JP3970047B2 - 再帰性反射材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣料、鞄、バッグ、靴などのアパレル関連部材の装飾類、作業服などの安全用資材類に好適で、特に安価で種々の色彩を有し、しかも再帰性反射性能に優れ、且つ耐洗濯性に優れた再帰性反射材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から交通標識などの表示用として、特に夜間の視認性を高めるため、ガラス微小球を単層に付設した光再帰性反射材が広く用いられている。しかるに、近年、交通標識に使用されていた再帰性反射材が警察、消防、工事関係者など夜間に作業する人の安全確保の観点から、安全服や保安用ベスト、たすき、腕章などの安全用衣料に使用されるようになった。さらに、一般の人の安全意識の高揚から夜間の歩行者、ジョギング者、子供に対する交通事故防止対策としてウインドブレーカー、トレーニングウエア、Tシャツやスポーツシューズなどのスポーツ衣料、鞄、バッグなど装飾などのアパレル関連にも幅広く使用されるようになってきた。
【0003】
このような再帰性反射材にはガラス微小球を樹脂層に完全に埋設したクローズドタイプとガラス微小球の一部が空気中に露出するオープンタイプとがある。
クローズドタイプの再帰性反射材は樹脂を多層に積層して作られるため、光が樹脂層を透過する回数が多くなり、そこでの光の吸収によるロスにより反射性能が低下する問題がある。また、樹脂を多層に積層するため、風合いが硬くなり、交通関連標識には適しているが、衣料用には不適なものであった。また、衣料用の宿命である耐摩擦性や耐屈曲性、耐洗濯性に劣り、長期間の着用や多数回の洗濯を行なうと、樹脂層間の剥離が生じたり、ひび割れが生じるなどの問題があった。
【0004】
そこで、近年衣料に取り付ける再帰性反射材としてガラス微小球の一部が空気中に露出するオープンタイプのものが用いられるようになった。これは表面に樹脂層が存在せず、しかもガラス微小球の裏面に直接反射層を設けているため、樹脂による光吸収のロスがなく、クローズドタイプのものに比べると非常に高い再帰反射性を示し、且つ風合いも樹脂層の数が少ないためクローズドタイプのものに比べると非常にソフトとなり、さらに衣料に取り付けた場合においても使用中の耐久性にも優れることから、現在広く普及するようになってきている。
【0005】
しかし、従来のオープンタイプの再帰性反射材は一般的に光反射層にアルミニウム蒸着膜が使用されている。アルミニウム蒸着膜は安価で、再帰反射性能に優れていることから広く使用されているのであるが、再帰性反射材の色が銀白色しか得られないといった欠点があった。安全性のみを主眼としたものではそれでも良いが、近年アパレル関連用途には安全性にプラスして、ファッション性のニーズが高く、種々の色彩の再帰性反射材が求められるようになってきている。
【0006】
そこで、このような問題を解決するため、特公昭54−18119号公報や特開昭63−38902号公報に開示されているように、光反射層に屈折率の異なる透明金属膜を積層することで再帰反射性を付与し、しかも反射膜が透明なため後方の樹脂や基布の色がそのまま見えることができる再帰性反射材の提案がなされている。
【0007】
しかし、従来の技術で製造されているこの種の再帰性反射材は、光反射層に2種以上の屈折率の異なる透明金属膜層が必要であり、製造コストが高く、高価となり、安価なものが求められるアパレル関連には使用が困難であった。また、金属膜同士の間の密着性や、ガラス微小球と金属膜との間の密着性は、金属膜と樹脂との間の密着性に比べて低いため、透明金属膜層間の密着性やガラス微小球と透明金属膜層との間の密着性にも問題があり、長期間の着用や多数回の洗濯に対してダメージを受け易いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような課題を解決するもので、光反射層が透明で種々の色彩の再帰反射性能が得られ、しかも安価で、且つ長期の着用や洗濯による再帰反射性能の低下を抑え、耐洗濯性や耐久性に優れた再帰性反射材を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため、かかる反射材の開発に鋭意検討を行なった結果、透明な微小球の背後に透明樹脂プライマー層を設けることによって、透明金属薄膜が1層でも優れた再帰反射性能が得られ、しかも透明樹脂プライマー層の選択によって透明微小球および透明金属薄膜との密着性に優れたものが得られることを見出し、本発明に到達したものである。
【0010】
即ち本発明は、屈折率が1.7以上で平均粒子径が30〜200μmの透明微小球層と、厚さ0.01〜10μmの透明樹脂プライマー層と、屈折率が1.7以上で厚さ500〜1500Åの透明金属薄膜からなる光反射層と、前記透明微小球をその直径の40〜80パーセントの範囲で埋没させて保持する固着樹脂層を順次積層してなる再帰性反射材である。
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の再帰性反射材の第1の例について図1に基づき説明する。図において透明微小球1の背後に位置する半球部分表面に透明樹脂プライマー層2を設け、その背後に透明金属の蒸着により形成する透明金属薄膜3を設ける。つまり、透明微小球1の背後に位置する半球部分表面を透明樹脂プライマー層2で覆うとともに透明樹脂プライマー層2の外側からさらに透明金属薄膜3で覆う。そして、このように透明樹脂プライマー層2および透明金属薄膜3で覆われた透明微小球1の背後に位置する半球部分が埋没した状態となるように固着樹脂層4で保持する。なお、固着樹脂層4は繊維布帛5の上に直接設けられて保持される。
【0012】
ここで、透明微小球1の屈折率は1.7以上であり、1.7〜2.5が好ましい。より好ましくは、1.9〜2.3である。透明微小球1の屈折率が1.7未満では再帰反射性能が低下してくるため好ましくない。また、透明微小球1の平均粒子径は500μm以下、好ましくは30〜200μmである。透明微小球1の平均粒子径が500μmを超えると再帰性反射材の厚さが厚くなり、柔軟性がなくなり、光反射材として汎用性のあるものが得られない。
【0013】
透明微小球1の材料としては透明性が高く、屈折率が前記範囲に入るものであれば何でも良いが、特にガラス球が透明性も高く、屈折率も目的に合わせ易く、耐洗濯性や耐薬品性、耐候性にも優れ、好ましい。
【0014】
本発明の透明微小球1の背後に設けられる透明樹脂プライマー層2としては、透明微小球1および透明金属薄膜3との密着性に優れた無色透明の樹脂が好ましい。透明微小球1および透明金属薄膜3に対する透明樹脂プライマー層2の密着性が悪いと、使用中の耐洗濯性や耐久性が低下するという問題が生じる。また、このプライマー層2の透明性が低下すると、再帰反射性能が低下する。この透明樹脂プライマー層2の材料として特に、好ましくは、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂の1種または2種以上を主体とするものである。また、それらの2種以上の共重合物あるいはそれらを主体とした他の材料との共重合物も好ましく用いられる。また、耐洗濯性としてアルカリ洗剤、中性洗剤などに対する耐薬品性、ドライクリーニングにおけるトリクロロエタンやパークロロエタンなどの各種有機溶剤に対する耐溶剤性、高温の熱水に対する耐久性、あるいはそれらの組み合わせとして高濃度のアルカリ洗剤でしかも高温での洗濯耐久性の優れた樹脂が要求されている。さらに、透明微小球1や透明金属薄膜3との密着保持性および耐洗濯性の向上を目的として、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物などの架橋剤を適当量配合することも好ましい。
【0015】
透明樹脂プライマー層2の厚さは15μm以下が好ましい。より好ましくは、0.01〜10μmである。透明樹脂プライマー層2の厚さが15μmを超えると、再帰反射性が悪くなる。ここでいう透明樹脂プライマー層2の厚さは透明微小球1の頂部での厚さであり、透明微小球1の頂部より透明微小球1間の間隙の厚さの方がより厚くなっても良い。
【0016】
透明樹脂プライマー層2には透明微小球1や透明金属薄膜3との密着保持性および耐洗濯性の向上を目的にシラン化合物を配合することも好ましい。ここで使用されるシラン化合物としては、一般式(R1a(R2bSiX4-a-b で表されるシランカップリング剤が好ましく用いられる。ここで、a,bは0〜3の整数であり、且つa+bが3である。R1,R2 はメチル基、イソブチル基、n―プロピル基、n―デシル基、n―ヘキサデシル基、フェニル基、シクロヘキシル基、γ−ウレイドプロピル基、γ−アミノプロピル基、γ−ジブチルアミノプロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル基、ビニル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−クロロプロピル基、γ−アニリノプロピル基などの有機化合物であるが、特にプライマー樹脂との相溶性の良好なものが好ましい。特に、アルキル基の分子鎖の長いものが相溶性に優れ、好ましい。Xは塩素原子、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシ基などの加水分解性基であるが、特にメトキシ基が好ましい。
【0017】
シラン化合物のプライマー樹脂への配合量は0.01〜10重量%が好ましい。特に好ましくは、1〜5重量%である。シラン化合物の配合量が0.01重量%未満の場合は耐洗濯性の向上効果が充分でなく、10重量%を超えるとプライマー樹脂層の強度が弱くなる傾向がある。
【0018】
本発明の透明樹脂プライマー層2の背後に設けられる透明金属薄膜3は、屈折率が1.7以上で、光を透過する透明な薄膜である。屈折率は好ましくは、1.7〜3.5である。屈折率が1.7未満であると高い再帰反射性能が得られない。透明金属薄膜3の厚さは300〜3000Åが好ましい。より好ましくは、500から1500Åである。透明金属薄膜3の厚さが薄すぎると再帰反射性能が低く、耐洗濯性も低下する。
【0019】
本発明で使用される透明金属薄膜3の材料としては、CdS,CeO2,CsI,GaAs,Ge,InAs,InP,InSb,ZrO2,Bi23,ZnSe,ZnS,WO3,PbS,PbSe,PbTe,RbI,Si,Ta23,Te,TiO2などである。特に、汎用的で、安価で、再帰反射性能にも優れるZnSが好ましい。透明金属薄膜3は透明金属を用いて蒸着、スパッタリングあるいはメッキなどの方法を用いて形成される。
【0020】
本発明で使用される固着樹脂層4としては、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロン系樹脂、ゴム系樹脂およびビニル系樹脂などの各種合成樹脂を主成分として用いることができる。また、それらの2種以上の混合物を使用することもできる。透明微小球1の背後に設けられる透明金属薄膜3に強固に密着し、透明微小球1を保持する力が強く、且つ繊維布帛5との密着性が強く、洗濯時における洗剤や中和剤などの薬品に侵されにくいものや、揉み、摩擦などの物理的作用に対する耐久性の強いものが望ましい。また、用途に応じては柔軟性などの点から最適な樹脂を適宜選択することができる。特に、ポリエステル系樹脂やポリウレタン系樹脂、あるいはそれらの混合物が反射層である透明金属薄膜3に対する接着性が強く、しかも柔軟で使用中の摩擦や屈曲に対する耐久性の高い組成を容易に選択することができ好ましい。
【0021】
固着樹脂層4の物理的耐久性を向上させるために、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを適当量配合し、固着樹脂を架橋硬化するようにしても良い。また、固着樹脂中にシラン化合物、酸化チタン、カーボンブラック、アルミニウム粉末、シリカ粉末などの無機フィラーを補強材として適宜配合し耐久性を上げるようにしても良い。特にシラン化合物は透明金属薄膜3との密着性が強く、その結果反射材の物理的な耐久性が向上し好ましい。
【0022】
シラン化合物としては、前記透明樹脂プライマー層2の説明で記載した内容と同一であるが、そこで配合した化合物と同一でも良いし、異種の化合物を使用することもできる。
【0023】
また、色彩のついた再帰性反射材を得る目的として、各種顔料、蛍光性顔料、蓄光性顔料などを適宜配合することもできる。
透明微小球1の固着樹脂層4への埋没率は、透明微小球1の直径の40〜80%が好ましい。その中でも、50%前後が透明微小球1の保持性や反射性能の点からも好ましい。埋没率が40%未満では透明微小球1の固着が悪くなって透明微小球1の脱落が生じ易くなり、耐久性などが低下する傾向がある。また、埋没率が80%を超えると高角度の入射角における反射性能が低下するようになる。
【0024】
本発明で使用される繊維布帛5としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、木綿、絹、羊毛などの天然繊維、あるいはそれらの混紡繊維から形成される織物、編物、不織布などが挙げられる。
【0025】
また、繊維布帛5は公知の方法により染色されたもの、図柄模様にプリントされたもの、蛍光顔料や蓄光顔料を表面にコーティングするか図柄模様にプリントされたものなどを用いることも好ましい。例えば、本発明の再帰性反射材を透明な接着剤を用いてプリント柄の繊維布帛の上に貼り付けた場合、日中においては反射材は目立たず、下のプリント柄が見え、夜間光を当てると反射材が再帰反射し、着用者を良好に視認することができるのである。
【0026】
本発明に係わるオープンタイプの再帰性反射材は、例えば次のような方法で製造される。ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム基材にポリエチレンフィルムの如き軟化点の低い透明微小球仮埋没用樹脂層を積層し、仮埋没支持体を作成する。この仮埋没支持体を透明微小球仮埋没用樹脂の軟化点以上の温度で加熱し、その上から透明微小球を単層に一面に散布し、透明微小球の直径の20〜60%を透明微小球仮埋没用樹脂層に埋没させる。こうしてできた透明微小球の仮埋没支持体の透明微小球露出面上に透明樹脂プライマーをコートし、透明樹脂プライマー層を形成する。その上に、透明金属薄膜を蒸着により形成する。さらにその上に、固着樹脂層を所定の厚さに積層した後、繊維布帛上にこの固着樹脂単独でもって接着する。次いで、透明微小球を仮埋没した仮埋没支持体を剥離することによって透明微小球の一部を空気中に露出させたオープンタイプの再帰性反射材が得られる。
【0027】
ここで、透明微小球を仮埋没させる仮埋没支持体としては、フィルム基材には高温に安定なポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのボリエステルフィルム、紙などが好ましく用いられる。また、透明微小球を仮埋没させる透明微小球仮埋没用樹脂層としては、前記フィルム基材より軟化温度の低い樹脂層が必要で、ポリエチレンフィルム層、ポリプロピレンフィルム層、アクリル系粘着剤層、ポリウレタン系粘着剤層、ポリエステル系粘着剤層などが好ましく用いられる。
【0028】
本発明に係わる第2の例として、図2に示すように固着樹脂層4に直接ホットメルト接着剤層6を接合するものである。使用するホットメルト接着剤層6としては、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ビニル系接着剤などが好ましく用いられる。本発明の再帰性反射材は、繊維布帛などに熱圧着することができ、作業性に優れている利点があり、近年広く普及しているものである。
【0029】
この第2の例の再帰性反射材の製造方法の一例としては、仮埋没支持体に透明微小球を仮埋没させ、透明樹脂プライマー層、透明金属薄膜、固着樹脂層を順次形成した積層物の固着樹脂層上にホットメルト接着剤を溶融押し出しあるいはコーティングにより積層し、製造することができる。また、透明金属薄膜までの積層物に固着樹脂層をコートし、予め作成しておいてホットメルト接着剤フィルムを貼り合わせることにより製造することもできる。
【0030】
本発明に係わる第3の例として、図3に示すように固着樹脂層4と繊維布帛5との間の接着性を上げるためにその間に接着剤7を介して接着することもできる。使用する接着剤としては、従来から公知のアクリル系接着剤、ビニル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ゴム系接着剤などがある。固着樹脂と繊維布帛との種類によって最適な接着剤を選ぶ必要があるが、一般的にはポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤が好ましく用いられる。接着剤の耐久性を向上させるためにポリイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを適当量配合し、接着剤を架橋硬化させることにより耐久性を向上させることができる。
【0031】
以上のように本発明は、透明微小球層、透明樹脂プライマー層、透明金属薄膜からなる光反射層および固着樹脂層を順次積層してなる再帰性反射材であり、安価で、種々の色彩を得ることができ、優れた耐久性、耐洗濯性を有するオープンタイプの再帰性反射材を提供するものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、厚さ40μmのポリエチレンフィルムをラミネートした仮埋没フィルムを120℃で3分間加熱し、ポリエチレンフィルムを溶融させ、その上に平均粒子径80μm、屈折率1.92の高屈折率のガラス微小球をほぼ一面に単層に散布し、ガラス微小球の直径のほぼ50%を仮埋没させる。
【0033】
その上に厚さ5μmのポリウレタン系樹脂からなる透明樹脂プライマー層を形成し、さらにその上に厚さ650ÅのZnSの透明薄膜を真空蒸着により形成し、次にポリアクリル−ウレタン系樹脂からなる固着樹脂層を厚さ約60μmとなるように形成し、目付約103g/m2の黄色に染色したポリエステル−綿タフタ織物に接着固定する。次いで、ガラス微小球を仮埋没している仮埋没フィルムを剥離し、ガラス微小球の約50%が空気中に露出したオープンタイプの再帰性反射材を得た。この再帰性反射材は黄色を呈したものが得られた。
【0034】
このオープンタイプの再帰性反射材の反射性能は、JIS Z 9117 「保安用反射シート及びテープ」に準じ、観測角12′、入射角5°で測定して95cd/lx/m2であった。この再帰性反射材をISO 6330 2A法で30回繰り返し洗濯を行なった後、反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】
実施の形態2
実施の形態1と同様にして、透明樹脂プライマー層のみをポリエステル系樹脂に1重量%のエポキシ系シランカップリング剤を配合した樹脂で、6μmの厚さに形成した。この再帰性反射材の反射性能は98cd/lx/m2であった。さらに、実施の形態1と同様の洗濯を行なった結果を表1に示す。
【0036】
実施の形態3
実施の形態1と同様にして、ZnSの透明薄膜を形成したものに、ポリウレタン系樹脂からなる固着樹脂層を厚さ約30μmとなるように形成する。次いで、その上に黄色蛍光顔料を20重量%含有した50μmの厚さのポリエステル系ホットメルト接着剤を積層する。
【0037】
次いで、目付103g/m2のポリエステル−綿タフタ織物にホットメルト接着により固定する。次いで、ガラス微小球を仮埋没している仮埋没フィルムを剥離し、ガラス微小球の約50%が空気中に露出したオープンタイプの再帰性反射材を得た。この再帰性反射材は黄色を呈したものが得られた。
【0038】
実施の形態1と同様に測定した反射性能は93cd/lx/m2であった。この再帰性反射材を実施の形態1と同様に30回繰り返し洗濯を行なった後、反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
比較例
実施の形態1と同様にして、ガラス微小球の直径のほぼ50%を仮埋没させたシートを作成する。その上に厚さ750ÅのSiO2の透明薄膜を真空蒸着により形成し、さらにその上に厚さ650ÅのZnSの透明薄膜を真空蒸着により形成する。次に、ポリアクリル−ウレタン系樹脂からなる固着樹脂層を厚さ約60μmとなるように形成し、目付約103g/m2の黄色に染色したポリエステル−綿タフタ織物に接着固定する。次いで、ガラス微小球を仮埋没している仮埋没フィルムを剥離し、ガラス微小球の約50%が空気中に露出したオープンタイプの再帰性反射材を得た。この再帰性反射材は黄色を呈したものが得られた。
【0040】
実施の形態1と同様に測定した反射性能は85cd/lx/m2であった。この再帰性反射材を実施の形態1と同様に30回繰り返し洗濯を行なった後、反射性能を測定した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003970047
表1からも本発明の実施の形態1〜3の初期反射性能に対する洗濯後の反射性能の低下は30cd/lx/m2前後であるが、比較例の初期反射性能に対する洗濯後の反射性能の低下は50cd/lx/m2であり、比較例は洗濯後の反射性能が大幅に低下していることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光反射層が透明で種々の色彩の再帰反射性能が得られ、しかも安価で、且つ長期の着用や洗濯による再帰反射性能の低下を抑え、耐洗濯性や耐久性に優れた再帰性反射材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の例における再帰性反射材の拡大断面図である。
【図2】本発明の第2の例における再帰性反射材の拡大断面図である。
【図3】本発明の第3の例における再帰性反射材の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 透明微小球
2 透明樹脂プライマー層
3 透明金属薄膜
4 固着樹脂層
5 繊維布帛
6 ホットメルト接着剤層
7 接着剤

Claims (2)

  1. 屈折率が1.7以上で平均粒子径が30〜200μmの透明微小球層と、厚さ0.01〜10μmの透明樹脂プライマー層と、屈折率が1.7以上で厚さ500〜1500Åの透明金属薄膜からなる光反射層と、前記透明微小球をその直径の40〜80パーセントの範囲で埋没させて保持する固着樹脂層を順次積層してなることを特徴とする再帰性反射材。
  2. 透明樹脂プライマー層が、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂およびそれらを主体とした共重合樹脂からなる樹脂の1種または2種以上の混合物を主体とした樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の再帰性反射材。
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