JP4496275B2 - 発熱組成物収容用袋の包材及びそれを用いた温熱材 - Google Patents
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すなわち、本発明は、
〔1〕 (A) 天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー及びこれらとポリオレフィンとの混合物からなる群から選択されるエラストマー層を有する単層又は積層フィルムと、
(B) 不織布と
を含む積層シートからなり、前記(A)のエラストマー層を有する単層又は積層フィルムと前記(B)の不織布とが、凹凸のあるニップロールで押出しラミネートされていることを特徴とする、発熱組成物収容用袋の貼付面用包材;
〔2〕 実質的に非通気性である、前記〔1〕記載の包材;
〔3〕 前記積層シートの不織布側表面上に粘着剤層を有する、前記〔1〕又は〔2〕記載の包材;
〔4〕 前記エラストマー層が、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとの混合物からなる層である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の包材;
〔5〕 前記不織布がスパンレース不織布である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の包材;
〔6〕 ドレープ形状面積が450mm2以下である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の包材;
〔7〕 ドレープ係数が0.8以下である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の包材;
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の包材を少なくとも片面に用いた、発熱組成物収容用袋;
〔9〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の包材を少なくとも貼付面に用いた発熱組成物収容用袋及びこの袋に収容された空気の存在下で発熱する発熱組成物を含む、貼付用温熱材;
〔10〕 気密性外袋に収容されている、前記〔9〕記載の貼付用温熱材;
〔11〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の包材の製造方法であって、前記(A)のエラストマー層を有する単層又は積層フィルムと前記(B)の不織布とを凹凸のあるニップロールで押出しラミネートする工程を含むことを特徴とする方法;
〔12〕 前記凹凸のあるニップロールで押出しラミネートする工程の後に、得られた積層シートをフラットロールでラミネートする工程をさらに含む、前記〔11〕記載の方法
を提供する。
(1)本発明の包材は、エラストマー層を有するフィルムを不織布と積層しているので、柔軟で、身体に密着し易く、温熱材使用中の剥離又は脱落を防止又は軽減し、結果として身体に安定した温熱を供給できる温熱材の製造を可能にする。
(2)本発明の包材は、低コストで簡便な製造工程で製造することができるので、従来と同程度の製造コストで改良された製品を提供することができる。
本発明において、エラストマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、及びこれらとポリオレフィンとの混合物から選択されるものを1種又は2種以上使用することができる。
不織布としては、従来用いられる任意のものが使用できる。具体的には、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、綿、麻、絹等の天然繊維を含むものの、スパンボンド、サーマルボンド、スパンレース等の形態の不織布が挙げられる。
エラストマー層を有するフィルムは、予め公知の方法で製膜した後、ドライラミネーションやホットメルトラミネーション等の公知の方法で不織布とラミネートすることができる。押出しラミネーションにて、エラストマーを熱溶融し、製膜時に不織布と熱融着ラミネートすることもできる。後者の方法は、製造が容易である点から、望ましい。
凹凸ロールは、フラットロールと組み合わせて用いてもよい。例えば、毛羽立ちのある不織布とラミネーションする場合、押出しラミネーションの1次加工で凹凸のあるニップロールを使用し、2次加工でフラットロールを使用してラミネーションすることができる。また、タンデムラミネーションの場合、1つ目の押出し加工で凹凸ロールを使用し、2つ目の押出し加工でフラットロールを使用してラミネーションすることにより、凹凸ニップロールで生じたピンホールを防止又は修復することもできる。フラットロールと組み合わせることにより、凹凸ロールの使用によってピンホールが生じた場合でも、ピンホールが修復されるため、温熱材の良好な温度安定性が確保できる。
エラストマー層を有するフィルムとして積層フィルムを用いる場合、予め製膜されたフィルムと不織布との間にエラストマー層を押出しラミネーションすることもできる。このようにすることにより、1工程の加工でピンホールの防止が可能になる。
本発明の包材には、不織布側に粘着剤層を設けることができる。粘着剤としては、人体に適用可能なものであれば使用できるが、一般に温熱材の貼付用に使用されているものが好ましい。特に、ラミネート後の水分や溶剤の乾燥装置を必要とせず、設備がコンパクトで、低コストで簡便に包材の製造に使用できるホットメルト型粘着剤が好ましい。
本発明の温熱材は、包材で形成された発熱組成物収容用袋及びこれに内包される発熱組成物から基本的に構成され、この発熱組成物収容用袋の少なくとも片面(貼付面)に本発明の包材を備えている。本発明の温熱材は、上記の構成に加えて、任意の付加的な要素を含んでいてもよい。
包材A:
ポリエステルスパンレース(PET−SL)不織布(ダイワボウポリテック社製、「ST−40」、40g/m2)及びSEBSフィルム(アロン化成社製、「AR−S−4913S」、50μm厚)からなる包材を、押し出しラミネーションによって製造した。押出しニップロールとしては、3mm幅の凹部及び3mm幅の凸部のストライプ状のものを使用した。得られた包材は、凸部のみが不織布と接着されており、凹部に生じたゆとり部の存在により、伸縮性が高いものであった。
ポリエステルスパンレース不織布(ダイワボウポリテック社製、「ST−40」、40g/m2)、及びSEBS(アロン化成社製、「AR−S−4913S」) 85重量%及びメタロセン線状低密度ポリエチレン(mLLDPE) 15重量%のブレンド樹脂のフィルム(55μm厚)からなる包材を、押し出しラミネーションによって製造した。押出しニップロールとしては、3mm幅の凹部及び3mm幅の凸部のストライプ状のものを使用した。得られた包材は、凸部のみが不織布と接着されており、凹部に生じたゆとり部の存在により、伸縮性が高いものであった。
上記包材Aの不織布上に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社、「ディスポメルトME026」、120g/m2)を塗工し、粘着性包材を製造した。ホットメルト粘着剤塗布パターンは、8.5mm幅の糊部と8.5mm幅の糊無部とが交互に並んだストライプ状であった。
上記包材Aの不織布上に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社、「ダーマタック34−542B」、120g/m2)を塗工し、粘着性包材を製造した。ホットメルト粘着剤塗布パターンは、8.5mm幅の糊部と8.5mm幅の糊無部とが交互に並んだストライプ状であった。
上記包材Aと同様に押し出しラミネーションによって作製したポリエステルスパンレース不織布(ダイワボウポリテック社製、「ST−40」、40g/m2)及びSEBSフィルム(アロン化成社製、「AR−S−4913S」、70μm厚)からなる包材の不織布上に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社「ディスポメルトME026」、120g/m2)を塗工し、粘着性包材を製造した。ホットメルト粘着剤塗布パターンは、8.5mm幅の糊部と8.5mm幅の糊無部とが交互に並んだストライプ状であった。
上記包材Bの不織布上に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社「ディスポメルトME026」、120g/m2)を塗工し、粘着性包材を製造した。ホットメルト粘着剤塗布パターンは、8.5mm幅の糊部と8.5mm幅の糊無部とが交互に並んだストライプ状であった。
各種包材のドレープ性能を、「JISL1096 一般織物試験方法 」8.19剛軟性の8.19.7G法(ドレープ係数)に準拠して、20℃×65%RHの環境下で以下のようにして試験した。
各試験片について次の式によってドレープ係数を算出し、平均値を小数点以下3桁まで求めた。
(Ad:試験片の垂直投影面積(ドレープ形状面積)(mm2)
S1:試料台の面積(直径12.7cm)
S2:試料の面積(直径25.4cm))
なお、ドレープ形状面積とドレープ係数の値は、小さい程、追従性が良い。
結果を表1に示す。
「比較1」=従来の温熱材の貼付面側包材(PET−SL不織布(50g/m2)と低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム(35μm厚)とmLLDPEフィルム(15μm厚)とを押出しラミネーションした積層シート)
「比較2」=従来の温熱材の貼付面側包材(PET−SL不織布(70g/m2、ポリオレフィン繊維20%含有)と、LDPE15μm/LLDPE20μm/mLLDPE15μm積層フィルムとを押出しラミネーションした積層シート)
「比較3」=従来の温熱材の貼付面側包材(レーヨンスパンレース(Ry−SL)不織布(55g/m2)と、MDPE28μm/VLDPE12μm積層フィルムとをドライラミネーションした積層シート
「比較4」=従来の温熱材の通気面側包材(PET−SL不織布(30g/m2)とPE多孔質フィルム(50μm厚)とをドライラミネーションした通気性積層シート)
「単体1」=従来の温熱材の貼付面側包材フィルム(LLDPE23μm/LLDPE及びHDPEのブレンド25μm/mLLDPE12μm)
「単体2」=SEBSフィルム(SEBS(アロン化成社製、「AR−S−4913S」) 85重量%及びmLLDPE 15重量%のブレンド樹脂のフィルム(55μm厚))
「単体3」=不織布(PET−SL不織布、ダイワボウポリテック社製、「ST−40」、40g/m2)
試験例1と同様にして、粘着剤層を有する本発明の包材についてドレープ形状面積及びドレープ係数を測定した。結果を表2に示す。
「比較1」=従来の温熱材の貼付面側粘着包材(PET−SL不織布(シンワ社、「7870A−5」70g/m2(ポリオレフィン繊維20%含有)と、LDPE 15μm/LLDPE 20μm/mLLDPE 15μm積層フィルムとを押出しラミネーションした積層シートに、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社、「ディスポメルトME026」120g/m2を塗工したもの)
「比較2」=従来の温熱材の貼付面側粘着包材(PET−SL不織布(70g/m2、ポリオレフィン繊維20%含有)と、LDPE 15μm/LLDPE 20μm/mLLDPE 15μm積層フィルムとを押出しラミネーションした積層シートに、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社、「ダーマタック34−542B」200g/m2を塗工したもの)
「比較3」=従来の温熱材の貼付面側包材(レーヨンスパンレース不織布(シンワ社、「7155HCD」55g/m2)と、MDPE28μm/VLDPE12μm積層フィルムとをドライラミネーションした積層シートに、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社、「ディスポメルトME026」120g/m2を塗工したもの)
「比較4」=従来の温熱材の通気性粘着包材(PET−SL不織布(シンワ社、「7830A」30g/m2)とPE多孔質フィルム(40g/m2)とをドライラミネーションした通気性積層シートに、ホットメルト粘着剤(三洋化成社「PS−19」50g/m2を塗工したもの)
包材G:
ポリエステルスパンレース不織布(ダイワボウポリテック社製、「ST−40」、40g/m2)及びオレフィン系エラストマーフィルム(愛知プラスチックス工業社製、「LAPUフィルム」、35μm厚)の中間層としてSEBSフィルム(アロン化成社製、「AR−S−4913S」、25μm)を有する包材を、1工程のSEBSフィルム押出しラミネーションによって製造した。
押出しニップロールとしては、3mm幅の凹部及び3mm幅の凸部のストライプ状のものを使用した。得られた包材は、凸部のみが不織布と接着されており、凹部に生じたゆとり部の存在により、伸縮性が高いものであった。
上記包材Gの不織布の上に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社(ヘンケルジャパン社)、「ディスポメルトME026」、120g/m2)を塗工し、粘着性包材を製造した。ホットメルト粘着剤塗布パターンは、8.5mm幅の糊部と8.5mm幅の糊無部とが交互に並んだストライプ状であった。
試験例1と同様にして、上記包材G及びHについてドレープ形状面積及びドレープ係数を測定した。結果を表3に示す。
したがって、本発明の包材は、ドレープ形状面積が480mm2未満、好ましくは450mm2以下であることができ、また、ドレープ係数が0.9未満、好ましくは0.8以下であることができる。
本発明の温熱材の人体への追従性を25℃、45%RHの環境下で以下のようにして試験した。
A(比較例):市販カイロに使用されている一般的な包材(レーヨンスパンレース不織布(シンワ社製、「7155HCD」、55g/m2)及びMDPE28μm/VLDPE12μmフィルムをドライラミネーションしたもの)に、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社製、「ディスポメルトME026」120g/m2)を塗工。
B(本発明の包材例):ポリエステルスパンレース不織布(ダイワボウ社製、「ST−40」40g/m2)及びSEBS(アロン化成社、「AR−S−4913S」 50μm)を押出しラミネーションしたものに、ホットメルト粘着剤(ヘンケルテクノロジーズジャパン社製、「ディスポメルトME026」120g/m2)を塗工。
結果を表4に示す。
Claims (10)
- 貼付用温熱材を構成する発熱組成物収容用袋であって、その貼付面を構成する包材が、
(A) 天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、及びこれらとポリオレフィンとの混合物からなる群から選択されるエラストマー層を有する単層又は積層フィルムと、
(B) 不織布と
を含む積層シートからなること、及び
前記(A)のエラストマー層を有する単層又は積層フィルムと前記(B)の不織布とが、凹凸のあるニップロールで押出しラミネートされていること
を特徴とする包材からなることを特徴とする、発熱組成物収容用袋。 - 前記貼付面の包材が、前記凹凸のあるニップロールで押出しラミネートされた後に、得られた積層シートをフラットロールでさらにラミネートされたものである、請求項1記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材が、実質的に非通気性である、請求項1又は2記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材が、前記積層シートの不織布側表面上に粘着剤層を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材のエラストマー層が、熱可塑性エラストマー又は熱可塑性エラストマーとポリオレフィンとの混合物からなる層である、請求項1〜4のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材の不織布がスパンレース不織布である、請求項1〜5のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材のドレープ形状面積が450mm2以下である、請求項1〜6のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋。
- 前記貼付面の包材のドレープ係数が0.8以下である、請求項1〜7のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の発熱組成物収容用袋及びこの袋に収容された空気の存在下で発熱する発熱組成物を含む、貼付用温熱材。
- 気密性外袋に収容されている、請求項9記載の貼付用温熱材。
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