JP2018070179A - 袋体構成部材、袋体、及び使い捨てカイロ - Google Patents

袋体構成部材、袋体、及び使い捨てカイロ Download PDF

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Abstract

【課題】低温やけどが起こりにくいカイロを提供し得る袋体構成部材を提供する。【解決手段】2層の通気性を有する層12a、12b同士が、接着剤層13を介して又は介さずに隣り合う積層構成を少なくとも有し、厚み方向にかかる圧力によって厚み方向の通気性が変化することを特徴とする袋体構成部材であって、袋体構成部材を用いて形成された袋体の通気性を変化させることができるため、袋体構成部材を用いて形成されたカイロは、身につけた状態で就寝等した場合であっても、低温やけどを生じにくくすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、袋体構成部材に関する。より詳細には、使い捨てカイロ等に用いられる袋体構成部材に関する。
袋体は、除湿性物質、消臭性物質、発熱体等の内容物が収容された除湿剤、消臭剤、使い捨てカイロ用等として広く用いられている。
例えば、使い捨てカイロは、内部に鉄粉等を主成分とする発熱体を、2つの袋体を構成する部材(「袋体構成部材」と称する場合がある)の間に封入するようにして構成されている。このような袋体構成部材を用いた使い捨てカイロとしては、例えば、目付が10g/m2以上30g/m2未満かつ微小目付けのバラツキが8%以上である不織布と多孔質フィルムとを含む袋体構成部材を有する使い捨てカイロが知られている(特許文献1参照)。
特開2012−16531号公報
ところで、使い捨てカイロを身につけたまま就寝、あるいはうたた寝等すると、カイロの圧迫などによって低温やけどを生じる場合がある。さらに、電気カーペット、こたつ、床暖房等の暖房器具を作動させた状態で寝てしまうと、低温やけどはより深刻となる。
しかしながら、現在市販されている使い捨てカイロにおいては、身につけたまま就寝等すると低温やけどを生じる場合があるため身につけたまま就寝等しないようにすることというような注意書きが書かれているのみであり、使い捨てカイロとしての対応策は打たれていないのが現状である。従って、使い捨てカイロを身につけたまま寝ても低温やけどが起こりにくい使い捨てカイロが求められている。
従って、本発明の目的は、低温やけどが起こりにくいカイロを提供し得る袋体構成部材を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、カイロの発熱度合いを圧力によって制御することができれば、低温やけどが起こりにくいカイロを実現することができると考えた。そして、その結果、通気性を有する層を少なくとも2層備えた袋体構成部材を用いることにより、カイロの発熱体への酸素の供給量を圧力により制御でき、カイロの発熱度合いを圧力によって制御し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、2層の通気性を有する層同士が、接着剤層を介して又は介さずに隣り合う積層構成を少なくとも有し、厚み方向にかかる圧力によって厚み方向の通気性が変化することを特徴とする袋体構成部材を提供する。
前記袋体構成部材は、加圧しない状態の厚み方向の透気抵抗度が10万秒/100cc以下であり、0.6MPa加圧時の厚み方向の透気抵抗度が、前記加圧しない状態の厚み方向の透気抵抗度の2倍以下であることが好ましい。
前記2層の通気性を有する層が2層の多孔質フィルムであり、前記2層の多孔質フィルム同士が、非接着領域を少なくとも有するように接着されており、前記非接着領域において前記2層の多孔質フィルムが接触した状態の前記2層の多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの少なくとも一部が塞がるように、前記2層の多孔質フィルムにボイドが形成されていることが好ましい。
また、本発明は、前記の袋体構成部材を用いた袋体を提供する。
また、本発明は、前記の袋体の内部に発熱体が封入されている使い捨てカイロを提供する。
本発明の袋体構成部材は、本発明の袋体構成部材を用いて形成された袋体の通気性を変化させることができるため、本発明の袋体構成部材を用いて形成されたカイロは、身につけた状態で就寝等した場合であっても、低温やけどを生じにくくすることができる。
本発明の袋体構成部材の一例を示す概略図(切断部断面図)である。 本発明の袋体構成部材の具体的態様における2層の多孔質フィルム間の非接着領域の、加圧前後の様子を示す概略図(切断部断面図)である。 本発明の使い捨てカイロの一例(貼るタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。 本発明の使い捨てカイロの他の一例(貼らないタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。 実施例及び比較例で作製した内袋の温度測定の評価結果を示す図である。
[本発明の袋体構成部材]
本発明の袋体構成部材は、2層の通気性を有する層同士が隣り合う積層構成を少なくとも有する。なお、上記2層の通気性を有する層同士は、接着剤層を介して隣り合っていてもよい。本発明の袋体構成部材は、上記2層の通気性を有する層以外の層を有していてもよい。
本発明の袋体構成部材は、厚み方向にかかる圧力によって厚み方向の通気性が変化する。本発明の袋体構成部材の、加圧しない状態(常圧時)の厚み方向の通気性としては、特に限定されないが、厚み方向の透気抵抗度が、10万秒/100cc以下(例えば、1000〜10万秒/100cc)が好ましく、5万秒/100cc以下(例えば、5000〜5万秒/100cc)である。なお、本明細書では、加圧しない状態(常圧時)の厚み方向の透気抵抗度を、「透気抵抗度(常圧時)」と称する場合がある。
本発明の袋体構成部材の、加圧時の厚み方向の通気性は、透気抵抗度(常圧時)よりも低ければ特に限定されないが、0.6MPa加圧時の厚み方向の透気抵抗度が、透気抵抗度(常圧時)の2倍以下が好ましい。0.6MPa加圧時の厚み方向の透気抵抗度の下限は、特に限定されないが、3万秒/100ccが好ましく、より好ましくは8万秒/100cc、さらに好ましくは10万秒/100ccである。なお、本明細書では、0.6MPa加圧時の厚み方向の透気抵抗度を、「透気抵抗度(加圧時)」と称する場合がある。
本発明の袋体構成部材の、上記透気抵抗度(加圧時)と上記透気抵抗度(常圧時)の差[透気抵抗度(加圧時)−透気抵抗度(常圧時)]は、特に限定されないが、1万秒/100cc以上が好ましく、より好ましくは3万秒/100cc以上、さらに好ましくは5万秒/100cc以上である。
本明細書において、透気抵抗度は、JIS P 8117に準拠して、王研式試験機法により測定することができる。なお、透気抵抗度(加圧時)の測定は、測定サンプルの固定が困難な場合がある。この場合、透気抵抗度(加圧時)の測定への影響が小さい範囲内で、固定部材を用いて測定サンプルを固定して測定してもよい。具体的には、例えば、メッシュと複数の穴を空けたSUS板とを積層した固定部材[メッシュ/SUS板]を2組用い、メッシュが測定サンプル側となるように2組の固定部材で挟み込んで測定サンプルを固定して得た[SUS板/メッシュ/測定サンプル/メッシュ/SUS板]の積層体を得、これを試験片として用いることができる。なお、上記メッシュは、測定サンプルの透気抵抗度への影響が小さい範囲内のものであれば特に限定されない。また、上記複数の穴を空けたSUS板は、測定サンプルを支持することができ、測定時のエアー漏れを防止でき、また測定サンプルの透気抵抗度への影響が小さい範囲内のものであれば特に限定されない。
上記通気性を有する層としては、特に限定されないが、多孔質フィルムが好ましい。また、上記2層の通気性を有する層は、両方が多孔質フィルムであることが好ましい。また、上記2層の通気性を有する層は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。なお、本明細書において、上記通気性を有する層には、不織布は含まれない。
上記通気性を有する層の通気性は、特に限定されないが、1層あたりの厚み方向の透気抵抗度(常圧時)が1000〜8万秒/100ccが好ましく、より好ましくは5000〜5万秒/100ccである。上記透気抵抗度が1000秒/100cc以上であると、通気性を低下させた場合であっても十分な通気性が確保できる。上記透気抵抗度が8万秒/100cc以下であると、通気性をより変化させやすく、制御しやすくなる。なお、上記2層の通気性を有する層のそれぞれの透気抵抗度は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
特に限定されないが、袋体構成部材の通気性をより変化させやすい観点から、上記2層の通気性を有する層のうちの少なくとも一方が多孔質フィルムであることが好ましい。また、この場合、2層の通気性を有する層のうち、少なくとも、袋体を形成した際に袋体の内側(内部側)となる層が多孔質フィルムであることがより好ましい。
(多孔質フィルム)
上記多孔質フィルム(多孔質フィルム層)は、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの樹脂から構成(形成)されるフィルム状の多孔質基材である。上記の中でも、価格、柔軟性の観点やヒートシール性の観点から、ポリオレフィン系樹脂から構成される多孔質フィルムが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂は、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂であれば特に制限されない。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)等のエチレン系樹脂の他、プロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリ(1−ブテン)など)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などが挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂が好ましく、中でも、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
上記低密度ポリエチレンの密度は、特に限定されないが、0.90〜0.93g/cm3が好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。また、低密度ポリエチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜6万である。また、低密度ポリエチレンの190℃におけるMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0(g/10分)である。なお、本明細書における密度とは、JIS K 6922−2及びJIS K 7112に準拠して得られた密度をいうものとする。また、本明細書における重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)法によりポリスチレンを標準試料として測定した重量平均分子量をいうものとする。中でも、高温GPC法(高温GPC装置)により測定することが好ましい。具体的には、例えば、特開2009−184705号公報に記載の高温GPC法などが挙げられる。また、本明細書におけるMFRは、ISO1133(JIS K 7210)に準拠して、荷重条件2.16kgfで測定したMFRをいうものとする。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンモノマーとを重合して得られる、短鎖分岐(分岐の長さは炭素数1〜6が好ましい)を有する直鎖状ポリエチレンが好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンに用いられるα−オレフィンモノマーとしては、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、全構成モノマーの繰り返し単位(全ての構成モノマーに起因する繰り返し単位)に対するエチレンの繰り返し単位(エチレンに起因する繰り返し単位)の含有量(含有率)は90モル%以上が好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、中でも、低温ヒートシール性(低温ヒートシール時のヒートシール強度)向上の観点から、メタロセン系触媒を用いて調製された、いわゆる、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLDPE)が特に好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、特に限定されないが、0.90〜0.93g/cm3が好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。直鎖状低密度ポリエチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜10万、さらに好ましくは5万〜6万である。また、直鎖状低密度ポリエチレンの190℃におけるMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0(g/10分)である
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンモノマーの共重合体である。上記α−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンであれば特に制限されないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数3〜8のα−オレフィンが挙げられる。中でも、1−ブテンを用いたエチレン−α−オレフィン共重合エラストマーが好ましい。上記エチレン−α−オレフィン共重合体において、全構成モノマーの繰り返し単位に対するエチレンの繰り返し単位の含有量は60〜95モル%が好ましく、より好ましくは80〜90モル%である。上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、多孔質フィルムのヒートシール性をさらに向上させる役割を担う。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、特に限定されないが、0.90g/cm3未満が好ましく、より好ましくは0.86〜0.89g/cm3、さらに好ましくは0.87〜0.89g/cm3である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜20万が好ましく、より好ましくは8万〜15万である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の190℃におけるMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
上記多孔質フィルムは、特に限定されないが、無機充填剤を含有していてもよい。該無機充填剤は、延伸により充填剤の周囲にボイド(孔)を発生させることによって、フィルムを多孔質化させる役割を担う。かかる無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、石粉、ゼオライト、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉の他、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸の金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等の硫酸の金属塩;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;酸化マグネシウム−酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム−酸化亜鉛の水和物等の金属水和物(水和金属化合物)などが挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好ましい。無機充填剤の形状は特に限定されず、平板形状、粒状などのものを用いることができるが、延伸によるボイド(孔)形成の観点からは、粒状(粒子状)が好ましい。即ち、無機充填剤としては、炭酸カルシウムからなる無機粒子(無機微粒子)が好ましい。
上記無機充填剤(無機粒子)の粒径(平均粒径)は、特に限定されないが、例えば、0.1〜10.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0μmである。無機充填剤の粒径が、0.1μm以上の場合にボイド形成性が向上し、10.0μm以下とすることにより成膜(製膜)破れ、外観不良を抑制できるため好ましい。なお、上記平均粒子径は、体積基準分布におけるメディアン径(D50)であり、例えば、レーザー回折法により測定することができる。
上記無機充填剤(無機粒子)の含有量は、特に限定されないが、例えば、多孔質フィルムを構成する全樹脂成分(100重量部)に対して、50〜150重量部であることが好ましく、より好ましくは80〜120重量部である。上記含有量が50重量部以上であると、ボイドの形成性が向上し好ましい。上記含有量が150重量部以下であると、成膜破れ、外観不良をより抑制する傾向があるため好ましい。
上記多孔質フィルムには、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤などの各種添加剤が、本発明の効果を損なわない範囲内で配合されていてもよい。
上記多孔質フィルムの厚み方向の透気抵抗度(常圧時)は、通気性の観点から、1000〜8万秒/100ccが好ましく、より好ましくは5000〜5万秒/100ccである。
上記多孔質フィルムは、ボイド(孔)を有する。ボイドの形状は、特に限定されず、円状、楕円状、多角形状(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等)、多角形の角を丸めた形状などが挙げられる。また、多孔質フィルムにおけるボイドの形状は、1つのみであってもよいし、複数の形状を用いてもよい。
上記多孔質フィルムにおけるボイドの大きさ(1つあたりのボイドの大きさ)は、特に限定されないが、0.1〜2000μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1800μm、さらに好ましくは0.1〜1500μmである。
なお、本明細書において、上記「ボイドの大きさ」は、ボイド中の最も長い直線の長さを示す。例えば、ボイドの形状が円状の場合はボイドの直径を示し、多角形状の場合は最も長い対角線の長さを示す。また、上記「ボイドの大きさ」は、針等を用いて物理的に設けたボイドはマイクロスコープにより観察して、無機充填剤を含有するフィルムの延伸により設けたボイドは水銀圧入法を用いた細孔分布測定で測定することができる。
上記多孔質フィルムは、発泡構造を有する多孔質フィルムであってもよいが、発泡構造を有しない多孔質フィルムであることが好ましい。なお、上記多孔質フィルムは、多孔質フィルムの表裏面を直線で貫通する孔(貫通孔)を少なくとも有することが好ましい。
上記多孔質フィルムは、溶融成膜法(Tダイ法、インフレーション法)によって製造することができる。中でもTダイ法が好ましい。例えば、上記の多孔質フィルムを構成する樹脂、無機充填剤、及び、必要に応じて、各種添加剤を、2軸混練押出にて混合分散し、一旦ペレット状にした後、1軸押出機にて溶融押出して未延伸フィルムを作製し、該未延伸フィルムを、延伸(例えば、1軸又は2軸に延伸)することにより多孔質化して製造することができる。また、上記多孔質フィルムが無機充填剤を含まない場合は、上記の多孔質フィルムを構成する樹脂、及び、必要に応じて各種添加剤を混合分散し、一旦ペレット状にした後、押出機にて溶融押出してフィルムを作製し、該フィルムに物理的に孔を設けることにより多孔質化して製造することもできる。多孔質フィルムを積層フィルムとする場合には、共押出法を好ましく用いることができる。なお、多孔質フィルムには、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
上記多孔質フィルムの製造において、押出温度は、170〜270℃が好ましく、より好ましくは180〜260℃、さらに好ましくは230〜250℃である。また、未延伸フィルム作製時の引き取り速度は、5〜25m/分が好ましく、引き取りロール温度(冷却温度)は5〜40℃が好ましく、より好ましくは20〜30℃である。
上記未延伸フィルムを延伸[1軸延伸、2軸延伸(逐次2軸延伸、同時2軸延伸)など]する方法としては、ロール延伸方式やテンター延伸方式など公知慣用の延伸方式を用いることができる。延伸温度は、50〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。多孔質化と安定成膜の観点から、延伸倍率(単軸方向)は、2〜5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。2軸延伸の場合の面積延伸倍率は2〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜7倍である。
上記多孔質フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、5μm以上が好ましく、より好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、特に好ましくは30μm以上、最も好ましくは50μm以上である。上記厚みが5μm以上(特に、30μm以上)であることにより、袋体構成部材を用いて袋体を作製する際のエッジ切れ[ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境でフィルムが裂ける現象]の発生を抑制することができるため好ましい。また、上記厚みの上限は、特に限定されないが、200μmが好ましく、より好ましくは150μm、さらに好ましくは120μmである。上記厚みが200μm以下であることにより、袋体を作製する際のシール性が良好となり、シール不良の発生を抑制することができるため好ましい。
上記通気性を有する層は、エンボス加工が施されていてもよい。上記エンボス加工におけるエンボスの形状は、特に限定されず、例えば、長方形や円形などが挙げられる。
本発明の袋体構成部材は、2層の通気性を有する層同士が、接着剤層を介して又は介さずに隣り合う積層構成を少なくとも有している。即ち、本発明の袋体構成部材において、上記2層の通気性を有する層同士は、接着剤層を介して隣り合うように設けられていてもよく、接着剤層を介さずに隣り合うように設けられていてもよい。なお、上記2層の通気性を有する層間には、接着剤層以外の層は設けられていないことが好ましい。
(接着剤層)
上記接着剤層を形成する接着剤としては、特に限定されないが、例えば、ゴム系接着剤(天然ゴム、スチレン系エラストマーなど)、ウレタン系接着剤(アクリルウレタン系接着剤等)、ポリオレフィン系接着剤(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)等)、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、フッ素系接着剤などの公知の接着剤が挙げられる。また、上記接着剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記の中でも、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤が特に好ましい。なお、本明細書において、接着剤層を形成する「接着剤」は、「粘着剤(感圧性接着剤)」を含む。
また、上記接着剤は、いずれの形態を有している接着剤であってもよく、特に限定されないが、溶剤を用いなくても熱により溶融させることにより塗工することができ、全面に接着剤を塗布しても部分的に接着性を発現させることが容易である利点、ヒートシール部分ではヒートシール加工によって更に大きな接着力が得られる利点を有することから、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤が特に好ましい。即ち、上記接着剤としては、ポリアミド系ホットメルト型接着剤、ポリエステル系ホットメルト型接着剤、ポリオレフィン系ホットメルト型接着剤が好ましく、より好ましくは、熱可塑性ポリアミド系ホットメルト型接着剤、熱可塑性ポリエステル系ホットメルト型接着剤、熱可塑性ポリオレフィン系ホットメルト型接着剤である。
上記2層の通気性を有する層同士を貼り合わせる具体的な積層方法としては、接着剤の種類などによっても異なり、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、接着剤を一方の通気性を有する層上に塗布(塗工)した後、他方の通気性を有する層を貼り合わせる方法が好ましい。上記塗布方法としては、ホットメルト型接着剤の塗布方法として用いられる公知慣用の方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、通気性を維持する観点から、スプレー塗布による塗布、ストライプ塗工、ドット塗工が好ましい。接着剤の塗布量(固形分)は、特に限定されないが、塗工性、接着性、経済性などの観点から、0.5〜20g/m2が好ましく、より好ましくは1〜10g/m2である。
上記接着剤層としては、上記の中でも、特に接着剤を繊維化して形成した多孔性接着剤層が好ましい。即ち、上記2層の通気性を有する層同士が接着剤層を介して隣り合う場合、本発明の袋体構成部材は、上記2層の通気性を有する層同士が、多孔性接着剤層(接着剤を繊維化して形成した接着剤層)を介して貼り合わされていることが好ましい。
上記多孔性接着剤層は、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を、スプレー方式(スプレー塗布)により繊維化して形成した接着剤層が好ましく、さらに好ましくは、上記接着剤を、カーテンスプレー方式により、加熱溶融下において熱風を介し吹き付けて繊維化して塗布する方法にて形成した接着剤層である。上記接着剤層は、繊維化して形成した多孔性接着剤層であることにより(特に、スプレー方式にて塗布して形成された接着剤層であることにより)、本発明の袋体構成部材の通気性を低下させないという利点がある。
上記多孔性接着剤層の平均繊維径は、15〜500μmが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。平均繊維径が15μm以上であると、上記2層の通気性を有する層同士の貼り合わせ強度が強くなる傾向にある。平均繊維径が500μm以下であると、塗布時に通気性を有する層に接着剤の温度が伝わることによるダメージを軽減させる傾向がある。上記の平均繊維径は、例えば、スプレー塗布時のエアー流量、塗布部分とカーテンスプレーダイスの距離等によって制御することができる。
上記多孔性接着剤層における接着剤の塗布量は、接着性、カーテンスプレーの加工性等の観点から、2〜10g/m2が好ましく、より好ましくは3〜5g/m2である。塗布量が2g/m2以上であると塗布ムラが小さくなる傾向があり、安定して接着性を維持することができる。塗布量が10g/m2以下であると加工性がより安定する傾向がある。
上記カーテンスプレー方式における加熱温度(加熱溶融温度)は、特に限定されないが、180℃以上が好ましく、より好ましくは190〜220℃、さらに好ましくは195〜210℃である。加熱温度が180℃以上であると、接着剤の粘度が低く塗工性が向上する。また、220℃以下であると、カーテンスプレーダイスが熱によりひずむことにより故障を起こりにくくすることができる。また、接着剤が劣化しにくく、貼り合わせ強度が低下しにくくなる。エアー流量は、特に限定されないが、200〜700L/分が好ましく、より好ましくは300〜600L/分である。また、エアー温度は、特に限定されないが、180〜280℃が好ましく、より好ましくは200〜260℃である。
上記接着剤層は、上記2層の通気性を有する層間の全面に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。また、上記2層の通気性を有する層同士は、接着剤層の全面で接着していてもよいし、部分的に接着していてもよい。なお、本明細書において、上記2層の通気性を有する層同士が接着されている領域を、「接着領域」と称する場合がある。また、本明細書において、上記2層の通気性を有する層同士が接着されていない領域を、「非接着領域」と称する場合がある。即ち、上記2層の通気性を有する層同士は、全面が接着領域となるように貼り合わせられていてもよいし、非接着領域を有するように貼り合わせられていてもよい。
上記接着剤層の厚みは、特に限定されないが、例えば、1〜2000μmが好ましく、より好ましくは1〜1000μm、さらに好ましくは3〜500μmである。上記厚みが1μm以上(特に、3μm以上)であると、上記2層の通気性を有する層同士の接着性がより十分となり好ましい。上記厚みが2000μm以下(特に、500μm以下)であると、厚み方向に加圧した際の通気性の変化の割合がより大きくなり好ましい。
また、上記2層の通気性を有する層同士は、接着剤層を介さないで直接貼り合わせられていてもよい。この場合、例えば、上記2層の通気性を有する層を構成する原料同士を共押出によって貼り合わせる方法や、一方の通気性を有する層の表面上に他方の通気性を有する層を構成する原料を溶融押出する方法、ヒートシール(熱融着)などによって貼り合わせることができる。
(不織布)
本発明の袋体構成部材は、特に限定されないが、不織布(不織布層)を有することが好ましい。本発明の袋体構成部材が不織布を有すると、袋体構成部材の強度が向上する傾向がある。
上記不織布は、上記2層の通気性を有する層のうちの一方の通気性を有する層の、他の通気性を有する層と隣り合う側とは反対側の表面に有することが好ましい。
上記不織布としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル製不織布(ポリエチレンテレフタレート製不織布(PET製不織布)など)、ポリオレフィン製不織布(ポリエチレン製不織布、ポリプロピレン製不織布など)、ポリアミド製不織布(ナイロン製不織布など)、レーヨン製不織布など公知乃至慣用の不織布(天然繊維による不織布、合成繊維による不織布など)を使用することができる。中でも、加工適性の観点から、ポリエステル製不織布(PET製不織布など)、ポリオレフィン製不織布、ポリアミド製不織布(ナイロン製不織布など)が好ましく、コストを抑えることができ、原料となる樹脂の量に対して体積の大きい不織布が得られやすいという観点から、ポリエステル製不織布(特に、PET製不織布)が特に好ましい。上記不織布は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記不織布の目付(目付け、目付量)は、特に限定されないが、風合いの観点から、5〜70g/m2が好ましく、より好ましくは10〜50g/m2、さらに好ましくは15〜40g/m2である。
上記不織布は、エンボス加工が施されていてもよい。上記エンボス加工におけるエンボスの形状は、特に限定されず、例えば、長方形や円形などが挙げられる。また、エンボス1個当たりの面積は、特に限定されないが、外観の観点から、0.5〜30mm2が好ましく、より好ましくは1〜10mm2である。
上記不織布のエンボス面積比率は、特に限定されないが、不織布の毛羽立ちの観点から、5〜30%が好ましく、より好ましくは10〜20%である。上記エンボス面積比率(「エンボス面積率」とも称する)とは、不織布の全面積に対するエンボス加工が施された領域の面積比率を意味する。上記エンボス面積比率は、マイクロスコープにより、測定面積中のエンボス加工が施された領域の面積比率を計測することにより測定しうる。
上記不織布の製造方式は、特に限定されないが、例えば、スパンボンド法(スパンボンド方式)、スパンレース法(スパンレース方式)、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法などが挙げられる。中でも、目付けや目付け当たりの厚みを自由に変えられ、強度に優れ、毛立ちしにくいという観点から、スパンボンド法が好ましい。即ち、上記不織布は、スパンボンド法により製造された不織布(スパンボンド不織布)が好ましい。
上記不織布は、単層、複層の何れの形態を有していてもよい。中でも、コストの観点から、単層であることが好ましい。
上記不織布は、市販品を用いてもよく、例えば、ナイロン製不織布としては、商品名「エルタス N03030」(旭化成せんい(株)製)、PET製不織布としては、商品名「エルタス E01020」(旭化成せんい(株)製)などが挙げられる。
本発明の袋体構成部材が不織布を有する場合、上記不織布と上記通気性を有する層とは接着剤層を介して貼り合わされていてもよく、接着剤層を介さないで貼り合わせられていてもよい。上記接着剤層は、特に限定されないが、不織布と通気性を有する層(特に、多孔質フィルム)の貼り合わせなどに用いられる公知の接着剤(接着剤層)を用いることができる。上記接着剤層は不織布と通気性を有する層との間の全面に設けられていてもよく、部分的に設けられていてもよい。また、不織布と通気性を有する層が接着剤層を介さずに直接貼り合わせられている場合、例えば、不織布の表面上に通気性を有する層を構成する原料を溶融押出する方法などによって貼り合わせることができる。
上記接着剤としては、特に制限されないが、例えば、上述の2層の通気性を有する層同士を貼り合わせる接着剤層に用いる接着剤として例示及び説明された接着剤などが挙げられる。中でも、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤が好ましく、より好ましくは、ポリアミド系接着剤である。
また、接着剤は、いずれの形態を有している接着剤であってもよく、特に限定されないが、溶剤を用いなくても熱により溶融させることにより塗工することができ、不織布に対して直接塗布して接着剤層を形成することができる利点、ヒートシール部分ではヒートシール加工によって更に大きな接着力が得られる利点を有することから、ホットメルト型接着剤が特に好ましい。また、上記不織布と、上記通気性を有する層とは、ホットメルト型接着剤から形成された接着剤層を介して貼り合わされていることが好ましい。上記接着剤としては、ポリアミド系、ポリエステル系又はポリオレフィン系のホットメルト型接着剤が好ましく、より好ましくは、熱可塑性ポリアミド系ホットメルト型接着剤、熱可塑性ポリエステル系ホットメルト型接着剤、又は熱可塑性ポリオレフィン系ホットメルト型接着剤である。
不織布と上記通気性を有する層と貼り合わせる場合の具体的な積層方法としては、接着剤の種類などによっても異なり、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、接着剤を不織布上に塗布(塗工)した後、上記通気性を有する層を貼り合わせる方法が好ましい。上記塗布方法としては、ホットメルト型接着剤の塗布方法として用いられる公知慣用の方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、通気性を維持する観点から、スプレー塗布による塗布、ストライプ塗工、ドット塗工が好ましい。接着剤の塗布量(固形分)は、特に限定されないが、塗工性、接着性、経済性などの観点から、0.5〜20g/m2が好ましく、より好ましくは1〜10g/m2である。
上記接着剤層としては、上記の中でも、特に接着剤を繊維化して形成した多孔性接着剤層が好ましい。即ち、本発明の袋体構成部材は、上記不織布と上記通気性を有する層とが、多孔性接着剤層(接着剤を繊維化して形成した接着剤層)を介して貼り合わされた積層構成を有することが好ましい。
上記多孔性接着剤層は、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を、スプレー方式により繊維化して形成した接着剤層が好ましく、さらに好ましくは、上記接着剤を、カーテンスプレー方式により、加熱溶融下において熱風を介し吹き付けて繊維化して塗布する方法にて形成した接着剤層である。上記接着剤層は、繊維化して形成した多孔性接着剤層であることにより(特に、スプレー方式にて塗布して形成された接着剤層であることにより)、本発明の袋体構成部材の通気性を低下させないという利点がある。
上記多孔性接着剤層の平均繊維径は、15〜500μmが好ましく、より好ましくは20〜50μmである。平均繊維径が15μm以上であると、不織布と上記通気性を有する層との貼り合わせ強度が強くなる傾向にある。平均繊維径が500μm以下であると、塗布時に不織布に接着剤の温度が伝わることによるダメージを軽減させる傾向がある。上記の平均繊維径は、例えば、スプレー塗布時のエアー流量、塗布部分とカーテンスプレーダイスの距離等によって制御することができる。
上記多孔性接着剤層における接着剤の塗布量は、接着性、カーテンスプレーの加工性等の観点から、2〜10g/m2が好ましく、より好ましくは3〜5g/m2である。塗布量が2g/m2以上であると塗布ムラが小さくなる傾向があり、安定して接着性を維持することができる。塗布量が10g/m2以下であると加工性がより安定する傾向がある。
上記カーテンスプレー方式における加熱温度(加熱溶融温度)は、特に限定されないが、180℃以上が好ましく、より好ましくは190〜220℃、さらに好ましくは195〜210℃である。加熱温度が180℃以上であると、接着剤の粘度が低く塗工性が向上する。また、220℃以下であると、カーテンスプレーダイスが熱によりひずむことにより故障を起こりにくくすることができる。また、接着剤が劣化しにくく、貼り合わせ強度が低下しにくくなる。エアー流量は、特に限定されないが、200〜700L/分が好ましく、より好ましくは300〜600L/分である。また、エアー温度は、特に限定されないが、180〜280℃が好ましく、より好ましくは200〜260℃である。
本発明の袋体構成部材は、通気性を有する層を少なくとも2層有するが、3層以上有していてもよい。また、本発明の袋体構成部材は、2層の通気性を有する層が隣り合う積層構成を少なくとも1つ有するが、2以上有していてもよい。例えば、本発明の袋体構成部材は、[通気性を有する層/接着剤層/通気性を有する層/接着剤層/通気性を有する層]の構造を有していてもよく、この場合、本発明の袋体構成部材は、2層の通気性を有する層同士が接着剤層を介して隣り合う積層構成を2つ有している。
本発明の袋体構成部材の厚みは、特に限定されないが、100〜1000μmが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。
図1は、本発明の袋体構成部材の一例を示す概略図(切断部断面図)である。図1に記載の本発明の袋体構成部材11において、通気性を有する層12aと通気性を有する層12bとが接着剤層13を介して設けられている。即ち、本発明の袋体構成部材11は、2層の通気性を有する層同士(12a及び12b)が、接着剤層13を介して隣り合う積層構成を有している。また、本発明の袋体構成部材11は、通気性を有する層12aの、通気性を有する層12bと隣り合う側とは反対側の表面に、接着剤層を介さずに不織布14が設けられている。
上記の中でも、本発明の袋体構成部材として特に好ましい具体的態様を以下に説明する。
[本発明の袋体構成部材の具体的態様]
本発明の袋体構成部材の具体的態様は、上記2層の通気性を有する層が2層の多孔質フィルムであり、上記2層の多孔質フィルム同士が、接着されていない領域(非接着領域)を少なくとも有するように接着されており、上記非接着領域において上記2層の多孔質フィルムが接触した状態の上記2層の多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの少なくとも一部が塞がるように、上記2層の多孔質フィルムにボイドが形成されている袋体構成部材を例示する。
具体的態様における2層の多孔質フィルムは、それぞれ、上述に例示及び説明された多孔質フィルムから選択することができる。上記2層の多孔質フィルムを構成する樹脂は、同種の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。上記の中でも、価格、柔軟性の観点やヒートシール性の観点から、上記2層の多孔質フィルムの両方が、ポリオレフィン系樹脂から構成される多孔質フィルムが好ましく、より好ましくはポリエチレン系樹脂から構成される多孔質フィルムである。
具体的態様における2層の多孔質フィルム同士は、非接着領域を有するように接着されている。これにより、加圧されていない状態では、2層の多孔質フィルム中のボイドが塞がらないことにより、通気性を十分に確保することができる。
また、上記非接着領域において、上記2層の多孔質フィルムが接触した状態で多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの少なくとも一部が塞がるように、上記2層の多孔質フィルムにボイドが形成されている。これにより、加圧された状態では、上記非接着領域において2層の多孔質フィルムが接触することになり(即ち、2層の多孔質フィルムが重なり合うことになり)、双方の多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの一部が、互いの多孔質フィルム中のボイドが形成されていない部分によって塞がれるため、袋体構成部材の厚み方向に通気性を有しながら、加圧しない状態よりも相対的に通気性を低下させることができる。
上記2層の多孔質フィルム同士が非接着領域を有するように接着する方法としては、例えば、接着剤層を上記2層の多孔質フィルム間に部分的に設ける方法などが挙げられる。また、上記接着剤層としてホットメルト型接着剤を用いて、接着剤層を上記2層の多孔質フィルム間の全面に又は部分的に塗布し、全面を加熱せず部分的に加熱して接着する方法なども用いることができる。
上記2層の多孔質フィルムが接触した状態で多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの少なくとも一部が塞がるように上記2層の多孔質フィルムにボイドを形成するには、例えば、上記2層の多孔質フィルムが、ボイドの大きさ(1つあたりのボイドの大きさ)が異なる2層の多孔質フィルムであること、多孔質フィルムにおける単位面積あたりに占めるボイドの面積の合計の割合が異なる2層の多孔質フィルムであること、隣り合う2個のボイド間の距離(ピッチ)が異なる2層の多孔質フィルムであること、単位面積あたりボイドの個数が異なる2層の多孔質フィルムであることなどが挙げられる。なお、ボイドの大きさ、単位面積あたりに占めるボイドの面積の合計の割合、ボイド間のピッチ、及び単位面積あたりのボイドの個数のうちの複数が異なる2層の多孔質フィルムを用いてもよい。また、ボイドの大きさや単位面積あたりに占めるボイドの面積の合計の割合などが同一の多孔質フィルム(例えば、同一の2層の多孔質フィルム)を用い、厚さ方向において全てのボイドの位置が一致しないように2層の多孔質フィルムを隣り合うように設ける方法も有効である。このような2層の多孔質フィルムとしては、例えば、無機充填剤を含有するフィルムの延伸により多孔質化した多孔質フィルムと、フィルムに物理的に孔を設けることにより多孔質化した多孔質フィルムとを組み合わせて用いることがより有効である。
上記2層の多孔質フィルムの厚み方向の透気抵抗度は、略同一(例えば、その差が1万秒/100cc未満)であってもよく、全く異なるもの(例えば、その差が3万秒/100cc以上)であってもよい。
上記2層の多孔質フィルムの厚み(1層あたりの厚み)は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記2層の多孔質フィルムは、上記の中でも、ボイドの大きさ(1つあたりのボイドの大きさ)が異なる2層の多孔質フィルムが好ましく、無機充填剤を含有するフィルムの延伸により多孔質化した多孔質フィルムと、フィルムに物理的に孔を設けることにより多孔質化した多孔質フィルムとの組み合わせが特に好ましい。なお、本明細書において、ボイドの大きさ(1つあたりのボイドの大きさ)が異なる2層の多孔質フィルムのうちの一方の多孔質フィルムを「多孔質フィルム(a)」と称する場合がある。また、他方の多孔質フィルムを「多孔質フィルム(b)」と称する場合がある。
(多孔質フィルム(a))
上記多孔質フィルム(a)は、物理的に孔を設けることにより多孔質化されたフィルムであることが好ましい。
上記多孔質フィルム(a)におけるボイドの大きさ(1つあたりのボイドの大きさ)は、特に限定されないが、50〜1000μmが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。上記大きさが50μm以上(特に、100μm以上)であると、常圧時及び加圧時の通気性を十分に確保することができ、好ましい。上記大きさが1000μm以下であると、加圧前後で通気性を変化させることがより容易となり、好ましい。
上記多孔質フィルム(a)におけるボイド間のピッチは、特に限定されないが、500〜20000μmが好ましく、より好ましくは1000〜15000μmである。上記ボイド間のピッチが上記範囲内であると、通気性をより変化させやすくなり、好ましい。
上記多孔質フィルム(a)における単位面積あたりのボイドの個数[ボイドの個数/多孔質フィルムの単位面積](個/cm2)は、特に限定されないが、1〜1000個/cm2が好ましく、より好ましくは10〜100個/cm2である。上記個数が1個以上(特に、10個以上)であると、常圧時及び加圧時の通気性を十分に確保することができ、好ましい。上記個数が1000個以下(特に、100個以下)であると、加圧前後で通気性を変化させることがより容易となり、好ましい。
上記多孔質フィルム(a)は、特に限定されないが、無機充填剤の含有量が、フィルムを構成する全樹脂成分(100重量部)に対して70重量部以下が好ましく、含まないことが最も好ましい。特に、上記多孔質フィルム(a)は、無機充填剤の含有量が50重量部以下である(特に、含まない)原料から形成されたフィルムに、物理的に孔を設けることにより多孔質化されたフィルムであることが好ましい。これにより、上記範囲内の大きさのボイドを有する多孔質フィルムをより容易に製造することができる。
上記多孔質フィルム(a)の厚みは、特に限定されないが、5〜200μmが好ましく、より好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜120μmである。上記厚みが5μm以上であると、多孔質フィルム(a)の表面が平滑となり、多孔質フィルム(b)と密着し、加圧前後で通気性を変化させることがより容易となる。上記厚みが200μm以下であると、コスト的に有利となる。また、風合いが固くなり過ぎない。
(多孔質フィルム(b))
上記多孔質フィルム(b)は、無機充填剤を含有するフィルムを延伸することで多孔質化された多孔質フィルムであることが好ましい。
上記多孔質フィルム(b)は、特に限定されないが、無機充填剤を含むことが好ましい。これにより、多孔質フィルム(a)のボイドの大きさと異なる大きさのボイドを有する多孔質フィルムをより容易に製造することができる。また、この場合の多孔質フィルム(b)中の無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、多孔質フィルムを構成する全樹脂成分(100重量部)に対して、50〜150重量部であることが好ましく、より好ましくは80〜120重量部である。上記含有量が50重量部以上であると、ボイドの形成性が向上し好ましい。上記含有量が150重量部以下であると、成膜破れ、外観不良をより抑制する傾向があるため好ましい。
上記多孔質フィルム(b)の厚みは、特に限定されないが、30〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは50〜120μmである。上記厚みが30μm以上であると、袋体構成部材のヒートシール性が向上しやすい。上記厚みが200μm以下であると、コスト的に有利となる。
上記2層の多孔質フィルム同士は、接着剤層を介して隣り合うように設けられていてもよく、接着剤層を介さずに隣り合うように設けられていてもよい。なお、上記2層の多孔質フィルム間には、接着剤層以外の層は設けられていないことが好ましい。
上記2層の多孔質フィルム同士は、接着剤層を介して隣り合うように設けられている場合、上記2層の多孔質フィルム間に非接着領域を少なくとも有する観点から、上記接着剤層は、上記2層の多孔質フィルム間の部分的に設けられていることが好ましい。なお、上記接着剤がホットメルト型接着剤である場合は、上記接着剤層は上記2層の多孔質フィルム間の全面に設けられていてもよく、この場合、上記2層の多孔質フィルム同士が部分的に接着されていることが好ましい。これにより、上記2層の多孔質フィルム間には非接着領域が存在することとなる。
上記2層の多孔質フィルム間の接着領域の形状は、特に限定されないが、例えば、メッシュ状、ドット状、網目状、ストライプ状などが挙げられる。
本発明の袋体構成部材の具体的態様における上記2層の多孔質フィルムが、上記多孔質フィルム(a)及び上記多孔質フィルム(b)である場合、特に限定されないが、多孔質フィルム(a)の、多孔質フィルム(b)と隣り合う側とは反対側の表面に不織布を有することが好ましい。
図2は、本発明の袋体構成部材の具体的態様における、2層の多孔質フィルム間の非接着領域の、加圧前後の様子を示す概略図(切断部断面図)である。なお、図2(a)は、厚み方向に加圧する前、即ち厚み方向に加圧されていない状態を示す図であり、図2(b)は、厚み方向に加圧した後、即ち厚み方向に加圧された状態を示す図である。図2に示す本発明の袋体構成部材の具体的態様は、2層の多孔質フィルムとして多孔質フィルム(a)及び多孔質フィルム(b)を用いた例である。
図2(a)に示す本発明の袋体構成部材の具体的態様において、多孔質フィルム(a)21aと多孔質フィルム(b)21bとが接着されていない領域では、厚み方向に加圧されていないため、多孔質フィルム(a)21aと多孔質フィルム(b)21bの間に空隙(隙間)が存在している。この状態では、多孔質フィルム(a)21a及び多孔質フィルム(b)21bそれぞれのボイドは塞がれておらず、図示されているボイドBの全てに空気の流れSが発生し通気性を有するため、通気性を十分に有している。一方、図2(b)に示す本発明の袋体構成部材の具体的態様では、厚み方向に加圧されているため、多孔質フィルム(a)21a及び多孔質フィルム(b)21bが接触した状態となっている。この状態では、多孔質フィルム(b)21bの複数のボイドBが塞がれているため、空気の流れSは減少し、袋体構成部材全体としての通気性が低下する。なお、図2では、2層の多孔質フィルムとして多孔質フィルム(a)及び多孔質フィルム(b)を用いた例を示したが、本発明の袋体構成部材の具体的態様はこの例に限定されず、2層の多孔質フィルムが接触した状態において少なくとも一方の多孔質フィルムのボイドの少なくとも一部が塞がれる状態になるものであれば同様の効果が得られる。
本発明の袋体構成部材は、袋体に封入する内容物により様々な用途に用いることができる。特に、発熱体を封入する使い捨てカイロ用途(カイロ用袋体構成部材)として好ましく用いられる。また、例えば、除湿剤、消臭剤、芳香剤、脱酸素剤などを封入する用途にも好ましく用いられる。
[本発明の袋体]
本発明の袋体は本発明の袋体構成部材を用いた袋体である。本発明の袋体は、2つの本発明の袋体構成部材を用いて形成された袋体であってもよいし、本発明の袋体構成部材と本発明の袋体構成部材以外の袋体構成部材(「その他の袋体構成部材」と称する場合がある)とを用いて形成された袋体であってもよい。また、本発明の袋体は、2つの袋体構成部材をヒートシールして形成された袋体であることが好ましい。
本発明の袋体に用いる本発明の袋体構成部材が不織布を有する場合、特に限定されないが、不織布が袋体の最外層となるように用いられることが好ましい。不織布が袋体の最外層であると、肌への感触が良く、また、通気性を有する層などが破れた場合であっても袋体に封入されている内容物が漏れにくいため、好ましい。
本発明の袋体に用いる本発明の袋体構成部材が上記具体的態様に記載の構成である場合、特に限定されないが、加圧前後で通気性の変化をより生じやすくする観点から、多孔性フィルム(a)が多孔性フィルム(b)より袋体の外側となるように用いられることが好ましい。
(その他の袋体構成部材)
上記その他の袋体構成部材は、特に限定されないが、例えば、公知慣用の通気性、非通気性の袋体構成部材を用いることができる。例えば、不織布と多孔質フィルムとの積層体、プラスチックフィルム等が挙げられる。また、衣服等に貼り付ける使い捨てカイロ用途(例えば、身体、衣類または履物に貼付して用いられる使い捨てカイロ)などに用いる場合には、粘着剤層を有する袋体構成部材が好ましく、例えば、基材と粘着剤層からなる袋体構成部材(基材および粘着剤層を少なくとも有する袋体構成部材)が挙げられ、(株)ニトムズ製「ニトタック」(ヒートシール性を有するポリオレフィン基材とSIS系粘着剤層の積層体であるカイロ用粘着シート)などが市販品として入手可能である。
その他の袋体構成部材における上記基材は、例えば、ヒートシール層、繊維層(例えば、不織布層など)、フィルム層などから構成されていることが好ましい。より具体的には、ヒートシール層(ヒートシール性のフィルム層を含む)単体、ヒートシール層と繊維層との積層体、ヒートシール層とヒートシール性のないフィルム層との積層体などが挙げられる。
その他の袋体構成部材における上記不織布層に用いる不織布としては、例えば、本発明の袋体構成部材が有していてもよい不織布として例示及び説明された不織布などが挙げられる。さらに、その他の袋体構成部材における上記不織布は、単層、複層のいずれの形態であってもよい。その他の袋体構成部材における上記不織布は、1種の繊維のみから構成されていてもよく、複数種の繊維が組み合わせられて構成されていてもよい。その他の袋体構成部材における上記不織布の目付けは、特に限定されないが、加工性やコストの観点からは、20〜150g/m2が好ましい。また、繊維径、繊維長などは特に限定されない。
その他の袋体構成部材における上記ヒートシール層は、ヒートシール性を有する樹脂(ヒートシール性樹脂)や、ヒートシール性樹脂を含むヒートシール性樹脂組成物より形成される。上記ヒートシール性樹脂は、特に限定されないが、上述の通気性を有する層としての多孔質フィルムを構成する樹脂として例示及び説明された樹脂などが挙げられる。中でも、ポリエチレン系樹脂が好ましく、さらに、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。ヒートシール性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、ヒートシール層は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
上記の中でも、ヒートシール性樹脂組成物としては、エチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂組成物が好ましく、特に、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むポリオレフィン系樹脂組成物が好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂全重量(100重量%)に対して5重量%以上が好ましく、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。さらに、低温ヒートシール性向上の観点から、上記の直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン系触媒を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましい。
その他の袋体構成部材における上記フィルム層は、公知慣用のフィルムを用いることができる。上記フィルム層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。中でも、価格、柔軟性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、上述の通気性を有する層としての多孔質フィルムを構成する樹脂として例示及び説明されたポリオレフィン系樹脂などを用いることができる。上記フィルム層は単層フィルムであっても、2層以上の積層フィルムであってもよい。また、無配向フィルムであってもよいし、1軸または2軸方向に延伸配向したフィルムであってもよいが、好ましくは無配向フィルムである。
その他の袋体構成部材における上記基材の厚みは、特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、より好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。なお、基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
上記粘着剤層は、使用時には袋体を被着体に貼付する役割を担う。粘着剤層を構成する粘着剤は、特に限定されないが、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。中でも、ゴム系粘着剤、ウレタン(アクリルウレタン)系粘着剤が特に好ましい。上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・イソプレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(「スチレン系エラストマー」とも称する)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などが挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーの粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS系粘着剤、SBS系粘着剤である。上記粘着剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、特許第3860880号明細書や特開2006−288690号公報で例示されているウレタン系粘着剤等が好ましい。中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。また、袋体を肌に直接貼付する場合の肌への刺激を低減する観点から、上記アクリルウレタン系粘着剤は、気泡を有する発泡タイプの粘着剤であることが好ましい。このような発泡タイプの粘着剤は、例えば、粘着剤中に公知慣用の発泡剤を添加するなどの方法により作製することができる。
また、上記粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。なお、上記の中でも、溶剤を用いずに直接塗布して粘着剤層を形成することができる利点から、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)が特に好ましい。
また、上記粘着剤は、いずれの特性を有している粘着剤であってもよく、例えば、加熱により架橋等が生じて硬化する熱硬化性を有している粘着剤(熱硬化性粘着剤)や、活性エネルギー線の照射により架橋等が生じて硬化する活性エネルギー線硬化性を有している粘着剤(活性エネルギー線硬化性粘着剤)などが挙げられる。中でも、無溶剤系であり、不織布や多孔質の基材などにも含浸しすぎない観点から、活性エネルギー線硬化性粘着剤が好ましい。なお、熱硬化性粘着剤には、熱硬化性を発揮するための架橋剤や重合開始剤などが適宜用いられている。また、活性エネルギー線硬化性粘着剤には、活性エネルギー線硬化性を発揮するための架橋剤や光重合開始剤などが適宜用いられている。
上記粘着剤層は、使用までの間、公知乃至慣用の剥離フィルム(セパレータ)により保護されていてもよい。
本発明の袋体を形成する際のヒートシールする方法(装置)は特に限定されないが、ヒートシーラーによる圧着が好ましい。また、シール強度の観点から、その際のヒートシール温度は、90〜200℃が好ましく、より好ましくは150〜200℃である。ヒートシール圧力は、シール強度の観点から、0.5〜20kgf/cm2が好ましく、より好ましくは2.0〜20kgf/cm2である。また、ヒートシール時間は、0.001〜1.0秒が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。
[本発明の使い捨てカイロ]
本発明の使い捨てカイロは、本発明の袋体の内部に発熱体が封入されている使い捨てカイロである。また、本発明の使い捨てカイロは、少なくとも本発明の袋体構成部材を有する。これにより、本発明の使い捨てカイロは、加圧時には袋体構成部材の通気性が低下するため、圧迫時には温度が低下し、低温やけどを生じにくくすることができる。本発明の使い捨てカイロは、本発明の袋体構成部材を含む2以上(より好ましくは、2つ)の袋体構成部材をヒートシールすることにより形成されていることが好ましい。さらに詳しくは、2以上(好ましくは、2つ)の袋体構成部材をヒートシールすることにより袋体を形成し、該袋体内部に発熱体を封入されている。
本発明の使い捨てカイロとしては、特に限定されないが、例えば、貼るカイロ(衣類用の貼るタイプのカイロ、肌用の貼るタイプのカイロなど)、貼らないカイロなどが挙げられる。
また、貼るカイロにおいては、発熱体への酸素供給性の観点から、被着体に接する側と反対側の部材(いわゆる表材)として、本発明の袋体構成部材が用いられることが好ましい。なお、本明細書において、上記の発熱体を封入した袋体を「内袋」と称する場合がある。
図3は、本発明の使い捨てカイロの一例(貼るタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。図3に記載の上記使い捨てカイロは、本発明の袋体構成部材11とその他の袋体構成部材41を、端部(ヒートシール部分42)をヒートシールすることにより袋体を形成し、袋体の内部に発熱体43を封入して形成されている。本発明の袋体構成部材11は、2層の通気性を有する層(12a及び12b)が接着剤層13を介して隣り合うように設けられている積層構成を有し、さらに通気性を有する層12aの表面に不織布14が設けられている複合部材である。その他の袋体構成部材41は、基材41a、及び、基材41aの片面側に設けられた粘着剤層41bの複合部材である。上記のように、一方の表面に粘着剤層が設けられた、貼るタイプの使い捨てカイロにおいては、本発明の袋体構成部材11は、発熱体43への酸素供給性の観点から、被着体に接する側と反対側の部材(いわゆる表材)として少なくとも用いられることが好ましい。
図4は、本発明の使い捨てカイロの他の一例(貼らないタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。図4に記載の本発明の使い捨てカイロは、2つの本発明の袋体構成部材11を、端部(ヒートシール部分42)をヒートシールすることにより袋体を形成し、該袋体の内部に発熱体43を封入して形成されている。
上記発熱体としては、従来の使い捨てカイロ等に用いられる発熱体を使用することができ、特に限定されないが、例えば、鉄粉などの金属粉、活性炭、水、保水剤(木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂など)、食塩などを用いることができる。
本発明の使い捨てカイロにおける発熱体の使用量は、カイロのサイズによっても異なり、特に限定されないが、一般的に、10〜60gが好ましく、より好ましくは20〜40gである。
本発明の使い捨てカイロ(内袋)の大きさは、特に限定されず、例えば、100mm(MD方向)×80mm(TD方向)、130mm(MD方向)×95mm(TD方向)、130mm(MD方向)×100mm(TD方向)などのサイズが挙げられる。中でも、カイロの持続時間が長くなるという効果をより効果的に実現できる点からは、MD方向の長さが125mm以上、TD方向の長さが90mm以上のサイズの使い捨てカイロが好ましい。
本発明の使い捨てカイロは、特に限定されないが、例えば、持続時間が17時間以上(例えば、17〜24時間)であることが好ましく、より好ましくは17.5時間以上(例えば、17.5〜22時間)、さらに好ましくは18時間以上(例えば、18〜20時間)である。上記持続時間とは、使い捨てカイロが40℃以上を保持し、持続する時間(使い捨てカイロが発熱開始後、40℃となってから最高温度を経過し再度40℃となるまでの時間)である。上記持続時間は、JIS S 4100に準拠して測定することができる。
本発明の使い捨てカイロは、外袋に収納されてカイロ製品として販売される。上記外袋を構成する基材(外袋用基材)としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック系基材、繊維系基材(各種繊維による不織布系基材や織布系基材など)、金属系基材(各種金属成分による金属箔系基材など)を用いることができる。このような基材としては、プラスチック系基材を好適に用いることができる。プラスチック系基材としては、例えば、ポリオレフィン系基材(ポリプロピレン系基材、ポリエチレン系基材など)、ポリエステル系基材(ポリエチレンテレフタレート基材など)、スチレン系基材(ポリスチレン系基材の他、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体系基材等のスチレン系共重合体基材など)、アミド樹脂系基材、アクリル樹脂系基材などが挙げられる。なお、外袋用基材は単層であってもよく、積層体であってもよい。外袋の厚みは、特に制限されず、例えば、30〜300μmが好ましい。
また、上記外袋は、酸素ガスや、水蒸気などのガス成分の透過を阻止する特性(ガスバリア性)を有する層(ガスバリア性層)を有していることが好ましい。ガスバリア性層としては、特に限定されないが、例えば、酸素バリア性樹脂層(例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアミド系樹脂からなる)、水蒸気バリア性樹脂層(例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる)、酸素バリア性や水蒸気バリア性無機化合物層(例えば、アルミニウム等の金属単体、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属酸化物などの金属系化合物などからなる)などが挙げられる。ガスバリア性層は単層であってもよく(外袋用基材そのものでもよい)、積層体であってもよい。
上記外袋は、どのような形態又は構造の袋であってもよく、例えば、いわゆる「4方袋」、いわゆる「3方袋」、いわゆる「ピロー袋」、いわゆる自立性型袋(いわゆる「スタンディングパウチ」)、いわゆる「ガゼット袋」などの各種形態の袋が挙げられる。中でも、4方袋が特に好ましい。外袋は、接着剤を用いて作製されていてもよいが、4方ヒートシール袋等の如くヒートシール(熱融着)により作製されていることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(袋体構成部材)
不織布として、PET製スパンボンド不織布(旭化成せんい(株)製、商品名「エルタス E01020」、厚み140μm、目付量20g/m2を用いた。
多孔質フィルムAを構成する原料として、直鎖状低密度ポリエチレン100重量%を180℃で溶融混練した混合原料を用いた。
上記不織布上に、上記混合原料を、単軸スクリュー押出機にて、210℃で溶融押出し、厚み40μmの無配向(未延伸)のフィルムの表面に不織布を有する積層体(積層体(I))を得た。上記積層体(I)に、熱針有孔加工機を用いて針穴を形成して上記フィルムにボイドを設けて、多孔質フィルムAの表面に不織布を有する積層体(積層体(II))を得た。
上記積層体(II)の多孔質フィルムA表面の全面に、スプレー塗工にて、ポリアミド系ホットメルト型接着剤(商品名:「VESTAMELT 722GETR」、ダイセル・エボニック(株)製、塗布量5.0g/m2)を塗布し、多孔質フィルムB(直鎖状低密度ポリエチレンと炭酸カルシウムを含む未延伸フィルムを一軸延伸することで多孔質化したフィルム、厚み70μm)を重ね合わせて、網目状にヒートシールすることで網目状の接着領域を有し且つ非接着領域を有するように貼り合わせて、[不織布/多孔質フィルムA/接着剤層/多孔質フィルムB]の積層構成を有する袋体構成部材(「袋体構成部材C」と称する場合がある)を作製した。
なお、上記袋体構成部材C中の多孔質フィルムAにおいて、ボイドの大きさは200μm、ボイド間のピッチは2mm、厚み方向の透気抵抗度(常圧時)は23409秒/ccであった。また、上記袋体構成部材Cの厚み方向の透気抵抗度(常圧時)は27121秒/cc、厚み方向の透気抵抗度(加圧時)は99011秒/ccであった。
(内袋)
上記で得られた袋体構成部材Cとその他の袋体構成部材((株)ニトムズ製、商品名「ニトタック E12」)とを、それぞれ130mm(MD方向:長手方向)×95mm(TD方向:幅方向)に切断した。次いで、上記袋体構成部材Cと上記その他の袋体構成部材を、袋体構成部材Cの多孔質フィルムB面とその他の袋体構成部材の基材フィルム面(粘着剤層と反対側の面)が対向する状態で重ね合わせ、3方(MD方向2箇所とTD方向1箇所)をヒートシールした後、開口部から内部に、発熱体を投入した。なお、該発熱体は、市販のカイロの発熱体(材質:鉄粉、水、活性炭、バーミキュライト、吸水性樹脂、食塩、重量:35.0g)を用いた。最後に、残りの一方(TD方向1箇所)のヒートシールを行い、内袋(貼るタイプの使い捨てカイロ)を作製した。
なお、上記のヒートシール条件は、温度180℃、時間0.4秒、シール幅5mmであった。また、ヒートシールは端部で行った。
比較例1
(使い捨てカイロ)
袋体構成部材Cの代わりに、市販の袋体構成部材D((株)ニトムズ製、商品名「ブレスロン BRN−A120E1」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、貼るタイプの使い捨てカイロ(内袋)を作製した。
なお、上記袋体構成部材Dの厚み方向の透気抵抗度(常圧時)は28540秒/cc、厚み方向の透気抵抗度(加圧時)は27420秒/ccであった。
(評価)
実施例及び比較例で準備した袋体構成部材及び内袋について、以下の評価を行った。
(1)袋体構成部材の透気抵抗度(常圧時)
実施例及び比較例で用いた袋体構成部材C及び袋体構成部材Dについて、JIS P 8117に準拠して、王研式試験機法により測定した。具体的には、上記袋体構成部材から、10cm×10cmの測定サンプルを切り出し、試験片とした。当該試験片を、王研式透気度試験機(旭精工(株)製)を用いて、23℃、50%RH、常圧の条件下で試験を行った。なお、測定はn=3回行い、その平均値を評価結果とした。
(2)袋体構成部材の透気抵抗度(加圧時)
実施例及び比較例で用いた袋体構成部材C及び袋体構成部材Dについて、JIS P 8117に準拠して、王研式試験機法により測定した。具体的には、上記袋体構成部材から、10cm×10cmの測定サンプルを切り出した。切り出した測定サンプルを、固定部材([メッシュ/SUS板])を2組用いて、測定サンプルへの圧力が0.6MPaとなるように厚み方向の上下から挟み込み、[SUS板/メッシュ/測定サンプル/メッシュ/SUS板]の積層構成を有する試験片を作製した。当該試験片を、王研式透気度試験機(旭精工(株)製)を用いて、23℃、50%RH、圧力0.6MPaの条件下で試験を行った。なお、測定はn=3回行い、その平均値を評価結果とした。なお、上記メッシュとして、測定サンプルの透気抵抗度への影響が小さいメッシュの金網を用いた。また、上記SUS板として、直径5mmの穴が、測定サンプルの透気抵抗度への影響が小さい程度に複数形成されたSUS板を用いた。
(3)温度測定
実施例及び比較例で作製した内袋を、それぞれ、腰部に衣類の上から貼付し、経時で内袋表面の発熱温度を測定した。なお、上記発熱温度の測定は、発熱開始後95分〜120分の間は内袋を圧迫して寝た状態で行った。また、上記内袋の、その他の袋体構成部材側に熱電対を取りつけ、発熱温度を測定した。評価結果を図5に示した。菱形(◇)は実施例1の、四角形(□)は比較例1の発熱温度をそれぞれ示す。図5に示されるように、実施例1で作製した内袋は、圧迫時には発熱温度が低下した。一方、比較例1で作製した内袋は、圧迫時でも発熱温度は低下しなかった。
11 本発明の袋体構成部材
12a 通気性を有する層
12b 通気性を有する層
13 接着剤層
14 不織布
21a 多孔質フィルム(a)
21b 多孔質フィルム(b)
B ボイド
S 空気の流れ
41 その他の袋体構成部材
41a 基材
41b 粘着剤層
42 ヒートシール部分
43 発熱体

Claims (5)

  1. 2層の通気性を有する層同士が、接着剤層を介して又は介さずに隣り合う積層構成を少なくとも有し、厚み方向にかかる圧力によって厚み方向の通気性が変化することを特徴とする袋体構成部材。
  2. 加圧しない状態の厚み方向の透気抵抗度が10万秒/100cc以下であり、0.6MPa加圧時の厚み方向の透気抵抗度が、前記加圧しない状態の厚み方向の透気抵抗度の2倍以下である請求項1に記載の袋体構成部材。
  3. 前記2層の通気性を有する層が2層の多孔質フィルムであり、前記2層の多孔質フィルム同士が、非接着領域を少なくとも有するように接着されており、前記非接着領域において前記2層の多孔質フィルムが接触した状態の前記2層の多孔質フィルム中の複数のボイドのうちの少なくとも一部が塞がるように、前記2層の多孔質フィルムにボイドが形成されている請求項1又は2に記載の袋体構成部材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋体構成部材を用いた袋体。
  5. 請求項4に記載の袋体の内部に発熱体が封入されている使い捨てカイロ。
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