JP2018067012A - 再帰性反射性テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、優れた柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性を有し、しかも再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が明瞭に形成できる再帰性反射性テープを提供することである。
【解決手段】基材層上に再帰性反射性領域が部分的に設けられた再帰性反射性テープであって、前記再帰性反射性領域が、固着樹脂層と、前記固着樹脂層に埋設された透明性微小球と、前記透明性微小球と前記固着樹脂層の間に設けられた金属膜からなる反射層とを有する領域であり、前記透明性微小球の屈折率が1.6〜2.5であり、且つ前記透明性微小球が、露出率が53〜70%となる状態で前記固着樹脂層に埋設されている、再帰性反射性テープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性を有し、しかも再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が明瞭に形成できる再帰性反射性テープに関する。
従来、交通標識等の表示用や海難器具の識別用として、特に夜間の視認性を高めるため、入射光を再帰反射させる再帰性反射性材料が広く用いられている。また、夜間に作業する人々の安全確保の観点から、警察、消防、土建工事関係者等の安全衣料として、安全服、保安ベスト、たすき、腕章、救命胴衣等にも、再帰性反射性材料が広く利用されている。更に、近年では、生活安全意識の高まりや装飾性の多様化に伴って、夜間の交通事故防止対策として、ウィンドブレーカー、トレーニングウェアー、Tシャツ、スポーツシューズ、水着等のアパレルに使用されたり、装飾用途でバッグやスーツケース等にも使用されている。再帰性反射性材料の中でも、再帰性反射性能を付与したい製品への装着が容易な部材として、再帰性反射性テープが知られている。
例えば、特許文献1には、再帰反射テープがロール状に巻かれてなる再帰反射テープロールであって、前記再帰反射テープは、光透過面及び該光透過面の反対側の反射面を有する再帰性反射層と、前記反射面に隣接する支持面を有し、前記再帰性反射層を支持する支持層と、前記支持層に設けられる感圧接着剤層と、前記再帰性反射層の前記光透過面に設けられる剥離処理層とを具備し、前記再帰反射テープの内側の一巻き部分の前記剥離処理層と該一巻き部分に後続する外側の一巻き部分の前記感圧接着剤層とが互いに接触する、再帰反射テープロール製品が開示されている。当該再帰反射テープロール製品によれば、再帰反射テープロールから繰り出された再帰反射テープをディスペンサから連続的に導出して、再帰反射テープ自体の感圧接着剤層により、所望の物体表面に容易かつ迅速に固着することができるとされている。また、ロール状の再帰反射テープの内側の一巻き部分の剥離処理層とその外側の一巻き部分の感圧接着剤層とが互いに接触するように形成されているから、感圧接着剤層に添着すべき剥離ライナーを排除することができ、しかも、剥離ライナーを用いることなく形成した再帰反射テープロールから、再帰反射テープを容易に巻き戻すことができるとされている。
また、特許文献2には、再帰反射層を表面に設けたテープであって、再帰反射層は凹凸表面を有し、該凹凸表面における凹みには再帰反射層と異なる色彩の連続模様が形成されている模様付きの再帰反射テープが開示されている。当該再帰反射テープによれば、広い面積の再帰反射層が凹凸表面を有し、且つ連続的な凹みの個所において再帰反射層が部分的に薄くまたは存在しないことにより、この凹みの個所においてテープが屈曲しやすくなって柔軟性を保持する。このため、再帰反射層自体は構造的に柔軟性を欠いて屈曲しにくい素材であっても、当該再帰反射テープをニット素材のような柔軟な布地に縫い付けた際に、当該再帰反射テープが衣服の柔軟性を損なうことがないとされている。更に、特許文献2に開示された再帰反射テープは、再帰反射層が設けられていない領域(非再帰性反射領域)を形成することにより、再帰反射層が設けられた領域(再帰性反射領域)が図柄を形成でき、再帰性反射光によって視認される夜間色により図柄を表示させることができるという利点がある。
国際公開第2013/014727号 実用新案登録第3093638号
特許文献1には、再帰反射テープ全面に微小球体が設けられた構成が開示されているところ、このような構成の場合には、テープ自体の柔軟性が劣るという欠点がある。従って、当該再帰反射テープを衣服等の柔軟で屈曲し得る製品に貼り付ける場合に、貼り付け難くなると共に、当該再帰反射テープが貼り付けられた衣服を着用した場合には、着用者の動きに当該再帰反射テープが追随しにくく、着用者が違和感を覚えるという問題がある。
一方、特許文献2に開示された再帰反射テープによれば、広い面積の再帰反射層が凹凸表面を有し、且つ連続的な凹みの個所において再帰反射層が部分的に薄くまたは存在しないことにより、この凹みの個所においてテープが屈曲しやすくなって柔軟性を有する。しかしながら、当該再帰反射テープは、再帰性反射が十分に起こらず、再帰性反射性能に劣るという問題がある。更に、特許文献2に開示された再帰反射テープは、再帰反射層領域と非再帰反射層とを各種形状で配置することにより再帰性反射光によって視認される夜間色の図柄を形成可能であるが、両領域の境界が明瞭になり難いという欠点がある。即ち、特許文献2に開示された再帰反射テープでは、製造時に、再帰反射層領域と非再帰反射層との境界において、再帰反射層の縁部に欠けや剥離が生じ易く、両領域の境界が設計通りに明瞭にならず、再帰性反射光によって視認される夜間色の図柄が不鮮明になり易いという欠点がある。更に、特許文献2に開示された再帰反射テープでは、洗濯耐久性に劣る場合があり、洗濯を繰り返すと、再帰性反射性能が低下し易いという欠点もある。
そこで、本発明は、従来技術の前記問題を解決し、優れた柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性を有し、しかも再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が明瞭に形成できる再帰性反射性テープの提供を課題とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために、基材上に、固着樹脂層と、該固着樹脂層に埋設された透明性微小球と、該透明性微小球と該固着樹脂層の間に設けられた金属膜からなる反射層と、を備える再帰性反射性領域を部分的に設けることによって、当該再帰性反射性領が設けられていない非再帰性反射性領域を形成した再帰性反射性テープであれば、前記課題を解決し得るのではないかと想起した。即ち、本発明者等は、特許文献2に開示されたテープにおいては、光を再帰性反射させる反射層が、鏡面顔料を含む透明性を有するメタクリル系の合成樹脂とすることが開示されているものの、ガラスビーズ側から進んできた光の一部が合成樹脂において散乱、透過してしまい、再帰性反射性能が劣ると考えられた。一方、前記構成にする場合は、反射層が金属膜であることから、特許文献2に開示されたテープに比して、優れた再帰性反射性能が得られると考えた。そして、再帰性反射性テープにおいて、前記再帰性反射性領域を部分的に設けて、非再帰性反射性領域を形成することにより、得られる再帰性反射性テープに柔軟性を付与し得ると想起した。
ところで、特許文献2に開示された再帰反射テープは、反射層として反射樹脂を用いることから、当該再帰反射テープを製造する際、反射樹脂層を設けた後に、ガラスビーズを散布することが可能である。一方、反射層として金属膜を使用する場合、当該金属膜を形成した後にガラスビーズを散布することはできない。従って、前記本発明者等が想起した構成とする再帰性反射性テープを製造する方法としては、例えば、下記工程1〜6を含む方法が考えられた。
工程1:基材フィルムに熱可塑性フィルムを積層させた離型基材を、当該熱可塑性フィルムの軟化点以上の温度で加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させる工程、
工程2:前記工程1の前、同時又は後に、離型基材の熱可塑性フィルムに透明性微小球を散布し、透明性微小球を軟化した熱可塑性フィルムに透明性微小球を埋没させた時点で冷却して熱可塑性フィルムを硬化させ、透明性微小球を埋設した離型基材を得る工程、
工程3:必要に応じて、前記透明性微小球側に透明樹脂層を設ける工程、
工程4:透明性微小球を埋設した離型基材の透明性微小球側に、又は透明樹脂層上に、金属膜からなる反射層を積層させる工程、
工程5:反射層上に固着樹脂層を形成する樹脂を塗布し、固着樹脂層を積層させる工程、及び
工程6:離型基材を剥離した後に固着樹脂層と支持体を接着させる、又は固着樹脂層と支持体を接着させた後に離型基材を剥離する工程。
そして、前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域を形成するには、例えば、前記工程5と工程6間、又は前記工程6の後に、プロッターカッター等を用い、固着樹脂層側から、前記熱可塑性フィルムの透明性微小球が埋没している面側の界面まで部分的にカットし、固着樹脂層、反射層、及び透明性微小球を一体的に剥離させる方法が挙げられる。
しかしながら、このような方法で得られた再帰性反射性テープも、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が設計通りに明瞭にならない場合があった。この理由について、本発明者等が鋭意検討した結果、以下のことが判明した。即ち、前述のように、前記構成を有する反射テープを製造する方法は、非再帰性反射性領域を形成するために、固着樹脂層、反射層、及び透明性微小球を一体的に剥離させる必要がある。しかし、当該剥離の際、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部が、非再帰性反射性領域を形成するために剥離される部分と一緒に剥離されてしまい、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が不鮮明になることが判明した。そして、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部も剥離されてしまう作用機序として、前述のようにプロッターカッター等を用いて固着樹脂層側からカットする際、カッターの歯の圧力によって、再帰性反射性領域とすべき部分の一部において離型基材と透明性微小球の剥離が生じ、透明性微小球による離型基材に対するアンカー効果が無くなり、透明性微小球、反射層及び固着樹脂層が一部剥離してしまうことを突き止めた。
このように、固着樹脂層、透明性微小球、及び反射層を有する再帰性反射性領域を部分的に設けることにより、当該再帰性反射性領が設けられていない非再帰性反射性領域を形成した再帰性反射性テープについては、優れた再帰性反射性能を備えさせることができないという新たな課題に直面した。
そして、本発明者等は、前記構成を有する再帰性反射性テープにおいて再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界を設計通りに明瞭にするためには、再帰性反射性領域とすべき領域の、透明性微小球による離型基材に対するアンカー効果を高めることが必要であると考えた。そこで、本発明者等は、更に鋭意検討を重ねた結果、透明性微小球が、露出率が53〜70%となる状態で前記固着樹脂層に埋設させることにより、非再帰性反射性領域を形成するために固着樹脂層側から部分的にカットする工程において、再帰性反射性領域とすべき部分において離型基材と透明性微小球の剥離が生じ難くなり、優れた柔軟性と再帰性反射性能を兼ね備え、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が明瞭になり、しかも洗濯耐久性にも優れる再帰性反射性テープが得られることを知得した。本発明は、かかる知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成するに至った。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の再帰性反射性テープを提供する。
項1. 基材層上に再帰性反射性領域が部分的に設けられた再帰性反射性テープであって、
前記再帰性反射性領域が、
固着樹脂層と、
前記固着樹脂層に埋設された透明性微小球と、
前記透明性微小球と前記固着樹脂層の間に設けられた金属膜からなる反射層と、を有する領域であり、
前記透明性微小球の屈折率が1.6〜2.5であり、且つ
前記透明性微小球が、露出率が53〜70%となる状態で前記固着樹脂層に埋設されている、再帰性反射性テープ。
項2. 前記基材層が、
固着樹脂層の透明性微小球が埋設されていない面側に設けられた支持基材、又は
透明性微小球の光が入射する側に設けられた、剥離可能な離型基材、
である、項1に記載の再帰性反射性テープ。
項3. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、前記再帰性反射性テープの長手方向及び/又は幅方向において連通しており、
前記再帰性反射性領域が、前記非再帰性反射性領域によって複数の領域に区画されて図柄模様が形成されている、項1又は2に記載の再帰性反射性テープ。
項4. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、再帰性反射性テープの幅方向と平行に延びる直線領域を形成していない、項1〜3のいずれかに記載の再帰性反射性テープ。
項5. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の線状領域を形成している、項1〜4のいずれかに記載の再帰性反射性テープ。
項6. 前記2つ以上の異なる方向に延びる複数の線状領域が交わって交点部を形成している、項5に記載の再帰性反射性テープ。
項7. 衣料に貼り付けられる用途に使用される、項1〜6のいずれか1項に記載の再帰性反射テープ。
本発明の再帰性反射性テープは、固着樹脂層、透明性微小球、及び反射層を有する再帰性反射性領域を部分的に設けることにより、当該再帰性反射性領が設けられていない非再帰性反射性領域を形成しているので、優れた柔軟性を備えることができる。更に、本発明の再帰性反射性テープは、透明性微小球が、露出率が53〜70%となる状態で前記固着樹脂層に埋設されていることにより、再帰性反射性領域が安定に保持された状態で形成されるので、優れた再帰性反射性能を備えることができる。また、本発明の再帰性反射性テープは、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界を設計通りに明瞭に形成できるので、再帰性反射光によって視認される夜間色の図柄を鮮明に表示するこが可能になる。更に、本発明の再帰性反射性テープは、洗濯耐久性にも優れており、洗濯を繰り返しても再帰性反射性能を維持できるので、衣類等に張り付けて長期間使用することができる。
本発明の再帰性反射性テープによれば、例えば、警察、消防、土建工事関係者等の安全衣料、又は、夜間にランニングやウォーキングなどをする人のためのスポーツ衣料に貼り付ける場合も、張り付け易く、着用者に不快感を与え難くなり、しかも高い再帰性反射性能を得ることが可能となる。
本発明の再帰性反射性テープの断面構造の模式図である。 本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の配置によって形成される図柄のパターンの一例である。 本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の配置によって形成される図柄のパターンの一例である。
本発明の再帰性反射性テープは、基材上に部分的に設けられた再帰性反射性領域と、当該再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域とを有する再帰性反射性テープであって、当該再帰性反射性領域が、固着樹脂層と、反射層と、透明性微小球とが順に積層されてなり、当該透明性微小球が特定の屈折率を有し、且つ特定の露出率で前記固着樹脂層に埋設されていることを特徴とする。以下、本発明の再帰性反射性材料の構造及び構成素材について説明する。
なお、本書では、再帰性反射性テープにおいて、光が入射する側を「入射光側」と表記し、光が入射する側とは反対側を「非光入射側」と表記することがある。
層構造
本発明の再帰性反射性テープでは、基材層1上に、再帰性反射性領域2と非再帰性反射性領域3を有する。
本発明の再帰性反射性テープにおいて、基材層1はテープ状にするためのベース素材であり、再帰性反射性領域2及び非再帰性反射性領域3の双方の領域に含まれる。基材層1としては、固着樹脂層21の透明性微小球23が埋設されていない面側に設けられる支持基材11、又は透明性微小球23の入射光側に設けられる離型基材12のいずれか少なくとも1つが設けられていればよい。基材層1として支持基材11を設ける場合には、固着樹脂層21の非入射光側に接着され、使用時にも剥離されず固着樹脂層21を保持する役割を果たす。また、基材層1として離型基材22を設ける場合には、透明性微小球23の入射光側に設けられ、使用時には剥離される。
本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域2は、基材層1上に、部分的に設けられる。再帰性反射性領域2には、固着樹脂層21と、反射層22と、透明性微小球23とが順に積層されており、透明性微小球23が固着樹脂層21に埋設された状態になっている。また、再帰性反射性領域2には、反射層22と透明性微小球23との間に、必要に応じて透明樹脂層24が設けられていてもよい。
本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域2が設けられていない領域は、再帰性反射性能を発揮しない非再帰性反射性領域3になる。非再帰性反射性領域3は、基材層1以外が存在しない空隙部であってもよく、また基材層1以外に再帰性反射性能を発揮しない素材が含まれていてもよい。
本発明の再帰性反射性テープには、被着体に対する接着性を備えさせるために、必要に応じて、非入射光側の表面に接着層4が設けられていてもよい。接着層4は、支持基材11を設けない場合には、固着樹脂層21の面に設ければよく、また、支持基材11を設ける場合には、支持基材11の面に接着剤層を設ければよい。
本発明の再帰性反射性テープの断面構造の模式図を図1に示す。なお、図1の(A)〜(C)に示す断面構造は、あくまで模式図であり、各部材や層の大きさや厚さ、再帰性反射性領域2と非再帰性反射性領域3の面積比等については、好適な範囲とは異なることがある。
図1の(a)に示す再帰性反射性テープでは、基材層1として支持基材11を使用し、再帰性反射性領域2は、支持基材11側から固着樹脂層21、反射層22、及び透明性微小球23がこの順で設けられており、非再帰性反射性領域3は空隙部になっている。
図1の(b)に示す再帰性反射性テープでは、基材層1として離型基材12(ポリエチレンテレフタレート製フィルム12aとポリエチレン製フィルム12bの積層体)を使用し、再帰性反射性領域2は、離型基材12側から透明性微小球23、反射層22、及び固着樹脂層21がこの順で設けられており、非再帰性反射性領域3は空隙部になっており、固着樹脂層21の非入射光側には更に接着層4が設けられている。
図1の(C)に示す再帰性反射性テープでは、基材層1として支持基材11及び離型基材12(ポリエチレンテレフタレート製フィルム12aとポリエチレン製フィルム12bの積層体)を使用し、再帰性反射性領域2は、支持基材11側から離型基材12に向けて、固着樹脂層21、反射層22、透明樹脂層24及び透明性微小球23がこの順で設けられており、非再帰性反射性領域3では支持基材11と離型基材12との間が空隙部になっている。
基材層
本発明の再帰性反射性テープにおいて、基材層は、再帰性反射性領域を支持し、テープのベース素材としての役割を果たす。基材層は、固着樹脂層の非入射光側に設けられる支持基材であってもよく、また透明性微小球の入射光側に設けられる離型基材であってもよい。前記支持基材は、固着樹脂層に接着され、使用時にも剥離されず固着樹脂層を保持する役割を果たす。一方、前記離型基材は、透明性微小球の入射光側に設けられて、再帰性反射性領域を保持し、使用時に剥離される基材である。本発明の再帰性反射性テープでは、基材層として、支持基材又は離型基材のいずれか一方が設けられていればよいが、これらの双方が設けられていてもよい。
支持基材は、前記固着樹脂層と直接積層されていてもよいが、接着剤で形成される接着層を介して固着樹脂層と積層されていてもよい。
支持基材については、再帰性反射性材料の用途、要求される強度や柔軟性等を踏まえて適宜設定すればよい。支持基材の素材としては、例えば、パルプ等の天然繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル等の樹脂;金属等が挙げられる。また、支持基材の形状については、特に制限されないが、織編物、不織布、フィルム、紙等のシート状等が挙げられる。
また、離型基材の構造については、再帰性反射性領域の透明性微小球側に対して着脱可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、基材フィルムに熱可塑性フィルムを積層させた積層体が挙げられる。離型基材として、このような積層体を使用する場合、熱可塑性フィルム側が透明性微小球の入射光側に配され、透明性微小球が固着樹脂層から露出されている領域を当該熱可塑性フィルムが埋設して再帰性反射性領域を保持する状態になる。
離型基材を構成する基材フィルムとしては、積層させる熱可塑性フィルムの軟化温度で安定に形状を保持できることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムが挙げられる。また、離型基材を構成する熱可塑性フィルムとしては、低温で軟化する樹脂フィルムが好ましく、このような樹脂フィルムとして、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂フィルムが挙げられる。また、当該熱可塑性フィルムの厚みは、透明性微小球の平均粒径に応じて設定すればよい。
基材層の厚みについては、支持基材又は離型基材の別に応じて異なるが、例えば、支持基材の場合であれば30〜800μm、好ましくは50〜500μmが挙げられ、また、例えば、離型基材の場合であれば、25〜250μm、好ましくは50〜200μmが挙げられる。
再帰性反射性領域
本発明において、再帰性反射性領域は、固着樹脂層と、固着樹脂層に埋設された透明性微小球と、透明性微小球と前記固着樹脂層の間に設けられた金属膜からなる反射層とによって形成される。
[固着樹脂層]
固着樹脂層は、透明性微小球を埋設して保持する機能を果たす。
固着樹脂層を形成する樹脂としては、透明性微小球を埋設して保持し得ることを限度として特に制限されず、再帰性反射性材料に求められる柔軟性等を考慮して適宜設定すればよい。固着樹脂層を形成する樹脂として、具体的には、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニールアルコール、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、優れた柔軟性を付与するという観点からは、好ましくはウレタン系樹脂が挙げられる。
固着樹脂層を形成する樹脂は、必要に応じて、シランカップリング剤と共重合されたものであってもよい。このようにシランカップリング剤を共重合させることによって、固着樹脂層に耐久性や接着性等を備えさせることが可能になる。また、固着樹脂層を形成する樹脂は、必要に応じて、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系樹脂等の架橋剤によって架橋されたものであってもよい。このように架橋剤で架橋することによって、固着樹脂層に耐熱性や耐洗濯性等を備えさせることが可能になる。
更に、固着樹脂層には、再帰性反射性材料の用途や要求される機能等に応じて、染料、顔料、蓄光性顔料、無機フィラー等の添加剤が含まれていてもよい。
固着樹脂層の厚みについては、透明性微小球を埋設して保持できることを限度として、特に制限されないが、例えば15〜300μm、好ましくは20〜200μmが挙げられる。
[反射層]
反射層は、透明性微小球と固着樹脂層の間に設けられ、透明性微小球から入射する光を回帰反射させる機能を果たす。
反射層は、金属膜によって構成される。金属膜を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、チタン、亜鉛、シリカ、錫、ニッケル、銀等が挙げられる。これらの金属の中でも、より一層優れた再帰反射性能を備えさせるという観点から、好ましくはアルミニウムが挙げられる。
反射層の厚みについては、特に制限されないが、例えば100〜2000Å、好ましくは600〜1000Åが挙げられる。
[透明樹脂層]
透明樹脂層は、再帰性反射領域において、透明性微小球と反射層の間に、必要に応じて設けられる層である。即ち、本発明の再帰性反射材において、透明樹脂層は設けてなくても、また設けていてもよい。透明性樹脂層を設けることによって、反射輝度を調整したり、出射される光の色調を変化させたりすることが可能になる。また、透明樹脂層を設けることにより、反射層がより腐食し難くすることもできる。
透明樹脂層を形成する樹脂は、光透過性があることを限度として特に制限されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、透明樹脂層を形成する樹脂は、透明性樹脂層に耐久性や接着性等を付与する目的で、必要に応じて、シランカップリング剤と共重合されたものであってもよい。更に、透明樹脂層を形成する樹脂は、透明性樹脂層に耐熱性や耐洗濯性等を付与する目的で、必要に応じて、ポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系樹脂等の架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
また、透明樹脂層には、再帰性反射性材料の用途や要求される機能等に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料、顔料、蓄光性顔料、無機フィラー等の添加剤が含まれていてもよい。
また、透明樹脂層において、透明微小球と接しない面(即ち、空気中に露出している面)は、必要に応じて、絵柄、文字柄等の装飾が施されていてもよい。
透明樹脂層の厚みについては、求められる反射輝度や色調等を踏まえて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜30μm、好ましくは0.1〜1.0μmが挙げられる。
[透明性微小球]
透明性微小球は、反射層を介して固着樹脂層に埋設され、入射光と、前記反射層で回帰反射された出射光を透過させる機能を果たす。透明性樹脂層を設けない場合は、透明性微小球は、反射層に接面した状態で埋設して存在する(図1(a)参照)。また、透明性樹脂層を設ける場合は、透明性微小球は、透明性樹脂層に接面した状態で埋設して存在する(図1(c)参照)。
本発明において、透明性微小球は、屈折率が1.6〜2.5のものを使用する。このような屈折率を有する透明性微小球を使用することによって、反射層に焦点を合わせて優れた再帰反射性能を備えさせることができる。より一層優れた再帰反射性能を備えさせるという観点から、透明性微小球の屈折率として、好ましくは1.8〜2.2、更に好ましくは1.9〜2.1が挙げられる。
透明性微小球は、露出率が53〜70%となるように固着樹脂層に埋設され配置される。このような露出率で透明性微小球を配置することにより、非再帰性反射性領域の形成に当たって固着樹脂層、透明性微小球、及び反射層を部分的に剥離させる際に、再帰性反射性領域として残すべき領域が剥離されるのを抑制し、再帰性反射性テープにおいて再帰性反射性領域を安定に形成し、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界が明瞭にすることができる。更に、このような露出率で透明性微小球を配置することにより、使用時や洗濯時に透明性微小球が離脱することを抑制することも可能になる。
再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界の明瞭な形成、洗濯耐久性、及び使用時の透明性微小球の離脱抑制を一層効果的に図るという観点から、透明性微小球の露出率として、好ましくは56〜66%、更に好ましくは57〜64%が挙げられる。なお、本明細書において、透明性微小球の露出率とは、透明性微小球の直径に対する、透明性微小球の露出している領域の高さの割合(%)であり、下記式に従って算出される値である。
透明性微小球の露出率(%)=(X/R)×100
R:透明性微小球の直径
X:反射層の表面の最上部又は透明樹脂層が設けられている場合は透明樹脂層の反射層の表面の最上部から、空気中に露出している透明性微小球表面の最上部までの高さ
また、本発明において、露出率は、再帰性反射性材料に埋設されている透明性微小球30個以上について各露出率を計測し、それらの平均値として算出される値である。
また、透明性微小球の平均粒径については、特に制限されないが、再帰性反射性能をより一層向上させるという観点から、通常30〜200μm、好ましくは40〜120μm、更に好ましくは50〜100μm、特に好ましくは75〜90μmが挙げられる。本明細書において、透明性微小球の平均粒径は、マイクロスコープを用い、倍率を500倍として透明微小球の最大径を透明性微小球30個について測定し、その平均値を算出することによって求められる値である。
また、透明性微小球の素材については、前述する屈折率を備え得る限り、特に制限されず、ガラス製、樹脂製等のいずれであってもよいが、ガラス製の透明性微小球は、透明性、耐薬品性、洗濯耐久性、耐候性等に優れており、本発明において好適に使用される。
再帰性反射性領域において、単位面積当たりに埋設されている透明性微小球の数については、備えさえるべき再帰性反射性能に応じて適宜設定すればよいが、例えば、再帰性反射性領域1mm2当たり、透明性微小球が50〜500個、好ましくは100〜250個
、更に好ましくは150〜180個が挙げられる。特に、露出率が53〜70%となる状態で露出する透明微小球の数が、上記範囲を満たすことによって、柔軟性、再帰性反射性能、及び再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界の明瞭な形成を一層効果的に実現できる。
非再帰性反射性領域
本発明の再帰性反射性テープにおいて、非再帰性反射性領域は、前記再帰性反射性領域が設けられておらず、再帰性反射性能を有していない領域である。
非再帰性反射性領域は、図1に示すように、前記再帰性反射性領域を構成する各部材が存在しておらず、空隙部であることが好ましいが、本発明の再帰性反射性テープの柔軟性を損なわないことを限度として、非再帰性反射性領域の一部の又は全部には再帰性反射性能を発揮しない素材(例えば、前記固着樹脂層を形成する樹脂やその他の樹脂等)が含まれていてもよい。
再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の配置
本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の配置については、特に制限されないが、再帰性反射性テープの長手方向及び/又は幅方向において再帰性反射性領域が連通しており、再帰性反射性領域が、非再帰性反射性領域によって複数の領域に区画されていることが望ましい。このように、非再帰性反射性領域を長手方向及び/又は幅方向に連通させることにより、非再帰性反射性領域の形成に当たって固着樹脂層、透明性微小球、及び反射層を部分的に剥離させる際に、再帰性反射性領域として残すべき領域が剥離されるのを抑制し、再帰性反射性テープにおいて再帰性反射性領域をより一層安定に形成することが可能になる。更に、再帰性反射性領域が複数の領域に区画されることにより、図柄模様を形成でき、優れた再帰性反射性能を備えつつ、再帰性反射性テープの意匠性をより高めることもできる。なお、長手方向及び/又は幅方向に連通させる非再帰性反射性領域は、必ずしも直線状である必要は無く、折れ線形状であってもよく、曲線を有するものであってもよい。
本発明の反射性再帰性テープにおける再帰性反射性領域及び非再帰性反射性領域の配置の好適な例として、非再帰性反射性領域が、再帰性反射性テープの幅方向と平行に延びる直線領域を含まないことが好ましい。このように非再帰性反射性領域を配置することにより、非再帰性反射性領域の形成に当たって、固着樹脂層、透明性微小球、及び反射層を部分的に長手方向に剥離させる際に、再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界をより明瞭に形成すことが可能になり、柔軟性、再帰性反射性能、当該境界の明瞭性をより一層効果的に備えさせることができる。
また、本発明の反射性再帰性テープにおける再帰性反射性領域及び非再帰性反射性領域の配置の好適な例として、非再帰性反射性領域が、2つ以上(好ましくは3つ以上、更に好ましくは4つ以上)の異なる方向に延びる複数の線状領域を含んでいることが好ましい。このように非再帰性反射性領域を配置することにより、反射性再帰性テープを衣服等に貼り付けた場合に、着用者の動きに再帰性反射性テープがより追随し易くなり、着用者により効果的な快適感を与えることができる。
更に、本発明の反射性再帰性テープにおける再帰性反射性領域及び非再帰性反射性領域の配置の好適な例として、非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の線状領域を含み、当該線状領域が交わる交点部を形成しており、当該交点部において、当該直線部によって形成される再帰性反射性領域の角が面取りされた形状であることがより好ましい。このように非再帰性反射性領域を配置することにより、当該交点部分で再帰性反射性領域の角が面取りされ、優れた意匠効果をもたらすと共に、反射性再帰性テープを衣服等に貼り付けた場合に、着用者の動きに再帰性反射性テープがより追随し易くなり、更には本発明の再帰性反射性テープをより剥がれ難くすることができる。
図2及び3に、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の配置によって形成される図柄のパターンの例を示す。図2及び図3の例では、線状に設けられた複数の非再帰反射性領域が、前記再帰性反射性テープの長手方向及び/又は幅方向において連通し、再帰性反射性領域が複数独立して区画されており、再帰性反射性領域及び非再帰性反射性領域の配置によりパターン図柄が形成されている。
また、図2のNo.2(a)、No.4(a)、No.6(a)、No.7(a)図3のNo.2(b)、No.4(b)、No.6(b)、No.7(b)に、非再帰性反射性領域が、再帰性反射性テープの幅方向と平行に延びる直線領域を含まない例を示す。
図2及び3のNo.1(a)、(b)、No.2(a)、(b)、No.4(a)、(b)、No.5(a)、(b)、No.6(a)、(b)、No7(a)、(b)には、非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の直線領域を含んでいる例を示す。図2及び3のNo.4(a)、(b)、No.5(a)、(b)、No.7(a)、(b)では、非再帰性反射性領域が、3つの異なる方向に延びる複数の線状領域で形成されている。
また、図2及び3のNo.1(a)、No.2(a)、No.4(a)、No.5(a)、No.6(a)、No.7(a)では、非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の複数の線状領域で形成されており、当該線状領域が交わって交点部が形成されている。また、図2及び3のNo.1(b)、No.2(b)、No.4(b)、No.5(b)、No.6(b)、No.7(b)では、非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の複数の線状領域で形成されており、当該線状領域が交わって交点部が形成されており、該交点部において、該直線部によって形成される再帰性反射性領域の角が面取りされている。
再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比
また、本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)については、特に制限されないが、70/30〜95/5が挙げられる。柔軟性と再帰性反射性能とをより一層効果的に両立させるという観点から、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)として、好ましくは80/20〜90/10が挙げられる。
接着層
接着剤層は、本発明の再帰性反射性テープには、被着体に対する接着性を備えさせるために、必要に応じて、光が入射する側とは反対面に接着層が設けられていてもよい。本発明の再帰性反射性テープにおいて、支持基材を設けない場合には、反射層と面していない側の固着樹脂層の面に接着剤層を設ければよく、また、支持基材を設ける場合には、固着樹脂層と面していない側の支持基材の面に接着剤層を設ければよい。
接着剤層を形成する樹脂の種類については、被着体との接着性を付与できることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリエステルウレタン樹脂等のホットメルト接着剤が挙げられる。
接着剤層の厚みについては、特に制限されないが、例えば、20〜200μm程度、好ましくは30〜100μmが挙げられる。
性能及び用途
本発明の再帰性反射性テープは、優れた再帰性反射性能を備えている。本発明の再帰性反射性テープが備える再帰性反射性能としては、具体的には、光源からの光の入射角が5°、観測角が0.2°の場合の再帰反射性能が100cd/lx/m2以上、好ましくは
150cd/lx/m2以上、更に好ましくは180〜500cd/lx/m2、特に好ましくは330〜500cd/lx/m2が挙げられる。本明細書において、光源からの光
の入射角が5°、観測角が0.2°の場合の再帰性反射性能(cd/lx/m2)とは、
JISZ9117(2010)に記載の方法に準じ、入射角が5°、観測角0.2°の条件で測定される値である。本発明の再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性能をより一層向上させるには、透明性微小球の露出率を53〜70%にすることに加えて、例えば、透明性微小球の屈折率、素材、平均粒径、単位面積当たりに埋設されている透明性微小球の数、反射層の厚みや素材、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比、及び再帰性反射性領域及び非再帰性反射性領域のパターンを適宜調整すればよい。
本発明の再帰性反射性テープは、安全衣料、アパレル、バッグ、スーツケース、シューズ、道路標示、回帰反射型の光電センサー、タッチパネル(例えば、赤外線再帰反射検出方式のタッチパネル)等の様々な用途に貼付又は縫い合わせて使用することができる。
また、本発明の再帰性反射性テープは、連続的に巻き取り、再帰性反射性テープロール製品とすることもできる。
製造方法
本発明の再帰性反射性テープを製造する方法は、前述する構成を備える再帰性反射性テープを製造できることを限度として、特に制限されないが、一例として、下記工程1〜9を含む方法が挙げられる。
工程1:基材フィルム上に熱可塑性フィルムを積層させた離型基材を、当該熱可塑性フィルムの軟化点以上の温度で加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させる工程、
工程2:前記工程1の前、同時又は後に、離型基材の熱可塑性フィルムに透明性微小球を散布し、透明性微小球を軟化した熱可塑性フィルムに直径の53〜70%を埋没させた時点で冷却して前記熱可塑性フィルムを硬化させ、透明性微小球を埋設した離型基材を得る工程、
工程3:透明性微小球を埋設した離型基材の透明性微小球側に、必要に応じて、透明樹脂層を形成する樹脂を塗布し、透明樹脂層を形成する工程、
工程4:透明性微小球を埋設した離型基材の透明性微小球側に、又は透明樹脂層上に、金属膜からなる反射層を積層させる工程、
工程5:反射層上に、固着樹脂層を形成する樹脂を塗布し、固着樹脂層を積層させる工程、
工程6:必要に応じて固着樹脂層と支持基材を接着させる工程、
工程7:非再帰性反射性領域を形成させる領域に沿って、固着樹脂層側から前記熱可塑性フィルムの透明性微小球が埋没している面側の界面までカットして剥離させ、当該領域において、熱可塑性フィルムを露出させる工程、
工程8:必要に応じて離型基材を剥離する工程、
工程9:必要に応じて得られた再帰性反射性テープを巻き取る工程。
前記第2工程において、透明性微小球の熱可塑性フィルムへの埋没は、軟化した状態の熱可塑性フィルム上に置かれた透明性微小球が重力沈降することによって行われる。従って、前記第2工程では、前記第1工程において透明性微小球の大きさ、密度、熱可塑性フィルムの密度、厚み等を考慮した上で、熱可塑性フィルムの軟化の程度を、軟化させる加熱温度や時間を適宜調整することによって、透明性微小球の直径の53〜70%が熱可塑性フィルムに埋没するようにコントロールすればよい。
例えば、透明微小球として屈折率が1.9〜2.1、平均粒径が50〜100μmの透明ガラス球を用い、離型基材を構成する基材フィルムとしてポリエステルフィルム、離型基材を構成する熱可塑性フィルムとしてポリエチレンフィルムを用いる場合であれば、前記第1工程において、好ましくは温度150℃〜230℃、更に好ましくは温度180℃〜220℃で、2〜3分の範囲内で加熱温度と時間を調整し加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させると、前記第2工程において透明性微小球の直径の53〜70%を熱可塑性フィルムに埋没させ易くなる。この場合、前記第1工程において、例えば温度150℃未満で2〜3分の条件で熱処理すると、当該熱可塑性フィルムへの埋没率が53%未満となり易い。特に、透明微小球として屈折率が1.9〜2.1、平均粒径が75〜90μmの透明ガラス球を用い、離型基材を構成する基材フィルムとしてポリエステルフィルム、離型基材を構成する熱可塑性フィルムとしてポリエチレンフィルムを用いる場合であれば、前記第1工程において、好ましくは温度190℃〜220℃で、2〜3分の範囲内で加熱温度と時間を調整し加熱して当該熱可塑性フィルムを軟化させるとよい。
透明微小球として屈折率が1.9〜2.1、平均粒径が50〜100μmの透明ガラス球を用い、離型基材を構成する熱可塑性フィルムとして低密度ポリエチレンフィルムを用いる場合であれば、前記第1工程において温度150℃〜230℃、より好ましくは温度180℃〜220℃の加熱することにより、低密度ポリエチレンより密度が高いポリエチレンフィルムを用いた場合に比して、前記第2工程にて透明微小球が短時間で重力沈降しやすくなり、例えば、連続操業に有利になり易い。更に、この場合、前記透明微小球をポリエステルフィルム界面まで沈み込ませることにより、低密度ポリエチレンフィルムの厚みを透明微小球の埋没率が53〜70%となるように調整すれば、各透明微小球の埋没率を均一にし易くなる。
前記第3工程及び第4工程は、前記第2工程後、冷却又は放冷によって、熱可塑性フィルムを硬化した状態に戻した後に実施される。
前記第3工程は、透明性微小球と反射層の間に透明樹脂層を設ける場合に実施される。透明樹脂層を形成する樹脂の透明性微小球側への塗布は、公知の樹脂コート手法によって行えばよい。
前記第4工程における金属膜からなる反射層の形成は、蒸着、スパッタリング、化学気層蒸着法、メッキ等の公知の金属膜形成手法によって行えばよい。反射層の形成手法として、好ましくは、蒸着が挙げられる。
前記第5工程において、固着樹脂層を形成する樹脂の反射層上への塗布は、公知の樹脂コート手法によって行えばよい。
前記第6工程において、固着樹脂層と支持基材の接着方法については、特に制限されず、公知のラミネート手法等によって行えばよい。
前記第7工程において、カットする手段としては、例えば、プロッターカッター等を用いることができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
なお、以下の試験例で使用した透明ガラス球の平均粒径は、マイクロスコープ(株式会社キーエンス社製商品名デジタルマイクロスコープVHX−1000)を用い倍率を500倍として透明微小球の最大径を透明性微小球30個について測定し、その平均値を算出することによって求めた値である。また、以下の試験例において、透明ガラス球の露出率は、再帰性反射性材料に埋設されている透明性微小球30個以上について、マイクロスコープ(株式会社キーエンス社製商品名デジタルマイクロスコープVHX−1000)にて観察し、空気中に露出している透明ガラス球の高さを測定し、前述する式に従って求めた値である。
試験例1
1.再帰性反射性テープの製造
実施例1
離型基材として、厚さ75μmのポリエステルフィルムに、厚さ40μmのポリエチレンフィルムをラミネートした積層体(幅50mm、長さ50m)を使用し、これを加熱条件が200℃で2分間となるように加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させた。この状態で、透明微小球として、平均粒径79μm、屈折率1.93の透明ガラス球を150〜180個/mm2となるように略一面に散布し、放冷してポリエチレンフィルムを硬化
させた。次いで、離型基材上の透明ガラス球側に蒸着法によってアルミニウムを蒸着させて、厚さ700Åの反射層を形成した。更に、反射層上に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略することがある。)を塗布し、固着樹脂層を形成した。その後、固着樹脂層上に、支持基材として使用するホットメルト接着剤(ポリエステルウレタン樹脂)を塗布、乾燥、硬化させ、再帰性反射性領域のみが存在する中間体テープを製造した。
次に、得られた中間体テープを、図2のNo.6(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持基材側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットし、非再帰性反射性領域を形成する領域の支持基材、固着樹脂層、反射層及び透明ガラス球を一体的に剥離し、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域が設けられた再帰性反射性テープを得た。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、54%であった。
実施例2
ポリエチレンフィルムの加熱条件を190℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、56%であった。
実施例3
ポリエチレンフィルムの加熱条件を200℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例4
ポリエチレンフィルムの加熱条件を210℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、64%であった。
実施例5
ポリエチレンフィルムの加熱条件を220℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、66%であった。
比較例1
ポリエチレンフィルムの加熱条件を160℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、31%であった。
比較例2
ポリエチレンフィルムの加熱条件を180℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、45%であった。
比較例3
ポリエチレンフィルムの加熱条件を220℃で6分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、80%であった。
比較例4
離型基材として、厚さ75μmのポリエステルフィルムにラミネートされた厚さ40μmのポリエチレンフィルムを使用し、これを200℃で2分間加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させた。この状態で、透明微小球として、平均粒径79μm、屈折率1.93の透明ガラス球を150〜180個/mm2となるように略一面に散布し、放冷してポ
リエチレンフィルムを硬化させた。次いで、離型基材上の透明ガラス球側に蒸着法によってアルミニウムを蒸着させて、厚さ700Åの反射層を形成した。更に、反射層上に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略することがある。)を塗布し、固着樹脂層を形成した。その後、固着樹脂層上に、支持体として使用するホットメルト接着剤(ポリエステルウレタン樹脂)を塗布、乾燥、硬化させ、再帰性反射性領域のみが存在する中間体シートを製造した。
そして、得られた中間体シートに、非再帰性反射性領域を設けることなく、テープ状とすることのみおこない、再帰性反射性テープを製造した(すなわち、再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を100/0)。得られた再帰性反射性テープにおいて、透明ガラス球の露出率を測定したところ、54%であった。
2.再帰性反射性テープの評価
(1)洗濯前の再帰性反射性能(cd/lx/m2
JISZ9117(2010)に記載の方法に準じ、入射角が5°、観測角0.2°の条件で測定した。
(2)柔軟性
得られた再帰性反射性テープを同一の薄地の衣服の肩部分に同様の手順により貼り付け、該衣服を5人のパネラーに着用させ、肩関節を動かすときの着用快適性について官能評価をおこなった。再帰性反射性テープを貼り付けしない衣服をブランクとし、当該ブランクを基準とした着用快適性について、下記基準により評価した。3点以上を合格とした。5点:肩をどの方向にまわしても、柔軟性を感じ、着用快適性に特に優れたものであった。
4点:肩を多方向にまわしたときに、ややひっかかる方向があったものの、柔軟であり、着用快適性に優れたものであった。
3点:肩を多方向にまわしたときに、ひっかかる方向があったものの、概ね柔軟であり、着用快適性に問題ないものであった。
2点:肩を多方向にまわしたときに、ひっかかる方向が多く、着用快適性にやや問題あるレベルであった。
1点:肩をどの方向に回しても、ひっかかりを感じ、着用快適性に問題あるレベルであった。
(3)再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界の明瞭性
得られたテープの再帰性反射領域と非再帰性反射領域の境界について、5人のパネラーが目視により以下の基準で評価した。3点以上を合格とした。
5点:再帰反射領域と非再帰性反射領域を分ける境界の直線において、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部の剥離が全く見られず、上記直線は欠けがなく特に明瞭であった。
4点:再帰反射領域と非再帰性反射領域を分ける境界の直線において、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部の剥離がわずかに見られたものの、上記直線は欠けがほとんど無く明瞭であった。
3点:再帰反射領域と非再帰性反射領域を分ける境界の直線において、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部の剥離がやや見られたものの、外観上問題ないレベルであった。
2点:再帰反射領域と非再帰性反射領域を分ける境界の直線において、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部の剥離が多く見られ、上記直線は欠けが多く外観上やや問題あるレベルであった。
1点:再帰反射領域と非再帰性反射領域を分ける境界の直線において、本来維持されなければならない再帰性反射性領域の一部の剥離がかなり多く見られ、上記直線は欠けがかなり多く外観上問題あるレベルであった。
(4)洗濯耐久性
得られたテープをISO 6330 2A法で50回繰り返し洗濯した後に、上記(1)に記載した方法にて再帰性反射性能(cd/lx/m2)を測定し、洗濯前の再帰性反
射性能に対する洗濯後の再帰性反射性能の比率を洗濯耐久率(%)として算出した。25%以上を合格とした。
得られた結果を表1に示す。この結果から、再帰性反射性テープにおいて、透明性微小球の露出率が53〜70%となる状態で固着樹脂層に埋設させることにより、優れた柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性を備えさせつつ、しかも再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界を明瞭に形成できることが明らかとなった。
試験例2
1.再帰性反射性テープの製造
実施例6
平均粒径65μm、屈折率1.93の透明ガラス球を使用し、ポリエチレンフィルムの加熱条件を180℃で3分間に代えたこと以外は、実施例1と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、59%であった。
実施例7
ポリエチレンフィルムの加熱条件を190℃で3分間に代えたこと以外は、実施例6と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、66%であった。
実施例8
ポリエチレンフィルムの加熱条件を210℃で3分間に代えたこと以外は、実施例6と同条件で再帰性反射性材料を製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、69%であった。
比較例5
ポリエチレンフィルムの加熱条件を220℃で6分間に代えたこと以外は、実施例6と同条件で再帰性反射性材料を製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、75%であった。
2.再帰性反射性材料の再帰反射性能の評価
各再帰性反射性材料について、前記試験例1と同様の方法で性能の評価を行った。
得られた結果を表2に示す。この結果からも、再帰性反射性テープにおいて、透明性微小球の露出率を53〜70%の範囲に設定することにより、優れた柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性、及び再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界の明瞭性を同時に実現できることが明らかとなった。
試験例3
1.再帰性反射性テープの製造
実施例9
図2のNo.1(a)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例10
図2のNo.2(a)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例11
図2のNo.3(a)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例12
図2のNo.4(a)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例13
図2のNo.5(a)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例14
図3のNo.1(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例15
図3のNo.2(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例16
図3のNo.3(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例17
図3のNo.4(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
実施例18
図3のNo.5(b)に示す配置(線状部の幅1mm)となるように再帰性反射性領域と非再帰性反射性領域の面積比(再帰性反射性領域の面積/非再帰性反射性領域の面積)の設計値を80/20として、プロッターカッターにより支持体側からポリエチレンフィルムの透明ガラス球が埋没している面側の界面までカットした以外は、実施例3と同条件で再帰性反射性テープを製造した。得られた再帰性反射性テープにおいて、再帰性反射性領域における透明ガラス球の露出率を測定したところ、57%であった。
2.再帰性反射性材料の再帰反射性能の評価
各再帰性反射性材料について、前記試験例1と同様の方法で性能の評価を行った。
得られた結果を表3に示す。この結果から、再帰性反射領域と非再帰性反射領域の配置パターンを変えても、透明性微小球の露出率を53〜70%の範囲に設定することにより、優れた、柔軟性、再帰性反射性能、洗濯耐久性、及び再帰性反射領域と非再帰性反射領域との境界の明瞭性を同時に実現できることが明らかとなった。
1 基材層
11 支持基材
12 離型基材
2 再帰性反射性領域
21 固着樹脂層
22 反射層
23 透明性微小球
24 透明樹脂層
3 非再帰性反射性領域
4 接着層

Claims (7)

  1. 基材層上に再帰性反射性領域が部分的に設けられた再帰性反射性テープであって、
    前記再帰性反射性領域が、
    固着樹脂層と、
    前記固着樹脂層に埋設された透明性微小球と、
    前記透明性微小球と前記固着樹脂層の間に設けられた金属膜からなる反射層と、を有する領域であり、
    前記透明性微小球の屈折率が1.6〜2.5であり、且つ
    前記透明性微小球が、露出率が53〜70%となる状態で前記固着樹脂層に埋設されている、再帰性反射性テープ。
  2. 前記基材層が、
    固着樹脂層の透明性微小球が埋設されていない面側に設けられた支持基材、又は
    透明性微小球の光が入射する側に設けられた、剥離可能な離型基材、
    である、請求項1に記載の再帰性反射性テープ。
  3. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、前記再帰性反射性テープの長手方向及び/又は幅方向において連通しており、
    前記再帰性反射性領域が、前記非再帰性反射性領域によって複数の領域に区画されて図柄模様が形成されている、請求項1又は2に記載の再帰性反射性テープ。
  4. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、再帰性反射性テープの幅方向と平行に延びる直線領域を形成していない、請求項1〜3のいずれかに記載の再帰性反射性テープ。
  5. 前記再帰性反射性領域が設けられていない非再帰性反射性領域が、2つ以上の異なる方向に延びる複数の線状領域を形成している、請求項1〜4のいずれかに記載の再帰性反射性テープ。
  6. 前記2つ以上の異なる方向に延びる複数の線状領域が交わって交点部を形成している、請求項5に記載の再帰性反射性テープ。
  7. 衣料に貼り付けられる用途に使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の再帰性反射テープ。
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