JP2018020601A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット耐久性と通常走行時の乗り心地に優れた空気入りタイヤの提供。【解決手段】このタイヤ2では、裏側ビード10及び一方の荷重支持層16は、車両装着時に車両の内側に位置するこのタイヤ2のサイド部25に位置している。表側ビード12及びもう一方の荷重支持層16は、車両装着時に車両の外側に位置するこのタイヤ2のサイド部25に位置している。裏側ビード10は、裏側コア38と、この裏側コア38から半径方向外向きに延びる裏側エイペックス40とを備えている。表側ビード12は、表側コア42と、この表側コア42から半径方向外向きに延びる表側エイペックス44とを備えている。表側エイペックス44の底の中点から先端までの長さLfと、裏側エイペックス40の底の中点から先端までの長さLbとの差(Lf−Lb)は、5.0mm以上15.0mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。このランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、この支持層によって荷重が支えられる。ランフラットタイヤでは、パンク状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このパンク状態での走行は、ランフラット走行と称される。ランフラット走行が継続されると、支持層の変形と復元とが繰り返される。この繰り返しにより支持層で熱が生じ、タイヤが高温に達する。これらの変形や高温に耐えて、長時間のランフラット走行が可能なタイヤが望まれている。ランフラット耐久性に優れたタイヤが望まれている。
荷重支持層やビードのエイペックスの厚みを大きくすることで、ランフラット耐久性を向上させることができる。しかし、大きな厚みを有する荷重支持層やエイペックスは、タイヤの縦バネ定数を大きくする。大きな縦バネ定数は、通常走行時の乗り心地を損ねる。また、乗り心地に優れたランフラットタイヤに対する要求も大きい。
ランフラット耐久性と乗り心地の向上の観点から、一方エイペックスの高さをもう一方のそれよりも大きくする等の検討がなされている。このような検討の一例が、特開2013−071468公報に開示されている。
特開2013−071468公報
良好なランフラット耐久性を維持しつつ、通常走行時の乗り心地をさらに向上させたランフラットタイヤが求められている。
本発明の目的は、良好なランフラット耐久性を維持しつつ、通常走行時の乗り心地が向上された空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、裏側ビードと、表側ビードと、一対の荷重支持層とを備えている。上記裏側ビード及び一方の荷重支持層は、車両装着時に車両の内側に位置するこのタイヤのサイド部に位置している。上記表側ビード及びもう一方の荷重支持層は、車両装着時に車両の外側に位置するこのタイヤのサイド部に位置している。上記裏側ビードは、裏側コアと、この裏側コアから半径方向外向きに延びる裏側エイペックスとを備えている。上記表側ビードは、表側コアと、この表側コアから半径方向外向きに延びる表側エイペックスとを備えている。上記表側エイペックスの底の中点から先端までの長さLfと、上記裏側エイペックスの底の中点から先端までの長さLbとの差(Lf−Lb)は、5.0mm以上15.0mm以下である。
好ましくは、上記裏側コアの外側端から半径方向外側に1.0mm離れた位置における上記裏側エイペックスの厚みT1bと、上記表側コアの外側端から半径方向外側に1.0mm離れた位置における上記表側エイペックスの厚みT1fとの差(T1b−T1f)は、0.5mm以上2.5mm以下である。
好ましくは、上記差(T1b−T1f)は、1.3mm以上である。
好ましくは、上記裏側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置における上記裏側エイペックスの厚みT2bと、上記表側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置における上記表側エイペックスの厚みT2fとの差(T2b−T2f)は、0.5mm以上2.0mm以下である。
好ましくは、上記差(T2b−T2f)は、1.3mm以上である。
好ましくは、上記サイド部は軸方向外側に突出するリムプロテクターを備えている。上記裏側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置と上記リムプロテクターの先端の位置との半径方向中間位置における上記裏側エイペックスの厚みT3bと、上記表側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置と上記リムプロテクターの先端の位置との半径方向中間位置における上記表側エイペックスの厚みT3fとの差(T3b−T3f)は、0.5mm以上2.0mm以下である。
好ましくは、上記差(T3b−T3f)は、1.3mm以上である。
好ましくは、上記裏側コアの、軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点との距離がこの裏側コアの幅Wbとされ、上記表側コアの、軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点と距離がこの表側コアの幅Wfとされたとき、上記幅Wbと上記幅Wfとの差(Wb−Wf)は、1.0mm以上2.0mm以下である。
発明者らは、エイペックスの構造と、ランフラット耐久性及び乗り心地の関係について詳細に調査した。その結果、裏側(タイヤを車両に装着したときの、車両の内側)のサイド部に位置するエイペックス(裏側エイペックスと称される)の長さが、乗り心地に大きく影響することを見出した。この長さを短くすることで、乗り心地が大きく改善できる。一方、適切な範囲であれば、裏側エイペックスの長さを短くしても、良好なランフラット耐久性が維持できることを見出した。
本発明に係る空気入りタイヤでは、表側(タイヤを車両に装着したときの、車両の外側)のサイド部に位置するエイペックス(表側エイペックスと称される)の底の中点から先端までの長さLfと、裏側エイペックスの底の中点から先端までの長さLbとの差(Lf−Lb)は、5mm以上15mm以下である。差(Lf−Lb)が5mm以上となるように短くされた裏側エイペックスは、乗り心地の向上に寄与する。このタイヤは乗り心地に優れる。一方、差(Lf−Lb)が15mm以下である裏側エイペックスの、ランフラット耐久性に与える影響は小さい。このタイヤでは、良好なランフラット耐久性が維持されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図3は、図1のタイヤの他の一部が示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、空気入りタイヤ2が示されている。図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。図において、矢印Aで表されるのが、このタイヤ2が車両に装着されたときの、車両の内側(裏側)である。矢印Bで表されるのが、このタイヤ2が車両に装着されたときの、車両の外側(表側)である。図1において、一点鎖線CLはタイヤ2の赤道面を表わす。図1において、実線BBLはビードベースラインを表している。このビードベースラインは、タイヤ2が装着されるリム(図示されず)のリム径(JATMA参照)を規定する線である。このビードベースラインは、軸方向に延びる。
このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のクリンチ8、裏側ビード10、表側ビード12、カーカス14、一対の荷重支持層16、ベルト18、バンド20、インナーライナー22及び一対のチェーファー24を備えている。このタイヤ2のうち、トレッド4の端近辺から半径方向内側に延びる部分は、サイド部25と称される。サイドウォール6、クリンチ8、表側ビード12、裏側ビード10、チェーファー24及び荷重支持層16は、サイド部25に位置している。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接触するトレッド面26を形成する。トレッド面26には、溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4は、ベース層30とキャップ層32とを有している。キャップ層32は、ベース層30の半径方向外側に位置している。キャップ層32は、ベース層30に積層されている。ベース層30は、接着性に優れた架橋ゴムからなる。ベース層30の典型的な基材ゴムは、天然ゴムである。キャップ層32は、耐摩耗性、耐熱性及びグリップ性に優れた架橋ゴムからなる。
それぞれのサイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6の半径方向外側端は、トレッド4と接合されている。このサイドウォール6の半径方向内側端は、クリンチ8と接合されている。このサイドウォール6は、耐カット性及び耐候性に優れた架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、軸方向においてカーカス14よりも外側に位置している。サイドウォール6は、カーカス14の損傷を防止する。
損傷防止の観点から、サイドウォール6の硬さは50以上が好ましく、55以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは70以下が好ましく、65以下がより好ましい。本願において、硬さは「JIS K6253」の規定に準じ、タイプAのデュロメータによって測定される。図1に示された断面にこのデュロメータが押し付けられて、硬さが測定される。測定は、23℃の温度下でなされる。後述するクリンチ8及び荷重支持層16の硬さも同様にして測定される。
このタイヤ2では、サイドウォール6はリムプロテクター34を備えている。リムプロテクター34は、軸方向外側に向かって突出している。このタイヤ2が装着されるリムのフランジの損傷を、リムプロテクター34は防止する。図示されているように、このリムプロテクター34は頂面36を備えている。このリムプロテクター34は、この頂面36からカーカス14に向かって裾広がりな形状を呈している。符号Prは、リムプロテクター34の頂面36における半径方向内側端である。本願においては、この内側端Prがリムプロテクター34の先端である。このリムプロテクター34が外向きに先細りな形状を呈している場合は、リムプロテクター34の頂点が先端Prとされる。通常ビードベースラインからこの先端Prまでの半径方向高さは、20mm以上30mm以下に設定される。
それぞれのクリンチ8は、サイドウォール6の半径方向略内側に位置している。一方のクリンチ8は、裏側ビード10及びカーカス14の軸方向外側に位置している。もう一方のクリンチ8は、表側ビード12及びカーカス14の軸方向外側に位置している。クリンチ8は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。クリンチ8は、リムのフランジと当接する。
耐摩耗性の観点から、クリンチ8の硬さは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
裏側ビード10は、裏側のサイド部25に位置している。裏側ビード10は、裏側のサイド部25において、クリンチ8の軸方向内側に位置している。裏側ビード10は、裏側コア38と、この裏側コア38から半径方向外向きに延びる裏側エイペックス40とを備えている。裏側コア38はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。裏側エイペックス40は、半径方向外向きに先細りである。裏側エイペックス40は、高硬度な架橋ゴムからなる。
このタイヤ2では、裏側エイペックス40の硬さは75以上100以下が好ましい。この硬さが75以上に設定されることにより、この裏側エイペックス40がタイヤ2の剛性に効果的に寄与するので、このタイヤ2は操縦安定性に優れる。さらにパンクによってこのタイヤ2の内圧が低下した場合には、この裏側エイペックス40が車重の支持に効果的に寄与しうる。この観点から、この硬さは80以上がより好ましい。この硬さが100以下に設定されることにより、裏側エイペックス40によるサイドウォール6の部分の撓みへの影響が抑えられる。このタイヤ2では、乗り心地が適切に維持される。この観点から、この硬さは95以下がより好ましい。この裏側エイペックス40の硬さは、前述のサイドウォール6及びクリンチ8のそれと同様にして測定される。
表側ビード12は、表側のサイド部25に位置している。表側ビード12は、表側のサイド部25において、クリンチ8の軸方向内側に位置している。表側ビード12は、表側コア42と、この表側コア42から半径方向外向きに延びる表側エイペックス44とを備えている。表側コア42はリング状であり、巻回された非伸縮性ワイヤーを含む。ワイヤーの典型的な材質は、スチールである。表側エイペックス44は、半径方向外向きに先細りである。表側エイペックス44は、高硬度な架橋ゴムからなる。
このタイヤ2では、表側エイペックス44の硬さは75以上100以下が好ましい。この硬さが75以上に設定されることにより、この表側エイペックス44がタイヤ2の剛性に効果的に寄与するので、このタイヤ2は操縦安定性に優れる。さらにパンクによってこのタイヤ2の内圧が低下した場合には、この表側エイペックス44が車重の支持に効果的に寄与しうる。この観点から、この硬さは80以上がより好ましい。この硬さが100以下に設定されることにより、表側エイペックス44によるサイドウォール6の部分の撓みへの影響が抑えられる。このタイヤ2では、乗り心地が適切に維持される。この観点から、この硬さは95以下がより好ましい。この表側エイペックス44の硬さは、前述のサイドウォール6及びクリンチ8のそれと同様にして測定される。
カーカス14は、カーカスプライ46からなる。カーカスプライ46は、表側ビード12と裏側ビード10との間に架け渡されている。カーカスプライ46は、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ46は、表側コア42及び裏側コア38の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。この折り返しにより、カーカスプライ46には、主部48と折返し部50とが形成されている。折返し部50の端52は、トレッド4の近傍にまで至っている。詳細には、折返し部50の端52はベルト18の直下にまで至っている。換言すれば、折返し部50はベルト18とオーバーラップしている。このカーカス14は、いわゆる「超ハイターンアップ構造」を有する。超ハイターンアップ構造を有するカーカス14は、パンク状態におけるタイヤ2の耐久性に寄与する。このカーカス14は、パンク状態での耐久性に寄与する。
図示されていないが、カーカスプライ46は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。それぞれのコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、75°から90°である。換言すれば、このカーカス14はラジアル構造を有する。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
それぞれ荷重支持層16は、サイドウォール6の軸方向内側に位置している。この支持層16は、カーカス14よりも軸方向内側に位置している。この支持層16は、カーカス14とインナーライナー22とに挟まれている。支持層16は、半径方向において、内向きに先細りであり外向きにも先細りである。この支持層16は、三日月に類似の形状を有する。支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。タイヤ2がパンクしたとき、この支持層16が荷重を支える。この支持層16により、パンク状態であっても、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ2は、ランフラットタイヤ2とも称されている。このタイヤ2は、サイド補強タイプである。このタイヤ2が、図1に示された支持層16の形状とは異なる形状を有する支持層を備えてもよい。
カーカス14のうち、支持層16とオーバーラップしている部分は、インナーライナー22と離れている。換言すれば、支持層16の存在により、カーカス14は湾曲させられている。パンク状態のとき、支持層16には圧縮荷重がかかり、カーカス14のうち支持層16と近接している領域には引張り荷重がかかる。支持層16はゴム塊なので、圧縮荷重に十分に耐えうる。カーカス14のコードは、引張り荷重に十分に耐えうる。支持層16とカーカス14のコードとにより、パンク状態でのタイヤ2の縦撓みが抑制される。縦撓みが抑制されたタイヤ2は、パンク状態での操縦安定性に優れる。
パンク状態での縦撓みの抑制の観点から、支持層16の硬さは60以上が好ましく、65以上がより好ましい。通常状態の乗り心地性の観点から、硬さは90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
ベルト18は、トレッド4の半径方向内側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側層18a及び外側層18bからなる。図1から明らかなように、軸方向において、内側層18aの幅は外側層18bの幅よりも若干大きい。図示されていないが、内側層18a及び外側層18bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側層18aのコードの赤道面に対する傾斜方向は、外側層18bのコードの赤道面に対する傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト18の軸方向幅は、タイヤ2の最大幅の0.7倍以上が好ましい。ベルト18が、3以上の層を備えてもよい。
バンド20は、ベルト18の半径方向外側に位置している。軸方向において、バンド20の幅はベルト18の幅と略同等である。図示されていないが、このバンド20は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは、螺旋状に巻かれている。このバンド20は、いわゆるジョイントレス構造を有する。コードは、実質的に周方向に延びている。周方向に対するコードの角度は、5°以下、さらには2°以下である。このコードによりベルト18が拘束されるので、ベルト18のリフティングが抑制される。コードは、有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト18及びバンド20は、補強層を構成している。ベルト18のみから、補強層が構成されてもよい。バンド20のみから、補強層が構成されてもよい。
インナーライナー22は、カーカス14の内側に位置している。インナーライナー22は、カーカス14の内面に接合されている。インナーライナー22は、架橋ゴムからなる。インナーライナー22には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー22の典型的な基材ゴムは、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムである。インナーライナー22は、タイヤ2の内圧を保持する。
一対のチェーファー24のうち、一方のチェーファー24は、裏側ビード10の近傍に位置している。もう一方のチェーファー24は、表側ビード12の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー24がリムと当接する。この当接により、これらのビードの近傍が保護される。この実施形態では、チェーファー24は布とこの布に含浸したゴムとからなる。このチェーファー24がクリンチ8と一体とされてもよい。この場合、チェーファー24の材質はクリンチ8の材質と同じとされる。
図1において、両矢印Lfは、表側エイペックス44の底の中心から表側エイペックス44の先端までの長さである。両矢印Lbは、裏側エイペックス40の底の中心から裏側エイペックス40の先端までの長さである。このタイヤ2では、長さLfと長さLbとの差(Lf−Lb)は、5mm以上15mm以下である。
以下本発明による作用効果が説明される。
発明者らは、エイペックスの構造と、ランフラット耐久性及び乗り心地の関係について詳細に調査した。その結果、裏側エイペックスの長さが、乗り心地に大きく影響することを見出した。この長さを短くすることで、乗り心地が大きく改善できる。一方、適切な範囲であれば、裏側エイペックスの長さを短くしても、良好なランフラット耐久性が維持できることを見出した。
本発明に係る空気入りタイヤ2では、表側エイペックス44の底の中点から先端までの長さLfと、裏側エイペックス40の底の中点から先端までの長さLbとの差(Lf−Lb)は、5.0mm以上15.0mm以下である。差(Lf−Lb)が5.0mm以上となるように短くされた裏側エイペックス40は、乗り心地の向上に寄与する。このタイヤ2は乗り心地に優れる。一方、差(Lf−Lb)が15.0mm以下である裏側エイペックス40では、断面2次モーメントは適切に保たれる。この裏側エイペックス40の剛性は、適切に維持される。この裏側エイペックス40の、ランフラット耐久性に与える影響は小さい。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が維持されている。
差(Lf−Lb)は、8.0mm以上がより好ましい。差(Lf−Lb)を8.0mm以上とすることで、より効果的に乗り心地が向上される。このタイヤ2はさらに乗り心地に優れる。差(Lf−Lb)は、10.0mm以下がより好ましい。差(Lf−Lb)を10.0mm以下とすることで、このエイペックスのランフラット耐久性に与える影響がさらに効果的に抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が維持されている。
さらに発明者らは、特に裏側エイペックスの厚みがランフラット耐久性に大きく影響することを見出した。裏側エイペックスの厚みを大きくすることで、ランフラット耐久性は大きく向上できる。ランフラット走行においては、タイヤのキャンバー角はネガティブキャンバーにあり、裏側のビード部分の撓みが表側のビード部分の撓みよりも大きい。裏側エイペックスの厚みを大きくすることで、この撓みが少なくできるため、ランフラット耐久性が向上すると考えられる。一方、適切な範囲であれば、裏側エイペックスの厚みを大きくしても、通常走行時の良好な乗り心地が維持されることを見出した。
以上の検討より、この実施形態では、適切な範囲で裏側エイペックス40の長さを短くし、その上で適切な範囲で裏側エイペックス40の厚みを大きくすることで、通常走行での乗り心地の向上と、ランフラット耐久性の向上とが達成されいてる。裏側エイペックス40を短くすること及び裏側エイペックス40の厚みを大きくすることの組み合わせで、良好な乗り心地とランフラット耐久性を備えたタイヤ2が実現されている。以下では、上述の通りに長さが短くされた裏側エイペックス40について、適切な裏側エイペックス40の厚みが説明される。
図2には、図1に示されたタイヤ2の裏側ビード10の部分が示されている。この図2において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。
この図2において、実線L1は軸方向に延びる第一基準線である。両矢印H1は、裏側コア38の半径方向外側端からこの第一基準線L1までの半径方向高さを表している。本願においては、この高さH1は1.0mmである。つまり、第一基準線L1は、裏側コア38の外側端から半径方向外側に1.0mm離れた位置(以下、第一基準位置)を通り軸方向に延びる仮想直線である。実線L2は、軸方向に延びる第二基準線である。両矢印H2は、裏側コア38の半径方向内側端からこの第二基準線L2までの半径方向高さを表している。本実施形態においては、この高さH2は17.0mmである。つまり、第二基準線L2は、裏側コア38の内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置(以下、第二基準位置)を通り軸方向に延びる仮想直線である。実線LRは、リムプロテクター34の先端Prを通り軸方向に延びる仮想直線である。実線L3は、この仮想直線LRと第二基準線L2との半径方向中間位置(以下、第三基準位置)を通る仮想直線である。本願においては、この実線L3は第三基準線と称される。
この図2において、両矢印T1bは第一基準線L1に沿って計測される裏側エイペックス40の第一基準厚みである。つまりこの第一基準厚みT1bは、第一基準位置における裏側エイペックス40の厚みである。両矢印T2は、第二基準線L2に沿って計測される裏側エイペックス40の第二基準厚みである。つまりこの第二基準厚みT2bは、第二基準位置における裏側エイペックス40の厚みである。両矢印T3bは、第三基準線L3に沿って計測される裏側エイペックス40の第三基準厚みである。つまりこの第三基準厚みT3bは、第三基準位置における裏側エイペックス40の厚みである。
裏側エイペックス40における第一基準位置、第二基準位置及び第三基準位置は、このタイヤ2がパンク状態で走行しているときに、歪みが集中する箇所に相当する。この歪みの程度は、有限要素法(Finite Element Method;FEM)による解析から算出される。解析のための条件は、以下の通りである。
リム:18×7.0J
内圧:0kPa
荷重:4.24kN
図3には、図1に示されたタイヤ2の表側ビード12の部分が示されている。この図3において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向であり、紙面との垂直方向がタイヤ2の周方向である。この図3に示された表側ビード12においても、前述の図2に示された裏側ビード10と同様にして、第一基準線L1、第二基準線L2及び第三基準線L3が定義される。この実施例では、裏側コア38と表側コア42との半径方向位置及び半径方向高さは同等である。従って、裏側の第一基準線L1の半径方向位置と、表側の第一基準線L1の半径方向位置とは同等である。裏側の第二基準線L2の半径方向位置と、表側の第二基準線L2の半径方向位置とは同等である。裏側に位置するリムプロテクター34と表側に位置するリムプロテクター34とは、赤道面に対して対象である。従って、裏側の第三基準線L3の半径方向位置と、表側の第三基準線L3の半径方向位置とは同等である。表側ビード12においても、前述の図2に示された裏側ビード10と同様にして、第一基準厚みT1f、第二基準厚みT2f及び第三基準厚みT3fが定義される。
このタイヤ2では、表側エイペックス44の構成は従来のタイヤと同様である。この実施形態では、この表側エイペックス44の第一基準厚みT1fは9.0mm以上10.0mm以下である。この表側エイペックス44の第二基準厚みT2fは、8.0mm以上9.0mm以下である。この表側エイペックス44の第三基準厚みT3fは、6.5mm以上7.5mm以下である。
このタイヤ2では、裏側エイペックス40の第一基準厚みT1bと表側エイペックス44の第一基準厚みT1fとの差(T1b−T1f)は0.5mm以上となるように、裏側エイペックス40の厚みを厚くするのが好ましい。差(T1b−T1f)を0.5mm以上とすることで、この裏側エイペックス40はより効果的にランフラット耐久性の向上に寄与する。前述のとおり、この裏側エイペックス40は、長さが短くされている。この差をさらに大きくしても裏側エイペックス40と表側エイペックス44との剛性差が適切に維持される。この差をさらに大きくしても良好な乗り心地が維持される。この差をさらに大きくすることで、ランフラット耐久性が大きく向上する。この観点から、差(T1b−T1f)は1.3mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。
差(T1b−T1f)は2.5mm以下が好ましい。差(T1b−T1f)を2.5mm以下とすることで、この裏側エイペックス40の乗り心地への影響が効果的に抑えられる。このタイヤ2は良好な乗り心地が維持されている。さらに、差(T1b−T1f)を2.5mm以下とすることで、裏側エイペックス40の厚みと、裏側コア38の幅との差が大きくなることが抑制される。このタイヤ2では、カーカス14のラインが適正に保たれる。このタイヤ2では、ランフラット走行時にカーカス14に歪みが集中することが抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が実現されている。これらの観点から、差(T1b−T1f)は2.0mm以下がより好ましい。
裏側エイペックス40の第二基準厚みT2bと表側エイペックス44の第二基準厚みT2fとの差(T2b−T2f)は0.5mm以上となるように、裏側エイペックス40の厚みを厚くするのが好ましい。差(T2b−T2f)を0.5mm以上とすることで、この裏側エイペックス40はより効果的にランフラット耐久性の向上に寄与する。前述のとおり、この裏側エイペックス40は、長さが短くされている。この差をさらに大きくしても裏側エイペックス40と表側エイペックス44との剛性差が適切に維持される。この差をさらに大きくしても良好な乗り心地が維持される。この差をさらに大きくすることで、ランフラット耐久性が大きく向上する。この観点から、差(T2b−T2f)は1.3mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。
差(T2b−T2f)は2.0mm以下が好ましい。差(T2b−T2f)を2.0mm以下とすることで、この裏側エイペックス40の乗り心地への影響が効果的に抑えられる。このタイヤ2は良好な乗り心地が維持されている。さらに、差(T2b−T2f)を2.0mm以下とすることで、裏側エイペックス40の厚みと、裏側コア38の幅との差が大きくなることが抑制される。このタイヤ2では、カーカス14のラインが適正に保たれる。このタイヤ2では、ランフラット走行時にカーカス14に歪みが集中することが抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が実現されている。これらの観点から、差(T2b−T2f)は1.8mm以下がより好ましい。
裏側エイペックス40の第三基準厚みT3bと表側エイペックス44の第三基準厚みT3fとの差(T3b−T3f)は0.5mm以上となるように、裏側エイペックス40の厚みを厚くするのが好ましい。差(T3b−T3f)を0.5mm以上とすることで、この裏側エイペックス40はより効果的にランフラット耐久性の向上に寄与する。前述のとおり、この裏側エイペックス40は、長さが短くされている。この差をさらに大きくしても裏側エイペックス40と表側エイペックス44との剛性差が適切に維持される。この差をさらに大きくしても良好な乗り心地が維持される。この差をさらに大きくすることで、ランフラット耐久性が大きく向上する。この観点から、差(T3b−T3f)は1.3mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましい。
差(T3b−T3f)は2.0mm以下が好ましい。差(T3b−T3f)を2.0mm以下とすることで、この裏側エイペックス40の乗り心地への影響が効果的に抑えられる。このタイヤ2は良好な乗り心地が維持されている。さらに、差(T3b−T3f)を2.0mm以下とすることで、裏側エイペックス40の厚みと、裏側コア38の幅との差が大きくなることが抑制される。このタイヤ2では、カーカス14のラインが適正に保たれる。このタイヤ2では、ランフラット走行時にカーカス14に歪みが集中することが抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が実現されている。これらの観点から、差(T3b−T3f)は1.8mm以下がより好ましい。
以上では、差(T1b−T1f)、差(T2b−T2f)及び差(T3b−T3f)が満たすのが好ましい条件として、以下が述べられた。
条件(1) 差(T1b−T1f)が0.5mm以上2.5mm以下である。
条件(2) 差(T2b−T2f)が0.5mm以上2.0mm以下である。
条件(3) 差(T3b−T3f)が0.5mm以上2.0mm以下である。
このタイヤ2では、上記条件(1)、(2)及び(3)のうち、少なくとも2つの条件を満たすのがより好ましい。これらのうち、少なくとも2つの条件を満たすことで、より良好なランフラット耐久性と良好な乗り心地が実現されうる。この観点から、これら3つの条件を全て満たすのがさらに好ましい。
前述の通り、このタイヤ2では、表側ビード12の部分の構成は従来のタイヤのそれと同様である。このため、このタイヤ2では、左右のビードに大きな剛性を有するエイペックスを採用した従来のタイヤに認められる乗り心地及び動的バランスへの影響が抑えられている。
図2において、実線Bbは、裏側コア38の軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点とを結ぶ直線である。両矢印Wbは、裏側コア38の軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点との距離である。換言すれば、両矢印Wbは直線Bbに沿って計測した裏側コア38の幅である。
図3において、実線Bfは、表側コア42の軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点とを結ぶ直線である。両矢印Wfは、表側コア42の軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点との距離である。換言すれば、両矢印Wfは直線Bfに沿って計測した表側コア42の幅である。
上記のとおり裏側エイペックス40の厚みが大きくされているとき、裏側コア38の幅も大きくされているのが好ましい。具体的には、裏側エイペックス40の厚みが大きくされているとき、幅Wbと幅Wfとの差(Wb−Wf)は、1.0mm以上2.0mm以下が好ましい。差(Wb−Wf)を1.0mm以上2.0mm以下とすることで、裏側エイペックス40の厚みと裏側コア38の幅との差が大きくなることが抑制される。このタイヤ2では、カーカス14のラインが適正に保たれる。このタイヤ2では、ランフラット走行時にカーカス14に歪みが集中することが抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が実現されている。さらに、差(Wb−Wf)を2.0mm以下とすることで、裏側ビード10のリムを締め付ける力が適切に保たれる。裏側ビード10のリムを締め付ける力が大きくなり過ぎることが防止される。このタイヤ2をリムに嵌合するときの嵌合圧が、適切に維持される。このタイヤ2では、良好な嵌合性が維持されている。
厚みT1bと幅Wbの差(T1b−Wb)の絶対値は、1.5mm以下が好ましい。差(T1b−Wb)の絶対値を1.5mm以下とすることで、裏側エイペックス40の厚みと裏側コア38の幅との差が大きくなることが抑制される。このタイヤ2では、カーカス14のラインが適正に保たれる。このタイヤ2では、ランフラット走行時にカーカス14に歪みが集中することが抑えられる。このタイヤ2では、良好なランフラット耐久性が実現されている。この観点から、差(T1b−Wb)の絶対値は、1.0mm以下がより好ましく、0.5mm以下がさらに好ましい。
前述のとおり、このタイヤ2では、表側エイペックス44の構成は従来のタイヤと同様である。この実施形態では、この表側エイペックス44の複素弾性率Efは、15MPa以上100MPa以下である。
裏側エイペックス40の複素弾性率Ebの表側エイペックス44の複素弾性率Efに対する比(Eb/Ef)が1.4以上となるように、複素弾性率Ebが大きくされているのが好ましい。比(Eb/Ef)を1.4以上とすることで、この裏側エイペックス40はランフラット耐久性の向上に効果的に寄与しうる。この観点から、この比(Eb/Ef)は1.5以上が好ましい。比(Eb/Ef)は、1.7以下が好ましい。この比(Eb/Ef)を1.7以下とすることで、裏側エイペックス40と表側エイペックス44との剛性差が適切に維持される。このタイヤ2は、乗り心地に優れる。
本発明では、表側エイペックス44の複素弾性率Ef及び表側エイペックス44の複素弾性率Ebは「JIS K 6394」の規定に準拠して測定される。測定条件は、以下の通りである。
粘弾性スペクトロメーター:岩本製作所の「VESF−3」
初期歪み:10%
動歪み:±1%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「MEbsuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。このタイヤ2が乗用車用である場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の空気入りタイヤ(ランフラットタイヤ)を得た。このタイヤのサイズは、「235/55RF18」とされた。この実施例1では、表側エイペックス44の第一基準厚みT1fは9.5mmとされた。第二基準厚みT2fは、8.5mmとされた。第三基準厚みT3fは、7.0mmとされた。複素弾性率Efは、50MPaとされた。裏側エイペックス40の複素弾性率Ebは、50MPaとされた。
[比較例1]
裏側エイペックスの長さを、表側エイペックスの長さと同じとした他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。これは、従来のタイヤである。
[実施例2−4、比較例2]
裏側エイペックスの長さを変更して差(Lf−Lb)を表1の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−4及び比較例2のタイヤを得た。
[実施例5−9]
裏側エイペックスの厚みを変更して差(T1b−T1f)を表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例5−9のタイヤを得た。
[実施例10−14]
裏側エイペックスの厚みを変更して差(T2b−T2f)を表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−14のタイヤを得た。
[実施例15−19]
裏側エイペックスの厚みを変更して差(T3b−T3f)を表4の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例15−19のタイヤを得た。
[実施例20]
裏側エイペックスの厚みを変更して差(T1b−T1f)、差(T2b−T2f)及び差(T3b−T3f)を表5の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例20のタイヤを得た。
[実施例21−24]
裏側コアの幅を変更して差(Wb−Wf)を表5の通りとした他は実施例20と同様にして、実施例21−24のタイヤを得た。
[ランフラット耐久性]
タイヤを正規リム(サイズ=18×7.0J)に組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤは、裏側エイペックスが車輌の幅方向内側に相当する位置にあるように、ドラム式走行試験機に装着された。キャンバー角は2°とされた。装着後、JATMAにて規定される最大負荷荷重の75%に相当する縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現し、このタイヤを80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。この結果が、比較例1を100とした指数値で下記の表1−5に示されている。数値が大きいほど、好ましい。数値が大きいほど、ランフラット耐久性に優れる。
[縦バネ定数]
下記の条件にて、タイヤの縦バネ定数を測定した。
使用リムのサイズ:18×7.0J
内圧:230kPa
荷重:JATMAにて規定される最大負荷荷重の80%に相当する荷重
比較例1のタイヤのバネ定数を100としたときの指数が、下記の表1−5に示されている。数値が低いほど、縦バネが小さく、乗り心地に優れることを表す。
[ビード締め付け力]
Wdk116(ドイツゴム工業会)にて規定された方法により、ホフマン試験機を用いて裏側ビード10の締め付け力を測定した。この結果が、比較例1を100とした指数値で下記の表1から5に示されている。数値が小さいほどこのタイヤは嵌合が容易である。数値が小さいほど好ましい。
Figure 2018020601
Figure 2018020601
Figure 2018020601
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Figure 2018020601
表1−5に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたタイヤは、種々の車輌にも適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・クリンチ
10・・・裏側ビード
12・・・表側ビード
14・・・カーカス
16・・・荷重支持層
18・・・ベルト
18a・・・内側層
18b・・・外側層
20・・・バンド
22・・・インナーライナー
24・・・チェーファー
26・・・トレッド面
28・・・溝
30・・・ベース層
32・・・キャップ層
34・・・リムプロテクター
36・・・頂面
38・・・裏側コア
40・・・裏側エイペックス
42・・・表側コア
44・・・表側エイペックス
46・・・カーカスプライ
48・・・主部
50・・・折返し部
52・・・折返し部の端

Claims (8)

  1. 裏側ビードと、表側ビードと、一対の荷重支持層とを備えており、
    上記裏側ビード及び一方の荷重支持層が、車両装着時に車両の内側に位置するこのタイヤのサイド部に位置しており、
    上記表側ビード及びもう一方の荷重支持層が、車両装着時に車両の外側に位置するこのタイヤのサイド部に位置しており、
    上記裏側ビードが、裏側コアと、この裏側コアから半径方向外向きに延びる裏側エイペックスとを備えており、
    上記表側ビードが、表側コアと、この表側コアから半径方向外向きに延びる表側エイペックスとを備えており、
    上記表側エイペックスの底の中点から先端までの長さLfと、上記裏側エイペックスの底の中点から先端までの長さLbとの差(Lf−Lb)が、5.0mm以上15.0mm以下である空気入りタイヤ。
  2. 上記裏側コアの外側端から半径方向外側に1.0mm離れた位置における上記裏側エイペックスの厚みT1bと、上記表側コアの外側端から半径方向外側に1.0mm離れた位置における上記表側エイペックスの厚みT1fとの差(T1b−T1f)が、0.5mm以上2.5mm以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 上記差(T1b−T1f)が、1.3mm以上である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 上記裏側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置における上記裏側エイペックスの厚みT2bと、上記表側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置における上記表側エイペックスの厚みT2fとの差(T2b−T2f)が、0.5mm以上2.0mm以下である請求項1から3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 上記差(T2b−T2f)が、1.3mm以上である請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 上記サイド部が軸方向外側に突出するリムプロテクターを備えており、
    上記裏側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置と上記リムプロテクターの先端の位置との半径方向中間位置における上記裏側エイペックスの厚みT3bと、
    上記表側コアの内側端から半径方向外側に17.0mm離れた位置と上記リムプロテクターの先端の位置との半径方向中間位置における上記表側エイペックスの厚みT3fとの差(T3b−T3f)が、0.5mm以上2.0mm以下である請求項1から5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 上記差(T3b−T3f)が、1.3mm以上である請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 上記裏側コアの、軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点との距離がこの裏側コアの幅Wbとされ、
    上記表側コアの、軸方向外側辺の中点と軸方向内側辺の中点と距離がこの表側コアの幅Wfとされたとき、
    上記幅Wbと上記幅Wfとの差(Wb−Wf)が、1.0mm以上2.0mm以下である請求項2から7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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