JP2018070430A - アルミノシリケートガラスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも酸化アルミニウムを含むガラスバッチを溶融、成形して得られるアルミノシリケートガラスの製造方法において、原料の調合精度を高めることにより、生産性やガラス品質の向上を可能にするアルミノシリケートガラスの製造方法の提供。【解決手段】少なくとも酸化アルミニウムを含むガラスバッチを溶融、成形して得られるアルミノシリケートガラスの製造方法において、前記酸化アルミニウムのBET比表面積値が1.0〜13m2/gの範囲であるアルミノシリケートガラスの製造方法。好ましくは、前記酸化アルミニウムの平均粒径D50が30〜150μmであり、圧縮度が20%未満であるアルミノシリケートガラスの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラスバッチに含まれる原料として、特定の酸化アルミニウムを用いるアルミノシリケートガラスの製造方法に関する。
一般に、ガラスは、様々な種類の原料を調合してガラス製造用混合原料(以下、ガラスバッチという)を作製し、それをガラス溶融炉で溶融した後、オーバーフローダウンドロー法、フロート法、ダンナー法等の成形過程を経て連続的に生産される。
前記ガラスバッチは、ガラス溶融炉内に供給された後、バーナーの燃焼によって主に上方から加熱され、溶解される。また、溶融炉底部に設けられた電極によって通電して加熱されることもある。
また、前記ガラスバッチは、各々の原料を目標組成に応じて所定の割合で調合するが、各々の原料を工場内に輸送する方法としては、工場内の衛生環境面や原料への異物混入防止の観点から、粉粒体運搬車からの圧搾空気による輸送や、スクリューフィーダーによる輸送が採用されることが多い。
国際公開第2014/103897号 特開2015−67523号公報
ガラス製造においては、ガラスバッチが目標組成になるように原料を正確に調合することが重要であり、そのためには、原料の輸送、計量、混合といったそれぞれの工程で規定された時間や分量を正確に管理する必要がある。そして、調合精度は、生産性やガラス品質を向上させるため益々高度化している。
例えば、アルミノシリケートガラスの場合、用いられる原料のうち、珪砂や酸化アルミニウムといった原料はガラスバッチの構成割合が特に大きい。そのため、これらの原料については、ガラス製造や得られるガラス品質に対する影響度が大きく、特に厳密な管理が必要とされる。
本発明の課題は、ガラスバッチを溶融、成形して得られるアルミノシリケートガラスの製造方法において、原料の調合精度を高めることにより、生産性やガラス品質の向上を可能にするアルミノシリケートガラスの製造方法を提供することにある。
本発明者は、アルミノシリケートガラスの製造方法において、ガラスバッチを構成する原料の中でも、特に、酸化アルミニウムは、計量過不足や輸送不良が起こりやすいことに気が付いた。計量過不足や輸送不良は、ガラスバッチ組成を変動させ、生産性やガラス品質にまで影響を及ぼすことになる。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、少なくとも酸化アルミニウムを含むガラスバッチを溶融、成形して得られるアルミノシリケートガラスの製造方法において、前記酸化アルミニウムのBET比表面積値が1.0〜13m/gの範囲であることを特徴とする。なお、本発明のBET比表面積値は、窒素ガスを用いた気体吸着法(BET法)による値を用いる。
このようにすることで、調合工程を正確に管理でき、適切な組成のガラスバッチを溶融炉内へ滞りなく導入できるようになる。その結果、高い溶融安定性と生産性を達成でき、ひいてはガラスの品質も向上させることができる。
本発明者は鋭意調査し、酸化アルミニウムは、その一次粒子が集合して二次粒子を形成する特殊な形状で存在していることに着目した。そして、計量過不足や輸送不良の原因として、第一に、圧搾空気やスクリューフィーダーによる輸送中の二次粒子解砕により微粒子の割合が増え、酸化アルミニウムの粉体特性に変化が生じている可能性があること、第二に、酸化アルミニウムの圧縮度の変動が計量過不足や輸送不良の原因となり得ることを突き止めた。
ここで、特許文献1には、珪素源とアルミニウム化合物原料の比表面積値の比を限定することによって得られる、アルミノシリケートガラスの溶解性改善効果が紹介されている。また、アルミニウム化合物原料としてアルミナ(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウムを挙げ、要求される比表面積値は粒度測定値からの換算値(測定粒子を球と仮定した場合)を用いるとしている。しかし、この方法は、酸化アルミニウム粒子が、一次粒子の集合で二次粒子を形成するという形態的特徴の場合、酸化アルミニウム粒子の比表面積値計測手段としては不十分と言える。
また、特許文献2には、ガラスバッチに用いる酸化アルミニウムのD50の範囲と38μm篩通過分量を限定することで酸化アルミニウムの未溶解や、炉内飛散物を抑制し、ガラス組成の安定性を改善する効果が紹介されている。しかし、通常ガラスバッチ中の酸化アルミニウムは二次粒子であり、また二次粒子径が溶融性に及ぼす影響はほとんど無視できる範囲である。更に、炉内飛散(ひいてはガラス組成の不安定化)の原因となる粒子は主に10μm未満の微粉であり、二次粒子径のD50範囲や、篩通過分を限定するのみでは輸送過程での二次粒子の粉化は完全に防げず、十分な効果は得られない。
上述したように、酸化アルミニウム粒子は、一次粒子が集合して二次粒子を形成する特殊な状態で存在している。そのため、酸化アルミニウムの粒子径は数十μmから百数十μmと測定されるが、厳密にいうと、これは二次粒子径を測定したものであり、一次粒子径が反映されたものではない。一次粒子径を測定しようとする場合、二次粒子を完全に解砕して一次粒子にして測定する、もしくは二次粒子中の一次粒子を画像解析で測定する方法等があるが、いずれの方法も正確に測定するのは困難である。
そこで、本発明者は、酸化アルミニウムの一次粒子径と、BET比表面積値が密接に関係していること、つまり、同一重量の酸化アルミニウムを測定した場合、BET比表面積値が大きいほど一次粒子径が小さく、BET比表面積値が小さいほど一次粒子径が大きいことを見出した。そこで、この知見に基づき、本願発明は、一次粒子径の指標として酸化アルミニウムのBET比表面積値を規制したものである。
また、本発明者は、摩擦などで損耗した場合の酸化アルミニウムの二次粒子の解砕のしやすさが、一次粒子間の空隙の大きさによるところが大きいことを見出した。
すなわち、酸化アルミニウムの製造工程において、一次粒子は焼成が進むにつれて一次粒子同士が融着する形で次第に大きく成長する一方、二次粒子径は焼成過程での変化が少ない。そのため、それぞれの二次粒子中では、一次粒子が成長すると共に一次粒子の数が減少することになり、その結果、一次粒子同士の隙間が広がることになると考えられる。
そのため、酸化アルミニウム粒子の輸送中等での解砕しやすさの程度は、酸化アルミニウム粒子のBET比表面積値と関連があり、具体的には、BET比表面積値が小さい程、酸化アルミニウム粒子が解砕されやすく、粉体取扱い過程において酸化アルミニウムの二次粒子が一次粒子へと過度に解砕する傾向がある。これは、発塵の増加につながるうえ、計量過不足や輸送時の粉体挙動不安定が起こりやすく、ガラスの生産性に悪影響を及ぼす虞がある。
また、BET比表面積値が大きい程、酸化アルミニウム粒子が解砕されにくいが、BET比表面積値が大きすぎると、酸化アルミニウム自体の吸湿性が大きくなり、原料を取り扱う際の気温や湿度によって単位重量当たりのAl得率が変動する虞がある。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、酸化アルミニウムの平均粒径D50が30〜150μmであることが好ましい。
このようにすることで、バイヤー工程を経て生産された酸化アルミニウムを用いることができる。バイヤー工程は、カオリン、ボーキサイト等の鉱産原料から酸化アルミニウムを工業的に製造する汎用の製造方法であるため、原料コストを低減できる。
バイヤー工程は、アルミン酸ソーダ液から水酸化アルミニウムを晶出し、得られた水酸化アルミニウムを1000℃以上で焼成して酸化アルミニウムを生産する方法である。
バイヤー工程によって製造された酸化アルミニウムはα−Alと称され、三方晶系コランダム型の結晶構造を持つ。その粒子径は、数十μmから百数十μmであるが、これは、厳密に言うと、数μmの一次粒子が集合して形成されている二次粒子であり、このような構造を持たない粒子(例えば珪砂粒子)に比べて比表面積値がけた違いに大きいという特徴がある。
バイヤー工程において、酸化アルミニウムの一次粒子径は、その中間原料である水酸化アルミニウムを焼成する際の温度履歴によって異なっており、焼成温度が高いほど、また焼成時間が長いほど大きくなる性質がある。そこで、本発明に係るBET比表面積値を有する酸化アルミニウムを得る方法の一例として、バイヤー工程において、1500℃を超えない温度範囲で焼成することが好ましい。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、酸化アルミニウムの圧縮度が20%未満であることが好ましい。ここで、圧縮度は、疎充填嵩密度、密充填嵩密度の差から、以下の式により算出される。
圧縮度(%)=(密充填嵩密度(g/ml)−疎充填嵩密度(g/ml))÷密充填嵩密度(g/ml)×100
なお、疎充填嵩密度や密充填嵩密度は、ホソカワミクロン社製の「パウダテスターPT−S型」を用い、一定容積の容器中に粉末試料を充填させてその重量を測定し算出した。
このようにすることで、流動性が良好でかつ噴流が発生し難くなり、酸化アルミニウムの粉体特性を安定化でき、計量過不足や輸送不良が起こり難くなる。そのため、適切な組成のガラスバッチを溶融炉内へ滞りなく導入でき、高い溶融安定性と生産性を達成でき、ひいてはガラスの品質も向上させることができる。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 1〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%を含有するアルミノシリケートガラスが得られるようにガラスバッチを調製することが好ましい。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、得られたアルミノシリケートガラスを液晶ディスプレイの基板ガラスに用いることが好ましい。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法では、板状に成形した場合でも、高品質のガラス板へと成形することが可能である。そのため、液晶ディスプレイの基板ガラスに好適である。
本発明に係る酸化アルミニウムのBET比表面積と計量誤差の関係を示すグラフである。 本発明に係る酸化アルミニウムのBET比表面積と圧縮度の関係を示すグラフである。 本発明に係る酸化アルミニウムのBET比表面積とIg.Lossの関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳述する。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、酸化アルミニウムを含むガラスバッチを用意する工程を有する。
本発明においては、BET比表面積値が1.0〜13m/gの酸化アルミニウムを使用することを特徴とする。酸化アルミニウムの好ましいBET比表面積値は、1.0〜11m/gであり、1.5〜10m/g、特に2.0〜9.0m/gである。
このようにすることで、酸化アルミニウムの粒子径を適正な範囲にできるため、計量過不足や輸送時の粉体挙動不安定が起こりにくい上、ガラスバッチの組成やAl得率が変動しにくい。その結果、高い溶融安定性と生産性を達成でき、ひいてはガラスの品質も向上させることができる。
また、酸化アルミニウムの好ましい平均粒径D50は、30〜150μmであり、35〜140μm、特に40〜130μmである。このようにすることで、汎用の酸化アルミニウムを用いることができるため、原料コストを低減できる。
また、酸化アルミニウムの好ましい圧縮度は、20%未満であり、19%未満、特に18%未満である。このようにすることで、流動性が良好でかつ噴流が発生し難くなるため、計量過不足や輸送不良が起こり難くなる。その結果、高い溶融安定性と生産性を達成でき、ひいてはガラスの品質も向上させることができる。
なお、本発明に係るガラスバッチとして好適なガラス組成範囲や、好適な原料については後で詳述する。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、前記ガラスバッチを溶融して、溶融ガラスとする工程を含む。ガラスバッチの溶融温度は、例えば1400℃〜1700℃とすることが好ましい。溶融温度はガラスバッチの組成や原料粒度、清澄条件によって変更可能である。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、前記溶融ガラスを成形する工程を有する。成形方法は、目的製品に合わせて、紡糸、ダンナー法、ブロー成形法、プレス成形法等、様々な方法を採用することができる。その中でも特に、本発明は板状に成形することが好ましく、板状の成形方法として、フロート法、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法等を用いることが可能である。
本発明に係るガラスバッチとして好適なガラス組成範囲は以下の通りである。
本発明に係るガラスバッチは、目標組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 1〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%を含有することが好ましい。以下に各成分を上記の範囲に限定した理由を述べる。なお、以降の説明では特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味する。
SiOは、ガラスのネットワークフォーマーであり、その含有量は50〜80%である。SiOの含有量が少なすぎると歪点が低下し、例えば、ディスプレイ装置を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れやすくなったり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。また熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなったり、耐熱衝撃性が低下しやすくなったりする。さらに、耐酸性も悪化する。一方、SiOの含有量が多すぎると、高温粘度が高くなり、溶融や成形が困難となる。また、熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなる。SiO含有量の好適な範囲は52〜70%である。
Alは、ガラスの耐候性や機械的強度を向上させる成分であり、その含有量は5〜25%である。Alの含有量が多すぎると、歪点が低下し、例えば、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Alの含有量が少なすぎると、耐バッファードフッ酸性が低下したり、液相温度が上昇してガラス基板の成形が困難になったりする。Al含有量の好適な範囲は7〜22%である。
は、粘性を低下させ、かつ溶融性を高める成分であるが、過剰に含有すると、歪点が低くなり、例えば、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。B含有量の好適な範囲は0〜15%である。
MgOは、歪点を低下させずに、高温粘度を低下させて、溶融性を改善する成分であり、含有量は0〜15%である。MgOの含有量が多すぎると、クリストバライトやエンスタタイトの失透ブツが発生しやすくなる傾向にある。さらに耐バッファードフッ酸性が低下し、フォトエッチング工程でガラス基板が侵食され、その反応生成物がガラス基板の表面に付着し、ガラス基板が白濁しやすくなる。MgO含有量の好適な範囲は0〜10%である。
CaOは、歪点を低下させずに高温粘度のみを低下させて、溶融性を改善する成分であり、含有量は1〜15%である。CaOの含有量が多すぎると、耐バッファードフッ酸性が低下するとともに、密度や熱膨張係数が上昇する。CaOの含有量が少なすぎると高温粘度が上昇し溶融性が悪化し易くなる。CaO含有量の好適な範囲は3〜12%である。
SrOは、耐薬品性と耐失透性を向上させる成分であり含有量は0〜15質量%である。SrOの含有量が多すぎると、密度や熱膨張係数が上昇する。SrO含有量の好適な範囲は0〜12%である。
BaOは、耐薬品性と耐失透性を向上させる成分であり含有量は0〜15質量%である。BaOの含有量が多すぎると、密度や熱膨張係数が上昇する。BaO含有量の好適な範囲は0〜12%である。
また上記以外にも、種々の成分を含有することができる。例えばZrO,P,SnO,ZnO,Sb,SO,Cl,Ni等を含有していてもよい。
下記に、本発明に使用できる原料を例示する。なお、ガラスバッチはこれらの原料のみで構成してもよいが、当然ながら、例示した以外の原料を用いることも可能であるし、ガラスカレットを併用してもよい。
ケイ素源として珪砂(SiO)等を用いることができる。
アルミニウム源として、少なくとも酸化アルミニウムを含み、水酸化アルミニウムも使用できる。酸化アルミニウムのBET比表面積値は1.0〜13m/gの範囲であり、好ましくは1.0〜11m/gの範囲であり、より好ましくは2.0〜9.0m/gの範囲である。
硼素源として、硼酸(B・3HO)、無水硼酸(B)等が使用できる。
MgO、CaO源として、炭酸カルシウム、ドロマイト(MgO・CaO・2CO)等が使用できる。
SrO、BaO源として、これらの炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等を用いることができる。
まず、ガラスバッチ調合設備中の、酸化アルミニウム用サイロ(容積500t)において、酸化アルミニウムを粉粒体運搬車からの圧搾空気による輸送により300t投入した。その後、当該サイロから酸化アルミニウム0.5tずつをスクリューフィーダーで輸送した後、計量した。計量誤差は下記の式で求めた。
計量誤差(%)=(酸化アルミニウム計量値A(t)−酸化アルミニウムの理論計量値0.5(t))/酸化アルミニウムの理論計量値0.5(t)×100
上述した方法で300t全量について測定したところ、酸化アルミニウムのBET比表面積値の測定値範囲は、0.5〜16.1m/gであった。
ロット毎の酸化アルミニウムのBET比表面積値と計量誤差の関係を図1に示す。図1から分かるように、BET比表面積値が1.0m/g以上であれば、計量誤差が5%以内であった。特に、2.0m/g以上であれば、計量誤差が更に小さくなる。なお、計量誤差が5%を超えた酸化アルミニウムを用いたガラスバッチは、特に組成のばらつきが大きく、溶融安定性や生産性が悪かった。また、生産されたガラスは組成変動しており、ガラス品質も良くなかった。
次に、任意の15ロットについて、酸化アルミニウムの圧縮度を測定したところ、圧縮度は7.1〜24.9%であった。酸化アルミニウムのBET比表面積値と圧縮度の関係を図2に示す。図2から分かるように、酸化アルミニウムのBET比表面積値と圧縮度は相関し、BET比表面積値が小さいものほど、圧縮度が大きい。特に、BET比表面積値1.0m/g未満の酸化アルミニウムは、圧縮度が20%を超えており、流動性が悪く、噴流を発生しやすいと考えられ、計量誤差や輸送に影響している可能性が高い。
また、図3に、高湿度環境下(温度28℃、湿度90%以上、24時間)で保管したときの酸化アルミニウムのBET比表面積値とIg.Loss(強熱減量)との関係を示す。これから分かるように、BET比表面積値が大きな酸化アルミニウムは吸湿性が高く、Ig.Loss(強熱減量)が大きい。すなわち、BET比表面積値が大きすぎる酸化アルミニウムは、保管状況によって単位重量当たりのAl得率が変化しやすいため、たとえ計量精度を改善しても調合時の組成変化を回避できない場合がある。図3より、BET比表面積値が、13m/g以下であれば、Ig.Loss(強熱減量)が1%以下となり、特に9.0m/g以下であれば、Ig.Loss(強熱減量)が殆どない。しかし、13m/gを超えるとIg.Loss(強熱減量)が1%を超えるため、原料の調合目標値を考慮するとAl得率変化が無視できなくなる。
以上から明らかなように、酸化アルミニウムのBET比表面積値が1.0m/g以上であれば、計量誤差が5%以内であり、また、圧縮度を20%以下にすることができるため、流動性を向上させ噴流を抑制できる。更に、BET比表面積値が、13m/g以下であれば、保管環境によるAl得率や飛散によるガラスバッチ組成の変動を回避できる。これらの結果、計量過不足や輸送時の粉体挙動不安定が起こりにくく、原料の調合精度を高めることができる。
なお、一連の結果より、特に正確に過不足なく計量できた酸化アルミニウムのBET比表面積値は2.0〜9.0m/gであった。
次に、ガラスバッチをガラス溶融炉に順に投入し、溶融温度1500〜1600℃で溶融、均質化し、ディスプレイ用基板ガラスへと成形した。本発明に係る酸化アルミニウムを用いたガラスバッチは、組成のばらつきが小さく、溶融炉内へ滞りなく導入できたため、高温溶融で難溶性のガラスであっても高い溶融安定性と生産性を達成でき、得られたガラスの品質も高かった。
本発明のアルミノシリケートガラスの製造方法は、ディスプレイ基板の製造方法に好適であるが、原料の調合精度向上はガラス製造において広く求められる課題であり、ディスプレイ基板以外の板ガラスや、その他のガラスの製造方法にも好適である。具体的には、FPD、スマートフォンや、タブレット端末等のディスプレイ基板ガラスやカバーガラスだけでなく、構造材としての板ガラスや、その他にも、管ガラスや電球用ガラス、繊維状ガラスの製造方法にも用いることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも酸化アルミニウムを含むガラスバッチを溶融、成形して得られるアルミノシリケートガラスの製造方法において、前記酸化アルミニウムのBET比表面積値が1.0〜13m/gの範囲であることを特徴とするアルミノシリケートガラスの製造方法。
  2. 前記酸化アルミニウムの平均粒径D50が30〜150μmであることを特徴とする請求項1に記載のアルミノシリケートガラスの製造方法。
  3. 前記酸化アルミニウムの圧縮度が20%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミノシリケートガラスの製造方法。
  4. 酸化物基準の質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜25%、B 0〜20%、MgO 0〜15%、CaO 1〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%を含有するアルミノシリケートガラスが得られるようにガラスバッチを調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミノシリケートガラスの製造方法。
  5. 得られたアルミノシリケートガラスを液晶ディスプレイの基板ガラスに用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミノシリケートガラスの製造方法。

























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