JP2018068246A - 防草材及びそれの使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化時間が短く、初期強度発現性が高く、初期凍害・ひび割れ抵抗性を有し、草刈の労力を軽減でき、かつ低pHで重金属の溶出が少ないため環境に優しく、防草効果の持続性に優れた防草材及びその使用方法を提供する。【解決手段】(1)ブレーン比表面積値2500cm2/g以上のカルシウムアルミネート、並びに、CaO成分が10〜50質量%、Al2O3成分が50〜90質量%であるクリンカー骨材を含有してなる防草材、(2)さらに、石膏と土壌のうち一種以上を含有してなる(1)の防草材、(3)クリンカー骨材の粗粒率が1.8〜3.5であることを特徴とする(1)又は(2)の防草材、(4)さらに、カルシウムシリケートを含有してなる(1)〜(3)のいずれかの防草材、(5)(1)〜(4)のいずれかの防草材の使用方法、である。【選択図】なし

Description

本発明は、河川の土手、田畑の畦畔、あるいは、鉄道、道路等の盛土ののり面などの雑草の生育を抑制する防草材及びその使用方法に関する。
河川の土手、鉄道、道路等の盛土ののり面や田畑の畦畔等では雑草が繁茂し、頻繁な草刈りや除草剤散布が必要であった。草の刈り取りには多大の労力を必要とするため、一般的には除草剤を散布する方法が行われている。
しかしながら、除草剤の散布は、草を枯らすだけで、頻繁に散布する必要があり、抜本的な対策とはならない。また、セメントを含有する防草材を振り撒いて散水して地面を被覆する方法も提案されているが、硬化までに時間を有し、雨など降ると施工ができず、硬化前に流れてしまうという課題や、凍結融解によりスケーリングやひび割れが生じるという課題があった。さらに、セメントはアルカリ性が高く、六価クロムを含有することから、環境面での課題があった。
さらに、セメントを含まない酸化マグネシウム系固化材を散布、又は土に混合し、散水して固化させて抑草する抑草材とその方法が提案されている。(特許文献1〜4)
特許文献1は、酸化マグネシウムと高炉スラグを主成分する雑草繁殖防止材を地表面の土と混合して転圧して押し固めて、その上に散水するため、施工に労力を必要とし、初期強度発現性が低いため、施工後の降雨で流失し易く、さらに凍結融解を受けるため寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献2と3も特許文献1と同様の酸化マグネシウム系固化材であるため、初期強度発現性が低く、繁殖期の雑草を抑草する効果が低下し易い。さらに、これら酸化マグネシウム系抑草材全般に関する課題は、硬化時間が長いため傾斜の強い法面では、施工時の散水や降雨時に流されたりして一定の厚さにできない場合があり、水溜りがある場所では硬化しない場合があった。また、凍結融解を受けるため寒冷地での使用が難しいという課題がある。
特許文献4は、焼却灰、スラグ、及び石炭灰の骨材を敷き詰め、その上にクロロプレン系ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、及びアクリル系エマルジョン固化材を散布して固着することを特徴とする防草工法であり、セメントや塩基性物質を使わないため環境にやさしい防草材である。しかしながら、人力や重機で3〜20cmの厚さに敷き詰め、その上に均一にラテックスやエマルジョンを散布する必要があるため、多大な労力がかかった。
特開2003−47388号公報 特開2007−330114号公報 特開2014−51849号公報 特開2014−234655号公報
本発明は、硬化時間、初期強度発現性、凍結融解抵抗性、環境負荷、草刈の労力、防草効果の持続性に係わる従来方法の課題を解決することを目的とする。
即ち、本発明は、(1)ブレーン比表面積値2500cm/g以上のカルシウムアルミネート、並びに、CaO成分が10〜50質量%、Al成分が50〜90質量%であるクリンカー骨材を含有してなる防草材、(2)さらに、石膏と土壌のうち一種以上を含有してなる(1)の防草材、(3)クリンカー骨材の粗粒率が1.8〜3.5であることを特徴とする(1)又は(2)の防草材、(4)さらに、カルシウムシリケートを含有してなる(1)〜(3)のいずれかの防草材、(5)(1)〜(4)のいずれかの防草材を地面に敷き詰めてその上に散水して被覆する防草材の使用方法、(6)(1)〜(4)のいずれかの防草材を水と練り混ぜて地面に敷き詰めて被覆する防草材の使用方法、である。
本発明の防草材は、硬化時間が短く、初期強度発現性が高く、凍結融解抵抗性に優れ、低pHで重金属の溶出が少ないため環境に優しく、十分な防草効果を有する。この防草材を使用すると、草刈の労力が軽減でき、防草効果が持続し、さらに環境保全に好適であるなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用するカルシウムアルミネートは、カルシア原料とアルミナ原料などを混合して、キルンで焼成し、あるいは、電気炉で溶融し冷却して得られるCaOとAlとを主成分とする水和活性を有する物質の総称であり、結晶質、非晶質のいずれであっても使用可能である。硬化時間が早く、初期強度発現性に優れる材料である。カルシウムアルミネートの代表的なものとしてアルミナセメントが挙げられ、通常市販されているものが使用できる。例えば、アルミナセメント1号、アルミナセメント2号などが使用できる。アルミナセメントよりも短時間で硬化し、その後の初期強度発現性が高い点から、溶融後に急冷した非晶質カルシウムアルミネートが好ましく、CaOとAlとのモル比(CaO/Alモル比)は、1.0〜3.0が好ましく、1.7〜2.5がより好ましい。1.0〜1.7の場合は、セメントや消石灰及び生石灰を配合する事で硬化時間をより短縮して初期強度発現性を高めることが可能である。
さらに、本発明では、カルシウムアルミネート中に含まれるCaOやAl以外の不純物が15質量%以下であることが初期強度発現性の観点から好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。15質量%を超えると硬化に時間を費やし、さらに低温時には固まらない場合がある。不純物の代表例として酸化ケイ素があり、その他、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、酸化チタン、酸化鉄、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、及びアルカリ土類金属硫酸塩等があるが、特に限定されるものでない。
カルシウムアルミネートのガラス化率は、反応活性の面で70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。70%以下であると初期強度発現性が低下する場合がある。ガラス化率は加熱前のサンプルについて、粉末X線回折法により結晶鉱物のメインピーク面積Sを予め測定し、その後1000℃で2時間加熱後、1〜10℃/分の冷却速度で徐冷し、粉末X線回折法による加熱後の結晶鉱物のメインピーク面積Sを求め、さらに、これらのS及びSの値を用い、次の式を用いてガラス化率χを算出する。ガラス化率χ(%)=100×(1−S/S
カルシウムアルミネートの粒度は、初期強度発現性の面で、ブレーン比表面積値2500cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上がより好ましい。2500cm/g未満であると硬化時間が長くなり初期強度発現性が低下する場合がある。
本発明に使用するクリンカー骨材は、CaO成分が10〜50質量%、Al成分が50〜90質量%の範囲にあることが好ましく、CaOが20〜35質量%、Alが65〜80質量%であることがより好ましい。この範囲外では、防草効果が小さくなる場合がある。
本発明のクリンカー骨材の主要な化合物としては、12CaO・7Al、CaO・Al、CaO・2Al、CaO・6Alなどのカルシウムアルミネートが挙げられる。
本発明のクリンカー骨材の製造原料は、カルシウム原料としては、石灰石や消石灰、金属カルシウムなどが挙げられる。アルミニウム原料としては、ボーキサイトやアルミ残灰、金属アルミニウムなどが挙げられる。一般の工業原料には、Fe、TiO、KO、NaO等の不純物が含まれている。これらの不純物は、15質量%以下の範囲であれば、存在しても差支えない。
本発明ではクリンカー骨材を主に細骨材として利用する。細骨材の粒度分布の指標となる粗粒率は1.8〜3.5が好ましく、2.0〜3.0がより好ましい。また、0.15mm以下の微粒分が10%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。前記範囲外では、凍結融解抵抗性に劣り、防草効果が得られない場合がある。
本発明のクリンカー骨材の空隙率は、10体積%以下であることが好ましい。空隙率はアルキメデス法によって測定できる。水を吸水させた骨材の全体積と質量を測定した後、100℃で質量が一定となるまで乾燥させ、乾燥前後の質量分を空隙として算出するものである。
クリンカー骨材の空隙率が10体積%を超えると、凍結融解抵抗性に劣り、防草効果が得られない場合がある。空隙率を小さくするには、クリンカー骨材を合成する際に溶融させ、蜜実な組織を形成させることが重要となる。
本発明のクリンカー骨材の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、通常、50〜2000質量部が好ましく、100〜1500質量部がより好ましい。クリンカー骨材が50質量部より少ないと凍結融解抵抗性が劣る場合がある。一方、2000質量部より多いと強度が低く、凹んでしまう場合がある。
本発明の骨材の製造方法は、特に限定されるものではないが、カルシウム原料、アルミニウム原料を混合し、加熱さらには溶融して冷却し、焼成品を粉砕して、任意の大きさに調整することが好ましい。
なお、本発明のクリンカー骨材は、各種金属精錬の際に副生するカルシウムアルミネートを主成分とするクリンカーを粉砕して、任意の大きさに調製することが出来る。
本発明に使用する石膏としては、半水石膏と無水石膏が使用でき、強度発現性の面では無水石膏が好ましく、弗酸副生無水石膏や天然無水石膏が使用できる。石膏を水に浸漬させたときのpHは、pH8以下の弱アルカリから酸性のものが好ましい。pHが高い場合、石膏成分の溶解度が高くなり、初期の強度発現性を阻害する場合がある。ここでいうpHとは、石膏とイオン交換水の質量比が1/100のスラリーの20℃におけるpHを、イオン交換電極等を用いて測定したものである。
石膏の粒度は、ブレーン比表面積値で3000cm/g以上が好ましく、5000cm/g以上が初期強度発現性と、適正な作業時間が得られる観点から好ましい。
石膏の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、50〜250質量部が好ましい。50質量部未満では、作業時間が取れなくなり、強度発現性が低下する場合がある。250質量部を超えると作業時間は十分に取れるが、初期強度が得られない場合がある。
本発明で使用する土壌は、砂利、砂、礫、粘土のいずれか1種又は2種以上を含むもので特に限定されるものではない。山砂、川砂、海砂等のサンド質土壌やシルト質土壌、クレイ質土壌、工事から発生する残土、軽量骨材、再生骨材や防草処理を行う箇所の土をそのまま用いることなどいずれも使用できる。一般には、天然土である真砂土や赤玉土や鹿沼土や乾燥砂は品質が安定しており、より好ましい。
本発明の防草材において、土壌の使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、通常、50〜1000質量部が好ましく、100〜700質量部がより好ましい。土壌が50質量部より低いと強度発現性は高いが経済的に好ましくない。1000質量部より高いと強度が低く、凍害融解抵抗性に劣り、凹んでしまう可能性がある。
本発明では、強度を増進させる目的でカルシウムシリケートを使用できる。
カルシウムシリケートは、3CaO・SiO、3CaO・2SiO、2CaO・SiO及びCaO・SiOがあり、これらのあらゆる結晶相のものが使用できる。これらを2種以上混合してもよく、特に限定されるものではないが、γ−2CaO・SiOが大気中の二酸化炭素を吸収して生じる炭酸化収縮を低減させるため、ひび割れ抵抗性が向上し最も好ましい。
γ−2CaO・SiOは、2CaO・SiOで表される化合物の中で、低温相として知られるものであり、高温相であるα−2CaO・SiOやβ−2CaO・SiOとは異なるものである。これらの化合物はいずれも2CaO・SiOで同じ化学組成を有するが、結晶構造は異なる。セメントクリンカ中に存在する2CaO・SiOはβ−2CaO・SiOである。β−2CaO・SiOは水硬性を有するが、γ−2CaO・SiOは水硬性を持たないが、大気中の二酸化炭素を吸収して硬化する特性がある。
カルシウムシリケートの粒度は、特に制限されないが、ブレーン比表面積値で3000cm/g以上が好ましく、4,000〜8,000cm/gがより好ましい。ブレーン比表面積値が3,000cm/g未満では、大気中の二酸化炭素を吸収して反応が十分でなく、ひび割れ抵抗性が充分に得られない場合がある。一方、8,000cm/gを超えても更なる効果の増進が期待できない。
カルシウムシリケートの使用量は、特に限定されるものではないが、カルシウムアルミネート100質量部に対して、5〜70質量部が好ましい。5質量部未満では、ひび割れの抑制効果が低い場合がある。一方、70質量部を超えても更なる効果の増進が期待できない。
カルシウムシリケートの不純物としては、2CaO・Feなどのカルシウムフェライト、12CaO・7Alなどのカルシウムアルミネート類、ゲーレナイト2CaO・Al・SiOとアケルマナイト2CaO・MgO・2SiOの混晶、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO、モンチセライトCaO・MgO・SiOなどのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al・2SiO、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、マグネタイトFe、さらに、硫化カルシウムCaS、硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。
水の配合量は、本発明の防草材の合計100質量部に対して5〜100質量部が好ましい。5質量部未満では混合が困難となる場合があり、100質量部を超えると強度が得られない場合がある。
本発明では、凝結調整剤を本発明の効果に影響しない範囲で使用することが可能である。凝結調整剤は、カルシウムアルミネートの凝結を促進、遅延するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸化アルカリ、アルカリ金属塩化物塩、アルカリ金属炭酸塩、オキシカルボン酸又はその塩、リン酸又はその塩、デキストリン、ショ糖、ポリアクリル酸又はその塩、減水剤、高性能減水剤などを1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明では、酸化マグネシウムなどの低pHの固化材、ウッドチップ、もみ殻などの嵩をあげる増量材、各種ポルトランドセメント、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、石灰石微粉末、フライアッシュ、カオリン、シラス、珪藻土及びシリカフュームなどの混和材料、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、減水剤、流動化剤、ポリマー、中空微粒子、ベントナイトなどの粘土鉱物、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体、着色剤などを1種又は2種以上、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明において、各材料の混合方法は、特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良く、あらかじめ一部を、あるいは全部を混合しておいても差し支えないが、事前に混合し、現場で水と混合するほうが、品質面で好ましい。事前に混合する場合、土は乾燥状態であることが好ましい。
混合装置としては、既存のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、2軸強制ミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサなどの使用が可能である。
本発明の防草材の使用方法としては、地面の雑草を草刈機等で1cm以下程度に草刈し、刈り取った雑草を取り除いた上に、防草材を敷き詰めて散水して被覆する方法や、水と練り混ぜた防草材を吹き付けて被覆する方法などがある。草刈後に除草剤を散布してから防草材で被覆するとより好ましい。
防草材を草刈した地面に敷き詰めて、その上に散水して表面を固化させて被覆する場合は、地面に防草材を敷き詰めてならし、その上にジョウロ等で散水する方法が好ましい。敷き詰める厚さは特に限定されるものではなく、地面の凸部で1〜3cmの厚さが好ましい。1cm以下であると全体に被覆することができにくくなるため防草効果が低くなる場合があり、一方、3cm以上では防草効果は高いが材料費が高くなり、多大な労力がかかるため好ましくない。
本発明の防草材を草刈した地面に敷設し、地面の土と混合攪拌させて被覆する場合は、バックホウやスタビライザーなどを用いて混合攪拌させることが可能である。さらに転圧をすることで硬い地盤とすることも可能である。
以下、本発明の実験例に基づいて説明する。
(実験例1)
石灰石、ボーキサイトを原料に用いて、表1に示す化学成分となるように原料を調合し、電気炉を用いて1600℃で溶融して、カルシウムアルミネートクリンカーを合成した。実験No.1−6は、実験No.1−5の原料を1400℃で焼成した。
これらのクリンカーを粉砕機で粒度調製し、粗粒率が1.8、2.3、3.5で、0.15mm以下の微粒分量が10%以下のクリンカー骨材を作製した。比較として、市販の石灰砂と珪砂を用いた。
これら骨材を細骨材として防草材を調製した。配合は、カルシウムアルミネート100質量部に対して、石膏を100質量部、クリンカー骨材1000質量部、凝結調整剤としてクエン酸を0.3質量部加えた。この防草材をJIS R 5201に準じた4×4×16cmの型枠に敷設後、カルシウムアルミネートと石膏とクリンカー骨材の合計100質量部に対して、水を15質量部散水して試験体を作製し、試験体の硬化時間、凍結融解抵抗性を測定した。さらにpH、六価クロム溶出量も測定した。
比較として、普通セメントを用いたモルタルとマグネシア系固化材を調製した。モルタルの配合は、(一社)セメント協会製標準砂と普通ポルトランドセメントの質量比を3/1としたドライモルタルを型枠に敷設し、水セメント比が50%となるように水を散水して防草材を調製した。マグネシア系固化材は、中国産マグネシウムを焼成した市販の酸化マグネシウム100質量部に対して、土壌を600質量部混合したものを型枠に敷設し、水を20質量部散水して防草材を調製した。
結果を表1に示す。
<使用材料>
石灰石:CaO:51.4%、Al:0.9%、Fe:0.8%、SiO:2.7%、MgO:2.1%、強熱減量41.4%
ボーキサイト:CaO:1.7%、Al:76.5%、Fe:01.7%、SiO:6.8%、MgO:0.9%、強熱減量41.4%
セメント:普通ポルトランドセメント、市販品、ブレーン値3,200 cm/g、密度3.15g/cm
骨材(1):珪砂、粗粒率2.83、密度2.67g/cm
骨材(2):石灰砂、粗粒率2.25、密度2.70g/cm
カルシウムアルミネート:石灰石とボーキサイトをCaO/Alモル比が2.2となるよう配合し、1650℃で溶融後、急冷してガラス化率97%のクリンカーを得た。このクリンカーを粉砕して、所定のブレーン比表面積に調整した。
カルシウムアルミネートA:ブレーン比表面積値5000cm
カルシウムアルミネートB:ブレーン比表面積値2000cm
カルシウムアルミネートC:ブレーン比表面積値3000cm
カルシウムアルミネートD:ブレーン比表面積値4000cm
カルシウムアルミネートE:アルミナセメント1号、デンカ社製、ブレーン比表面積値4800cm
石膏:天然無水石膏、ブレーン比表面積値5000cm/g
土壌:愛知県産真砂土、5mm篩下
凝結調整剤:無水クエン酸、試薬一級
水:水道水
普通セメント:普通ポルトランドセメント、市販品
砂:(社)セメント協会製標準砂
マグネシア系固化材:中国産マグネシウムを焼成した酸化マグネシウム(市販品)
<測定方法>
硬化時間:練混ぜた防草材を指で押してもへこまない時間を測定した。
凍結融解試験:凍結融解抵抗性は、20℃・相対湿度60%の環境でJIS R 5201に準じて4×4×16cm供試体を作製し、材齢1日後、脱型し、JIS A1148「コンクリ−トの凍結融解試験方法」A法により凍結融解試験を実施し、各サイクル毎に試験体を取り出して重量減少率を測定した。
pH:20℃・相対湿度60%の環境下で5×5×20cm供試体を作製した。20℃・相対湿度60%の環境下で封緘養生を行い、材齢28日の供試体を粉砕し、100倍の純水で30分攪拌した上澄み液のpHを測定した。
六価クロム溶出量:pH試験と同様な方法で20℃・相対湿度60%の環境下で供試体を作製後、材齢7日の供試体について、環境庁告示46号法に基づき測定した。
Figure 2018068246
表1から、本発明の防草材は、硬化時間が短く、凍結融解抵抗に優れることが分かる。さらにpHが低く、六価クロム溶出量が少ないことがわかる。
(実験例2)
実験例1の実験No.1-5のクリンカー骨材、カルシウムアルミネートAを使用し、表2のようにカルシウムアルミネートと石膏の割合を変え、さらにクリンカー骨材と土壌の添加割合を変えたこと以外は実験例1と同様に行った。
結果を表2に示す。
Figure 2018068246
表2から、本発明の防草材は、硬化時間が短く、凍結融解抵抗性に優れることが分かる。
(実験例3)
実験例2の実験No.1-5の防草材について、表3に示す割合でカルシウムシリケートを混合し、凍結融解後の防草・ひび割れ試験を行った。
また、比較として、実験例1で使用した普通セメントを用いたモルタル(実験No.1-18)、マグネシア系固化材(実験No.1-19)についても同様の試験を行った。
結果を表3に示す。
<使用材料>
カルシウムシリケート イ:3CaO・SiO。試薬の炭酸カルシウム3モル及び二酸化ケイ素1モルを混合粉砕した後、電気炉を用い1600℃で焼成し合成したものを粉砕してブレーン比表面積値4800cm/gに調整した。
カルシウムシリケート ロ:β−2CaO・SiO。試薬の炭酸カルシウム2モル及び二酸化ケイ素1モルを混合粉砕した後、電気炉を用い1450℃で焼成し合成したものをブレーン比表面積値4800cm/gに調整した。

カルシウムシリケート ハ:γ−2CaO・SiO。試薬の炭酸カルシウム2モル及び二酸化ケイ素1モルを混合粉砕した後、電気炉を用い1500℃で焼成しダスティングした粗粉をさらに粉砕しブレーン比表面積値4800cm/gに調整した。
水:水道水
土壌:愛知県産真砂土、5mm篩下
<測定方法>
防草試験・ひび割れ試験:30cm×40cmのトレーに田畑の土を15cm敷きならし、芝生の種であるトールフェスク、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラスの混合品を40g/m撒き、その上に防草材を基礎面上に均一に厚み3cm敷設した後、防草材の合計100質量部に対して水を15質量部散水した。材齢1日後、1日間−10℃の恒温室に入れた後、1日間20℃の恒温室に入れ、これを10サイクル実施した後、屋外に置き、100日後のひび割れの本数、防草材表面からの生えた芝の本数を測定した。
Figure 2018068246
表3から、本発明の防草材は、ひび割れと芝が少なく防草効果に優れることが分かる。また、本発明の防草材は、カルシウムシリケートを併用すると、さらにひび割れが抑えられ、芝が抑制できることが分かる。一方、モルタルやマグネシア系固化材は、ひび割れも多く、芝が多く生えた。
(実験例4)
実験例3の実験No.3-5、1-18、1-19の各防草材について、防草材の合計100質量部に対して水15質量部を、散水ではなくオムニミキサに加え、練り混ぜたものを型枠または基礎面上に敷設したこと以外は実験例3と同様に実施した。
結果を表4に示す。
Figure 2018068246
表4から、本発明の防草材は、練り混ぜたものを敷設してもひび割れと芝が少なく防草効果に優れることが分かる。
本発明の防草材は、草刈の労力を軽減でき、優れた初期強度発現性、凍結融解抵抗性、防草効果などを奏するので、河川の土手、田畑の畦畔、あるいは、鉄道、道路等の盛土ののり面など広範に使用できる。

Claims (6)

  1. ブレーン比表面積値2500cm/g以上のカルシウムアルミネート、並びに、CaO成分が10〜50質量%、Al成分が50〜90質量%であるクリンカー骨材を含有してなる防草材。
  2. さらに、石膏と土壌のうち一種以上を含有してなる請求項1に記載の防草材。
  3. クリンカー骨材の粗粒率が1.8〜3.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の防草材。
  4. さらに、カルシウムシリケートを含有してなる請求項1〜3のいずれか1項記載の防草材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の防草材を地面に敷き詰め、その上に散水して被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載の防草材を水と練り混ぜ、地面に敷き詰めて被覆することを特徴とする防草材の使用方法。
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