JP2020100538A - ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法 - Google Patents

ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020100538A
JP2020100538A JP2018241148A JP2018241148A JP2020100538A JP 2020100538 A JP2020100538 A JP 2020100538A JP 2018241148 A JP2018241148 A JP 2018241148A JP 2018241148 A JP2018241148 A JP 2018241148A JP 2020100538 A JP2020100538 A JP 2020100538A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
raw material
mixed raw
clay
glass production
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018241148A
Other languages
English (en)
Inventor
加藤 勉
Tsutomu Kato
勉 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2018241148A priority Critical patent/JP2020100538A/ja
Publication of JP2020100538A publication Critical patent/JP2020100538A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、粗粒の石英の割合が低く、かつ過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないクレー原料を含むガラス製造用混合原料に関する。【解決手段】本発明のガラス製造用混合原料は、クレー原料を含むガラス製造用混合原料であって、該クレー原料が、酸化物換算のAl2O3が60質量%以上であるAl2O3含有含水鉱物を1質量%以上含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法に関する。
ガラス製品は、ガラス製造用混合原料をガラス溶融炉で溶融し、得られた溶融ガラスを板状、管状、繊維状等、様々な形状に成形することで得られる。ガラス溶融炉の内部に供給されたガラス製造用混合原料は、バーナーの燃焼によって上方から加熱され、溶解される。また、溶融炉底部に設けられた電極によってガラスに通電して加熱されることもある。
ガラス製造用混合原料としては、珪砂、長石、クレー、石灰石等の鉱産物が主原料として用いられ、それらの多くは、原料混合時の均質性や溶解性への配慮から、細粒化されている。
例えば、特許文献1には、珪砂、石灰石、ドロマイトを細粒化したガラス製造用混合原料が開示されている。
特公昭54−22457号公報
ガラス製造用混合原料のうち、クレー原料は、Al、SiO源として知られている。クレー原料は、カオリナイトやパイロフィライトといった含水珪酸塩を含み、鉱石を数段階の粉砕工程により粉砕加工して生産される。
ところで、クレー原料に用いられる鉱石は、一般に石英を伴って産出されるが、石英はカオリナイトやパイロフィライトに比べて硬いため、粉砕加工の際に石英が粗粒域に残る傾向がある。そのため、クレー原料は粒度域によって鉱物構成が異なり易い。具体的には、粒径の大きな粒度域は石英の割合が多くなり易く、粒径の小さい粒度域はカオリナイトやパイロフィライトの割合が多くなり易い。
石英は、クレー原料中の他の成分に比べて溶解速度が遅いため、溶融過程においてガラス融液の均質化を阻害し、ひいては生産性を悪化させる要因となる。これを避けるため、クレー原料の最大粒径を制限するとともに、粗粒中の石英を少なくすることが好ましい。
しかしながら、粉砕加工時にクレー原料の最大粒径を一定以下に抑えるように粉砕加工すると、鉱石に含まれるカオリナイトやパイロフィライトが過度に微粉化されてしまう。
そして、過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトは、ガラス製造用混合原料を溶融炉に投入する際に飛散し、排ガス経路等に堆積して設備の寿命を縮める要因になる他、ガラス調合組成とガラス製品組成のずれの原因にもなる。
本発明の目的は、粗粒の石英の割合が低く、かつ過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないクレー原料を含むガラス製造用混合原料を得ることである。
本発明者は、クレー原料について鋭意研究した結果、酸化物換算のAlが60質量%以上であるAl含有含水鉱物を所定量含有するクレー原料は、粉砕加工しても粗粒の石英の割合が低く、また過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが生じ難いという知見を得、本発明を提案するに至った。
すなわち、本発明のガラス製造用混合原料は、クレー原料を含むガラス製造用混合原料であって、該クレー原料が、酸化物換算のAlが60質量%以上であるAl含有含水鉱物を1質量%以上含むことを特徴とする。このようにすることで、粗粒の石英の割合が低く、かつ過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないクレー原料を含むガラス製造用混合原料を得易くできる。なお、クレー原料には岩石ではなく、粘性と可塑性を示す粘土状で産出するものもあるが、粘土状のクレー原料は本発明の対象外とする。
本発明のガラス製造用混合原料は、上記したAl含有含水鉱物が、ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポアから選択される一種又は二種以上を含むことが好ましい。なお、一般的に、ギブサイトはα−Al(OH)、ベーマイトはα−AlO(OH)、ダイアスポアはβ―AlO(OH)で表されるAl含有含水鉱物である。
本発明のガラス製造用混合原料は、上記したAl含有含水鉱物のモース硬度が2.5超であることが好ましい。
本発明のガラスの製造方法は、前記ガラス製造用混合原料を溶融した後、ガラスに成形することを特徴とする。このようにすることで、クレー原料の粒度域毎の成分の偏りを改善し、融液を均質化できるため、ガラスの品質を向上できる。また、過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトの含有量が少ないため、炉内飛散物量を抑制でき、設備を長寿命化することができる。
本発明のガラスの製造方法は、繊維状に成形することが好ましい。このようにすることで、本発明の効果を一層享受し易くなる。
本発明のガラスの製造方法は、得られるガラスが、ガラス組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 42〜67%、Al 8〜26%、RO(ただし、Rは、Li、Na及びKのうち少なくとも一種)0〜2%を含有することが好ましい。
本発明のガラスの製造方法は、得られるガラスが、ガラス組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 52〜62%、Al 10〜16%、B 0〜8%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%及びRO(但し、Rは、Li,Na及びKのうちの少なくとも一種) 0〜2%、SO 0.01〜1%を含有することが好ましい。
本発明のガラスの製造方法は、得られるガラスが、Eガラスであることが好ましい。なお、Eガラスとは、ASTM D578−05 4.2.2で定義される組成を意味する。
クレー原料の粒度とSiO含有率の偏析(ずれ)の関係を示す図である。 クレー原料の粒度とAl含有率の偏析(ずれ)の関係を示す図である。
本発明のガラス製造用混合原料について、以下に詳述する。なお、以降の説明において、特段の断りがない限り、「%」表示は、質量%を示している。また、「酸化物換算のAlが60質量%以上であるAl含有含水鉱物」は、「Al含有含水鉱物」と表記する。
本発明のガラス製造用混合原料は、必須原料としてクレー原料を含む。クレー原料は、SiO、Al源として使用される。
クレー原料は、カオリナイト、パイロフィライトを主成分として含み、更にAl含有含水鉱物を1%以上、好ましくは3%以上、6%以上、10%以上、特に20%以上含有する。このようにすることで、クレー原料を粉砕加工した際に、粗粒の石英の割合が低く、かつ過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないクレー原料を含むガラス製造用混合原料を得ることができる。
Al含有含水鉱物として、ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポアから選択される一種又は二種以上を含むことが好ましい。それぞれのモース硬度は一般的に、ギブサイトが2.5〜3.5、ベーマイトが3〜4、そしてダイアスポアが6.5〜7である。これらは、モース硬度が、硬度1〜2.5のカオリナイトやパイロフィライトよりも石英に近い。そのため、クレー原料として、ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポアを含むものを用いることで、より確実に、クレー原料の粉砕加工の際に、カオリナイトやパイロフィライトの過度な粉砕による微粉発生を抑制できる。また、クレー原料の粒度による成分の偏りを更に縮小できる。
このように、粒度による成分の偏りが縮小されたクレー原料は溶解性に優れており、ガラス融液を均質化し易くなることから生産性向上に寄与する。
更に、ギブサイト中のAlの含有率は約65%であり、ベーマイト中やダイアスポア中のAlの含有率は約85%と高い。また、Al源として、例えば酸化アルミニウムは難溶解性であるが、Al含水鉱物はその構造に結晶水を含み、溶解性に優れる。そのため、これらを含むクレー原料は、Al源として好適である。よって、クレー原料をAl源として捉えた場合、クレー原料中のギブサイト、ベーマイト及びダイアスポアの含有量は多いほうが好ましく、具体的にはそれぞれ、好ましくは3%以上、6%以上、10%以上、特に20%以上である。
なお、ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポア等の同定及び定量には、X線回折法を用いる。また、より正確な値を得るために、化学成分の分析値を併用することもできる。
また、Al含有含水鉱物のモース硬度は、好ましくは2.5超であり、2.5超〜7、3〜7未満、3超〜6.5、特に3超〜6である。カオリナイト、パイロフィライト以外のAl含有含水鉱物のモース硬度は、微粉化され易いカオリナイトやパイロフィライトと、粉砕され難い石英との間にある。そのため、クレー原料を粉砕加工した場合でも、カオリナイトやパイロフィライトが過度に粉砕され難くなり、微粉の発生を抑え易くなる。また、クレー原料の粒度による成分の偏りが少ないため、ガラスの生産性を向上させることができる。
クレー原料の最大粒径は、300μm未満、150μm未満、特に106μm未満であることが好ましい。このようにすると、クレー原料中の石英の溶解を促進し、溶融過程においてガラス融液が均質化し易くなり、生産性を向上させ易い。なお、クレー原料の粒度を整える方法として、一般的に粉砕工程の後、分級を行う。分級方法としては篩分級や空気分級があるが、粒径が小さくなると、一般的な篩分級での調整が困難となり、粒度分布を整えるために大面積の篩や高精度の空気分級機が必要になる。更に、所定の粒度以下の微粉を廃棄する場合、原料コストや生産性の点では不利である。
本発明のガラス製造用混合原料は、クレー原料以外にも種々のガラス原料で構成される。例えば、クレー原料以外のガラス原料として、珪砂、長石、ソーダ灰、石灰等が挙げられる。
本発明のガラス製造用混合原料は、SiO及びAlを含有するガラスのガラス製造用混合原料として使用可能であるが、その中でも、ガラス製造用混合原料の中でクレー原料が占める割合が大きいガラス繊維のガラス製造用混合原料として、特に好適である。
また、本発明のガラス製造用混合原料は、ガラス組成として、例えば、後述するガラス組成や、Eガラス組成等を適用できる。
次に、本発明のガラスの製造方法について、説明する。
本発明のガラスの製造方法は、上記したガラス製造用混合原料を溶融した後、所定形状のガラスに成形する。ガラスの成形方法としては、紡糸法、ベロー法、ダンナー法、オーバーフローダウンドロー法、ロールアウト法、ブロー法、プレス法等があり、得られるガラスや、要求される特性に応じて選択することができる。
本発明のガラスの製造方法は、ガラス繊維の製造方法に用いることが好ましい。クレー原料は、ガラス繊維の製造に用いる混合原料の中で大きな割合を占める。そのため、本発明のガラス製造用混合原料をガラス繊維の製造に用いた場合、本発明の効果を一層享受し易くなる。
ここで、ガラス繊維の製造方法を例に挙げて、本発明の製造方法を詳述する。
まず、目標組成となるようにクレー原料及びその他のガラス原料を調合して、ガラス製造用混合原料を得る。
目標組成としては酸化物基準の質量%で、SiO 42〜67%、Al 8〜26%、及びRO(但し、Rは、Li,Na及びKのうちの少なくともひとつ) 0〜2%を含有するガラス組成、特にSiO 52〜62%、Al 10〜16%、B 0〜8%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%及びRO(但し、Rは、Li,Na及びKのうちの少なくともひとつ) 0〜2%、SO 0.01〜1%を含有する、いわゆるEガラス組成となるように調合することが好ましい。
各成分を上記の範囲に限定した理由を述べる。
SiOは、ガラスのネットワークフォーマーである。その含有量は42〜67%であり、好ましくは52〜62%、より好ましくは53〜60%、特に好ましくは55〜60%である。SiOの含有量が低すぎると、ガラス繊維の機械的強度が低くなりすぎる場合がある。SiOの含有量が高すぎると、ガラス融液の粘度が高くなりすぎるため、溶融及び成形が困難となる場合がある。
Alは、ガラス繊維の耐候性や機械的強度を向上させる成分である。その含有量は8〜26%であり、好ましくは10〜18%、より好ましくは13〜16%である。Alの含有量が低すぎると、ガラス融液が失透し易くなる場合がある。Alの含有量が高すぎると、ガラス融液の粘度が高くなりすぎるため、溶融及び成形が困難となる場合がある。
は、ガラス融液の粘度を低下させると共に、ガラスの溶融温度や紡糸温度を低下させる成分である。その含有量は好ましくは0〜25%であり、1〜10%、特に5〜9%である。Bの含有量が高すぎると、ガラス繊維の化学的耐久性が低くなりすぎる場合がある。また、ガラス融液からの揮発量が多くなるため、安定した組成でガラス繊維を製造することが困難となる。
MgO、CaOは、ガラスの溶融性を改善する成分である。MgOの含有量は好ましくは0〜15%であり、0〜10%、特に0.1〜4%である。またCaOの含有量は好ましくは9〜35%であり、16〜25%、特に18〜25%である。CaOの含有量が低すぎると、ガラス融液の粘度が高くなりすぎ、溶融や紡糸が困難となる場合がある。CaOの含有量が高すぎると、ウォラストナイト(CaO・SiO)の結晶が析出し易くなる場合がある。MgOの含有量が高くなりすぎると、ディオプサイド(CaO・MgO・2SiO)の結晶が析出し易くなる場合がある。
O(但し、Rは、Li,Na及びKのうちの少なくともひとつ)は、ガラスの溶融性や紡糸性を向上させる成分である。ROの含有量は合量で0〜2%、好ましくは0.3〜2%である。ROの含有量が高すぎると、ガラス繊維の機械的強度が低くなりすぎる場合がある。また、ガラス繊維の電気抵抗値が下がり、電気絶縁用途としては、不適切となる。
また上記以外にも、種々の成分を含有することができる。例えばSrO,BaO,ZrO,As,SnO,ZnO,Sb,SO,Cl,HO,He,Ni等をそれぞれ2%まで含有してもよい。
ガラス製造用混合原料に使用するガラス原料を例示する。なお、クレー原料については既述の通りであり、ここでは説明を割愛する。またガラス製造用混合原料はこれらの原料のみで構成してもよいが、ガラスカレットを併用してもよい。
ケイ素源として珪砂、珪石等を使用することができる。
ホウ素源として、コレマナイト(別名:灰ホウ石、2CaO・3B・5HO)、ホウ酸(B・3HO)、5水硼砂(NaO・2B・5HO)等が使用できる。
アルカリ土類金属源として、炭酸カルシウム(CaCO)やドロマイト(MgO・CaO・2CO)等が使用できる。
アルカリ金属源として、炭酸ナトリウム(NaCO)等のアルカリ金属の炭酸塩等が使用できる。
硫酸塩源として、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩等が挙げられる。
次いで、調合したガラス製造用混合原料をガラス溶融炉に投入してガラス化し、溶融、均質化する。溶融温度は1500〜1600℃程度が好適である。
続いて溶融ガラスを紡糸してガラス繊維に成形する。詳述すると、溶融ガラスを主に白金を主要成分とした貴金属で構成されるブッシングに供給する。ブッシングに供給した溶融ガラスを、その底面に設けられた多数のブッシングノズルからフィラメント状に連続的に引き出される。このようにして引き出されたモノフィラメントに各種処理剤を塗布し、所定本数毎に集束することによってガラスストランドを得る。なお、本発明のガラス繊維は、上記したガラスストランドだけでなく、遠心法等で成形するグラスウール等の短繊維や、ガラスストランドを集束する前のモノフィラメントも含む。
このようにして作製されたガラスストランドは、チョップドストランド、ヤーン、ロービング等に加工され、種々の用途に供される。なおチョップドストランドとは、ガラスモノフィラメントを集束したガラスストランドを所定長の長さに切断したものである。ヤーンとは、ストランドに撚りをかけたものである。ロービングとは、ストランドを複数本合糸し、円筒状に巻き取ったものである。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
まず、クレー原料として石英を伴って産したカオリナイト鉱石三種を用意し、粉砕後、25μm篩を用いて、微粒部と篩上残渣に分けた。更に、篩を用いて篩上残渣を粒径に基づき3等分し、それらを細粒部、中粒部、粗粒部とした。
図1及び図2は、クレー原料の粒度と、SiO及びAlの含有量の偏析(ずれ)の関係を示す図であり、100%から離れている程、偏析(ずれ)が大きいことを示す。なお、分析には蛍光X線分析装置を用いた。ここで、クレー原料(a)はAl含有含水鉱物(ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポア等)を9質量%、クレー原料(b)はAl含有含水鉱物を2質量%含むクレー原料である。また、クレー原料(c)はAl含有含水鉱物を含まないクレー原料である。図1及び2から分かるように、Al含有含水鉱物を含まないクレー原料(c)では粗粒部のSiO含有率が高く、相対的にAl含有率が低くなっており、成分の偏りが大きかった。
一方、Al含有含水鉱物を含むクレー原料(a)及び(b)は粗粒部でもSiO及びAlのずれがほとんど見られなかった。このことから、Al含有含水鉱物を含有したクレー原料は、粗粒部に石英が偏在し難く、粒度差による成分の偏りが少ないことが分かる。
次に、クレー原料(a)〜(c)を用い、Eガラスの組成になるよう表1のように調合してガラス製造用混合原料を作製した。そして、これらのガラス製造用混合原料を白金製のルツボに入れ、1400℃に保持した電気炉で20分溶融し、ガラスを得た。なお、一連の工程で撹拌操作を行っていないため、得られたガラスの表面には未溶解層が残っていた。この未溶解層の面積の割合は、ガラス用混合原料の溶融性の指標にできる。
得られたガラスを白金ルツボから取出した後、徐冷し、ガラス表面の面積に対する未溶解槽の面積を求めた。
表2は得られたガラス上層面全体の面積に対する未溶解層の面積の割合を画像解析により求めたものであり、この値が小さいものほど原料の溶融性が良いことを表す。
表2から分かるように、Al含有含水鉱物の含有率が高いクレー原料を用いたガラス製造用混合原料ほど、未溶解層の割合が小さかった。
このように、Al含有含水鉱物を所定量含んだクレー原料は、粒度毎の成分の偏りが少なく、本発明のガラス製造用混合原料は、粗粒の石英の割合が低く、かつ過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないと考えられる。そして、本発明のガラス製造用混合原料は、粒度毎の成分の偏りが少なく、溶融初期に発生する成分分離の程度が小さいため、ガラスの生産性が良好である。また、過度に微粉化されたカオリナイトやパイロフィライトが少ないと考えられるため、炉内飛散物量を抑制でき、設備寿命の延長にも貢献できる。

Claims (8)

  1. クレー原料を含むガラス製造用混合原料であって、該クレー原料が、酸化物換算のAlが60質量%以上であるAl含有含水鉱物を1質量%以上含むことを特徴とするガラス製造用混合原料。
  2. 前記Al含有含水鉱物が、ギブサイト、ベーマイト及びダイアスポアから選択される一種又は二種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のガラス製造用混合原料。
  3. 前記Al含有含水鉱物のモース硬度が2.5超であることを特徴とする請求項1又は2記載のガラス製造用混合原料。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のガラス製造用混合原料を溶融した後、ガラスに成形することを特徴とするガラスの製造方法。
  5. 繊維状に成形することを特徴とする請求項4に記載のガラス繊維の製造方法。
  6. 得られるガラスが、ガラス組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 42〜67%、Al 8〜26%、RO(ただし、Rは、Li、Na及びKのうち少なくとも一種)0〜2%を含有することを特徴とする請求項4又は5に記載のガラスの製造方法。
  7. 得られるガラスが、ガラス組成として、酸化物基準の質量%で、SiO 52〜62%、Al 10〜16%、B 0〜8%、MgO 0〜5%、CaO 16〜25%及びRO(但し、Rは、Li,Na及びKのうちの少なくとも一種) 0〜2%、SO 0.01〜1%を含有することを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のガラスの製造方法。
  8. 得られるガラスが、Eガラスであることを特徴とする請求項4〜7の何れかに記載のガラスの製造方法。
JP2018241148A 2018-12-25 2018-12-25 ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法 Pending JP2020100538A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241148A JP2020100538A (ja) 2018-12-25 2018-12-25 ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018241148A JP2020100538A (ja) 2018-12-25 2018-12-25 ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020100538A true JP2020100538A (ja) 2020-07-02

Family

ID=71141000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018241148A Pending JP2020100538A (ja) 2018-12-25 2018-12-25 ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020100538A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114685053A (zh) * 2022-05-06 2022-07-01 桐乡磊石微粉有限公司 一种用于生产电子级玻璃纤维的矿物微粉及其制备方法
JP2022151495A (ja) * 2021-03-25 2022-10-07 ショット アクチエンゲゼルシャフト ガラス物品およびその製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5346312A (en) * 1976-10-07 1978-04-25 Nippon Electric Glass Co Method of manufacturing batch for alkaliless glass which is suitable for electrical fusion and glass fibers
JPS6016829A (ja) * 1983-07-08 1985-01-28 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス原料の処理方法
EP0165530A1 (en) * 1984-06-18 1985-12-27 Ppg Industries, Inc. Novel fiber glass composition
JPH10120434A (ja) * 1996-10-22 1998-05-12 Kirin Brewery Co Ltd 結晶化ガラス材およびその製造法
JP2000247683A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Nitto Boseki Co Ltd 耐食性を有するガラス繊維
JP2011513171A (ja) * 2008-02-26 2011-04-28 コーニング インコーポレイテッド ケイ酸塩ガラス用の清澄剤
JP2015193522A (ja) * 2014-03-28 2015-11-05 日本電気硝子株式会社 ガラス製造用カオリン原料及びガラス繊維の製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5346312A (en) * 1976-10-07 1978-04-25 Nippon Electric Glass Co Method of manufacturing batch for alkaliless glass which is suitable for electrical fusion and glass fibers
JPS6016829A (ja) * 1983-07-08 1985-01-28 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス原料の処理方法
EP0165530A1 (en) * 1984-06-18 1985-12-27 Ppg Industries, Inc. Novel fiber glass composition
JPH10120434A (ja) * 1996-10-22 1998-05-12 Kirin Brewery Co Ltd 結晶化ガラス材およびその製造法
JP2000247683A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Nitto Boseki Co Ltd 耐食性を有するガラス繊維
JP2011513171A (ja) * 2008-02-26 2011-04-28 コーニング インコーポレイテッド ケイ酸塩ガラス用の清澄剤
JP2015193522A (ja) * 2014-03-28 2015-11-05 日本電気硝子株式会社 ガラス製造用カオリン原料及びガラス繊維の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
日本粘土学会: "粘土ハンドブック", 粘土ハンドブック, vol. 第三版, JPN7022003162, 30 April 2009 (2009-04-30), pages 561 - 877, ISSN: 0004953388 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022151495A (ja) * 2021-03-25 2022-10-07 ショット アクチエンゲゼルシャフト ガラス物品およびその製造方法
JP7405802B2 (ja) 2021-03-25 2023-12-26 ショット アクチエンゲゼルシャフト ガラス物品およびその製造方法
CN114685053A (zh) * 2022-05-06 2022-07-01 桐乡磊石微粉有限公司 一种用于生产电子级玻璃纤维的矿物微粉及其制备方法
CN114685053B (zh) * 2022-05-06 2024-01-05 桐乡磊石微粉有限公司 一种用于生产电子级玻璃纤维的矿物微粉及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101299769B1 (ko) 내화물이 라이닝 처리된 용융기에서의 고성능 유리 섬유의 제조 방법 및 이 방법에 따라 형성된 섬유
KR100488332B1 (ko) 유리 섬유 성형용 조성물
CN106396421B (zh) 一种连续玄武岩纤维的生产方法
KR100929099B1 (ko) 아웃게스된 프리트를 이용한 유리 제조 방법
JP6202318B2 (ja) ガラス繊維用ガラス組成物、ガラス繊維及びガラス繊維の製造方法
CN101333074A (zh) 一种钠钙硅酸盐玻璃组合物及其制法和用途
JP2015193522A (ja) ガラス製造用カオリン原料及びガラス繊維の製造方法
JP5304643B2 (ja) 無アルカリガラスの製造方法
CN109982982B (zh) 玻璃纤维用玻璃组合物、玻璃纤维和玻璃纤维的制造方法
JP2020100538A (ja) ガラス製造用混合原料及びこれを用いたガラスの製造方法
US3573887A (en) Method of making glass from reacted and shaped batch materials
JP6724896B2 (ja) ガラスの製造方法
CN111433166B (zh) 玻璃纤维及其制造方法
CN1566005A (zh) 用玄武岩矿石制造连续纤维的方法
KR100929869B1 (ko) 박막트랜지스터 액정디스플레이 유리기판의 파유리를 원료로한 소다석회붕규산염계 단섬유 유리 뱃지조성물
WO2017221637A1 (ja) ガラス繊維の製造方法
JP2020070218A (ja) ガラスの製造方法及びガラス用混合原料
CN105916821B (zh) 硅酸盐玻璃的制造方法、硅酸盐玻璃及硅酸盐玻璃用二氧化硅原料
KR101748499B1 (ko) 장섬유 유리 제조용 뱃지 조성물
KR20190072103A (ko) 석탄경석이 함유된 내알칼리성 글라스 섬유 제조방법 및 이를 통해 제조된 내알칼리성 글라스 섬유
US20190055156A1 (en) Brucite as a source of magnesium oxide in glass compositions
CN114516726A (zh) 一种非天然玄武岩纤维及其生产工艺
WO2023106048A1 (ja) ガラス繊維、ガラス繊維の製造方法及びガラス
JPS6257580B2 (ja)
CN108455841A (zh) 废弃的平板显示器用特种玻璃的用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221227