JPWO2020144790A1 - 電力用半導体装置 - Google Patents

電力用半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020144790A1
JPWO2020144790A1 JP2019516715A JP2019516715A JPWO2020144790A1 JP WO2020144790 A1 JPWO2020144790 A1 JP WO2020144790A1 JP 2019516715 A JP2019516715 A JP 2019516715A JP 2019516715 A JP2019516715 A JP 2019516715A JP WO2020144790 A1 JPWO2020144790 A1 JP WO2020144790A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode layer
power semiconductor
semiconductor device
layer
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019516715A
Other languages
English (en)
Inventor
基 吉田
基 吉田
佐藤 祐司
祐司 佐藤
藤田 淳
藤田  淳
須賀原 和之
和之 須賀原
明 清井
明 清井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2020144790A1 publication Critical patent/JPWO2020144790A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/28Manufacture of electrodes on semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/268

Abstract

アルミニウム電極層(2)は、素子基板(1)上に設けられており、アルミニウムを主成分とする材料からなる。銅電極層(5)は、アルミニウム電極層(2)上に設けられており、銅を主成分とする材料からなる。テーパ領域(3)は、アルミニウム電極層(2)と銅電極層(5)との間に設けられており、銅を含有する材料からなり、銅電極層(5)からアルミニウム電極層(2)へ向かっての厚み方向においてテーパ形状を有している。

Description

本発明は、電力用半導体装置に関するものである。
国際公開第2016/143557号(特許文献1)によれば、表面電極が設けられた電力用半導体装置が開示されている。表面電極は、Al層と、その上のCu層とを有している。Cu層には、Cuを主成分とするワイヤがボンディングされている。電力用半導体装置としては、Si(シリコン)製のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:Insulated Gate Bipolar Transistor)、およびMOSFET(金属・酸化物・半導体・電界効果トランジスタ:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などが例示されている。またSiに代わって、SiC(炭化珪素)、GaN(窒化ガリウム)およびダイヤモンドなどのワイドバンドギャップ半導体を用い得ることが開示されている。
国際公開第2016/143557号
ワイドバンドギャップ半導体は高耐熱性を有しているので、それを用いて電力用半導体装置を高温、例えば200℃以上、で動作させることが期待される。電力用半導体装置を高温で動作させるためには、半導体領域が高耐熱性を有するだけでなく、装置全体として高耐熱性を有する必要がある。上記半導体装置を高温で動作させると、Al層(アルミニウム電極層)とCu層(銅電極層)との間での線膨張係数の違いに起因して応力が発生する。Cuに比してAlは低い融点を有しており、Alの再結晶温度は200℃未満である。よって、軟化したアルミニウム電極層に上記応力が加わることによって、アルミニウム電極層のほぼ全体に変形が生じることがある。この現象はAlスライドとも称される。なおAlスライドは、LSI(大規模集積回路:Large Scale Integrated Circuit)のように集積度が高く微細な配線を有する半導体装置においてはほとんど問題とならず、比較的大きな電流を流すことができる電極構造を要する装置である電力用半導体装置に特有の問題である。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、応力に起因してのアルミニウム電極層の変形を抑制することができる電力用半導体装置を提供することである。
本発明の電力用半導体装置は、素子基板と、アルミニウム電極層と、銅電極層と、少なくとも1つのテーパ領域とを有している。アルミニウム電極層は、素子基板上に設けられており、アルミニウムを主成分とする材料からなる。銅電極層は、アルミニウム電極層上に設けられており、銅を主成分とする材料からなる。テーパ領域は、アルミニウム電極層と銅電極層との間に設けられており、銅を含有する材料からなり、銅電極層からアルミニウム電極層へ向かっての厚み方向においてテーパ形状を有している。
本発明によれば、銅を含有する材料からなり、銅電極層からアルミニウム電極層へ向かうテーパ形状を有するテーパ領域が設けられる。これにより、熱応力に起因してのアルミニウム電極層の変形が抑制される。よって、高温で動作される電力用半導体装置の信頼性を高めることができる。
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本発明の実施の形態1における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。 図1の一部拡大図である。 本発明の実施の形態1における電力用半導体装置の製造方法の第1の工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における電力用半導体装置の製造方法の第2の工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における電力用半導体装置の製造方法の第3の工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における電力用半導体装置の構成を概略的に示す平面図である。 図7の第1の変形例を示す図である。 図7の第2の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態4における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。 図10の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態5における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。 図12の第1の変形例を示す図である。 図12の第2の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態6における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態7における電力用半導体装置の構成を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
<実施の形態1>
(構成)
図1は、本実施の形態1におけるパワー半導体チップ101(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ101は、素子基板1と、アルミニウム電極層2と、銅電極層5と、少なくとも1つのテーパ領域3(本実施の形態においては複数のテーパ領域3)とを有している。素子基板1には素子構造が設けられている。素子構造は、詳しくは後述するが、例えば、MOS(金属・酸化物・半導体:Metal Oxide Semiconductor)構造を含む。素子基板1は、100μm以上350μm以下の厚みを有することが好ましい。素子基板1のうち半導体からなる部分は、100μm以下の厚みを有することが好ましい。パワー半導体チップ101はさらに、樹脂膜4を有していることが好ましい。
アルミニウム電極層2は、素子基板1上に設けられており、素子基板1と電気的に接続されている。アルミニウム電極層2は、Al(アルミニウム)を主成分とする材料からなる。Alを主成分とする材料とは、具体的には、原子比でAlを90%以上含有する材料のことであり、原子比で他の元素を10%以下含有してもよい。アルミニウム電極層2は、合金からなっていてよく、例えば、Al−Si合金またはAl−Cu合金からなる。アルミニウム電極層2は、0.5μm以上5μm以下の厚みを有することが好ましく、1μm以上5μm以下の厚みを有することがより好ましい。
樹脂膜4は、アルミニウム電極層2の一部の上に設けられており、アルミニウム電極層2上に開口部を有している。樹脂膜4は、例えば、ポリイミドなどのエポキシ樹脂、またはアクリル樹脂からなる。樹脂膜4は、3μm以上100μm以下の厚みを有することが好ましく、5μm以上50μm以下の厚みを有することがより好ましい。
銅電極層5はアルミニウム電極層2上に設けられている。銅電極層5は樹脂膜4に接している。銅電極層5の少なくとも一部は、樹脂膜4の開口部の中に配置されており、図1においては、銅電極層5の全体が樹脂膜4の開口部の中に配置されている。これにより銅電極層5が露出面を有しており、この露出面に、パワー半導体チップ101への電圧印加等を目的としたリード電極(後述する図15におけるリード電極14参照)などの電極が接続されることになる。なお、変形例として、銅電極層5の上面の一部が樹脂膜4に被覆されていてもよい。
銅電極層5は、Cu(銅)を主成分とする材料からなる。Cuを主成分とする材料とは、具体的には、原子比でCuを90%以上含有する材料のことであり、原子比で他の元素を10%以下含有してもよい。銅電極層5は、純銅からなっていてもよく、あるいは、Cu合金からなっていてもよい。Cu合金は、例えば、Ni(ニッケル)を含有していてよい。銅電極層5は、1μm以上30μm以下の厚みを有することが好ましく、5μm以上30μm以下の厚みを有することがより好しい。
なお、アルミニウム電極層2および銅電極層5の各々の成分(元素の含有比)は、これらの界面での相互拡散がおおよそ無視できる位置での値によって評価されるものとする。言い換えれば、微視的に見た場合に、アルミニウム電極層2と銅電極層5との間に、両者の中間的な組成を有する界面層(図示せず)が存在してよい。
アルミニウム電極層2と銅電極層5との界面は、0.1μm以上0.5μm以下の凹凸を有していることが好ましい。このような界面は、例えば、銅電極層5のうち少なくともアルミニウム電極層2上(図中、アルミニウム電極層2の上面上)の部分が、0.1μm以上0.5μm以下の平均結晶粒を有することによって容易に得られる。なお、銅電極層5の結晶粒の大きさは、例えば、銅電極層5の顕微鏡写真上の直線上に含まれる結晶の数を、この直線の長さで割ることによって計測される。
テーパ領域3は、アルミニウム電極層2と銅電極層5との間に設けられており、銅電極層5からアルミニウム電極層2へ向かっての厚み方向(深さ方向)においてテーパ形状を有している。図中の断面において、テーパ領域3の幅は、銅電極層5からアルミニウム電極層2へ向かっての厚み方向において、徐々に小さくなっている。テーパ領域3の形状は、銅電極層5からアルミニウム電極層2へ向かっての厚み方向において、厚み方向に垂直な断面積が小さくなるような杭状であってよい。テーパ領域3は、アルミニウム電極層2の上面部に埋め込まれている。本実施の形態においては、テーパ領域3と素子基板1との間はアルミニウム電極層2によって隔てられている。テーパ領域3は、Cuを含有する材料からなる。テーパ領域3は、少なくともアルミニウム電極層2に接する部分において、銅電極層5に比して高いAl含有比(原子比)と、銅電極層5に比して低いCu含有比とを有している。なお本明細書において、含有比は、原子比によるものである。テーパ領域3は、少なくともアルミニウム電極層2に接する部分において、CuおよびAlを含有する合金からなる。なおテーパ領域3の一部は合金でなくてもよく、例えば、アルミニウム電極層2から離れた、テーパ領域3の中心あたりは、純銅からなっていてもよい。テーパ領域3は、例えば、めっき膜である。
テーパ領域3の深さ(厚み)は、0.1μm以上5μm以下であることが好ましく、本実施の形態においては0.1μm以上5μm以下であってよい。テーパ領域3は、銅電極層5上(図中、銅電極層5の下面上)で、0.1μm以上1.0μm以下の幅(図中、横方向の寸法)を有することが好ましい。
図2は、図1の一部拡大図である。素子基板1は、本実施の形態においては、単結晶基板22と、ドリフト層23と、ウェル領域24と、ソース領域25と、コンタクト領域26と、ゲート絶縁膜32と、ゲート電極27と、層間絶縁膜28と、シリサイド膜30と、下地層29と、ドレイン電極21と、を有している。
単結晶基板22は、ワイドバンドギャップ半導体からなることが好ましく、例えばSiC(炭化珪素)基板である。またドリフト層23も、ワイドバンドギャップ半導体からなることが好ましく、例えばSiC層である。ワイドバンドギャップ半導体は、Si(シリコン)に比べて、より大きなバンドギャップを有している。これにより、より大きな絶縁破壊電界強度が得られる。また、パワー半導体チップ101に流れる電流密度を、より大きくすることができる。その場合、銅電極層5に流れる電流容量も大きくなるので、銅電極層5の最大許容電流密度および放熱性の観点などから、銅電極層5の厚みは5μm以上が望ましい。
素子基板1は、上記構成を有することによって、図中における上面上に、MOS構造を含む素子構造を有している。このMOS構造は、層間絶縁膜28によって被覆されたゲート電極27を有しており、この部分は、素子基板1の上面上における突出部である。この突出部から外れて、層間絶縁膜28およびゲート絶縁膜32を貫通するソースコンタクトホール33が設けられている。ソースコンタクトホール33が設けられることによって、素子基板1の上面上に凹部34が設けられている。以上のように、素子基板1は、MOS構造が設けられることによって、素子基板1の上面上に、少なくとも1つの凹部34(本実施の形態においては複数の凹部34)を有している。
テーパ領域3は凹部34の上方に配置されている。具体的には、テーパ領域3の平面位置と、凹部34の平面位置とが、おおよそ一致している。ここで平面位置とは、パワー半導体チップ101の厚み方向に垂直な平面上での位置のことである。言い換えれば、平面レイアウトにおいて、テーパ領域3と、凹部34とが、おおよそ重なっている。
下地層29は、例えばTi層である。なお下地層29は、Ti層と、バリアメタル層との積層膜であってもよい。バリアメタル層は、例えば、TiN、Ta、W、WN、またはTiWからなる。ドレイン電極21は単結晶基板22の裏面に設けられている。
なお、図2に示されたパワー半導体チップ101はMOSFETであるが、電力用半導体装置はMOSFETに限定されるものではなく、例えばIGBTであってもよい。また、MOSFETまたはIGBTの素子構造はMOS構造を含むが、素子構造は必ずしもMOS構造を含む必要はなく、代わりに他の素子構造(例えば、ダイオード構造)を含むものであってもよい。このように他の構造を有することによって、電力用半導体装置は、ショットキーバリアダイオード、JFET(Junction Field Effect Transistor)、またはpnダイオードなどであってもよい。
(製造方法の例)
図3〜図5は、パワー半導体チップ101の製造方法の一例における第1〜第3の工程を概略的に示す断面図である。
図3を参照して、単結晶基板22としてSiC基板が準備される。このSiC基板は、例えば、厚み50μm〜500μmを有し、n型不純物を1×1019cm−3〜1×1021cm−3の範囲で含む。単結晶基板22一方の主面(図中、上面)上におけるエピタキシャル成長によって、エピタキシャル層が形成される。言い換えれば、n型のドリフト層23が形成される。例えば、厚み1μm〜60μmを有し、n型不純物を1×1015cm−3〜1×1017cm−3の範囲で含むSiC層が、CVD(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)法によって形成される。なお、ドリフト層23の必要な厚みは、パワー半導体チップ101に必要な耐圧(使用電圧)によって決まる。
ドリフト層23上に、後にウェル領域24となる領域を露出する開口部を有するレジストマスクが、写真製版(フォトリソグラフィー)技術を用いて形成される。このレジストマスクは、不純物注入阻止マスクとして使用される。当該レジストマスクの上方から、p型不純物のイオン注入が行われる。これにより、ドリフト層23の上層部にウェル領域24が選択的に形成される。ウェル領域24の厚みは、例えば0.5μm〜2.0μmである。p型不純物は、例えばAlである。ウェル領域24の不純物濃度は、例えば1×1017cm−3〜5×1017cm−3の範囲に設定される。その後、レジストマスクが除去される。
次に、後にソース領域25となる領域を露出する開口部を有する新たなレジストマスクが、写真製版技術を用いて形成される。このレジストマスクも不純物注入阻止マスクとして使用される。当該レジストマスクの上方から、n型不純物のイオン注入が行われる。これにより、ウェル領域24の上層部にソース領域25が形成される。ソース領域25の厚みは、例えば0.5μm〜2.0μmである。n型不純物は、例えばN(窒素)である。ソース領域25の不純物濃度は、例えば1×1018cm−3〜1×1021cm−3の範囲に設定される。その後、レジストマスクが除去される。
次に、後にコンタクト領域となる領域を露出する開口部を有する新たなレジストマスクが、写真製版技術を用いて形成される。このレジストマスクも不純物注入阻止マスクとして使用される。当該レジストマスクの上方からp型不純物のイオン注入が行われる。これにより、ソース領域25の中央部にコンタクト領域26が形成される。コンタクト領域26の厚みは、例えば0.2μm〜0.5μmである。p型不純物は、例えばAlである。コンタクト領域26の不純物濃度は、例えば1×1018cm−3〜1×1021cm−3の範囲内に設定される。その後、レジストマスクが除去される。
次に、注入されたn型およびp型不純物を活性化するために、1500℃以上での高温アニール処理が施される。なお、上述したイオン注入工程の順番は、任意に入れ替えられてよい。
次に、例えばCVD法により、ドリフト層23上に酸化膜(SiO)が形成される。酸化膜の厚みは0.5μm〜2μmに設定される。その後、写真製版技術を用いて、セル配置領域を露出する開口部を有するエッチングマスクが形成される。当該エッチングマスクを用いて、セル配置領域の酸化膜がエッチングにより除去される。その後、エピタキシャル層(単結晶基板22上の半導体層)の表面のうち開口部によって露出された部分が、酸素または水蒸気を含む1000℃程度の雰囲気に曝される。これにより生じる熱酸化によって、熱酸化膜(SiO)からなるゲート絶縁膜32が形成される。
なお、上記では、ゲート絶縁膜32が熱酸化膜であるものとして説明したが、ゲート絶縁膜32は、CVD法で形成された酸化膜でもよいし、熱酸化膜と、CVD法で形成した酸化膜との積層膜であってもよい。また、ゲート絶縁膜32の表面が窒化されてもよい。この窒化は、ゲート絶縁膜32の堆積後、1000℃以上の高温での、一酸化窒素(NO)または二酸化窒素(NO)ガス中でのアニールにより行うことができる。
次に、CVD法により、ゲート絶縁膜32上に、ゲート電極27として、P(リン)を1×1019〜1×1021cm−3の範囲で含む多結晶シリコン膜が形成される。ゲート電極27の厚みは、例えば300nm〜600nmの範囲に設定される。なお、ゲート電極27は、B(硼素)を含んだp型の多結晶シリコンで形成されてもよい。
次に、写真製版技術を用いて、ソース領域25の上方およびコンタクト領域26の上方に開口部を有するエッチングマスクが形成される。当該エッチングマスクを用いたエッチングによって、ゲート電極27のうち開口部において露出された部分が除去される。
次に層間絶縁膜28が形成される。まず、上述した構成が設けられた単結晶基板22の全面に、例えばCVD法により、厚み0.5〜5μmのシリコン酸化膜が形成される、続いて、写真製版技術を用いて、コンタクト領域26の上方、およびその周囲のソース領域25の上方の層間絶縁膜28を露出する開口部を有するエッチングマスクが形成される。当該エッチングマスクを用いたエッチングによって、層間絶縁膜28およびその下のゲート絶縁膜32のうち開口部において露出された部分が除去される。これにより、ソース領域25の一部およびコンタクト領域26を露出するソースコンタクトホール33が形成される。その後、エッチングマスクが除去される。
次に、上述した構成が設けられた単結晶基板22の全面に、例えばスパッタ法により、厚み50nm〜300nm程度のNi膜が形成される。次に、アニール処理が施される。これにより、ソースコンタクトホール33の底面で露出したソース領域25およびコンタクト領域26と、Ni膜との間で、シリサイド化反応が生じる。その結果、ソースコンタクトホール33においてソース領域25およびコンタクト領域26上に金属シリサイド膜(ここではNiSi膜)が形成される。次に、例えば硫酸または塩酸を含む酸溶液で単結晶基板22(ここではSiC基板)を洗浄することにより、シリサイド化反応におけるNi膜の未反応部分が除去される。これにより、図3に示されたシリサイド膜30が形成される。
その後、単結晶基板22の裏面にドレイン電極21が形成される。具体的には、まず、単結晶基板22の裏面上に、スパッタ法により、厚み100nm〜500nmのNi膜が形成される。次に、このNi膜が、アニールによってシリサイド化される。
次に、ソースコンタクトホール33の底面および層間絶縁膜28の上に、下地層29としてのTi層が、例えばスパッタ法により形成される。Ti層はソースコンタクトホール33の底面上でシリサイド膜30に接する。Ti層の膜厚は、例えば30nm〜100nmである。
図4を参照して、素子基板1の下地層29上にアルミニウム電極層2が、例えばスパッタ法により形成される。続いて、写真製版技術およびエッチング処理により、アルミニウム電極層2にパターン(図示せず)が付与される。
次に、上述した構成が設けられた単結晶基板22上に樹脂膜4(図1参照)が形成される。そして、写真製版技術およびエッチング処理により、樹脂膜4がパターニングされる。
その後、スパッタ法等により、ドレイン電極21の表面上に表面金属層が形成されてよい。例えば、膜厚150nmの金(Au)膜、または、膜厚500nmのNi膜と膜厚150nmのAu膜との積層膜が形成される。
以上により、図4に示されているように、MOS構造の存在(より具体的には、ソースコンタクトホール33の存在)に起因しての凹部34が設けられた上面を有する素子基板1と、この上面上に配置されたアルミニウム電極層2との積層構造が得られる。凹部34に起因して、アルミニウム電極層2の表面に凹み31Aが形成される。その後、樹脂膜4(図1参照)の開口部において、アルミニウム電極層2の表面に対してウェットエッチング処理が行われる。
さらに図5を参照して、上記ウェットエッチングの際、凹み31A(図4)を起点としてのエッチングによってテーパ状凹み31B(図5)が形成される。このウェットエッチングにおいて、凹み31Aのより深い位置に比して凹み31Aのより浅い位置の方が、エッチング液が侵入しやすい。よって、凹み31Aのより深い位置に比して凹み31Aのより浅い位置の方が、横方向のエッチングがより進行する。横方向におけるエッチング速度の相違によって、テーパ状凹み31Bは、深さ方向(図5における下方向)へ向かってテーパ形状を有する。言い換えれば、テーパ状凹み31Bは、深さ方向に垂直な断面積が、深い位置ほど小さくなるように形成される。テーパ状凹み31Bの深さは、0.1μm〜5.0μm程度である。
さらに図2を参照して、アルミニウム電極層2の、テーパ状凹み31B(図5)を有する上面上へ、銅電極層5の材料が堆積される。この成膜によって、テーパ状凹み31Bの外部においては、アルミニウム電極層2上に銅電極層5が形成される。同時に、上記材料がテーパ状凹み31B(図5)を埋めることよって、テーパ領域3(図2)が形成される。この成膜時に、テーパ状凹み31B内に埋め込まれた材料と、アルミニウム電極層2との間で、元素の相互拡散が生じる。その結果、テーパ領域3は、少なくともアルミニウム電極層2に接する部分において、銅電極層5に比して高いAl含有比(原子比)と、銅電極層5に比して低いCu含有比とを有する。またテーパ領域3は、少なくともアルミニウム電極層2に接する部分において、CuおよびAlを含有する合金からなる。
なお、上記の相互拡散は、テーパ領域3の全体に到達してもよく、あるいはテーパ領域3の一部にのみ到達してもよい。後者の場合、テーパ領域3のうちアルミニウム電極層2から離れた部分は、合金化されなくてもよく、例えば純銅であってもよい。
アルミニウム電極層2の成膜方法は、例えば、PVD(物理蒸着:Physical Vapor Deposition)法(特にスパッタ法)、またはめっき法である。例えば、スパッタ法の場合、上述した相互拡散は、スパッタ時のエネルギーによって生じ得る。また、めっき法の場合、上述した相互拡散は、めっき時の置換作用によって生じ得る。めっき法としては、電解めっき法、または無電解めっき法が用いられる。電解めっき法の場合、めっき工程の前に、PVD法でシード層を形成する必要がある。無電解めっき法の場合、銅電極層5の結晶粒の大きさは、0.1μm〜0.5μm程度の微結晶となる。
以上の工程により、パワー半導体チップ101(図1および図2)が完成される。
(効果)
本実施の形態によれば、Cuを含有する材料からなり、銅電極層5からアルミニウム電極層2へ向かうテーパ形状を有するテーパ領域3が設けられる。テーパ領域3と銅電極層5とは、ともにCuを含有しており、よって互いに強固に結合されている。よって、テーパ領域3は、銅電極層5にとって、深さ方向においてアルミニウム電極層2中へ埋め込まれたアンカーとして機能する。よってアルミニウム電極層2の横方向(面内方向)の変形が抑制される。さらに、テーパ領域3がテーパ形状を有していることから、テーパ領域3の側壁上において、縦方向(厚み方向)の応力が受け止められる。これにより、縦方向の応力に対する耐性も高められると考えられる。以上から、熱応力に起因してのアルミニウム電極層2の変形、すなわちAlスライド現象、が抑制される。よって、高温で動作されるパワー半導体チップ101の信頼性を高めることができる。
テーパ領域3は、少なくともアルミニウム電極層2に接する部分において、原子比でのAlの含有比が銅電極層5に比して高くかつ、原子比でのCuの含有比が銅電極層5に比して低い。これにより、テーパ領域3の当該部分は、アルミニウム電極層2と銅電極層5との間の相互拡散領域として形成され得る。よって、テーパ領域3の当該部分と、アルミニウム電極層2との間の密着性が高められる。よって、Alスライド現象がより確実に抑制される。
素子基板1は、素子構造が設けられることによって凹部34を有しており、テーパ領域3は凹部34の上方に配置されている。このような配置の場合、以下に述べる製造方法を用いることができるので、テーパ領域3を容易に形成することができる。まず、図4に示されたように、素子基板1の凹部34に起因して、アルミニウム電極層2の表面に凹み31Aが形成される。凹み31Aを起点としてのエッチングによってテーパ形状が形成されることによって、テーパ状凹み31B(図5)が形成される。このテーパ状凹み31Bを埋める成膜によって、テーパ領域3(図2)が形成される。
テーパ領域3は、めっき膜からなることが好ましい。これにより、アルミニウム電極層2に形成されたテーパ状凹み31B中への成膜によってテーパ領域3が形成される場合に、凹部中への成膜を容易に行うことができる。
銅電極層5のうち少なくともアルミニウム電極層2上の部分は、0.1μm以上0.5μm以下の平均結晶粒を有していることが好ましい。これにより銅電極層5と他の部材、特に樹脂膜4、との接合強度を高めることができる。
素子基板1のうち半導体からなる部分(すなわち、単結晶基板22とその上の半導体層との積層体)は、100μm以下の厚みを有することが好ましい。これにより、素子基板1からアルミニウム電極層2に加わる応力が小さくなる。よって、Alスライド現象が、より抑制される。
単結晶基板22がSiC基板である場合、言い換えればパワー半導体チップ101がSiC半導体装置である場合、一般的なSi基板を用いた電力用半導体装置に比して、通常、より高温での動作(例えば200℃以上)が期待される。高温での動作を伴う場合はAlスライド現象が生じやすいところ、本実施の形態によれば、それを効果的に抑制することができる。
<実施の形態2>
(構成)
図6は、本実施の形態2におけるパワー半導体チップ102(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ102においては、銅電極層5は、下層5a(第1の層)と、上層5b(第2の層)とを有している。下層5aはアルミニウム電極層2に接している。上層5bは下層5a上に配置されている。上層5bの平均粒径は下層5aの平均粒径よりも小さい。下層5a、言い換えれば、銅電極層5のうちアルミニウム電極層2上の部分、は、0.1μm以上0.5μm以下の平均結晶粒を有する微結晶からなることが好ましい。上層5bは、結晶粒の大きさが0.1μm以下の、より小さい結晶からなることが好ましい。上層5bの結晶粒の大きさの下限は特に限定されないが、上層5bは、非アモルファスの(言い換えれば、結晶性を有する)材料からなる。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
(製造方法の例)
まず、前述した図5までの工程が、実施の形態1と同様に行われる。次に、アルミニウム電極層2上に銅電極層5の下層5aが形成される。そして、下層5a上に上層5bが形成される。下層5aおよび上層5bの各々の成膜は、めっき法またはPVD法によって行われ得る。なおPVD法の場合は、写真製版およびエッチングにより、成膜後のパターニングが行われる。
PVD法または無電解めっき法においては、成膜温度を高めるほど、より大きな結晶粒が得られる。また電解めっき法においては、電流密度が低いほど、より大きな結晶粒が得られる。よって、下層5aの成膜条件としては、相対的に、高めの成膜温度、または低めの電流密度が選択される。逆に、上層5bの成膜条件としては、PVD法または無電解めっき法における低めの成膜温度、または、電解めっき法における高めの電流密度が選択される。
(効果)
本実施の形態によれば、銅電極層5において、上層5bの平均粒径は下層5aの平均粒径よりも小さい。これにより、以下の理由から、より耐熱性に優れたパワー半導体チップ102を得ることができる。
具体的には、下層5aが0.1μm以上0.5μm以下の平均結晶粒を有することにより、銅電極層5と他の部材、特に樹脂膜4、との密着性を高めることができる。これにより、200℃程度以上の高温動作時に発生する応力に対してのパワー半導体チップ102の耐性が向上する。仮に銅電極層5と樹脂膜4との間の密着性が不足すると、銅電極層5と樹脂膜4との間に空間ができやすくなる。空間ができると、そこを伝って、アルミニウム電極層2と銅電極層5と樹脂膜4との3重点付近に酸化膜が形成される。その酸化膜により、樹脂膜4の端部に応力が発生する。この応力により、樹脂膜4が剥離することがある。
上層5bの平均粒径は下層5aの平均粒径よりも小さい。これにより、アルミニウム電極層2との界面部分をなす下層5aにおいては、ある程度大きな平均粒径を用いつつ、他の金属部材(例えばリード電極等のモジュール部材(図6において図示せず))が接合されることになる上層5bにおいては、金属部材との接合強度が高まるよう、小さな平均粒径を用いることができる。これにより、200℃程度以上の高温動作時に発生する応力に対してのパワー半導体チップ102の耐性が向上する。
<実施の形態3>
図7は、本実施の形態3におけるパワー半導体チップ103(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す平面図である。なお、図7と、後述する図8および図9とにおいては、説明の便宜上、銅電極層の図示が省略されている。
パワー半導体チップ103においては、テーパ領域3は、銅電極層5(図1参照)の下面上で、円形形状を有している。これにより、テーパ領域3の各々は面内方向において異方性を有しない。よって、すべての方位においてアルミニウム電極層2の変位を効果的に抑制することができる。なおテーパ領域3の形状は、実施の形態1で説明した理由から、ソースコンタクトホール33(図2)の形状(より一般的に言えば凹部34の形状)によって決定され得る。なお、これ以外の構成については、上述した実施の形態1または2の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図8は、本実施の形態の第1の変形例のパワー半導体チップ104(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す平面図である。パワー半導体チップ104は、周期的に配置された複数のテーパ領域3を有している。これにより、Alスライド現象に対して局所的に弱い箇所が存在しにくくなる。また複数のテーパ領域3は、銅電極層5(図1参照)の下面上で、共通の形状(本変形例においては円形)および大きさ(本変形例においては直径)を有している。これにより、各テーパ領域3によるAlスライド現象の抑制効果がほぼ同様となる。よって、Alスライド現象に対して局所的に弱い箇所が存在しにくくなる。
図9は、本実施の形態の第2の変形例のパワー半導体チップ105(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す平面図である。パワー半導体チップ105においては、テーパ領域3の各々はスリット形状を有している。図中においては、各テーパ領域3が縦方向に延在している。これによりテーパ領域3によるAlスライドの抑止効果に異方性が付与される。よって、Alスライドに異方性がある場合において、スリット形状の延在方向を調整することによって、Alスライドへの耐性をより向上させることができる。また複数のテーパ領域3は、銅電極層5の下面上で共通の形状(本変形例においてはスリット形状)および大きさ(本変形例においては延在長さおよび幅)を有している。これにより、各テーパ領域3によるAlスライド現象の抑制効果がほぼ同様となる。よって、Alスライド現象に対して局所的に弱い箇所が存在しにくくなる。またパワー半導体チップ105は、周期的に配置された複数のテーパ領域3を有している。これにより、Alスライド現象に対して局所的に弱い箇所が存在しにくくなる。
なおスリット形状を有するテーパ領域3は、実施の形態1で説明した理由から、ソースコンタクトホール33(図2)(より一般的に言えば凹部34)がスリット形状を有することによって得ることができる。
<実施の形態4>
図10は、本実施の形態4におけるパワー半導体チップ106(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ106においては、テーパ領域3の各々の大きさ(断面視における幅および深さ)と、テーパ領域3間の距離とがランダムである。この構成を得るためには、ソースコンタクトホール33(図3)(より一般的に言えば凹部34)の大きさおよび配列がランダムとされる。これにより、凹み31A(図4)の大きさおよび配列がランダムとなる。よって、エッチングによって得られるテーパ状凹み31B(図5)の大きさ(断面視における幅および深さ)と、テーパ状凹み31B間の距離とがランダムとなる。これに対応して、上記のようなテーパ領域3が得られる。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜3の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図11は、本実施の形態の変形例のパワー半導体チップ107(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ107においては、テーパ領域3の各々の大きさ(断面視における幅および深さ)と、テーパ領域3間の距離とが均一である。
<実施の形態5>
図12は、本実施の形態5におけるパワー半導体チップ108(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す平面図である。パワー半導体チップ108においては、テーパ領域3は、アルミニウム電極層2を貫通して素子基板1に到達している。テーパ領域3の各々は、素子基板1上において、ある程度の幅を有している。言い換えれば、テーパ領域3は、素子基板1上において、実質的な面積を有している。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1〜4の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図13は、本実施の形態の第1の変形例のパワー半導体チップ109(電力用半導体装置)を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ109においては、テーパ領域3は、アルミニウム電極層2を貫通して素子基板1にちょうど到達している。テーパ領域3の各々は、素子基板1上において、実質的に幅を有していない。言い換えれば、テーパ領域3は、素子基板1上において、実質的な面積を有していない。
図14は、本実施の形態の第2の変形例のパワー半導体チップ110(電力用半導体装置)を概略的に示す断面図である。パワー半導体チップ110においては、銅電極層5の下面上において、隣り合うテーパ領域3が互いに接触している。
<実施の形態6>
図15は、本実施の形態6におけるパワーモジュール501(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワーモジュール501は、パワー半導体チップ102と、絶縁基板200と、リード電極14と、焼結金属層10(第1の焼結金属層)と、焼結金属層13(第2の焼結金属層)と、焼結金属層16と、冷却器17とを有している。
絶縁基板200は、下面および上面を有する絶縁板210と、絶縁板210の下面上の導体板211と、絶縁板210の上面上の導体板212とを有している。
絶縁板210は絶縁体セラミックスからなる。この絶縁体セラミックスは、熱の良導体であることが好ましく、例えば、窒化珪素、窒化アルミニウムまたはアルミナである。絶縁板210が窒化珪素からなる場合、その厚みは、例えば0.1mm〜1.00mm程度である。導体板211,212は、例えば銅板である。
焼結金属層10は導体板212を素子基板1(具体的には、ドレイン電極21(図2参照))へ接合している。焼結金属層13は、リード電極14をパワー半導体チップ102の銅電極層5へ接合している。焼結金属層16は導体板211を冷却器17へ接合している。焼結金属層10,13,16は、熱の良導体からなることが好ましく、例えば、銀ナノ粒子からなる低温焼結材、銀ペースト材、Cu−SnまたはAg−Snのような液相拡散接合材、または、半田からなる。
リード電極14は、電気および熱の良導体からなることが好ましく、例えばCuまたはAlからなる。冷却器17は、熱伝導の良好な金属材料からなる部材であることが好ましく、例えばCuまたはAlからなる。
なお、導体板212とパワー半導体チップ102との間に、外部端子としてのリード電極(例えば、コレクタ用のリード電極)が設けられてもよい。また、導体板211と冷却器17との間に追加の部材が設けられてもよい。また、図15においては冷却器17が絶縁基板200を介して素子基板1に取り付けられているが、冷却器17の配置はこれに限定されるものではない。例えば、冷却器17は、素子基板1を介することなく銅電極層5に取り付けられてもよい。あるいは、絶縁基板200を介して素子基板1に取り付けられる冷却器と、素子基板1を介することなく銅電極層5に取り付けられる冷却器との両方が設けられてもよい。
焼結金属層13によって接合されたリード電極14を用いたパワーモジュールは、大電流での動作が想定されていることが多い。その場合、温度が上昇しやすく、よってAlスライド現象が生じやすい。本実施の形態によれば、前述した実施の形態1〜5で説明した理由により、Alスライドを効果的に抑制することができる。なお、パワーモジュールが有するパワー半導体チップは、パワー半導体チップ102(図6:実施の形態2)に限定されるものではなく、前述した他の実施の形態によるパワー半導体チップであってもよい。
<実施の形態7>
図16は、本実施の形態7におけるパワーモジュール502(電力用半導体装置)の構成を概略的に示す断面図である。パワーモジュール501は、リード電極14(図15:実施の形態6)に代わって、またはリード電極14と共に、ボンディングワイヤ15を有している。ボンディングワイヤ15は、銅電極層5上に直接に接合されている。ボンディングワイヤ15は、電気および熱の良導体からなることが好ましく、例えば、Cu、Al、Au、またはそれらの合金からなる。好ましくは、ボンディングワイヤ15は、銅を主成分とする材料からなることが好ましい。なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態6の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
なお、上記各実施の形態において例示された各構成要素の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるものであり、本発明はそれらの例示に限定されるものではない。また、各図における各構成要素の寸法は、実際の寸法と異なる場合がある。本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
1 素子基板、2 アルミニウム電極層、3 テーパ領域、4 樹脂膜、5 銅電極層、5a 下層、5b 上層、10,13,16 焼結金属層、14 リード電極、15 ボンディングワイヤ、17 冷却器、21 ドレイン電極、22 単結晶基板、23 ドリフト層、24 ウェル領域、25 ソース領域、26 コンタクト領域、27 ゲート電極、28 層間絶縁膜、29 下地層、30 シリサイド膜、32 ゲート絶縁膜、33 ソースコンタクトホール、34 凹部、101〜110 パワー半導体チップ(電力用半導体装置)、200 絶縁基板、210 絶縁板、211,212 導体板、501,502 パワーモジュール(電力用半導体装置)。
本発明は、電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法に関するものである。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、応力に起因してのアルミニウム電極層の変形を抑制することができる電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の電力用半導体装置は、素子基板と、アルミニウム電極層と、銅電極層と、少なくとも1つのテーパ領域とを有している。アルミニウム電極層は、素子基板上に設けられており、アルミニウムを主成分とする材料からなる。銅電極層は、アルミニウム電極層上に設けられており、銅を主成分とする材料からなる。テーパ領域は、アルミニウム電極層と銅電極層との間に設けられており、銅を含有する材料からなり、銅電極層からアルミニウム電極層へ向かっての厚み方向においてテーパ形状を有している。少なくとも1つのテーパ領域の全体は、銅電極層に比して高いアルミニウム含有比と、銅電極層に比して低い銅含有比とを有している。
本発明の電力用半導体装置の製造方法は、素子基板上に、アルミニウムを主成分とする材料からなり、第1の凹みが設けられた表面を有するアルミニウム電極層を形成する工程と、アルミニウム電極層の第1の凹みを起点としてのエッチングによって、アルミニウム電極層の表面にテーパ状の第2の凹みを形成する工程と、アルミニウム電極層上に、銅を主成分とする材料からなる銅電極層を形成する工程と、を有している。
本発明は、電力用半導体装置に関するものである。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、応力に起因してのアルミニウム電極層の変形を抑制することができる電力用半導体装置を提供することである。
本発明の電力用半導体装置は、素子基板と、アルミニウム電極層と、銅電極層と、複数のテーパ領域とを有している。素子基板は、素子構造が設けられることによって複数の凹部を有している。アルミニウム電極層は、素子基板上に設けられており、アルミニウムを主成分とする材料からなる。銅電極層は、アルミニウム電極層上に設けられており、銅を主成分とする材料からなる。テーパ領域は、アルミニウム電極層と銅電極層との間の複数の凹部の上方に配置されており、平面視において第1方向および前記第1方向に直交する第2方向の各々において周期的に配置されており、銅を含有する材料からなり、銅電極層からアルミニウム電極層へ向かっての厚み方向においてテーパ形状を有している。複数のテーパ領域の全体、銅電極層とアルミニウム電極層との相互拡散領域であ

Claims (20)

  1. 素子基板(1)と、
    前記素子基板(1)上に設けられ、アルミニウムを主成分とする材料からなるアルミニウム電極層(2)と、
    前記アルミニウム電極層(2)上に設けられ、銅を主成分とする材料からなる銅電極層(5)と、
    前記アルミニウム電極層(2)と前記銅電極層(5)との間に設けられ、銅を含有する材料からなり、前記銅電極層(5)から前記アルミニウム電極層(2)へ向かっての厚み方向においてテーパ形状を有する少なくとも1つのテーパ領域(3)と、
    を備える、電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  2. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は、少なくとも前記アルミニウム電極層(2)に接する部分において、前記銅電極層(5)に比して高いアルミニウム含有比と、前記銅電極層(5)に比して低い銅含有比とを有する、請求項1に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  3. 前記素子基板(1)は、素子構造が設けられることによって少なくとも1つの凹部(34)を有しており、前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は前記少なくとも1つの凹部(34)の上方に配置されている、請求項1または2に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  4. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)の深さは0.1μm以上5μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  5. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は前記銅電極層(5)の下面上で0.1μm以上1.0μm以下の幅を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  6. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は前記銅電極層(5)の下面上で円形形状を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(103,104)。
  7. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は前記銅電極層(5)上でスリット形状を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(105)。
  8. 前記少なくとも1つのテーパ領域(3)は、周期的に配置された複数のテーパ領域(3)である、請求項1から7のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(104,105)。
  9. 前記複数のテーパ領域(3)は、前記銅電極層(5)上で共通の形状および大きさを有する、請求項8に記載の電力用半導体装置(104,105)。
  10. 前記アルミニウム電極層(2)の一部の上に設けられ、前記銅電極層(5)に接する樹脂膜(4)をさらに備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  11. 前記アルミニウム電極層(2)は0.5μm以上5μm以下の厚みを有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  12. 前記アルミニウム電極層(2)と前記銅電極層(5)との界面は、0.1μm以上0.5μm以下の凹凸を有している、請求項1から11のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  13. 前記銅電極層(5)のうち少なくとも前記アルミニウム電極層(2)上の部分は、0.1μm以上0.5μm以下の平均結晶粒を有する、請求項1から12のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  14. 前記銅電極層(5)は1μm以上30μm以下の厚みを有する、請求項1から13のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  15. 前記銅電極層(5)は、前記アルミニウム電極層(2)に接する第1の層(5a)と、前記第1の層(5a)上に配置された第2の層(5b)とを有し、前記第2の層(5b)の平均粒径は前記第1の層(5a)の平均粒径よりも小さい、請求項1から14のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(102)。
  16. 前記素子基板(1)のうち半導体からなる部分は、100μm以下の厚みを有する、請求項1から15のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  17. 前記素子基板(1)は炭化珪素基板を含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
  18. 絶縁板(210)と、前記絶縁板(210)上の導体板(212)とを有する絶縁基板(200)と、
    前記導体板(212)を前記素子基板(1)へ接合する第1の焼結金属層(10)と、
    リード電極(14)と、
    前記リード電極(14)を前記銅電極層(5)へ接合する第2の焼結金属層(13)と、
    をさらに備える、請求項1から17のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(501)。
  19. 絶縁板(210)と、前記絶縁板(210)上の導体板(212)とを有する絶縁基板(200)と、
    前記導体板(212)を前記素子基板(1)へ接合する焼結金属層(10)と、
    前記銅電極層(5)上に接合されたボンディングワイヤ(15)と、
    をさらに備える、請求項1から18のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(502)。
  20. 前記テーパ領域(3)はめっき膜からなる、請求項1から19のいずれか1項に記載の電力用半導体装置(101〜110,501,502)。
JP2019516715A 2019-01-10 2019-01-10 電力用半導体装置 Pending JPWO2020144790A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/000439 WO2020144790A1 (ja) 2019-01-10 2019-01-10 電力用半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020144790A1 true JPWO2020144790A1 (ja) 2021-02-18

Family

ID=71521608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019516715A Pending JPWO2020144790A1 (ja) 2019-01-10 2019-01-10 電力用半導体装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2020144790A1 (ja)
WO (1) WO2020144790A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09324298A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Sankyo Mekki Kogyo:Kk Al又はAl合金の表面処理方法
JP2005019829A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Denso Corp 半導体装置
JP2005033131A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Denso Corp 半導体装置
JP2006114827A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Denso Corp 半導体装置
JP2009054961A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2009177104A (ja) * 2007-02-20 2009-08-06 Nec Electronics Corp 半導体装置
JP2013098203A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置および半導体装置の製造方法
WO2016143557A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 三菱電機株式会社 パワー半導体装置
JP2017228660A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 株式会社デンソー 炭化珪素半導体装置の製造方法
WO2018037736A1 (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 三菱電機株式会社 半導体装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09324298A (ja) * 1996-06-03 1997-12-16 Sankyo Mekki Kogyo:Kk Al又はAl合金の表面処理方法
JP2005019829A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Denso Corp 半導体装置
JP2005033131A (ja) * 2003-07-11 2005-02-03 Denso Corp 半導体装置
JP2006114827A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Denso Corp 半導体装置
JP2009177104A (ja) * 2007-02-20 2009-08-06 Nec Electronics Corp 半導体装置
JP2009054961A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2013098203A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Fuji Electric Co Ltd 半導体装置および半導体装置の製造方法
WO2016143557A1 (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 三菱電機株式会社 パワー半導体装置
JP2017228660A (ja) * 2016-06-22 2017-12-28 株式会社デンソー 炭化珪素半導体装置の製造方法
WO2018037736A1 (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 三菱電機株式会社 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020144790A1 (ja) 2020-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107210241B (zh) 功率半导体装置
JP5009976B2 (ja) 薄いダイ及び金属基板を使用する半導体ダイ・パッケージ
US9633957B2 (en) Semiconductor device, a power semiconductor device, and a method for processing a semiconductor device
JP6347309B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6627359B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
TW200929408A (en) Wafer level chip scale packaging
WO2013146446A1 (ja) 炭化珪素半導体素子及びその製造方法
TW201826394A (zh) 半導體裝置及其製造方法
JP5607339B2 (ja) 半導体装置
US11658093B2 (en) Semiconductor element with electrode having first section and second sections in contact with the first section, and semiconductor device
JP2008235728A (ja) 半導体装置
US20230047789A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing semiconductor device
JP6992388B2 (ja) 半導体装置
WO2020144790A1 (ja) 電力用半導体装置
JP2019145667A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
CN114467165A (zh) 半导体装置
JP2022525744A (ja) 埋設された粒子停止層を含む上側金属被膜構造を有するパワー半導体デバイス
US20220262905A1 (en) Silicon carbide semiconductor device and method of manufacturing silicon carbide semiconductor device
JP2008085190A (ja) 半導体装置
JP2023058346A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
US20130069080A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing same
JP2024024452A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
GB2535484A (en) Wafer metallization of high power semiconductor devices
CN115050722A (zh) 半导体器件、半导体装置及其制造方法
JP2021150587A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190327

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190327

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190604

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190718

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190820