁化困難軸が基板面に対して垂直な方向を向いているとともに、CoとIrとを主成分とする合金から成り、媒体面に対して垂直磁気異方性エネルギーKu(erg/cc)として−2πMsより小さい負の値を持つことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 前記軟磁性裏打ち層をなすCoとIrとの合金のIr含有量が5原子%以上、30原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
  3. 前記軟磁性裏打ち層の下に2次元の六方最密格子面を基板面と平行に配向させた結晶質下地膜を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性基板が半径28mm以下の円盤状基板であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 垂直磁気記録媒体と、該垂直磁気記録媒体に情報を記録再生する磁気ヘッドとを備えた磁気記録再生装置であって、前記垂直磁気記録媒体が請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記録再生装置。
JP2006091438A 2005-03-30 2006-03-29 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置 Active JP4472655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006091438A JP4472655B2 (ja) 2005-03-30 2006-03-29 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100020 2005-03-30
JP2006091438A JP4472655B2 (ja) 2005-03-30 2006-03-29 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006309926A JP2006309926A (ja) 2006-11-09
JP4472655B2 true JP4472655B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=37476618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006091438A Active JP4472655B2 (ja) 2005-03-30 2006-03-29 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4472655B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7573777B2 (en) 2006-10-02 2009-08-11 Hynix Semiconductor Inc. Over driver control signal generator in semiconductor memory device
KR100889320B1 (ko) 2007-03-05 2009-03-18 주식회사 하이닉스반도체 반도체 메모리 소자
JP2008287829A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Toshiba Corp 垂直磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006309926A (ja) 2006-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4470881B2 (ja) 磁気記録媒体、および磁気記録再生装置
US9728216B2 (en) Feromagnetically coupled magnetic recording media
JP5061307B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
US6596409B2 (en) Onset layer for thin film disk with CoPtCrB alloy
US20050214520A1 (en) Granular thin film, perpendicular magnetic recording medium employing granular thin film and magnetic recording apparatus
WO2007116813A1 (ja) 垂直磁気記録ディスクの製造方法及び垂直磁気記録ディスク
JP2006155861A (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法並びに磁気記録再生装置
JP2006024346A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JPWO2009014205A1 (ja) 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP4083494B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法、および磁気記録再生装置
US20090226763A1 (en) Perpendicular magnetic recording medium, production process thereof, and magnetic recording and reproducing apparatus
JP2010272202A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP4902210B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及びその製造方法並びに垂直磁気記録再生装置
US7879466B2 (en) Perpendicular magnetic recording medium, and perpendicular magnetic recording and reproducing apparatus
JP4611847B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4101836B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP4864391B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP2008192249A (ja) 垂直磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP4472655B2 (ja) 垂直磁気記録媒体および磁気記録再生装置
US20100079911A1 (en) Magnetic recording medium, process for producing same, and magnetic recording reproducing apparatus using the magnetic recording medium
JP6416041B2 (ja) 垂直磁気記録媒体及び磁気記録再生装置
JP4358208B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2005302109A (ja) 多層膜垂直磁気記録媒体の製造方法
JP4637785B2 (ja) 磁気記録媒体並びに磁気記録再生装置
CN101627429A (zh) 垂直磁记录介质、其制造方法以及磁记录再现装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100223

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100303

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4472655

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160312

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250