JP2018067592A - 半導体装置およびモジュール型半導体装置 - Google Patents

半導体装置およびモジュール型半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018067592A
JP2018067592A JP2016204332A JP2016204332A JP2018067592A JP 2018067592 A JP2018067592 A JP 2018067592A JP 2016204332 A JP2016204332 A JP 2016204332A JP 2016204332 A JP2016204332 A JP 2016204332A JP 2018067592 A JP2018067592 A JP 2018067592A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective film
film
semiconductor device
electrode
plating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016204332A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6822056B2 (ja
Inventor
逸人 仲野
Hayato Nakano
逸人 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2016204332A priority Critical patent/JP6822056B2/ja
Publication of JP2018067592A publication Critical patent/JP2018067592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6822056B2 publication Critical patent/JP6822056B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/26Layer connectors, e.g. plate connectors, solder or adhesive layers; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/31Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process
    • H01L2224/32Structure, shape, material or disposition of the layer connectors after the connecting process of an individual layer connector
    • H01L2224/321Disposition
    • H01L2224/32151Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
    • H01L2224/32221Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
    • H01L2224/32225Disposition the layer connector connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/73Means for bonding being of different types provided for in two or more of groups H01L2224/10, H01L2224/18, H01L2224/26, H01L2224/34, H01L2224/42, H01L2224/50, H01L2224/63, H01L2224/71
    • H01L2224/732Location after the connecting process
    • H01L2224/73251Location after the connecting process on different surfaces
    • H01L2224/73253Bump and layer connectors

Landscapes

  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

【課題】電極膜と保護膜との剥離を抑制することができる半導体装置およびモジュール型半導体装置を提供すること。【解決手段】炭化珪素基板10のおもて面上のソースパッド12aには、めっき膜13およびはんだ層14を介して端子ピン15が接合されている。ソースパッド12aの表面上のめっき膜13以外の部分に、めっき膜13に接して、第1保護膜16が設けられている。めっき膜13と第1保護膜16との境界20を覆うように、第2保護膜31が設けられている。第2保護膜31は、めっき膜13側の側面31aが下面31bに対して、第2保護膜31の内部で鋭角となる角度(下面側角度)θ1をなす台形状の断面形状を有する。第2保護膜31の厚さt3は、2μm以上0.8mm以下であり、可能な限り薄く設定される。第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11は、他の構成部材との配置の兼ね合いを考慮して、可能な限り広く設定される。【選択図】図3

Description

この発明は、半導体装置およびモジュール型半導体装置に関する。
従来、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置は、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)など複数種類あり、これらは用途に合わせて使い分けられている。
パワー半導体装置として、次の装置が提案されている。エミッタ電極の外周周辺部に、チップ表面に接するように、ポリイミド(PI:polyimide)やポリアミド(PA:polyamide)などの有機絶縁材で形成された絶縁膜が設けられている。当該絶縁膜の開口部に露出するエミッタ電極と一体的に形成され、絶縁膜上に延在する付加電極が設けられている。付加電極に接合材を介して外部端子が接合されている(例えば、下記特許文献1(第0013,0015段落)参照。)。
下記特許文献1では、付加電極を絶縁膜上にまで延在させて、応力集中位置を絶縁膜上へ移動することで、パワー半導体装置の発熱に伴って発生する応力を低減している。また、絶縁膜と接合材との熱膨張係数の差に起因する応力がエミッタ電極に伝達されないため、エミッタ電極の劣化が抑制される。また、下記特許文献1には、無電解めっきを用いて、付加電極を絶縁膜よりも厚く形成することが開示されている。
また、別のパワー半導体装置として、次に装置が提案されている。電極パッドの上面および側面を被覆するように、回路層上に、ポリイミド等を主成分とする絶縁材で形成された絶縁層が設けられている。絶縁層の開口部に露出した電極パッドの表面、および開口部の内壁並びに上端縁にかけて連続するバリア層が設けられている。バリア層上に導電層が設けられている(例えば、下記特許文献2(第0016〜0021段落)参照。)。
また、従来、パワー半導体装置の構成材料としてシリコン(Si)が用いられているが、市場では大電流と高速性とを兼ね備えたパワー半導体装置への要求が強く、IGBTやパワーMOSFETはその改良に力が注がれ、現在ではほぼ材料限界に近いところまで開発が進んでいる。このため、パワー半導体装置の観点からシリコンに代わる半導体材料として炭化珪素(SiC)が注目を集めている。
炭化珪素は、化学的に非常に安定した半導体材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用することができる。また、炭化珪素は、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいため、オン抵抗を十分に小さくすることができる。このような炭化珪素の特長は、シリコンよりもバンドギャップの広い例えば窒化ガリウム(GaN)などの他の半導体(以下、ワイドバンドギャップ半導体とする)にも同様にあてはまる。
炭化珪素を用いた半導体装置では、発生する損失が少なくなった分、例えばインバータで用いる際、シリコンを用いた従来の半導体装置よりも1桁高いキャリア周波数で適用される。半導体装置を高いキャリア周波数で適用する場合、半導体基板(半導体チップ)の発熱温度が高くなり、デバイスの信頼性に悪影響を及ぼす。特に、基板おもて面上のおもて面電極には、おもて面電極の電位を外部に取り出す配線材としてボンディングワイヤが接合されており、半導体装置を高温度で使用すると、おもて面電極とボンディングワイヤとの密着性が低下し信頼性に悪影響が及ぶ。
また、おもて面電極の電位を外部に取り出す別の配線材として、外部接続用端子となるピン状の配線部材(以下、端子ピンとする)が挙げられる。端子ピンを用いた配線構造を備えた半導体装置の構造について、炭化珪素を用いて作製(製造)されたプレーナゲート構造のnチャネル型MOSFETを例に説明する。図13は、端子ピンを用いた配線構造を備えた半導体装置の構造を示す断面図である。図13に示す半導体装置は、炭化珪素からなる半導体基板(以下、炭化珪素基板(半導体チップ)とする)10のおもて面(p型炭化珪素層4側の面)側に、一般的なMOSゲートを備える。
炭化珪素基板10は、炭化珪素からなるn+型支持基板1のおもて面上に、n-型炭化珪素層2と、p型炭化珪素層4と、を順にエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板である。炭化珪素基板10のおもて面には、ソース電極(ソースパッド)12が設けられている。ソース電極12は、コンタクトホール内でn+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6に接し、p型ベース領域3,4a、n+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6に電気的に接続されている。ソース電極12は、層間絶縁膜11によりゲート電極9と電気的に絶縁されている。ソース電極12は、例えばアルミニウム(Al)を含む金属電極層である。
ソース電極12上には、めっき膜13およびはんだ層14を介して端子ピン15の一方の端部が接合されている。めっき膜13は、例えばニッケル(Ni)めっき等の金属電極膜である。端子ピン15は、基板おもて面(炭化珪素基板10のおもて面)に対して略垂直に立てた状態でめっき膜13に接合されている。図13には、端子ピン15を簡略して図示するが、実際には、はんだ層14上に棒状の端子ピン15が縦長に直立して接合される。端子ピン15は、所定直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材であり、ソース電極12の電位を外部に取り出す外部接続用端子(例えばインプラントピン)となる。
すなわち、端子ピン15の他方の端部は、半導体チップ(炭化珪素基板10)を実装した樹脂ケース(不図示)の外側に露出し、外部装置(不図示)と電気的に接続される。ソース電極12上のめっき膜13以外の部分は、第1保護膜16で覆われている。第2保護膜17は、めっき膜13と第1保護膜16との境界を覆う。ドレイン電極18は、炭化珪素基板10の裏面(n+型支持基板1の裏面)に接する。p型ベース領域4aは、p型炭化珪素層4の、n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7以外の部分である。
特開2015−023183号公報 特開2010−097999号公報
図13に示す配線構造を備えた半導体装置では、めっき膜13の形成時にめっき膜13の濡れ広がりを防止するためのマスクとなる第1保護膜16がポリイミドで形成される。さらに、めっき膜13と第1保護膜16との剥離を防止するための補強としてめっき膜13と第1保護膜16との境界を覆うように形成される第2保護膜17は、インクジェット方式でポリイミドを吐出することで塗布することにより形成される。
しかしながら、発明者らが鋭意研究を重ねた結果、インクジェット方式でのポリイミド塗布による第2保護膜17を配置した配線構造では、次の問題が生じることが判明した。図10は、図13の端子ピン付近の応力分布を示すシミュレーション結果である。図10には、めっき膜13および当該めっき膜13の周囲を囲む第2保護膜17の応力分布を示す。図11は、図13の第2保護膜の応力分布を示すシミュレーション結果である。図12は、図13の第2保護膜付近で生じる問題点を模式的に示す説明図である。
図12に示すように、インクジェット方式等の方法によって第2保護層17を形成すると、第2保護層17の断面形状は、大よそ蒲鉾状であり、後述するように第2保護膜17の下面側角度は、90度以上となる場合が多い。蒲鉾状とは、めっき膜13および第1保護膜16の表面から離れる方向に突出した略半円状である。また、インクジェット方式等の方法によって第2保護層17を形成すると、第2保護層17の断面形状は均一な形状には形成されていない。このため、信頼性試験(温度サイクル試験)時や実使用時に、次の問題が生じる。
信頼性試験時や実使用時、端子に生じた電気エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、半導体装置の各構成部材間には、熱膨張係数の差に応じた熱応力が生じる。具体的には、図10に示すように、めっき膜13、はんだ層14および端子ピン15の熱膨張により、はんだ層14と端子ピン15との接合部に応力が集中21する(符号21で示す部分)。かつ、めっき膜13の熱膨張によって第2保護膜17に生じた熱応力により、第2保護膜17とめっき膜13上の封止樹脂19との境界で、第2保護膜17のめっき膜13側の端部に応力が集中する(符号22で示す部分)。
第2保護膜17のめっき膜13側の端部に沿って略矩形状に応力集中22が生じた状態を図11に示す。そして、図12に示すように、この応力集中22により、第2保護膜17のめっき膜13側の端部17aから、第2保護膜17がめっき膜13から剥離し始める。これによって、第2保護膜17によるめっき膜13と第1保護膜16との境界の補強効果が弱まるため、めっき膜13と第1保護膜16との境界20で、めっき膜13と第1保護膜16との剥離が生じる。これは、半導体装置の冷却時に、めっき膜13と第1保護膜16との間に生じる引張応力23に起因することが確認されている。
めっき膜13と第1保護膜16との境界20でめっき膜13と第1保護膜16とが剥離してしまった場合、半導体装置の信頼性試験時や実使用時に、はんだ層14から溶けだしたはんだがめっき膜13と第1保護膜16との境界20から下層へと流れ込む。最終的には、はんだ層14から溶けだしたはんだがゲート絶縁膜8と短絡し、半導体装置が破壊に至るという問題がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電極膜と保護膜との剥離を抑制することができる半導体装置およびモジュール型半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。前記半導体基板のおもて面上に、電極層が設けられている。前記電極層は、前記半導体基板に配置された前記半導体素子に電気的に接続されている。前記電極層の表面上に、電極膜が選択的に設けられている。前記電極膜に、外部接続用端子がはんだ接合されている。前記外部接続用端子は、前記電極層の電位を外部に取り出す。前記電極層の表面上の前記電極膜以外の部分に、前記電極膜に接して第1保護膜が設けられている。第2保護膜は、前記電極膜と前記第1保護膜との境界を覆う。前記第2保護膜の前記電極膜側の側面は、前記第2保護膜と前記電極膜とが接触する第1面に対して、前記第2保護膜の内部で鋭角となる第1角度をなしている。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1角度は、10°以上80°以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜は、前記第1面に平行で、かつ前記第1面よりも幅の狭い第2面を有する台形状の断面形状である。前記第2保護膜の前記電極膜側の側面は、前記第2面に対して、前記第2保護膜の内部で鈍角となる第2角度をなしていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2角度は、120°以上150°以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜の前記第2面は、前記電極膜と前記第1保護膜との境界から前記第2保護膜の前記電極膜側の側面までの幅が0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜の厚さは、2μm以上0.8mm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜の厚さは、5μm以上であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜は、ポリイミドまたはポリアミドで構成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第1保護膜は、ポリイミドまたはポリアミドで構成されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記電極膜は、ニッケルめっき膜および金めっき膜を順に積層してなることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜の前記第2面および側面は、芳香族ポリアミド樹脂で覆われていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2保護膜の前記第2面および側面の表面層の分子に官能基が接合されていることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記半導体基板は、シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記半導体基板は、炭化珪素からなることを特徴とする。
また、この発明にかかるモジュール型半導体装置は、上述した半導体装置を実装したモジュール型半導体装置であって、次の特徴を有する。積層基板の表面上に、導電性板が設けられている。前記導電性板に、前記半導体基板の裏面が接合されている。樹脂ケースは、前記積層基板の周囲を囲む。前記樹脂ケースの内部に、封止樹脂が充填されている。前記封止樹脂は、前記半導体基板のおもて面を覆う。
上述した発明によれば、第2保護膜の電極膜側の側面が傾斜しているため、電極膜の熱膨張時に、第2保護膜の電極膜側の側面にかかる応力を緩和させることができる。これにより、第2保護膜の電極膜側の端部が電極膜から剥離されることを抑制することができるため、第2保護膜による、電極膜と第1保護膜との境界での密着性の補強効果が高くなる。
本発明にかかる半導体装置およびモジュール型半導体装置によれば、電極膜と保護膜との剥離を抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態にかかる半導体装置を実装したモジュールの一例を示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体装置の電極パッドの平面レイアウトを示す平面図である。 実施の形態にかかる半導体装置の配線構造付近の構造を示す断面図である。 実施の形態にかかる半導体装置の製造途中の要部の状態を示す断面図である。 第2保護膜のめっき膜側の側面の下面側角度の使用範囲を示す特性図である。 第2保護膜の厚さの使用範囲を示す特性図である。 第2保護膜の上面のめっき膜側の幅の使用範囲を示す特性図である。 実施の形態にかかる半導体装置のP/C耐量を示す図表である。 第2保護膜の寸法の使用範囲を示す特性図である。 図13の端子ピン付近の応力分布を示すシミュレーション結果である。 図13の第2保護膜の応力分布を示すシミュレーション結果である。 図13の第2保護膜付近で生じる問題点を模式的に示す説明図である。 端子ピンを用いた配線構造を備えた半導体装置の構造を示す断面図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置およびモジュール型半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
実施の形態にかかる半導体装置の構造について、図1〜3,13を参照して説明する。図1は、実施の形態にかかる半導体装置を実装したモジュールの一例を示す断面図である。図1には、図2の切断線A−A’を通る断面を含む部分における断面構造を示す。図2は、実施の形態にかかる半導体装置の電極パッドの平面レイアウトを示す平面図である。平面レイアウトとは、炭化珪素(SiC)基板10のおもて面(p型炭化珪素層4側の面)側から見た各部の平面形状および配置構成である。図3は、実施の形態にかかる半導体装置の配線構造付近の構造を示す断面図である。
実施の形態にかかる半導体装置の断面構造は、図13に示す半導体装置の第2保護膜17を図3に示す第2保護膜31に置き換えたものである。すなわち、実施の形態にかかる半導体装置は、炭化珪素基板(半導体チップ)10のおもて面側に一般的なMOSゲートを備え、ソース電極(電極層)12上にめっき膜(電極膜)13およびはんだ層14を介して端子ピン15が接合された例えばプレーナゲート構造のnチャネル型MOSFETである。第2保護膜31は、ソース電極12の一部を覆うめっき膜13と、ソース電極12のめっき膜13以外の部分を覆う第1保護膜16と、の境界を覆う。
なお、電極膜は、めっき法により形成されるめっき膜13であってもよいし、めっき膜13に代えて、スパッタリング、蒸着、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)等の物理的形成方法による膜であってもよい。めっき膜13に代えて物理的形成方法で形成された膜を電極膜とした場合においても、熱物性等の物性値はめっき法で形成しためっき膜13と変わらないため、同様の効果が得られる。以降は、主にめっき法により形成されためっき膜13を電極膜とした場合について述べる。
また、外部接続用端子がはんだ接合される電極層をソース電極12とした場合を例に説明するが、外部接続用端子がはんだ接合される電極層は素子構造によって種々変更される。すなわち、めっき膜13を介して外部接続用端子がはんだ接合され、かつめっき膜13で覆われた部分以外が第1保護膜16で覆われた電極層であれば、ソース電極12以外の電極を電極層とした場合や、電極パターンを形成した後述する導電性板43を電極層とした場合にも本発明を適応可能である。
図1に示すモジュールは、炭化珪素基板10と、セラミクス絶縁基板(DCB:(Direct Copper Bond)基板)などの積層基板41と、端子ピン15と、プリント基板と、を備える。炭化珪素基板10には、上述したように実施の形態にかかる半導体装置が作製(製造)されている。積層基板41は、例えば、絶縁基板42のおもて面に銅(Cu)箔による電極パターンを形成した導電性板43を積層し、絶縁基板42の裏面に銅箔44を積層した回路基板である。積層基板41の裏面の銅箔44は、例えば銅ベース(不図示)のおもて面にはんだ接合されている。
銅ベースの裏面はサーマルコンパウンドを介して冷却体(不図示)に固定され、銅ベースの周縁には樹脂ケース(不図示)が接着されている。積層基板41のおもて面の導電性板43には、炭化珪素基板10の裏面に設けられたドレイン電極18(図13参照)がはんだ層45により接合されている。炭化珪素基板10のおもて面に設けられたソースパッド12a(ソース電極12)およびゲートパッド12b(図2参照)は、それぞれアルミニウム(Al)ワイヤー(不図示)を介して導電性板43に電気的に接続されている。ソース電極12は、例えばアルミニウム膜(またはアルミニウム合金膜)および金(Au)膜を順に積層した積層構造を有していてもよい。ソース電極12を構成するアルミニウム膜の熱膨張係数は、例えば2.1×10-5/℃以上2.5×10-5/℃以下程度である。ソース電極12を構成する金膜の熱膨張係数は、例えば1.2×10-5/℃以上1.5×10-5/℃以下程度である。
ソース電極12は、活性領域の全面にわたって設けられ、すべての単位セル(素子の構成単位)のn+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6に電気的に接続されている。図13には、活性領域に配置された複数の単位セルを示し、エッジ終端領域を図示省略する。活性領域は、オン状態のときに電流が流れる領域である。エッジ終端領域は、活性領域からチップ端部までの領域であり、活性領域の周囲を囲む。エッジ終端領域は、炭化珪素基板10のおもて面側の電界を緩和し耐圧を保持する領域であり、例えばガードリング、フィールドプレートおよびリサーフ等を組み合わせた耐圧構造を有する。
図2,3に示すように、ソース電極12の表面の一部は、めっき膜13で覆われている。めっき膜13は、例えば、ニッケル(Ni)めっき膜と、はんだ濡れ性の高い金めっき膜と、を順に積層した積層構造を有していてもよい。ニッケルめっき膜は、端子ピン15のはんだ接合時にはんだ層14と合金化され、めっき膜13と端子ピン15との密着性を向上させる機能を有する。めっき膜13を構成するニッケルめっき膜の熱膨張係数は、例えば1.2×10-5/℃以上1.5×10-5/℃以下程度である。めっき膜13を構成する金めっき膜の熱膨張係数は、例えば1.2×10-5/℃以上1.5×10-5/℃以下程度である。めっき膜13の厚さt1(図3参照)は、めっき膜13に端子ピン15をはんだ接合する際に溶融されて(はんだ食われ)めっき膜13が消失することを防止することができる程度に厚く、例えば4μm程度であってもよい。
ソース電極12の表面の、めっき膜13に覆われた部分以外の部分は、第1保護膜16で覆われている。ソース電極12の、めっき膜13で覆われた部分はチップおもて面に露出されている。ソース電極12の、めっき膜13で覆われた部分および当該めっき膜13によりソースパッド12aが構成されている。すなわち、ソースパッド12aは例えば略矩形状の平面形状を有し、その周囲は第1保護膜16に囲まれている。ゲートパッド12bは、ソースパッド12aと離して配置され、第1保護膜16および層間絶縁膜11によりソースパッド12aと電気的に絶縁されている。
ゲートパッド12bは例えば略矩形状の平面形状を有し、その周囲は第1保護膜16に囲まれている。ゲートパッド12bは、例えばソースパッド12aと同じ積層構造を有する。ゲートパッド12bには、例えばゲートランナー(不図示)を介して、すべての単位セルのゲート電極9と電気的に接続されている。図2には、ソースパッド12aおよびゲートパッド12bをハッチングで示す。第1保護膜16の厚さt2(図3参照)は、第1保護膜16の表面からめっき膜13の表面にわたって平坦となるように設定されることが好ましく、例えばめっき膜13の厚さt1と略等しい。
第2保護膜31は、ソースパッド12aの周囲を例えば略矩形状に囲む平面形状を有し、ソースパッド12aのめっき膜13と第1保護膜16との境界20を覆う。第2保護膜32は、ゲートパッド12bの周囲を例えば略矩形状に囲む平面形状を有し、ゲートパッド12bのめっき膜13と第1保護膜16との境界を覆う。第2保護膜32の構成は、例えば第2保護膜31と同様である。第2保護膜31,32は、めっき膜13と第1保護膜16との境界20での密着性を補強し、めっき膜13と第1保護膜16との剥離を防止する機能を有する。また、第2保護膜31,32は、端子ピン15のはんだ接合時に、はんだ層14の濡れ広がりを防止するマスクとして機能する。図2には、第2保護膜31,32を太線で示す。
第1保護膜16および第2保護膜31,32は、例えばポリイミドまたはポリアミドなどの耐熱性・耐薬品性に優れた高分子樹脂で形成される。第2保護膜31,32は、第1保護膜16と同じ材料で形成されていることが好ましい。第1保護膜16と第2保護膜31,32とを同じ材料で形成することで、第1保護膜16と第2保護膜31,32の密着性を向上させることができる。また、第1保護膜16と第2保護膜31,32との熱膨張係数を同じにすることができるため、第1保護膜16と第2保護膜31,32との間に応力がかかることを防止することができる。これら第1保護膜16および第2保護膜31,32を構成するポリイミドの熱膨張係数は、例えば1.5×10-5/℃以上2.0×10-5/℃以下程度である。第1保護膜16および第2保護膜31,32を構成するポリアミドの熱膨張係数は、例えば4.0×10-5/℃以上6.0×10-5/℃以下程度である。第2保護膜31,32の詳細な構成については後述する。
ソースパッド12aおよびゲートパッド12bの各めっき膜13には、それぞれはんだ層14を介して端子ピン15の一方の端部が接続されている。端子ピン15は、高温度条件下(例えば200℃〜300℃程度)においてもソースパッド12aおよびゲートパッド12bとの密着性が高く、ワイヤボンディングに比べて剥離しにくい。図1,2には、ソースパッド12aに2つの端子ピン15を接合し、ゲートパッド12bに1つの端子ピン15を接合した状態を図示するが、端子ピン15の直径および本数は設計条件に基づいて種々変更可能である。端子ピン15の他方の端部は、プリント基板46のスルーホール(不図示)に挿入され、スルーホールの内壁に沿って設けられた電極(不図示)に接合されている。
プリント基板46は、例えば、ポリイミド等からなるベース基板47の両面にそれぞれ銅箔による電極パターンを形成した導電性板48,49を貼り合せたフレキシブルプリント回路基板(FPC:Flexible printed circuits)である。プリント基板46の両面の導電性板48,49は、例えば錫(Sn)めっき膜で覆われている。樹脂ケースの内部は封止樹脂19で充填され、炭化珪素基板10、端子ピン15、積層基板41およびプリント基板46は封止樹脂19で覆われている。封止樹脂19は、例えばシリコン樹脂やエポキシ樹脂で形成される。封止樹脂19をシリコン樹脂で形成した場合、封止樹脂19の熱膨張係数は例えば0.5×10-5/℃以上1.5×10-5/℃以下程度である。封止樹脂19をエポキシ樹脂で形成した場合、封止樹脂19の熱膨張係数は例えば1.0×10-5/℃以上2.2×10-5/℃以下程度である。
次に、第2保護膜31,32の構成について、ソースパッド12aの周囲を囲む第2保護膜31を例に説明する。図3では、炭化珪素基板10のおもて面の表面層に設けられたMOSゲートを構成する各半導体領域を図示省略する(図4においても同様)。図3に示すように、第2保護膜31は、めっき膜13側の側面31aが下面(第1面)31bに対して、第2保護膜31の内部で鋭角となる角度(以下、下面側角度(第1角度)とする)θ1をなす断面形状を有する(0°<θ1<90°)。第2保護膜31の下面31bとは、めっき膜13および第1保護膜16と接触する面である。具体的には、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1は、例えば10°以上80°以下程度であることが好ましい(10°≦θ1≦80°)。より好ましくは、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1は、10°以上60°以下程度であることがよく、当該下面側角度θ1を有することによる効果がより高くなる。
第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1を小さくするほど、第2保護膜31のめっき膜13側の端部の厚さを薄くすることができ、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力を緩和することができる。図3には、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1をより小さくした側面31a’を破線で示し、当該側面31a’の下面側角度および後述する上面側角度にそれぞれθ1’およびθ2’を付す。
具体的には、第2保護膜31の断面形状は、例えば、下面31bを底面とする略三角形状(不図示)であってもよく、好ましくは上面(第2面)31cの幅w1が下面31bの幅w2よりも狭い略台形状であるのがよい。その理由は、第2保護膜31の断面形状が略三角形状である場合、第2保護膜31の三角形状の頂点にあたる部分に応力が集中し、当該応力集中箇所から封止樹脂19にひびが生じる虞があるからである。第2保護膜31の上面31cとは、第2保護膜31が略台形状の断面形状である場合において、略台形状の上底にあたる部分であり、略台形状の下底に相当する下面31bに略平行な面である。幅w1,w2とは、めっき膜13側(以下、内側とする)から第1保護膜16側(以下、外側とする)へ向かう方向の長さである(後述する幅w11,w12においても同様)。
第2保護膜31の第1保護膜16側の側面31dは、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと異なる条件に設定されていてもよい。すなわち、第2保護膜31は、めっき膜13側と第1保護膜16側とが非対称となる断面形状を有していてもよい。また、第2保護膜31の第1保護膜16側の側面31dは、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと同様の条件に設定されていてもよい。すなわち、第2保護膜31は、めっき膜13側と第1保護膜16側とが対称となる断面形状を有していてもよい。図3には、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと第1保護膜16側の側面31dの条件が等しい略等脚台形状の第2保護膜31を示す。この場合、第2保護膜31の上面31cの幅w1(=w11+w12)は例えば0.04mm程度であり、第2保護膜31の下面31bの幅w2は例えば0.05mm程度であってもよい。以下、第2保護膜31の断面形状が台形状である場合を例に説明する。
第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aは上面31cに対して、第2保護膜31の内部で鈍角となる角度(以下、上面側角度(第2角度)とする)θ2をなしている(90°<θ2<180°)。第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと上面31cとの交差部が可能な限り角張っていないことが好ましく、第2保護膜31のめっき膜13側の上面側角度θ2は、例えば120°以上150°以下程度であってもよい(120°≦θ2≦150°)。
このように第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1および第2保護膜31のめっき膜13側の上面側角度θ2を設定し、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aを傾斜させることで、第2保護膜31のめっき膜13側の端部(傾斜部分)で第2保護膜31の厚さが薄くなる。これにより、めっき膜13の熱膨張時に第2保護膜31にかかる熱応力によって、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力を緩和させることができる。
第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1と上面側角度θ2の総和は180°未満であってもよい。すなわち、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの傾斜は、下面31b側と上面31c側とで異なっていてもよい。この場合、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aのうち、下面31bとの交線を含む面と、第2保護膜31の下面31bと、のなす角度である。第2保護膜31のめっき膜13側の上面側角度θ2は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aのうち、上面31cとの交線を含む面と、第2保護膜31の上面31cと、のなす角度である。
また、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aは、第2保護膜31の内側に円弧状に湾曲していてもよい。この場合、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと下面31bとの交線を通り、かつ第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの円弧状の接線に平行な面と、第2保護膜31の下面31bと、のなす角度である。第2保護膜31のめっき膜13側の上面側角度θ2は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aと上面31cとの交線を通り、かつ第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの円弧状の接線に平行な面と、第2保護膜31の上面31cと、のなす角度である。
第2保護膜31の厚さt3は、可能な限り薄く設定されることがよい。第2保護膜31の厚さt3は、第1保護膜16とめっき膜13との境界20に形成される凹凸部(下地表面の凹凸部)のステップカバレッジを考慮すると例えば2μm以上程度であることがよく、好ましくは例えば5μm以上程度であることがよい。また、第2保護膜31の厚さt3は、1回の塗布により堆積可能厚さである例えば0.8mm以下程度であることがよい(2μm≦t3≦0.8mm)。
また、第2保護膜31の上面31cの、めっき膜13と第1保護膜16との境界20からめっき膜13側の側面31aまでの長さ(以下、上面31cのめっき膜13側の幅とする)w11は、他の構成部材との配置の兼ね合いを考慮して、可能な限り広く設定されることが好ましい。第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11は、例えば0.02mm以上であることが好ましく、最大で、めっき膜13と端子ピン15との接合部に達する程度の幅であってもよい。好適には、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11は、例えば0.05mm以上0.5mm以下であることがよい。その理由は、上記範囲にすると、第2保護膜31への熱応力の集中を緩和することができ、封止樹脂19との密着性を向上させ、信頼性を向上することができるからである。
このように、第2保護膜31の厚さt3を薄くするほど、また、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11を広くするほど、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力を緩和させることができる。
第2保護膜31の上面31cの、めっき膜13と第1保護膜16との境界20から第1保護膜16側の側面31dまでの長さ(以下、上面31cの第1保護膜16側の幅とする)w12は、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11と同じであってもよい。ゲートパッド12b側の第2保護膜32の条件は、上述したソースパッド12a側の第2保護膜31と同様である。
第2保護膜31,32の表面には、コーティング材の塗布や、UV(Ultraviolet:紫外線)およびオゾン(O3)照射などによる表面改質処理が施されていてもよい。第2保護膜31,32の表面改質処理に用いるコーティング材には、例えば、柔軟で強靭な被膜を形成可能であり、かつ応力緩和性に優れており、各種電子部品で使用可能な熱可塑性および高耐熱性を有するコーティング材を用いてもよい。具体的には、表面改質処理に用いるコーティング材は、例えば、芳香族ポリアミド樹脂であってもよい。第2保護膜31,32の表面に上記コーティング材を塗布することで、第2保護膜31,32と封止樹脂19との密着性が向上する。このため、めっき膜13の熱膨張によって第2保護膜31,32に生じる熱応力に対する強度が向上する。また、上述したように第2保護膜31,32がめっき膜13から第1保護膜16にわたってめっき膜13と第1保護膜16との境界20を横断し凹凸を形成する構成であるため、第2保護膜31,32の表面に上記コーティング材を塗布することで、封止樹脂19との密着性を向上させることができる。
また、UVおよびオゾン照射は、第2保護膜31,32の表面を局所的に加熱して封止樹脂19との結合を補助する。具体的には、UVによって形成された活性酸素は、チップ表面に衝突してチップ表面に露出する各部材の表面層の分子鎖を切断して形成された分子の未結合手と結合されて新たな官能基(水酸基(−OH)や、アルデヒド基(−CHO)、カルボキシ基(−COOH)など)を生成する。また、その際、UV照射によって大気中に生じたオゾンにより、主に、第2保護膜31,32の表面で第2保護膜31,32の樹脂分子が酸化・分解され、第2保護膜31,32の表面に官能基が生成される。これらの官能基は、封止樹脂19の構成材料との親和性が高い。このため、第2保護膜31,32と封止樹脂19との密着性を飛躍的に改善・向上させることができる。また、上述したように第2保護膜31,32がめっき膜13から第1保護膜16にわたってめっき膜13と第1保護膜16との境界20を横断し凹凸を形成する構成であるため、第2保護膜31,32の表面に上記コーティング材を塗布することで、封止樹脂19との密着性を向上させることができる。
次に、実施の形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。図4は、実施の形態にかかる半導体装置の製造途中の要部の状態を示す断面図である。図4には、第2保護膜31の形成途中の状態を示す。まず、炭化珪素からなるn+型支持基板(出発ウエハ)1を用意する。次に、n+型支持基板1のおもて面上に、n-型炭化珪素層2をエピタキシャル成長させる。次に、フォトリソグラフィおよびアルミニウム(Al)などのp型不純物のイオン注入により、n-型炭化珪素層2の表面層に、p型ベース領域3を選択的に形成する。n-型炭化珪素層2の、p型ベース領域3以外の部分がn-型ドリフト領域となる。
次に、n-型炭化珪素層2の表面に、p型炭化珪素層4をエピタキシャル成長させる。ここまでの工程により、n+型支持基板1上にn-型炭化珪素層2およびp型炭化珪素層4を順に堆積した炭化珪素基板(半導体ウエハ)10が作製される。次に、フォトリソグラフィおよび窒素(N)などのn型不純物のイオン注入により、p型炭化珪素層4の内部に、深さ方向にp型ベース領域3に対向するようにn+型ソース領域5を選択的に形成する。n+型ソース領域5は、p型ベース領域3に接していてもよい。深さ方向とは、炭化珪素基板10のおもて面から裏面に向かう方向である。
次に、フォトリソグラフィおよびアルミニウムなどのp型不純物のイオン注入により、p型炭化珪素層4の内部に、深さ方向にp型ベース領域3に対向するようにp+型コンタクト領域6を選択的に形成する。p+型コンタクト領域6は、p型ベース領域3に接していてもよい。次に、フォトリソグラフィおよび窒素(N)などのn型不純物のイオン注入により、p型炭化珪素層4をn型に打ち返して(反転させて)、n型JFET領域7を形成する。n型JFET領域7は、n-型炭化珪素層2の、p型ベース領域3間に挟まれた部分に接する。
これらn+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7の形成順序は入れ換え可能である。p型炭化珪素層4の、n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7以外の部分がp型ベース領域4aとなる。次に、p型ベース領域3、n+型ソース領域5、p+型コンタクト領域6およびn型JFET領域7を活性化させるための熱処理(活性化アニール)を行う。次に、炭化珪素基板10のおもて面を熱酸化して、ゲート絶縁膜8を形成する。これにより、p型炭化珪素層4に形成された各領域がゲート絶縁膜8で覆われる。
次に、ゲート絶縁膜8上に、例えばリン(P)がドープされた多結晶シリコン(poly−Si)層を堆積する。次に、多結晶シリコン層をパターニングして選択的に除去し、ゲート電極9となる部分を残す。これにより、p型ベース領域4aの、n+型ソース領域5とn型JFET領域7とに挟まれた部分の表面上に、ゲート絶縁膜8を介してゲート電極9が形成される。ゲート絶縁膜8およびゲート電極9は、n型JFET領域7の表面上に延在していてもよい。次に、ゲート電極9を覆うように、炭化珪素基板10のおもて面全面に層間絶縁膜11を形成する。
次に、層間絶縁膜11を平担化するための熱処理(リフロー)を行う。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより層間絶縁膜11をパターニングして選択的に除去することによってコンタクトホールを形成し、コンタクトホールにn+型ソース領域5およびp+型コンタクト領域6を露出させる。次に、例えば、スパッタ法により、コンタクトホールの内部を埋め込むように、層間絶縁膜11上にソース電極12を形成する。次に、炭化珪素基板10の裏面(n+型支持基板1の表面)に、ドレイン電極18を形成する。
次に、例えばスピンコート法により、ソース電極12の表面にポリイミドまたはポリアミドなどの高分子樹脂を塗布し硬化させることで、第1保護膜16となる高分子樹脂膜を形成する。次に、当該高分子樹脂膜をパターニングして第1保護膜16となる部分を残すとともに、第1保護膜16の開口部に、めっき膜13の形成領域に対応する部分を露出させる。次に、例えば無電解めっき法により、第1保護膜16の開口部に露出するソース電極12上にめっき膜13を形成する。このとき、第1保護膜16がマスクとして機能し、第1保護膜16上にはめっき膜13は形成されない。このため、めっき膜13は第1保護膜16の開口部内のみに形成される。
次に、図4に示すように、例えばスピンコート法により、第1保護膜16およびめっき膜13の表面にポリイミドまたはポリアミドなどの高分子樹脂を塗布し硬化させることで、第2保護膜31,32となる高分子樹脂膜を形成する。次に、フォトリソグラフィにより、当該高分子樹脂膜の表面に、第2保護膜31,32の形成領域に対応する部分が開口するレジストマスク51を形成する。次に、このレジストマスク51をマスクとしてウェットエッチングを行い、高分子樹脂膜を選択的に除去して第2保護膜31,32となる部分を残す。これにより、めっき膜13と第1保護膜16との境界20を覆うように、第2保護膜31,32が形成される。
第2保護膜31,32を形成するためのエッチングをウェットエッチングとする理由は、第2保護膜31,32をドライエッチングで形成した場合、第2保護膜31,32の側面31a、31dが基板おもて面に略垂直になりやすいからである。第2保護膜31,32を形成するためのエッチングをウェットエッチングとすることで、エッチングが等方的に進行するため、第2保護膜31,32の厚さやエッチングレートに基づいて、第2保護膜31,32の側面31a、31dの下面側角度θ1および上面側角度θ2を制御することができる。例えば、第2保護膜31,32の厚さt3を3μmとし、第2保護膜31,32を形成するためのウェットエッチングの条件を1μm/minとした場合、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1は60°程度になる。第2保護膜31のめっき膜13側の上面側角度θ2は120°程度になる。
また、このように第2保護膜31,32を形成することで、インクジェット方式での高分子樹脂の塗布により第2保護膜17(図12)を形成する場合に比べて、第2保護膜31,32の厚さt3を薄くすることができる。例えば、第2保護膜31,32の厚さt3は、プロセス上、スピンコート法およびフォトリソグラフィにより形成可能な厚さである5μm以上程度にしてもよい。また、第2保護膜31,32の上面31cの幅w1、下面31bの幅w2、上面31cのめっき膜13側の幅w11、および上面31cの第1保護膜16側の幅w12は、レジストマスク51の開口幅や開口位置を変更することで容易に設定可能である。
次に、レジストマスク51を除去した後、第2保護膜31,32をマスクとして、めっき膜13上に端子ピン15をはんだ接合する。これにより、めっき膜13上に、はんだ層14を介して端子ピン15が接合される。はんだ層14は、第2保護膜31,32の上面31c上に延在していてもよい。その後、半導体ウエハをチップ状に切断(ダイシング)して個片化することで、図2,3,13に示したMOSFET(半導体チップ)が完成する。この半導体チップ(炭化珪素基板10)を積層基板41のおもて面の導電性板43に接合して、樹脂ケース(不図示)内に半導体チップを実装することで、図1に示すモジュールが完成する。
以上、説明したように、実施の形態によれば、第2保護膜のめっき膜側の側面の下面側角度を第2保護膜の下面に対して鋭角にし、第2保護膜のめっき膜側の側面を傾斜させることで、めっき膜の熱膨張時に、第2保護膜のめっき膜側の側面にかかる応力を緩和させることができる。これにより、第2保護膜のめっき膜側の端部がめっき膜から剥離されることを抑制することができるため、第2保護膜による、めっき膜と第1保護膜との境界での密着性の補強効果が高くなる。したがって、めっき膜と第1保護膜との剥離を抑制することができる。また、実施の形態によれば、第2保護膜の厚さを薄くするほど、また、第2保護膜の上面のめっき膜側の幅を広くするほど、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力を緩和させる効果を高くすることができる。
(実施例1)
次に、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1と、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性と、の関係について検証した。図5は、第2保護膜のめっき膜側の側面の下面側角度の使用範囲を示す特性図である。図5の横軸には、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1を示す。図5の縦軸は、第2保護膜31とめっき膜13との密着性であり、基準値(原点)と比較した密着性の高さを示している(図6,7の縦軸も同様)。図5の縦軸の基準値は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が90°である場合である。
第2保護膜31とめっき膜13との密着性とは、P/C(パワーサイクル:Power/Cycle)試験において、第2保護膜31のめっき膜13側の端部から第2保護膜31とめっき膜13とが剥離し始め、当該剥離がめっき膜13と第1保護膜16との境界20に達するまでのサイクル(cycle)数である。図5の縦軸の基準値の条件にあるときに、P/C試験のサイクル数が最も少なくなる。このP/C試験のサイクル数が最も少ない場合を密着性が最も低いとし、P/C試験のサイクル数が多いほど、密着性が高いとしている(図6,7においても同様)。
まず、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法にしたがって、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1の異なる複数の試料を作製した(以下、実施例1とする)。これら実施例1の各試料について、一般的なP/C試験により加熱・冷却を繰り返し行った。P/C試験では、25℃から175℃まで昇温した後に再度25℃まで降温する温度サイクルを1サイクルとした。また、P/C試験は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aから、第2保護膜31とめっき膜13との界面の状態を光学顕微鏡で観察し、第2保護膜31とめっき膜13との剥離がめっき膜13と第1保護膜16との境界20に達するまで行っている。その結果を図5に示す。
図5に示す結果より、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が大きくなるほど、当該下面側角度θ1の大きさに比例して、第2保護膜31とめっき膜13との密着性が低下(サイクル数が減少)することが確認された。また、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が80°を超えると、第2保護膜31とめっき膜13との密着性が急激に低下することが確認された。すなわち、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が80°を超えると、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力が大きくなることがわかる。
(実施例2)
次に、第2保護膜31の厚さt3と、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性と、の関係について検証した。図6は、第2保護膜の厚さの使用範囲を示す特性図である。図6の横軸には、第2保護膜31の厚さt3を示す。図6の縦軸の基準値は、第2保護膜31の厚さt3が1mmである場合における、第2保護膜31とめっき膜13との密着性である。
まず、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法にしたがって、第2保護膜31の厚さt3の異なる複数の試料を作製した(以下、実施例2とする)。第2保護膜31の厚さt3は、インクジェット方式で形成可能な厚さである0.1mmから1mmの範囲内で種々変更した。第2保護膜31の厚さt3=0.1mmは、インクジェット方式で形成可能な厚さの最小値である。これら実施例2について、実施例1と同じ条件でP/C試験を行った。その結果を図6に示す。
図6に示す結果から、第2保護膜31の厚さt3が厚くなるほど、第2保護膜31の厚さt3に比例して、第2保護膜31とめっき膜13との密着性が低下することが確認された。また、第2保護膜31の厚さt3が0.8mmを超えると、第2保護膜31とめっき膜13との密着性が急激に低下することが確認された。すなわち、第2保護膜31の厚さt3が0.8mmを超えると、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aにかかる応力が大きくなることがわかる。
(実施例3)
次に、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11と、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性と、の関係について検証した。図7は、第2保護膜の上面のめっき膜側の幅の使用範囲を示す特性図である。図7の横軸は、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11である。図7の縦軸の基準値は、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11=0[mm]である場合における、第2保護膜31とめっき膜13との密着性である。
また、図7には、第2保護膜31の上面31cの第1保護膜16側の幅w12と、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性と、の関係も示す。この場合、図7の横軸は、第2保護膜31の上面31cの第1保護膜16側の幅w12である。図7の縦軸の基準値は、第2保護膜31の上面31cの第1保護膜16側の幅w12=0[mm]である場合における、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性である。
幅w11,w12=0[mm]とは、インクジェット方式でのポリイミド塗布により第2保護膜17を形成した従来例である(図12参照)。従来例では、第2保護膜17は封止樹脂19側へ円弧状に突出した略半円状の断面形状となるため、下面に略平行な上面が形成されないからである。
第2保護膜31と第1保護膜16との密着性とは、P/C試験において、第2保護膜31の第1保護膜16側の端部から第2保護膜31と第1保護膜16とが剥離し始め、当該剥離がめっき膜13と第1保護膜16との境界20に達するまでのサイクル数である。図7の縦軸の基準値の条件にあるときに、P/C試験のサイクル数が最も少なくなる。このP/C試験のサイクル数が最も少ない場合を最も密着性が低いとし、P/C試験のサイクル数が多いほど、密着性が高いとしている。
まず、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法にしたがって、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11の異なる複数の試料を作製した(以下、実施例3とする)。第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11は、0.1mm〜幅w10[mm]までの範囲内で種々変更した。幅w10は、めっき膜13と第1保護膜16との境界20から、めっき膜13と端子ピン15との接合部までの長さである。各試料は、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11と上面31cの第1保護膜16側の幅w12とを等しくした。
これら実施例3について、実施例1と同じ条件でP/C試験を行った。さらに、このP/C試験では、第2保護膜31の第1保護膜16側の側面31dから、第2保護膜31と第1保護膜16との界面の状態を光学顕微鏡で観察し、第2保護膜31と第1保護膜16との剥離の状態を観察した。これらの結果を図7に示す。
図7に示す結果より、第2保護膜31の第1保護膜16側においては、第2保護膜31の上面31cの第1保護膜16側の幅w12が広くなるほど、当該幅w12の広さに比例して、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性が高くなることが確認された。また、第2保護膜31の上面31cの第1保護膜16側の幅w12が0.1mmを超えると、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性が高い状態で維持され、第2保護膜31と第1保護膜16との剥離はほぼ生じないことが確認された。第2保護膜31は、めっき膜13と第1保護膜16との境界20を覆うことができる程度に、第1保護膜16上に延在していればよいことがわかる。
一方、第2保護膜31のめっき膜13側においては、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11が広くなるほど、当該幅w11の広さに比例して、第2保護膜31とめっき膜13との密着性が高くなることが確認された。また、第2保護膜31とめっき膜13との密着性は、第2保護膜31と第1保護膜16との密着性よりも低いことが確認された。すなわち、第2保護膜31と第1保護膜16との間に比べて、第2保護膜31とめっき膜13との間にかかる応力が大きいことが確認された。これによって、第2保護膜31の上面31cのめっき膜13側の幅w11は、可能な限り広いことが好ましいことがわかる。
(実施例4)
次に、上述した実施例1〜3の結果を受けて、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1と、第2保護膜31の厚さ(膜厚)t3と、P/C耐量と、の関係について検証した。図8は、実施の形態にかかる半導体装置のP/C耐量を示す図表である。図9は、第2保護膜の寸法の使用範囲を示す特性図である。まず、上述した実施の形態にかかる半導体装置の製造方法にしたがって、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1と、第2保護膜31の厚さt3と、を種々変更した複数の試料を作製した(以下、実施例4とする)。
これら実施例4について、実施例1と同じ条件でP/C試験を行い、P/C耐量と、第2保護膜31の寸法の使用範囲60と、を取得した。その結果を図8,9に示す。P/C耐量とは、P/C試験において素子が誤動作や破壊を起こさない限界のサイクル数である。P/C耐量が50kサイクル以上である場合を良品(実使用に耐え得る信頼性を有する製品)と認定した。第2保護膜31の寸法の使用範囲60とは、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1と、第2保護膜31の厚さt3と、の両条件ともに良品と認定される範囲である。
図8に示す結果より、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1を10°以上80°以下の範囲内としたときに、P/C耐量を50kサイクル以上にすることができることが確認された。その理由は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1を上記範囲内とすることで、めっき膜13の熱膨張によって第2保護膜31に生じた熱応力による、第2保護膜31のめっき膜13側の端部への応力集中を緩和することができるからであると推測される。
また、図8に示す結果より、第2保護膜31の厚さt3を5μm以上0.8mm以下の範囲内としたときに、P/C耐量を50kサイクル以上にすることができることが確認された。第2保護膜31の厚さt3を5μm以上0.5mm以下の範囲内としたときに、P/C耐量を150kサイクル以上にすることができることが確認された。
さらに、図9に示すように、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が10°未満の範囲61では、プロセス上、第2保護膜31の形成が困難であるため、好ましくない。第2保護膜31の厚さt3が5μm未満の範囲63においても、上記範囲61と同じ理由から、好ましくない。また、第2保護膜31の厚さt3が5μm未満の範囲63では、第2保護膜31の強度が小さく、第2保護膜31のめっき膜13側の端部にかかる応力により、第2保護膜31が絶縁破壊に至る虞がある。
第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が80°を超える範囲62では、めっき膜13の熱膨張により第2保護膜31に生じた熱応力によって、第2保護膜31のめっき膜13側の端部にかかる応力が大きくなる。これにより、第2保護膜31がめっき膜13から剥離してしまうため、好ましくない。第2保護膜31の厚さt3が0.8mmを超える範囲64においても、上記範囲62と同様の理由から、好ましくない。
以上の結果から、第2保護膜31の寸法の使用範囲60は、第2保護膜31のめっき膜13側の側面31aの下面側角度θ1が10°以上80°以下の範囲内であり、かつ第2保護膜31の厚さt3が5μm以上0.8mm以下の範囲内であることが確認された。図9において、斜線でハッチングする部分は、プロセス上の理由と、第2保護膜31のめっき膜13側の端部にかかる応力が大きくなるという問題と、の両問題が生じる範囲である。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、端子ピンを用いた場合を例に説明しているが、端子ピンに代えて、ボンディングワイヤやリードフレームを用いてもよい。また、上述した実施の形態では、端子ピンがはんだ接合されるめっき膜をおもて面電極の表面に設ける場合を例に説明しているが、めっき膜に代えて、スパッタ法により形成された金属膜を設けてもよい。また、上述した実施の形態では、MOSFETを例に説明しているが、これに限らず、おもて面電極上に設けためっき膜と第1保護膜との境界を覆うように第2保護膜を備えた様々な半導体装置に適用可能である。また、本発明は、窒化ガリウム(GaN)などの他のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体装置や、シリコンを用いた半導体装置においても同様の効果を奏する。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる半導体装置およびモジュール型半導体装置は、スイッチングデバイスとして用いられる半導体装置に有用であり、特に炭化珪素を用いた半導体装置に適している。
1 n+型支持基板
2 n-型炭化珪素層
3 p型ベース領域
4 p型炭化珪素層
4a p型ベース領域
5 n+型ソース領域
6 p+型コンタクト領域
7 n型JFET領域
8 ゲート絶縁膜
9 ゲート電極
10 炭化珪素基板
11 層間絶縁膜
12 ソース電極
12a ソースパッド
12b ゲートパッド
13 めっき膜
14 はんだ層
15 端子ピン
16 第1保護膜
17 第2保護膜
18 ドレイン電極
19 封止樹脂
20 めっき膜と第1保護膜との境界
31,32 第2保護膜
31a,31a' 第2保護膜のめっき膜側の側面
31b 第2保護膜の下面
31c 第2保護膜の上面
31d 第2保護膜の第1保護膜側の側面
41 積層基板
42 絶縁基板
43 導電性板
44 銅箔
45 はんだ層
46 プリント基板
47 ベース基板
48,49 導電性板
51 レジストマスク
60 第2保護膜の寸法の使用範囲
61〜64 第2保護膜の寸法の使用しない範囲
w1 第2保護膜の上面の幅
w2 第2保護膜の下面の幅
w10 めっき膜と第1保護膜との境界から、めっき膜と端子ピンとの接合部までの幅
w11 第2保護膜の上面のめっき膜側の幅
w12 第2保護膜の上面の第1保護膜側の幅
θ1 第2保護膜のめっき膜側の側面の下面側角度
θ2 第2保護膜のめっき膜側の側面の上面側角度

Claims (15)

  1. 半導体基板に配置された半導体素子と、
    前記半導体基板のおもて面上に設けられ、前記半導体素子に電気的に接続された電極層と、
    前記電極層の表面上に選択的に設けられた電極膜と、
    前記電極膜にはんだ接合され、前記電極層の電位を外部に取り出す外部接続用端子と、
    前記電極層の表面上の前記電極膜以外の部分に、前記電極膜に接して設けられた第1保護膜と、
    前記電極膜と前記第1保護膜との境界を覆う第2保護膜と、
    を備え、
    前記第2保護膜の前記電極膜側の側面は、前記第2保護膜と前記電極膜とが接触する第1面に対して、前記第2保護膜の内部で鋭角となる第1角度をなしていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1角度は、10°以上80°以下であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2保護膜は、前記第1面に平行で、かつ前記第1面よりも幅の狭い第2面を有する台形状の断面形状であり、
    前記第2保護膜の前記電極膜側の側面は、前記第2面に対して、前記第2保護膜の内部で鈍角となる第2角度をなしていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2角度は、120°以上150°以下であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第2保護膜の前記第2面は、前記電極膜と前記第1保護膜との境界から前記第2保護膜の前記電極膜側の側面までの幅が0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記第2保護膜の厚さは、2μm以上0.8mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  7. 前記第2保護膜の厚さは、5μm以上であることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記第2保護膜は、ポリイミドまたはポリアミドで構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の半導体装置。
  9. 前記第1保護膜は、ポリイミドまたはポリアミドで構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体装置。
  10. 前記電極膜は、ニッケルめっき膜および金めっき膜を順に積層してなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の半導体装置。
  11. 前記第2保護膜の前記第2面および側面は、芳香族ポリアミド樹脂で覆われていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  12. 前記第2保護膜の前記第2面および側面の表面層の分子に官能基が接合されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の半導体装置。
  13. 前記半導体基板は、シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の半導体装置。
  14. 前記半導体基板は、炭化珪素からなることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか一つに記載の半導体装置を実装したモジュール型半導体装置であって、
    積層基板の表面上に設けられた導電性板と、
    前記導電性板に、裏面が接合された前記半導体基板と、
    前記積層基板の周囲を囲む樹脂ケースと、
    前記樹脂ケースの内部に充填され、前記半導体基板のおもて面を覆う封止樹脂と、
    を備えることを特徴とするモジュール型半導体装置。
JP2016204332A 2016-10-18 2016-10-18 半導体装置およびモジュール型半導体装置 Active JP6822056B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016204332A JP6822056B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 半導体装置およびモジュール型半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016204332A JP6822056B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 半導体装置およびモジュール型半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018067592A true JP2018067592A (ja) 2018-04-26
JP6822056B2 JP6822056B2 (ja) 2021-01-27

Family

ID=62086287

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016204332A Active JP6822056B2 (ja) 2016-10-18 2016-10-18 半導体装置およびモジュール型半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6822056B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018113428A (ja) * 2017-01-06 2018-07-19 富士電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法
US11495509B2 (en) 2020-05-15 2022-11-08 Denso Corporation Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
US11824024B2 (en) 2019-05-13 2023-11-21 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor module and method of manufacturing semiconductor module
JP7452040B2 (ja) 2020-01-30 2024-03-19 富士電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007158113A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Toyota Motor Corp 半導体装置とその製造方法
JP2015023183A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 三菱電機株式会社 パワーモジュール
JP2016111290A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 三菱電機株式会社 半導体素子、半導体装置および半導体素子の製造方法
WO2016111127A1 (ja) * 2015-01-07 2016-07-14 株式会社日立製作所 パワー半導体モジュール装置及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007158113A (ja) * 2005-12-06 2007-06-21 Toyota Motor Corp 半導体装置とその製造方法
JP2015023183A (ja) * 2013-07-19 2015-02-02 三菱電機株式会社 パワーモジュール
JP2016111290A (ja) * 2014-12-10 2016-06-20 三菱電機株式会社 半導体素子、半導体装置および半導体素子の製造方法
WO2016111127A1 (ja) * 2015-01-07 2016-07-14 株式会社日立製作所 パワー半導体モジュール装置及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018113428A (ja) * 2017-01-06 2018-07-19 富士電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法
US11824024B2 (en) 2019-05-13 2023-11-21 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor module and method of manufacturing semiconductor module
JP7472435B2 (ja) 2019-05-13 2024-04-23 富士電機株式会社 半導体モジュールの製造方法
JP7452040B2 (ja) 2020-01-30 2024-03-19 富士電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法
US11495509B2 (en) 2020-05-15 2022-11-08 Denso Corporation Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6822056B2 (ja) 2021-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101024474B1 (ko) 전극 구조 및 반도체 장치
CN105103272B (zh) 半导体装置的制造方法
JP6264230B2 (ja) 半導体装置
US11456359B2 (en) Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP2018067592A (ja) 半導体装置およびモジュール型半導体装置
JP6347309B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
US10079155B2 (en) Semiconductor device manufacturing method
US20060081996A1 (en) Semiconductor device having aluminum electrode and metallic electrode
JP2009532914A (ja) 薄いダイ及び金属基板を使用する半導体ダイ・パッケージ
JP2010182807A (ja) 半導体装置の製造方法
TW201826394A (zh) 半導體裝置及其製造方法
CN107430999B (zh) 半导体装置及其制造方法
US11658093B2 (en) Semiconductor element with electrode having first section and second sections in contact with the first section, and semiconductor device
US10892253B2 (en) Semiconductor device manufacturing method and semiconductor device
US7368380B2 (en) Method of manufacturing semiconductor device
US11538734B2 (en) Power semiconductor package with highly reliable chip topside
US10651119B2 (en) Semiconductor module and method of manufacturing semiconductor module
JP4604633B2 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2018113428A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
US20230317649A1 (en) Semiconductor device and semiconductor module
US20240096990A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP2022188994A (ja) 半導体装置
CN115966600A (zh) 半导体装置及半导体装置的制造方法
JP2022125387A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JPWO2020144790A1 (ja) 電力用半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200731

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201208

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6822056

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250