JP2018069901A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成された空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2は、一対の補強層22を備えている。それぞれの補強層22は、軸方向において、カーカス12の内側に位置している。補強層22は、軸方向において、エイペックス30と重複している。半径方向において、補強層22の外端44の位置はエイペックス30の外端32の位置と一致している、又は、この補強層22の外端44はこのエイペックス30の外端32よりも内側に位置している。補強層22の硬さはエイペックス30の硬さと同等である、又は、この補強層22の硬さはこのエイペックス30の硬さよりも大きい。【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
走行中、タイヤが段差を乗り越えるとき、タイヤのサイドウォールの部分がリムと路面との間に挟まれることがある。このとき、タイヤに含まれるコードに過剰な張力がかかり、このコードが切断することがある。このようなコードの切断を伴うような損傷は、ピンチカットとも称される。このピンチカットの発生防止のために、様々な検討が行われている(例えば、下記の特許文献1及び2)。
ピンチカットの発生防止のためには、通常、タイヤのサイドウォールに高い硬さを有するゴムを採用する、このサイドウォールを厚くする、大きなエイペックスを採用する、カーカスを構成するプライの枚数を増やす、このプライに含まれるコードに太いコードを採用する、等の手段を講じ、タイヤの縦剛性を高めることが検討される。しかし高い縦剛性を有するタイヤでは、走行中に路面から入力される衝撃が緩和されることなくリム(車軸)に伝えられるため、ロードノイズが増加する恐れがある。このため、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上を図れる技術の確立が求められている。
本発明の目的は、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、一対のビード、カーカス及び一対の補強層を備えている。上記カーカスは、ラジアル構造を有しており、一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されている。それぞれの補強層は、軸方向において、上記カーカスの内側に位置している。それぞれのビードは、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えている。上記補強層は、軸方向において、上記エイペックスと重複している。半径方向において、上記補強層の外端の位置は上記エイペックスの外端の位置と一致している、又は、この補強層の外端はこのエイペックスの外端よりも内側に位置している。上記補強層の硬さは上記エイペックスの硬さと同等である、又は、この補強層の硬さはこのエイペックスの硬さよりも大きい。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記エイペックスの半径方向高さに対する上記補強層の半径方向高さの比は0.6以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記補強層は、半径方向において、内向き及び外向きに先細りな形状を呈している。この補強層の最大の厚さは、2.0mm以上5.0mm以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記補強層の硬さは90以上100未満である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、軸方向において、補強層が、カーカスの内側からこのカーカスに積層されている。補強層は、エイペックスの硬さと同等以上の硬さを有している。この補強層は、このタイヤの一部が路面とリムとの間に挟まれるような状況下において、カーカスに掛けられる負荷を軽減するように作用する。
前述の状況下では、タイヤのビードの部分において、その内側部分が特に引き延ばされる。しかしこのタイヤでは、補強層によって、このタイヤが引き延ばされる方向に力が作用する部分から離れた位置に、カーカスは配置される。このため、このカーカスに含まれるコードに作用する張力は、この補強層が設けられていない従来のタイヤのそれよりも低い。このタイヤでは、ピンチカットの発生が抑えられる。
このタイヤでは、補強層の外端が、半径方向において、エイペックスの外端を超えないよう、この補強層は構成されている。この補強層は高い硬さを有しているが、この補強層が縦剛性に与える影響は抑えられている。このタイヤでは、縦剛性が適切に維持されているので、走行中に路面から入力される衝撃が効果的に緩和される。このタイヤでは、高い硬さを有する補強層が設けられているにもかかわらず、ロードノイズの増加が抑えられる。
このタイヤでは、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成される。本発明によれば、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成された空気入りタイヤが得られる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。詳細には、この図1には、このタイヤ2の回転軸(図示されず)を含む平面に沿った、このタイヤ2の断面の一部が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。このタイヤ2の形状は、トレッドパターンを除き、赤道面に対して対称である。この図1において、実線BBLはビードベースラインである。ビードベースラインは、リムのリム径(JATMA参照)を規定する線である。このビードベースラインは、軸方向に延びる。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、一対のビード10、カーカス12、ベルト14、バンド16、インナーライナー18、一対のチェーファー20及び一対の補強層22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。トレッド4には、溝26が刻まれている。この溝26により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、架橋ゴムからなる。特に、このトレッド4のうち、トレッド面24を含む部分には、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性が考慮された架橋ゴムが用いられる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側部分は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側部分は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。このサイドウォール6は、カーカス12の損傷を防止する。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。クリンチ8は、軸方向において、ビード10及びカーカス12よりも外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
それぞれのビード10は、クリンチ8の軸方向内側に位置している。ビード10は、コア28と、このコア28から半径方向外向きに延びるエイペックス30とを備えている。コア28はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。エイペックス30は、半径方向外向きに先細りである。
このタイヤ2では、エイペックス30の硬さは85以上である。このエイペックス30は、高硬度な架橋ゴムからなる。このエイペックス30は、ビード10の部分の剛性に寄与する。エイペックス30による乗り心地への影響の観点から、この硬さは100未満が好ましい。
本発明においては、エイペックス30をはじめ、トレッド4、サイドウォール6等のタイヤ2を構成する部材の硬さは、「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられ、硬さが測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。
図1において、両矢印Hはビードベースラインからこのタイヤ2の赤道(図1の符号PE)までの半径方向距離を表している。この距離Hは、このタイヤ2の断面高さ(JATMA参照)である。両矢印haは、ビードベースラインからエイペックス30の外端32までの半径方向距離である。この距離haは、エイペックス30の半径方向高さである。
このタイヤ2では、エイペックス30による剛性への寄与の観点から、断面高さHに対するエイペックス30の半径方向高さhaの比は、0.15以上が好ましく、0.20以上がより好ましい。エイペックス30による乗り心地への影響の観点から、この比は、0.35以下が好ましく、0.30以下がより好ましい。
カーカス12は、両側のビード10の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6に沿っている。カーカス12は、カーカスプライ34を備えている。このタイヤ2のカーカス12は、一枚のカーカスプライ34からなる。このカーカス12が2枚以上のカーカスプライ34から形成されてもよい。剛性及び質量への影響の観点から、このカーカス12は1枚のカーカスプライ34から形成されるのが好ましい。
このタイヤ2では、カーカスプライ34は、それぞれのコア28の周りにて、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ34には、主部36と一対の折り返し部38とが形成されている。つまり、このカーカスプライ34は、主部36と一対の折り返し部38とを備えている。主部36は、一方のコア28と他方のコア28との間を架け渡している。それぞれの折り返し部38は、コア28から半径方向外向きに延在している。
図示されていないが、カーカスプライ34は並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス12はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト14は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト14は、カーカス12と積層されている。ベルト14は、カーカス12を補強する。ベルト14は、内側層40及び外側層42からなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層40の幅は外側層42の幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層40及び外側層42のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の一般的な絶対値は、10°以上35°以下である。内側層40のコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層42のコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト14の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト14が、3以上の層を備えてもよい。
バンド16は、ベルト14の半径方向外側に位置している。このタイヤ2では、バンド16の幅は、軸方向において、ベルト14の幅と略同等である。図示されていないが、このバンド16は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド16は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト14が拘束されるので、ベルト14のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維として、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー18は、カーカス12の内側に位置している。インナーライナー18は、カーカス12及び補強層22の内面に接合されている。インナーライナー18は、空気遮蔽性に優れた架橋ゴムからなる。インナーライナー18の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー18は、タイヤ2の内圧を保持する。
それぞれのチェーファー20は、ビード10の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー20がリムと当接する。この当接により、ビード10の近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー20は、布とこの布に含浸したゴムとからなる。
それぞれの補強層22は、軸方向において、カーカス12の内側に位置している。補強層22は、軸方向においてエイペックス30と重複している。この補強層22は、エイペックス30の軸方向内側において、カーカス12の主部36に積層されている。この補強層22は、架橋ゴムからなる。
このタイヤ2では、補強層22の硬さはエイペックス30の硬さと同等である、又は、この補強層22の硬さはこのエイペックス30の硬さよりも大きい。言い換えれば、この補強層22は、エイペックス30の硬さと同等以上の硬さを有している、つまり、補強層22の硬さとエイペックス30の硬さとの差は0以上である。このタイヤ2では、軸方向において、補強層22が、カーカス12の内側からこのカーカス12に積層されている。この補強層22は、このタイヤ2の一部が路面とリムとの間に挟まれるような状況下において、カーカス12に掛けられる負荷を軽減するように作用する。この観点から、この差は2以上が好ましい。なお、補強層22の硬さとエイペックス30の硬さとの差が大きくなり過ぎると、補強層22とエイペックス30との間に歪みが集中し、剥離が生じやすくなる恐れがある。剥離の発生が防止され、良好な耐久性が得られるとの観点から、この差は15以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下がさらに好ましい。
前述の状況下では、タイヤ2のビード10の部分において、その内側部分が特に引き延ばされる。しかしこのタイヤ2では、補強層22によって、このタイヤ2が引き延ばされる方向に力が作用する部分から離れた位置に、カーカス12は配置される。このため、このカーカス12に含まれるコードに作用する張力は、この補強層22が設けられていない従来のタイヤのそれよりも低い。このタイヤ2では、ピンチカットの発生が抑えられる。
このタイヤ2では、半径方向において、補強層22の外端44の位置はエイペックス30の外端32の位置と一致している、又は、この補強層22の外端44はこのエイペックス30の外端32よりも内側に位置している。つまり、このタイヤ2では、補強層22の外端44は、半径方向において、エイペックス30の外端32を超えないように、この補強層22は構成されている。このため、この補強層22は高い硬さを有しているが、この補強層22が縦剛性に与える影響は抑えられている。縦剛性が適切に維持されているので、このタイヤ2では、走行中に路面から入力される衝撃が効果的に緩和される。このタイヤ2では、高い硬さを有する補強層22が設けられているにもかかわらず、ロードノイズの増加が抑えられる。
このタイヤ2では、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成される。本発明によれば、ロードノイズの増加を抑えつつ、耐ピンチカット性能の向上が達成された空気入りタイヤ2が得られる。
図2には、図1のタイヤ2の一部がリムRとともに示されている。この図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。このリムRは、後述する正規リムである。
図2において、両矢印hrは、ビードベースラインから補強層22の外端44までの半径方向距離を表している。この距離hrは、補強層22の半径方向高さである。
このタイヤ2では、エイペックス30の半径方向高さhaに対する補強層22の半径方向高さhrの比は0.6以上が好ましい。この比が0.6以上に設定されることにより、補強層22が、このタイヤ2の一部が路面とリムRとの間に挟まれるような状況下において、カーカス12に掛けられる負荷の軽減に効果的に作用する。このタイヤ2では、ピンチカットの発生が十分に抑えられる。この観点から、この比は0.7以上がより好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、半径方向において、補強層22の外端44の位置はエイペックス30の外端32の位置と一致している、又は、この補強層22の外端44はこのエイペックス30の外端32よりも内側に位置している。つまり、エイペックス30の半径方向高さhaに対する補強層22の半径方向高さhrの比は1以下である。このタイヤ2では、補強層22及びエイペックス30の硬さは大きい。このため、補強層22の外端44の位置とエイペックス30の外端32の位置とが近接していると、この部分に歪みが集中し、ピンチカットの発生を促す恐れがある。歪みの集中を抑え、ピンチカットの発生がより効果的に防止されるとの観点から、この比は0.9以下が好ましい。
このタイヤ2では、補強層22の内端46は、コア28の近くに位置している。これにより、この補強層22による、ピンチカットの発生防止効果を維持しつつ、質量への影響が適切に抑えられている。この観点から、半径方向において、この補強層22の内端46の位置は、コア28の半径方向外側端48の位置と一致している、又は、この補強層22の内端46は、コア28の半径方向外側端48よりも外側に位置しているのが好ましい。補強層22による、質量への影響の観点から、補強層22の内端46はコア28の半径方向外側端48よりも半径方向外側に位置しているのがより好ましい。この場合、補強層22による、ピンチカットの発生防止効果への寄与の観点から、補強層22の内端46からコア28の外側端48までの半径方向距離は10mm以下に設定されるのが好ましい。
図2(又は、図1)に示されているように、このタイヤ2では、補強層22の半径方向内側部分は先細りな形状を呈している。この補強層22の半径方向外側部分も、先細りな形状を呈している。つまり、この補強層22は、半径方向において、内向き及び外向きに先細りな形状を呈している。言い換えれば、この補強層22では、その中央部分において、大きな厚さを有するように、その形状が整えられている。この補強層22の形状は、タイヤ2の一部が路面とリムRとの間に挟まれるような状況下において、このタイヤ2が引き延ばされる方向に力が作用する部分から離れた位置に、カーカス12、より詳細には、カーカスプライ34の主部36を配置させることに寄与する。このタイヤ2では、この状況下において、カーカス12のコードに作用する張力が効果的に低減されるので、ピンチカットの発生が効果的に防止される。この観点から、このタイヤ2では、補強層22は、半径方向において、内向き及び外向きに先細りな形状を呈しているのが好ましい。
本発明において、補強層22の厚さは、この補強層22の内面の法線に沿って計測される。図2には、この計測によって得た、最大の厚さが両矢印trで、そして、この厚さtrのための法線が実線LRで示されている。この補強層22は、その中央部分において、最大の厚さtrを有している。
このタイヤ2では、補強層22の最大の厚さtrは、2.0mm以上が好ましい。この厚さtrが2.0mm以上に設定されることにより、このタイヤ2の一部が路面とリムRとの間に挟まれるような状況下において、補強層22が、カーカス12に掛けられる負荷を軽減するように効果的に作用する。しかもこの補強層22は、この状況下においてこのタイヤ2が引き延ばされる方向に力が作用しにくい位置に、カーカスプライ34の主部36を配置させるので、この主部36に含まれるコードに作用する張力が効果的に低減される。このタイヤ2では、ピンチカットの発生が効果的に防止される。補強層22の厚さtrが大きすぎると、補強層22とエイペックス30とに挟まれたカーカス12(具体的には、カーカスプライ34の主部36)がつぶれ、ピンチカットの発生を促す恐れがある。このタイヤ2では、この主部36のつぶれが防止され、ピンチカットの発生が効果的に抑えられるとの観点から、この厚さtrは5.0mm以下が好ましい。
図2において、符号PCは、補強層22の厚さtrの中心の位置を示している。本発明においては、この符号PCで表される位置が、補強層22が最大の厚さを有する位置である。両矢印hmは、補強層22の内端46から位置PCまでの半径方向距離である。両矢印hnは、補強層22の内端46からその外端44までの半径方向距離である。この距離hnは、補強層22の半径方向長さである。
このタイヤ2では、補強層22の半径方向長さhnに対する、この補強層22の内端46から位置PCまでの半径方向距離hmの比は、0.4以上が好ましく、0.9以下が好ましい。これにより、ピンチカットの発生防止に、補強層22がより効果的に寄与する。この観点から、この比は、0.5以上がより好ましく、0.8以下がより好ましい。この比は、0.6以上がさらに好ましく、0.7以下がさらに好ましい。
図2において、両矢印taはタイヤ2の厚さを表している。この厚さtaは、法線LRに沿って計測される。
このタイヤ2では、前述の厚さtaに対する補強層22の最大の厚さtrの比は、0.15以上が好ましく、0.45以下が好ましい。これにより、ピンチカットの発生防止に、補強層22がより効果的に寄与する。この観点から、この比は、0.20以上がより好ましく、0.40以下がより好ましい。
このタイヤ2では、補強層22の硬さは90以上が好ましく、100未満が好ましい。この硬さが90以上に設定されることにより、このタイヤ2の一部が路面とリムRとの間に挟まれるような状況下において、補強層22が、カーカス12に掛けられる負荷を軽減するように効果的に作用する。カーカス12のコードに作用する張力が効果的に低減されるので、このタイヤ2では、ピンチカットの発生が効果的に防止される。この観点から、この硬さは92以上がより好ましい。この硬さが100未満に設定されることにより、補強層22の硬さとエイペックス30の硬さとの差が適切に維持されるので、このタイヤ2では、この補強層22とエイペックス30との間において剥離が生じにくい。このタイヤ2は、耐久性に優れる。この観点から、この硬さは98以下がより好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、特に言及がない限り、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。乗用車用タイヤ2の場合は、特に言及がない限り、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
本明細書において正規荷重とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1−2に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、225/45R17 94W(リム幅7.5)である。この実施例1では、補強層の硬さHrは95に設定された。この補強層の最大の厚さtrは、5.0mmであった。エイペックスの半径方向高さhaに対する補強層の半径方向高さhrの比(hr/ha)は、1.0に設定された。エイペックスの硬さHaは、90であった。したがって、補強層の硬さHrとエイペックスの硬さHaとの差(Hr−Ha)は5であった。このタイヤの断面高さHに対するエイペックスの高さhaの比(ha/H)は、0.25であった。
図1−2に示されたタイヤを製作した。このタイヤのサイズは、225/45R17 94W(リム幅7.5)である。この実施例1では、補強層の硬さHrは95に設定された。この補強層の最大の厚さtrは、5.0mmであった。エイペックスの半径方向高さhaに対する補強層の半径方向高さhrの比(hr/ha)は、1.0に設定された。エイペックスの硬さHaは、90であった。したがって、補強層の硬さHrとエイペックスの硬さHaとの差(Hr−Ha)は5であった。このタイヤの断面高さHに対するエイペックスの高さhaの比(ha/H)は、0.25であった。
[比較例1]
比較例1は、従来のタイヤである。この比較例1には、補強層は設けられていない。この比較例1では、エイペックスの硬さは90であった。このタイヤの断面高さHに対するエイペックスの高さhaの比(ha/H)は、0.25であった。
比較例1は、従来のタイヤである。この比較例1には、補強層は設けられていない。この比較例1では、エイペックスの硬さは90であった。このタイヤの断面高さHに対するエイペックスの高さhaの比(ha/H)は、0.25であった。
[実施例2−4]
厚さtrを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−4のタイヤを得た。
厚さtrを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−4のタイヤを得た。
[実施例5−8及び比較例2]
比(hr/ha)を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−8及び比較例2のタイヤを得た。
比(hr/ha)を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−8及び比較例2のタイヤを得た。
[実施例9−12及び比較例3]
硬さHrを下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例9−12及び比較例3のタイヤを得た。
硬さHrを下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例9−12及び比較例3のタイヤを得た。
[耐ピンチカット性能]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。プランジャーテスト機にこのタイヤをセットした。このタイヤに荷重をかけて、タイヤを押し潰した。カーカスに含まれるコードを切断し、この切断が生じた時のエネルギーを計測した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど耐ピンチカット性能に優れ好ましい。なお、この計測では、タイヤが載せられる治具の傾きは3°に設定された。
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。プランジャーテスト機にこのタイヤをセットした。このタイヤに荷重をかけて、タイヤを押し潰した。カーカスに含まれるコードを切断し、この切断が生じた時のエネルギーを計測した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど耐ピンチカット性能に優れ好ましい。なお、この計測では、タイヤが載せられる治具の傾きは3°に設定された。
[ロードノイズ]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が3000ccである乗用車に装着した。この乗用車を、粗度の高いアスファルト製路面の上で、50km/hの速度で走行させた。この走行時の運転席における、250Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほどロードノイズが小さく好ましい。
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が3000ccである乗用車に装着した。この乗用車を、粗度の高いアスファルト製路面の上で、50km/hの速度で走行させた。この走行時の運転席における、250Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほどロードノイズが小さく好ましい。
[耐久性]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、4.14kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど耐久性に優れ好ましい。
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、4.14kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を、測定した。この結果が、指数として、下記の表1−3に示されている。数値が大きいほど耐久性に優れ好ましい。
表1−3に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された補強層に関する技術は、種々のタイヤにも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
18・・・インナーライナー
22・・・補強層
28・・・コア
30・・・エイペックス
32・・・エイペックス30の外端
34・・・カーカスプライ
36・・・主部
38・・・折り返し部
44・・・補強層22の外端
46・・・補強層22の内端
48・・・コア28の外側端
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・ビード
12・・・カーカス
18・・・インナーライナー
22・・・補強層
28・・・コア
30・・・エイペックス
32・・・エイペックス30の外端
34・・・カーカスプライ
36・・・主部
38・・・折り返し部
44・・・補強層22の外端
46・・・補強層22の内端
48・・・コア28の外側端
Claims (4)
- 一対のビード、カーカス及び一対の補強層を備えており、
上記カーカスが、ラジアル構造を有しており、一方のビードと他方のビードとの間に架け渡されており、
それぞれの補強層が、軸方向において、上記カーカスの内側に位置しており、
それぞれのビードが、コアと、このコアから半径方向外向きに延びるエイペックスとを備えており、
上記補強層が、軸方向において、上記エイペックスと重複しており、
半径方向において、上記補強層の外端の位置が上記エイペックスの外端の位置と一致している、又は、この補強層の外端がこのエイペックスの外端よりも内側に位置しており、
上記補強層の硬さが上記エイペックスの硬さと同等である、又は、この補強層の硬さがこのエイペックスの硬さよりも大きい、空気入りタイヤ。 - 上記エイペックスの半径方向高さに対する上記補強層の半径方向高さの比が0.6以上である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 上記補強層が、半径方向において、内向き及び外向きに先細りな形状を呈しており、
この補強層の最大の厚さが2.0mm以上5.0mm以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 上記補強層の硬さが90以上100未満である、請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016211173A JP2018069901A (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | 空気入りタイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016211173A JP2018069901A (ja) | 2016-10-28 | 2016-10-28 | 空気入りタイヤ |
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2016
- 2016-10-28 JP JP2016211173A patent/JP2018069901A/ja active Pending
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2017
- 2017-10-09 CN CN201710928248.8A patent/CN108016217A/zh active Pending
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CN108016217A (zh) | 2018-05-11 |
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