JP2018070623A - 免疫関連及び炎症性疾患の治療 - Google Patents

免疫関連及び炎症性疾患の治療 Download PDF

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Abstract

【課題】狼瘡、強皮症、凍瘡状狼瘡、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ANCA誘導性血管炎、抗リン脂質症候群、重症筋無力症、エリテマトーデス等の免疫関連疾患又は炎症性疾患を治療する、予防する又は管理するための治療化合物に対する応答を同定する方法。の提供。【解決手段】下式(I)で表す化合物又は医薬として許容し得る塩、固体形態、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を含む、治療化合物。該化合物は、(S)体の塩酸塩が好ましい。該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD44、CD83又はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定し、基準レベルと比較して、改変されていれば治療の見込みあることを決定する方法。【選択図】なし

Description

(1. 関連出願)
本願は、2012年11月5日に出願された米国仮特許出願第61/722,718号及び2012年8月9日
に出願された同第61/681,491号の利益を主張するものであり、これらは、引用によりその
全体が本明細書中に組み込まれている。
(2. 配列表)
本願は、2012年8月8日に作成されたサイズ6,571バイトのファイル名12827-207-888_Seq
Listing.txtとして提出された配列表とともに出願されている。配列表は、引用によりそ
の全体が本明細書中に組み込まれている。
(3. 分野)
本明細書で提供されるのは、B細胞及び/又はT細胞、単球、マクロファージ、並びに他
のリンパ系又は骨髄系由来細胞型の活性を包含する、白血球活性に関連する疾患、例えば
、免疫関連疾患又は炎症性疾患を、治療する、予防する及び/又は管理する方法であって
、(S)-3-[4-(4-モルフィリン(morphlin)-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジ
ヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを包含する化合物I、又は医薬として
許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を
投与することを含む、前記方法である。そのような治療、予防及び/又は管理のための医
薬組成物及び投薬レジメンも本明細書で提供される。
(4. 背景)
狼瘡、強皮症、凍瘡状狼瘡、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ANCA誘導性血管
炎、抗リン脂質症候群及び重症筋無力症等、B細胞及び/又はT細胞の活性を包含するリン
パ球活性によって調節される炎症及び免疫関連疾患は、重要な医学上の問題であり続ける
狼瘡又はエリテマトーデスは、身体の種々の部分、とりわけ皮膚、関節、血液及び腎臓
において慢性炎症を引き起こし得る自己免疫障害の総称である。身体の免疫系は、通例、
抗体と呼ばれるタンパク質に、ウイルス、細菌、及び他の異物(すなわち抗原)から身体を
保護させている。狼瘡等の自己免疫障害において、免疫系は、抗原と自らの細胞及び組織
との間の差異を見分けるその能力を失い、自らの細胞及び組織に対する抗体に免疫複合体
を形成させることができる。これらの免疫複合体は、組織内で構築し、炎症、組織への傷
害及び/又は疼痛を引き起こし得る。3つの最も一般的な種類の狼瘡は、全身性エリテマト
ーデス(systemic lupus erythematosus)(SLE)、皮膚エリテマトーデス(cutaneous lupus
erythematosus)(CLE)及び薬物誘発性狼瘡を包含する。狼瘡又はエリテマトーデスのより
詳細な記述は、Wallace、2000、狼瘡書籍:患者とその家族のための指針(The Lupus Book:
A Guide for Patients and Their Families)、Oxford University Press、改訂増補版に
おいて見ることができ、これは、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれている。
強皮症は、100万人につきおよそ19症例という安定した発生率のまれな疾患である。強
皮症の正確な原因は不明である。異常は、内皮細胞及び線維芽細胞機能の自己免疫及び改
変を伴う。全身性強皮症は、通常、レイノー現象を伴う通常は指の皮膚肥厚から始まる。
レイノー病は、典型的には、全身性強皮症のさらなる徴候に先行する。疾患の初期に、罹
患皮膚はむくんで柔らかくなることがある。最も大きな皮膚肥厚及び硬化の通常の場所は
、顔、手及び指である。手指硬化症が高頻度で存在する。腱摩擦音は、多くの場合、検査
の上で明白であり、痛みがあることがある。疾患がさらに進行すると、指潰瘍及び自然切
断が出現し得る。胃腸運動不全(dismotility)は、多くの場合、胸焼けによって、又は吸
収不良若しくは偽性閉塞のある下痢によって現れる特色である。新たに発症した高血圧又
は腎不全は、付随する血管損傷の徴候である。心不全又は不整脈は、心臓の線維症による
ものであることも考えられる。(Hachulla E、Launay Dの論文、全身性硬化症の診断及び
分類(Diagnosis and classification of systemic sclerosis)、Clin Rev Allergy Immun
ol 2010; 40(2):78-83).
強皮症、特に全身性硬化症の主要な徴候は、不適切な過度のコラーゲン合成及び堆積、
内皮機能不全、けいれん、虚脱、及び線維症による閉塞である。診断の観点から、重要な
臨床的パラメーターは、中手指節関節の近位における皮膚肥厚である。レイノー現象は、
強皮症の、高頻度の、ほぼ普遍的な構成要素である。これは、寒冷暴露時における皮膚の
変色によって診断される。虚血及び皮膚肥厚は、レイノー病の症状である。
サルコイドーシスは、通常Tヘルパー1型応答として分類される、リンパ球及びマクロフ
ァージによって強化された肉芽腫形成を特徴とする疾患である。肺胞マクロファージによ
る腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor)(TNF)-α、IL-8及びIL-18の過剰産生は、根本と
なる肺炎症をもたらす要因であると考えられている。凍瘡状狼瘡は、主に顔を侵すサルコ
イドーシスの慢性の外観を損なう皮膚徴候である。サルコイドーシス及び付随する凍瘡状
狼瘡は、コルチコステロイド等の限定された治療選択肢を有し、これは適度な利益を供与
するのみである(Baughman RP、Judson MA、Teirstein AS、Moller DR、Lower EEらの論文
、慢性サルコイドーシスのためのサリドマイド(Thalidomide for chronic sarcoidosis).
Chest. 2002 Jul;122(1):227-32)。
狼瘡、強皮症、凍瘡状狼瘡、サルコイドーシス、シェーグレン症候群、ANCA誘導性血管
炎、抗リン脂質症候群及び重症筋無力症を包含する免疫関連及び炎症性疾患を治療する又
は予防するために使用され得る、予防薬又は治療薬が依然として必要である。
(5. 要旨)
本明細書で提供されるのは、免疫関連及び炎症性疾患に付随する疾患、障害及び/又は
状態を、治療する、管理する、寛解させる及び/又は予防する方法であって、治療有効量
の式Iの化合物
Figure 2018070623
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくは
ラセミ混合物を投与することを含む、前記方法である。
一実施態様において、化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
一実施態様において、化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンの医薬として許
容し得る塩である。
一実施態様において、化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である。
一実施態様において、化合物は、下記の構造を有する(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イル
メチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2
,6-ジオン:
Figure 2018070623
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物若しくは互変異性体である。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンの医薬とし
て許容し得る塩である。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩であ
る。
一実施態様において、化合物は、下記の構造を有する(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イル
メチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2
,6-ジオン:
Figure 2018070623
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物若しくは互変異性体である。
一実施態様において、化合物は、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
一実施態様において、化合物は、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンの医薬とし
て許容し得る塩である。
一実施態様において、化合物は、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩であ
る。
ある特定の実施態様において、疾患は、狼瘡、強皮症、シェーグレン症候群、ANCA誘導
性血管炎、抗リン脂質症候群及び重症筋無力症から選択される。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、B細胞及び/又はT細胞、単球、マク
ロファージ、並びに他のリンパ系又は骨髄系由来細胞型の活性を包含する白血球活性を、
調節する、例えば低減させる方法であって、B細胞及び/又はT細胞を、有効量の化合物Iと
接触させることを含む、前記方法である。
本明細書においては、免疫関連及び炎症性疾患に付随する疾患、障害及び/又は状態を
治療する、予防する、寛解させる及び/又は管理する上で使用するのに好適な、化合物Iを
、場合により1種以上の他の治療剤と組み合わせて含む、医薬組成物、単一単位剤形及び
キットも提供される。
ある特定の実施態様において、化合物Iは、1種以上の治療剤、すなわち、B細胞及び/
又はT細胞、単球、マクロファージ、並びに他のリンパ系又は骨髄系由来細胞型の活性を
包含する白血球活性のモジュレーターである医薬品と組み合わせて投与される。組合せは
、同時及び順次投与を包括する。
(6. 図面の簡単な説明)
形質芽球及び活性化B細胞分化に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
形質芽球分化中の細胞生存に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
B及び形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
形質芽球培養物中におけるIgG産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
B及び形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。 B及び形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
4、7及び10日目のB細胞培養物中におけるIgG産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
インビトロで分化した形質芽球/形質細胞によるIgG産生に対する、単独及びプレドニゾロンと組み合わせた(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
7日目におけるB細胞分化中のCD20/CD38発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
形質芽球分化中の細胞生存に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
インビトロでのSLE患者のPBMC中におけるB細胞分化及び機能に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
7日目のB細胞培養物中におけるIg産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。 7日目のB細胞培養物中におけるIgM産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
CD19+B細胞から形質芽球/形質細胞への分化に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
正常B細胞分化アッセイにおける大型細胞集団(ゲートp2)に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
B細胞分化培養物中における形質細胞転写因子に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
7日目の培養されたB細胞中における形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(20nM)の効果を描写する図である。 7日目の培養されたB細胞中における形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(20nM)の効果を描写する図である。 7日目の培養されたB細胞中における形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(20nM)の効果を描写する図である。 7日目の培養されたB細胞中における形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(20nM)の効果を描写する図である。 7日目の培養されたB細胞中における形質細胞転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(20nM)の効果を描写する図である。
SLE患者のPBMCから分化したCD38+形質芽球/形質細胞中における転写因子発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
7日目のB細胞分化培養物におけるCD44 MFIに対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(図中では化合物Iとして表される)の効果を描写する図である。
7日目の正常B細胞分化アッセイにおけるCD20high/CD44high細胞に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を描写する図である。
4日目及び7日目のB細胞分化培養物におけるCD83+細胞及び発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(図中では化合物Iとして表される)の効果を描写する図である。
B細胞分化培養中のIg J鎖発現に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(図中では化合物Iとして表される)の効果を描写する図である。
産生された絶対量として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
対照の百分率として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
産生された絶対量として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
対照の百分率として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
産生された絶対量として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
対照の百分率として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を例証する図である。
3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の阻害を例証する図である。
3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の強化を例証する図である。
(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の阻害を例証する図である。
(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の強化を例証する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の阻害を例証する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、リポ多糖刺激末梢血単核細胞中におけるある特定のサイトカイン及びケモカインの産生の強化を例証する図である。
3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、産生された絶対量として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、産生された絶対量として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、産生された絶対量として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、1μmのポマリドマイドの存在下で産生されたIFN-ガンマの量の百分率として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、1μmのポマリドマイドの存在下で産生されたIFN-ガンマの量の百分率として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、1μmのポマリドマイドの存在下で産生されたIFN-ガンマの量の百分率として表現される、固定化IgG及びIL-2に応答したNK細胞IFN-ガンマ産生の強化を例証する図である。
成長因子誘導性ヒト臍血管内皮細胞増殖に対する、本明細書で提供される化合物の効果を描写する図である。
成長因子誘導性ヒト臍血管内皮細胞管形成に対する、本明細書で提供される化合物の効果を描写する図である。
成長因子誘導性ヒト臍血管内皮細胞浸潤に対する、本明細書で提供される化合物の効果を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚の真皮厚さに対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果(炎症により誘発される線維症の予防)を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚の真皮厚さを示すヘマトキシリン及びエオシン染色皮膚片顕微鏡写真(炎症により誘発される線維症の予防)を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚中のアルファ-SMA+筋線維芽細胞の数に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果(炎症により誘発される線維症の予防)を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚の真皮厚さに対する、試験した化合物の効果(確立された線維症の退行)を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚の真皮厚さを示すヘマトキシリン及びエオシン染色皮膚片顕微鏡写真(確立された線維症の退行)を描写する図である。
ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚中のアルファ-SMA+筋線維芽細胞の数の低減(確立された線維症の退行)を描写する図である。
TSK-1マウスにおける、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる真皮厚さの低減を描写する図である。
TSK-1マウスにおける、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる相対ヒドロキシプロリン含有量の低減を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるCTGFの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるPAI-1の調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるCOL1Aの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるaSMAの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるCCMPの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるTGFB1の調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによる、COL1、aSMA及びFNの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるMMP1及びPAIの調節を描写する図である。
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンによるDnmt1の調節を描写する図である。
正常及びSSc線維芽細胞におけるセレブロンのmRNA発現レベルを描写する図である。
正常及びSSc皮膚組織におけるセレブロンのmRNA発現レベルを描写する図である。
(7. 詳細な説明)
特に定義しない限り、本明細書において使用されているすべての技術及び科学用語は、
当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。すべての特許、出願、公開
された出願及び他の刊行物は、引用によりその全体が組み込まれている。本明細書におけ
る用語について複数の定義がある場合、別段の定めがない限り、この節のものが優先とな
る。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「治療する」、「
治療すること」及び「治療」は、疾患の重症度又は治療されている疾患若しくは状態に付
随する症状を軽減する又は低減させることを指す。
本明細書において使用される場合、「予防する」、「予防」及び該語の他の形態は、疾
患若しくは障害又は特定の疾患若しくは障害の症状の、発症又は進行の阻害を包含する。
いくつかの実施態様において、がんの家族歴がある対象は、予防レジメンの候補である。
概して、がんの文脈において、用語「予防すること」は、特にがんのリスクがある対象に
おいて、がんの兆候又は症状の発症前の薬物の投与を指す。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「管理すること」
は、特定の疾患若しくは障害の、それを患っていた対象における再発を予防すること、疾
患若しくは障害を患っていた対象が寛解期にある時間を延ばすこと、対象の死亡率を低減
させること、及び/又は管理されている疾患若しくは状態に付随する症状の重症度の低減
若しくは回避を維持することを包括する。
本明細書において使用される場合、「対象」は、動物、典型的には、ヒトを包含する哺
乳動物を意味する。本明細書において使用される場合、「患者」はヒト対象を意味する。
本明細書において使用される場合、且つ別段の定めがない限り、化合物の「治療有効量
」及び「有効量」という用語は、疾患の治療、予防及び/又は管理において治療的利益を
提供するため、治療される疾患又は障害に付随する1つ以上の症状を遅延させる又は最小
化するために十分な量を指す。用語「治療有効量」及び「有効量」は、療法全体を改善す
る、疾患又は障害の症状又は原因を低減させる又は回避する、或いは別の治療剤の治療的
効能を強化する量を包括し得る。
本明細書において使用される場合、且つ別段の定めがない限り、化合物の「予防的に有
効な量」という用語は、疾患若しくは状態、又は疾患若しくは状態に付随する1つ以上の
症状を予防する、或いはその再発を予防するために十分な量である。予防的に有効な量の
化合物は、単独で又は他の作用物質と組み合わせて、疾患の予防における予防的利益を提
供する量の治療剤を意味する。用語「予防的に有効な量」は、予防全体を改善する、又は
別の予防剤の予防的効能を強化する量を包括し得る。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「医薬として許容
し得る塩」は、本明細書で提供される化合物中に存在し得る酸性基の塩を包含するがこれ
に限定されない。ある特定の酸性条件下で、化合物は、種々の無機及び有機酸と、多種多
様な塩を形成することができる。そのような塩基性化合物の医薬として許容し得る塩を製
造するために使用され得る酸は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩
、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物
、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩(estolat
e)、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコ
リルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩
、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸
塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムスケート(muscate)、ナプシル
酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル
酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、
トリエチオダイド、及びパモ酸塩を包含するがこれらに限定されない、薬理学的に許容し
得るアニオンを含む塩を形成するものである。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「水和物」は、非
共有結合分子間力によって結合された化学量論又は非化学量論量の水をさらに包含する、
本明細書で提供される化合物又はその塩を意味する。水和物は、結晶性であっても非結晶
性であってもよい。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「溶媒和物」は、
1種以上の溶媒分子と本明細書で提供される化合物との会合から形成された溶媒和物を意
味する。用語「溶媒和物」は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和
物等)を包含する。溶媒和物は、結晶性であっても非結晶性であってもよい。
本明細書において使用される場合、且つ別段の定めがない限り、用語「立体異性体」は
、すべての鏡像異性体として/立体異性体として(stereomerically)純粋な、及び鏡像異性
体として/立体異性体として富化された本明細書で提供される化合物を包括する。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「立体異性体とし
て純粋な」又は「鏡像異性体として純粋な」は、化合物が1つの立体異性体を含み、その
反対の立体異性体も鏡像異性体も実質的にないことを意味する。例えば、化合物が、80%
、90%、又は95%以上の1つの立体異性体、及び20%、10%、又は5%以下の反対の立体異性体
を含有する場合、該化合物は立体異性体として又は鏡像異性体として純粋である。ある特
定の事例では、本明細書で提供される化合物は、キラル中心に関して、化合物が約80%ee(
鏡像体過剰率)以上、好ましくは特定のキラル中心に関して90%ee以上、より好ましくは特
定のキラル中心に関して95%eeである場合、光学活性又は立体異性体として/鏡像異性体と
して純粋(すなわち、実質的にR形態又は実質的にS形態)とみなされる。
本明細書において使用される場合、且つ別段の指示がない限り、用語「立体異性体とし
て富化された」又は「鏡像異性体として富化された」は、ラセミ混合物、及び本明細書で
提供される化合物の立体異性体の他の混合物(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55
、55/45、60/40、65/35及び70/30)を包括する。
用語「共投与」及び「と組み合わせて」は、2種以上の治療剤(例えば、化合物I、又は
本明細書で提供される組成物、並びにB細胞及び/又はT細胞、単球、マクロファージ、及
び他のリンパ系若しくは骨髄系由来細胞型又は他の活性剤の活性を包含する白血球活性の
別のモジュレーター)の、具体的な時間制限なしに、同時に、同時発生的に若しくは順次
にの何れかでの投与を包含する。一実施態様において、化合物I及び少なくとも1種の他の
作用物質が、細胞内若しくは対象の体内に同じ時間に存在する、又はそれらの生物学的若
しくは治療的効果を同じ時間に発揮する。一実施態様において、治療剤は、同じ組成物又
は単位剤形中にある。別の実施態様において、治療剤は、別個の組成物又は単位剤形中に
ある。
「B細胞」は、骨髄内で成熟するリンパ球であり、ナイーブB細胞、メモリーB細胞、又
はエフェクターB細胞(形質細胞)を包含する。本明細書におけるB細胞は、正常又は非悪性
B細胞であってよい。
「T細胞」は、胸腺内で成熟するリンパ球であり、ヘルパーT細胞、メモリーT細胞、及
び細胞毒性T細胞を包含する。
本明細書において使用される場合、「全生存期間」は、無作為化から全死因死亡までの
時間を指し、包括解析集団において測定される。全生存期間は、無作為化対照研究におい
て評価され得る。
本明細書において使用される場合、「客観的奏効率」は、所定の期間の終わりにおける
、所定の強皮症症状が低減した患者の割合を指す。奏功期間は、通常、初期応答から確認
された強皮症進行までの時間から測定される。
本明細書において使用される場合、「無増悪期間」は、無作為化から客観的強皮症進行
までの時間を意味する。ある特定の実施態様において、無増悪期間は死亡を包含しない。
本明細書において使用される場合、「無増悪生存期間」は、無作為化から客観的強皮症
進行又は死亡までの時間を意味する。
本明細書において使用される場合、「治療成功期間」は、無作為化から、疾患進行、治
療毒性、及び死亡を包含する任意の理由による治療の中止までの時間を測定する任意のエ
ンドポイントを意味する。
本明細書において使用される場合、「死亡率」は、所与の集団における死亡者数の測定
単位を意味する。
本明細書において使用される場合、「呼吸器死亡率」は、急性低酸素血症、或いは、死
亡、呼吸停止、又は性質上呼吸器のものと認められる対象における任意の他の事象につな
がる、人工呼吸器の必要性等の死亡をもたらす他の具体的な呼吸器の悪化で死亡する患者
を意味する。
本明細書において使用される場合、「呼吸器入院」は、患者の入院時診療記録又は他の
医学的初見によって確認された通りの肺の状態における悪化で入院している人を意味する
本明細書において使用される場合、「改良型ロッドナンスキンスコア」は、真皮厚さを
評定するための検証された数値スコアリングシステムを意味する。
本明細書において使用される場合、「皮膚厚さ」は、デュロメーター及びmRSSを包含す
る様々な技術を使用して評価され得る硬い又は硬結した皮膚を意味する。
本明細書において使用される場合、「皮膚硬結」は、硬化した、赤い、炎症を起こした
、肥厚した又は敏感な皮膚を意味する。
本明細書において使用される場合、「皮膚科学的生活の質指標」は、強皮症を有する患
者のための、皮膚症状に関係する質又は生活の評価を意味する。
本明細書において使用される場合、「肺機能」は、努力呼気流量、努力肺活量、FEV 25
〜75%、肺気量又は肺活量の任意の測定を意味する。
本明細書において使用される場合、「一酸化炭素拡散能」は、肺胞毛細血管膜を越える
一酸化炭素の取り込みの評定を意味する。これは、肺から血流へ酸素を移すための肺の能
力の測定のためのプロキシとなり得る。
本明細書において使用される場合、「マーラー呼吸困難指標」は、息切れの臨床的測定
を提供する手段を意味する。
本明細書において使用される場合、「セントジョージ呼吸器質問票スコア」は、肺疾患
患者における生活の質を測定する手段を意味する。
本明細書において使用される場合、「UCLA強皮症臨床試験コンソーシアム胃腸管スコア
」は、強皮症に付随する胃腸管症状(全身性硬化症)を評価するために強皮症を有する患者
に施される質問票を意味する。
本明細書において使用される場合、「血流依存性血管拡張」は、強皮症を有する患者に
おける血管内皮機能の任意の測定を意味する。
本明細書において使用される場合、「6分間歩行距離」は、強皮症を有する患者が6分間
以内で歩行することができる距離の任意の評価、又は一定の期間若しくは距離にわたって
歩行する能力を評価するための任意の標準手順を意味する。
本明細書において使用される場合、ポマリドマイドは、下記の化合物:
Figure 2018070623
を指す。
(7.1 化合物I)
ある特定の実施態様において、併用療法を包含する本明細書で提供される方法で、及び
本明細書で提供される組成物で使用するための化合物Iは、式:
Figure 2018070623
の化合物、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性
体若しくはラセミ混合物である。
一実施態様において、化合物は、下記の構造を有する(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イル
メチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2
,6-ジオン:
Figure 2018070623
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物若しくは互変異性体である。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンの医薬とし
て許容し得る塩である。
一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩であ
る。
一実施態様において、化合物は、下記の構造を有する(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イル
メチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2
,6-ジオン:
Figure 2018070623
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物若しくは互変異性体である。
一実施態様において、化合物は、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンである。
一実施態様において、化合物は、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキ
シ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオンの医薬とし
て許容し得る塩である。
一実施態様において、化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、3-[4-(4-モル
フィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピ
ペリジン-2,6-ジオン塩酸塩、(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン、(R)-3-[4-(4-モル
フィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピ
ペリジン-2,6-ジオン塩酸塩、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-
1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン及び(S)-3-[4-(4-モ
ルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]
ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩から選択される。
化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異
性体若しくはラセミ混合物は、当業者に公知の方法によって、例えば、米国特許出願公開
第2011/0196150号において記述されている手順に従って製造することができ、その全体は
引用により本明細書中に組み込まれている。
製造のための例示的な方法は、実施例1において記述されている。
(7.2 治療方法)
本明細書で提供されるのは、免疫関連及び炎症性疾患に付随する疾患、障害及び/又は
状態を、治療する、予防する及び/又は管理する方法であって、治療有効量の化合物I、又
は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラ
セミ混合物を、それを必要とする患者に投与することを含む、前記方法である。ある特定
の実施態様において、疾患は、狼瘡、強皮症、シェーグレン症候群、ANCA誘導性血管炎、
抗リン脂質症候群及び重症筋無力症から選択される。ある特定の実施態様において、疾患
は、狼瘡又は強皮症である。
化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異
性体若しくはラセミ混合物の過敏症は、全身性エリテマトーデスのMRL/MpJ-Faslpr/Jマウ
スモデル、全身性エリテマトーデスのNZBWF1/Jマウスモデル、ブレオマイシン誘導性皮膚
線維症モデル、及びネズミ拘縮皮膚-1(murine tight skin-1)(Tsk-1)マウスモデルを包含
するがこれらに限定されない、免疫関連及び炎症性疾患のための当業者に公知である動物
モデルを包含する、種々のインビボ及びインビトロアッセイにおいて研究することができ
る。
(7.2.1 強皮症の治療)
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、強皮症又はその症状を、治
療する、予防する及び/又は管理する方法であって、治療有効量の化合物I、又は医薬とし
て許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物
を、強皮症を有する患者に投与することを含む、前記方法である。一実施態様において、
本明細書で提供されるのは、強皮症又はその症状を、治療する、予防する及び/又は管理
する方法であって、有効量の(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1
-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン又は医薬として許容し
得るその塩を投与することを含む、前記方法である。
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、強皮症又はその症状を予防
する方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水
和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、強皮症を有するリスクがある患
者に投与することを含む、前記方法である。一実施態様において、本明細書で提供される
のは、強皮症又はその症状を予防する方法であって、有効量の(S)-3-[4-(4-モルフィリン
-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-
2,6-ジオン又は医薬として許容し得るその塩を投与することを含む、前記方法である。
ある特定の実施態様において、強皮症は、限局性、全身性、限局型全身性又はびまん型
強皮症である。
ある特定の実施態様において、全身性強皮症は、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー症
候群、食道(esophagaeal)機能不全又は運動不全、手指硬化症、毛細血管拡張症)を含む。
強皮症は、全身性硬化症又は全身性進行性硬化症としても公知である。ある特定の実施態
様において、本明細書で提供されるのは、レイノー病又は症候群を治療する又は予防する
方法である。ある特定の実施態様において、全身性硬化症は、強皮症肺疾患、強皮症腎ク
リーゼ、心臓徴候、筋肉衰弱(疲労又は限局型CRESTを包含する)、胃腸管運動不全及びけ
いれん、並びに中枢、末梢及び自律神経系における異常(手根管症候群、続いて三叉神経
痛を包含する)を含む。全身性硬化症は、鬱病を包含する全般的な身体障害、及び生活の
質に対する影響も包含する。
ある特定の実施態様において、限局型全身性強皮症は、手、顔、首、又はそれらの組合
せに限定される。
ある特定の実施態様において、びまん型強皮症は皮膚拘縮を含み、手首(又は肘関節)上
にも出現する。ある特定の実施態様において、びまん型全身性硬化症は、内臓器官の線維
症を含むが皮膚拘縮を含まない正弦強皮症;又は進行性家族性全身性硬化症である。
一実施態様において、強皮症には、疾患関連消耗等の消耗が付随しない。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、強皮症の下記の症状:(i)皮膚の段階
的な硬化、肥厚及び拘縮(例えば、手、顔及び足等の四肢において);(ii)皮膚変色;(iii)
四肢の無感覚;(iv)光沢のある皮膚;(v)白墨のように白い流体になる皮膚の表面下の小さ
な白色の塊;(vi)レイノー食道機能不全(寒冷又は情緒的ストレスへの暴露時に血管のけい
れんによって引き起こされる、手における疼痛、無感覚、及び/又は変色);(vii)毛細血管
拡張症(例えば、手、手のひら、前腕、顔及び口唇上の赤色斑);(viii)関節の疼痛及び/又
はこわばり;(ix)手足の腫脹;(x)皮膚の掻痒;(xi)指の硬直及び湾曲;(xii)指関節及び肘関
節等のある特定の関節の外側における潰瘍(びらん);(xiii)胸焼け、嚥下困難、下痢、過
敏性大腸及び便秘等の消化の問題;(xiv)疲労及び虚弱;(xv)息切れ;(xvi)関節炎;(xvii)脱
毛;(xviii)内臓器官の問題;(xix)指潰瘍;或いは(xx)指の自然切断の1つ以上の、低減、阻
害、又は予防のための方法であって、有効量の化合物Iを、それを必要とする患者に投与
することを含む、前記方法である。
いかなる特定の理論にも縛られないが、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、
溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、Th1免疫応答を強
化し、Th2免疫応答を抑制し、これにより、皮膚における抗線維化効果をもたらし得ると
考えられる。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の皮膚厚さを改善する又は低減
させるための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与すること
を含む、前記方法である。一実施態様において、皮膚厚さは、約20%、約25%、約30%、約4
0%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又はそれ以上、低減する。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症に関連する1つ以上の臨床的エンドポイント
を達成するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、
溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、それを必要とする
患者に投与することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の、全生存期間、客観的奏効率
、無増悪期間、無増悪生存期間及び/又は治療成功期間を増大させるための方法であって
、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体
、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の、死亡率、呼吸器死亡率及び
/又は呼吸器入院を減少させるための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許
容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、
該患者に投与することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の改良型ロッドナンスキンスコ
アを改善するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩
、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与す
ることを含む、前記方法である。一実施態様において、改良型ロッドナンスキンスコアの
改善は、5、10、15若しくは20ポイント、又はそれ以上である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の皮膚厚さを改善する又は低減
させるための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与すること
を含む、前記方法である。一実施態様において、皮膚厚さは、約20%、約25%、約30%、約4
0%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又はそれ以上、低減する。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の皮膚硬結を改善する又は低減
させるための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与すること
を含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の皮膚科学的生活の質指標を改
善するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与すること
を含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の肺機能を改善するための方法
であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立
体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを含む、前記方法
である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の一酸化炭素拡散能を改善する
ための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、
水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを含む
、前記方法である。一実施態様において、患者の一酸化炭素拡散能は、約10%、約20%、約
25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又はそれ以上の、一酸化炭素に
関する肺拡散能(diffusing capacity of the lung for carbon monoxide)(DLco)の改善に
よって改善される。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者のマーラー呼吸困難指標を改善
するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和
物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを
含む、前記方法である。一実施態様において、マーラー呼吸困難指標の改善は、4、5、6
、7、8、9若しくは10ポイント、又はそれ以上である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者のセントジョージ呼吸器質問票
スコアを改善するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るそ
の塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投
与することを含む、前記方法である。一実施態様において、セントジョージ呼吸器質問票
スコアの改善は、4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、52ポイント、又はそ
れ以上である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者のUCLA強皮症臨床試験コンソー
シアム胃腸管スコアを改善するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として
許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を
、該患者に投与することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者又は患者集団の指潰瘍を治療す
る又は予防するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその
塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与
することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の血流依存性血管拡張を改善す
る方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和
物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを含む、前
記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、強皮症を有する患者の6分間歩行距離を改善する又
は増大させる方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与すること
を含む、前記方法である。一実施態様において、6分間歩行距離の改善は、約200メートル
、約250メートル、約300メートル、約350メートル、約400メートル又はそれ以上である。
(7.2.2 エリテマトーデスの治療)
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、エリテマトーデス又はその
症状を、治療する、予防する及び/又は管理する方法であって、治療有効量の化合物I、又
は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラ
セミ混合物を、エリテマトーデスを有する患者に投与することを含む、前記方法である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、エリテマトーデス又はその症状を、治
療する、予防する及び/又は管理する方法であって、治療有効量の(S)-3-[4-(4-モルフィ
リン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリ
ジン-2,6-ジオン又は医薬として許容し得るその塩を、エリテマトーデスを有する患者に
投与することを含む、前記方法である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、エリテマトーデス又はその症状を予
防する方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、
水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、エリテマトーデスを有するリ
スクがある患者に投与することを含む、前記方法である。一実施態様において、本明細書
で提供されるのは、エリテマトーデス又はその症状を予防する方法であって、有効量の(S
)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソイ
ンド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン又は医薬として許容し得るその塩を、エリテマトー
デスを有するリスクがある患者に投与することを含む、前記方法である。
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、全身性エリテマトーデス(s
ystemic lupus erythematosus)(SLE)、皮膚エリテマトーデス(cutaneous lupus erythema
tosus)(CLE)又は薬物誘発性狼瘡を、治療する、予防する及び/又は管理するための方法で
ある。
句「全身性エリテマトーデス」は、本明細書において、SLE及び狼瘡と交換可能に使用
され、当技術分野において公知の通りの疾患のすべての徴候(寛解及び発赤を包含する)を
指す。SLEにおいては、Bリンパ球の異常な過活動及び免疫グロブリンガンマ(immunoglobu
lin gamma)(IgG)自己抗体の大量の異常産生が中心的な役割を果たす。この病理学的プロ
セスは、Ig被覆細胞の滞留及び破壊、補体タンパク質の固着及び開裂、並びにケモタキシ
ン、血管作動性ペプチド及び破壊酵素の組織への放出をもたらす(Hahn BH.の論文、全身
性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus). Kasper DL、Braunwald E、Fauci
AS、Hauser SL、Longo DL、Jameson、JLら編集、ハリソン内科学(Harrison's Principles
of Internal Medicine)(第16版). New York (US): McGraw-Hill; 2005. pp.1960-1967)
SLEの症状は、人によって様々であり、現れたり消えたりし得る。ほとんどの患者にお
いて、症状は、関節痛及び腫脹を包含する。高頻度で罹患する関節は、指、手、手首、及
び膝である。一部の患者は、関節炎を発病する。他の一般的な症状は:深呼吸時の胸痛、
疲労、他に原因がない発熱、全身の不快感、不安、又は嫌悪感(不快感)、脱毛、口のびら
ん、リンパ節の腫大、日光過敏症、皮膚発疹-頬及び鼻梁上の「蝶形」紅斑は、SLEの人々
の約半分を侵し、一部の患者において、紅斑は日光が当たると悪化し、紅斑が広がること
もある-を包含する。
他の症状は、身体のどの部分が罹患しているかによって決まり、下記を包含し得る:
脳及び神経系:頭痛、無感覚、刺痛、発作、視覚問題、人格変化、
消化管:腹痛、悪心、及び嘔吐、
心臓:心拍リズムの異常(不整脈)、
肺:喀血及び呼吸困難、並びに
皮膚:斑状皮膚色、寒冷時に変色する指(レイノー現象)。
一部の患者は、皮膚症状のみを有する。これを円板状狼瘡と呼ぶ。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、中等度、重度、又は非常に重度のSL
Eを治療する方法である。用語「重度のSLE」は、本明細書において使用される場合、患者
が、1つ以上の重度の又は致死的な症状(溶血性貧血、心肥大(extensive heart)若しくは
肺併発症、腎疾患、又は中枢神経系併発症等)を有するSLE状態を指す。
本明細書でさらに提供されるのは、SLEに関連する1つ以上の臨床的エンドポイントを達
成するための方法であって、有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を、それを必要とする患者
に投与することを含む、前記方法である。
本明細書でさらに提供されるのは、SLEを有する患者の、全生存期間、客観的奏効率、
無増悪期間、無増悪生存期間及び/又は治療成功期間を増大させるための方法であって、
有効量の化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、
互変異性体若しくはラセミ混合物を、該患者に投与することを含む、前記方法である。
ある特定の実施態様において、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物
、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、形質芽球段階への初代ヒト
メモリーCD19+B細胞分化の阻害剤として作用する。いかなる特定の理論にも縛られないが
、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異
性体若しくはラセミ混合物は、細胞を早期段階でブロックし、それにより、高レベルの免
疫グロブリンを産生することができる形質芽球の数を減少させると考えられる。この効果
の機能的結果は、これらの分化培養物中における免疫グロブリンG(immunoglobulin G)(Ig
G)及び免疫グロブリンM(immunoglobulin M)(IgM)産生の低減である。
ある特定の実施態様において、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物
、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、形質芽球段階に分化する初
代ヒトメモリーCD19+B細胞の能力を阻害する。ある特定の実施態様において、化合物I、
又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくは
ラセミ混合物は、短期培養物中の成熟CD138+形質細胞に対して有意な効果を有さない。あ
る特定の実施態様において、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水
和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、インターフェロン調節因子4(in
terferon regulatory factor 4)(IRF4)、リンパ球誘導性成熟タンパク質(lymphocyte-ind
uced maturation protein)(BLIMP)、Xボックスタンパク質1(X-box-protein-1)(XBP-1)及
びB細胞リンパ腫6(B-cell lymphoma 6)(Bcl6)を包含するB細胞分化因子を阻害する。
(7.2.3 他の免疫関連疾患又は障害の治療)
本明細書でさらに提供されるのは、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒
和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を使用して、他の免疫関連
疾患又は状態を、治療する、管理する、又は予防する方法である。ある特定の実施態様に
おいて、本明細書で提供されるのは、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジル
オキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン又は医薬と
して許容し得るその塩を使用して、他の免疫関連疾患又は状態を、治療する、管理する、
又は予防する方法である。ある特定の実施態様において、例えば、本明細書で提供される
のは、不適切な又は望ましくない免疫応答によって引き起こされるか、又はそれらに付随
する疾患又は障害、例えば、免疫抑制によって有益に治療され得る疾患、障害又は状態を
有する個体を治療する方法であって、該個体に、化合物I、又は医薬として許容し得るそ
の塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物を投与すること
を含む、前記方法である。ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、不
適切な又は望ましくない免疫応答によって引き起こされる、又はそれらに付随する疾患又
は障害、例えば、免疫抑制によって有益に治療され得る疾患、障害又は状態を有する個体
を治療する方法であって、該個体に、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジル
オキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン又は医薬と
して許容し得るその塩を投与することを含む、前記方法である。
種々の具体的な実施態様において、前記免疫関連疾患は、シェーグレン症候群、ANCA誘
導性血管炎、抗リン脂質症候群、重症筋無力症、アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎
、抗リン脂質抗体症候群、抗リン脂質症候群(原発性又は続発性)、ぜんそく、自己免疫性
胃炎、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性リンパ
増殖性疾患、自己免疫性血小板減少性紫斑病、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱
瘡、心筋症、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、瘢痕性(cicat
rical)類天疱瘡(例えば、粘膜類天疱瘡)、寒冷凝集疾患、ドゴー病、ヘルペス状皮膚炎(d
ermatitis hepatiformis)、本態性混合型クリオグロブリン血症、グッドパスチャー症候
群、バセドウ病、ギラン-バレー症候群、橋本甲状腺炎(橋本病;自己免疫性甲状腺炎(thyr
oditis))、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病、IgA腎症、若年性関節炎、扁平
苔癬、メニエール病、混合性結合組織疾患、斑状強皮症(morephea)、ナルコレプシー、神
経筋緊張症、小児自己免疫性神経精神疾患(pediatric autoimmune neuropsychiatric dis
orders)(PANDAs)、尋常性天疱瘡、悪性貧血、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、リウマ
チ性多発筋痛、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、レイノー病(レイ
ノー現象)、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、リウマチ熱、シェーグレン症候群、
スティッフパーソン症候群(メルシュ-ヴォルトマン症候群)、高安動脈炎、側頭動脈炎(巨
細胞性動脈炎)、ブドウ膜炎、血管炎(例えば、エリテマトーデスに関連しない血管炎)、
白斑、及び/又はウェゲナー肉芽腫症から選択される1つ以上である。
(7.2.4 腎機能障害患者のための治療)
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、腎機能低下患者において、
本明細書で提供される疾患を治療する、予防する及び/又は管理する方法である。ある特
定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、疾患、老化、又は他の患者因子によ
るがこれらに限定されない、腎機能低下患者のための適切な用量調整を提供する方法であ
る。
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、腎機能低下患者において、
本明細書で提供される疾患又はその症状を、治療する、予防する及び/又は管理する方法
であって、治療有効量の本明細書で提供される化合物を、腎機能低下患者に投与すること
を含む、前記方法である。一実施態様において、本明細書で提供されるのは、腎機能低下
患者において、再発性疾患又はその症状を、治療する、予防する及び/又は管理する方法
であって、治療有効量の(S)-3-(4-((4-モルフィリノメチル(morphlinomethyl))ベンジル)
オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン又は医薬として許容し
得るその塩を、再発性疾患を腎機能低下とともに有する患者に投与することを含む、前記
方法である。
一実施態様において、本明細書で提供されるのは、腎機能低下患者における再発を予防
する方法であって、有効量の本明細書で提供される化合物を、再発を有するリスクがある
腎機能低下患者に投与することを含む、前記方法である。一実施態様において、本明細書
で提供されるのは、腎機能低下患者における再発を予防する方法であって、有効量の(S)-
3-(4-((4-モルフィリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペ
リジン-2,6-ジオン又は医薬として許容し得るその塩を、再発を有するリスクがある腎機
能低下患者に投与することを含む、前記方法である。
本明細書で提供される実施態様のすべてにおいて、腎臓に機能障害がある患者が治療さ
れる場合、ポマリドマイド又はその代謝産物を排出することにおける腎臓に機能障害があ
る患者の能力の減少により、腎臓に機能障害がある患者には、正常な患者(例えば、腎機
能障害のない患者)に投与される用量よりも低い用量の化合物を投与することが必要であ
る。故に、一実施態様において、本明細書で提供されるのは、腎臓に機能障害がある患者
を、正常な患者に投与される用量よりも低い用量の本明細書で提供される化合物で治療す
るための方法である。
ある特定の実施態様において、化合物の治療的又は予防的に有効な量は、1日当たり約0
.005から約1,000mgまで、1日当たり約0.01から約500mgまで、1日当たり約0.01から約250m
gまで、1日当たり約0.01から約100mgまで、1日当たり約0.1から約100mgまで、1日当たり
約0.5から約100mgまで、1日当たり約1から約100mgまで、1日当たり約0.01から約50mgまで
、1日当たり約0.1から約50mgまで、1日当たり約0.5から約50mgまで、1日当たり約1から約
50mgまで、1日当たり約0.02から約25mgまで、又は1日当たり約0.05から約10mgまでである
(7.3 投与量及び投薬量)
患者に投与される化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立
体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物の用量は、かなり広く変動可能であり、医療
従事者の判断に依存し得る。化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水
和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物の用量は、治療、予防、又は管理さ
れる具体的な適応症;患者の年齢及び状態;並びにもしあれば使用される第二の活性剤の量
等の要因に応じて変動し得る。概して、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶
媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、患者において、患者
の体重1kgにつき約0.005mgから患者の体重1kgにつき約10mgの用量で、1日1から4回以上投
与され得るが、上記の投与量は、患者の年齢、体重及び医学的状態、並びに投与の種類に
応じて適正に変動し得る。一実施態様において、用量は、患者の体重1kgにつき約0.01mg
から患者の体重1kgにつき約5mg、患者の体重1kgにつき約0.05mgから患者の体重1kgにつき
約1mg、患者の体重1kgにつき約0.1mgから患者の体重1kgにつき約0.75mg、又は患者の体重
1kgにつき約0.25mg/kgから患者の体重1kgにつき約0.5mgである。
一実施態様において、1日当たり1回用量が与えられる。任意の所与の事例において、投
与される化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、
互変異性体若しくはラセミ混合物の量は、活性構成要素の溶解性、使用される製剤、及び
投与経路等の要因によって決まることになる。一実施態様において、局所濃縮物の適用は
、細胞内暴露又は約0.01〜10μMの濃度を提供する。
ある特定の実施態様において、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物
、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、1日当たり約0.1mgから約10
00mgまでの量で使用され、従来の方式で(例えば、治療、予防又は管理期間の各日に同じ
量が投与される)、サイクルで(例えば、1週間続け、1週間やめる)、又は治療、予防若し
くは管理の経過にわたって増大若しくは減少する量で調整され得る。他の実施態様におい
て、用量は、約1mgから約300mgまで、約0.1mgから約150mgまで、約1mgから約200mgまで、
約10mgから約100mgまで、約0.1mgから約50mgまで、約1mgから約50mgまで、約10mgから約5
0mgまで、約20mgから約30mgまで、又は約1mgから約20mgまでであってよい。他の実施態様
において、用量は、約0.1mgから約100mgまで、約0.1mgから約50mgまで、約0.1mgから約25
mgまで、約0.1mgから約20mgまで、約0.1mgから約15mgまで、約0.1mgから約10mgまで、約0
.1mgから約7.5mgまで、約0.1mgから約5mgまで、約0.1mgから約4mgまで、約0.1mgから約3m
gまで、約0.1mgから約2mgまで、又は約1mgから約1mgまでであってよい。
(7.4 併用療法)
化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異
性体若しくはラセミ混合物を、他の薬理学的に活性な化合物(「第二の活性剤」)と、本明
細書で提供される方法及び組成物において組み合わせてよい。ある特定の組合せは、特定
の種類の疾患又は障害、及びそのような疾患又は障害に付随する状態及び症状の治療にお
いて相乗的に働くことができる。化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物
、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、ある特定の第二の活性剤に
付随する有害作用を軽減するようにも働くことができ、逆もまた然りである。
1種以上の第二の活性成分又は薬剤を、本明細書で提供される方法及び組成物において
使用してよい。第二の活性剤は、巨大分子(例えば、タンパク質)であっても小分子(例え
ば、合成無機、有機金属、又は有機分子)であってもよい。
別の実施態様において、本明細書で提供される治療方法は、第二の治療剤の投与を含み
、該第二の治療剤は、抗炎症薬、例えば、ステロイド系抗炎症薬、又は非ステロイド系抗
炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drug)(NSAID)、アセトアミノフェン、ナプロ
キセン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸等である。NSAIDが投与される、より具体
的な実施態様において、プロトンポンプ阻害剤(proton pump inhibitor)(PPI)、例えばオ
メプラゾールも投与され得る。一実施態様において、抗炎症剤はコルチコステロイドであ
る。別の実施態様において、抗炎症剤はコルヒチンである。
別の実施態様において、第二の治療剤は、アザチオプリン(Imuran(商標)、Azasan(商標
))、メトトレキサート(Rheumatrex(商標)、Trexall(商標))、ペニシラミン(Depen(商標)
、Cuprimine(商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、ミコフェネレート(mycophen
alate)(CellCept(商標)、Myfortic(商標))、ボセンタン(Tracleer(登録商標))、プレドニ
ソン(Deltasone(商標)、Liquid Pred(商標))、及びPDE5阻害剤等の免疫調節化合物又は免
疫抑制化合物である。罹患した個体が指潰瘍形成及び肺高血圧症を有する別の実施態様に
おいて、プロスタサイクリン(イロプロスト)等の血管拡張剤が投与され得る。
別の実施態様において、第二の治療剤は、ロミデプシン、ボリノスタット、パノビノス
タット、バルプロ酸、若しくはベリノスタット等のHDAC阻害剤;又は、インターロイキン
、免疫調節モノクローナル抗体、若しくはカルメット-ゲラン桿菌(bacillus Calmette-Gu
erin)(BCG)等の生物学的作用物質である。
別の実施態様において、第二の治療剤は、ActRII受容体の阻害剤又はアクチビン-ActRI
I阻害剤である。ActRII受容体の阻害剤は、ActRIIA阻害剤及びActRIIB阻害剤を包含する
。ActRII受容体の阻害剤は、ActRIIのアクチビン結合ドメインを含むポリペプチドであっ
てよい。ある特定の実施態様において、ポリペプチドを含むアクチビン結合ドメインは、
抗体のFc部分と連結している(すなわち、ActRII受容体のポリペプチドを含むアクチビン
結合ドメインと抗体のFc部分とを含むコンジュゲートが生成される)。ある特定の実施態
様において、アクチビン結合ドメインは、リンカー、例えばペプチドリンカーを介して、
抗体のFc部分と連結している。
ヒトFcドメインと融合された例示的なアクチビン結合ActRIIAポリペプチドは、配列番
号1で示される。
配列番号1
Figure 2018070623
Fcドメインと融合されたActRIIBの可溶性細胞外ドメインを含む例示的な融合タンパク
質は、配列番号2で示される。
配列番号2
Figure 2018070623
アクチビン又はActRIIA結合のために選択される非抗体タンパク質のさらなる例、並び
にそのデザイン及び選択のための方法は、WO/2002/088171、WO/2006/055689、WO/2002/03
2925、WO/2005/037989、US 2003/0133939及びUS 2005/0238646において見られ、そのそれ
ぞれは、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれている。
一実施態様において、ActRII受容体の阻害剤はACE-11である。別の実施態様において、
ActRII受容体の阻害剤はACE-536である。
疾患又はその症状の治療に好適な、上記の治療剤の任意の組合せを投与してよい。その
ような治療剤は、化合物I、又は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体
異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物との任意の組合せで、同じ時間に又は治療の別
個の経過として投与され得る。
(7.5 サイクリング療法)
ある特定の実施態様において、本明細書で提供される化合物I、又は医薬として許容し
得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物は、患者
にサイクルで投与される。サイクリング療法には、一定期間にわたる活性剤の投与、続い
て一定期間にわたる休止(すなわち、投与の中止)、及びこの順次投与を繰り返すことを伴
う。サイクリング療法は、1つ以上の療法に対する耐性の発生を低減させ、1つの療法の副
作用を回避若しくは低減させ、且つ/又は治療の効能を改善することができる。
その結果として、一実施態様において、本明細書で提供される化合物は、単回又は分割
用量で、約1又は2週間の休止期間がある4から6週間サイクルにて、毎日投与される。サイ
クリング療法は、投薬サイクルの頻度、数、及び長さを増大させることをさらに可能にす
る。故に、別の実施態様は、本明細書で提供される化合物の、それが単独で投与される場
合に典型的であるよりも多いサイクルにわたる投与を包括する。また別の実施態様におい
て、本明細書で提供される化合物は、第二の活性成分も投与されるのではない患者におい
て、典型的には用量制限毒性を引き起こすであろう数よりも大きいサイクルにわたって投
与される。
一実施態様において、本明細書で提供される化合物は、3又は4週間にわたって、1日当
たり約0.03mgから約10mgまでの用量で、毎日連続的に投与され、続いて1又は2週間の休止
となる。他の実施態様において、用量は、約0.1mgから約8mgまで、約0.3mgから約6mgまで
、約1mgから約4mgまで、又は約2mg、続いて休止であってよい。
一実施態様において、本明細書で提供される化合物及び第二の活性成分は、4から6週間
のサイクル中に、第二の活性成分の30から60分前に出現する本明細書で提供される化合物
の投与とともに、経口的に投与される。別の実施態様において、本明細書で提供される化
合物と第二の活性成分との組合せは、サイクルごとに約90分間にわたる静脈内注入によっ
て投与される。
典型的には、組合せ治療が患者に施されるサイクルの数は、約1から約24サイクルまで
、約2から約16サイクルまで、又は約4から約3サイクルまでとなる。
(7.6 バイオマーカー)
ある特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される種々
の疾患又は障害の治療のためのバイオマーカーである。一実施態様において、バイオマー
カーは、B細胞の表面上に見られる分子である分化-44のクラスター(cluster of differen
tiation-44)(「CD44」)である。別の実施態様において、バイオマーカーは、B細胞の表面
上に見られる分子である分化-83のクラスター(cluster of differentiation-83)(「CD83
」)である。他の実施態様において、バイオマーカーは、CD44及びCD83の組合せである。
本明細書で提供されるタンパク質バイオマーカーのレベルは、当技術分野において公知
である任意の方法によって検出又は定量化され得る。ある特定の実施態様において、抗体
ベースの方法が使用される。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、免疫
ブロット法(ウエスタンブロット)、酵素結合免疫吸着アッセイ(enzyme-linked immunosor
bent assay)(ELISA)、免疫組織化学、フローサイトメトリー、サイトメトリービーズアレ
イ、又は質量分析である。
ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、免疫ブロット法(ウエスタンブ
ロット)である。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、酵素結合免疫吸
着アッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay)(ELISA)である。ある特定の実施態様に
おいて、検出又は定量化方法は、直接的ELISAである。ある特定の実施態様において、検
出又は定量化方法は、間接的ELISAである。ある特定の実施態様において、検出又は定量
化方法は、サンドイッチELISAである。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方
法は、免疫組織化学である。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、フロ
ーサイトメトリーである。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、サイト
メトリービーズアレイである。ある特定の実施態様において、検出又は定量化方法は、質
量分析である。
ある特定の実施態様は、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する見込み
がある対象を同定する方法を包含する。ある特定の実施態様において、方法は、対象由来
の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを決定することを伴う。ある特定の実
施態様において、バイオマーカーはCD44である。ある特定の実施態様において、バイオマ
ーカーはCD83である。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD44、CD83又はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定す
ることと;b)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを、該バイオ
マーカーの基準レベルと比較することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバ
イオマーカーのレベルが、該バイオマーカーの基準レベルと比較して改変されていれば、
該対象は該治療に応答する見込みがある。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD44、CD83又はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定す
ることと;b)対照試料中における該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由
来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマー
カーのレベルと比較することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーのレベルが、該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較して改変されてい
れば、該対象は該治療に応答する見込みがある。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD83である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)該対象由来の
生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの基準レベルと比
較することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルが、
該バイオマーカーの基準レベルよりも高ければ、該対象は該治療に応答する見込みがある
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD83である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)対照試料中に
おける該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由来の生物学的試料中にお
けるバイオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較する
こととを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルが、該対照
試料中におけるバイオマーカーのレベルよりも高ければ、該対象は該治療に応答する見込
みがある。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD44である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)該対象由来の
生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを該バイオマーカーの基準レベルと比較
することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルが、該
バイオマーカーの基準レベルよりも低ければ、該対象は該治療に応答する見込みがある。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に応答する
見込みがある対象を同定する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーであって、CD44である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)対照試料中に
おける該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由来の生物学的試料中にお
けるバイオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較する
こととを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルが、該対照
試料中におけるバイオマーカーのレベルよりも低ければ、該対象は該治療に応答する見込
みがある。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD44、CD83又はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定すること
と;b)該生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを、該バイオマーカーの基準レ
ベルと比較することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレ
ベルと該バイオマーカーの基準レベルとの間の差異は、該治療に対する該対象の応答性と
相関する。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD44、CD83又はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定すること
と;b)対照試料中における該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由来の生
物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマーカーの
レベルと比較することとを含み;該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーの
レベルと該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルとの間の差異は、該治療に対する
該対象の応答性と相関する。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD83である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)該生物学的試料中に
おけるバイオマーカーのレベルと、該バイオマーカーの基準レベルとを比較することとを
含み、該バイオマーカーの基準レベルと比較した、該対象由来の生物学的試料中における
バイオマーカーのレベル増大は、該治療に対する該対象の応答性増大と相関している。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD83である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)対照試料中における
該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由来の生物学的試料中におけるバ
イオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較することと
を含み;該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較した、該対象由来の生物学
的試料中におけるバイオマーカーのレベル増大は、該治療に対する該対象の応答性増大と
相関している。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD44である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)該生物学的試料中に
おけるバイオマーカーを、該バイオマーカーの基準レベルと比較することとを含み、該バ
イオマーカーの基準レベルと比較した、該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマー
カーのレベル減少は、該治療に対する該対象の応答性増大と相関している。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療に対する対
象の応答性を予測する方法は:a)該対象由来の生物学的試料中におけるバイオマーカーで
あって、CD44である該バイオマーカーのレベルを決定することと;b)対照試料中における
該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該対象由来の生物学的試料中におけるバ
イオマーカーのレベルを該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較することと
を含み;該対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較した、該対象由来の生物学
的試料中におけるバイオマーカーのレベル減少は、該治療に対する該対象の応答性増大と
相関している。
ある特定の実施態様において、治療化合物で治療されている対象における、疾患、障害
又は状態の治療の効能をモニターする方法は:a)該対象由来の第一の生物学的試料を取得
することと;b)該第一の生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD44、CD83又
はそれらの組合せである該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該治療化合物を
該対象に投与することと;d)その後、該対象由来の第二の生物学的試料を取得することと;
e)該第二の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを決定することと;f)該第一
及び第二の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルを比較することとを含み;該
対象の第二の生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベルが、該対象の第一の生物学
的試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較して改変されていれば、該対象は該治療
に応答する。
ある特定の実施態様において、治療化合物で治療されている対象における、疾患、障害
又は状態の治療の効能をモニターする方法は:a)該対象由来の第一の生物学的試料を取得
することと;b)該第一の生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD83である該
バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該治療化合物を該対象に投与することと;d)
その後、該対象由来の第二の生物学的試料を取得することと;e)該第二の生物学的試料中
におけるバイオマーカーのレベルを決定することと、f)該第一及び第二の生物学的試料中
におけるバイオマーカーのレベルを比較することとを含み;該対象由来の第二の生物学的
試料中におけるバイオマーカーのレベルが、該対象由来の第一の生物学的試料中における
バイオマーカーのレベルよりも高ければ、該対象は該治療に応答する。
ある特定の実施態様において、治療化合物で治療されている対象における、疾患、障害
又は状態の治療の効能をモニターする方法は:a)該対象由来の第一の生物学的試料を取得
することと;b)該第一の生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD44である該
バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該治療化合物を該対象に投与することと;d)
その後、該対象由来の第二の生物学的試料を取得することと;e)該第二の生物学的試料中
におけるバイオマーカーのレベルを決定することと、f)該第一及び第二の生物学的試料中
におけるバイオマーカーのレベルを比較することとを含み;該対象由来の第二の生物学的
試料中におけるバイオマーカーのレベルが該対象由来の第一の生物学的試料中におけるバ
イオマーカーのレベルよりも低ければ、該対象は該治療に応答する。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療への対象の
コンプライアンスをモニターする方法は:a)該対象由来の生物学的試料を取得することと;
b)該生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD44、CD83又はそれらの組合せで
ある該バイオマーカーのレベルを決定することと;c)該バイオマーカーのレベルを、該対
象由来の対照未処置試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較することとを含み;該
対照試料中におけるバイオマーカーのレベルと比較した、該生物学的試料中におけるバイ
オマーカーのレベルの変化は、該治療への該対象のコンプライアンスを示す。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療への対象の
コンプライアンスをモニターする方法は:a)該対象由来の生物学的試料を取得することと;
b)該生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD83である該バイオマーカーのレ
ベルを決定することと;c)該バイオマーカーのレベルを、該対象由来の対照未処置試料中
におけるバイオマーカーのレベルと比較することとを含み;該対照試料中におけるバイオ
マーカーのレベルと比較した、該生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベル増大は
、該治療への該対象のコンプライアンスを示す。
ある特定の実施態様において、治療化合物による疾患、障害又は状態の治療への対象の
コンプライアンスをモニターする方法は:a)該対象由来の生物学的試料を取得することと;
b)該生物学的試料中におけるバイオマーカーであって、CD44である該バイオマーカーのレ
ベルを決定することと;c)該バイオマーカーのレベルを、該対象由来の対照未処置試料中
におけるバイオマーカーのレベルと比較することとを含み;該対照試料中におけるバイオ
マーカーのレベルと比較した、該生物学的試料中におけるバイオマーカーのレベル減少は
、該治療への該対象のコンプライアンスを示す。
ある特定の実施態様において、治療化合物は免疫調節化合物である。ある特定の実施態
様において、治療化合物は、3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキ
ソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩、又は医薬とし
て許容し得るその塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体若しくはラセミ混合物
である。一実施態様において、化合物は、(S)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジ
ルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、又
は医薬として許容し得るその塩、溶媒和物若しくは水和物である。
(7.7 医薬組成物及び剤形)
医薬組成物は、個々の単一単位剤形の製造において使用され得る。本明細書で提供され
る医薬組成物及び剤形は、本明細書で提供される化合物、又は医薬として許容し得るその
塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、ラセミ体、クラスレート若しくはプロドラッグを含
む。医薬組成物及び剤形は、1種以上の添加剤をさらに含み得る。
本明細書で提供される医薬組成物及び剤形は、1種以上の追加の活性成分も含み得る。
任意選択の第二の、又は追加の活性成分の例は、上記で開示されている。
本明細書で提供される単一単位剤形は、患者への、経口、粘膜(例えば、経鼻、舌下、
経膣、口腔、又は直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注射、筋肉内、又は動
脈内)、局所(例えば、点眼剤又は他の眼科用調製物)、経皮又は経皮的投与に好適である
。剤形の例は:錠剤;カプレット剤;軟弾性ゼラチンカプセル剤等のカプセル剤;カシェ剤;
口内錠;ロゼンジ剤;分散剤;坐剤;散剤;エアゾール剤(例えば、鼻腔用スプレー剤又は吸入
器);ゲル剤;懸濁剤(例えば、水性若しくは非水性液体懸濁剤、水中油型エマルション、又
は油中水型液体エマルション)、液剤、及びエリキシル剤を包含する、患者への経口又は
粘膜投与に好適な液体剤形;患者への非経口投与に好適な液体剤形;点眼剤、又は局所投与
に好適な他の眼科用調製物;並びに患者への非経口投与に好適な液体剤形を提供するため
に再構成され得る無菌固体(例えば、結晶性又はアモルファス固体)を包含するがこれらに
限定されない。
剤形の組成、形状、及び種類は、典型的には、それらの使用に応じて変動することにな
る。例えば、ある疾患の急性治療において使用される剤形は、同じ疾患の慢性治療におい
て使用される剤形よりも多量の、それが含む1種以上の活性成分を含有し得る。同様に、
非経口剤形は、同じ疾患を治療するために使用される経口剤形よりも少量の、それが含む
1種以上の活性成分を含有し得る。具体的な剤形が使用されるこれら及び他の手法は、そ
れぞれによって変動することになり、当業者には容易に明らかとなるであろう。例えば、
レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第20版、Mack Publish
ing、Easton PA (2000)を参照されたい。
一実施態様において、医薬組成物及び剤形は、1種以上の添加剤を含む。好適な添加剤
は薬学分野の当業者に周知であり、好適な添加剤の非限定的な例が本明細書で提供される
。特定の添加剤が医薬組成物又は剤形への組み込みに好適であるか否かは、剤形が患者に
投与される手法を包含するがこれに限定されない、当業者に周知の様々な要因によって決
まる。例えば、錠剤等の経口剤形は、非経口剤形において使用するのに適していない添加
剤を含有し得る。特定の添加剤の適合性も、剤形中の具体的な活性成分によって決まり得
る。例えば、いくつかの活性成分の分解は、ラクトース等のいくつかの添加剤によって、
又は水に暴露された際に、加速し得る。第一級又は第二級アミンを含む活性成分は、その
ような加速した分解に特に影響を受けやすい。その結果として、もしあればわずかなラク
トース他の一又は二糖を含有する医薬組成物及び剤形が提供される。本明細書において使
用される場合、用語「ラクトースフリー」は、もしあれば、存在するラクトースの量が、
活性成分の分解速度を実質的に増大させるのに不十分であることを意味する。
ラクトースフリー組成物は、当技術分野において周知であり、例えば、米国薬局方(U.S
. Pharmacopeia)(USP) 25-NF20 (2002)に収載されている添加剤を含み得る。概して、ラ
クトースフリー組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、及び滑沢剤を医薬として適合し得
る、且つ医薬として許容し得る量で含む。一実施態様において、ラクトースフリー剤形は
、活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウム
を含む。
水はいくつかの化合物の分解を容易にすることができるため、活性成分を含む無水医薬
組成物及び剤形も提供される。例えば、水(例えば、5%)の添加は、医薬品分野において、
保存可能期間又は製剤の経時的な安定性等の特徴を決定するために長期保存をシミュレー
トする手段として広く許容されている。例えば、Jens T. Carstensen、薬物の安定性:原
理及び実践(Drug Stability: Principles & Practice)、第2版、Marcel Dekker、NY、NY
、1995、pp. 379-80を参照されたい。実際に、水及び熱は、いくつかの化合物の分解を加
速させる。故に、水分及び/又は湿度には、製剤の製作、取り扱い、包装、保存、輸送、
及び使用中に一般的に遭遇することから、製剤に対する水の効果は意義の大きなものとな
り得る。
無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有原料、及び低水分又は低湿度条件を使
用して製造され得る。ラクトースと、第一級又は第二級アミンを含む少なくとも1種の活
性成分とを含む医薬組成物及び剤形は、製作、包装、及び/又は保存が期待されている間
、水分及び/又は湿度と実質的に接触しているならば、無水である。
無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように製造及び保存されなくてはならな
い。したがって、無水組成物は、一実施態様において、好適な処方キットに包含され得る
ような水への暴露を防止することが公知である材料を使用して包装される。好適な包装の
例は、密封ホイル、プラスチック、単位用量コンテナ(例えば、バイアル)、ブリスターパ
ック、及びストリップパックを包含するがこれらに限定されない。
活性成分が分解する速度を低減させる、1種以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形も
提供される。そのような化合物は、本明細書において「安定剤」と称され、アスコルビン
酸等の酸化防止剤、pH緩衝液、又は塩緩衝液を包含するがこれらに限定されない。
添加剤の量及び種類のように、剤形における活性成分の量及び具体的な種類は、それが
患者に投与される経路等であるがこれに限定されない要因に応じて異なり得る。一実施態
様において、剤形は、本明細書で提供される化合物を、約0.10から約500mgまでの量で含
む。他の実施態様において、剤形は、本明細書で提供される化合物を、約0.1、1、2、5、
7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又
は500mgの量で含む。
他の実施態様において、剤形は、第二の活性成分を、1から約1000mgまで、約5から約50
0mgまで、約10から約350mgまで、又は約50から約200mgまでの量で含む。当然ながら、第
二の活性剤の具体的な量は、使用される具体的な作用物質、治療又は管理されている疾患
又は障害、及び本明細書で提供される化合物の量、並びに患者に同時発生的に投与される
任意選択の追加の活性剤によって決まることになる。
(6.6.1 経口剤形)
経口投与に好適な医薬組成物は、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット剤、カプセ
ル剤、及び液体(例えば、風味付けしたシロップ)等であるがこれらに限定されない不連続
な剤形として提供され得る。そのような剤形は、所定量の活性成分を含有し、当業者に周
知である薬学の方法によって製造され得る。概して、レミントンの製薬科学(Remington’
s Pharmaceutical Sciences)、第20版、Mack Publishing、Easton PA (2000)を参照され
たい。
本明細書で提供される経口剤形は、活性成分を、少なくとも1種の添加剤との緊密混合
物中に、従来の医薬配合技術に従って組み合わせることによって製造される。添加剤は投
与に望ましい製造の形態に応じて多種多様な形態をとり得る。例えば、経口液体又はエア
ゾール剤形における使用に好適な添加剤は、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、
保存剤、及び着色剤を包含するがこれらに限定されない。固体経口剤形(例えば、散剤、
錠剤、カプセル剤、及びカプレット剤)における使用に好適な添加剤の例は、デンプン、
糖、微結晶性セルロース、賦形剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、及び崩壊剤を包含するがこ
れらに限定されない。
一実施態様において、経口剤形は錠剤又はカプセル剤であり、この事例においては、固
体添加剤が用いられる。別の実施態様において、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術に
よってコーティングされ得る。そのような剤形は、薬学の方法の何れかによって製造され
得る。概して、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微粉化した固体担体、又
は両方と均一且つ密接に混合し、次いで、必要ならば、生成物を所望の提示物に成形する
ことによって製造される。
例えば、錠剤は、圧縮又は成型によって製造され得る。圧縮錠剤は、場合により添加剤
と混合された、散剤又は顆粒剤等の易流動性形態の活性成分を、好適なマシン内で圧縮す
ることによって製造され得る。成型錠剤は、好適なマシン内で、不活性液体賦形剤で湿ら
せた粉末状化合物の混合物を成型することによって作製され得る。
本明細書で提供される経口剤形において使用され得る添加剤の例は、結合剤、充填剤、
崩壊剤、及び滑沢剤を包含するがこれらに限定されない。医薬組成物及び剤形において使
用するのに好適な結合剤は、コーンスターチ、バレイショデンプン、又は他のデンプン、
ゼラチン、アカシア等の天然及び合成ガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のア
ルギン酸塩、トラガカント末、グァーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチル
セルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメ
チルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アルファ化デ
ンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、2208、2906、2910番)、微結晶性
セルロース、並びにそれらの混合物を包含するがこれらに限定されない。
微結晶性セルロースの好適な形態は、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103 AVICEL RC-581、
AVICEL-PH-105(FMC社、American Viscose Division、Avicel Sales、Marcus Hook、PA(ペ
ンシルベニア)州から入手可能)として販売されている材料、及びそれらの混合物を包含す
るがこれらに限定されない。具体的な結合剤は、AVICEL RC-581として販売されている、
微結晶性セルロースとカルボキシルメチルセルロースナトリウムとの混合物である。好適
な無水又は低水分添加剤又は添加物は、AVICEL-PH-103(商標)及びデンプン1500LMを包含
する。
本明細書で提供される医薬組成物及び剤形において使用するのに好適な充填剤の例は、
タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース
、デキストレート(dextrates)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デン
プン、アルファ化デンプン、及びそれらの混合物を包含するがこれらに限定されない。医
薬組成物中における結合剤又は充填剤は、一実施態様において、医薬組成物又は剤形の約
50から約99重量パーセントまでで存在する。
崩壊剤は、組成物において、水性環境に暴露されると崩壊する錠剤を提供するために使
用され得る。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は保存中に崩壊し得、一方、含有が少なすぎ
るものは、所望の速度又は所望の条件下で崩壊することができない。故に、活性成分の放
出を有害に改変するのに多すぎも少なすぎもしない十分な量の崩壊剤を使用して、固体経
口剤形を形成することができる。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に応じて変動し、
当業者には容易に識別できる。一実施態様において、医薬組成物は、約0.5から約15重量
パーセントまでの崩壊剤、又は約1から約5重量パーセントまでの崩壊剤を含む。
医薬組成物及び剤形において使用され得る崩壊剤は、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウ
ム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリ
ンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、バレイショ又はタピオカデンプン、他の
デンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、
ガム、及びそれらの混合物を包含するがこれらに限定されない。
医薬組成物及び剤形において使用され得る滑沢剤は、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチ
レングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水
素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン
油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウレエート(ethyl la
ureate)、寒天、及びそれらの混合物を包含するがこれらに限定されない。追加の滑沢剤
は、例えば、サイロイドシリカゲル(Baltimore、MD(メリーランド)州のW.R. Grace社によ
って製作されているAEROSIL200)、合成シリカの凝固エアゾール(Plano、TX(テキサス)州
のDegussa社によって市販されている)、CAB-O-SIL(Boston、MA(マサチューセッツ)州のCa
bot社によって販売されている発熱性二酸化ケイ素)、及びそれらの混合物を包含する。仮
に使用するとすれば、滑沢剤は、それらが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量パ
ーセント未満の量で使用され得る。
一実施態様において、固体経口剤形は、本明細書で提供される化合物、無水ラクトース
、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸、コロイド状無水シリカ、
及びゼラチンを含む。
(6.6.2 制御放出剤形)
本明細書で提供される化合物等の活性成分は、制御放出手段によって、又は当業者に周
知の送達デバイスによって投与され得る。例は、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899
号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;及び同第4,008,719号;同第5,674,533号;同第5,059
,595号;同第5,591,767号;同第5,120,548号;同第5,073,543号;同第5,639,476号;同第5,354
,556号;同第5,639,480号;同第5,733,566号;同第5,739,108号;同第5,891,474号;同第5,922
,356号;同第5,972,891号;同第5,980,945号;同第5,993,855号;同第6,045,830号;同第6,087
,324号;同第6,113,943号;同第6,197,350号;同第6,248,363号;同第6,264,970号;同第6,267
,981号;同第6,376,461号;同第6,419,961号;同第6,589,548号;同第6,613,358号;同第6,699
,500号において記述されているものを包含するがこれらに限定されず、これらのそれぞれ
は、引用により本明細書中に組み込まれている。そのような剤形を使用することにより、
例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過
膜、浸透システム、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、又はそれ
らの組合せを使用して所望の放出プロファイルを可変割合で提供し、1種以上の活性成分
の緩徐又は制御放出を提供することができる。本明細書において記述されているものを包
含する、当業者に公知の好適な制御放出製剤は、本明細書で提供される活性成分とともに
使用するために容易に選択され得る。故に、提供される組合せは、制御放出に適応してい
る、錠剤、カプセル剤、ゲルキャップ剤、及びカプレット剤等であるがこれらに限定され
ない、経口投与に好適な単一単位剤形を包括する。
すべての制御放出医薬品は、それらの非制御対応物によって達成されるものを上回って
薬物療法を改善するという共通の目標を有する。理想的には、医学的治療における最適に
デザインされた制御放出調製物の使用は、状態を最低限の時間で治癒させる又は制御する
ために、最低限の原薬が用いられていることを特徴とする。制御放出製剤の利点は、薬物
活性の延長、投薬頻度の低減、及び対象コンプライアンスの増大を包含する。加えて、制
御放出製剤を使用して、作用発現時間、又は薬物の血中レベル等の他の特徴に影響を及ぼ
し得、故に、副(例えば、有害)作用の出現に影響を及ぼすことができる。
ほとんどの制御放出製剤は、所望の治療的効果を迅速に産生し、このレベルの治療的又
は予防的効果を維持する量の他の薬物を、長期にわたり段階的に且つ継続的に放出する量
の薬物(活性成分)を最初に放出するようにデザインされている。体内におけるこの一定レ
ベルの薬物を維持するために、薬物は、剤形から、代謝されて体内から排泄される薬物の
量に置きかわる速度で放出されなくてはならない。活性成分の制御放出は、pH、温度、酵
素、水、又は他の生理学的条件若しくは化合物を包含するがこれらに限定されない種々の
条件によって刺激され得る。
ある特定の実施態様において、薬物は、静脈内注入、移植可能な浸透圧ポンプ、経皮パ
ッチ、リポソーム、又は他の投与モードを使用して投与されてよい。一実施態様において
、ポンプが使用されてよい(Seftonの文献、CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987)
;Buchwaldらの文献、Surgery 88:507 (1980);Saudekらの文献、N. Engl. J. Med. 321:57
4 (1989)を参照)。別の実施態様において、ポリマー性材料が使用され得る。また別の実
施態様において、制御放出系は、対象内の、当業者によって決定された適切な部位に置く
ことができ、すなわち、故に全身用量のごく一部しか必要としない(例えば、Goodson、制
御放出の医学的応用(Medical Applications of Controlled Release)、第2巻、115-138頁
(1984)を参照)。他の制御放出系は、Langerによる総説(Science 249:1527-1533 (1990))
において論じられている。活性成分は、固体内部マトリックス、例えば、ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、可塑化又は無可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロ
ン、可塑化テレフタル酸ポリエチレン、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、
ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポ
リジメチルシロキサン、シリコーン炭酸塩コポリマー、アクリル及びメタクリル酸のエス
テルのヒドロゲル等の親水性ポリマー、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、並びに
外側のポリマー膜によって囲まれている架橋部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アク
リル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメ
チルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、
塩化ビニリデン、エチレン及びプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、アイオノマーテレ
フタル酸ポリエチレン、ブチルゴムエピクロルヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコー
ルコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、並びに体液に不溶
性であるエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー中に、分散され得る。次いで、活
性成分は、外側のポリマー膜を通過して放出速度制御工程で拡散する。そのような非経口
組成物中における活性成分の百分率は、その具体的な性質、及び対象のニーズに高度に依
存する。
(6.6.3 非経口剤形)
非経口剤形は、皮下、静脈内(ボーラス注射を包含する)、筋肉内、及び動脈内を包含す
るがこれらに限定されない種々の経路によって患者に投与され得る。いくつかの実施態様
において、非経口剤形の投与は、患者の汚染物質に対する自然防御能をバイパスし、故に
、これらの実施態様において、非経口剤形は無菌であるか、又は患者への投与前に滅菌す
ることができる。非経口剤形の例は、注射の準備が整った液剤、注射用の医薬として許容
し得るビヒクルに溶解する又は懸濁する準備が整った乾燥生成物、注射の準備が整った懸
濁剤、及びエマルションを包含するがこれらに限定されない。
非経口剤形を提供するための使用され得る好適なビヒクルは、当業者に周知である。例
は:注射用水USP;塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、ブドウ糖注射、ブドウ糖及び塩化
ナトリウム注射、並びに乳酸加リンゲル注射等であるがこれらに限定されない水性ビヒク
ル;エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等であ
るがこれらに限定されない水混和性ビヒクル;並びに、コーン油、綿実油、ピーナッツ油
、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジル等であ
るがこれらに限定されない非水性ビヒクルを包含するがこれらに限定されない。
本明細書において開示されている1種以上の活性成分の溶解性を増大させる化合物を、
非経口剤形に組み込んでもよい。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体を使用して
、本明細書で提供される化合物の溶解性を増大させることができる。例えば、引用により
本明細書中に組み込まれている、米国特許第5,134,127号を参照されたい。
(6.6.4 局所及び粘膜剤形)
本明細書で提供される局所及び粘膜剤形は、スプレー剤、エアゾール剤、液剤、乳剤、
懸濁剤、点眼剤又は他の眼科用調製物、又は当業者に公知の他の形態を包含するがこれら
に限定されない。例えば、レミントンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science
s)、第16、18及び20版、Mack Publishing、Easton PA(ペンシルベニア)州(1980、1990及
び2000);及び医薬剤形への導入(Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms)、第4版
、Lea & Febiger、Philadelphia (1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を治療するの
に好適な剤形は、洗口剤として又は経口ゲル剤として製剤化され得る。
好適な添加剤(例えば、担体及び賦形剤)、並びに本明細書において包括される局所及び
粘膜剤形を提供するために使用され得る他の材料は、医薬品分野の当業者に周知であり、
所与の医薬組成物又は剤形が適用される特定の組織によって決まる。一実施態様において
、添加剤は、非毒性且つ医薬として許容し得る液剤、乳剤又はゲル剤を形成するための、
水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-
ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱油、及びそれらの
混合物を包含するがこれらに限定されない。保湿剤又は湿潤剤を、医薬組成物及び剤形に
添加してもよい。追加の原料の例は、当技術分野において周知である。例えば、レミント
ンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第16、18及び20版、Mack Publi
shing、Easton PA(ペンシルベニア)州(1980、1990及び2000)を参照されたい。
医薬組成物又は剤形のpHを調整して、1種以上の活性成分の送達を改善してもよい。ま
た、溶媒担体の極性、そのイオン強度、又は張性を調整して、送達を改善することもでき
る。ステアリン酸塩等の化合物を医薬組成物又は剤形に添加して、送達を改善するように
1種以上の活性成分の親水性又は脂溶性を改変することもできる。他の実施態様において
、ステアリン酸塩は、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤若しくは界面活性剤として、
又は送達強化若しくは浸透強化剤として役立ち得る。他の実施態様において、活性成分の
塩、溶媒和物、水和物、プロドラッグ、クラスレート、又は立体異性体を使用して、得ら
れた組成物の特性をさらに調整することができる。
(6.6.5 キット)
一実施態様において、本明細書で提供される活性成分は、同じ時間に又は同じ投与経路
によって患者に投与されることはない。別の実施態様において、適量の活性成分の投与を
単純化することができるキットが提供される。
一実施態様において、キットは、本明細書で提供される化合物の剤形を含む。キットは
、他の抗炎症、免疫調節若しくは免疫抑制化合物、又はそれらの組合せ等の追加の活性成
分をさらに含み得る。追加の活性成分の例は、本明細書において開示されているものを包
含するがこれらに限定されない。
他の実施態様において、キットは、活性成分を投与するために使用されるデバイスをさ
らに含み得る。そのようなデバイスの例は、シリンジ、点滴バッグ、パッチ、及び吸入器
を包含するがこれらに限定されない。
キットは、移植用の細胞又は血液、及び1種以上の活性成分を投与するために使用され
得る医薬として許容し得るビヒクルをさらに含み得る。例えば、活性成分が、非経口投与
のために再構成されなくてはならない固体形態で提供されるならば、キットは、活性成分
が溶解されて非経口投与に好適な粒子状物質がない滅菌溶液を形成することができる、好
適なビヒクルの密閉容器を含み得る。医薬として許容し得るビヒクルの例は:注射用水USP
;塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、ブドウ糖注射、ブドウ糖及び塩化ナトリウム注射
、並びに乳酸加リンゲル注射等の水性ビヒクル;エチルアルコール、ポリエチレングリコ
ール、及びポリプロピレングリコール等であるがこれらに限定されない水混和性ビヒクル
;並びに、コーン油、綿実油、ピーナッツ油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸
イソプロピル、及び安息香酸ベンジル等であるがこれらに限定されない非水性ビヒクルを
包含するがこれらに限定されない。
(8. 実施例)
下記の実施例は、限定ではなく例証として提示される。例において、試験化合物は、(S
)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソイ
ンド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを指す。
(8.1 実施例1:(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-
ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩)の製造
Figure 2018070623
(7.1.1 3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチルエステル)
Figure 2018070623
3-ヒドロキシ-2-メチル安息香酸(105g、690mmol)を、コンデンサー、温度計及び撹拌子
を備えた2Lの三つ口丸底フラスコ内のMeOH(800mL)に添加し、続いてMeOH(250ml)を添加し
た。H2SO4(10mL、180mmol)を上記の溶液に添加した。反応混合物を62℃で17時間撹拌した
。溶媒を真空で除去した。残留物(200mL)を水(600mL)に室温でゆっくり添加すると、白色
固体が形成された。懸濁液を氷浴中で30分間撹拌し、濾過した。固体を水(5×250mL)で洗
浄し、乾燥させて、3-ヒドロキシ-2-メチル-安息香酸メチルエステルを白色固体(100g、8
7%収率)として得た。化合物をさらに精製することなく次の工程において使用した:LCMS M
H=167;
Figure 2018070623
(7.1.2 3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチル-安息香酸メチルエステル)
Figure 2018070623
撹拌子及び温度計を備えた1Lの三つ口RBフラスコに、DMF(300mL)、3-ヒドロキシ-2-メ
チル安息香酸メチル(90g、542mmol)及びイミダゾール(92g、1,354mmol)を添加した。TBDM
S-Cl(90g、596mmol)を上記の溶液に小分けにして添加して、内部温度を15〜19℃の間に20
分間にわたって制御し、添加後、内部温度は1℃未満に降下した。氷浴を除去し、反応混
合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を氷水(500mL)に添加し、得られた溶液を2つの
部分(700mL×2)に分割した。各部分をEtOAc(700mL)で抽出した。各有機層を冷水(350mL)
及びブライン(350mL)で洗浄した。有機層を合わせ、MgSO4によって乾燥させた。合わせた
有機層を濃縮して、3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチル-安息香酸メチ
ルエステルを淡褐色油(160g、100%粗収率)として得た。化合物をさらに精製することなく
次の工程において使用した:LCMS MH=281;
Figure 2018070623
(7.1.3 2-ブロモメチル-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-安息香酸メチルエ
ステル)
Figure 2018070623
NBS(49.8g、280mmol)を、酢酸メチル(500mL)中の3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ
)-2-メチル安息香酸メチル(78.4g、280mmol)に室温で添加して、橙色の懸濁液を得た。得
られた反応混合物を、油浴中40℃で加熱し、300wtの日光電球によって還流で4時間照らし
た。反応混合物を冷却し、Na2SO3溶液(2×600mL、50%飽和濃度)、水(500mL)及びブライン
(600mL)によって洗浄した。有機層をMgSO4によって乾燥させ、木炭によって脱色した。有
機層を濃縮して、2-ブロモメチル-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-安息香酸
メチルエステルを淡褐色油(96g、91%粗収率)として得た。化合物をさらに精製することな
く次の工程において使用した:LCMS M-Br=279;
Figure 2018070623
(7.1.4 4-カルバモイル-酪酸メチルエステル)
Figure 2018070623
2Lの丸底フラスコ内のアセトニトリル(1100mL)中の2-(ブロモメチル)-3-(tert-ブチル
ジメチルシリルオキシ)安息香酸メチル(137.5g、325mmol)の撹拌溶液に、4,5-ジアミノ-5
-オキソペンタン酸メチル塩酸塩(70.4g、358mmol)を添加した。懸濁液に、DIPEA(119ml、
683mmol)を、添加漏斗により10分間かけて添加し、懸濁液を室温で1時間撹拌した後、混
合物を、油浴中、40℃で23時間加熱した。反応混合物を真空下で濃縮した。残留物をエー
テル(600mL)中で撹拌すると、白色固体が凝結した。混合物を濾過し、固体をエーテル(40
0mL)で洗浄した。濾液を、HCl(1N、200mL)、NaHCO3(飽和200mL)及びブライン(250mL)で洗
浄した。水性酸層及び塩基性層を別個に保った。次いで、固体をエーテル(250mL)でさら
に洗浄し、液体を上記の酸溶液及び塩基性溶液で洗浄した。2つの有機層を合わせ、真空
下で濃縮して、4-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-
イソインドール-2-イル]-4-カルバモイル-酪酸メチルエステルを褐色油(152g、115%粗収
率、H NMRにより77%純度)として得た。化合物をさらに精製することなく次の工程におい
て使用した:LCMS MH=407.
(7.1.5 4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イ
ル)-酪酸メチルエステル)
Figure 2018070623
DMF(500mL)及び水(55mL)中の5-アミノ-4-(4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)-5-オキソペンタン酸メチル(152g、288mmol)の撹拌冷却溶液
に、K2CO3(19.89g、144mmol)を小分けにして5分間かけて添加した。得られた反応混合物
を室温で40分間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却した。混合物に、HCl(12M、23.99ml
、288mmol)をゆっくり添加した。添加後、アセトニトリル(280mL)を混合物に添加すると
、固体が凝結した。混合物を室温で10分間撹拌し、濾過した。固体をアセトニトリル(50m
L×4)で洗浄した。濾液を高真空下で濃縮して、黄色油(168g)を得た。油をアセトニトリ
ル(600mL)に溶解し、室温で10分間撹拌した。混合物を濾過し、固体をアセトニトリル(25
mL×2)で洗浄した。濾液を高真空下で濃縮して、黄色油(169g)を得、これを水(1200mL)及
びエーテル(1000mL)の混合物に添加した。混合物を3分間撹拌し、層を分離した。水溶液
を高真空下で濃縮し、残留物をアセトニトリル(160mL)中で撹拌し、終夜撹拌した後に白
色固体が形成された。混合物を濾過して、4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,
3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステルを白色固体(46g、54%収率)とし
て得た。濾液を濃縮し、残留物をアセトニトリル(60mL)中でさらに結晶化して、さらなる
4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸
メチルエステルを白色固体(11.7g、14%収率)として得た。濾液を濃縮し、残留物をISCOク
ロマトグラフィーによって精製して、さらなる4-カルバモイル-4-(4-ヒドロキシ-1-オキ
ソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-酪酸メチルエステルを白色固体(13.2g、15%収
率)として得た。取得された全生成物は、83%収率で70.9gであった:LCMS MH=293;
Figure 2018070623
(7.1.6 3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イ
ル)ピペリジン-2,6-ジオン)
Figure 2018070623
工程1:THF(60mL)中の3-(4-ヒドロキシ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル
)-ピペリジン-2,6-ジオン(2.5g、8.56mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(ポリマー
支持1.6mmol/g、12g、18.8mmol)を添加した。混合物を室温で15分間撹拌した。アゾジカ
ルボン酸ジイソプロピル(3.96mL、18.8mmol)を0℃で添加し、混合物を0℃で30分間撹拌し
た。(4-モルホリン-4-イルメチル-フェニル)-メタノール(2.62g、12.4mmol)を0℃で添加
し、混合物を室温に加温させ、室温で終夜撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し
た。得られた油を、塩化メチレン及びメタノール(勾配、生成物は6%メタノールで現れた)
で溶離するシリカゲルカラム上で精製して、4-カルバモイル-4-[4-(4-モルホリン-4-イル
メチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-酪酸メチルエ
ステル(2.2g、54%収率)を得た。生成物をさらに精製することなく次の工程において使用
した。
工程2:4-カルバモイル-4-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-
1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-酪酸メチルエステル(2.2g、4.57mmol)のTHF溶液(
50mL)に、カリウムtert-ブトキシド(0.51g、4.57mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1
0分間撹拌し、1N HCl(5mL、5mmol)、続いて飽和NaHCO3(25mL)でクエンチした。混合物をE
tOAc(2×50mL)で抽出した。有機層を、水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥
させ、濃縮した。得られた固体に、EtOAc(10mL)、続いてヘキサン(10mL)を撹拌しながら
添加した。懸濁液を濾過して、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソ
イソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンを白色固体(1.5g、73%収率)として得た。
HPLC:Waters社Symmetry C18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、勾配5分で95/5アセト
ニトリル/0.1% H3PO4まで:tR=4.78分(97.5%);融点:210〜212℃;
Figure 2018070623
LCMS:465;C25H27N3O5 +0.86 H2Oの分析計算値:C, 64.58;H, 6.23;N, 9.04;測定値:C, 64.
77;H, 6.24;N, 8.88.
(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)
ピペリジン-2,6-ジオン及び(R)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキ
ソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンは、3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベン
ジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンから、キラル分離
によって製造した。
(8.2 実施例2:初代ヒトB細胞分化モデルにおける転写因子の発現に対する効果)
この例においては、インビトロヒトB細胞分化培養系を使用する、形質細胞分化を制御
する転写因子の発現、及び免疫グロブリン産生に対する、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-
イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6
-ジオン(試験化合物)の効果。
この例においては、下記の略号が使用される:
Figure 2018070623
健康なドナー由来の50mlの軟膜を、ニュージャージー州の血液センターから入手した。
SLE狼瘡PBMC試料は、Conversant Bio社(Huntsville、Alabama 35806)から入手した。
下記の細胞培養試薬をこの研究において使用した。
Figure 2018070623
フローサイトメトリー分析においては下記を使用した。
Figure 2018070623
RT-PCRには下記の遺伝子プライマーを使用した:
Figure 2018070623
(7.2.1 hPBMCの精製)
50mlのヒト軟膜を25mlずつ2つの50ml円錐管にアリコートし、25mlの滅菌HBSSを各円錐
管に添加した。管を反転させることによって穏やかに混合した。15mlの室温のFicoll-Paq
ue Plus(GE Healthcare社;カタログ番号17-1440-02)を、4つの50ml円錐管にアリコートし
た。次いで、25mlの軟膜/HBSS混合物を、Ficollの頂部に穏やかに且つゆっくり積層させ
た。試料を450rpmで35分間遠心分離した。形質を含有する頂部積層をピペットで除去し、
廃棄した。単核細胞を含有する界面を2つの50ml円錐管に移した。両方の円錐管を総体積5
0mlまでHBSSで満たし、1200rpmで10分間遠心分離した。細胞をHBSS中で再度洗浄し、1000
rpmで10分間回転させた。細胞ペレットを20mLのB細胞培地(イスコフ+10% PFBS、1% P/S、
及び5μg/mLヒトインスリン)で再懸濁し、細胞計数器で計数した。
(7.2.2 B細胞富化CD19+)
精製したPBMCを計数し、管1本当たり2×108細胞でアリコートした。細胞を1200rpmで5
分間遠心分離し、次いで上清を廃棄した。細胞を4mLのRobosep緩衝液(Stemcell Technolo
gies社カタログ番号20104)に再懸濁し、14mLのポリスチレン丸底管(BD社カタログ番号352
057)に移し、よく混合した。次いで、200μLのEasySepヒトB細胞富化カクテルを添加した
(StemCell Technologies社カタログ番号19054)。試料をボルテックスし、室温で10分間イ
ンキュベートした。次に、300μLのEasySep磁性粒子(ボルテックスしたもの)(StemCell T
echnologies社カタログ番号19054)を管に添加した。試料をボルテックスし、室温で5分間
インキュベートした。5分間のインキュベーションの後、5mLのRobosep緩衝液を管に添加
し、上下にピペット操作することによってよく混合した。管を直ちにシルバーマグネット
(StemCell Technologies社カタログ番号19054)に入れ、室温で5分間インキュベートした
。インキュベーション後、1つの連続動作で、マグネット及び管を反転させ、所望の画分
を50mL円錐に注ぎ出す。これらの手順を残りのPBMCについて(1ドナー当たり)繰り返し、
合わせた。合わせた画分を1200rpmで5分間遠心分離し、次いで上清を廃棄し、細胞を5mL
のB細胞培地に再懸濁した。単離されたCD19+細胞を細胞計数器で計数した。
(7.2.3 B細胞分化アッセイ)
工程1 -B細胞活性化- 0日目から4日目:50μg/mLのヒトトランスフェリンをB細胞培地に
添加することによって、新しいB細胞カクテルを製造する(イスコフ+10% PFBS、1% P/S、
及び5μg/mLヒトインスリン)。0.22μMのフィルターを通して、実験に必要な体積の培地
を濾過する。B細胞分化カクテル(最終濃度):組換えヒトIL-2(20U/mL)、IL-10(50ng/mL)、
IL-15(10ng/mL)、CD40リガンド/TNFSF5/ヒスチジンタグ付き(50ng/mL)、ポリヒスチジン
マウスIgG1抗体(5μg/mL)、及びODN 2006-ヒトTLR9リガンド(10μg/mL)を、細胞に添加す
る。5ミリリットル(1×105/ml)のCD19+B細胞を、6ウェル平底プレートの各ウェルに添加
した(最終細胞数=5×105/ウェル)。5μL(1×)±化合物/DMSOを各試験ウェルに添加し(0.1
%最終DMSO)、37℃で4日間インキュベートした。
工程2 -形質芽球生成- 4日目から7日目:細胞を収穫し、細胞計数器で計数し;アリコー
トをフロー分析のために除去し、残りの細胞をPBSで洗浄した。1μg/mlのヒトトランスフ
ェリンをB細胞培地に添加することによって、新しいB細胞カクテルを製造する(イスコフ+
10% PFBS、1% P/S、及び5μg/mLヒトインスリン)。0.22μMのフィルターを通して、実験
に必要な体積の培地を濾過する。B細胞分化カクテル(最終濃度):組換えヒトIL-2(20U/mL)
、IL-10(50ng/mL)、IL-15(10ng/mL)、IL-6(50ng/mL)を、細胞に添加する。新しいB細胞カ
クテルを添加し、細胞を最初のウェルに返し、体積を5mLに戻す。5μL(1×)±化合物/DMS
Oを各試験ウェル(0.1%最終DMSO)に添加し、37℃で4日間インキュベートした。
7日目、細胞を収穫し、細胞計数器で計数した。次いで、細胞をフロー分析のために分
割し、残りの細胞をRLT緩衝液で溶解させ、RNA抽出及び遺伝子発現のために-80℃で保存
した。上清をアリコートし、免疫グロブリンアッセイのために-20℃で凍結した。
(7.2.4 試験化合物ストック溶液及び希釈物の製造)
試験化合物を秤量し、滅菌100% DMSO(ジメチルスルホキシド;Research Organics社、Cl
eveland、OH(オハイオ)州)に溶解して、40mMのストック溶液を作成した。40mMストックの
希釈物をアッセイにおいて使用して、実験計画に基づく最終試験化合物濃縮物を取得した
(7.2.5 RNA抽出及び遺伝子発現)
分化したB細胞(段落[00226]〜[00227]を参照)を、QIAGEN RNeasyミニスピンカラムキッ
トを使用するQiacube RNA抽出機器(Qiagen社、Valencia、CA(カリフォルニア)州)による
全リボ核酸(RNA)製造のために収穫した。精製したRNAを、逆転写キット(Applied Biosyst
ems社)を使用するサーマルサイクラー[MJ Research社、St. Bruno、Quebec、Canada)でcD
NAに逆転写した。遺伝子発現アッセイは、7500 RT-PCRシステム(Applied Biosystems社)
を使用して3連で行った。グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子発現アッ
セイ制御を、各試料について実行し、正規化対照として使用した。各遺伝子について、各
実験内の試料を、特定の時点についてのみ0.1% DMSO処置に正規化した。
上清(段落[00228]から)を収穫し、ELISAによってIgG及びIgM産生について分析した(Zep
toMetrix社、Buffalo、NY(ニューヨーク)州)。
(7.2.6 細胞表現型検査)
分化したB細胞(段落[00226]〜[00227]を参照)を収穫し、計数し、4mLの管当たり約1×1
06細胞以下でアリコートした。細胞を染色緩衝液で1回洗浄した。次に、細胞を10%ヒト血
清/PBSで20〜30分間ブロックした。ブロッキングに続いて、細胞を1200rpmで5分間遠心分
離し、上清を廃棄した。100μLの残りの緩衝液に、20μLの種々のBD Pharmigenフロー抗
体を、実験計画に従って添加した。細胞を、20〜30分間4℃で染色した。次いで、細胞を
染色緩衝液で2回洗浄し、上清を廃棄した。次に、500μLの染色緩衝液又はPBSを管に添加
した。試料を直ちに分析するか、又は4℃で終夜置いた。細胞を、マウス抗ヒトCD20及びC
D38、CD19及びCD27、又はそれぞれのアイソタイプ対照で染色した。すべての試料を、FAC
SCantoフローサイトメーター、FACSDiva分析ソフトウェア(BD Bioscience社)、及びFlowJ
o分析ソフトウェアを使用して分析した。
(7.2.7 細胞生存分析)
生細胞数を決定するために、B細胞(段落[00226]〜[00227]を参照)を0.4%トリパンブル
ーで染色し、生細胞を、Countess自動細胞計数器(Invitrogen社)を使用して、2連の試料
で計数した。
GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、データをグラフ化した。IC50値は、可変
傾斜を可能にする、頂部を100%、底部を0%に制約した、非線形回帰、シグモイド用量応答
を使用して算出した。Igアッセイにおける試験化合物の結果を、阻害百分率対対照DMSO値
として表現した。
試験化合物は、CD20-CD38+形質芽球の百分率を用量依存的に低減させ、CD20+CD38-活性
化B細胞の百分率を増大させた。形質芽球集団(象限1)は、7日目のDMSO対照において30.4%
であり、試験化合物は、集団を、2nMで27.3%、20nMで2.1%、及び200nMで0.4%に低減させ
た(図1)。試験化合物は、培養の最初の4日間の間にB細胞生存を低減させた(図2)。B及び
形質細胞転写因子発現に対する試験化合物の効果を、図3において描写する。形質芽球培
養物中におけるIgG産生に対する試験化合物の効果を、図4において描写する。
試験化合物は、形質細胞転写因子IRF4、BLIMP1、及びXBP1の発現を、用量依存的に有意
に阻害した。試験化合物は、B細胞転写因子PAX5を強化した。B及び形質細胞転写因子発現
に対する試験化合物の効果を、図5A及び5Bにおいて描写する。
試験化合物、ポマリドマイド、及びレナリドマイドは、それぞれ0.0018μM、0.049μM
、及び0.32μMのIC50で、IgG産生を阻害する。データは、試験化合物が、形質芽球分化中
におけるIgG産生を阻害する際、ポマリドマイドよりも27倍強力であることを示した。4、
7及び10日目のB細胞培養物中におけるIgG産生に対する試験化合物の効果を、図6において
描写する。インビトロで分化した形質芽球/形質細胞によるIgG産生に対する、単独及びプ
レドニゾロンと組み合わせた試験化合物の効果を、図7において描写する。7日目における
B細胞分化中のCD20/CD38発現に対する試験化合物の効果を、図8において描写する。形質
芽球分化中の細胞生存に対する試験化合物の効果を、図9において描写する。
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus)(SLE)患者によって単離され
た末梢血単核細胞において、試験化合物は、IgG及びIgM産生を、それぞれ3.2nM及び0.9nM
のIC50で阻害した。これらの所見は、試験化合物が、形質細胞系統へのB細胞分化を阻害
する可能性を有することを示し、試験化合物が、自己抗体の過剰産生を特徴とするSLE等
の自己免疫障害の治療において有用となり得ることを示唆した。SLE患者のPBMC細胞中に
おけるB細胞分化及び機能に対する試験化合物の効果を、図10において描写する。正常及
びSLE患者のPBMC細胞中におけるIgG及びIgM産生に対する試験化合物の効果を、表1におい
て描写する。
図11A及び11Bは、7日目のB細胞培養物中におけるヒトIgG及びIgM産生それぞれに対する
試験化合物の効果を描写するものである。
表1. IgG及びIgMの正常及びSLE PBMC産生の阻害のための効力
Figure 2018070623
(8.3 実施例3:フローサイトメトリー及びレーザースキャニングサイトメトリーを使用す
るB細胞分化アッセイ)
細胞培養材料:富化された正常B細胞及びSLE患者の末梢血単核細胞(peripheral blood m
ononuclear cells)(PBMC)を、インビトロB細胞分化システム内、ヒトトランスフェリン及
びヒトインスリン(Sigma社)プラスサイトカインカクテルを補充したIMDM培地(Invitrogen
社)及び10% FCSを用いて培養した。0日目及び4日目に、試験化合物を培養物に添加した。
B細胞分化プロトコール:富化されたB細胞を、Ficoll-Hypaque密度勾配遠心分離法によ
って新しい軟膜(白血球富化ユニット)から単離し、続いてEasySep陰性選択ヒトB細胞富化
キット(Stem cell technologies社)を用いてインキュベーションした。手短に述べると、
2×108 /mlのPBMCを4mlのRobosep緩衝液と混合し、14mLのポリスチレン丸底管に移した。
管当たりEasySepヒトB細胞富化カクテル(200μL)を添加し、ボルテックスし、室温で10分
間インキュベートした。EasySep磁性粒子を添加し(管当たり300μL)、ボルテックスし、
室温で5分間インキュベートした。Robosep緩衝液(5mL)を各管に添加し、上下にピペット
操作することによってよく混合した。管をシルバーマグネットに入れ、室温で5分間イン
キュベートした。マグネット及び管を持ち上げ、1つの連続動作で反転させ、所望の画分
を50mL円錐に注ぎ出した。細胞を1200rpmで5分間回転させた。上清を注ぎ出し、5mLの新
しいB細胞培地を添加した。細胞を計数した後、アリコートをFACS分析のために除去し、
残りの細胞を培養に使用した。CD19+B細胞を、フローサイトメトリーによって決定した際
に約95%純度となるように単離した。精製したB細胞を、滅菌6ウェルプレート内、1×105
細胞/mlで、1ウェル当たり5ml平板培養した。すべての細胞培養は、ヒトトランスフェリ
ン及びヒトインスリン(Sigma社)を補充したIMDM培地(Invitrogen社)及び10% FCS中で実施
した。B細胞活性化、PB生成及びPC生成は、B細胞から形質細胞への分化の改良型インビト
ロシステムに基づいて実施した。すべての組換えヒトサイトカインIL-2、IL-4、IL-6、IL
-10、IL-15、INF-α、及びCD40L、並びに抗ポリヒスチジンmAbを、示されている培養工程
で添加した。種々の濃度の試験化合物(2、20及び200nM)を、0日目及び4日目に培養物に添
加した。4日目に、同じ処置からのすべての細胞を一緒にプールし、細胞を計数し、FACS
分析及びサイトスピン製造のために細胞を除去する。残りの細胞を、滅菌6ウェルプレー
ト内、2.5×105細胞/mlで、1ウェル当たり5ml平板培養する。SLE PBMCを、正常B細胞のよ
うな形質細胞分化を促進するための条件下で7日間培養した。
フローサイトメトリー分析のための免疫表現型検査:多色直接免疫蛍光染色を使用して
、細胞をフローサイトメトリー分析のために染色した。表面染色は、細胞固定及び透過化
の前に実施した。細胞(50μl;洗浄緩衝液中1×106細胞/ml、2% FBSにPBS中0.1% NaN3を加
えたもの)を各染色に使用した。細胞を、アイソタイプ対照mAb(1μg/106細胞)、並びに多
色FITCコンジュゲート抗CD20 mAb及びPEコンジュゲート抗CD38 mAbで染色するか、又はPe
rCP-Cy5.5コンジュゲート抗CD44 mAb、PEコンジュゲート抗CD83 mAbを、4日目の活性化B
細胞(CD20+CD38-細胞)、並びに4日目のPB及び7日目のPB(CD20-CD38+)、並びにフローサイ
トメトリーによってメーカーの指示の通りに分析された他の染色に使用した。転写因子タ
ンパク質(BCL-6、IRF-4、BLIMP-1、PAX-5及びXBP-1)、及びIgJの細胞内染色は、メーカー
の推奨に従って実施した。フローサイトメトリー分析は、FACSDiva 6(BD Biosciences社)
を使用するFACSCantoを用いて実施した。データ分析には、Flowjo(Tree Star社)ソフトウ
ェアを使用した。
単一細胞懸濁液からのサイトスピンの製造及びiCyteの免疫蛍光染色:2% FBS含有PBSの0
.5×106細胞/ml以下の細胞懸濁液を製造した。最大200μlのこの懸濁液を各キュベットに
充填し、800rpmで3分間回転させた。新しいサイトスピンを損傷することなくキュベット
及び紙を慎重に取り外し、即時固定又は乾燥の何れかを進めた。固定されていないサイト
スピンを室温で最大2日間保存した。スライド上の細胞を、漸増濃度のEtOHで固定し、染
色前に乾燥させた。正常血清(二次抗体と同じ種)との非特異的結合をブロックした後、切
片を、下記のモノクローナル抗体の混合物とともに、加湿チャンバー内、冷却室で終夜イ
ンキュベートした:(i)形質芽球細胞マーカーとしての抗ヒトCD38、並びに(ii)転写因子タ
ンパク質のための抗BCL-6、IRF-4、BLIMP-1、PAX5及びXBP-1。洗浄した後、スライドを、
異なる種において育てられた二次抗体の混合物とともに(2つの異なる蛍光色素、すなわち
Alexa Fluor-488及びAlexa Fluor-633とともに)、室温で1時間、暗所にてインキュベート
した。次いで、スライドをPBS中ですすぎ、DAPIで20分間室温にて対比染色し、抗退色蛍
光マウンティング培地とともにカバースリップを載せ、マニキュア液で密封した。スライ
ドを暗所にて4℃で保存した。二次抗体の非特異的結合によって産生された偽陽性を除外
するために、同じ様式で一次抗体を緩衝液で代用して、組織のすべてを処置した。抗体染
色の色を観察し、分量を組織切片においてiCyteを使用して分析した。
レーザースキャニングサイトメーター画像捕捉及び定量的蛍光分析:二色免疫蛍光染色
は、スライド上でサイトスピンした細胞(Cytospin 4、Thermo scientific社)に対し、標
準的なIHC法に基づいて実施した。画像捕捉及び定量的蛍光分析は、レーザースキャニン
グサイトメトリー(iCys定量的画像サイトメトリー、CompuCyte社)を使用して実施した。2
つのパスをセットアップした(488に第一のパス及び405/633に第二のパス)。モザイクスキ
ャンには低解像度スキャン、領域スキャン及び分析には高解像度スキャンを使用した。手
短に述べると、スライドをLSCステージに載置し、領域をスキャニングのために選択した
。LSCでは、5mWで作動するアルゴンレーザーを利用した。20倍対物レンズを使用してスラ
イドをスキャンした。細胞を同定し、DAPI染色によって決定される通り、青色蛍光及び最
小細胞サイズの輪郭をとることによって選択した。細胞検出閾値は、細胞面積対前方散乱
積分のドットプロットにおいて表示されている前角光散乱に基づいて単細胞を選択するよ
うに設定した。レーザー光散乱事象を捕捉し、スキャンデータディスプレイ内の単細胞の
輪郭をとるために使用した。輪郭識別は、全光散乱ピクセル化の約67%の輪郭がとられる
ような、スキャンした細胞の細胞核部分から設定した。緑色及び長波赤色PMT-検出器ゲイ
ン電圧は、それぞれのフィールドにおける最大ピクセルの75%以下の最大飽和がスキャン
中に達成されるように設定した。スキャンエリアを確立した後、40倍対物レンズを使用し
てスライドを分析した。各スライドにつき最低6つのスキャニングエリアを検査した。細
胞ギャラリーは、積分された長波赤色蛍光のヒストグラムにおける主要なピークのそれぞ
れからの細胞の再配置によって作成した。再配置された細胞の形態学的組成を、品質保証
を目的として検査した。データは、積分対数蛍光モード又は線形最大ピクセルモードの何
れかで分析することができる。LSCスキャニングにおける異なる細胞集団を、百分率及びM
FI、並びにDMSO対照との定量的比較としてスコア付けした。
データ分析:フローサイトメトリー表面及び細胞内分子を、FACSCantoによって分析した
。データ分析はFlowjoによって行った。抗体染色の色を観察し、分量を組織切片において
iCyteを使用して分析した。FCM及びLSCスキャニングにおける異なる細胞集団を、百分率
及びMFI、並びにDMSO対照との定量的比較としてスコア付けした。データを平均±SEMとし
て表現した。データのすべてを、GraphPad Prism 6.1(GraphPad Software社;San Diego、
CA(カリフォルニア)州)を使用してグラフ化した。統計的分析は、一元配置分散分析(One-
way ANOVA)(ダネットの多重比較検定)、及び対応のあるスチューデントのt検定を使用し
て実施した。0.05以下のP値を有意とみなした。
B細胞を、B細胞から形質細胞への分化のための改良型インビトロシステムを使用して、
上述した通りに培養した。多色FITCコンジュゲート抗CD20 mAb及びPEコンジュゲート抗-C
D38 mAbを、4日目の活性化B細胞(CD20+CD38-細胞)及び7日目の形質芽球(PB)(CD20-CD38+)
に使用した。3人のドナーを代表する3つの別個の実験からのデータを、表2に示す。結果
は、試験化合物が、形質芽球/形質細胞系統へのB細胞分化に対して有意な効果を有するこ
とを示していた。これは、活性化B細胞を増大させ、形質芽球を低減させ、経時的な細胞
生存も低減させた(図12A及び12B)。試験化合物(20nM)で処置した活性化B細胞(CD20+CD38-
細胞)は、4日目:(57.9%±11.5%)と7日目(50.5%±8.6%)との間で有意に変化しなかったが
、試験化合物は、4日目(42.1%±1.5%、p<0.05)及び7日目(12.5%±5.7%、p<0.05)のビヒ
クル(DMSO)対照と比較すると、活性化B細胞を有意に増大させた。一方で、試験化合物は
、DMSO対照(4日目、25.9%±2.4% p<0.05;及び7日目、54.8%±5.0%、p<0.001)と比較す
ると、4日目(4.8%±2.3%)及び7日目(9.7%±5.4%)における形質芽球/形質細胞(CD20-CD38+
)を有意に低減させた。さらに、試験化合物は、正常B細胞分化アッセイにおいて、大型細
胞集団(ゲートp2)を用量依存的に激減させた(図13)。処置した試験化合物の4日目におけ
る大型細胞集団の百分率は、2nM、20nM及び200nM処置についてそれぞれ31.2%、23.1%及び
20.4%であった。処置した試験化合物の7日目における大型細胞集団の百分率は、2nM、20n
M及び200nM処置についてそれぞれ34.9%、19.9%及び11.94%であった。DMSO対照と比較して
、数字は4日目及び7日目においてそれぞれ35.5%及び34.9%であった。
表2.試験化合物は形質芽球の分化を阻害する
Figure 2018070623
B細胞及び形質細胞転写因子(BCL-6、IRF-4、BLIMP-1、PAX5及びXBP-1)発現に対する試
験化合物の効果を、フローサイトメトリー法によって評価した。B細胞を上述した通りに
培養し、細胞を、4日目、7日目に免疫蛍光(immunofluoresence)染色のために収穫した。
細胞を最初にCD20及びCD38について染色し、細胞透過化後、BCL-6、IRF-4、BLIMP-1、PAX
5及びXBP-1について染色し、次いで、リンパ球全体に対するゲーティングによって分析し
た。3を代表する3つの実験からのデータを、図14に示す。結果は、試験化合物(20nM)が、
形質芽球/形質細胞において転写因子発現のシフトを引き起こすことを示した。これは、4
日目におけるIRF-4(p<0.5)、BLIMP-1(p<0.05)、及びXBP-1(p<0.05)発現を有意に減少
させたが、7日目におけるBCL-6(p<0.05)を有意に増大させた。
レーザースキャニングサイトメトリー(iCyte)を定量的蛍光分析に使用して、上述した
フローサイトメトリー結果を確認した。正常ドナー由来のB細胞及びSLE患者由来のPBMCを
、上記の方法において記述した通りに培養した。細胞をスライドにサイトスピンするため
に、4日目及び7日目に細胞を収穫し、次いで、方法において記述した通りに二重免疫蛍光
染色をした。CD38(緑色)は形質芽球/形質細胞によって発現され、転写因子(赤色)BCL-6、
IRF-4、BLIMP-1、PAX5、又はXBP-1は細胞質又は核において共局在化した。核をDAPI(青色
)で対比染色した。7日目の正常B細胞試料において、DMSO対照と比較すると、試験化合物(
20nM)は、リンパ球集団全体において、BCL-6(図15A、p<0.01)を有意に増大させ、IRF-4(
図15B、p<0.001)及びBLIMP-1(図15C、p<0.01)発現を減少させ、CD38+形質芽球/形質細
胞において、BCL-6(p<0.05)を有意に増大させ、IRF-4(p<0.001)、BLIMP-1(p<0.001)、
及びPAX-5(図15D、p<0.05)発現を減少させた。両方の細胞集団において、XBP-1(図15E)
の変化はなかった。SLE患者のPBMCにおいて、3つの転写因子を試験した:BCL-6、IRF-4及
びBLIMP-1。データは、試験化合物が、これらの転写因子において、健康なドナーの細胞
と同様の活性を有することを示した。試験化合物は、4日目及び7日目のSLE患者のPBMCか
ら分化したCD38+形質芽球/形質細胞において、BCL-6発現を用量依存で有意に増大させ、I
RF-4及びBLIMP-1発現を阻害した(図16)。
同じB細胞インビトロ分化システムを使用して、B細胞分化中のCD44及びCD83発現に対す
る試験化合物の活性を、さらに調査した。多色FITCコンジュゲート抗CD20 mAb、PerCP Cy
5.5コンジュゲート抗CD44 mAb及びPEコンジュゲート抗-CD83 mAbを、4日目及び7日目の細
胞に使用した。試験化合物の効果を、3人のドナーを代表する3つの別個の実験から評価し
た。データは、試験化合物が、7日目のB細胞分化試料中におけるCD44平均蛍光強度(mean
fluorescence intensity)(MFI)(図17、p<0.01)を用量依存的に且つ有意に減少させ、こ
れはCD20high/CD44high細胞の激減(図18)によるものであったことを示した。2nM、20nM及
び200nMでの試験化合物処置の7日目におけるCD20high/CD44high細胞の百分率は、22.2%の
DMSO対照と比較して、それぞれ18.4%、10.1%及び6.6%であった。CD44+細胞の激減は、白
血球接着を低減させ得る。試験化合物はまた、総CD83+細胞集団を有意に増大させ、CD83+
発現を強化する(図19)。2nM、20nM及び200nMの試験化合物処置の4日目におけるCD83+細胞
の百分率は、24.1%±2.1%、40.2%±3.6%、49.5%±4.4%及び18.4%であった。2nM、20nM及
び200nMの試験化合物処置の7日目におけるCD83+細胞の百分率は、4日目及び7日目におけ
るそれぞれ13.4%±2.4%及び12.9%±3.3のDMSOと比較して、16.3%±3.3%、36.1%±3.4%及
び51.9%±0.5%であった。
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)(RA)患者における高レベルIg J鎖発現は、リツキ
シマブに対する応答の欠如を予測するものである。試験化合物がIg J産生に対して何らか
の活性を有するかを評価するために、細胞をIgJの細胞内染色にも使用した。3人のドナー
からの結果は、試験化合物が、4日目のB細胞分化培養物中におけるIg J鎖発現を用量依存
的に且つ有意に低減させることを示した。これは、IgJ-陽性細胞の数を低減させた(4日目
及び7日目におけるそれぞれ13.1%±1.5%及び14.4%±4.3のDMSO対照と比較して、それぞれ
、4日目、8.4%±1.5%で20nM、5.4%±1.8%で200nM;7日目、13.2%±2.3%で20nM及び7.2%±1
.3で200nM)だけでなく、陽性細胞内のIgJのMFIも減少させた(図20)。IgJ及びIgGを低減さ
せ、IgM産生は、RAのような疾患において試験化合物への応答の潜在的マーカーとなり得
る。
(8.4 実施例4:抗ヒトCD3刺激ヒトT細胞中におけるサイトカイン及びケモカイン産生に対
する試験化合物の効果)
この例は、抗ヒトCD3刺激ヒトT細胞中におけるサイトカイン及びケモカイン産生に対す
る、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-
イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン、(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベ
ンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン及び3
-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド
-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を、マルチプレックスルミネックステクノロジー
を使用して実証するものである。
下記の略号が使用される:
略号 説明又は定義
IL インターロイキン
G-CSF 顆粒球コロニー刺激因子
GM-CSF 顆粒球マクロファージコロニー刺激因子
IFN-γ インターフェロンガンマ
TNF-α 腫瘍壊死因子アルファ
RANTES 活性化で調節され、正常T細胞が発現及び分泌している
下記の材料をこの研究において使用した:
10% FBS、100単位/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシン及び2mM L-グルタミ
ンを補充したRPMI-1640培地(Life Technologies社)
RosetteSep(登録商標)ヒトT細胞富化カクテル(StemCell社、カタログ番号15061)
ルミネックスヒトサイトカイン/ケモカイン12-プレックスキット(Millipore社、カタ
ログ番号MPXHCYTO-60K-12)
ルミネックスIS100機器(Millipore社)
抗ヒトCD3抗体、OKT3クローン(eBioscience社、カタログ番号16-0037-85)
試験化合物を、DMSO中4mMのストック溶液として製造した。T細胞は、RosetteSep(登録
商標)T細胞富化カクテルをメーカーの手順に従って使用する陰性選択によって、軟膜から
単離した。
すべての96ウェルプレートを、37℃で4時間、100μL 1×PBS中の3μg/mL抗ヒトCD3抗体
でプレコーティングした。プレートを、T細胞アッセイの前に、RPMI-1640完全培地で3回
洗浄した。次いで、T細胞を、抗CD3プレコーティングプレート内、180μLのRPMI-1640完
全培地中、2.5×105細胞/ウェルの密度で平板培養した。細胞を、10、1、0.1、0.01、0.0
01、0.0001、及び0.00001μMの20μLの10倍滴定試験化合物により、2連で処置した。最終
DMSO濃度は0.25%であった。プレートを、37℃、5% CO2で48時間インキュベートした。48
時間後、上清を収穫し、下記のサイトカイン/ケモカイン:IL-2、IL-3、IL-5、IL-10、IL-
13、IL-15、IL-17A、GM-CSF、G-CSF、IFN-γ、TNF-α、及びRANTESについてマルチプレッ
クスサイトメトリービーズアレイ(cytometric bead array)(CBA)アッセイによって試験し
た。CBAプレートを、ルミネックスIS100機器で分析した。
各ドナーからのデータを、GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用してグラフ化し、平
均pg/mL±SEM及びDMSO対照±SEMの%として表現した。
試験化合物は、数種のサイトカイン及びケモカインの産生を改変する、抗CD3刺激初代
ヒトT細胞中における免疫調節活性を実証した。ビヒクルとともにインキュベートした刺
激ヒトT細胞によって産生されたサイトカイン及びケモカインのベースラインレベルを、
以下の表3において提示する。
表3:サイトカイン及びケモカインのベースラインレベル
Figure 2018070623
試験化合物は、刺激ヒトT細胞中における、IL-2、IL-3、IL-5、IL-10、IL-13、GM-CSF
、IFN-γ、RANTES、及びTNF-α産生を強化した。試験化合物による産生の強化は、IL-10
及びIL-5を除くサイトカイン及びケモカインのほとんどについて、大いに濃度依存性であ
った。試験化合物は、より低い濃度ではIL-10産生を強化したが、より高い濃度ではIL-10
産生の強化を阻害した。試験化合物は、他のサイトカインの産生を増大させる濃度の範囲
内の単一濃度で、主にIL-5産生を強化した。対照細胞においては、他のサイトカイン及び
ケモカインと比較して、比較的少量のIL-2、IL-3、IL-5、及びIL-17Aが産生された(表1)
。IL-17Aの産生は、試験化合物によってあまり変化しなかった。刺激ヒトT細胞において
、測定し得る分量のGCSF及びIL-15は産生されなかった。産生された絶対量として、及び
ビヒクル対照細胞の百分率として表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるサイトカイ
ン及びケモカイン産生に対する3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-
オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を、それぞれ図2
1及び22において提供する。産生された絶対量として、及びビヒクル対照細胞の百分率と
して表現される、抗CD3刺激ヒトT細胞中におけるサイトカイン及びケモカイン産生に対す
る(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イ
ソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの効果を、それぞれ図23及び24において提供す
る。産生された絶対量として、及びビヒクル対照細胞の百分率として表現される、抗CD3
刺激ヒトT細胞中におけるサイトカイン及びケモカイン産生に対する(S)-3-[4-(4-モルフ
ィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペ
リジン-2,6-ジオンの効果を、それぞれ図25及び26において提供する。破線は、図22、24
及び26におけるベースライン産生(EC200)の二倍と同等のレベルを表す。
(8.5 実施例5:抗炎症活性)
3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソイン
ドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン、(R)-3-[4-(4-モルホリン-4-イルメチル-ベンジ
ルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル]-ピペリジン-2,6-ジオン及び
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソ
インド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの抗炎症活性を、ヒト末梢血単核細胞(human peri
pheral blood mononuclear cells)(hPBMC)において研究した。ルミネックステクノロジー
を使用して、阻害(強化)濃度、化合物のIC50を、炎症促進性サイトカイン/ケモカイン及
びLPS刺激した健康なヒトドナーPBMC由来のIL-10(抗炎症サイトカイン)の同時プロファイ
リングのために決定した。
健康なドナー由来の50mlの軟膜を、ニュージャージー州の血液センター(East Orange、
New Jersey)から入手した。リポ多糖(系列)(カタログ番号L-1887)を、Sigma社から購入し
た。ルミネックスxMAPテクノロジーのための抗体結合ビーズ付きのミリプレックスキット
をMillipore社(Billerica、Massachusetts)から購入し、アッセイの前にマルチプレック
スフォーマットに合わせた。
(7.5.1 ヒト末梢血単核細胞の精製)
50mlのヒト軟膜を25mlずつ2つの50ml円錐管にアリコートし、25mlの滅菌HBSSを各円錐
管に添加した。管を反転させることによって穏やかに混合した。15mlの室温のFicoll-Paq
ue Plus(GE Healthcare社(所在地);カタログ番号17-1440-02)を、4つの50ml円錐管にアリ
コートした。次いで、25mlの軟膜/HBSS混合物を、Ficollの頂部に穏やかに且つゆっくり
積層させた。試料を450rpmで35分間遠心分離した。形質を含有する頂部積層をピペットで
除去し、廃棄した。単核細胞を含有する界面を2つの50ml円錐管に移した。両方の円錐管
を総体積50mlまでHBSSで満たし、1200rpmで10分間遠心分離した。細胞をHBSS中で再度洗
浄し、1000rpmで10分間回転させた。細胞ペレットを20mLのRPMI完全培地(RPMI/5%ヒト血
清/1×ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン)で再懸濁し、計数した。
(7.5.2 ヒト末梢血単核細胞の処置)
100μl(2×106/ml)のhPBMCを、96ウェル平底プレートの各ウェルに添加し(最終細胞数=
2×105/ウェル)、37℃で1時間インキュベートした。20μl(10×)の化合物を各試験ウェル
に添加し、2.5% DMSOを含有する20μlの培地を各対照ウェルに添加し([DMSO]最終=0.25%)
、プレートを37℃で1時間インキュベートした。次いで、細胞を80μlの2.5ng/ml LPS([LP
S]最終=1ng/ml)で刺激し、37℃で18時間インキュベートした。
各ウェルから50μlの上清を3つの新たな丸底96ウェルプレートに移し、ルミネックス分
析のために-20℃で保存した。各試料につき2連のウェルを実施した。
(7.5.3 ルミネックス分析)
上清試料を、サイトカインについて、メーカーの指示に従うマルチプレックスフォーマ
ット(Millipore社、Billerica、Ma 01821)で、ルミネックスIS100機器を使用して分析し
た。IL-12及びGM-CSFの分析は2プレックスフォーマットで未希釈の上清を使用して行った
のに対し、他のすべてのサイトカインはマルチプレックスフォーマットで1:20に希釈した
上清を使用して行った。データ分析は、Upstate Beadviewソフトウェアを使用して実施し
た。IC50は、可変傾斜を可能にする、頂部を100%、底部を0%に制約した、非線形回帰、シ
グモイド用量応答を使用して算出した。EC50は、10μM及び100%への下方制約でポマリド
マイド(対照)によって産生された平均IL-10強化を表す、246.9%と等しいシグモイド曲線
の上方制約に基づいていた。IC50は、GraphPad Prism v5.00を使用して実施した。データ
値は、n(2連での実験の数)の平均+SEM(標準誤差)を表す。
以下の表4、並びに図27、29及び31におけるデータによって実証される通り、試験化合
物は、検査した多数のサイトカイン、例えば、Il-6、IL-8、IL-1β、GM-CSF、MDC、MIP-1
α、MIP-1β、及びTNF-αの阻害のための多様な効力を概して有する。また、これらの化
合物は、IL-10、MCP-1、及びRANTESの産生を、表5、並びに図28、30及び32において提供
されている通りの種々の効力で強化した。
表4:試験化合物のサイトカイン阻害プロファイルの概要
Figure 2018070623
表5: 0.1μMにおける対照の平均%のサイトカインプロファイル概要
Figure 2018070623
(8.6 実施例6:IGG/リツキシマブに応答したヒトナチュラルキラー(NATURAL KILLER)(NK)
細胞機能に対する効果)
この例においては、IgG/リツキシマブに応答してヒトNK細胞機能を強化する試験化合物
の能力について研究した。試験化合物の免疫調節活性を、ナチュラルキラー (natural k
iller)(NK)細胞機能(1)IgG-及びIL-2誘導性インターフェロン-ガンマ(interferon-gamma)
(IFN-γ)産生の2つのアッセイにおいて比較した。
この研究において使用した材料及びそれらの供給源を以下に提供する:
健康な志願者由来の軟膜(ニュージャージー州の血液センター)
Ficoll-Hypaque Plus(Fisher Scientific社、PA(ペンシルベニア)州、カタログ番号1
7144002)
10% FBS(ウシ胎仔血清)、100単位/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシン、及
び2mM L-グルタミンを補充したRPMI-1640培地(Invitrogen社、カタログ番号21870-076)
10% FBS、100単位/mLペニシリン、100mg/mLストレプトマイシン、及び2mM L-グルタ
ミンを補充したRPMI-1640培地(フェノールレッド無し)(Invitrogen社、カタログ番号1183
5-030)
リツキシマブ(リツキサン、Roche社)(カタログ番号DIN 02241927、ロット番号B50177
)
ヒトAB+血清(Gemini Bio Products社、CA(カリフォルニア)州、カタログ番号100-512
)
CytoTox 96非放射性細胞毒性アッセイキット(Promega社、WI(ウィスコンシン)州、カ
タログ番号G1780)
RosetteSepヒトNK細胞富化カクテル(Stem Cell Technologies社、Vancouver、BC(ブ
リティッシュコロンビア)州、カタログ番号15065)
マウス抗ヒトCD56+コンジュゲートAPC(BD Biosciences社、CA(カリフォルニア)州、
カタログ番号555518)
血清由来のヒト免疫グロブリンG(Immunoglobulin G)(IgG)(Sigma社、St. Louis、MO(
ミズーリ)州;カタログ番号I2511-10MG)
ヒト組換えIL-2(R&D Systems社、MN(ミネソタ)州、カタログ番号202-IL-050/CF)
ヒトIFN-ガンマELISAキット(ThermoFisher社、カタログ番号PIEHIFNG5)
下記の細胞株を使用した:
活性化B細胞様びまん性大B細胞リンパ腫(Activated B cell-like - diffuse large B
cell lymphoma)(ABC-DLBCL):Riva細胞(NCI社、MD(メリーランド)州)
胚中心B細胞様びまん性大B細胞リンパ腫(Germinal center B-cell-like - diffuse l
arge B cell lymphoma)(GCB-DLBCL):
WSU-DLCL2(Celgene Signal社、CA(カリフォルニア)州)
ファレージ(ATCC社、VA(バージニア)州)
濾胞性リンパ腫:DoHH2(DSMZ社、ドイツ)
バーキットリンパ腫(Burkitt’s lymphoma)(BL):Raji(ATCC社、VA(バージニア)州)。
健康なドナー由来のNK細胞を、RosetteSep NK細胞富化カクテル(Stem Cell Technologi
es社、Vancouver、BC(ブリティッシュコロンビア)州)を使用する陰性選択によって軟膜血
液から単離した後、メーカーの指示に準拠してFicoll-Hypaque(Fisher Scientific社、PA
(ペンシルベニア)州)密度勾配遠心分離法をした。CD56+NK細胞を、フローサイトメトリー
によって決定された際に約85%純度となるまで単離した(BD Biosciences社、CA(カリフォ
ルニア)州)。
(7.6.1 NK IgG誘導性インターフェロン-ガンマ(Interferon-Gamma)(IFN-ガンマ)アッセ
イ)
96ウェル平底プレートを、100μg/mLのヒトIgG(Sigma社)で、終夜4℃でコーティングし
た。翌日、非結合IgGを冷たい1×PBSで洗い流した。次いで、NK細胞を、IgGコーティング
96ウェルプレート内、180μL RPMI-1640培地中、1ウェル当たり2×105細胞で平板培養し
、10ng/mLのrhIL-2(R & D Systems社、MN(ミネソタ)州)を添加した。試験化合物を20μL
DMSOの体積で添加した。試験化合物の最終濃度は、0.0001、0.001、0.01、0.1、1、又は1
0μMであった。最終DMSO濃度は、0.25%であった。48時間後、上清を収穫し、ELISAにより
IFN-γ産生について分析した。
固定化IgG及びrhIL-2刺激に応答してNK細胞IFN-γ産生を強化する試験化合物の能力を
決定するために使用したデータを、各ドナーについてGraphPad Prism v5.0ソフトウェア
を使用して分析した。データは、(1)IFN-γが産生されるならば絶対量(pg/mL±SEM)とし
て、及び(2)1μMポマリドマイドの存在下で産生されたIFN-γの量の百分率としての2つの
手法で提示されている。EC50は、半最大IFN-γ産生を提供する試験化合物の濃度であり、
最大産生は、1μMポマリドマイドの存在下で産生されるIFN-γの量として定義されている
。EC50値は、可変傾斜を可能にする、頂部を100%、底部を0%に制約した、非線形回帰、シ
グモイド用量応答を使用して算出した。
表6
Figure 2018070623
試験化合物は、固定化IgG及びIL-2刺激に応答して用量依存様式でNK細胞IFN-γ産生を
強化した。ラセミ体、R-鏡像異性体及びS-鏡像異性体についての結果を、それぞれ図33〜
35において提供する(産生されたIFN-γのpg/mLとして表現されている)。図36〜38は、ラ
セミ体、R-鏡像異性体及びS-鏡像異性体のそれぞれについて、1μMのポマリドマイドの存
在下で産生されたIFN-γに対する、産生されるIFN-γ増大の百分率として表現される結果
を提供する。図33〜38においてプロットされている各値は、12〜14の決定±SEMの平均を
表す。
(8.7 実施例7:ヒト血管内皮細胞増殖、管形成、移動、及び浸潤アッセイ)
この例においては、ラセミ体は3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1
-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを指し、R-鏡像異性体
は(R)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イ
ソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを指し、S-鏡像異性体は(S)-3-[4-(4-モルフィ
リン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリ
ジン-2,6-ジオンを指す。
ヒト臍血管内皮細胞増殖アッセイ:ヒト臍血管内皮細胞を解凍し、EGM2培地中、すべて
の増殖アッセイについて3から6代継代まで成長させた。ヒト臍血管内皮細胞をトリプシン
処理し、20% FBS/M199培地で洗浄し、同じ培地中、1ウェル当たり104細胞/100μLで、96
ウェル細胞培養プレートに平板培養した。プレートを37℃で終夜インキュベートして、細
胞を接着させた。次いで、細胞を、同じ培地で3回洗浄した後、1% FBS/M199培地中で18時
間飢えさせた。HUVEC増殖アッセイにおける成長因子の濃度の最適化のために、100μL/ウ
ェルの2倍連続希釈した成長因子を、100ng/mLから開始し、HUVECに、5% CO2の加湿細胞培
養インキュベーター内、37℃で72時間、2連で添加した。試験化合物の分析のために、0.4
% DMSO/1% FBS/M199培地中の試験化合物の2連での連続希釈物を、10mMストックから作製
した。1ウェル当たり50マイクロリットルの連続希釈した試験化合物(10、1.0、0.1、0.01
、0.001、0.0001、0.00001μM)を、37℃で1から2時間にわたり細胞に添加した。細胞中に
おける最終DMSO濃度は、0.1%である。次いで、50μLの4倍最終濃度の関連成長因子を、各
ウェルに、5% CO2の加湿細胞培養インキュベーター内、37℃で72時間、2連で添加した。2
0μLの培地中1マイクロキュリーの3H-チミジン(Amersham社)を各ウェルに添加することに
よってチミジン組み込みを測定し、5% CO2の加湿細胞培養インキュベーター内、37℃で5
から6時間インキュベートした。次いで、細胞をトリプシン処理し、細胞収穫器(Tomtec社
)を使用してUniFilter GF/Cフィルタープレート(Perkin Elmer社)に収穫した。プレート
を風乾させた後、20μL/ウェルのMicroscint 20(Packard社)を添加し、次いでプレートを
TopCount NXT(Packard社)で分析した。各ウェルを1分間にわたって計数した。実験は、3
人のドナーのそれぞれにおいて2連で実施した。
ヒト臍血管内皮細胞管形成アッセイ:化合物を、成長因子誘導性HUVEC管形成アッセイに
おいて試験した。管形成プレートを、37℃で30分間インキュベートして、マトリゲルを重
合させた。HUVECを、0.1% BSA基礎EBM2培地で3回洗浄した後、同じ培地中で5時間飢えさ
せた。細胞をトリプシン処理し、遠心分離した。次いで、25μLの4倍連続希釈化合物(10
、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0.00001μM)を、50μLの2×104細胞/ウェルとともに、
マトリゲルでコーティングした管形成プレートに2連で添加した。50μLの4×VEGF(最終濃
度=25ng/mL)又はbFGF(最終濃度=10ng/mL)をプレートに添加した。次いで、細胞を、加湿
インキュベーター内、37℃で終夜(約18時間)インキュベートした。尿細管網を、2% FBS/H
BSS中4μg/μLのカルセインAMで30分間染色し、蛍光顕微鏡検査法によって画像を撮影し
た。尿細管を、MetaMorph管形成ソフトウェアプログラムにより、管面積及び管長さにつ
いて定量化した。
ヒト臍血管内皮細胞浸潤アッセイ:HUVEC浸潤アッセイにおいて、ヒトフィブロネクチン
の濃度は、接着性細胞を膜に付着させ、血管新生刺激に応答して自由移動を可能にする好
適なタンパク質構造(例えば、VEGF、bFGF、又はHGF)を挿入プレートの下方チャンバーに
おいて提供するために最適化される。HUVECを、0.1% BSA EBM2培地で3回洗浄した後、同
じ培地で6時間飢えさせた。次いで、細胞をトリプシン処理し、遠心分離して、残りのト
リプシンを除去した。次いで、125μL/ウェルの約0.5から1×106細胞及び125μLの8倍連
続希釈化合物(10、1、0.1、0.01、0.001μM)を、BD Falcon 24ウェル及び96ウェル挿入プ
レートの上方チャンバーに2連で添加し、約1から2時間インキュベートした。(プレートは
、ヒトフィブロネクチンで均一にコーティングされた、蛍光ブロッキング細孔性[3.0μm
細孔径] PET膜を含有する。)次いで、750マイクロリットルの、VEGF(25ng/mLの最終濃度)
、bFGF(10ng/mLの最終濃度)、又はHGF(25ng/mLの最終濃度)の1.33倍ストック溶液を、下
方チャンバーに添加した。細胞を37℃で22±1時間インキュベートした。移動した細胞を
、2% FBSを含有するHBSS中4μg/mLのカルセインAMで、24ウェルプレート内で500μL/ウェ
ル、及び96ウェルプレート内で200μL/ウェルを使用して染色した。プレートを37℃で90
分間インキュベートし、蛍光プレートリーダーで読み取った。
細胞増殖、管形成、移動、及び浸潤の阻害百分率は、無刺激DMSO対照についての結果を
試験試料結果から減算し、すべての複製を平均し、成長因子刺激DMSO対照(0%阻害)に対し
て正規化することによって算出した。IC50値は、GraphPad Prism 5.0を使用することによ
って算出した。
ヒト臍血管内皮細胞増殖アッセイ結果:成長因子最適化研究からの結果は、増殖の誘導
のためのVEGF、bFGF、及びHGFの最適濃度が、それぞれ25、10、及び25ng/mLであることを
示した。試験化合物を、最適化された成長因子濃度で検査し、結果は、ラセミ体(racemea
te)、S-鏡像異性体、及びR-鏡像異性体が、VEGF-、bFGF-、又はHGF誘導性HUVEC増殖を阻
害しないことを示した(図39)。しかしながら、S-鏡像異性体によりVEGF及びHGF処置HUVEC
において観察された増殖の有意な強化があった(VEGF処置:1〜10μM;HGF処置:0.1〜1μM)
。ラセミ体(0.01〜1μM)、及びR-鏡像異性体(0.1〜1μM)によりbFGF処置HUVECにおいて観
察された有意な強化もあった。IC50値を表7にまとめる。
表7.成長因子誘導性ヒト臍血管内皮細胞増殖研究からのIC50値の概要
Figure 2018070623
ヒト臍血管内皮細胞管形成アッセイ結果:試験化合物は、管長さ及び管面積両方の観点
から、VEGF誘導性HUVEC管形成を阻害する傾向を表示した(図40)。すべての化合物は、VEG
F誘導性HUVEC管形成に対する用量依存性効果を実証した。R-鏡像異性体は、10μMにおい
て、管面積及び長さの有意な阻害(p<0.05対刺激DMSO対照)を示した。管長さ及び管面積
両方の観点から、化合物がbFGF誘導性HUVEC管形成を阻害する傾向もあった(図40)が、そ
の効果はVEGF誘導性HUVEC管形成に対する効果ほど顕著ではなかった。
ヒト臍血管内皮細胞浸潤アッセイ結果:3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオ
キシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン、(R)-3-[4-(4
-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イ
ル]ピペリジン-2,6-ジオン及び(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)
-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンは、VEGF-、bFGF-、
及びHGF誘導性HUVEC浸潤を、用量依存様式で有意に阻害した(図41)。化合物は、HGF誘導
性HUVEC浸潤に対してよりもVEGF及びbFGF誘導性HUVEC浸潤に対してより強力であった(表8
)。試験化合物によるVEGF誘導性HUVEC浸潤の阻害について、IC50値は0.3nM未満であった
。ラセミ体(0.4nM)及びS-鏡像異性体(<0.1nM)のIC50は、R-鏡像異性体(13nM)よりも10倍
強力であった(表8)。
表8.成長因子誘導性ヒト臍血管内皮細胞浸潤に対する試験化合物の効果の概要
Figure 2018070623
(8.8 実施例8:狼瘡/線維症マウスモデル研究)
この例においては、過敏症(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1
-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを、2つの狼瘡になり
やすいマウス株:全身性エリテマトーデスのMRL/MpJ-Faslpr/Jマウスモデル及び全身性エ
リテマトーデスのNZBWF1/Jマウスモデルにおいて試験した。試験化合物を、両方のモデル
に30mg/kgで投与した。
全身性エリテマトーデスのMRL/MpJ-Faslpr/Jマウスモデルにおいて、末梢血B細胞は4週
間では変化を示さなかった。脾臓B細胞は37%増大を示し、抗二本鎖DNA自己抗体レベルは4
週間で25%減少を示した。
全身性エリテマトーデスのNZBWF1/Jマウスモデルにおいて、末梢血B細胞は4週間で25%
減少を示し、脾臓B細胞は変化を示さず、抗二本鎖DNA自己抗体レベルは4週間で86%増大を
示した。
(8.9 実施例9:真皮線維症マウスモデル研究)
この例においては、(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキ
ソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンを、ブレオマイシン誘導性
皮膚線維症モデルにおいて、予防的及び治療的投薬レジメンの両方を使用して試験した。
ブレオマイシンは、肺において線維症を引き起こすことが実証されている、時代遅れの抗
がん治療薬である。動物モデルにおいて、これは送達部位に傷害及び線維症を同様に誘導
する。
この例においては、下記の略号が使用される:
Figure 2018070623
この研究においてはDBA/2マウスを使用した。研究において、処置群当たり8匹の動物を
使用した。マウスを、動物舎内、標準的な条件下で、食物及び水を自由に与えて保った。
ビヒクル、0.5%カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose)(CMC)/0.25% T
ween 80を、蒸留H2O中で製造し、磁気撹拌器(0.5g CMCを添加する;Sigma社C9481番)で終
夜溶解し、0.25mlのTween 80(Sigma社P8074番)を99.75mlにして合計100mlの0.5% CMC/0.2
5% Tween 80)とした。
試験化合物粉末を量り分け、毎日新しくビヒクル0.5% CMC/0.25% Tween 80に懸濁して
、水性媒質中における薬物加水分解を回避した。化合物を、このビヒクルに懸濁し、溶解
しなかった。製剤を、電動式Eberbach組織ホモジナイザーを使用するTeflon乳棒及び乳鉢
(Potter-Elvehjem組織グラインダー)で均質化した。これらの研究において使用した1日の
薬物ストック濃度は、3mg/mlであった。
ブレオマイシンを、エアランゲン-ニュルンベルク大学の薬学部から入手し、1週間に1
回、新しく製造した。皮膚線維症は、6週齢のDBAマウスにおいて、0.5mg/mlの濃度で0.9%
NaClに溶解された100μlのブレオマイシンの、上背にある1.5 cm2の画定された領域への
1日おきの局部皮内注射によって誘導された。
(7.9.1 研究デザイン)
ブレオマイシン誘導性真皮線維症のマウスモデルは、抗線維化治療薬を評価するために
広く使用されている。このモデルにおいて、限局性真皮線維症は、3週間にわたる1日おき
のブレオマイシンを伴う皮内注射によって誘導される。このモデルは、SScの初期炎症期
に似ている。線維症の予防に対する潜在的効果を評価するために、第一回ブレオマイシン
注射と同時に治療を開始した。インビボでのブレオマイシン誘導性真皮線維症の予防に対
する試験化合物の効果を研究するために、処置を下記の群に分割した:
・ 対照群:3週間にわたるNaClの皮内注射。処置は、ビヒクル(0.5% CMC/0.25% Tween
80)の投与からなるものであった。
・ 未処置ブレオマイシン群:3週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。ビヒクル(0.5
% CMC/0.25% Tween 80)の投与。
・ 試験化合物群:3週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。試験化合物を30mg/kgで
投与した;PO、QD。
・ 陽性対照群:3週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。イマチニブ(50mg/kg;IP、Q
D)の注射。メシル酸イマチニブは、ブレオマイシン誘導性真皮線維症において強力な抗線
維化効果を発揮することが以前に示されている。Akhmetshina A.らの文献、関節リウマチ
(Arthritis Rheum) 2009; 60(1):219-224を参照されたい。
線維症の退行を評価するために、ブレオマイシン誘導性真皮線維症の改変モデルを使用
した。マウスにブレオマイシンを予め接種して、頑強な皮膚線維症を誘導した。1つの群
に試験化合物による処置を受けさせ、一方、ブレオマイシンの接種を追加で3週間継続し
た。この群の転帰を、6週間にわたってブレオマイシンを摂取したマウス(さらなる進行の
予防)と、及び3週間にわたってブレオマイシン、続いて追加で3週間にわたってNaClを摂
取したマウス(退行の誘導)と比較した。退行研究においては下記の群を使用した:
・ 対照群:6週間にわたるNaClの皮内注射。対照処置は、ビヒクルの投与からなるもの
であった。
・ 未処置ブレオマイシン群1(退行):3週間にわたるブレオマイシンの皮内注射、続い
てもう3週間にわたるNaClの皮内注射。処置は、ビヒクルの投与からなるものであった。
未処置ブレオマイシン群2(進行の予防):6週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。処置
は、ビヒクルの投与からなるものであった。
・ 試験化合物群:6週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。試験化合物を30mg/kgで
投与した;PO、QD。
・ 陽性対照群:6週間にわたるブレオマイシンの皮内注射。イマチニブ(50mg/kg;IP、Q
D)の注射。
(7.9.2 実験手順)
ヘマトキシリン及びエオシンを用いる染色によって真皮厚さを決定し、アルファ平滑筋
アクチン(alpha smooth muscle actin)(α-SMA)に免疫組織化学を使用することによって
、線維芽細胞を活性化した。真皮厚さは、改良型ロッドナンスキンスコアによって決定さ
れる通り、SScにおける抗線維化剤についてのヒト臨床試験において、現在のところ最も
一般的な主要転帰である。皮膚切片を、組織構造のより良好な可視化のためにヘマトキシ
リン/エオシンで染色した。真皮厚さを、Nikon Eclipse 80i顕微鏡(Nikon社、Badhoevedo
rp、オランダ)により、各マウスの4つの異なる皮膚切片における表皮-真皮接合部と真皮-
皮下脂肪接合部との間の最大距離を測定することによって分析した。評価は、2人の独立
した検査者によって実施した。
筋線維芽細胞の定量化のために、皮膚切片を脱パラフィンし、5%ウシ血清アルブミンと
ともに60分間インキュベートした。α-SMAに対して陽性な細胞を、モノクローナル抗α-S
MA抗体(クローン1A4;Sigma-Aldrich社、Steinheim、ドイツ)との室温で2時間にわたるイ
ンキュベーション、続いて3%過酸化水素との10分間にわたるインキュベーションによって
検出した。西洋ワサビペルオキシダーゼで標識したヤギ抗ウサギ抗体(Dako社、Hamburg、
ドイツ)を、二次抗体として使用した。α-SMAの発現を、3,3-ジアミノベンジジン四塩酸
塩(Sigma-Aldrich社)を用いて可視化した。モノクローナルマウスIgG抗体(Calbiochem社
、San Diego、CA(カリフォルニア)州)を対照として使用した。
加えて、病変皮膚におけるコラーゲンの量はSirColコラーゲンアッセイで測定すること
になり;すべてのマウスのRNA及び形質をさらなる分析のために取っておいた。
試験化合物は、ブレオマイシン真皮線維症マウスモデルにおける病変皮膚の真皮厚さを
有意に減少させる。30mg/kg;PO、QDの試験化合物は、真皮肥厚をおよそ25±0.49%、有意
に予防した(p<0.001、図42)。
ヘマトキシリン及びエオシン染色皮膚切片の代表的な顕微鏡写真を図43に示す。真皮厚
さを、表皮-真皮接合部と真皮-皮下脂肪接合部との間の最大距離を測定することによって
評定した。接合点の間に引かれた線は、処置群における相対的厚さを示す。
線維芽細胞活性化に対する処置の効果を決定するために、病変皮膚切片におけるα-SMA
+筋線維芽細胞を計数した。図44に示す通り、30mg/kg;PO、QDの試験化合物は、筋線維芽
細胞の数を24 ± 0.09%(p<0.05)だけ低減させた。50mg/kgのイマチニブは、真皮肥厚を6
0 ± 0.34%(p<0.0001)だけ、及び筋線維芽細胞数を81 ± 0.11%(p<0.0001)だけ低減さ
せた。
(7.9.3 ブレオマイシン誘導性真皮線維症の退行に対する効果)
線維症の進行に対する試験化合物の阻害効果も、線維症の潜在的退行を調査するように
デザインされた改変ブレオマイシンモデルにおいて確認した。図45に示す通り、30mg/kg;
PO、QDの試験化合物は、退行モデルにおける真皮肥厚に対して効果を有さなかった。図46
は、代表的なヘマトキシリン及びエオシン染色皮膚切片の顕微鏡写真を示す。真皮厚さを
、表皮-真皮接合部と真皮-皮下脂肪接合部との間の最大距離測定することによって評定し
た。接合点の間に引かれた線は、処置群における相対的厚さを示す。図47は、試験化合物
が筋線維芽細胞の数に対して効果を有さなかったことを示す。50mg/kgのイマチニブは、
ブレオマイシン誘導性真皮厚さを50 ± 0.3%(p<0.0001)だけ、及び筋線維芽細胞数を78
± 0.15%(p<0.0001)だけ低減させた。
(8.10 実施例10:TSK-1マウスモデルにおける効果)
(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメチルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イ
ソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオンの抗線維化効果を、ネズミ拘縮皮膚-1(murine t
ight skin-1)(Tsk-1)マウスモデルにおいて試験した。
最初に、Tsk-1拘縮皮膚マウスモデルにおける線維症に対する化合物の阻害効果も調査
した。図48に示す通り、30mg/kgの化合物は、50mg/kgのイマチニブによる58%の低減(p≦0
.001)と比較して、下皮肥厚を45%(p≦0.001)だけ低減させた。ヒドロキシプロリンレベル
によって測定した際の、皮膚のコラーゲン含有量上昇は、化合物によって38%、イマチニ
ブによって67%だけ低減した(p≦0.001)。
次に、Tsk-1マウス皮膚におけるTGF-β経路遺伝子の過剰発現に対する化合物の効果を
検査するために、qRT-PCRを使用して、6つの遺伝子:CTGF、PAI-1、COL1A1、α-平滑筋ア
クチン(α-smooth muscle actin)(ALPHA SMA)、軟骨オリゴマータンパク質(cartilage ol
igomeric protein 1)(COMP)、及びTGFB1についてmRNAレベルを測定した。過剰発現は、正
常pa/paマウス皮膚と比較して、Tsk-1マウス皮膚において観察される過剰なmRNAレベルと
して定義した。これら6つの遺伝子のうち、4つ(CTGF、PAI-1、COL1A1、及びTGFB1)のみが
、正常pa/paマウスと比較して、Tsk-1において有意に高いレベルまで発現された。化合物
(30mg/kg)は、CTGF及びCOL1A1の過剰発現を、それぞれ79%(p≦0.001)及び129%(p≦0.001)
だけ有意に低減させた(図49)。PAI-1及びTGFB1遺伝子過剰発現は、化合物によって阻害さ
れなかった。これらの結果は、化合物が、TGF-β経路内のいくつかの線維化促進遺伝子の
過剰発現をブロックすることにより、皮膚線維症を低減させ得ることを示す。
正常(normal)(NL)及び全身性硬化症(systemic sclerosis)(SSc)細胞の線維化遺伝子の
発現に対する化合物の効果をさらに検査するために、下記の手順に準拠した:
細胞培養物:ヒト正常及び強皮症皮膚線維芽細胞を、10%ウシ胎仔血清(fetal bovine seru
m)(FBS)を含有するDMEM中で培養した。細胞を、加湿5% CO2、95%空気インキュベーター内
、37℃で維持した。集密に到達した後、細胞を0.05%トリプシンで収穫し、継代培養した
。細胞は3〜5代継代で使用した。
実験計画:細胞を70〜80%集密まで成長させ、終夜にわたる血清濃度の0.4%までの低減によ
って休眠状態に入れた。TGFβ線維化効果に対する、並びにNL及びSSc線維化遺伝子発現に
対する化合物の効果を試験した。
線維化遺伝子発現のTGFβ誘導に対する効果:NL線維芽細胞を化合物で30分間前処理し、続
いてTGF-β1を添加して、TGFβ誘導性線維症遺伝子発現に対する化合物の効果を観察した

SSc-FBに対する化合物の効果:SSc線維芽細胞(fibrobasts)を異なる濃度の化合物で処置し
、コラーゲン1A1(Collagen 1A1)(COL1)、α-平滑筋アクチン(α-smooth muscle actin)(
α-SMA)、フィブロネクチン(fibronectin)(FN)、マトリックスメタロペプチダーゼ1(matr
ix metallopeptidase 1)(MMP1)、プラスミノーゲン活性化因子阻害剤(plasminogen activ
ator inhibitor)(PAI)、及びDNA(シトシン-5-)-メチルトランスフェラーゼ1(DNA(cytosin
e-5-)-methyltransferase 1)(Dnmt1)の遺伝子発現レベルを、リアルタイムPCRによって24
時間後に決定した。
定量的リアルタイムPCR:RNeasyキットを使用して、全RNAを細胞から抽出した。RNA濃度を
測定し、RT-ファーストストランドキットを使用して、1ugのRNAをcDNAに逆転写した。次
いで、それぞれのプライマー及びPower SYBR緑色PCRマスターミックスを使用してcDNAを
増幅した。単位複製配列(150〜200bp)をABI 7500リアルタイムPCRシステムによって検出
した。すべての標的遺伝子をGAPDHに対して正規化し、相対倍率変化(relative fold chan
ges)を算出した。各試料を3連で評定した。
図50に示す通り、化合物はSSc線維芽細胞中におけるCOL1、aSMA及びFN mRNAsの発現を
、用量依存的に低減させた。同様に、PAI(図51)及びDnmt1(図52)の発現も、SSc線維芽細
胞中において化合物によって用量依存的に低減した。図51にも示す通り、MMP-1の発現は
、SSc線維芽細胞中において化合物によって用量依存的に増大した。結果は、化合物が主
要な線維化因子を強く調節することを実証しており、これは、SScの治療における化合物
の効能を示している。
加えて、正常及びSScの線維芽細胞及び皮膚組織中におけるセレブロンのレベルを検査
した。図53及び54に示す通り、正常組織と比較して高いレベルのセレブロンが、SSc線維
芽細胞及び皮膚組織の両方において観察された。これは、セレブロンのレベル上昇がSSc
に関与していることを示している。
(8.11 実施例11:B細胞悪液質のための標的セレブロン)
CRBN結合、ユビキチン化、及び細胞増殖に対する(S)-3-[4-(4-モルフィリン-4-イルメ
チルベンジルオキシ)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインド-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオ
ン(「化合物IA」)の効果をプロファイルした。CRBNは、CUL4A、DDB1、及びROC-1を包含す
るE3ユビキチンリガーゼ複合体の構成要素であり、サリドマイド、レナリドマイド、及び
ポマリドマイドの分子結合標的であることが分かった。
CRBNとの結合研究は、競合アッセイにおいて、サリドマイド類似体コンジュゲートビー
ズを使用して行った。ヒトU266多発性骨髄腫(multiple myeloma)(「MM」)細胞由来の内因
性CRBNを、陽性対照としての種々の濃度の化合物IA又はポマリドマイドの何れかとともに
細胞抽出物をインキュベートすることによって測定した。サリドマイド酸類似体とカップ
リングした親和性ビーズをU266抽出物とともにインキュベートし、ビーズの広範な洗浄後
、結合タンパク質を溶離した。サリドマイドがカップリングされた親和性ビーズとのCRBN
結合は、定量的CRBN免疫ブロット決定によって決定した。
アミノ末端His-ビオチンタグ付きCRBN構築物をトランスフェクトし、次いで化合物とと
もに1時間プレインキュベートし、続いて(ユビキチン化タンパク質の分解を停止するため
に)MG132プロテアソーム阻害剤で処置したHEK293T細胞において、CRBNユビキチン化を測
定した。細胞を溶解させ、抗ユビキチン抗体を使用するSDS-PAGE及び免疫ブロット分析に
よってCRBNユビキチン化を測定するために処理した。細胞増殖研究は、レナリドマイド感
受性及び難治性多発性骨髄腫細胞において行った。レナリドマイド抵抗性又は感受性H929
MM細胞株を化合物IAで5日間処置し、次いで細胞増殖及び生存を7-アミノアクチノマイシ
ンD(7-aminoactinomycin D)(「7-ADD」)染色によって評定した。T細胞副刺激を、細胞培
養において固定化抗CD3抗体を使用して2日間刺激した精製初代ヒトT細胞中において測定
し、サイトカイン分泌をELISAによって測定した。
免疫グロブリンM及びG(Immunoglobulin M and G)(「IgG及びIgM」)産生は、正常ドナー
末梢血単核細胞から、B細胞分化因子組換えヒトIL-2(20U/mL)、IL-10(50ng/mL)、IL-15(1
0ng/mL)、Hisタグ付きCD40リガンド(50ng/mL)、ポリヒスチジンマウスIgG1抗体(5μg/mL)
、及びODN 2006-ヒトTLR9リガンド(10μg/mL)の存在下で4日間、続いてIL-2、IL-10、IL-
15、及びIL-6(50ng/mL)の存在下で3日間追加で培養することによって測定した。IgM及びI
gGをELISAによって測定した。
競合CRBN結合研究において、3uMの濃度のポマリドマイドとのプレインキュベーション
は、親和性ビーズとCRBNのおよそ50%少ない結合をもたらしたのに対し、0.1μMの濃度の
化合物IAは、同様のCRBN結合をもたらした。トランスフェクトしたHEK293T細胞におけるC
RBNユビキチン化研究は、下記の効力をもたらした:化合物IA IC50=0.19μM;レナリドマイ
ドIC50=12.9μM;及びポマリドマイドIC50=21.6μM。化合物IAによる増殖の阻害について
のIC50値は、親H929細胞株における0.01μM及びDMSO処置サブクローンにおける0.04μMか
ら、レナリドマイド抵抗性サブクローンにおける0.51〜1.58μMにシフトした。
細胞周期における50%減少(S期)は、化合物IAによるH929細胞の処置の24時間後に明白で
あった。48時間で、化合物IAはスルビビン及び網膜芽細胞腫タンパク質(retinoblastoma
protein)(「pRB」)の発現を減少させ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤p27の発現を増大
させた。化合物IAは、ポマリドマイドの10nMと比較して、およそ0.29nMのEC50で、T細胞
によるIL-2産生を共刺激した。化合物IAは、ポマリドマイドの17nM及び63nMと比較して、
それぞれ0.35及び2.1nMのIC50で、IgM及びIgG産生を阻害した。
結果は、化合物IAがポマリドマイドよりもおよそ30倍高い親和性でCRBNと結合し、この
システムにおいてポマリドマイドよりもおよそ110倍大きい効力でCRBNユビキチン化を阻
害することを示す。化合物IAは、T細胞によるIL-2産生を共刺激するためにはポマリドマ
イドよりもおよそ34倍強力であり、免疫グロブリン産生を阻害するためにはポマリドマイ
ドよりも30から48倍強力である。
(8.12 実施例12:形質芽球及び形質細胞系統へのB細胞分化の阻害)
B細胞から形質芽球及び形質細胞系統への分化に対するセレブロン(cereblon)(「CRBN」
)標的化の効果、初代ヒトB細胞分化のインビトロモデルが開発された。
CD19+正常ドナー由来の末梢血ヒトB細胞、又は全身性エリテマトーデス(systemic lupu
s erythematosus)(「SLE」)患者の全末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cel
l)PBMCを、インターロイキン(interleukin)(「IL」)-2、IL-10、IL15、TLR9アゴニスト、
及びCD40Lの存在下で4日間、続いてIL-2、IL-6、IL-10及びIL-15の存在下でもう3日間培
養した。細胞を計数し、生存を評定し、CD20、CD38、CD44、及びCD83の発現をフローサイ
トメトリーによって測定した。形質芽球系統因子IRF-4、BLIMP-1、XBP-1、及びIgJ、並び
に胚中心マーカーPAX-5及びBCL-6を、qRT-PCRによって測定した。細胞内(Interacellular
)タンパク質発現をレーザースキャニングサイトメトリーによって測定した。分泌された
免疫グロブリンIgG及びIgMをELISAによって測定した。
正常B細胞培養物において、(S)-3-(4-((4-モルフィリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オ
キソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン(「化合物I-S」)は、これらの培養物
中における生存可能な全細胞の百分率を、4日後に、20nM又は200nM化合物I-Sでそれぞれ
対照の69.6%(P≦0.05)又は35.8%(P≦0.001)に低減させた。化合物I-Sは、7日目における
生存可能なCD20-CD38+形質芽球の百分率を、対照培養物中における30.4%から、用量依存
様式で、2nM、20nM、及び200nMでそれぞれ27.3%、2.1%、及び0.4%に減少させた。7日目に
、qRT-PCR分析は、化合物I-S(20nM)が、形質芽球系統因子IRF-4、BLIMP-1、XBP-1の発現
、及びIgJ遺伝子発現を、それぞれ対照の20.5%、14.3%、15.1%、及び31.5%に低減させた(
P≦0.001)ことを示した。
細胞内フローサイトメトリーにより、化合物I-S(20nM)は、IRF-4(P<0.5)、BLIMP-1(P
<0.05)、及びXBP-1(P<0.05)タンパク質発現を4日目に有意に減少させたが、BCL-6(P<0
.05)タンパク質発現を7日目に有意に増大させた。7日目におけるレーザースキャニングサ
イトメトリーにより、化合物I-S(20nM)は、IRF-4(P≦0.001)及びBLIMP-1(P≦0.001)のCD3
8+細胞の細胞内タンパク質発現を低減させ、BCL-6発現(P≦0.05)(n=3)を増大させた。化
合物I-Sは、分泌されたIgG産生をIC50=1.8nM(n=3)で阻害した。
SLE患者由来のPBMCにおいて、化合物I-S(20nM)は、正常B細胞と同様の効果を有し、BLI
MP-1、XBP-1、及びIgJ遺伝子発現をそれぞれ対照の52.8%、49.2%、及び13.6%に低減させ
た(P≦0.001)(n=3)。化合物I-S(20nM)は、BLIMP-1(P≦0.01)及びIRF-4(P≦0.001)のCD38+
形質芽球細胞内タンパク質発現を有意に低減させ、BCL-6(P≦0.05)(n=3)を増大させた。
化合物I-Sは、SLE患者のPBMCにより分泌されたIgM及びIgG産生を、それぞれ0.9nM及び3.2
nMのIC50で阻害した(n=3)。
これらの結果は、小分子免疫調節化合物である化合物I-Sを用いるE3ユビキチンリガー
ゼ複合体基質共受容体CRBNの標的化が、生存可能なCD38+細胞の百分率の低減によって示
される通りの形質芽球系統へのB細胞分化の強力な阻害、BLIMP-1、XBP-1、IRF-4、及びIg
J遺伝子並びにタンパク質発現の減少、並びに分泌された免疫グロブリン産生の阻害をも
たらすことを実証している。これらのデータは、形質細胞系統へのB細胞の分化におけるC
UL4-CRBN複合体を暗示するものである。
本発明は、本明細書において記述されている具体的な実施態様によって範囲を限定され
ない。実際に、本発明の種々の修正が、記述されているものに加えて、前述の記述及び付
属の図から当業者に明らかとなるであろう。そのような修正は、添付の請求項の範囲内に
あることが意図されている。
種々の刊行物、特許及び特許出願が本明細書において挙げられており、それらの開示は
、引用によりその全体が組み込まれている。

Claims (20)

  1. 免疫関連疾患又は炎症性疾患を治療する、予防する又は管理するための医薬組成物であ
    って、有効量の式I
    Figure 2018070623
    の化合物又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、溶媒和物、水和物、立体異性体、
    互変異性体若しくはラセミ混合物を含み、該疾患が、狼瘡、強皮症、凍瘡状狼瘡、サルコ
    イドーシス、シェーグレン症候群、ANCA誘導性血管炎、抗リン脂質症候群、又は重症筋無
    力症である、前記医薬組成物。
  2. 前記化合物が、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソイン
    ドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、
    溶媒和物、水和物、若しくは互変異性体である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 化合物が(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン
    -2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項1記載の医薬組成物。
  4. 化合物が(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン
    -2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である、請求項1記載の医薬組成物。
  5. 前記疾患が、全身性エリテマトーデス、皮膚エリテマトーデス、強皮症、凍瘡状狼瘡、
    又はサルコイドーシスである、請求項1から4のいずれか1項記載の医薬組成物。
  6. 前記疾患が全身性エリテマトーデスである、請求項5記載の医薬組成物。
  7. 疾患が重度の全身性エリテマトーデスである、請求項6記載の医薬組成物。
  8. 前記疾患が皮膚エリテマトーデスである、請求項5記載の医薬組成物。
  9. 前記疾患が強皮症である、請求項5記載の医薬組成物。
  10. 前記強皮症が、限局性、全身性、限局型全身性又はびまん型強皮症である、請求項9記
    載の医薬組成物。
  11. 前記全身性強皮症がCREST症候群を含む、請求項10記載の医薬組成物。
  12. 全身性エリテマトーデスの症状を低減させる、阻害する又は予防するための医薬組成物
    であって、有効量の式I
    Figure 2018070623
    の化合物又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、溶媒和物、水和物、立体異性体、
    互変異性体若しくはラセミ混合物を含み、該症状が、関節痛、関節腫脹、関節炎、深呼吸
    時の胸痛、疲労、他に原因がない発熱、全身の不快感、不安、脱毛、口のびらん、リンパ
    節の腫大、日光過敏症、皮膚発疹、頭痛、無感覚、刺痛、発作、視覚問題、人格変化、腹
    痛、悪心、嘔吐、心拍リズムの異常、喀血及び呼吸困難、斑状皮膚色並びにレイノー現象
    からなる群から選択される、前記医薬組成物。
  13. 強皮症の症状を低減させる、阻害する又は予防するための医薬組成物であって、有効量
    の式I
    Figure 2018070623
    の化合物又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、溶媒和物、水和物、立体異性体、
    互変異性体若しくはラセミ混合物を含み、該症状が、(i)皮膚の段階的な硬化、肥厚及び
    拘縮;(ii)皮膚変色;(iii)四肢の無感覚;(iv)光沢のある皮膚;(v)白墨のように白い流体に
    なる皮膚の表面下の小さな白色の塊;(vi)レイノー食道機能不全;(vii)毛細血管拡張症;(v
    iii)関節の疼痛及び/又はこわばり;(ix)手足の腫脹;(x)皮膚の掻痒;(xi)指の硬直及び湾
    曲;(xii)指関節及び肘関節の外側における潰瘍;(xiii)胸焼け、嚥下困難、下痢、過敏性
    大腸及び便秘;(xiv)疲労及び虚弱;(xv)息切れ;(xvi)関節炎;(xvii)脱毛;(xviii)内臓器官
    の問題;(xix)指潰瘍;並びに(xx)指の自然切断からなる群から選択される、前記医薬組成
    物。
  14. 強皮症を有する患者の、改良型ロッドナンスキンスコアを改善する、皮膚厚さを低減さ
    せる若しくは改善する、皮膚硬結を低減させる若しくは改善する、肺機能を改善する、皮
    膚科学的生活の質指標を改善する、一酸化炭素拡散能を改善する、マーラー呼吸困難指標
    を改善する、セントジョージ呼吸器質問票スコアを改善する、UCLA強皮症臨床試験コンソ
    ーシアム胃腸管スコアを改善する、血流依存性血管拡張を改善する、又は6分間歩行距離
    を改善する若しくは増大させるための医薬組成物であって、有効量の式I
    Figure 2018070623
    の化合物、又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、溶媒和物、水和物、立体異性体
    、互変異性体若しくはラセミ混合物を含む、前記医薬組成物。
  15. 前記化合物が、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソイン
    ドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン、又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、
    溶媒和物、水和物、若しくは互変異性体である、請求項12から14のいずれか1項記載の医
    薬組成物。
  16. 化合物が(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン
    -2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項12から14のいずれか1項記載の医薬組成物
  17. 化合物が、(S)-3-(4-((4-(モルホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリ
    ン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオン塩酸塩である、請求項12から14のいずれか1項記載の医
    薬組成物。
  18. 抗炎症化合物又は免疫調節化合物から選択される第二の活性剤と組み合わせて投与され
    る、請求項1から17のいずれか1項記載の医薬組成物。
  19. 前記化合物Iの有効量が、投与される患者の体重1kgにつき約0.005mg/kgから約10mg/kg
    である、請求項1から18のいずれか1項記載の医薬組成物。
  20. B細胞の活性を調節するための組成物であって、有効量の化合物、(S)-3-(4-((4-(モル
    ホリノメチル)ベンジル)オキシ)-1-オキソイソインドリン-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオ
    ン、又は医薬として許容し得るその塩、固体形態、溶媒和物、水和物、互変異性体、立体
    異性体若しくはラセミ混合物を含む、前記組成物。
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