JP2021091571A - アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法 - Google Patents

アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021091571A
JP2021091571A JP2019222778A JP2019222778A JP2021091571A JP 2021091571 A JP2021091571 A JP 2021091571A JP 2019222778 A JP2019222778 A JP 2019222778A JP 2019222778 A JP2019222778 A JP 2019222778A JP 2021091571 A JP2021091571 A JP 2021091571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
alkaline earth
raw material
content
aluminum borosilicate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019222778A
Other languages
English (en)
Inventor
真人 六車
Masato Rokusha
真人 六車
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2019222778A priority Critical patent/JP2021091571A/ja
Priority to PCT/JP2020/040047 priority patent/WO2021117360A1/ja
Priority to TW109138007A priority patent/TW202122359A/zh
Publication of JP2021091571A publication Critical patent/JP2021091571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B1/00Preparing the batches
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/02Details
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K77/00Constructional details of devices covered by this subclass and not covered by groups H10K10/80, H10K30/80, H10K50/80 or H10K59/80
    • H10K77/10Substrates, e.g. flexible substrates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

【課題】ガラス原料の溶解時に溶融分離が生じ難く、且つディスプレイの製造工程の熱処理で熱収縮し難いアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法を創案する。【解決手段】本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法は、アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜1質量%となるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスが得られるように、ホウ素導入原料を含むガラス原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製する調合工程と、ガラスバッチを溶融炉に投入し、溶融ガラスを得る溶融工程と、溶融ガラスを板状に成形して、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスを得る成形工程と、を備え、ホウ素導入原料の全部又は一部に硼砂原料を用いることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法に関し、特に液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイの基板に用いるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ等の基板には、従来から、無アルカリガラス板、つまり無アルカリのアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス板が使用されている。
近年、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイの基板に対して、ディスプレイの製造工程の熱処理で熱収縮し難いという特性が要求されている。熱収縮量を低減するためには、ガラス板の高歪点化が有効である。
国際公開2018/1234675号 特開2006−265001号公報 特開2012−148959号公報
例えば、特許文献1には、ガラス組成中のBの含有量を低減することにより、ガラス板の歪点を高めて、熱収縮し難くすることが開示されている。
しかし、高歪点の無アルカリガラスは、ガラス原料の溶解時に溶融分離し易いため、安定生産が困難である。
そこで、本発明は上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、ガラス原料の溶解時に溶融分離が生じ難く、且つディスプレイの製造工程の熱処理で熱収縮し難いアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法を創案することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスのホウ素導入原料に硼砂を用いることにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法は、アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜1質量%となるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスが得られるように、ホウ素導入原料を含むガラス原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製する調合工程と、ガラスバッチを溶融炉に投入し、溶融ガラスを得る溶融工程と、溶融ガラスを板状に成形して、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスを得る成形工程と、を備え、ホウ素導入原料の全部又は一部に硼砂原料を用いることを特徴とする。
ディスプレイの基板に用いるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスのホウ素導入原料には、従来まで、アルカリ金属酸化物を殆ど含まない硼酸(HBO)と無水硼酸(B)が使用されている。特にガラス中の水分量を低減して、ガラス板を高歪点化する場合、無水硼酸が使用されるが、その場合、バッチコストが上昇してしまう。一方、ホウ素導入原料として、無水硼砂(NaO・2B)を用いると、ガラス中の水分量を安価に低減し得るが、ガラス中にNaOが同時に導入される、よって、無水硼砂(NaO・2B)は、ディスプレイの基板用途で使用実績がない。
しかし、本発明では、ホウ素導入原料として、硼砂原料を用い、ガラス原料の溶解時の溶融分離を抑制することを特徴とする。硼砂原料を用いる理由を以下に詳述する。
本発明者の調査によると、ガラス原料の溶解時に形成される初期融液にアルカリ土類元素(Mg、Ca、Sr、Ba)が取り込まれ難く、アルカリ土類酸化物融液が形成されると、アルカリ土類酸化物融液が高密度、低粘度であるため、溶融分離が生じる。ホウ素導入原料として、従来の硼酸又は無水硼酸(以下、硼酸原料)を用いる場合、ボレートの融液が最初に形成される。一方、硼砂又は無水硼砂(以下、硼砂原料)を用いた場合、ナトリウムボレートの融液が最初に形成される。ボレートの初期融液とナトリウムボレートの初期融液は、何れもアルカリ土類元素を取り込み、アルカリ土類酸化物による溶融分離を低減する効果があるが、図1に示すように、初期融液が形成される800℃程度の温度域では、ボレートの初期融液よりもナトリウムボレートの初期融液の方が低粘度である。このため、ナトリウムボレートの初期融液は、アルカリ土類元素との接触頻度が高くなるため、アルカリ土類元素を取り込み易く、アルカリ土類酸化物の融液の形成が抑制される。結果として、溶融分離を有効に抑制することができる。
上記の通り、硼砂原料には、ディスプレイの特性を劣化させるアルカリ成分(NaO)を含んでいる。例えば、硼砂原料からガラス組成中にBを0.7質量%導入する場合、同時にNaOが0.3質量%導入される。ホウ素導入原料として、硼砂原料のみを用いる場合、NaOの許容限界量の関係から、Bの上限含有量は2.3質量%程度になる。硼砂原料と硼酸原料を併用すると、NaOの含有量を1質量%以下に規制しつつ、Bの含有量を増やすことができる。
本発明者の調査によると、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中のアルカリ金属酸化物の含有量が1質量%以下であれば、ディスプレイの特性をそれほど劣化させないため、許容可能である。例えば、特許文献2には、溶融ガラス中の硫黄をアルカリ硫酸塩として存在させることにより、SOガスによるリボイルを抑制することが開示されている。また、特許文献3には、泡品位を改善するために、アルカリ金属酸化物を添加することが開示されており、アルカリ金属酸化物の中でもNaOが泡品位を高める上で特に有効であることが開示されている。
また、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法では、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中のBの含有量が0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法では、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中に、SrOとBaOの内、少なくとも一方を0.1質量%以上含むことが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法では、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中のSOの含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法では、溶融ガラスを板状にオーバーフローダウンドロー法で成形することが好ましい。
また、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法では、溶融ガラスを板状に成形して、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスのガラス板を得た後、該ガラス板を液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイの基板に用いることが好ましい。
初期融液が形成される800℃程度の温度域において、ボレートの初期融液よりもナトリウムボレートの初期融液の方が低粘度であることを示すデータであり、そのデータの出典元は、J. Am. Ceram. Soc. Vol.36 (1953) p.319である。 実施例の欄における試料No.1、2について、ガラスの各断面のアルカリ土類金属酸化物の含有量(ΣRO)を示したXRFのデータである。 実施例の欄における試料No.1、2について、ガラスの各断面のSOの含有量を示したXRFのデータである。 実施例の欄における試料No.3〜5について、ガラスの各断面のアルカリ土類金属酸化物の含有量(ΣRO)を示したXRFのデータである。 実施例の欄における試料No.3〜5について、ガラスの各断面のSOの含有量を示したXRFのデータである。 実施例の欄における試料No.1、2について、ガラスの各断面のMgOとCaOの合量の比を示したデータである。 実施例の欄における試料No.1、2について、ガラスの各断面のSrOとBaOの合量の比を示したデータである。 実施例の欄における試料No.3〜5について、ガラスの各断面のMgOとCaOの合量の比を示したデータである。 実施例の欄における試料No.3〜5について、ガラスの各断面のSrOとBaOの合量の比を示したデータである。
本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法は、アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜1質量%となるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスが得られるように、ホウ素導入原料を含むガラス原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製する調合工程と、ガラスバッチを溶融炉に投入し、溶融ガラスを得る溶融工程と、溶融ガラスを成形して、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスを得る成形工程と、を備え、ホウ素導入原料の全部又は一部に硼砂原料を用いることを特徴とする。以下、本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法を詳述する。
まず、所望のガラス組成、ガラス特性になるように、各成分の導入源となるガラス原料を調合、混合してガラスバッチを作製する。必要に応じて、ガラス原料として、ガラスカレットを用いてもよい。なお、ガラスカレットとは、ガラス製造工程等で排出されるガラス屑である。
本発明では、ホウ素導入原料を含むガラス原料を調合し、ホウ素導入原料の全部又は一部に硼砂原料を用い、好ましくはガラス組成中のBの含有量の過半数が硼砂原料で導入されており、より好ましくはガラス組成中のBの含有量の80%以上が硼砂原料で導入されている。硼砂原料を用いると、ガラス原料の溶解時にナトリウムボレートの初期融液が形成される。ナトリウムボレートの初期融液は、アルカリ土類元素との接触頻度が高いため、アルカリ土類元素を取り込み易く、アルカリ土類酸化物の融液の形成が抑制される。結果として、溶融分離を有効に抑制することができる。
ガラス原料の内、アルカリ土類酸化物の導入原料は、アルカリ土類元素の酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、硫酸塩、ハロゲン化物或いはそれらの複塩である。アルカリ土類酸化物の導入原料は、アルカリ土類アルミノシリケートガラスのガラスバッチにおいて易溶融成分であり、またアルカリ土類酸化物融液は、溶融ガラスの密度より高く、低粘度である。そのため、アルカリ土類酸化物融液は、ガラス原料の溶解時に沈み込み易く、特にSrO融液とBaO融液は沈み込み易い。しかし、ホウ素導入原料として硼砂原料を用いると、ガラス原料の溶解時にアルカリボレートの初期融液が形成されて、その初期融液にSrO、BaOが取り込まれる。結果として、溶融分離し易いSrO融液やBaO融液の形成を抑制することができる。
本発明のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法において、ガラス組成として、下記酸化物換算の質量%で、SiO 50〜70%、Al 10〜25%、B 0.1〜15%、LiO+NaO+KO 0.01〜1%、MgO 0〜8%、CaO 3〜10%、SrO+BaO 0.1〜20%を含有するように、ガラス原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製することが好ましい。上記のようにガラス組成を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、質量%を指す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは50〜70%、54〜68%、56〜66%、特に58〜64%である。SiOの含有量が少な過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、耐酸性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点やヤング率を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は、好ましくは10〜25%、特に15〜22%である。Alの含有量が少な過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなり、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、ムライト、アノーサイト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は、好ましくは0〜15%、0.1〜6%、0.3〜3%、特に0.5〜2.3%である。Bの含有量が少な過ぎると、溶融性や耐失透性が低下し易くなり、またフッ酸系の薬液に対する耐性が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率や歪点が低下し易くなる。
アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)は、硼砂原料を用いるために必須の成分であり、溶融温度や成形温度を低下させる成分である。しかし、アルカリ金属酸化物の含有量が多過ぎると、ディスプレイの性能に悪影響が生じる。よって、LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの合量)は、好ましくは0.01〜1%、0.02〜0.2%、0.03〜0.1%、特に0.04〜0.09%である。特にNaOの含有量は、好ましくは0.01〜1%、0.02〜0.2%、0.03〜0.1%、特に0.04〜0.09%である。なお、本発明では、アルカリ金属酸化物は主に硼砂原料により導入されるが、硼砂原料以外のガラス原料によりアルカリ金属酸化物を導入してもよい。例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のガラス原料によりアルカリ金属酸化物を導入してもよい。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは0〜8%、0〜7%、0〜6%、0〜3%、特に0〜2%である。MgOの含有量が少な過ぎると、溶融性やヤング率が低下し易くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなると共に、歪点が低下し易くなる。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は、好ましくは3〜10%、4〜10%、特に5〜9%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり易い。
SrOとBaOは、耐失透性を高める成分であるが、溶融分離を助長する成分である。更に歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrO+BaOの含有量(SrOとBaOの合量)は、好ましくは0.1〜25%、1〜22%、2〜20%、特に5〜18%である。特にSrOの含有量は、好ましくは0〜8%、0.1〜7%、特に0.5〜6%である。BaOの含有量は、好ましくは0〜20%、0.1〜18%、1〜17%、3〜16%、特に5〜15%である。SrOの含有量が多過ぎると、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなって、耐失透性が低下し易くなる。BaOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、溶融性が低下し易くなる。またBaOを含む失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
SnOは、清澄剤として作用する成分であり、その含有量は、好ましくは0〜1%、0.1〜0.5%、特に0.2〜0.4%である。SnOの含有量が多過ぎると、失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
SOは、SOガスのリボイルによる泡不良を発生させる成分である。SOの含有量は、好ましくは0.01%以下、好ましくは0.005%以下である。SOの含有量が多過ぎると、SOガスのリボイルによる泡不良が発生し易くなる。
上記成分以外にも、他の成分、例えばZrO、ZnO、P、F、Cl、Mo等の成分を添加してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
本発明に係るアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスにおいて、歪点は、好ましくは700℃以上、720℃以上、特に740〜850℃が好ましい。歪点が低過ぎると、ディスプレイの製造工程における熱処理でガラス板が熱収縮し易くなる。一方、歪点が高過ぎると、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。
本発明に係るアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスにおいて、102.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1530〜1680℃、より好ましくは1550〜1650℃、特に好ましくは1580〜1630℃である。102.5dPa・sにおける温度が低過ぎると、ディスプレイの製造工程における熱処理でガラス板が熱収縮し易くなる。一方、102.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性が低下して、ガラス板の製造コストが高騰し易くなる。なお、「102.5dPa・sにおける温度」は、周知の白金球引き上げ法で測定可能である。
次いで、調合工程後に、得られたガラスバッチを溶融炉に投入する。溶融炉へのガラスバッチの投入は、通常、スクリューチャージャー等の原料フィーダーにより連続的に行われるが、断続的に行ってもよい。
溶融炉内へ投入されたガラスバッチは、バーナー等の燃焼雰囲気や溶融炉の内部に設置された電極等により加熱されて、溶融ガラスになる。ガラス原料の溶融温度は、1530〜1680℃程度である。
続いて、得られた溶融ガラスは、清澄工程、攪拌工程、供給工程を経た後、成形装置に投入するために徐々に冷却される。
その後、溶融ガラスは、成形装置に供給されて、所定の肉厚、表面品位を有するように板状に成形された後、所定サイズに切断されて、ガラス製品(ガラス板)になる。成形方法として、オーバーフローダウンドロー法、フロート法等を採用することができる。特に、オーバーフローダウンドロー法は、未研磨で表面平滑なガラス板を作製し得るため、好ましい。
このようにして作製されたガラス板は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の基板として好適に使用される。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、試料No.1〜5を示している。
Figure 2021091571
次にようにして、各試料を作製した。表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合して、ガラス100gに相当するガラスバッチを作製した。なお、NaOとBの導入原料には、表中のガラス原料を用いた。それ以外のガラス原料は、試料No.1〜5で同じものを用いた。得られたガラスバッチを三角るつぼ(円錐形状の白金合金るつぼ)に投入し、1600℃で2時間溶融した後、急冷した。その後、ガラスを三角るつぼから剥離し、上部から5mm、15mm、21mmのガラスの断面のガラス組成をXRFで分析した。その結果を図2〜9に示す。図2は、試料No.1、2について、ガラスの各断面のアルカリ土類金属酸化物の含有量(ΣRO)を示したXRFのデータである。図3は、試料No.1、2について、ガラスの各断面のSOの含有量を示したXRFのデータである。図4は、試料No.3〜5について、ガラスの各断面のアルカリ土類金属酸化物の含有量(ΣRO)を示したXRFのデータである。図5は、試料No.3〜5について、ガラスの各断面のSOの含有量を示したXRFのデータである。図6は、試料No.1、2について、ガラスの各断面のMgOとCaOの合量の比を示したデータである。図7は、試料No.1、2について、ガラスの各断面のSrOとBaOの合量の比を示したデータである。図8は、試料No.3〜5について、ガラスの各断面のMgOとCaOの合量の比を示したデータである。図9は、試料No.3〜5について、ガラスの各断面のSrOとBaOの合量の比を示したデータである。なお、図6、8の縦軸は、上部から5mmのガラスの断面でのMgOとCaOの合量を1とした場合におけるMgOとCaOの合量の比を示している。図7、9の縦軸は、上部から5mmのガラスの断面でのSrOとBaOの合量を1とした場合におけるSrOとBaOの合量の比を示している。
図2、3から分かるように、Bの含有量が0.8質量%であるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスでは、溶融分離が生じ易いが、硼砂原料を用いると、溶融分離の程度が改善されると共に、SOの偏在も改善される。一方、図4、5から分かるように、Bの含有量が6.5質量%であるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスでは、溶融分離が生じ難く、SOが偏在し難いため、硼砂原料を用いる必要性は高くない。
図6、7から分かるように、Bの含有量が0.8質量%であるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスでは、MgOとCaOの溶融分離は生じ難く、SrOとBaOの溶融分離は生じ易いが、硼砂原料を用いると、その溶融分離の程度が改善される。一方、図8、9から分かるように、Bの含有量が6.5質量%であるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスでは、MgOとCaOの溶融分離は生じ難く、SrOとBaOの溶融分離も生じ難いため、硼砂原料を用いる必要性は高くない。

Claims (6)

  1. アルカリ金属酸化物の含有量が0.01〜1質量%となるアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスが得られるように、ホウ素導入原料を含むガラス原料を調合、混合して、ガラスバッチを作製する調合工程と、
    ガラスバッチを溶融炉に投入し、溶融ガラスを得る溶融工程と、
    溶融ガラスを板状に成形して、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスを得る成形工程と、を備え、
    ホウ素導入原料の全部又は一部に硼砂原料を用いることを特徴とするアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
  2. アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中のBの含有量が0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
  3. アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中に、SrOとBaOの内、少なくとも一方を0.1質量%以上含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
  4. アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス中のSOの含有量が0.01質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
  5. 溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー法で板状に成形することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
  6. アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスを液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイの基板に用いることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のアルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法。
JP2019222778A 2019-12-10 2019-12-10 アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法 Pending JP2021091571A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019222778A JP2021091571A (ja) 2019-12-10 2019-12-10 アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法
PCT/JP2020/040047 WO2021117360A1 (ja) 2019-12-10 2020-10-26 アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法
TW109138007A TW202122359A (zh) 2019-12-10 2020-11-02 鹼土類鋁硼矽酸玻璃的製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019222778A JP2021091571A (ja) 2019-12-10 2019-12-10 アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021091571A true JP2021091571A (ja) 2021-06-17

Family

ID=76311705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019222778A Pending JP2021091571A (ja) 2019-12-10 2019-12-10 アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2021091571A (ja)
TW (1) TW202122359A (ja)
WO (1) WO2021117360A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114685044A (zh) * 2022-03-18 2022-07-01 安徽汉柔光电科技有限公司 一种易熔高化学稳定性的碱铝硅玻璃

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2379487A1 (fr) * 1977-02-02 1978-09-01 Owens Corning Fiberglass Corp Procede perfectionne de production de verre fondu
JPH0333025A (ja) * 1989-06-29 1991-02-13 Nippon Electric Glass Co Ltd 低アルカリガラス用原料組成物
US20040050106A1 (en) * 2002-08-29 2004-03-18 Murnane Rand A. Producing glass using outgassed frit
EP1653499B1 (en) * 2003-08-08 2011-05-04 Nippon Electric Glass Co., Ltd Glass tube for external electrode fluorescent lamp
JP2009280425A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Sharp Corp 無アルカリガラスのリサイクル方法およびそれにより得られるガラス材料
FR2974700B1 (fr) * 2011-04-29 2013-04-12 Eurokera Dispositif de cuisson par induction
JP6724896B2 (ja) * 2017-12-28 2020-07-15 日本電気硝子株式会社 ガラスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW202122359A (zh) 2021-06-16
WO2021117360A1 (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5233998B2 (ja) ガラス板およびその製造方法ならびにtftパネルの製造方法
JP3804112B2 (ja) 無アルカリガラス、無アルカリガラスの製造方法およびフラットディスプレイパネル
TWI597250B (zh) 顯示器用玻璃基板
JP5751439B2 (ja) 無アルカリガラス
JP2012184146A (ja) 無アルカリガラス
JPWO2011001920A1 (ja) 無アルカリガラスおよびその製造方法
TWI417265B (zh) 以無鹼鋁硼矽酸鹽類顯示碎玻璃為原料的太陽能電池用低鐵平板玻璃配料
TW201323371A (zh) 平面顯示器用玻璃基板及其製造方法
WO2016017558A1 (ja) 高透過ガラス
JP7182871B2 (ja) ガラス
JP4613635B2 (ja) ガラス及びその製造方法
CN109843817B (zh) 玻璃
WO2021117360A1 (ja) アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラスの製造方法
CN110183103B (zh) 无碱硼铝硅酸盐玻璃用澄清剂及其使用方法
JP2011063464A (ja) プラズマディスプレイ用ガラス板
JP2020172423A (ja) 無アルカリガラス板
JP6562240B2 (ja) 珪酸塩ガラスの製造方法及び珪酸塩ガラス用シリカ原料
KR20160023698A (ko) 무알칼리 유리
WO2022009855A1 (ja) アルカリ土類アルミノケイ酸ガラスの製造方法
KR20160023700A (ko) 무알칼리 유리
JP2021075410A (ja) ガラス板及びガラス板の製造方法
CN117326800A (zh) 一种玻璃用组合物、无碱玻璃及其制备方法和应用
KR20160023699A (ko) 무알칼리 유리
JP5988059B2 (ja) 無アルカリガラス
JP2012206861A (ja) ガラス基板の製造方法