JP2004252116A - 熱転写用再帰反射媒体とその熱転写方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持シート1と一体になった厚み15〜70μmの仮埋設層としての熱軟化性樹脂層2に、屈折率1.6〜2.5、直径が500μm以下の透明微小球3を埋設し、熱軟化性樹脂層2に対する埋設側とは反対側の透明微小球3表面を熱転写性接着層を構成する樹脂の溶融温度よりも高い軟化温度あるいは熱軟化をしない架橋樹脂からなる1層乃至2層のトータル厚みが40μm以下の透明樹脂層4,5でコートし、さらに透明樹脂層4,5の外側に金属反射層6を設け、さらに金属反射層6の外側を透明微小球3配設部全体に亘ってブロッキング温度が40℃以上、融点が160℃以下の厚み20〜100μmの熱転写性接着層7で覆い、この熱転写性接着層7と一体となっている透明微小球3と熱軟化性樹脂層2との剥離強度を30〜300g/25mmとした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は衣料、バッグ、シューズなどのアパレルのワンポイントなどの装飾や、標識用の旗、垂れ幕、安全服、保安用ベストなどの保安衣料および、ウィンドブレーカー、トレーニングウェアー、Tシャツなどのスポーツ衣料に用いることができる熱転写用再帰反射媒体とその熱転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、交通標識などの表示用として、特に夜間の視認性を高めるため、透明微小球を単層に付設した光再帰反射媒体が広く用いられている。近年、交通標識以外にも、警察、消防、土建工事関係者、海難器具など夜間に作業する人々の安全確保の観点から、安全服、保安ベスト、たすき、腕章などの安全衣料に使用されてきた。さらに、一般の安全意識の高揚から夜間の歩行者、ジョッガー、老人、子供、障害者などに対する交通事故防止対策として、ウィンドブレーカー、トレーニングウェアー、Tシャツ、スポーツシューズ、水着などのスポーツアパレル、さらにはバッグやスーツケースなどに対する装飾用を兼ねた用途にも幅広く使用されてきた。
【0003】
このような特に衣料に関連する用途には再帰反射性能が高いばかりでなく、風合いがソフトで、使用中の耐久性、たとえば洗濯耐久性などに優れた媒体が求められている。この用途に再帰性反射性能とソフトな風合いという要求を満足させるため、オープンタイプと呼ばれる再帰反射媒体が広く用いられるようになってきた。オープンタイプの再帰反射媒体はクローズドタイプのそれと対比して特徴づけられる。即ち、オープンタイプでは入射光と再帰反射してゆく光の方向の透明微小球の表面には樹脂層が無く、しかも反射している透明微小球面側には直接反射層を設けている。このためクローズドタイプに比較して、光のロスが少なく、風合いもソフトなものになる。
【0004】
しかし、従来のオープンタイプの再帰反射媒体は光反射層としてアルミニウム蒸着により形成されているものが非常に多い。このため、再帰反射の色は銀白色しか得られないと言う欠点がある。安全のみを主眼とする用途ではこれでも良かったが、最近のアパレル用途などではファッション性も重要視されてきている。そのため、アルミニウム蒸着のような金属蒸着膜を使用せず、反射性微粒子を含有する着色樹脂をスクリーン印刷することにより、再帰反射性はさほど高くはないが、見栄えが良好な反射材が使用される場合もある。
【0005】
さらに着色反射ができる技術として特許文献1にあるように、固着バインダー樹脂層中に40〜80%の埋没率で直径500mμ以下、屈折率1.9以上の高屈折率ガラス小球が埋没され、該ガラス小球の後部埋没部分には、直接反射層を設け、且つガラス小球の前部露出面側に該露出面を覆うように同心楕円半球殻状で厚さ0.01〜5μmの無色あるいは着色透明樹脂の被膜を凹レンズ状に形成してなることを特徴とする光再帰反射器が提案されているが、ガラス小球の前面に着色層を形成するため、オープンタイプに比べ再帰反射性能が低下する。また、使い方によっては使用中の再帰反射体表面の樹脂層の摩擦による摩耗などによって、初期の色調が変化したりする。
【0006】
さらに近年、固有の反射層を形成せず、ガラス微小球のみをワンポイントの装飾用として使用する場合も出てきている。即ち、ガラス微小球のみで、光が微妙に反射し、装飾用として有効なためである。この進んだ形として、特許文献2には樹脂製微小球、また染色されたものを使用した例もある。この場合、軽量、ソフト、色彩感などのファション性は優れるが、樹脂製微小球の屈折率がガラスに比べ低く、たとえ金属膜を微小球の外表面に形成していても再帰反射輝度が低く、視認性の悪い物しか得られない。
【0007】
従来型の反射材をワンポイントに装飾用に利用する場合の被着体への貼り付け方法は再帰反射媒体をカッターで切り取り、被着体に糸により縫い付ける方法や、接着剤で貼り付ける方法が用いられている。何れも、比較的単純な形状の再帰反射媒体をくっつけるに留まっていた。これら方法によれば比較的単純な形状の接着は可能であるが、コンピューターで自由自在の形状に再帰反射媒体を切り出し、その後貼り付け不要の部分を取り去り(以降、カス取りと呼ぶ)、熱転写で衣料などの被着体に貼り付けることができなかった。即ち、この方法を従来の反射材に適用しても、コンピューターにより複雑な形状にカットする工程で反射材の破壊などのトラブルが発生したり、カットはうまくいってもカス取り工程でカスの部分がうまく剥がれないと言った欠点があった。
【0008】
【特許文献1】
特公平4−11002号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000−75116号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明らは前記したような視認性を持つ反射材の課題を解決するもので、オープンタイプの再帰反射性能を可能な限り高く保持し、且つ見栄えのする色調の光反射を実現し、且つ衣料などを代表とする被着体に要求される様々な形状に容易に切り取り、熱転写不要な部分のカス取り工程を経て、被着体に容易に熱転写できる熱転写用再帰反射媒体とその転写方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討を行なった。その結果、熱転写用再帰反射媒体の構成を特定厚み、熱特性、特定層間の接着特性をコントロールすることにより従来にない高い反射性能を有し、色調鮮やかで、且つカット性が良く、カス取り性も良く、ソフトな風合い、耐久性の良い熱転写用再帰反射媒体とその熱転写方法の発明に至った。
【0012】
即ち本発明は、支持シートと一体になった厚み15〜70μmの仮埋設層としての熱軟化性樹脂層に、屈折率1.6〜2.5、直径が500μm以下の透明微小球を埋設し、前記熱軟化性樹脂層に対する埋設側とは反対側の透明微小球表面を熱転写性接着層を構成する樹脂の溶融温度よりも高い軟化温度あるいは熱軟化をしない架橋樹脂からなる1層乃至2層のトータル厚みが40μm以下の透明樹脂層でコートし、さらにこの透明樹脂層の外側に金属反射層を設け、さらにその金属反射層の外側を透明微小球配設部全体に亘ってブロッキング温度が40℃以上、融点が160℃以下の厚み20〜100μmの前記熱転写性接着層で覆い、この熱転写性接着層と一体となっている透明微小球と前記熱軟化性樹脂層との剥離強度を30〜300g/25mmとした熱転写用再帰反射媒体を要旨とするものである。また本発明は、透明樹脂層が着色されている熱転写用再帰反射媒体を要旨とするものである。さらに本発明は、上記熱転写用再帰反射媒体の熱転写性接着層側から希望する図柄にカッティングして余分の透明微小球およびこれを覆う透明樹脂層ならびに金属反射層、熱転写性接着層を熱軟化性樹脂層から一体的に剥がし、被着体に熱転写性接着層側が接するように重ね、被着体と熱転写用再帰反射媒体を熱圧着した後、被着体に熱転写性接着層を介して一体になっている透明微小球を熱軟化性樹脂層から剥離させることにより所望の図柄を被着体に熱転写する熱転写用再帰反射媒体の熱転写方法を要旨とするものである。
【0013】
この構成により、オープンタイプの再帰反射性能を可能な限り高く保持し、且つ見栄えのする色調の光反射を実現し、且つ衣料などを代表とする被着体に要求される様々な形状に容易に切り取り、熱転写不要な部分のカス取り工程を経て、被着体に容易に熱転写できる熱転写用再帰反射媒体とその転写方法を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の熱転写用再帰反射媒体の一例を示す。図1において、支持シート1に仮埋設層としての熱軟化性樹脂層2が積層されている。その熱軟化性樹脂層2の中に無数の透明微小球3が一部埋没した形で設けられている。前記熱軟化性樹脂層2に対する埋設側とは反対側の透明微小球3表面に後述する熱転写性接着層を構成する樹脂の溶融温度よりも高い軟化温度を有するかあるいは明確な熱軟化性を示さない架橋樹脂からなる2層のトータル厚みが40μm以下の透明樹脂層4および5を設ける。そして、外側の透明樹脂層5の表面に金属反射層6を形成し、さらにその上から熱転写性接着層7を設けることにより、熱転写に供することができる再帰反射媒体が構成される。前記外側の透明樹脂層5を着色することも可能である。
【0015】
図2、図3には、この熱転写再帰反射媒体の熱転写用接着層1の上からカッタープロッターで所定の図柄をカットする状態を示し、図4には、しかる後、カス取りをする状態を示している。その後、熱転写性接着層7をくっつけたいと所望する衣服、シャツ、旗、基板などに重ね、この重ねたものを熱ロールなどで熱圧着する。それを冷却し、所定の図柄を図5、図6に示すように熱転写することができる。
【0016】
ここで支持シート1は透明微小球3を埋設する際に、熱軟化性樹脂層2が軟化する温度以上の温度においても充分な安定性を保つシートが要求されている。このようなものとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、紙などが好ましく用いられる。その厚みは30μm以上好ましくは50μm以上である。厚さが薄いと熱軟化性樹脂層2が軟化したとき積層体の保持性が無くなり、好ましくない。
【0017】
透明微小球3を埋没し、保持する熱軟化性樹脂層2としては前記支持シート1より軟化温度の低い樹脂が要求され、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニール共重合体、ポリビニールアルコール、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などが好ましく用いられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。その厚みは15〜70μm、好ましくは20〜40μmである。熱軟化性樹脂層2の厚みが15μm未満では透明微小球3の埋設が不充分であり、蒸着工程などでの透明微小球3の脱落が発生したりする。熱軟化性樹脂層2の厚みが70μmを超えると、支持シート1の厚みが厚すぎて加工工程でロールから浮いたりして事実上加工が困難である。
【0018】
また、支持シート1と熱軟化性樹脂層2とは接着層を介して、あるいは介さずに強固に接着されていることが好ましい。両者の接着が弱いと熱軟化性樹脂層2を軟化させ、透明微小球3を埋没させる際に剥離が生じ、透明微小球3が不完全な埋設となる。
【0019】
本発明に使用する透明微小球3は屈折率1.6〜2.5、好ましくは1.9〜2.3である。屈折率が1.6未満では金属反射層6に焦点が合わなくなり、再帰反射性能が低下するし、屈折率が2.5を超えても同様の現象が起こり、再帰反射性能が低下する。また、透明微小球3の平均粒径は500μm以下、好ましくは20〜200μmである。平均粒径が500μmを超えると転写後の装飾体の柔軟性が無く、アパレル関連用途として汎用性に欠けるものとなる。また、透明微小球3の材質は屈折率が前記範囲に入るものなら特に制約しないが、ガラス製の透明微小球3が透明性、耐薬品性、耐洗濯性、耐候性に優れるので好ましい。
【0020】
また、透明微小球3の熱軟化性樹脂層2への埋没率は透明微小球3の直径の20〜60%が好ましい。特に、埋没率35〜50%前後が透明微小球3の保持性や転写性の点から好ましい。埋没率が20%未満では熱軟化性樹脂層2による透明微小球3の固着が悪くなり、蒸着工程など、金属反射層形成工程で透明微小球3の脱落が生じる。また、埋没率が60%を超えると熱転写の際、熱軟化性樹脂層2側に透明微小球3が残存し転写性が悪くなる。
【0021】
本発明の透明微小球3に設けられる透明樹脂層4、5としては熱軟化性樹脂層2より高い軟化温度を有するものである。さらに好ましくは熱転写する温度において軟化せず、流動を起こさないものである。また、透明微小球3との密着性の優れたものが好ましいことは言うまでもない。ここで用いられる樹脂としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−酢酸ビニール系樹脂などがあり、それらの1種または2種以上を主体としたものが使用できる。また、それらの2種以上の共重合物あるいはそれらを主体とした他の素材との共重合物も好ましく用いられる。特に好ましいのはポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニール系樹脂である。さらに好ましくは、イソシアネート化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、シラン系化合物などの架橋剤を適当量配合して、架橋硬化することであり、これにより明確な軟化温度を示さなくなり、高温における熱転写にも対応でき、且つまた、透明微小球3との密着性も向上し、耐久性の高いものが得られる。
【0022】
透明樹脂層4,5を合計した厚みは40μm以下で、30μm以下が好ましい。より好ましくは15〜30μmである。透明樹脂層4,5合計の厚みが40μmを超えると風合いが硬くなることは言うに及ばず、再帰性反射性能が低下する。ここでいう厚みは透明微小球3への平均塗布厚さであり、透明微小球3の頂部より透明微小球3相互間隙での厚さがより厚くなった方がその後方にある熱軟化性樹脂2の溶出防止効果があり好ましい。なお、本発明の実施の形態では2層の透明樹脂層4,5が設けられているが、厚みが30μm以下の1層の透明樹脂層が設けられていても良い。また、着色反射させる場合は透明樹脂層5に透明着色剤を含ませて構成すれば良い。
【0023】
本発明の熱転写性接着層7としては、できるだけ低温で溶融し、衣料などの被着体に接着するのが好ましいが、熱転写用再帰反射媒体の保存時のブロッキング性や、使用中の耐久性や洗濯の際の耐久性から制約が出てくる。熱転写性接着層7の融点としては160℃以下である。より好ましくは100〜150℃である。融点が100℃未満では使用中の耐久性が悪く、160℃を超えると熱圧着温度が高いため、熱軟化性樹脂層2の流動が発生し溶出により被着体への汚染が生じる。また、160℃を超えると被着体が高温のため黄変したり焦げたり、被着体が融点の低い樹脂なら熔けたりする悪影響を受ける。また、本発明の熱転写性接着層7を形成する樹脂のブロッキング開始温度は40℃以上である。40℃未満の場合、樹脂が室温状態でやわらかく図柄をカッティングする場合、カット性が悪い。即ち、カッターによる切れ目形成がしづらい。ブロッキング開始温度が40℃を下回るとき、極端な事例ではカット刃の試料内の進行にともなって一旦切れた部分が刃の通り過ぎた後、樹脂が戻ってきて、再度ふさがるようなこともある。極端になるとカッター刃で切れずに樹脂が伸びる傾向が顕著となる。本発明の熱転写性接着層7としてはアクリル系樹脂、ビニール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム系樹脂などを主成分として用いることができる。また、それらの2種以上の混合物であっても良い。金属層との密着性が強く、且つ、適用する被着体との密着性が強く、使用中の揉み、摩擦などに強く、薬品に犯されにくいものが望ましい。また、用途に応じては柔軟性などの点から最適な樹脂を適宜選択できる。特に、ポリエステル系樹脂や、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。また、熱転写性接着層7に各種添加剤を配合し、見かけの軟化温度を上げたり、熱圧着時の流動性を改良したり、耐候性や耐酸化性などを向上する方法を採ることもできる。さらに、この熱転写性接着層7の厚みは20〜100μm、好ましくは25〜70μmである。熱転写性接着層7の厚みが20μm未満では被着体との接着剤の浸透が不充分であったり、接着層厚みが不充分で接着強度が出ない。熱転写性接着層7の厚みが100μmを超えると逆に接着層自体のバルクの破壊が発生し易く、かえって接着強度が低下する。
【0024】
また、熱軟化性樹脂層2と、熱転写性接着層7と一体となっている透明微小球3との間の剥離強度は30〜300g/25mmであることが必要である。より好ましくは50〜250g/25mmである。この剥離強度が30g/25mm未満の場合はカッター刃で所望の図柄、文字をカットする際カッター刃の刃を押し付ける力およびカッター刃が試料内を進行する際のカット抵抗に抗し得ず、図柄が熱転写性接着層7から剥がれてしまう。剥離強度が300g/25mmを超えると、カス取りの際、ちぎれたり、カスが取れなくなる。
【0025】
図1に示す熱転写用再帰反射媒体を用いて熱転写する際の作業例を図2〜図6に基づき説明する。
図2はプロッターカッター8で熱転写用再帰反射媒体9に切れ目を入れる状態を示し、熱転写性接着層7の上から所望の切り取りパターンを描く。普通は切り取りたい図柄をコンピューターに入力し、カッター刃は熱転写性接着層7とその下の熱軟化性樹脂層2の一部に到達するように、差し込まれ、入力された図柄にコントロールされたプロッターカッター8と熱転写用再帰反射媒体9が動き図柄状にカットする。図3は切り終わった状態を示し、プロッターカッター8で切ったカット跡がふさがらず、カス取りがし易い状態にある。図4はカス取りが終わった状態を示し、不要な部分が剥がし取られる。図5は熱転写する被着体10に転写部分を重ねセットした状態を示し、支持シート1側から熱ロールやアイロンその他の熱源で加熱し被着体10に熱転写性接着層7を介して熱接着させる。図6は最終的に再帰反射媒体9を被着体10に転写し終わった状態を示す。以下、実施例で本発明を説明する。
【0026】
反射輝度測定法;JISZ9117(1984) 「入射角度12°、観測角度5′の測定値で比較」
剥離強度測定;JISK6854(1994)「180°剥離」
ブロッキング温度;自社法「3インチコアに熱転写用再帰反射媒体を巻き、一定温度で48時間放置後、室温に戻し巻物解除する際の抵抗をみる。媒体がくっつき始めた温度をブロックキング温度とする」
【0027】
実施例1〜3、比較例1、2
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに仮埋設層として厚み10μm(比較例1)、15μm(実施例1)、40μm(実施例2)、70μm(実施例3)、80μm(比較例2)のポリエチレンフィルムをラミネートし、これを120℃で3分加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させ、平均粒径50μm、屈折率1.92のガラス製の透明微小球を、ほぼ一面に単層散布し透明微小球を表1に示す如く埋設させる。その後、埋設されていない透明微小球側に、エチレン−酢酸ビニール系樹脂1μm、さらにその上にエステル系ウレタン樹脂22μmをコートした後、800ÅのAl蒸着を行なった。次いでブロッキング温度45℃、融点110℃の飽和エステル系樹脂を60μmにコートした。その後、ミマキ製プロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンを用いて120℃で熱転写した。表1において、初期の反射性能、40℃家庭洗濯で30洗後の反射性能値も併せて評価している。何れの試料も風合い良好であった。なお、比較例1の試料にあっては仮埋設層の厚みが薄すぎるがためにAl蒸着工程で透明微小球が落下するという問題があり、また比較例2の試料にあっては仮埋設層の厚みが厚すぎるがために加工工程でロールから仮埋設層が浮くという問題があった。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例4〜7、比較例3
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに仮埋設層として厚み40μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、これを120℃で3分加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させ、平均粒径50μm、屈折率1.92のガラス製の透明微小球を、ほぼ一面に単層散布し透明微小球を50%の埋設率で埋設させる。その後、埋設されていない透明微小球側に、エチレン−酢酸ビニール系樹脂1μm、さらにその上にエステル系ウレタン樹脂5μm(実施例4)、15μm(実施例5)、25μm(実施例6)、35μm(実施例7)、40μm(比較例3)をコートした後、800ÅのAl蒸着を行なった。次いでブロッキング温度45℃、融点110℃の飽和エステル系樹脂を80μmにコートした。その後、ミマキ製のプロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンを用いて120℃で熱転写した。表2において、初期の反射性能、貼り合わせ後の風合いを評価している。比較例3の試料にあっては、実施例4〜実施例7に比べて風合いが硬いという問題があった。
【0030】
【表2】
【0031】
実施例8〜10 比較例4、5
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに仮埋設層として厚み40μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、これを120℃で3分加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させ、平均粒径50μm、屈折率1.92のガラス製の透明微小球を、ほぼ一面に単層散布し透明微小球を50%の埋設率で埋設させる。その後、埋設されていない透明微小球側に、エチレン−酢酸ビニール系樹脂1μm、さらにその上にエステル系ウレタン樹脂25μmをコートした後、800ÅのAl蒸着を行なった。次いで熱転写性接着層としてブロッキング温度Tb35℃、45℃、50℃の飽和エステル系樹脂を15〜60μmにコートした。その後、プロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンを用いて130℃で熱転写した。表3において、初期の反射性能も併せて評価している。比較例4の試料にあっては、カット性およびブロッキング性が悪く、織物に貼れず、また比較例5の試料にあっては、織物に対して一部くっつき性が悪いという問題があった。
【0032】
【表3】
【0033】
実施例11〜12、比較例6、7
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに仮埋設層として厚み40μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、これを120℃で3分加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させ、平均粒径50μm、屈折率1.92のガラス製の透明微小球を、ほぼ一面に単層散布し透明微小球を50%の埋設率で埋設させる。その後、埋設されていない透明微小球側に、透明樹脂層としてエチレン−酢酸ビニール系樹脂の厚みを0μm〜2μmの間で変え、さらにその上に架橋剤を含むエステル系ウレタン樹脂22μmをコートした後、800ÅのAl蒸着を行なった。次いでブロッキング温度50℃融点115℃の飽和エステル系樹脂を80μmにコートした。その後、ミマキ製プロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンで120℃で熱転写した。表4において、初期の反射性能も併せて評価している。比較例6の試料にあっては、剥離強度が大きすぎて、剥離時に段発生し、表面むらが発生するという問題があり、また比較例7の試料にあっては、剥離強度が小さすぎて、カット時に浮きが発生し、カットできないという問題があった。
【0034】
【表4】
【0035】
実施例13〜16、比較例8、9
厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに仮埋設層として厚み40μmのポリエチレンフィルムをラミネートし、これを120℃で3分加熱して、ポリエチレンフィルムを溶融させ、平均粒径50μm、屈折率1.92のガラス製の透明微小球を、ほぼ一面に単層散布し透明微小球を50%の埋設率で埋設させる。その後、埋設されていない透明微小球側に、透明樹脂層としてエチレン−酢酸ビニール系樹脂1μm、さらにその上に実施例13として赤の透明着色剤を含ませたエステル系ウレタン樹脂(同様に黄色、緑、青の透明着色剤を含ませた実施例14,15,16)を25μm厚でコートした後、800ÅのAl蒸着を行なった。次いでブロッキング温度45℃、融点110℃の飽和エステル系樹脂を80μmにコートした。その後、ミマキ製プロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンで120℃で熱転写した。表5において、初期の反射性能、40℃家庭洗濯で30洗後の反射性能値も併せて評価している。比較例8では平均粒径60μm、屈折率2.25のガラス微小球を用い、実施例13と同様にAl蒸着した後、接着層を設けた。その後、仮埋設層を剥離してから剥離面が露出したガラス微小球面に赤色透明着色剤を含むエステル系ウレタン樹脂を3μmコートした。比較例9では平均粒径60μm、屈折率1.5の赤色アクリル製微小球をガラス微小球の代わりに用い、Al蒸着を直接アクリル製微小球に実施し、比較例8と同様に接着層を設けた。その後、ミマキ製プロッターカッターでUのロゴをカットし、カス取り後、ポリエステル−綿タフタ織物(目付100g/m2)にアイロンで120℃で熱転写した。基布に貼り合わせる際、比較例8では着色層側に離型紙をかませ、他の実施例同様、その上からアイロンで熱転写した。初期の反射性能、40℃家庭洗濯で30洗後の反射性能値も併せて評価している。比較例8の試料にあっては、色落ちが生じるという問題があり、比較例9にあってはアクリル製微小球が接着時の熱で変形し、再帰性反射率が低いという問題があった。
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、オープンタイプの再帰反射性能を可能な限り高く保持し、且つ見栄えのする色調の光反射を実現し、且つ衣料などを代表とする被着体に要求される様々な形状に容易に切り取り、熱転写不要な部分のカス取り工程を経て、被着体に容易に熱転写できる熱転写用再帰反射媒体とその転写方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における熱転写用再帰反射媒体の一例を示す断面図である。
【図2】同プロッターカッターで熱転写用再帰反射媒体に切れ目を入れる状態を示す断面図である。
【図3】同プロッターカッターで熱転写用再帰反射媒体に切れ目を入れた状態を示す断面図である。
【図4】同カス取りが終わった状態を示す断面図である。
【図5】同熱転写する被着体に転写部分を重ねセットした状態を示す断面図である。
【図6】同再帰反射媒体を被着体に転写し終わった状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持シート
2 熱軟化性樹脂層
3 透明微小球
4,5 透明樹脂層
6 金属反射層
7 熱転写性接着層
8 プロッターカッター
9 熱転写用再帰反射媒体
10 被着体
Claims (3)
- 支持シートと一体になった厚み15〜70μmの仮埋設層としての熱軟化性樹脂層に、屈折率1.6〜2.5、直径が500μm以下の透明微小球を埋設し、前記熱軟化性樹脂層に対する埋設側とは反対側の透明微小球表面を熱転写性接着層を構成する樹脂の溶融温度よりも高い軟化温度あるいは熱軟化をしない架橋樹脂からなる1層乃至2層のトータル厚みが40μm以下の透明樹脂層でコートし、さらにこの透明樹脂層の外側に金属反射層を設け、さらにその金属反射層の外側を透明微小球配設部全体に亘ってブロッキング温度が40℃以上、融点が160℃以下の厚み20〜100μmの前記熱転写性接着層で覆い、この熱転写性接着層と一体となっている透明微小球と前記熱軟化性樹脂層との剥離強度を30〜300g/25mmとしたことを特徴とする熱転写用再帰反射媒体。
- 透明樹脂層が着色されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写用再帰反射媒体。
- 請求項1または2記載の熱転写用再帰反射媒体の熱転写性接着層側から希望する図柄にカッティングして余分の透明微小球およびこれを覆う透明樹脂層ならびに金属反射層、熱転写性接着層を熱軟化性樹脂層から一体的に剥がし、被着体に熱転写性接着層側が接するように重ね、被着体と熱転写用再帰反射媒体を熱圧着した後、被着体に熱転写性接着層を介して一体になっている透明微小球を熱軟化性樹脂層から剥離させることにより所望の図柄を被着体に熱転写することを特徴とする熱転写用再帰反射媒体の熱転写方法。
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JP2003041933A JP2004252116A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | 熱転写用再帰反射媒体とその熱転写方法 |
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Cited By (2)
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WO2018003824A1 (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-04 | ユニチカスパークライト株式会社 | 再帰性反射性テープ |
JP2018067012A (ja) * | 2017-12-28 | 2018-04-26 | ユニチカスパークライト株式会社 | 再帰性反射性テープ |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003041933A patent/JP2004252116A/ja active Pending
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WO2018003824A1 (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-04 | ユニチカスパークライト株式会社 | 再帰性反射性テープ |
JP2018004899A (ja) * | 2016-06-30 | 2018-01-11 | ユニチカスパークライト株式会社 | 再帰性反射性テープ |
JP2018067012A (ja) * | 2017-12-28 | 2018-04-26 | ユニチカスパークライト株式会社 | 再帰性反射性テープ |
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