JP2013230835A - 袋体の製造方法 - Google Patents

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安洋 武田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、ヒートシール部分が良好な外観であり、かつ、シール強度が高い袋体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】2の袋体構成部材を2本のヒートシールロール間でヒートシールして袋体を形成する袋体の製造方法であって、
前記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1が、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体であり、
前記積層体のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、袋体の製造方法に関する。より詳細には、使い捨てカイロ等に用いられる袋体の製造方法に関する。
袋体は、除湿性物質、消臭性物質、発熱体等の内容物が収容された除湿剤、消臭剤、使い捨てカイロ用等として広く用いられている。
例えば、使い捨てカイロにおいては、2の袋体構成部材を、内部に鉄粉等を主成分とする発熱体を封入しながら、ヒートシール手段を利用して袋体とする方法が広く用いられている。ヒートシールの方法としては、原反ロールから繰り出される2の袋体構成部材を、一対のヒートシールロール間に上側からV字状に導入しながらヒートシールする方法が開示されている(例えば、特許文献1)。
上記使い捨てカイロにおいて、上記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1としては、通気性の点から、不織布と多孔質フィルムとの積層体が広く用いられている。上記不織布は主としてナイロン系、ポリエステル系不織布が広く用いられている(例えば、特許文献2)。
特開2006−55272号公報 特開2008−87411号公報
最近では袋体の低コスト化が求められており、本発明者は上記不織布を、ポリエステル系不織布やナイロン系不織布より安価なポリプロピレン系不織布に変更することを試みた。しかし、ポリプロピレン系不織布は耐熱性が不十分であり、上記のヒートシール方法では、ヒートシール時に不織布が溶融(不織布がフィルム化)してヒートシール部分の外観不良が生じる、不織布が破断するなどの問題があった。一方、不織布が溶融しないようにヒートシールロールの温度を下げると、シール強度(ヒートシール強度)が低下して破袋しやすいという問題があった。このため、ポリプロピレン系不織布を用いて、ヒートシール部分の外観が良好であることとシール強度が高いことを両立する袋体を製造することが困難であった。
従って、本発明の目的は、ポリプロピレン系繊維を含む不織布を袋体構成部材とする袋体において、ヒートシール部分の外観が良好であり、かつ、シール強度が高い袋体の製造方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と多孔質フィルムとを含む積層体を少なくとも一方の袋体構成部材として用い、袋体構成部材同士をヒートシールにより圧着して袋体を製造するに際し、圧着前に、前記積層体を特定の条件下でヒートシールロールに接触させて加熱(予熱)することで、ヒートシール時に不織布が溶融しにくいため、ヒートシール部分の外観が良好であり、かつ、シール強度が高い袋体ができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2の袋体構成部材を2本のヒートシールロール間でヒートシールして袋体を形成する袋体の製造方法であって、前記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1が、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体であり、前記積層体のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることを特徴とする袋体の製造方法を提供する。
さらに、前記積層体は、ヒートシールロールの下方から導入され、ヒートシールロールに接触した後に、ヒートシールロールの上方から下方へ送り出される際に圧着されることが好ましい。
さらに、前記した2の袋体構成部材のうちの1は、ヒートシール層を有するシートであることが好ましい。
さらに、前記袋体は使い捨てカイロ用袋体であることが好ましい。
また、本発明は、前記袋体の製造方法により製造された使い捨てカイロ用袋体を用いた使い捨てカイロを提供する。
本発明の袋体の製造方法は、ヒートシールロールの温度、接触時間を特定することにより、ヒートシール時にポリプロピレン系不織布が溶融しないためにヒートシール部分の外観が良好であり、かつ、シール強度を高くすることができる。
本発明の袋体の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の袋体の製造方法における、2の袋体構成部材をヒートシールロールの下方から導入する方法の一例を示す概略図である。 本発明の袋体の製造方法における、ヒートシール方法の一例を示す概略図である。 本発明の袋体の製造方法における、2の袋体構成部材のうちの1をヒートシールロールの上方から導入し、1をヒートシールロールの下方から導入する方法の一例を示す概略図である。 本発明の袋体の製造方法における、袋体構成部材の導入する際の抱き角を示す概略図である。 使い捨てカイロの一例(貼るタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。 使い捨てカイロの一例(貼らないタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。 シール強度評価を行う際の短辺側評価用サンプルの採取位置を示す概略図である。 シール強度評価を行う際の長辺側評価用サンプルの採取位置を示す概略図である。
本発明は、2の袋体構成部材を2本のヒートシールロール間でヒートシールして袋体を形成する袋体の製造方法であって、上記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1が、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体であり、上記積層体のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることを特徴とする袋体の製造方法である。
本明細書では、上記の「ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体」を、「袋体構成部材(a)」と称する場合がある。上記2の袋体構成部材は、2の袋体構成部材(a)でもよいし、袋体構成部材(a)と、袋体構成部材(a)以外の袋体構成部材(「他の袋体構成部材」と称する場合がある)であってもよい。上記他の袋体構成部材としては、ヒートシール層を有するシートであることが好ましい。
[袋体構成部材(a)]
上記袋体構成部材(a)は、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを少なくとも含む積層体である。上記積層体の構成は、特に限定されないが、一方の表面が多孔質フィルム、もう一方の表面がポリプロピレン系繊維を含む不織布となる構成であることが好ましい。さらに具体的には、多孔質フィルム/接着剤層(特に多孔性接着剤層)/ポリプロピレン系繊維を含む不織布の積層構成であることが好ましい。
上記ポリプロピレン系繊維を含む不織布と上記多孔質フィルムとを積層する方法は、特に限定されないが、接着剤層を介して貼り合わせる方法が好ましい。上記接着剤層は、特に限定されず、不織布と多孔質フィルムの貼り合わせなどに用いられる公知の接着剤層を用いることができる。なお、上記接着剤層を形成する「接着剤」とは、「粘着剤(感圧性接着剤)」の意味を含む。
(ポリプロピレン系繊維を含む不織布)
上記ポリプロピレン系繊維を含む不織布(「ポリプロピレン系不織布」と称する場合がある)は、ポリプロピレン系繊維を必須の成分として構成されている。上記ポリプロピレン系繊維は1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。上記ポリプロピレン系繊維の含有量は、特に限定されないが、ポリプロピレン系不織布の全重量(100重量%)に対して、70重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
上記ポリプロピレン系繊維はポリプロピレン系樹脂からなる。ポリプロピレン系樹脂はプロピレンを必須のモノマー成分として構成される樹脂であり、特に限定されないが、例えば、プロピレンホモポリマー(ホモポリプロピレン)、プロピレンと1種又は2種以上の他の単量体とからなる共重合ポリマーでもよい。
上記他の単量体とは、特に限定されないが、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィン系単量体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどのアクリル系単量体が好ましい。
上記ポリプロピレン系不織布の目付(目付け、目付量)は、特に限定されないが、風合いの観点から、20〜70g/m2が好ましく、より好ましくは30〜50g/m2、さらに好ましくは30〜40g/m2である。
上記ポリプロピレン系不織布は、エンボス加工が施されていてもよい。上記エンボス加工におけるエンボスの形状は、特に限定されず、例えば、長方形や円形などが挙げられる。また、エンボス1個当たりの面積は、特に限定されないが、外観の観点から、0.5〜30mm2が好ましく、より好ましくは1〜10mm2である。
上記ポリプロピレン系不織布のエンボス面積比率は、特に限定されないが、不織布の毛羽立ちの観点から、5〜30%が好ましく、より好ましくは10〜20%である。上記エンボス面積比率(「エンボス面積率」とも称する)とは、不織布の全面積に対するエンボス加工が施された領域の面積比率を意味する。上記エンボス面積比率は、マイクロスコープにより、測定面積中のエンボス加工が施された領域の面積比率を計測することにより測定しうる。
上記ポリプロピレン系不織布の製造方式は、特に限定されないが、例えば、スパンボンド法(スパンボンド方式)、スパンレース法(スパンレース方式)、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ステッチボンド法、メルトブロー法などが挙げられる。中でも、スパンボンド法、スパンレース法が好ましい。即ち、上記ポリプロピレン系不織布は、スパンボンド法により製造された不織布(スパンボンド不織布)、スパンレース法により製造された不織布(スパンレース不織布)が好ましく、スパンボンド不織布がより好ましい。
(多孔質フィルム)
上記多孔質フィルムは、フィルム状の多孔質基材である。上記多孔質フィルムを構成する樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂などが挙げられる。上記樹脂は単独でもよいし、2種以上の組み合わせ
でもよい。上記の中でも、価格、柔軟性の観点やヒートシール性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。さらに、上記多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂及び無機充填剤(例えば無機粒子など)を必須成分として構成され、かつ、未延伸フィルムを延伸処理することにより多孔質化して形成された多孔質フィルムであることが好ましい。上記多孔質フィルムは単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂は、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂である。上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)、重量平均分子量30万〜250万の超高分子量ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂の他、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリ−1−ブテンなど)、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)−アクリル酸メチル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。上記ポリオレフィン系樹脂は単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。上記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂が好ましく、中でも、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
上記低密度ポリエチレンの密度は、0.90〜0.93g/cm3が好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。また、上記低密度ポリエチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜6万である。また、上記低密度ポリエチレンの190℃におけるMFR(メルトマスフローレイト)は、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは、2.0〜4.0(g/10分)である。なお、本明細書における密度とは、JIS K 6922−2及びJIS K 7112に準拠して得られた密度をいうものとする。また、本明細書におけるMFRは、ISO1133(JIS K 7210)に準拠して、荷重条件2.16kgfで測定することができる。また、本明細書における重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)法により測定することができる。中でも、高温GPC法(高温GPC装置)により測定することが好ましい。具体的には、例えば、特開2009−184705号公報に記載の高温GPC法などが挙げられる。
上記直鎖状低密度ポリエチレンは、例えば、エチレンと炭素数が4〜8のα−オレフィンとを重合して得られる、短鎖分岐(分岐の長さは炭素数1〜6が好ましい)を有する直鎖状ポリエチレンがある。上記直鎖状低密度ポリエチレンに用いられるα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンにおいて、全構成モノマーの繰り返し単位(全ての構成モノマーに起因(由来)する繰り返し単位)に対するエチレンモノマーの繰り返し単位(エチレンモノマーに起因(由来)する繰り返し単位)の含有量(含有率)は90重量%以上が好ましい。上記直鎖状低密度ポリエチレンとしては、中でも、低温ヒートシール性向上の観点から、メタロセン系触媒を用いて調製された、いわゆる、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLDPE)が特に好ましい。
上記直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.90〜0.93g/cm3が好ましく、より好ましくは0.91〜0.92g/cm3である。上記直鎖状低密度ポリエチレンの重量平均分子量は、特に限定されないが、3万〜20万が好ましく、より好ましくは5万〜10万、さらに好ましくは5万〜6万である。また、上記直鎖状低密度ポリエチレンの190℃におけるMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィンの共重合体である。上記α−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンであれば特に限定されないが、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等の炭素数3〜8のα−オレフィンが挙げられる。上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、α−オレフィンとして1−ブテンを用いた、エチレン−α−オレフィン共重合エラストマーが好ましい。上記エチレン−α−オレフィン共重合体において、全構成モノマーの繰り返し単位に対するエチレンモノマーの繰り返し単位の含有量は60〜95重量%が好ましく、より好ましくは80〜90重量%である。上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、多孔質フィルムのヒートシール性をさらに向上させる役割を担う。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、0.90g/cm3未満が好ましく、より好ましくは0.86〜0.89g/cm3、さらに好ましくは0.87〜0.89g/cm3である。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜20万が好ましく、より好ましくは8万〜15万である。また、上記エチレン−α−オレフィン共重合体の190℃におけるMFRは、特に限定されないが、1.0〜5.0(g/10分)が好ましく、より好ましくは2.0〜4.0(g/10分)である。
上記多孔質フィルムは、特に限定されないが、無機充填剤を含有することが好ましい。上記無機充填剤は、延伸により無機充填剤の周囲にボイド(微細孔)を発生させることによって、フィルムを多孔質化させる役割を担う。上記無機充填剤としては、例えば、タルク、シリカ、石粉、ゼオライト、アルミナ、アルミニウム粉末、鉄粉の他、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム−カルシウム、炭酸バリウム等の炭酸の金属塩;硫酸マグネシウム、硫酸バリウム等の硫酸の金属塩;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物;酸化マグネシウム−酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム−酸化亜鉛の水和物等の金属水和物(水和金属化合物)などが挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが好ましい。上記無機充填剤は1種でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。上記無機充填剤の形状は特に限定されず、平板形状、粒状などのものを用いることができるが、延伸によるボイド(微細孔)形成の観点からは、粒状(粒子状)が好ましい。上記無機充填剤としては、炭酸カルシウムからなる無機粒子が特に好ましい。
上記無機充填剤の粒径(平均粒径)は、特に限定されないが、0.1〜10.0μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5.0μmである。無機充填剤の粒径が、0.1μm以上の場合にボイド形成性が向上し、10.0μm以下とすることにより成膜(製膜)破れ、外観不良を抑制できるため好ましい。
上記多孔質フィルム中の上記無機充填剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、多孔質フィルムを構成する全ポリマー成分(100重量部)に対して、50〜150重量部が好ましく、より好ましくは80〜120重量部である。無機充填剤の含有量が、50重量部以上の場合にボイド形成性が向上し、150重量部以下とすることにより成膜破れ、外観不良を抑制できるため好ましい。
上記多孔質フィルムには、さらに、着色剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤などの各種添加剤が、本発明の効果を損なわない範囲内で配合されていてもよい。
上記多孔質フィルムは、溶融成膜法(Tダイ法、インフレーション法等)によって製造することができる。中でもTダイ法が好ましい。例えば、上記のポリオレフィン系樹脂、無機充填剤、及び、必要に応じて、各種添加剤を、2軸混練押出にて混合分散し、一旦ペレット上にした後、1軸押出機にて溶融押出して未延伸フィルムを作製し、上記未延伸フィルムを、延伸(例えば、1軸又は2軸に延伸)することにより多孔質化して製造する。多孔質フィルムを積層フィルムとする場合には、共押出法を好ましく用いることができる。なお、上記多孔質フィルムには、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
上記多孔質フィルムの製造において、押出温度は、170〜270℃が好ましく、より好ましくは180〜260℃、さらに好ましくは230〜250℃である。また、未延伸フィルム作製時の引き取り速度は、5〜25m/分が好ましく、引き取りロール温度(冷却温度)は5〜45℃が好ましく、より好ましくは20〜30℃である。
上記未延伸フィルムを延伸[1軸延伸、2軸延伸(逐次2軸延伸、同時2軸延伸)等]する方法としては、ロール延伸方式やテンター延伸方式など公知慣用の延伸方式を用いることができる。延伸温度は、50〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。多孔質化と安定成膜の観点から、延伸倍率(単軸方向)は、2〜5倍が好ましく、より好ましくは3〜4倍である。2軸延伸の場合の面積延伸倍率は2〜10倍が好ましく、より好ましくは3〜7倍である。
上記多孔質フィルムの厚みは、20〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜150μm、さらに好ましくは50〜120μmである。上記厚みが20μm以上であることにより、袋体を作製する際のエッジ切れ(ヒートシール部分と非ヒートシール部分の境で多孔質フィルムが裂ける現象)の発生を抑制することができるため好ましい。また、上記厚みが200μm以下であることにより、袋体を作製する際のヒートシール性が良好となり、シール不良の発生を抑制することができるため好ましい。
(接着剤層)
上記接着剤層を形成する接着剤としては、特に限定されないが、例えば、ゴム系接着剤(天然ゴム、スチレン系エラストマーなど)、ウレタン系接着剤(アクリルウレタン系接着剤等)、ポリオレフィン系接着剤(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)等)、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、フッ素系接着剤などの公知の接着剤が挙げられる。また、上記接着剤は単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。上記の中でも、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤が特に好ましい。
また、上記接着剤は、いずれの形態を有している接着剤であってもよく、特に限定されないが、溶剤を用いなくても熱により溶融させることにより塗工することができ、ポリプロピレン系不織布に対しても直接塗布して接着剤層を形成することができる利点、ヒートシール部分ではヒートシール加工によって更に大きな接着力が得られる利点を有することから、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤が特に好ましい。即ち、上記接着剤としては、ポリアミド系又はポリエステル系ホットメルト型接着剤が好ましく、より好ましくは、熱可塑性ポリアミド系ホットメルト型接着剤、又は、熱可塑性ポリエステル系ホットメルト型接着剤である。
ポリプロピレン系不織布と多孔質フィルムとの具体的な積層方法は、接着剤の種類などによっても異なり、特に限定されないが、ホットメルト型接着剤を用いる場合には、接着剤を上記ポリプロピレン系不織布上に塗布(塗工)した後、多孔質フィルムを貼り合わせる方法が好ましい。上記塗布方法としては、ホットメルト型接着剤の塗布方法として用いられる公知慣用の方法を用いることが可能であり、特に限定されないが、例えば、通気性の観点から、スプレー塗布による塗布、ストライプ塗工、ドット塗工が好ましい。接着剤の塗布量(固形分)は、特に限定されないが、塗工性、接着性や経済性等の観点から、0.5〜20g/m2が好ましく、より好ましくは1〜10g/m2、さらに好ましくは3〜5g/m2である。
上記接着剤層としては、特に多孔性接着剤層が好ましい。即ち、上記袋体構成部材(a)は、上記多孔質フィルムと上記ポリプロピレン系不織布とが、多孔性接着剤層(接着剤を繊維化して形成した接着剤層)を介して貼り合わされている積層体であることが好ましい。上記多孔性接着剤層は、接着剤を繊維化して形成した接着剤層である。好ましくは、ホットメルト型(熱溶融型)接着剤を、スプレー方式(スプレー塗布)により繊維化して形成した接着剤層であり、さらに好ましくは、ホットメルト型接着剤を、カーテンスプレー方式により、加熱溶融下において熱風を介し吹き付けて繊維化して塗布する方法にて形成した接着剤層である。上記接着剤層は、接着剤を繊維化して形成した多孔性接着剤層であることにより(特に、スプレー方式にて塗布して形成した多孔性接着剤層であることにより)、袋体構成部材(a)の通気性を低下させないという利点がある。
上記ポリプロピレン系不織布と上記多孔質フィルムの融点差は、特に限定されないが、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜50℃である。
[他の袋体構成部材]
上記他の袋体構成部材は、特に限定されず、上記袋体構成部材(a)以外の公知慣用の通気性又は非通気性の袋体構成部材を用いることができる。例えば、上記袋体が貼るタイプの使い捨てカイロの場合には、上記その他の袋体構成部材としては、粘着剤層を有する袋体構成部材が好ましく、表面に粘着剤層を有する袋体構成部材が特に好ましい。
上記表面に粘着剤層を有する袋体構成部材は、特に限定されないが、基材の少なくとも片面側に粘着剤層を有する粘着シートである袋体構成部材(ヒートシール層を有するシート)が好ましい。
上記ヒートシール層を有するシートは、特に制限されないが、基材と、基材の少なくとも片面側に設けられた粘着剤層を少なくとも有することが好ましい。上記粘着剤層は、基材上に直接設けられていることが好ましいが、他の層(易接着層やアンカーコート層など)を介して基材上に設けられていてもよい。また、上記粘着剤層は基材の片面側のみに設けられていることが好ましい。さらに、上記粘着剤層は、上記袋体の表面層としての粘着剤層として用いられる観点から、ヒートシール層を有するシートの表面層である(即ち、ヒートシール層を有するシートの表面に露出している)。ヒートシール層を有するシートの積層構成は、特に限定されないが、基材/粘着剤層の構成が好ましい。
上記基材は、ヒートシール性向上の観点から、ヒートシール層を少なくとも含むことが好ましい。上記ヒートシール層としては、例えば、ヒートシール性を有するフィルム層などが挙げられる。
上記基材は、ヒートシール層(ヒートシール性を有するフィルム層)、フィルム層、繊維層(例えば、不織布層など)などから構成されていることが好ましい。上記基材は、単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。より具体的には、上記基材としては、ヒートシール層単体、ヒートシール層と繊維層との積層体、ヒートシール層とフィルム層との積層体などが挙げられる。中でも、ヒートシール層/フィルム層/フィルム層で構成される積層体が好ましい。なお、「ヒートシール性を有する基材」は、「ヒートシール層を有するシート」に含まれるものとする。
上記不織布層に用いる不織布としては、特に限定されず、例えば、ポリアミド系不織布(ナイロン系不織布など)、ポリエステル系不織布、ポリオレフィン系不織布(ポリプロピレン系不織布、ポリエチレン系不織布など)、レーヨン系不織布など公知慣用の不織布(天然繊維による不織布、合成繊維による不織布など)が挙げられる。中でも、風合いの観点からは、ナイロン系不織布、ポリエステル系不織布(中でも、ポリエチレンテレフタレート系不織布)が好ましい。
上記不織布の製造方式は、特に限定されず、例えば、スパンボンド法(スパンボンド方式)、スパンレース法(スパンレース方式)、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ステッチボンド法、メルトブロー法などが挙げられる。中でも、スパンボンド法、スパンレース法が好ましい。即ち、上記不織布は、スパンボンド法により製造された不織布(スパンボンド不織布)、スパンレース法により製造された不織布(スパンレース不織布)が好ましい。
上記ヒートシール層及び/又はフィルム層は、公知慣用のフィルムを用いることができる。上記フィルム層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(オレフィン系樹脂)等が挙げられる。上記樹脂は単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。上記ヒートシール層においては、中でも、価格、柔軟性の観点や、ヒートシール性の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。即ち、上記ヒートシール層は、ポリオレフィン系樹脂やポリオレフィン系樹脂組成物から形成されたフィルム層(ポリオレフィン系樹脂を少なくとも含むフィルム層)が好ましい。上記ヒートシール層及び/又はフィルム層は、単層フィルムであっても、2層以上の積層フィルムであってもよい。また、無配向フィルムであってもよいし、1軸または2軸方向に延伸配向したフィルムであってもよいが、好ましくは無配向フィルムである。
上記ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂である。具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリブテン系樹脂(ポリ−1−ブテンなど)、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。上記の中でも、ポリエチレン系樹脂が好ましく、さらに、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂は、単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、ヒートシール性の観点から、エチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むポリオレフィン系樹脂組成物が好ましく、特に、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを少なくとも含むポリオレフィン系樹脂組成物が好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂の全重量(100重量%)に対して5重量%以上が好ましく、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%である。さらに、低温ヒートシール性向上の観点からは、上記の直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン系触媒を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましい。
上記基材の厚みは、特に限定されないが、10〜500μmが好ましく、より好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μmである。なお、上記基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
上記粘着剤層は、上記袋体が貼るタイプの使い捨てカイロである場合、使用時には使い捨てカイロを被着体に貼付する役割を担う。上記粘着剤層を構成する粘着剤は、特に限定されないが、例えば、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(アクリルウレタン系粘着剤等)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などの公知の粘着剤が挙げられる。中でも、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤(中でも、アクリルウレタン系粘着剤)が特に好ましい。上記粘着剤は単独でもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然ゴムや各種の合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。上記合成ゴムをベースポリマーとしたゴム系粘着剤としては、例えば、スチレン・ブタジエン(SB)ゴム、スチレン・イソプレン(SI)ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)ゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)ゴム、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)ゴム、スチレン・イソプレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SIPS)ゴム、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)ゴムなどのスチレン系ゴム(「スチレン系エラストマー」とも称する)、ポリイソプレンゴム、再生ゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレンや、これらの変性体などをベースポリマーとしたゴム系粘着剤が挙げられる。中でも、スチレン系エラストマーをベースポリマーとした粘着剤が好ましく、さらに好ましくは、SIS系粘着剤、SBS系粘着剤である。上記粘着剤は単独もよいし、2種以上の組み合わせでもよい。
上記ウレタン系粘着剤としては、公知慣用のウレタン系粘着剤を用いることが可能で、特に限定されないが、例えば、特許第3860880号明細書や特開2006−288690号公報で例示されているウレタン系粘着剤等が好ましい。中でも、イソシアネート/ポリエステルポリオールから構成されるアクリルウレタン系粘着剤が好ましい。また、肌に直接貼付する場合の肌への刺激を低減する観点から、上記アクリルウレタン系粘着剤は、気泡を有する発泡タイプの粘着剤であることが好ましい。このような発泡タイプの粘着剤は、例えば、粘着剤中に公知慣用の発泡剤を添加するなどの方法により作製することができる。
また、上記粘着剤は、いずれの形態を有している粘着剤であってもよく、例えば、エマルジョン型粘着剤、溶剤型粘着剤、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)などが挙げられる。なお、上記の中でも、溶剤を用いずに直接塗布して粘着剤層を形成することができる利点から、熱溶融型粘着剤(ホットメルト型粘着剤)が特に好ましい。
また、上記粘着剤は、いずれの特性を有している粘着剤であってもよく、例えば、加熱により架橋等が生じて硬化する熱硬化性を有している粘着剤(熱硬化性粘着剤)や、活性エネルギー線の照射により架橋等が生じて硬化する活性エネルギー線硬化性を有している粘着剤(活性エネルギー線硬化性粘着剤)などが挙げられる。中でも、無溶剤系であり、不織布や多孔質の基材などにも含浸しすぎない観点から、活性エネルギー線硬化性粘着剤が好ましい。なお、熱硬化性粘着剤には、熱硬化性を発揮するための架橋剤や重合開始剤などが適宜用いられている。また、活性エネルギー線硬化性粘着剤には、活性エネルギー線硬化性を発揮するための架橋剤や光重合開始剤などが適宜用いられている。
上記粘着剤層は、使用までの間、公知慣用の剥離フィルム(セパレータ又は剥離ライナーとも称する)により保護されていてもよい。
上記ヒートシール層を有するシートとしては、日東ライフテック(株)製「ニトタック」[ヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂製のフィルム層(基材)の片面側に部分的にSIS系粘着剤層を有するカイロ用粘着シート(一般の衣類に貼るカイロ用に使用されているカイロ用粘着シート)]、日東ライフテック(株)製「ニトフィット」[ヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂製のフィルム層(基材)の片面側に部分的にSIS系粘着剤層を有するカイロ用粘着シート(一般の直貼りカイロ用に使用されているカイロ用粘着シート)]などが市販品として入手可能である。
[ヒートシール方法]
本発明の袋体の製造方法においては、2の袋体構成部材(2の袋体構成部材(a)、又は、袋体構成部材(a)と他の袋体構成部材)を2本のヒートシールロール間でヒートシールすることにより袋体を形成する。本発明のヒートシール方法においては、袋体構成部材(a)のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることが特徴である。
図1は、本発明の袋体の製造方法の一例を示す概略図である。図1に記載の本発明の袋体の製造方法においては、2の袋体構成部材11及び12が、原反19及び20から、駆動ロール18によって誘導され、2本のヒートシールロール13及び14へそれぞれ導入される。導入された上記2の袋体構成部材11及び12は、ヒートシールロール13及び14が回転するとともにヒートシールロール13及び14に巻き付き、ヒートシールされる部分がヒートシールロール13及び14と接触することで加熱(予熱)される。その後連続して、2本のヒートシールロール13及び14の間に上記2の袋体構成部材11及び12が上方から下方に向けて送られることによって、2本のヒートシールロール13及び14で上記2の袋体構成部材11及び12を挟持し、ヒートシールされる部分の圧着を行い、袋体15を作製するものである。したがって、2本のヒートシールロール13及び14は、同じ速度で回転させた場合に互いに対向するように配置されている。そして、ヒートシールロール13及び14は、上記2の袋体構成部材11及び12の厚み程度のクリアランスを有するように近接して配置されている。内容物を封入した袋体を製造する場合は、上記2の袋体構成部材11及び12のヒートシールされる部分がヒートシールロール13及び14に接触して加熱された後、袋体の四方(周囲)が完全に圧着される前に、図1中の矢印16の方向から内容物が放出されて袋体の内部に封入される。さらに、本発明の袋体の製造方法は、他の工程と連結されていてもよい。
上記袋体構成部材(a)のヒートシールされる部分が接触するヒートシールロールの温度は、110〜145℃であり、好ましくは120〜140℃、より好ましくは120〜130℃である。上記ヒートシールロールの温度を110℃以上とすることにより、袋体のヒートシール部分のシール強度を高くすることができる。また、上記ヒートシールロールの温度を145℃以下とすることにより、袋体のヒートシール部分のポリプロピレン系繊維を含む不織布の溶融を抑制し、外観が良好である袋体とすることができる。
上記2の袋体構成部材のうちの1が上記他の袋体構成部材である場合、上記他の袋体構成部材のヒートシールされる部分が接触するヒートシールロールの温度は、特に限定されないが、好ましくは80〜180℃、より好ましくは120〜150℃である。上記ヒートシールロールの温度を80℃以上とすることにより、袋体のヒートシール部分のシール強度を高くすることができる。また、上記ヒートシールロールの温度を180℃以下とすることにより、外観が良好である袋体とすることができる。
上記袋体構成部材(a)がヒートシールロールに接触後、他の袋体構成部材と圧着されるまでの間に加熱(予熱)される時間(接触時間)は、1〜3秒間であり、好ましくは1.0〜2.0秒間、より好ましくは1.5〜2.0秒間である。上記接触時間を1秒間以上とすることにより、袋体のヒートシール部分のシール強度を高くすることができる。また、上記接触時間を3秒間以下とすることにより、袋体のヒートシール部分のポリプロピレン系繊維を含む不織布の溶融を抑制し、外観が良好である袋体とすることができる。
上記2の袋体構成部材のうちの1が上記他の袋体構成部材である場合、上記他の袋体構成部材がヒートシールロールに接触して加熱される時間(接触時間)は、特に限定されないが、好ましくは0.3〜3.0秒間、より好ましくは1.0〜3.0秒間である。
上記袋体構成部材(a)の接触時間を長くする方法は、特に限定されないが、例えば、ヒートシール工程の速度を遅くする方法、ヒートシールロールの径を大きくする方法、上記袋体構成部材(a)のヒートシールロールへの導入方向をヒートシールロールの下方からに変更する方法などが挙げられる。
ここで、従来、ポリエステル系不織布又はナイロン系不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体(袋体構成部材(b))だけを使用して袋体を製造していた際には、袋体構成部材(b)は、ヒートシールロールの上方からヒートシールロールに導入されていた。
この場合、袋体構成部材(b)がヒートシールロールに接触後、他の袋体構成部材と圧着されるまでの間に加熱(予熱)される時間(接触時間)は0.3〜0.8秒間程度であった。
本発明では、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と多孔質フィルムとを含む袋体構成部材(a)をヒートシールする際に、袋体構成部材(a)がヒートシールロールに接触後、他の袋体構成部材と圧着されるまでの間に加熱(予熱)される時間(接触時間)を1〜3秒間と、従来よりも長くすることが必要となる。
そこで、上記袋体構成部材(a)のヒートシールロールへの導入方向を下方からに変更する方法は、上記接触時間を長くする方法の中でも、ヒートシール工程の速度、及び、ヒートシールロールの径を調整しなくてもよいため、従来の生産性を維持でき、かつ、ヒートシールロールの径の調整にかかるコストも不要とすることができるため好ましい。
上記袋体構成部材(a)のヒートシールロールへの導入方法は、特に限定されないが、上記接触時間の観点から、ヒートシールロールの下方から導入することが好ましい。ヒートシールロールの下方から導入する方法は、従来の生産性を維持でき、かつ、ヒートシールロール径の調整にかかるコストも不要とすることができる。即ち、上記2の袋体構成部材が上記袋体構成部材(a)である場合、上記2の袋体構成部材のヒートシールロールへの導入方法は、上記2の袋体構成部材の両方とも、ヒートシールロールの下方から導入されることが好ましい。図2は本方法の一例を示す概略図である。
上記他の袋体構成部材のヒートシールロールへの導入方法は、特に限定されず、ヒートシールロールの上方からでもよいし、ヒートシールロールの下方からでもよいが、作業性の観点から、ヒートシールロールの下方からが好ましい。即ち、上記2の袋体構成部材のうちの1が袋体構成部材(a)であり、1が上記他の袋体構成部材である場合、上記袋体構成部材(a)はヒートシールロールの下方から導入し、上記他の袋体構成部材はヒートシールロールの上方から導入する方法(図4に本方法の一例の概略図を示す。)でもよいし、上記袋体構成部材(a)はヒートシールロールの下方から導入し、上記他の袋体構成部材もヒートシールロールの下方から導入する方法(図2に本方法の一例の概略図を示す。)でもよいが、後者の方が好ましい。
上記のヒートシールロールの上方から導入するとは、本明細書においては、図5に示す、袋体構成部材とヒートシールロールの接点51と、圧着点52から形成される抱き角53が20〜90°未満となる位置から袋体構成部材をヒートシールロールに導入することをいう。また、上記のヒートシールロールの下方から導入するとは、上記抱き角53が90°以上〜270°となる位置から袋体構成部材をシートシールロールに導入することをいう。
上記2の袋体構成部材の圧着は、特に限定されないが、上方から下方へ送り出される際に行われること好ましい。例えば、本発明の製造方法によって製造された袋体に内容物が封入される場合、内容物の挿入は、袋体の製造と同時に行われる。上記内容物は、図1に示す矢印16の方向に重力又は圧力によって放出されて袋体の内部へ挿入される方法が一般的である。このため、内容物の挿入方向と同一である、上方から下方へ、上記製造された袋体を送り出すことが好ましい。
上記2の袋体構成部材が上記2本のヒートシールロールによって圧着される圧力は、特に限定されないが、0.2〜1.5MPaが好ましく、より好ましくは0.4〜1.0MPaである。圧力が0.2MPa以上であればヒートシール部における接着強度の信頼性が向上する。また、圧力が1.5MPa以下であればヒートシールロールの摩耗が少なくなる。
上記ヒートシールロールの回転速度は、特に限定されないが、生産性や装置の安定性の観点から20〜120rpmが好ましく、より好ましくは60〜100rpmである。
図3は、本発明の袋体の製造方法に用いるヒートシール方法の一例を示す概略図である。上記ヒートシールロール13及び14は、上記2の袋体構成部材11及び12のうちの少なくとも1の袋体構成部材(a)と、袋体構成部材(a)又は他の袋体構成部材をTD方向(短辺側)、又はMD方向(長辺側)にわたって一定の間隔をおいて連続的にヒートシールを行うためのヒートシール部材31を有する。図3のヒートシールロール13及び14は、回転軸17を中心として互いに逆方向(図2中のヒートシールロール13又は14中の矢印方向)に回転可能となるように、回転軸17が互いに平行になるように配置されて構成されている。また、ヒートシールロール13及び14、及び/又は、ヒートシール部材31はヒーターなどの加熱手段を内蔵して構成されている。
上記ヒートシールロール13及び14は、特に制限されないが、例えば、鋼、クルップ鋼、クロムモリブデン鋼、マンガンモリブデン鋼、安来鋼、ステンレス鋼、マルエージング鋼、42アロイ、インバー、コバール、センダスト、パーメンデュール、ケイ素鋼、KS鋼、スピーゲルアイゼン、真鍮、丹銅、トムバック、洋白、青銅、白銅、赤銅、コンスタンタン、ノルディックゴールド、クニフェ、ジュラルミン、シルミン、ハステロイ、モネル、インコネル、ニクロム、サンプラチナ、パーマロイ、マグネシウム合金、ステライト、フェロマンガン、はんだ、活字合金、ウッドメタル、ガリンスタン、ピューター、バビットメタル、超硬合金、ウィディア、ホワイトゴールド、スターリングシルバー、アマルガム、硬鉛などが挙げられ、鋼材又は合金などの熱伝導率の高い金属材料であることが好ましい。中でも、クロムモリブデン鋼がより好ましい。
上記ヒートシールロール13及び14の径は、特に限定されないが、φ50〜φ500mmが好ましく、より好ましくはφ100〜φ300mmである。
上記ヒートシール部材31は1本以上であれば何本であってもよく、任意に設定可能である。さらに、ヒートシール部材31の設置方向は、ヒートシールロール13及び14の軸方向(TD方向)、又は円周方向(MD方向)に限定されず、ヒートシールロール13及び14のTD方向に一定の角度をもって斜めに形成され、ヒートシールを回転軸17に対して斜めに行えるものでもよいが、上記袋体が四角形の場合は四辺をヒートシールされ、袋体が形成されることが好ましい。
上記ヒートシール部材31の形状は、特に限定されないが、例えば、直線状、又は、波状などの形状に形成され、ヒートシール部分32を通常の直線状、波状などの意匠性を有した形状にできるものであってもよい。
上記他の工程は、特に限定されないが、例えば、本発明の袋体の製造方法の前又は後に存在する別のヒートシール工程、内容物挿入工程、接着剤塗布工程、上記袋体構成部材(a)の作製工程、上記他の袋体構成部材の作製工程、不織布作製工程、多孔質フィルム作製工程、フィルム延伸工程、断裁工程等が挙げられる。
本発明の袋体の製造方法によって製造された袋体は、特に限定されないが、内容物の封入により様々な用途に用いることができる。例えば、除湿剤、消臭剤、芳香剤、脱酸素剤、使い捨てカイロなどの用途の袋体の製造に好ましく用いられる。特に、上記内容物として発熱体を用い、使い捨てカイロ用途として用いられることが好ましい。また、上記内容物が発熱体である場合、本発明の袋体の製造方法によって使い捨てカイロが製造される。
[使い捨てカイロ]
上記使い捨てカイロは、上記2の袋体構成部材をヒートシールすることにより形成されており、上記袋体内部に発熱体を封入して形成されている。即ち、上記使い捨てカイロは、上記袋体と発熱体を少なくとも有する。
上記使い捨てカイロを形成する2の袋体構成部材のうちの少なくとも1はポリプロピレン系不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体である上記袋体構成部材(a)である。上記2の袋体構成部材は、2の袋体構成部材(a)でもよいし、袋体構成部材(a)と、上記他の袋体構成部材であってもよい。上記他の袋体構成部材としては、ヒートシール層を有するシートが好ましい。
上記使い捨てカイロは、表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロであってもよいし、表面に粘着剤層を有しない使い捨てカイロであってもよい。特に限定されないが、上記表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロは貼るタイプの使い捨てカイロ(貼るカイロ)として用いられ、上記表面に粘着剤層を有しない使い捨てカイロは貼らないタイプの使い捨てカイロ(貼らないカイロ)として用いられる。
上記表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロは、使い捨てカイロの外側の表面に粘着剤層(即ち、表面層としての粘着剤層)を有する。上記表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロを形成する2の袋体構成部材のうちの少なくとも1の袋体構成部材は、表面に粘着剤層(即ち、表面層としての粘着剤層)を有する袋体構成部材であることが好ましい。さらに、上記表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロは、袋体構成部材(a)と表面に粘着剤層を有する袋体構成部材とをヒートシールすることにより形成されている。上記表面に粘着剤層を有する袋体構成部材は、少なくとも片面に粘着剤層を有しておればよく、特に限定されないが、片面のみに粘着剤層を有する袋体構成部材が好ましい。なお、上記表面に粘着剤層を有する袋体構成部材(特に片面のみに粘着剤層を有する袋体構成部材)をヒートシールして袋体を形成する場合には、粘着剤層が袋体の外側となるように(即ち、袋体の外側に露出するように)してヒートシールする必要がある。上記表面に粘着剤層を有する袋体構成部材としては、ヒートシール層を有するシートが好ましい。即ち、上記表面に粘着剤層を有する使い捨てカイロは、袋体構成部材(a)とヒートシール層を有するシートとをヒートシールすることにより形成されていることが好ましい。
図6は、上記使い捨てカイロの一例(貼るタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。図6に記載の上記使い捨てカイロは、袋体構成部材(a)61とヒートシール層を有するシート62を、端部(ヒートシール部分32)をヒートシールすることにより袋体を形成し、袋体の内部に発熱体63を封入して形成されている。袋体構成部材(a)61は、多孔質フィルム61bとポリプロピレン系不織布61aの複合部材である。ヒートシール層を有するシート62は、ヒートシール層62a、フィルム層62b、フィルム層62c、及び、フィルム層62cの片面側に設けられた粘着剤層62dの複合部材である。上記のように、一方の表面に粘着剤層が設けられた、貼るタイプの使い捨てカイロにおいては、袋体構成部材(a)61は、発熱体63への酸素供給性の観点から、被着体に接する側と反対側の部材(いわゆる表材)として少なくとも用いられることが好ましい。
図7は、上記使い捨てカイロの他の一例(貼らないタイプの使い捨てカイロの一例)を示す概略図(切断部端面図)である。図7に記載の上記使い捨てカイロは、2つの袋体構成部材(a)61を、端部(ヒートシール部分32)をヒートシールすることにより袋体を形成し、該袋体の内部に発熱体63封入して形成されている
上記発熱体63は、特に限定されず、従来の使い捨てカイロ等に用いられる発熱体を使用することができ、例えば、鉄粉などの金属粉、活性炭、水、保水剤(木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂など)、食塩などを用いることができる。
[使い捨てカイロの製造方法]
上記使い捨てカイロは、上記2の袋体構成部材を2本のヒートシールロール間でヒートシールして袋体を形成すると同時に、上記発熱体を前記袋体の内部に封入する工程を有する使い捨てカイロの製造方法であって、上記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1が、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体であり、上記積層体のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることを特徴とする使い捨てカイロの製造方法によって製造される。
前記積層体は、特に限定されないが、ヒートシールロールの下方から導入され、ヒートシールロールに接触した後に、ヒートシールロールの上方から下方へ送り出される際に圧着されることが好ましい。
前記2の袋体構成部材のうちの1は、特に限定されないが、上記ヒートシール層を有するシートであることが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
(ポリプロピレン系不織布)
ポリプロピレン系不織布としては、ポリプロピレン系繊維を含む、スパンボンド方式により製造されたスパンボンド不織布(目付30g/m2、エンボス面積比率13%、融点150℃)を用いた。
(多孔質フィルム)
直鎖状低密度ポリエチレン(Mw6万、MFR(190℃)2.3g/10分)100重量部、エチレン−α−オレフィン共重合体(Mw11.2万、MFR(190℃)3.6g/10分)40重量部、炭酸カルシウム(平均粒径1.1μm)140重量部、ステアリン酸1重量部、酸化防止剤1重量部を180℃で融解混練し、混合原料を得た。
上記混合材料を用い、Tダイ法で溶融押出を行い、1軸ロール延伸方式により、延伸温度100℃、延伸倍率4倍で長手(MD)方向に延伸して、厚さ70μm、融点120℃のポリエチレン系多孔質フィルムを得た。
(袋体構成部材)
袋体構成部材(a)として、上記スパンボンド不織布と上記ポリエチレン系多孔質フィルムとを、ホットメルト型接着剤で貼り合わせて積層体を作製した。一方、他の袋体構成部材として、ヒートシール層を有するシート[日東ライフテック(株)製、商品名「ニトタック」、ポリオレフィン系樹脂からなる基材フィルムとSIS系粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シート]を用いた。
(袋体の製造)
上記で得られた積層体とヒートシール層を有するシートとを、積層体の多孔質フィルム面とヒートシール層を有するシートのヒートシール層側の面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、ヒートシール(ヒートシール幅5mm)を行った。
上記積層体を、原反からヒートシールロール13へ、抱き角100°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで1.3秒間(接触時間)ヒートシールされる部分を加熱(予熱)した。
上記ヒートシール層を有するシートを、原反からヒートシールロール14へ、抱き角100°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで1.3秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
加熱した上記積層体とヒートシール層を有するシートは、加熱後連続して、ヒートシールロールを回転速度90rpmで回転しながら、圧力0.7MPaで圧着を行った。
なお、上記ヒートシールは、ヒートシールロールがクロムモリブデン鋼であり、ヒートシールロールの径がφ125mmである(株)東陽機械製作所製の使い捨てカイロ包装機を用いた。
実施例2
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を130℃とした以外は実施例1と同様にして袋体を得た。
実施例3
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を140℃とした以外は実施例1と同様にして袋体を得た。
実施例4
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を145℃とした以外は実施例1と同様にして袋体を得た。
実施例5
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、積層体の多孔質フィルム面とヒートシール層を有するシートのヒートシール層側の面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、ヒートシール(ヒートシール幅5mm)を行った。
上記積層体を、原反からヒートシールロール13へ、抱き角130°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで1.7秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
上記ヒートシール層を有するシートを、原反からヒートシールロール14へ、抱き角130°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで1.7秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
加熱した上記積層体とヒートシール層を有するシートは、加熱後連続して、ヒートシールロールを回転速度90rpmで回転しながら、圧力0.7MPaで圧着を行った。
なお、上記ヒートシールは、ヒートシールロールがクロムモリブデン鋼であり、ヒートシールロールの径がφ125mmである(株)東陽機械製作所製の使い捨てカイロ包装機を用いた。
実施例6
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を130℃とした以外は実施例5と同様にして袋体を得た。
実施例7
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を140℃とした以外は実施例5と同様にして袋体を得た。
実施例8
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を145℃とした以外は実施例5と同様にして袋体を得た。
実施例9
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、積層体の多孔質フィルム面とヒートシール層を有するシートのヒートシール層側の面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、ヒートシール(ヒートシール幅5mm)を行った。
上記積層体を、原反からヒートシールロール13へ、抱き角230°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで3.0秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
上記ヒートシール層を有するシートを、原反からヒートシールロール14へ、抱き角230°となるように下方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで3.0秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
加熱した上記積層体とヒートシール層を有するシートは、加熱後連続して、ヒートシールロールを回転速度90rpmで回転しながら、圧力0.7MPaで圧着を行った。
なお、上記ヒートシールは、ヒートシールロールがクロムモリブデン鋼であり、ヒートシールロールの径がφ125mmである(株)東陽機械製作所製の使い捨てカイロ包装機を用いた。
実施例10
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を130℃とした以外は実施例9と同様にして袋体を得た。
実施例11
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を140℃とした以外は実施例9と同様にして袋体を得た。
比較例1
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを、積層体の多孔質フィルム面とヒートシール層を有するシートのヒートシール層側の面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、ヒートシール(ヒートシール幅5mm)を行った。
上記積層体を、原反からヒートシールロール13へ、抱き角20°となるように上方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで0.3秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
上記ヒートシール層を有するシートを、原反からヒートシールロール14へ、抱き角20°となるように上方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで0.3秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
加熱した上記積層体とヒートシール層を有するシートは、加熱後連続して、ヒートシールロールを回転速度90rpmで回転しながら、圧力0.7MPaで圧着を行った。
なお、上記ヒートシールは、ヒートシールロールがクロムモリブデン鋼であり、ヒートシールロールの径がφ125mmである(株)東陽機械製作所製の使い捨てカイロ包装機を用いた。
比較例2
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を130℃とした以外は比較例1と同様にして袋体を得た。
比較例3
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を140℃とした以外は比較例1と同様にして袋体を得た。
比較例4
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を150℃とした以外は比較例1と同様にして袋体を得た。
比較例5
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを、積層体の多孔質フィルム面とヒートシール層を有するシートのヒートシール層側の面(粘着剤層と反対側の面)が重なり合うように、ヒートシール(ヒートシール幅5mm)を行った。
上記積層体を、原反からヒートシールロール13へ、抱き角30°となるように上方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで0.4秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
上記ヒートシール層を有するシートを、原反からヒートシールロール14へ、抱き角30°となるように上方から導入して各ヒートシールロールの矢印の回転方向に沿って巻き付け、120℃のヒートシールロールで0.4秒間ヒートシールされる部分を加熱した。
加熱した上記積層体とヒートシール層を有するシートは、加熱後連続して、ヒートシールロールを回転速度90rpmで回転しながら、圧力0.7MPaで圧着を行った。
なお、上記ヒートシールは、ヒートシールロールがクロムモリブデン鋼であり、ヒートシールロールの径がφ125mmである(株)東陽機械製作所製の使い捨てカイロ包装機を用いた。
比較例6
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を130℃とした以外は比較例5と同様にして袋体を得た。
比較例7
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を140℃とした以外は比較例5と同様にして袋体を得た。
比較例8
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を150℃とした以外は比較例5と同様にして袋体を得た。
比較例9
実施例1と同じ積層体とヒートシール層を有するシートを用い、ヒートシールされる部分と接触するヒートシールロールの温度を150℃とした以外は実施例9と同様にして袋体を得た。
(評価)
実施例及び比較例で作製した袋体について、以下の評価を行った。また、ヒートシール部分のシール強度(短辺側、長辺側)は以下のように測定した。
(1)シール強度
上記実施例でヒートシールを行ったサンプルを、図8、図9に示すように15mm幅×45mmで短辺6枚、長辺6枚サンプリングして測定用サンプルを作製した。作製したサンプルを、引張試験機を用いて、JIS K 6854に準拠したT型剥離試験を行い、シール強度の測定を行った。短辺6枚、長辺6枚のそれぞれの平均値を算出し、この数値を評価結果とした。
(測定条件)
測定装置:インストロン型万能引張試験機
温湿度:23±2℃、50±5%RH
剥離角度:T型
引張速度:30mm/分
(2)外観
上記シール強度評価で作製したサンプルのヒートシール部分を目視で判断し、ポリプロピレン系不織布及び多孔質フィルムが溶融していれば外観不良と判断した。
Figure 2013230835
評価結果(表1)から分かるとおり、本発明の袋体の製造方法により作製した袋体(実施例)は、高いシール強度を有し、かつ、良好な外観であった。
一方、接触時間が短い場合(比較例1〜8)では袋体のMD方向(長辺側)のシール強度は十分であったが、TD方向(短辺側)のシール強度は弱く、破袋した。また、ヒートシールロール温度が高く接触時間が長い場合(比較例9)では袋体のシール強度は十分であったが、ヒートシール部分が溶融し、外観不良が生じた。
11 袋体構成部材(a)
12 袋体構成部材(a)又は他の袋体構成部材
13 ヒートシールロール
14 ヒートシールロール
15 袋体
16 内容物の挿入方向
17 回転軸
18 駆動ロール
19 袋体構成部材(a)の原反
20 袋体構成部材(a)又は他の袋体構成部材の原反
31 ヒートシール部材
32 ヒートシール部分
51 袋体構成部材とヒートシールロールとの接点
52 圧着点
53 抱き角
61 袋体構成部材(a)
61a ポリプロピレン系不織布
61b 多孔質フィルム
61c 接着剤層
62 ヒートシール層を有するシート
62a ヒートシール層
62b フィルム層
62c フィルム層
62d 粘着剤層
63 発熱体
81 シール強度評価用サンプル

Claims (5)

  1. 2の袋体構成部材を2本のヒートシールロール間でヒートシールして袋体を形成する袋体の製造方法であって、
    前記2の袋体構成部材のうちの少なくとも1が、ポリプロピレン系繊維を含む不織布と、多孔質フィルムとを含む積層体であり、
    前記積層体のヒートシールされる部分が110〜145℃のヒートシールロールに1〜3秒間接触した後に圧着されることを特徴とする袋体の製造方法。
  2. 前記積層体がヒートシールロールの下方から導入され、ヒートシールロールに接触した後に、ヒートシールロールの上方から下方へ送り出される際に圧着される請求項1に記載の袋体の製造方法。
  3. 前記2の袋体構成部材のうちの1が、ヒートシール層を有するシートである請求項1又は2に記載の袋体の製造方法。
  4. 前記袋体が使い捨てカイロ用袋体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の袋体の製造方法により製造された使い捨てカイロ用袋体を用いた使い捨てカイロ。
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