JP2003240929A - 再帰性反射材 - Google Patents

再帰性反射材

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JP2003240929A JP2002044062A JP2002044062A JP2003240929A JP 2003240929 A JP2003240929 A JP 2003240929A JP 2002044062 A JP2002044062 A JP 2002044062A JP 2002044062 A JP2002044062 A JP 2002044062A JP 2003240929 A JP2003240929 A JP 2003240929A
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操 飯干
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光反射層が透明で種々の色彩の再帰反射性能が
得られ、しかも安価で、且つ長期の着用や洗濯による再
帰反射性能の低下を抑え、耐洗濯性や耐久性に優れた再
帰性反射材を提供する。 【解決手段】屈折率が1.7以上の透明微小球1層と、
厚さ15μm以下の透明樹脂プライマー層2と、屈折率
が1.7以上の透明金属薄膜3からなる光反射層と、前
記透明微小球1を部分的に埋没させて保持する固着樹脂
層4を順次積層した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料、鞄、バッ
グ、靴などのアパレル関連部材の装飾類、作業服などの
安全用資材類に好適で、特に安価で種々の色彩を有し、
しかも再帰性反射性能に優れ、且つ耐洗濯性に優れた再
帰性反射材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から交通標識などの表示用として、
特に夜間の視認性を高めるため、ガラス微小球を単層に
付設した光再帰性反射材が広く用いられている。しかる
に、近年、交通標識に使用されていた再帰性反射材が警
察、消防、工事関係者など夜間に作業する人の安全確保
の観点から、安全服や保安用ベスト、たすき、腕章など
の安全用衣料に使用されるようになった。さらに、一般
の人の安全意識の高揚から夜間の歩行者、ジョギング
者、子供に対する交通事故防止対策としてウインドブレ
ーカー、トレーニングウエア、Tシャツやスポーツシュ
ーズなどのスポーツ衣料、鞄、バッグなど装飾などのア
パレル関連にも幅広く使用されるようになってきた。
【0003】このような再帰性反射材にはガラス微小球
を樹脂層に完全に埋設したクローズドタイプとガラス微
小球の一部が空気中に露出するオープンタイプとがあ
る。クローズドタイプの再帰性反射材は樹脂を多層に積
層して作られるため、光が樹脂層を透過する回数が多く
なり、そこでの光の吸収によるロスにより反射性能が低
下する問題がある。また、樹脂を多層に積層するため、
風合いが硬くなり、交通関連標識には適しているが、衣
料用には不適なものであった。また、衣料用の宿命であ
る耐摩擦性や耐屈曲性、耐洗濯性に劣り、長期間の着用
や多数回の洗濯を行なうと、樹脂層間の剥離が生じた
り、ひび割れが生じるなどの問題があった。
【0004】そこで、近年衣料に取り付ける再帰性反射
材としてガラス微小球の一部が空気中に露出するオープ
ンタイプのものが用いられるようになった。これは表面
に樹脂層が存在せず、しかもガラス微小球の裏面に直接
反射層を設けているため、樹脂による光吸収のロスがな
く、クローズドタイプのものに比べると非常に高い再帰
反射性を示し、且つ風合いも樹脂層の数が少ないためク
ローズドタイプのものに比べると非常にソフトとなり、
さらに衣料に取り付けた場合においても使用中の耐久性
にも優れることから、現在広く普及するようになってき
ている。
【0005】しかし、従来のオープンタイプの再帰性反
射材は一般的に光反射層にアルミニウム蒸着膜が使用さ
れている。アルミニウム蒸着膜は安価で、再帰反射性能
に優れていることから広く使用されているのであるが、
再帰性反射材の色が銀白色しか得られないといった欠点
があった。安全性のみを主眼としたものではそれでも良
いが、近年アパレル関連用途には安全性にプラスして、
ファッション性のニーズが高く、種々の色彩の再帰性反
射材が求められるようになってきている。
【0006】そこで、このような問題を解決するため、
特公昭54−18119号公報や特開昭63−3890
2号公報に開示されているように、光反射層に屈折率の
異なる透明金属膜を積層することで再帰反射性を付与
し、しかも反射膜が透明なため後方の樹脂や基布の色が
そのまま見えることができる再帰性反射材の提案がなさ
れている。
【0007】しかし、従来の技術で製造されているこの
種の再帰性反射材は、光反射層に2種以上の屈折率の異
なる透明金属膜層が必要であり、製造コストが高く、高
価となり、安価なものが求められるアパレル関連には使
用が困難であった。また、金属膜同士の間の密着性や、
ガラス微小球と金属膜との間の密着性は、金属膜と樹脂
との間の密着性に比べて低いため、透明金属膜層間の密
着性やガラス微小球と透明金属膜層との間の密着性にも
問題があり、長期間の着用や多数回の洗濯に対してダメ
ージを受け易いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、光反射層が透明で種々の色彩の再
帰反射性能が得られ、しかも安価で、且つ長期の着用や
洗濯による再帰反射性能の低下を抑え、耐洗濯性や耐久
性に優れた再帰性反射材を提供することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、かかる反射材の開発に鋭意検討を行なっ
た結果、透明な微小球の背後に透明樹脂プライマー層を
設けることによって、透明金属薄膜が1層でも優れた再
帰反射性能が得られ、しかも透明樹脂プライマー層の選
択によって透明微小球および透明金属薄膜との密着性に
優れたものが得られることを見出し、本発明に到達した
ものである。
【0010】即ち本発明は、屈折率が1.7以上の透明
微小球層と、厚さ15μm以下の透明樹脂プライマー層
と、屈折率が1.7以上の透明金属薄膜からなる光反射
層と、前記透明微小球を部分的に埋没させて保持する固
着樹脂層を順次積層してなる再帰性反射材である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の再帰性反射材の第1の例について図1に基づき説
明する。図において透明微小球1の背後に位置する半球
部分表面に透明樹脂プライマー層2を設け、その背後に
透明金属の蒸着により形成する透明金属薄膜3を設け
る。つまり、透明微小球1の背後に位置する半球部分表
面を透明樹脂プライマー層2で覆うとともに透明樹脂プ
ライマー層2の外側からさらに透明金属薄膜3で覆う。
そして、このように透明樹脂プライマー層2および透明
金属薄膜3で覆われた透明微小球1の背後に位置する半
球部分が埋没した状態となるように固着樹脂層4で保持
する。なお、固着樹脂層4は繊維布帛5の上に直接設け
られて保持される。
【0012】ここで、透明微小球1の屈折率は1.7以
上であり、1.7〜2.5が好ましい。より好ましく
は、1.9〜2.3である。透明微小球1の屈折率が
1.7未満では再帰反射性能が低下してくるため好まし
くない。また、透明微小球1の平均粒子径は500μm
以下、好ましくは30〜200μmである。透明微小球
1の平均粒子径が500μmを超えると再帰性反射材の
厚さが厚くなり、柔軟性がなくなり、光反射材として汎
用性のあるものが得られない。
【0013】透明微小球1の材料としては透明性が高
く、屈折率が前記範囲に入るものであれば何でも良い
が、特にガラス球が透明性も高く、屈折率も目的に合わ
せ易く、耐洗濯性や耐薬品性、耐候性にも優れ、好まし
い。
【0014】本発明の透明微小球1の背後に設けられる
透明樹脂プライマー層2としては、透明微小球1および
透明金属薄膜3との密着性に優れた無色透明の樹脂が好
ましい。透明微小球1および透明金属薄膜3に対する透
明樹脂プライマー層2の密着性が悪いと、使用中の耐洗
濯性や耐久性が低下するという問題が生じる。また、こ
のプライマー層2の透明性が低下すると、再帰反射性能
が低下する。この透明樹脂プライマー層2の材料として
特に、好ましくは、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂の1種または2種以上を主体とす
るものである。また、それらの2種以上の共重合物ある
いはそれらを主体とした他の材料との共重合物も好まし
く用いられる。また、耐洗濯性としてアルカリ洗剤、中
性洗剤などに対する耐薬品性、ドライクリーニングにお
けるトリクロロエタンやパークロロエタンなどの各種有
機溶剤に対する耐溶剤性、高温の熱水に対する耐久性、
あるいはそれらの組み合わせとして高濃度のアルカリ洗
剤でしかも高温での洗濯耐久性の優れた樹脂が要求され
ている。さらに、透明微小球1や透明金属薄膜3との密
着保持性および耐洗濯性の向上を目的として、イソシア
ネート系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物
などの架橋剤を適当量配合することも好ましい。
【0015】透明樹脂プライマー層2の厚さは15μm
以下が好ましい。より好ましくは、0.01〜10μm
である。透明樹脂プライマー層2の厚さが15μmを超
えると、再帰反射性が悪くなる。ここでいう透明樹脂プ
ライマー層2の厚さは透明微小球1の頂部での厚さであ
り、透明微小球1の頂部より透明微小球1間の間隙の厚
さの方がより厚くなっても良い。
【0016】透明樹脂プライマー層2には透明微小球1
や透明金属薄膜3との密着保持性および耐洗濯性の向上
を目的にシラン化合物を配合することも好ましい。ここ
で使用されるシラン化合物としては、一般式(R1
a(R2bSiX4-a-b で表されるシランカップリング
剤が好ましく用いられる。ここで、a,bは0〜3の整
数であり、且つa+bが3である。R1,R2 はメチル
基、イソブチル基、n―プロピル基、n―デシル基、n
―ヘキサデシル基、フェニル基、シクロヘキシル基、γ
−ウレイドプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−ジ
ブチルアミノプロピル基、γ−(2−アミノエチル)ア
ミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−
(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル基、ビニル
基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプ
ロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−アニリノプロピ
ル基などの有機化合物であるが、特にプライマー樹脂と
の相溶性の良好なものが好ましい。特に、アルキル基の
分子鎖の長いものが相溶性に優れ、好ましい。Xは塩素
原子、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、
アセトキシ基などの加水分解性基であるが、特にメトキ
シ基が好ましい。
【0017】シラン化合物のプライマー樹脂への配合量
は0.01〜10重量%が好ましい。特に好ましくは、
1〜5重量%である。シラン化合物の配合量が0.01
重量%未満の場合は耐洗濯性の向上効果が充分でなく、
10重量%を超えるとプライマー樹脂層の強度が弱くな
る傾向がある。
【0018】本発明の透明樹脂プライマー層2の背後に
設けられる透明金属薄膜3は、屈折率が1.7以上で、
光を透過する透明な薄膜である。屈折率は好ましくは、
1.7〜3.5である。屈折率が1.7未満であると高
い再帰反射性能が得られない。透明金属薄膜3の厚さは
300〜3000Åが好ましい。より好ましくは、50
0から1500Åである。透明金属薄膜3の厚さが薄す
ぎると再帰反射性能が低く、耐洗濯性も低下する。
【0019】本発明で使用される透明金属薄膜3の材料
としては、CdS,CeO2,CsI,GaAs,G
e,InAs,InP,InSb,ZrO2,Bi
23,ZnSe,ZnS,WO3,PbS,PbSe,
PbTe,RbI,Si,Ta23,Te,TiO2
どである。特に、汎用的で、安価で、再帰反射性能にも
優れるZnSが好ましい。透明金属薄膜3は透明金属を
用いて蒸着、スパッタリングあるいはメッキなどの方法
を用いて形成される。
【0020】本発明で使用される固着樹脂層4として
は、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴ
ム系樹脂およびビニル系樹脂などの各種合成樹脂を主成
分として用いることができる。また、それらの2種以上
の混合物を使用することもできる。透明微小球1の背後
に設けられる透明金属薄膜3に強固に密着し、透明微小
球1を保持する力が強く、且つ繊維布帛5との密着性が
強く、洗濯時における洗剤や中和剤などの薬品に侵され
にくいものや、揉み、摩擦などの物理的作用に対する耐
久性の強いものが望ましい。また、用途に応じては柔軟
性などの点から最適な樹脂を適宜選択することができ
る。特に、ポリエステル系樹脂やポリウレタン系樹脂、
あるいはそれらの混合物が反射層である透明金属薄膜3
に対する接着性が強く、しかも柔軟で使用中の摩擦や屈
曲に対する耐久性の高い組成を容易に選択することがで
き好ましい。
【0021】固着樹脂層4の物理的耐久性を向上させる
ために、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、
メラミン系架橋剤などを適当量配合し、固着樹脂を架橋
硬化するようにしても良い。また、固着樹脂中にシラン
化合物、酸化チタン、カーボンブラック、アルミニウム
粉末、シリカ粉末などの無機フィラーを補強材として適
宜配合し耐久性を上げるようにしても良い。特にシラン
化合物は透明金属薄膜3との密着性が強く、その結果反
射材の物理的な耐久性が向上し好ましい。
【0022】シラン化合物としては、前記透明樹脂プラ
イマー層2の説明で記載した内容と同一であるが、そこ
で配合した化合物と同一でも良いし、異種の化合物を使
用することもできる。
【0023】また、色彩のついた再帰性反射材を得る目
的として、各種顔料、蛍光性顔料、蓄光性顔料などを適
宜配合することもできる。透明微小球1の固着樹脂層4
への埋没率は、透明微小球1の直径の40〜80%が好
ましい。その中でも、50%前後が透明微小球1の保持
性や反射性能の点からも好ましい。埋没率が40%未満
では透明微小球1の固着が悪くなって透明微小球1の脱
落が生じ易くなり、耐久性などが低下する傾向がある。
また、埋没率が80%を超えると高角度の入射角におけ
る反射性能が低下するようになる。
【0024】本発明で使用される繊維布帛5としては、
ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロ
ニトリル系繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、木綿、
絹、羊毛などの天然繊維、あるいはそれらの混紡繊維か
ら形成される織物、編物、不織布などが挙げられる。
【0025】また、繊維布帛5は公知の方法により染色
されたもの、図柄模様にプリントされたもの、蛍光顔料
や蓄光顔料を表面にコーティングするか図柄模様にプリ
ントされたものなどを用いることも好ましい。例えば、
本発明の再帰性反射材を透明な接着剤を用いてプリント
柄の繊維布帛の上に貼り付けた場合、日中においては反
射材は目立たず、下のプリント柄が見え、夜間光を当て
ると反射材が再帰反射し、着用者を良好に視認すること
ができるのである。
【0026】本発明に係わるオープンタイプの再帰性反
射材は、例えば次のような方法で製造される。ポリエチ
レンテレフタレートフィルムなどのフィルム基材にポリ
エチレンフィルムの如き軟化点の低い透明微小球仮埋没
用樹脂層を積層し、仮埋没支持体を作成する。この仮埋
没支持体を透明微小球仮埋没用樹脂の軟化点以上の温度
で加熱し、その上から透明微小球を単層に一面に散布
し、透明微小球の直径の20〜60%を透明微小球仮埋
没用樹脂層に埋没させる。こうしてできた透明微小球の
仮埋没支持体の透明微小球露出面上に透明樹脂プライマ
ーをコートし、透明樹脂プライマー層を形成する。その
上に、透明金属薄膜を蒸着により形成する。さらにその
上に、固着樹脂層を所定の厚さに積層した後、繊維布帛
上にこの固着樹脂単独でもって接着する。次いで、透明
微小球を仮埋没した仮埋没支持体を剥離することによっ
て透明微小球の一部を空気中に露出させたオープンタイ
プの再帰性反射材が得られる。
【0027】ここで、透明微小球を仮埋没させる仮埋没
支持体としては、フィルム基材には高温に安定なポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど
のボリエステルフィルム、紙などが好ましく用いられ
る。また、透明微小球を仮埋没させる透明微小球仮埋没
用樹脂層としては、前記フィルム基材より軟化温度の低
い樹脂層が必要で、ポリエチレンフィルム層、ポリプロ
ピレンフィルム層、アクリル系粘着剤層、ポリウレタン
系粘着剤層、ポリエステル系粘着剤層などが好ましく用
いられる。
【0028】本発明に係わる第2の例として、図2に示
すように固着樹脂層4に直接ホットメルト接着剤層6を
接合するものである。使用するホットメルト接着剤層6
としては、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着
剤、ポリアミド系接着剤、ビニル系接着剤などが好まし
く用いられる。本発明の再帰性反射材は、繊維布帛など
に熱圧着することができ、作業性に優れている利点があ
り、近年広く普及しているものである。
【0029】この第2の例の再帰性反射材の製造方法の
一例としては、仮埋没支持体に透明微小球を仮埋没さ
せ、透明樹脂プライマー層、透明金属薄膜、固着樹脂層
を順次形成した積層物の固着樹脂層上にホットメルト接
着剤を溶融押し出しあるいはコーティングにより積層
し、製造することができる。また、透明金属薄膜までの
積層物に固着樹脂層をコートし、予め作成しておいてホ
ットメルト接着剤フィルムを貼り合わせることにより製
造することもできる。
【0030】本発明に係わる第3の例として、図3に示
すように固着樹脂層4と繊維布帛5との間の接着性を上
げるためにその間に接着剤7を介して接着することもで
きる。使用する接着剤としては、従来から公知のアクリ
ル系接着剤、ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、
ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ゴム系接
着剤などがある。固着樹脂と繊維布帛との種類によって
最適な接着剤を選ぶ必要があるが、一般的にはポリエス
テル系接着剤、ポリウレタン系接着剤が好ましく用いら
れる。接着剤の耐久性を向上させるためにポリイソシア
ネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤
などを適当量配合し、接着剤を架橋硬化させることによ
り耐久性を向上させることができる。
【0031】以上のように本発明は、透明微小球層、透
明樹脂プライマー層、透明金属薄膜からなる光反射層お
よび固着樹脂層を順次積層してなる再帰性反射材であ
り、安価で、種々の色彩を得ることができ、優れた耐久
性、耐洗濯性を有するオープンタイプの再帰性反射材を
提供するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 実施の形態1 厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
に、厚さ40μmのポリエチレンフィルムをラミネート
した仮埋没フィルムを120℃で3分間加熱し、ポリエ
チレンフィルムを溶融させ、その上に平均粒子径80μ
m、屈折率1.92の高屈折率のガラス微小球をほぼ一
面に単層に散布し、ガラス微小球の直径のほぼ50%を
仮埋没させる。
【0033】その上に厚さ5μmのポリウレタン系樹脂
からなる透明樹脂プライマー層を形成し、さらにその上
に厚さ650ÅのZnSの透明薄膜を真空蒸着により形
成し、次にポリアクリル−ウレタン系樹脂からなる固着
樹脂層を厚さ約60μmとなるように形成し、目付約1
03g/m2の黄色に染色したポリエステル−綿タフタ
織物に接着固定する。次いで、ガラス微小球を仮埋没し
ている仮埋没フィルムを剥離し、ガラス微小球の約50
%が空気中に露出したオープンタイプの再帰性反射材を
得た。この再帰性反射材は黄色を呈したものが得られ
た。
【0034】このオープンタイプの再帰性反射材の反射
性能は、JIS Z 9117 「保安用反射シート及
びテープ」に準じ、観測角12′、入射角5°で測定し
て95cd/lx/m2であった。この再帰性反射材を
ISO 6330 2A法で30回繰り返し洗濯を行な
った後、反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】実施の形態2 実施の形態1と同様にして、透明樹脂プライマー層のみ
をポリエステル系樹脂に1重量%のエポキシ系シランカ
ップリング剤を配合した樹脂で、6μmの厚さに形成し
た。この再帰性反射材の反射性能は98cd/lx/m
2であった。さらに、実施の形態1と同様の洗濯を行な
った結果を表1に示す。
【0036】実施の形態3 実施の形態1と同様にして、ZnSの透明薄膜を形成し
たものに、ポリウレタン系樹脂からなる固着樹脂層を厚
さ約30μmとなるように形成する。次いで、その上に
黄色蛍光顔料を20重量%含有した50μmの厚さのポ
リエステル系ホットメルト接着剤を積層する。
【0037】次いで、目付103g/m2のポリエステ
ル−綿タフタ織物にホットメルト接着により固定する。
次いで、ガラス微小球を仮埋没している仮埋没フィルム
を剥離し、ガラス微小球の約50%が空気中に露出した
オープンタイプの再帰性反射材を得た。この再帰性反射
材は黄色を呈したものが得られた。
【0038】実施の形態1と同様に測定した反射性能は
93cd/lx/m2であった。この再帰性反射材を実
施の形態1と同様に30回繰り返し洗濯を行なった後、
反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】比較例 実施の形態1と同様にして、ガラス微小球の直径のほぼ
50%を仮埋没させたシートを作成する。その上に厚さ
750ÅのSiO2の透明薄膜を真空蒸着により形成
し、さらにその上に厚さ650ÅのZnSの透明薄膜を
真空蒸着により形成する。次に、ポリアクリル−ウレタ
ン系樹脂からなる固着樹脂層を厚さ約60μmとなるよ
うに形成し、目付約103g/m2の黄色に染色したポ
リエステル−綿タフタ織物に接着固定する。次いで、ガ
ラス微小球を仮埋没している仮埋没フィルムを剥離し、
ガラス微小球の約50%が空気中に露出したオープンタ
イプの再帰性反射材を得た。この再帰性反射材は黄色を
呈したものが得られた。
【0040】実施の形態1と同様に測定した反射性能は
85cd/lx/m2であった。この再帰性反射材を実
施の形態1と同様に30回繰り返し洗濯を行なった後、
反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】 表1からも本発明の実施の形態1〜3の初期反射性能に
対する洗濯後の反射性能の低下は30cd/lx/m2
前後であるが、比較例の初期反射性能に対する洗濯後の
反射性能の低下は50cd/lx/m2であり、比較例
は洗濯後の反射性能が大幅に低下していることが分か
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光反射層
が透明で種々の色彩の再帰反射性能が得られ、しかも安
価で、且つ長期の着用や洗濯による再帰反射性能の低下
を抑え、耐洗濯性や耐久性に優れた再帰性反射材を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の例における再帰性反射材の拡大
断面図である。
【図2】本発明の第2の例における再帰性反射材の拡大
断面図である。
【図3】本発明の第3の例における再帰性反射材の拡大
断面図である。
【符号の説明】
1 透明微小球 2 透明樹脂プライマー層 3 透明金属薄膜 4 固着樹脂層 5 繊維布帛 6 ホットメルト接着剤層 7 接着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯干 操 京都府亀岡市千代川町小川二丁目16−1 ユニチカスパークライト株式会社内 (72)発明者 箕浦 大祐 京都府亀岡市千代川町小川二丁目16−1 ユニチカスパークライト株式会社内 Fターム(参考) 2H042 EA07 EA12 EA22 4F100 AB01C AK01B AK01D AK25B AK41B AK51B AK53B AK68B AL01B AL05B BA04 BA07 BA10A BA10D DE04A EJ65B GB90 JL00 JN01A JN01B JN01C JN06 JN06C JN18A JN18C YY00A YY00B YY00C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率が1.7以上の透明微小球層と、厚
    さ15μm以下の透明樹脂プライマー層と、屈折率が
    1.7以上の透明金属薄膜からなる光反射層と、前記透
    明微小球を部分的に埋没させて保持する固着樹脂層を順
    次積層してなることを特徴とする再帰性反射材。
  2. 【請求項2】 透明樹脂プライマー層が、ポリウレタン系
    樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ
    系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂およびそれら
    を主体とした共重合樹脂からなる樹脂の1種または2種
    以上の混合物を主体とした樹脂からなることを特徴とす
    る請求項1記載の再帰性反射材。
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