JP2018063777A - 活物質、非水電解質電池、電池パック及び車両 - Google Patents

活物質、非水電解質電池、電池パック及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、高温サイク性能、安全性、出力性能に優れた活物質、非水電解質電池、電池パックおよび移動手段を提供することである。
【解決手段】実施形態の活物質は、LiNiM1あるいはLiMnM2(但し、M1は、Mn、Co、Al、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、x+y=1、それぞれ、0<x≦1.0、0≦y≦1.0、M2は、Al、Mg、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、u+v=2、それぞれ、0<u≦2.0、0≦v<2.0、である。)のいずれかを含む二次粒子を有する活物質であって、前記二次粒子は、内部に空隙を有し、前記空隙の大きさの分布が0.01μm以上0.1μm未満の範囲にピークを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、活物質、非水電解質電池、パック及び車両に関する。
リチウムイオン電池は、自動車、電車などの車に搭載する場合、高温環境下での貯蔵性能、サイクル性能、高出力の長期信頼性などから正極及び負極の構成材料には、化学的、電気化学的な安定性、強度、耐腐食性の優れた材料が求められる。さらに、寒冷地でも高い性能が要求され、低温環境下(−40℃)での高出力性能、長寿命性能が要求される。
負極活物質としては、炭素材料を用いるのが一般的であったが、炭素材料に比してLi吸蔵放出電位が高い負極活物質を用いた非水電解質電池が研究開発されている。中でもスピネル型チタン酸リチウムは、充放電反応に伴う体積変化がないため、サイクル特性に優れ、かつ安全性が高い負極活物質として有望である。
一方、正極活物質としては、地球上に豊富に存在しているMnを含むスピネルマンガンLiMnやLiNiCoAl1−a−bやLiNiCoMn1−a−bなどNiを含有したリチウム金属酸化物の実用化が進められているが、高温下でのサイクル寿命や安全性(特に内部短絡)が低下するため車載用等の大型二次電池の実用化が困難となっている。
特許第5772197号公報 特許第5693998号公報 特許第4784085号公報
本発明が解決しようとする課題は、高温サイク性能、安全性、出力性能に優れた活物質、非水電解質電池、電池パック及び車両を提供することである。
実施形態の活物質は、LiNiM1あるいはLiMnM2(但し、M1は、Mn、Co、Al、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、x+y=1、それぞれ、0<x≦1.0、0≦y≦1.0、M2は、Al、Mg、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、u+v=2、それぞれ、0<u≦2.0、0≦v<2.0、である。)のいずれかを含む二次粒子を有する活物質であって、前記二次粒子は、内部に空隙を有し、前記空隙の大きさの分布が0.01μm以上0.1μm未満の範囲にピークを有する。
また、実施形態の非水電解質電池は、上記活物質を含む正極と、リチウムイオンを吸蔵する金属化合物を含む負極と、非水電解質を備える。
また、実施形態の電池パックは、上記非水電解質電池を備える。
また、実施形態の車両は、上記電池パックを備える。
第1の実施形態にかかる非水電解質電池の一例を示す断面図である。 図1の拡大断面図である。 第2の実施形態にかかる電池パックの分解図である。 図3の電池パックの電気回路を示すブロック図である。 第3の実施形態にかかる車両の一例を示す概略図である。 実施例1のLiMn二次粒子のSEM写真である。 比較例1のLiMn二次粒子のSEM写真である。 サイクル試験後の実施例1のSEM写真である。 サイクル試験後の比較例1のSEM写真である。
(第1の実施形態)
以下図面を参照して第1の実施形態にかかる活物質及び非水電解質電池について説明する。
なお、以下の説明では、同一部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
図1に、第1の実施の形態にかかる非水電解質電池の断面模式図を示す。図2は、図1のAで示した円で囲われた部分を詳細に表す部分断面模式図を示す。
図1に示すように、外装部材7には、扁平状の捲回電極群6が収納されている。捲回電極群6は、正極3と負極4をその間にセパレータ5を介在させて渦巻状に捲回された構造を有する。非水電解質は、捲回電極群6に保持されている。
図2に示すように、捲回電極群6の最外周には負極4が位置しており、この負極4の内周側にセパレータ5、正極3、セパレータ5、負極4、セパレータ5、正極3、セパレータ5というように正極3と負極4がセパレータ5を介して交互に積層されている。負極4は、負極集電体4aと、負極集電体4aに担持された負極活物質含有層4bとを備えるものである。負極4の最外周に位置する部分では、負極集電体4aの片面のみに負極活物質含有層4bが形成されている。正極3は、正極集電体3aと、正極集電体3aに担持された正極活物質含有層3bとを備えるものである。
図1に示すように、帯状の正極端子1は、捲回電極群6の外周端近傍の正極集電体3aに電気的に接続されている。一方、帯状の負極端子2は、捲回電極群6の外周端近傍の負極集電体4aに電気的に接続されている。正極端子1及び負極端子2の先端は、外装部材7の同じ辺から外部に引き出されている。
以下に正極3、負極4、セパレータ5、非水電解質及び外装部材7について具体的に説明する。
1)正極
本実施形態の正極は、正極集電体と、正極層とを含むことができる。正極層は、正極集電体の片面もしくは両面に形成され、活物質、導電剤および結着剤を含むことができる。
本実施形態の活物質としては、例えば、酸化物及び複合酸化物を用いることができる。酸化物には、下記の(1)あるいは(2)式のいずれかで表される酸化物が含まれる。
LiNiM1 (1)
LiMnM2 (2)
M1は、Mn、Co、Al、Ti、Zr、Cr、V及びNbよりなる群から選択される少なくとも一種の元素である。x+y=1は、それぞれ、0<x≦1.0、0≦y≦1.0である。M2は、Al、Mg、Ti、Zr、Cr、V及びNbよりなる群から選択される少なくとも一種の元素である。u+v=2は、それぞれ、0<u≦2.0、0≦v<2.0、である。
導電剤は、集電性能を高め、且つ、活物質と集電体との接触抵抗を抑える作用を有することができる。導電剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維等を挙げることができる。
結着剤は、活物質、導電剤及び集電体を結着させる作用を有することができる。結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどであることが好ましい。
正極層中の活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、正極活物質80重量%以上95重量%以下、導電剤3%重量以上19重量%以下、結着剤1重量%以上7重量%以下の範囲にすることが好ましい。
正極集電体は、アルミニウム箔、又は、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、及びSiから選択される一以上の元素を含むアルミニウム合金箔が良く、厚さは15μm以下であることが好ましい。
正極は、例えば次の方法により作製することができる。まず、活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁してスラリーを調整する。このスラリーを正極集電体の片面又は両面に塗布し、塗膜を乾燥させる。このようにして、正極層を形成することができる。その後、正極層にプレスを施すことにより正極が作製される。或いは、活物質、導電剤及び結着剤をペレット状に形成し、これらのペレットを正極集電体上に配置して正極層とすることもできる。
本実施形態の正極層中の活物質は、二次粒子の内部に0.01μm以上0.5μm以下の大きさの空隙を有する。ここで、空隙とは、細孔や空孔を含むものとする。
このような空隙を有することにより、充放電のサイクル試験時の二次粒子の体積膨張、収縮による内部応力の変化を緩和できる。これにより二次粒子中の亀裂の発生や、二次粒子の破損を抑制できる。空隙の大きさは0.5μmを超える大きさとなると二次粒子の剛性が低下し、耐久性は逆に低下する恐れがある。空隙の大きさは、0.01μm以上0.5μm以下の範囲であれば、空隙が殆ど無い場合や0.005μm以下の空隙が少量含まれている場合と比較して優れた耐久性を示した。また、空隙の大きさは、0.01μm以上0.1μm以下の範囲でより優れた結果を示した。空隙の大きさがこの範囲にあることにより、二次粒子自体の剛性を低下させずに充放電時の内部応力の変化を効果的に緩和できる。
二次粒子は、上記(1)(2)の活物質の一次粒子が凝集して形成される。一次粒子の粒径は、およそ0.2μm以上5μm以下の場合が、好ましい結果であった。また、0.2μm以上0.5μm以下でより好ましい結果であった。このような空隙は、基本的に一次粒子同士の間に形成されるため、一次粒子の粒径が小さい程、二次粒子中に存在する空隙の比率である空隙率は大きくなる。
空隙を有する二次粒子は、例えば次のプロセスで作製する。まず、合成した上記活物質はPVA(Polyvinyl alcohol)のような水素、炭素及び酸素の化合物(水、エタノールなどの有機溶媒にとけるもの)を溶解した蒸留水に投入する。それを十分に混合した後、加熱して水分を飛ばす。得られた活物質は、400℃以上1000℃以下の範囲で酸素を含む雰囲気中で熱処理される。水素、炭素及び酸素の化合物は、例えば、糖類、ポリオレフィン類、ニトリル類、アルコール類、その他ベンゼン環を含む有機化合物などが挙げられる。また、構造中に窒素、フッ素などを有しても良い。例えばPVP(Polyvinyl Pyrrolidone)等でも良い。そして、溶液に溶けるAl、Ce、Mg、Zr、Znの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩あるいは金属の塩化物を入れても良い。
活物質の表面に異相な物質を形成し、熱処理時に一次粒子同士が密着しない事が重要である。このようにして一次粒子間に微細な空隙が形成される。
上述した活物質は、正極のみならず負極にも使用することができる。
2)負極
負極は、負極集電体と、この集電体の片面もしくは両面に形成され、活物質、導電剤および結着剤を含む負極層とを備える。
負極はチタンを含む酸化物である、一般式Li4/3+xTi5/3(0≦x)で表せるリチウムチタン酸化物や、一般式LiTiO(0≦x)で表される単斜晶系(ブロンズ構造(B))やアナターゼ構造のチタン酸化物(充電前構造としてTiO)や、一般式LiNbTiO(0≦X、1≦a≦4)で表されるニオブチタン酸化物などが用いられる。
また、ラムスデライド構造のLi2+xTi、Li1+xTi、Li1.1+xTi1.8、Li1.07+xTi1.86、LiTiO(xは0≦x)などのリチウムチタン酸化物(リチウムチタン含有複合酸化物)も用いることができる。
前記チタン酸化物のTiOとしてはブロンズ構造(B)のTiO(B)が好ましく、熱処理温度が300℃以上600℃以下の低結晶性のものが好ましい。他には、Nb、Mo、W、P、V、Sn、Cu、Ni及びFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有するリチウムチタン酸化物、チタン酸化物も用いることができる。
LiTiOまたはLi4/3+xTi5/3(0≦x≦2)で表せるリチウムチタン酸化物が好ましい。
また、負極としては、高容量化した斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物粒子LiNa2−xTi6−xNb14(LNT)を含む新たな材料も用いることができる。
斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物の合成方法について、以下に一例を示す。
LiNa1.7Ti5.7Nb0.314(X=0.3)組成の斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物を合成するため、TiOと、LiCOとNaCOとNb(OH)をLiとNaとTiとNbがモル比にて2:1.7:5.7:0.3となるように混合する。このとき、原料を十分に粉砕、混合することが好ましい。原料を粉砕、混合することで原料同士が反応しやすくなり、LiNa1.7Ti5.7Nb0.314を合成する際に不純物の生成を抑制できる。また、Li、Naは所定量よりも多く混合してもよい。特にLiは熱処理中に損失することが懸念されるため、所定量より多く入れてもよい。混合した原料を900℃において3時間熱処理を行い、LiNa1.7Ti5.7Nb0.314を得た。熱処理温度としては800℃以上1000℃以下とすることが好ましい。800℃以下では十分に結晶化されにくく、一方1000℃以上では粒成長しやすく好ましくない。斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物は固相法以外にも、ゾルゲル法、水熱法など湿式の合成方法でも合成することができる。湿式合成では微粒子を得やすい。得られたLiNa1.7Ti5.7Nb0.314を水溶液中にてボールミル粉砕を行い、再熱処理を施した。再熱処理温度としては500℃以上900℃以下とすることが好ましい。500℃以下で粒子表面の結晶性が低くなることが懸念され、900℃以上では粒成長しやすく好ましくない。
また、負極としては、TiやNbを含む新たな電極材料も用いることができる。このような材料は、高い充放電容量を有すると期待される。特に、TiNbで表される複合酸化物は300mAh/gを超える高い理論容量を有する。
負極集電体は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が良く、厚さは15μm以下であることが好ましい。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛、金属化合物粉末、金属粉末等が好ましい。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴム、コアシェルバインダー等が好ましい。
負極活物質、導電剤及び結着剤の配合比は、負極活物質が90重量%以上99重量%以下、導電剤が0重量%より大きく5重量%以下、結着剤が2重量%以上7重量%以下の範囲にすることが好ましい。
負極3は、前述した負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物を集電体に塗布し、これを乾燥させ、さらに加温プレスを施すことにより作製される。
この際、結着剤の添加量が少ない状態で負極活物質の粒子を均一分散させる。結着剤の添加量が多い方が粒子の分散性が高くなる傾向があるものの、粒子の表面が結着剤で覆われやすく、負極の比表面積としては小さくなるからである。結着剤の添加量が少ないと、粒子が凝集しやすくなるためである。攪拌条件(ボールミルの回転数、攪拌時間及び攪拌温度)を調整して粒子の凝集を抑えることによって、微粒子を均一分散させることができ、本実施形態の負極が得られる。
さらに、結着剤の添加量と攪拌条件が適正範囲内でも、導電剤の添加量が多いと、負極活物質の表面が導電剤で被覆されやすく、また、負極表面のポアも減少する傾向があることから、負極の比表面積としては小さくなる傾向がある。
また、導電剤の添加量が少ないと、負極活物質が粉砕されやすくなって負極の比表面積が大きくなり、あるいは負極活物質の分散性が低下して負極の比表面積が小さくなる傾向がある。さらには、導電剤の添加量だけでなく、導電剤の平均粒径と比表面積も負極の比表面積に影響を与え得る。導電剤は、平均粒径が負極活物質の平均粒径以下であり、比表面積が負極活物質の比表面積よりも大きいことが望ましい。
上述した活物質は、負極のみならず正極にも使用することができる。
3)セパレータ
正極と負極の間にはセパレータが配置される。セパレータとして、気孔率50%以上のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのオレフィン系多孔質膜やセルロース繊維が好ましい。繊維径は10μm以下である不織布、フィルム、紙などの形態を挙げることができる。特に気孔率60%以上のセルロース繊維であると、電解質の含浸性が良く、低温から高温まで高い出力性能を出すことができる。より好ましい範囲は62%〜80%である。また、本実施形態の負極と組み合わせることにより、気孔率60%以上の範囲においても、長期充電保存、フロート充電、過充電においても負極と反応せず、またリチウム金属のデンドライ析出による正極と負極の短絡問題は発生しない。
さらに、繊維径を10μm以下にすることで、電解液と親和性が向上して電池抵抗を小さくすることができる。より好ましくは3μm以下である。
本実施形態のセパレータ4は厚さ10〜100μm、密度0.2〜0.9g/cm3であることが好ましい。この範囲であると、機械的強度と電池抵抗の軽減のバランスを取ることができ、高出力と内部短絡しにくい電池を提供することができる。また、高温環境下での熱収縮が少なく良好な高温貯蔵性能を出すことが出来る。
4)非水電解質
非水電解質としては、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質、またはリチウム塩電解質と高分子材料を複合化した固体非水電解質が挙げられる。また、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)を非水電解質として使用してもよい。前記高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
液状非水電解質は、電解質を0.5〜2.5mol/lの濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製される。
電解質としては、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、Li(CFSOC、LiB[(OCO)などが挙げられる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。中でも四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、を含むことが好ましい。これによりの有機溶媒の化学的安定性が高まり、負極上の皮膜抵抗を小さくすることができ、低温性能とサイクル寿命性能を大幅に向上することができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネート、ジメトキシエタン(DME)やジエトエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン(DOX)などの環状エーテル、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)などを挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。特にプロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)やγ―ブチロラクント(GBL)を主体とすることにより、沸点が200℃以上となり熱安定性が高くなり好ましい。特に、γ―ブチロラクント(GBL)を含むことにより、低温環境下での出力性能も高くなるため好ましい。また、高濃度のリチウム塩を溶解して使用することができるため、リチウム塩は、有機溶媒に対して、1.5mol/l以上2.5mol/l以下の範囲で溶解させることが好ましい。これにより低温環境下においても高出力を取り出すことができるためである。この範囲より小さいと大電流で放電中に正極と電解液界面のリチウムイオン濃度が急激に低下し、大幅に出力が低下する。一方、2.5mol/lを越えると電解液の粘度が高くリチウムイオンの移動速度が低下し大幅に出力の低下となる。
また、常温溶融塩(イオン性融体)は、リチウムイオン、有機物カチオンおよび有機物アニオンから構成されることが好ましい。また、常温溶融塩は、室温以下で液体状であることが好ましい。
以下、常温溶融塩を含む電解質について説明する。
常温溶融塩とは、常温において少なくとも一部が液状を呈する塩をいい、常温とは電源が通常作動すると想定される温度範囲をいう。電源が通常作動すると想定される温度範囲とは、上限が120℃程度であり、下限は−40℃程度である。中でも、−20℃以上60℃以下の範囲が適する。
リチウムイオンを含有した常温溶融塩には、リチウムイオンと有機物カチオンとアニオンから構成されるイオン性融体を使用することが望ましい。また、このイオン性融体は、室温以下でも液状であることが好ましい。
前記有機物カチオンとしては以下の化1に示す骨格を有するアルキルイミダゾリウムイオン、四級アンモニウムイオンが挙げられる。
アルキルイミダソリウムイオンとしては、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオン、テトラアルキルイミダゾリウムイオンなどが好ましい。ジアルキルイミダゾリウムとしては1−メチル−3−エチルイミダゾリウムイオン(MEI+)、トリアルキルイミダゾリウムイオンとしては1,2−ジエチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン(DMPI+)、テトラアルキルイミダゾリウムイオンとして1,2−ジエチル−3,4(5)−ジメチルイミダゾリウムイオンが好ましい。
四級アンモニムイオンとしては、テトラアルキルアンモニウムイオンや環状アンモニウムイオンなどが好ましい。テトラアルキルアモニウムイオンとしてはジメチルエチルメトキシエチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルメトキシメチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルエトキシエチルアンモニウムイオン、トリメチルプロピルアンモニウムイオンが好ましい。
アルキルイミダゾリウムイオンまたは四級アンモニウムイオン(特にテトラアルキルアンモニウムイオン)を用いることにより、融点を100℃以下、より好ましくは20℃以下にすることができる。さらに負極との反応性を低くすることができる。
前記リチウムイオンの濃度は、20mol%以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、1mol%以上10mol%以下の範囲である。前記範囲にすることにより、20℃以下の低温においても液状の常温溶融塩を容易に形成できる。また常温以下でも粘度を低くすることができ、イオン伝導度を高くすることができる。
前記アニオンとしては、BF 、PF 、AsF 、ClO 、CFSO 、CFCOO、CHCOO、CO32 、(FSO、N(CFSO 、N(CSO 、(CFSOを含むことにより、融点が20℃以下の常温溶融塩を容易に形成できる。より好ましくは、BF 、(FSO、CFSO 、CFCOO、CHCOO、CO32 、N(CFSO 、N(CSO 、(CFSOが挙げられる。これらアニオンによって0℃以下の常温溶融塩の形成がより容易になる。
5)外装容器
正極、負極及び電解質が収容される外装容器には、金属製容器や、ラミネートフィルム製容器を使用することができる。
金属製容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレスなどからなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが使用される。また、容器の板厚は、0.5mm以下にすることが望ましく、好ましい範囲は0.3mm以下である。
ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔を樹脂フィルムで被覆した多層フィルムなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子を用いることができる。また、ラミネートフィルムの厚さは0.2mm以下にすることが好ましい。アルミニウム箔の純度は99.5%以上が好ましい。
アルミニウム合金の金属缶は、マンガン、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含むアルミニウム純度99.8%以下の合金が好ましい。アルミニウム合金からなる金属缶の強度が飛躍的に増大することにより缶の肉厚を薄くすることができる。その結果、薄型で軽量かつ高出力で放熱性に優れたな電池を実現することができる。
本実施形態では、正極活物質の二次粒子に、0.01μm以上0.5μm以下の細かい空隙を設けることにより、充放電時の体積膨張、収縮による二次粒子の亀裂発生や破損を防止し、かつ高温サイクル寿命を改善することができる。
前記非水電解質は、液状もしくはゲル状の電解質で、有機溶媒にリチウム塩を溶解した液状もしくはポリマー材料と複合化したゲル状の有機電解質を用いることができる。特に沸点が200℃以上の有機電解質または、常温溶融塩を含有することが好ましい。これは、車など使用される場合、80℃以上の高温環境下でも、電解液の蒸気圧が低くガス発生の少ない電解質として沸点が200℃以上の有機電解質または、常温溶融塩を含有することにより高温環境下での耐久性寿命性能が向上することができる。
さらに、セパレータとして気孔率50%以上のオレフィン系の多孔質膜やセルロース繊維を使用できる。特に、気孔率60%以上のセルロース繊維を使用することにより高温環境下でのセパレータの収縮等による抵抗上昇(出力低下)の問題が解決され好ましい。
(第2の実施形態)
以下図面を参照して第2の実施形態にかかる電池パックについて説明する。この電池パックは、第1の実施形態に係る非水電解質電池を具備する。
第2の実施形態にかかる電池パックは、先に説明した第1の実施形態にかかる非水電解質電池(単電池)を1個又は複数個具備することができる。第2の実施形態にかかる電池パックに含まれ得る複数の非水電解質電池21は、電気的に直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて接続されることができる。複数の非水電解質電池21は、電気的に接続されて組電池を構成することもできる。第2の実施形態にかかる電池パックは、複数の組電池を含んでいてもよい。
第2の実施形態にかかる電池パックは、保護回路を更に具備することができる。保護回路は、非水電解質電池1の充放電を制御するものである。或いは、電池パックを電源として使用する装置(例えば、電子機器、自動車等)に含まれる回路を、電池パックの保護回路として使用することもできる。
また、第2の実施形態に係る電池パックは、通電用の外部端子を更に具備することもできる。通電用の外部端子は、非水電解質電池1からの電流を外部に出力するため、及び非水電解質電池1に電流を入力するためのものである。言い換えれば、電池パックを電源として使用する際、電流が通電用の外部端子を通して外部に供給される。また、電池パックを充電する際、充電電流(自動車の動力の回生エネルギーを含む)は通電用の外部端子を通して電池パックに供給される。
次に、第2の実施形態に係る一例の電池パックについて図面を参照しながら説明する。
図3は、第2の実施形態に係る一例の電池パックの分解斜視図である。図4は、図3の電池パックの電気回路を示すブロック図である。
図3及び図4に示す電池パックは、複数の単電池21を具備する。複数の単電池21は、図1、図2を参照しながら説明した非水電解質電池である。
複数の単電池21は、外部に延出した負極端子及び正極端子が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ23で締結することにより組電池22を構成している。これらの単電池21は、図3に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板24は、負極端子及び正極端子が延出する組電池22の側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図4に示すようにサーミスタ25、保護回路26及び外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池22と対向するプリント配線基板24の面には、組電池22の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード28は、組電池22の最下層に位置する正極端子に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池22の最上層に位置する負極端子に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ30に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29及び30は、プリント配線基板24に形成された配線28及び31を通して、保護回路26に接続されている。
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線31a及びマイナス側配線31bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25による検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件の他の例は、単電池21の過充電、過放電及び過電流等が検出された場合である。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは組電池22全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、又は正極電位若しくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図3及び図4に示す電池パックの場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線32を接続し、これら配線32を通して検出信号が保護回路26に送信される。
正極端子及び負極端子が突出する側面を除く組電池22の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート33がそれぞれ配置されている。
組電池22は、各保護シート33及びプリント配線基板24と共に収納容器35内に収納される。すなわち、収納容器35の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート33が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池22は、保護シート33及びプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋36は、収納容器35の上面に取り付けられている。
なお、組電池22の固定には粘着テープ23に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
図3及び図4では、複数の単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。或いは、直列接続と並列接続とを組合せてもよい。組み上がった電池パックをさらに直列又は並列に接続することもできる。
また、第2の実施形態に係る電池パックの態様は、用途により適宜変更される。第2の実施形態に係る電池パックは、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性や耐久性が要求される用途に好適に用いられる。具体的には、デジタルカメラの電源として、又は、例えば二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、及び、アシスト自転車の車載用電池として用いられる。特に、車載用電池として好適に用いられる。
第2の実施形態に係る電池パックを搭載した自動車において、電池パックは、例えば、自動車の動力の回生エネルギーを回収するものである。
第2の実施形態に係る電池パックは、第1の実施形態に係る非水電解質電池1を具備している。そのため、第2の実施形態に係る電池パックは、優れたサイクル特性や耐久性を示すことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る車両は、第2の実施形態に係る電池パックを具備する。
ここでいう移動手段としては、二輪〜四輪のアイドリングストップ機構を搭載した自動車、二輪〜四輪のハイブリッド電気自動車、二輪〜四輪の電気自動車、アシスト自転車などが挙げられる。
第3の実施形態にかかる自動車の一例を図5に示す。図5に示すように、第3の実施形態の自動車41は、エンジンルームに第2の実施形態に係る電池パック42が搭載されている。高温環境下となる自動車のエンジンルームに電池パックを設置することにより、電池パックからモータ、インバータ等の電動駆動系装置までの距離が短くなり、出入力のロスが低減し、燃費効率が向上する。
第3の実施形態によると、第2の実施形態に係る電池パックを具備するので、優れたサイクル特性や耐久性を示すことができる電池パックを搭載した自動車を提供することができる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は以下に記載される実施例に限定されるものでない。
(実施例1)
[正極の作製]
正極活物質には、原料として、二酸化マンガン、炭酸リチウムを使用し、原子比でLi:Mnを1:2となるように秤量し、純水を加える。次に、ジルコニアボールを使ったボールミルにより湿式で3〜72時間粉砕及び混合してサブミクロン(0.2μm以上0.5μm程度)の粒径にする。この混合物を800℃で3時間、大気中で焼成することにより結晶性あるスピネルマンガン酸リチウムLiMnの一次粒子を得る。得られた一次粒子の径は、およそ0.2μm以上5μm以下の範囲である。一次粒子が凝集するため中には二次粒子も存在する。
一次粒子同士の間に空隙(細孔)を作るために、この二次粒子を粉砕し、分散剤PVAのような水素、炭素及び酸素の化合物(水、エタノールなどの有機溶媒にとける)を溶解した蒸留水に投入する。十分に混合した後70〜80℃で加熱撹拌することにより、水分を飛ばす。その後、900℃の酸素雰囲気中で3時間加熱処理を行う。
得られた正極活物質に、導電剤として正極全体に対してアセチレンブラックを5重量%、結着剤として正極全体に散してスラリーを調製した後、厚さ15μmのアルミニウム合金箔(純度99%)に塗布する。さらに、乾燥を行い、プレス工程を経ることにより片面の正極層の厚さが38μm、電極密度が3.3g/cmの正極を作製した。
作製された二次粒子の空隙サイズを確認するため二次粒子の断面をSEM(Scanning ElectronMicroscope)により観察した。
二次粒子内の細孔サイズを調べるため、イオンミリング装置で切り出した断面を倍率1万倍以上でSEM観察を行う。視野内の細孔のサイズを測定し、統計をとる。細孔の形が不規則な場合は、長手方向のサイズを測定する。この二次粒子内の細孔の測定は、複数個所で行う。かつ複数個所で断面を取ることが好ましい。統計学的な信頼性を高めるため、100個以上の細孔サイズを測定する。
上記の細孔サイズの測定は、SEMによる2次元観察で直接細孔サイズの測定を行ったが、二次粒子の一部を切り出してSEM−FIB(Focused Ion Beam:収束イオンビーム)のように精密加工のできる装置で加工し、加工された試料の全断面観察を行っても良い。これにより、より正確な細孔サイズの測定が可能となる。
図6は、1万倍のLiMnの二次粒子のSEM写真である。1μm当たりおよそ2個の細孔が分散している。実施例1の二次粒子中の細孔サイズの分布は、0.01μm以上0.1μm未満の細孔が、およそ50%程度であり、0.1μm以上1μm未満の細孔が、およそ45%であり、1μm以上の細孔が、およそ5%程度である。分布のピーク位置は、およそ0.08μmに存在する。
[負極の作製]
負極活物質には、LiNa1.7Ti5.7Nb0.314(X=0.3)組成の斜方晶型Na含有ニオブチタン複合酸化物を用いた。前記酸化物は、原料としてTiOと、LiCOとNaCOとNb(OH)をLiとNaとTiとNbがモル比にて2:1.7:5.7:0.3となるように混合し作製した。このとき、原料を十分に粉砕、混合する。原料を粉砕、混合することで原料同士が反応しやすくなり、LiNa1.7Ti5.7Nb0.314を合成する際に不純物の生成を抑制できる。
混合した原料を大気雰囲気で、900℃において3時間熱処理を行い、LiNa1.7Ti5.7Nb0.314を得た。得られたLiNa1.7Ti5.7Nb0.314を水溶液中にてボールミル粉砕を行い、再熱処理を施した。再熱処理温度としては700℃とした。
LiNa1.7Ti5.7Nb0.314:アセチレンブラック:PVdF:アゾビスイソブチロニトリルの質量比が90質量%:5質量%:4質量%:1質量%となるように、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に加えて混合し、自転公転ミキサーを用いてスラリーを調製した。このスラリーを、厚さが15μmであるアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、塗膜を乾燥させた。集電体に向けてプレスを施すことにより、電極密度(集電体を含まず)が2.3g/cmである負極を作製した。
[電極群の作製]
正極、厚さ25μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータ、負極及びもう一枚のセパレータをこの順序で積層して、積層体を得た。この積層体を、渦巻き状に捲回した。捲回体から巻芯を引き抜き、次いで捲回体を60℃で加熱プレスし、電極群を作製した。
得られた電極群をラミネートフィルムからなる容器に収納し、70℃で24時間真空乾燥を施した。容器のラミネートフィルムは、厚さが40μmであるアルミニウム箔とこのアルミニウム箔の両面に形成されたポリプロピレン層とから構成されていた。ラミネートフィルムは、全体の厚さが0.1mmであった。
[非水電解質の調製]
まず、プロピレンカーボネート(PC)及びエチルメチルカーボネート(MEC)を1:2の体積比率で混合した。この混合物に、更に、重合用のモノマーとしてのメチルメタクリレート、及び架橋剤としてのエチレングリコールジメタクリレートを混合して、混合溶媒を得た。この混合溶媒に、電解質であるLiPFを1Mの濃度で溶解することにより、液状非水電解質を調製した。
(実施例2)
実施例2では、細孔を作製するための分散剤PVAのような水素、炭素及び酸素の化合物の分量を増して、LiMnの二次粒子中の細孔のサイズを大きくした二次粒子を用いた。正極二次粒子中の細孔サイズの分布のピーク位置は、およそ1.5μmである。
それ以外の手順については、実施例1の非水電解質電池と同様の手順により作製した。
(実施例3)
実施例3では、正極活物質として、LiMnに代わり、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物LiNi0.6Co0.2Mn0.2を用いた。
正極活物質としてLiMnの代わりにLiNi0.6Co0.2Mn0.2を用いた以外の手順については実施例1の非水電解質電池と同様の手順により作製した。
正極二次粒子中の細孔サイズの分布のピーク位置は、およそ0.05μmであり、0.01μm以上0.1μm未満の大きさの細孔は50%程度であり、0.1μm以上1μm未満の大きさの細孔は45%程度であり1μm以上の大きさの細孔は5%程度であった。
(比較例1)
比較例1では、正極活物質として、実施例1と同様のLiMnを用いたが、二次粒子中に細孔ができないように分散剤を殆ど加えないように調整した。これにより細孔サイズが0.01μm以下の分布となり、今回の断面SEM観察の分解能では殆ど細孔が確認されなかった。図7は、比較例1の断面SEM写真(×20000)を示す。二次粒子中に細孔が殆ど発生していないのが解る。
これ以外の手順については、実施例1の非水電解質電池と同様の手順により作製した。
(比較例2)
比較例2では、正極活物質として、実施例3と同様のLiNi0.6Co0.2Mn0.2を用いた。また、二次粒子中に細孔ができないように分散剤等を殆ど加えないように調整した。比較例1と同様断面SEM観察では殆ど細孔が確認されなかった。これ以外の手順については、実施例3の非水電解質電池と同様の手順により作製した。
[サイクル試験]
実施例1〜3及び比較例1〜2の非水電解質電池に1Cレートのサイクル試験を行った。
具体的には、上記非水電解質電池を用いて、以下の手順で、45℃環境における充放電サイクル試験を行った。なお、以下に説明する充放電サイクル試験では、容量確認において400mAhの放電容量が得られたことから、上記非水電解質電池についての1Cを400mAとした。
充電は定電流定電圧モードで行った。具体的には、上記非水電解質電池を、1Cの定電流値で、電池電圧が3.2Vになるまで充電した。続いて、上記非水電解質電池を、3.2Vの定電圧で、電流値が0.05Cに達するまでの時間又は3時間の何れか短い期間に亘って行った。
放電は定電流モードで行った。具体的には、上記非水電解質電池を、1Cの定電流値で、電池電圧が1.8Vに達するまで放電した。
上記充電及び放電のセットを1回の充放電サイクルとした。この充放電サイクルを700回繰り返して行った。充電と放電との間、及び放電と充電との間は、5分間の休止を行った。
サイクル試験後のSEM写真を撮影して正極二次粒子中の亀裂の数を測定し、“○”、“△”、“×”とランク付けした。二次粒子中の亀裂がほとんど観察されない場合は“○”、亀裂が1〜5本以内である場合は“△”、亀裂が5本以上である場合は“×”とした。
以下、代表例として、実施例1と比較例1の場合の正極二次粒子の断面SEM写真を示す。
図8は、サイクル試験後の実施例1のSEM写真である。図8に示すように、細孔のまわりやそれぞれの細孔との間に亀裂は確認されない。
図9は、サイクル試験後の比較例1のSEM写真である。図9に示すように、二次粒子の中に無数の亀裂が発生しているのが解る。
表1は、実施例1〜3および比較例1〜2のサイクル試験結果をまとめたものである。
実施例1及び3では、優れたサイクル特性を示した。一方、二次粒子中の細孔サイズの分布が大きい実施例2の場合は、若干の亀裂の発生が見られた。
また、正極二次粒子中に殆ど細孔が確認されなかった比較例1及び2では、サイクル試験後無数の亀裂の発生が見られた。
表1の結果から、二次粒子中に細孔が存在することにより、サイクル試験での二次粒子の体積の膨張、収縮による内部応力の変化を低減することができた。また、細孔サイズの分布のうち、ピークの細孔サイズが0.01μm以上0.1μm未満となるように二次粒子を作製すると、よりサイクル特性に優れ、かつ安全性が高い電極を作製できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 正極端子
2 負極端子
3 正極
3a 正極集電体
3b 正極活物質含有層
4 負極
4a 負極集電体
4b 負極活物質含有層
5 セパレータ
6 捲回電極群
7 外装部材
21 単電池
22 組電池
23 粘着テープ
24 プリント配線基板
25 サーミスタ
26 保護回路
27 導電用端子
28 正極側配線
29 正極側コネクタ
30 負極側コネクタ
31 負極側配線
32 配線
33 保護ブロック
35 収納容器
36 蓋
41 自動車
42 電池パック

Claims (11)

  1. LiNiM1あるいはLiMnM2(但し、M1は、Mn、Co、Al、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、x+y=1、それぞれ、0<x≦1.0、0≦y≦1.0、M2は、Al、Mg、Ti、Zr、Cr、V及びNbから選択される少なくとも一種の元素で、u+v=2、それぞれ、0<u≦2.0、0≦v<2.0、である。
    )のいずれかを含む二次粒子を有する活物質であって、
    前記二次粒子は、内部に空隙を有し、前記空隙の大きさの分布が0.01μm以上0.1μm未満の範囲にピークを有する活物質。
  2. 前記二次粒子は、平均粒径が、0.2μm以上0.5μm以下である一次粒子を含む請求項1に記載の活物質。
  3. 請求項1または2に記載の活物質を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵する金属化合物を含む負極と、
    非水電解質と、を備える非水電解質電池。
  4. 前記負極は、LiTiOまたはLi4/3+xTi5/3またはLiNa2−xTi6−xNb14(0≦x≦2)の少なくとも1つの酸化物を含む請求項3に記載の非水電解質電池。
  5. 前記非水電解質は、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート及びポリエチレンオキサイドからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項3又は4のいずれか1項に記載の非水電解質電池。
  6. 正極と、
    請求項1または2に記載の活物質を含む負極と、
    非水電解質と、を備える非水電解質電池。
  7. 請求項3乃至6のいずれか1項に記載の非水電解質電池を具備する電池パック。
  8. 通電用の外部端子と、
    保護回路と
    をさらに含む請求項7に記載の電池パック。
  9. 複数の前記非水電解質電池を具備し、前記非水電解質電池が、直列、並列、又は直列及び並列を組み合わせて電気的に接続されている請求項7又は8に記載の電池パック。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の電池パックを搭載した車両。
  11. エンジンルームを備え、前記電池パックが前記エンジンルームに配置される請求項10に記載の車両。
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