JP2005158401A - 正極活物質およびその製造方法ならびにリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多孔質構造を有する正極活物質を効率よく製造する方法、その方法により製造された正極活物質、および該活物質を用いた二次電池を提供する。
【解決手段】 本発明の正極活物質製造方法は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用粒子とを含む混合物を得る工程と、その混合物から該一次粒子と該細孔形成用粒子との複合粒子を作製する工程と、その複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融してリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程とを含む。本発明に係る正極活物質は、常温溶融塩電解質を用いたリチウムイオン二次電池用の正極活物質として好適である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の正極活物質製造方法は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用粒子とを含む混合物を得る工程と、その混合物から該一次粒子と該細孔形成用粒子との複合粒子を作製する工程と、その複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融してリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程とを含む。本発明に係る正極活物質は、常温溶融塩電解質を用いたリチウムイオン二次電池用の正極活物質として好適である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、二次電池用の正極活物質およびその製造方法に関する。また本発明は、そのような正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムを含有する正極活物質を有する正極を備えた二次電池が知られている。そのような正極の典型的な構成として、金属等の導電性材料を主体とする正極集電体に上記正極活物質を保持させた構成が挙げられる。正極活物質としては、通常、リチウム・ニッケル系複合酸化物、リチウム・コバルト系複合酸化物等の、リチウムと遷移金属とを構成元素とする酸化物(以下、「リチウム含有複合酸化物」ともいう。)が用いられる。
かかる二次電池の特性を向上させるために、電極の構成要素(例えば電極活物質)または電極自体の構造(例えば活物質層)に多孔質構造を導入することが提案されている。例えば特許文献1には、リチウム複合酸化物の多孔質粒子からなる正極活物質が記載されている。多孔質構造の電極または電極活物質に関する他の従来技術文献として特許文献2および特許文献3が挙げられる。ここで、多孔質構造を有する正極活物質を効率よく製造する方法を提供することができれば有益である。
特開2000−323123号公報
特開平9−161772号公報
特開平8−321300号公報
かかる二次電池の特性を向上させるために、電極の構成要素(例えば電極活物質)または電極自体の構造(例えば活物質層)に多孔質構造を導入することが提案されている。例えば特許文献1には、リチウム複合酸化物の多孔質粒子からなる正極活物質が記載されている。多孔質構造の電極または電極活物質に関する他の従来技術文献として特許文献2および特許文献3が挙げられる。ここで、多孔質構造を有する正極活物質を効率よく製造する方法を提供することができれば有益である。
本発明の一つの目的は、多孔質構造を有する正極活物質を効率よく製造する方法を提供することである。本発明の他の一つの目的は、そのような方法により製造された正極活物質を提供することである。また、本発明の他の一つの目的は、かかる正極活物質を備えたリチウムイオン二次電池を提供することである。関連する他の目的は、多孔質構造を有する正極活物質を備えた電池用正極およびその製造方法を提供することである。
本発明は、二次電池(典型的には非水系二次電池、特にリチウムイオン二次電池)用の正極活物質を製造する方法に関する。その製造方法は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用粒子との複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融することにより、該複合粒子からリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程を含む。この製造方法の好適な態様は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用粒子とを含む混合物を得る工程を含み得る。また、該一次粒子と該細孔形成用粒子との複合粒子を作製する工程を含み得る。その複合粒子に含まれる細孔形成用粒子の構成材料を除去および/または溶融して多孔質粒子を形成することができる。
かかる製造方法によると、細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融(変形)することによって、正極活物質としての多孔質粒子(多孔質の正極活物質粒子)を効率よく作製することができる。
かかる製造方法によると、細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融(変形)することによって、正極活物質としての多孔質粒子(多孔質の正極活物質粒子)を効率よく作製することができる。
ここで開示される正極活物質製造方法の好適な態様では、前記多孔質粒子形成工程が、(1).前記細孔形成用粒子構成材料の少なくとも一部を溶媒に溶出させて除去する処理、および、(2).前記細孔形成用粒子構成材料の少なくとも一部を気化させて除去する処理、の少なくとも一方の処理を含む。
上記細孔形成用粒子としては、有機系粒子を好ましく用いることができる。ここで有機系粒子とは、有機材料(一または二以上の有機化合物を含み得る)を主構成材料とする粒子をいう。常温(典型的には25℃)における形態が固体状である細孔形成用粒子を用いることが好ましい。また、リチウム含有複合酸化物の一次粒子の平均粒子径に対して30%以下の平均粒子径を有する細孔形成用粒子を用いることが好ましい。
ここで開示される他の正極活物質製造方法は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用有機材料(一または二以上の有機化合物を主構成要素とする材料をいう。)との複合粒子に含まれる該有機材料を除去および/または溶融することにより、リチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程を含む。この製造方法の好適な態様は、リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用有機材料とを含む混合物を得る工程を含み得る。また、該一次粒子と該有機材料との複合粒子を作製する工程を含み得る。その複合粒子に含まれる細孔形成用有機材料を除去および/または溶融することにより多孔質粒子を形成することができる。
かかる製造方法によると、細孔形成用有機材料を除去および/または溶融(変形)することによって、正極活物質としての多孔質粒子を効率よく作製することができる。
かかる製造方法によると、細孔形成用有機材料を除去および/または溶融(変形)することによって、正極活物質としての多孔質粒子を効率よく作製することができる。
ここで開示される正極活物質製造方法の好適な態様では、前記細孔形成用有機材料として熱可塑性樹脂を用いる。そして、前記多孔質粒子形成工程では、前記複合粒子を該熱可塑性樹脂の融点以上かつ300〜600℃の温度域に加熱して多孔質粒子を形成する。
かかる製造方法によると、複合粒子を加熱することにより熱可塑性樹脂を溶融(変形)させて、多孔質粒子を効率よく作製することができる。このとき、熱可塑性樹脂の少なくとも一部を除去することが好ましい。熱可塑性樹脂の一部を除去して(すなわち、熱可塑性樹脂の一部は残して)多孔質粒子を形成することがより好ましい。
かかる製造方法によると、複合粒子を加熱することにより熱可塑性樹脂を溶融(変形)させて、多孔質粒子を効率よく作製することができる。このとき、熱可塑性樹脂の少なくとも一部を除去することが好ましい。熱可塑性樹脂の一部を除去して(すなわち、熱可塑性樹脂の一部は残して)多孔質粒子を形成することがより好ましい。
また、本発明によると、上述したいずれかの方法により製造された正極活物質が提供される。この正極活物質は、二次電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)の構成材料等として好適に用いることができる。
本発明によると、そのような正極活物質を有する電極を備えたリチウムイオン二次電池が提供される。この二次電池は、正極活物質としてリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を有することから、電池性能(例えば、高電流における放電特性)に優れたものとなり得る。本発明の好ましい適用対象として、常温溶融塩を含む電解質(常温溶融塩電解質)を備えるリチウムイオン二次電池が挙げられる。この種の二次電池においては、本発明の構成を採用することによる効果が特によく発揮され得る。
本発明によると、そのような正極活物質を有する電極を備えたリチウムイオン二次電池が提供される。この二次電池は、正極活物質としてリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を有することから、電池性能(例えば、高電流における放電特性)に優れたものとなり得る。本発明の好ましい適用対象として、常温溶融塩を含む電解質(常温溶融塩電解質)を備えるリチウムイオン二次電池が挙げられる。この種の二次電池においては、本発明の構成を採用することによる効果が特によく発揮され得る。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明は、リチウムコバルト系酸化物、リチウムニッケル系酸化物、リチウムマンガン系酸化物等の、各種のリチウム含有複合酸化物を主体とする正極活物質の製造に適用することができる。また本発明は、そのような正極活物質を含む正極活物質組成物、該正極活物質を備える二次電池用正極、該正極活物質を用いて構成された二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)およびそれらの製造方法等にも適用することができる。
ここで「リチウムニッケル系複合酸化物」とは、リチウムとコバルトとを構成金属元素とする酸化物の他、リチウムおよびコバルト以外に他の少なくとも一種の金属元素(すなわち、リチウムおよびコバルト以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む複合酸化物をも包含する意味である。その金属元素は、ニッケル(Ni),アルミニウム(Al),マンガン(Mn),クロム(Cr),鉄(Fe),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される一種または二種以上であり得る。同様に、リチウムニッケル系複合酸化物とは、リチウムおよびニッケル以外に他の少なくとも一種の金属元素(例えば、Co,Mn,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Zr,Nb,Mo,W,Cu,Zn,Ga,In,Sn,LaおよびCeからなる群から選択される一種または二種以上の金属元素)を含む複合酸化物をも包含する意味である。リチウムマンガン系酸化物についても同様である。
本発明の製造方法には、そのようなリチウム含有複合酸化物(以下、「リチウム酸化物」と略記することもある。)の粒子と細孔形成用粒子との混合物(複合粒子作製用混合物)を用いることができる。この混合物に含まれるリチウム酸化物は、その大部分が(好ましくは、実質的に全部が)該酸化物の一次粒子であることが好ましい。また、該混合物を構成するリチウム酸化物(好ましくは一次粒子)の平均粒子径は0.1〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は0.1〜2μm、さらに好ましい範囲は0.2〜1μmである。この混合物は、粒径が5μm以上(より好ましくは3μm以上)のリチウム酸化物粒子を実質的に含まないことが好ましい。このようなリチウム酸化物を含む複合粒子作製用混合物を用いることにより、特に電池特性(例えば、高電流における放電レート特性)に優れた正極活物質を製造し得る。また、表面平滑性のよい正極活物質層を形成するのに適した正極活物質を製造し得る。
上記細孔形成用粒子としては、状態変化(昇華、蒸発、溶解等)および/または化学反応(酸化的熱分解等)を利用してリチウム含有複合酸化物から分離・除去し得る材料(好ましくは有機化合物)を主構成材料とするものが好ましい。
昇華による除去に適した細孔形成用粒子構成材料としては、ナフタレン、ショウノウ、ドライアイス等を例示することができる。各種溶媒(好ましくは有機溶媒)に溶解して除去するのに適した細孔形成用粒子構成材料としては、ポリスチレン類(ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等)、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、含フッ素樹脂類(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)やこれらの共重合体等の有機高分子(好ましくは熱可塑性樹脂)が例示される。あるいは、塩化ナトリウム、フッ化カルシウム、塩化銀、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の水溶性塩(水に溶解して中性を呈するものが好ましい)を主構成材料とする細孔形成用粒子を用いてもよい。また、極性有機溶媒(ジクロロメタン等の)に溶解する塩を用いることもできる。
熱分解による除去に適した細孔形成用粒子構成材料としては、上記ポリスチレン類、上記ポリオレフィン類、上記含フッ素樹脂類あるいはこれらの共重合体等を例示することができる。
昇華による除去に適した細孔形成用粒子構成材料としては、ナフタレン、ショウノウ、ドライアイス等を例示することができる。各種溶媒(好ましくは有機溶媒)に溶解して除去するのに適した細孔形成用粒子構成材料としては、ポリスチレン類(ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等)、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、含フッ素樹脂類(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)やこれらの共重合体等の有機高分子(好ましくは熱可塑性樹脂)が例示される。あるいは、塩化ナトリウム、フッ化カルシウム、塩化銀、臭化ナトリウム、ヨウ化カリウム等の水溶性塩(水に溶解して中性を呈するものが好ましい)を主構成材料とする細孔形成用粒子を用いてもよい。また、極性有機溶媒(ジクロロメタン等の)に溶解する塩を用いることもできる。
熱分解による除去に適した細孔形成用粒子構成材料としては、上記ポリスチレン類、上記ポリオレフィン類、上記含フッ素樹脂類あるいはこれらの共重合体等を例示することができる。
複合粒子作製用混合物に含まれる細孔形成用粒子の平均粒子径は、0.05〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は0.05〜2μm、さらに好ましい範囲は0.1〜1μmである。なお、細孔形成用粒子の外形(粒子形状)は特に限定されない。通常は、ほぼ球状の細孔形成用粒子を用いることが好ましい。
細孔形成用粒子の好ましい平均粒子径は、該混合物に含まれるリチウム酸化物粒子の平均粒子径によっても異なり得る。リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して、細孔形成用粒子の平均粒子径が同程度またはそれ以下(典型的には、リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して細孔形成用粒子の平均粒子径が5〜110%)であることが好ましく、50%以下(典型的には5〜50%)であることが好ましく、25%以下(典型的には10〜25%)であることがさらに好ましい。リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して細孔形成用粒子の平均粒子径が小さすぎると、本発明の適用効果(例えば、高電流での放電レート特性を向上させる効果)が少なくなることがある。一方、細孔形成用粒子の平均粒子径が大きすぎると、得られる正極活物質(多孔質粒子)の二次電池構成材料としての強度および/または耐久性が低下しやすくなることがある。リチウム酸化物粒子の平均粒子径と細孔形成用粒子の平均粒子径とが上記のような関係にある混合物によると、より良好な強度および/または耐久性を示す正極活物質(例えば、充放電サイクルに対する性能低下の少ない正極活物質)を製造し得る。特に、混合物から複合粒子を作製する方法として後述するメカノケミカル法を採用する場合には、リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して25%以下(典型的には10〜25%)の平均粒子径を有する細孔形成用粒子を用いることが好ましい。
細孔形成用粒子の好ましい平均粒子径は、該混合物に含まれるリチウム酸化物粒子の平均粒子径によっても異なり得る。リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して、細孔形成用粒子の平均粒子径が同程度またはそれ以下(典型的には、リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して細孔形成用粒子の平均粒子径が5〜110%)であることが好ましく、50%以下(典型的には5〜50%)であることが好ましく、25%以下(典型的には10〜25%)であることがさらに好ましい。リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して細孔形成用粒子の平均粒子径が小さすぎると、本発明の適用効果(例えば、高電流での放電レート特性を向上させる効果)が少なくなることがある。一方、細孔形成用粒子の平均粒子径が大きすぎると、得られる正極活物質(多孔質粒子)の二次電池構成材料としての強度および/または耐久性が低下しやすくなることがある。リチウム酸化物粒子の平均粒子径と細孔形成用粒子の平均粒子径とが上記のような関係にある混合物によると、より良好な強度および/または耐久性を示す正極活物質(例えば、充放電サイクルに対する性能低下の少ない正極活物質)を製造し得る。特に、混合物から複合粒子を作製する方法として後述するメカノケミカル法を採用する場合には、リチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して25%以下(典型的には10〜25%)の平均粒子径を有する細孔形成用粒子を用いることが好ましい。
上記混合物は、リチウム酸化物および細孔形成用粒子を、リチウム酸化物:細孔形成用粒子の質量比が凡そ20:1〜2:1(より好ましくは、10:1〜3:1)の範囲となる割合で含有することが好ましい。リチウム酸化物粒子に対する細孔形成用粒子の含有割合が少なすぎると、得られる正極活物質に多孔質構造を十分に導入することができず、これにより本発明の適用効果が少なくなることがある。一方、細孔形成用粒子の含有割合が多すぎると、得られる正極活物質(多孔質粒子)の強度および/または耐久性が低下しやすくなることがある。リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子との含有比が上記範囲にある混合物によると、強度および/または耐久性が特に良好な正極活物質(例えば、充放電サイクルに対する性能低下の少ない正極活物質)を製造し得る。
なお、この混合物は、上記リチウム酸化物粒子および上記細孔形成用粒子の他に、必要に応じて結着材、溶媒等を含有することができる。この結着材は、複合粒子および/または多孔質粒子(目的物)の強度を向上させる効果を発揮し得るものであって、後述する多孔質粒子形成工程の後にも少なくとも一部が残留する材質を選択することが望ましい。
なお、この混合物は、上記リチウム酸化物粒子および上記細孔形成用粒子の他に、必要に応じて結着材、溶媒等を含有することができる。この結着材は、複合粒子および/または多孔質粒子(目的物)の強度を向上させる効果を発揮し得るものであって、後述する多孔質粒子形成工程の後にも少なくとも一部が残留する材質を選択することが望ましい。
上述のような混合物から、リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子とを含む複合粒子を作製する。この複合粒子は、典型的には一粒子中に複数のリチウム酸化物粒子と複数の細孔形成用粒子とを含有する。上記混合物が結着材を含有する場合には、リチウム酸化物粒子および細孔形成用粒子に加えて結着材を含有する複合粒子が形成される。複合粒子の平均粒子径は1〜20μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は2〜10μmである。また、混合物に含まれるリチウム酸化物粒子の平均粒子径に対して複合粒子の平均粒子径が10倍以上(典型的には10〜100倍)であることが好ましく、20〜50倍であることがより好ましい。複合粒子の外形(粒子形状)は特に限定されないが、通常はほぼ球形の粒子であることが好ましい。
上記混合物から複合粒子を作製する方法の一例として、一般的な噴霧乾燥法を好ましく採用することができる。例えば、リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子とを適当な溶媒(分散媒)に分散させてなる流動性混合物を噴霧し、この噴霧により生成した液滴から溶媒を揮発させて複合粒子を得る。溶媒としては、細孔形成用粒子を実質的に溶解しないものを選択することが好ましい。細孔形成用粒子の材質に応じて有機溶媒または中性の水等を用いることができる。通常は有機溶媒を用いることが好ましい。上記混合物が結着材を含む場合には、この結着材を溶解し、かつ細孔形成用粒子を実質的に溶解しない溶媒を選択することが好ましい。具体的な噴霧乾燥条件(溶媒の使用量、噴霧する液滴径、乾燥条件等)は、作製しようとする複合粒子の平均粒子径、使用する溶媒の種類等によって適宜定めることができる。細孔形成用粒子の融点以下の温度で乾燥することが好ましい。
また、複合粒子を作製する方法の他の例として、リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子とを含む混合物を加圧しつつ混合する(混練する)ことによって複合粒子を作製(造粒)する方法が挙げられる。例えば、いわゆるメカノケミカル法によって上記混合物から複合粒子を作製することができる。このメカノケミカル法は乾式および湿式のいずれの方法で行ってもよい。湿式法による場合に使用する分散媒としては、細孔形成用粒子を実質的に溶解しないものを選択することが好ましい。
複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を除去(すなわち、複合粒子に含まれるリチウム酸化物から分離)することによって、該複合粒子に細孔(空孔)を導入することができる。これにより多孔質粒子を形成することができる。この除去工程において、細孔形成用粒子構成材料を除去する方法としては、該構成材料を複合粒子から溶媒で溶かし出す(溶出する)方法が例示される。溶出にもちいる溶媒は、除去対象である上記構成材料に応じて適宜選択することができる。例えば、有機溶媒または中性の水を用いることができる。通常は有機溶媒を用いることが好ましい。複合粒子が結着材を含有する場合には、細孔形成用粒子構成材料を溶解し、かつ結着材を実質的に溶解しない溶媒を選択することが好ましい。細孔形成用粒子構成材料を除去する方法の他の例として、該構成材料を昇華させる方法が挙げられる。
これらの除去方法を実施する際の雰囲気温度は特に限定されない。常温付近(例えば5〜35℃、好ましくは20〜30℃)で行うことが簡便であり好ましい。また、除去効率を高める等のために適当な温度域(例えば35〜250℃、好ましくは40〜150℃)に加熱して行ってもよい。これらの方法を実施する際の雰囲気圧力は特に限定されないが、通常は常圧または減圧下で行うことが好ましい。
これらの除去方法を実施する際の雰囲気温度は特に限定されない。常温付近(例えば5〜35℃、好ましくは20〜30℃)で行うことが簡便であり好ましい。また、除去効率を高める等のために適当な温度域(例えば35〜250℃、好ましくは40〜150℃)に加熱して行ってもよい。これらの方法を実施する際の雰囲気圧力は特に限定されないが、通常は常圧または減圧下で行うことが好ましい。
細孔形成用粒子構成材料を除去する方法の他の例として、該構成材料を熱分解させて除去する方法が挙げられる。例えば、酸化性雰囲気(大気雰囲気、O2ガス雰囲気等)の下で複合粒子を加熱することによって、細孔形成用粒子構成材料を酸化的に熱分解させることができる。このときの加熱温度は、例えば150〜600℃の範囲とすることができ、200〜500℃の範囲とすることが好ましく、250〜450℃の範囲とすることがより好ましい。加熱温度が高すぎると、得られる正極活物質の電池反応に対する活性が低下傾向となることがある。熱分解を行う時間(加熱時間)は特に限定されず、例えば10〜120分程度とすることができる。このときの雰囲気圧力は特に限定されないが、通常は常圧または減圧下で行うことが好ましい。
上記複合粒子は、リチウム酸化物粒子および細孔形成用粒子を、典型的にはこの複合粒子の作製に用いた混合物の組成にほぼ対応する割合(質量比)で含有する。上記除去工程は、複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料の大部分(例えば70%以上)を除去するように行うことが好ましい。通常は、上記構成材料の実質的に全部(例えば95%以上)を除去することがより好ましい。上記構成材料の除去割合が高くなると、得られる正極活物質の電池反応に対する活性がより良好なものとなり得る。また、適当量の(例えば、複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料のうち10%以下、典型的には0.5〜10%)を残留させてもよい。この場合には、残留した上記構成材料(好ましくは熱可塑性樹脂)を多孔質粒子の結着材として利用し得る。
複合粒子に細孔(空孔)を導入する他の方法として、複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を溶融(融解)させる方法が例示される。この方法では、例えば、複合粒子をその融点以上600℃以下(好ましくは融点以上500℃以下、より好ましくは融点以上450℃以下)程度の温度範囲に加熱する。細孔形成用粒子が溶融してリチウム酸化物に含浸し(典型的には、溶融した細孔形成用粒子構成材料がリチウム酸化物の一次粒子間の隙間に侵入し)、このような細孔形成用粒子の変形(粒子内での移動)によって細孔が形成される。この方法により多孔質粒子を形成する場合に好ましい細孔形成用粒子構成材料としては、上記ポリスチレン類、上記ポリオレフィン類、上記含フッ素樹脂類あるいはこれらの共重合体等の熱可塑性樹脂類が挙げられる。なお、細孔形成用粒子構成材料の溶融と該構成材料の除去(例えば、熱分解による除去)とを併用して多孔質粒子を形成してもよい。
このような方法によって、リチウム酸化物を主体とする多孔質粒子を製造することができる。この多孔質粒子は、二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の正極の構成要素(正極活物質)等として好適である。このような用途にとって好ましい多孔質粒子は、1〜20μmの範囲の平均粒子径を有するものであり、2〜10μmの範囲の平均粒子径を有するものがより好ましい。多孔質粒子(二次粒子)を構成するリチウム酸化物粒子(一次粒子)の平均粒子径は0.1〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は0.1〜2μm、さらに好ましい範囲は0.2〜1μmである。
多孔質粒子の好ましい気孔率は、体積基準で10〜70%の範囲であり、より好ましい範囲は20〜50%である。この気孔率は、例えば水銀圧入法により測定することができる。また、細孔径分布のピーク値が0.03〜1μmの範囲にある多孔質粒子が好ましく、0.05〜1μmの範囲にあるものがより好ましく、0.1〜1μmの範囲にあるものがさらに好ましい。ここで「細孔径分布のピーク値」とは、細孔径と当該細孔径を有する細孔の合計体積との関係を示すグラフ(例えば図1〜4)において、最も大きな合計体積を有する細孔径の値をいう。このようなグラフは、例えば、水銀ポロシメータによる細孔径分布測定によって得ることができる。
なお、得られる多孔質粒子の性状は、使用するリチウム酸化物粒子の平均粒子径、細孔形成用粒子の平均粒子径、複合粒子の組成(リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子との含有割合)、細孔形成用粒子の材質(構成材料)、複合粒子から細孔形成用粒子構成材料を除去する方法および条件(温度、時間、圧力、使用する溶媒等)、該構成材料の除去程度等のうち一または二以上の条件によって調節し得る。
多孔質粒子の好ましい気孔率は、体積基準で10〜70%の範囲であり、より好ましい範囲は20〜50%である。この気孔率は、例えば水銀圧入法により測定することができる。また、細孔径分布のピーク値が0.03〜1μmの範囲にある多孔質粒子が好ましく、0.05〜1μmの範囲にあるものがより好ましく、0.1〜1μmの範囲にあるものがさらに好ましい。ここで「細孔径分布のピーク値」とは、細孔径と当該細孔径を有する細孔の合計体積との関係を示すグラフ(例えば図1〜4)において、最も大きな合計体積を有する細孔径の値をいう。このようなグラフは、例えば、水銀ポロシメータによる細孔径分布測定によって得ることができる。
なお、得られる多孔質粒子の性状は、使用するリチウム酸化物粒子の平均粒子径、細孔形成用粒子の平均粒子径、複合粒子の組成(リチウム酸化物粒子と細孔形成用粒子との含有割合)、細孔形成用粒子の材質(構成材料)、複合粒子から細孔形成用粒子構成材料を除去する方法および条件(温度、時間、圧力、使用する溶媒等)、該構成材料の除去程度等のうち一または二以上の条件によって調節し得る。
また、本発明の製造方法には、リチウム酸化物粒子と細孔形成用有機材料との混合物(複合粒子作製用混合物)を用いることができる。細孔形成用有機材料としては、状態変化(昇華、蒸発、溶解等)および/または化学反応(酸化的熱分解等)を利用してリチウム含有複合酸化物から分離・除去し得るものを用いることができる。細孔形成用有機材料の好適例としては、上述した細孔形成用粒子構成材料と同様のものが挙げられる。特に好ましい細孔形成用有機材料は、上記ポリスチレン類、上記ポリオレフィン類、上記含フッ素樹脂類あるいはこれらの共重合体等の熱可塑性樹脂類である。
リチウム酸化物粒子と細孔形成用有機材料との混合物を用いて得られる複合粒子の例としては、細孔形成用有機材料の有機溶媒溶液にリチウム酸化物粒子を分散させた混合物を噴霧乾燥して形成された複合粒子、細孔形成用有機材料の粒子とリチウム酸化物粒子とが有機溶媒に分散した混合物を噴霧乾燥して形成された複合粒子、細孔形成用有機材料の粒子とリチウム酸化物粒子とを混練して造粒した(例えばメカノケミカル法による)複合粒子等が挙げられる。これらの複合粒子中において、細孔形成用有機材料は粒子状として含まれていてもよく、非粒子状(例えばネット状、膜状等)で含まれていてもよい。このような複合粒子から細孔形成用有機材料を除去および/または溶融する方法としては、細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融する方法として例示した上述の方法と同様の方法等を採用することができる。
リチウム酸化物粒子と細孔形成用有機材料との混合物を用いて得られる複合粒子の例としては、細孔形成用有機材料の有機溶媒溶液にリチウム酸化物粒子を分散させた混合物を噴霧乾燥して形成された複合粒子、細孔形成用有機材料の粒子とリチウム酸化物粒子とが有機溶媒に分散した混合物を噴霧乾燥して形成された複合粒子、細孔形成用有機材料の粒子とリチウム酸化物粒子とを混練して造粒した(例えばメカノケミカル法による)複合粒子等が挙げられる。これらの複合粒子中において、細孔形成用有機材料は粒子状として含まれていてもよく、非粒子状(例えばネット状、膜状等)で含まれていてもよい。このような複合粒子から細孔形成用有機材料を除去および/または溶融する方法としては、細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融する方法として例示した上述の方法と同様の方法等を採用することができる。
このようにして得られた多孔質粒子は、リチウムイオン二次電池等の正極活物質として好ましく採用することができる。二次電池の形状は角型、円筒型、コイン型等のいずれでもよい。そのような二次電池を構成する正極としては、金属等からなる正極集電体に本発明に係る正極活物質を付着させたもの、この正極活物質と適当なバインダ等とを混合して圧縮成形したもの等を用いることができる。
本発明の正極活物質を備える二次電池用正極の好ましい一態様は、金属等の導電性材料からなる正極集電体の表面に、当該正極活物質を主体とする正極合剤の層を設けた構成を有する。この正極合剤層(正極活物質層)は、本発明に係る正極活物質(多孔質粒子)の他に、一般的な正極活物質層に用いられる一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料としては、導電材、結着剤等が挙げられる。導電材としては、例えばカーボンブラック等の炭素材料を用いることができる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)等を用いることができる。特に限定するものではないが、正極活物質100質量部に対する導電材の使用量は、例えば1〜15質量部の範囲とすることができる。また、正極活物質100質量部に対する結着剤の使用量は、例えば約1〜10質量部の範囲とすることができる。
本発明の正極活物質を備える二次電池用正極の好ましい一態様は、金属等の導電性材料からなる正極集電体の表面に、当該正極活物質を主体とする正極合剤の層を設けた構成を有する。この正極合剤層(正極活物質層)は、本発明に係る正極活物質(多孔質粒子)の他に、一般的な正極活物質層に用いられる一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料としては、導電材、結着剤等が挙げられる。導電材としては、例えばカーボンブラック等の炭素材料を用いることができる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)等を用いることができる。特に限定するものではないが、正極活物質100質量部に対する導電材の使用量は、例えば1〜15質量部の範囲とすることができる。また、正極活物質100質量部に対する結着剤の使用量は、例えば約1〜10質量部の範囲とすることができる。
上記正極活物質を備える二次電池用正極は、適当な負極および電解液とともに、二次電池(リチウムイオン二次電池等)の構成要素として好ましく用いることができる。
そのようなリチウムイオン二次電池の負極としては、金属製(銅材料等)の負極集電体の表面に、リチウムイオンを吸蔵放出することのできる電極活物質(負極活物質)を備えるもの等を使用することができる。負極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイトカーボン等の従来のリチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質の一種または二種以上を用いることができる。
そのようなリチウムイオン二次電池の負極としては、金属製(銅材料等)の負極集電体の表面に、リチウムイオンを吸蔵放出することのできる電極活物質(負極活物質)を備えるもの等を使用することができる。負極活物質としては、例えば、アモルファスカーボン、グラファイトカーボン等の従来のリチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質の一種または二種以上を用いることができる。
電解液としては、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる非水系電解液等を用いることができる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の一種または二種以上を含む溶媒に、LiCF3SO3,LiC4F9SO3,LiClO4,LiPF6,LiBF4,LiN(CF3SO2)2,LiC(CF3SO2)3等の溶質化合物(支持塩)の一種または二種以上を溶解させた電解液等を用いることができる。
本発明に係る正極活物質および該活物質を備える二次電池用正極は、各種の常温溶融塩を主体とする電解質(常温溶融塩電解質)を備えたリチウムイオン二次電池を構築するための正極活物質または正極として特に好適である。このような常温溶融塩電解質を構成する常温溶融塩としては、一般的なイミダゾリウム系、アンモニウム系、ピリジニウム系その他の常温溶融塩等から適当なものを選択することができる。イミダゾリウム系の常温溶融塩の具体例としては、エチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMI−BF4)、エチルメチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホニルイミド(EMI−TFSI)、プロピルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等が挙げられる。アンモニウム系の常温溶融塩の具体例としては、ジエチルメチルプロピルアンモニウムトリフルオロメタンスルホニルイミド等が挙げられる。ピリジニウム系の常温溶融塩の具体例としては、エチルピリジニウムテトラフルオロボレートが挙げられる。
このような常温溶融塩を用いた電解質における支持塩としては、各種のリチウム塩を用いることができる。例えば、BF4 -,PF6 -,CF3SO3 -,(CF3SO2)2N-,(C2F5SO2)2N-等のアニオンとリチウムイオンとの塩を用いることができる。その電解質に含まれる常温溶融塩を構成するアニオンと同種のアニオンとリチウムイオンとの塩を用いることが好ましい。なお、常温溶融塩電解質を備えるリチウムイオン二次電池において特に好ましく選択し得る負極活物質としてチタン酸リチウム(例えばLi4Ti5O12)が挙げられる。また、負極活物質としてアモルファスカーボン、グラファイトカーボン等の炭素材料を用いてもよい。
このような常温溶融塩を用いた電解質における支持塩としては、各種のリチウム塩を用いることができる。例えば、BF4 -,PF6 -,CF3SO3 -,(CF3SO2)2N-,(C2F5SO2)2N-等のアニオンとリチウムイオンとの塩を用いることができる。その電解質に含まれる常温溶融塩を構成するアニオンと同種のアニオンとリチウムイオンとの塩を用いることが好ましい。なお、常温溶融塩電解質を備えるリチウムイオン二次電池において特に好ましく選択し得る負極活物質としてチタン酸リチウム(例えばLi4Ti5O12)が挙げられる。また、負極活物質としてアモルファスカーボン、グラファイトカーボン等の炭素材料を用いてもよい。
以下、本発明に関する実施例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例1:正極活物質の作製>
平均粒子径(一次粒子径)が約2μmの市販のコバルト酸リチウム(LiCoO2)粒子(日本化学工業株式会社製の商標「セルシード C」を使用した。)を粉砕して、平均粒子径が約0.5μmのLiCoO2粒子を調製した。このLiCoO2粒子と、平均粒子径が約0.1μmのポリスチレン(PSt)粒子と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、N−メチルピロリドン(NMP)とともに混合してペースト状の組成物(複合粒子作製用組成物)を調製した。この組成物は、上記各材料(LiCoO2:PSt:PVDF:NMP)を凡そ5:1:0.2:3の質量比で含有する。なお、ポリスチレン粒子としては、アルドリッチ社製のポリスチレンマイクロビーズ、型番「45,935−6」を使用した。
この複合粒子作製用組成物を100℃の恒温槽中に噴霧し、その液滴からNMPを揮発させた(噴霧乾燥)。これにより、LiCoO2の一次粒子とポリスチレン粒子とPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子をジエチルカーボネート(DEC)に浸漬して攪拌した。DECを入れ換えて、ポリスチレンの溶出が観察されなくなるまでこの操作を繰り返した。これにより、複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料(ここではポリスチレン)を溶媒(ここではDEC)で抽出した。その後、残った粒子を加熱乾燥させた。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量のPVDFを含有する。
<実施例1:正極活物質の作製>
平均粒子径(一次粒子径)が約2μmの市販のコバルト酸リチウム(LiCoO2)粒子(日本化学工業株式会社製の商標「セルシード C」を使用した。)を粉砕して、平均粒子径が約0.5μmのLiCoO2粒子を調製した。このLiCoO2粒子と、平均粒子径が約0.1μmのポリスチレン(PSt)粒子と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、N−メチルピロリドン(NMP)とともに混合してペースト状の組成物(複合粒子作製用組成物)を調製した。この組成物は、上記各材料(LiCoO2:PSt:PVDF:NMP)を凡そ5:1:0.2:3の質量比で含有する。なお、ポリスチレン粒子としては、アルドリッチ社製のポリスチレンマイクロビーズ、型番「45,935−6」を使用した。
この複合粒子作製用組成物を100℃の恒温槽中に噴霧し、その液滴からNMPを揮発させた(噴霧乾燥)。これにより、LiCoO2の一次粒子とポリスチレン粒子とPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子をジエチルカーボネート(DEC)に浸漬して攪拌した。DECを入れ換えて、ポリスチレンの溶出が観察されなくなるまでこの操作を繰り返した。これにより、複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料(ここではポリスチレン)を溶媒(ここではDEC)で抽出した。その後、残った粒子を加熱乾燥させた。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量のPVDFを含有する。
<実施例2:正極活物質の作製>
ポリスチレン粒子に代えて平均粒子径が約0.3μmのナフタレン粒子を用いた点以外は、実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とナフタレンとPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子を60℃の環境下に約1日間保持した。これにより、複合粒子に含まれるナフタレンを昇華除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量のPVDFを含有する。
ポリスチレン粒子に代えて平均粒子径が約0.3μmのナフタレン粒子を用いた点以外は、実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とナフタレンとPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子を60℃の環境下に約1日間保持した。これにより、複合粒子に含まれるナフタレンを昇華除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量のPVDFを含有する。
<実施例3:正極活物質の作製>
PVDFを用いない点以外は実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、LiCoO2:PSt:NMPを凡そ5:1:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とポリスチレン粒子とを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
この複合粒子に400℃の大気中で30分間の熱処理を施した。これにより、複合粒子に含まれるポリスチレンを溶融させるとともに、その一部を熱分解させて除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量(熱分解後の残留分)のポリスチレンを含有する。
PVDFを用いない点以外は実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、LiCoO2:PSt:NMPを凡そ5:1:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とポリスチレン粒子とを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
この複合粒子に400℃の大気中で30分間の熱処理を施した。これにより、複合粒子に含まれるポリスチレンを溶融させるとともに、その一部を熱分解させて除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、少量(熱分解後の残留分)のポリスチレンを含有する。
<実施例4:細孔径分布測定>
水銀ポロシメータ(ユアサイオニクス社製の全自動細孔分布測定装置、型番「ポアマスター33P」)を用いて、実施例1〜3により作製した粒子(二次粒子)の細孔径分布を測定した。それらの測定結果を図1〜3(実施例1〜3)に示す。また、比較例として、上記実施例で原料として使用した市販のLiCoO2粒子(すなわち粉砕前のもの、平均粒子径:約2μm)の細孔径分布を同様にして測定した。その測定結果を図4に示す。
図1〜4から判るように、比較例のLiCoO2粒子の細孔分布径のピーク値が約0.02μmであったのに対して、実施例1〜3により得られた粒子の細孔分布径のピーク値はそれぞれ約0.08μm、約0.2μmおよび約0.3μmであった。このように、実施例1〜3のいずれにおいても、原料として用いた比較例の粒子に比べて細孔径の大きな多孔質粒子(二次粒子)が得られた。
水銀ポロシメータ(ユアサイオニクス社製の全自動細孔分布測定装置、型番「ポアマスター33P」)を用いて、実施例1〜3により作製した粒子(二次粒子)の細孔径分布を測定した。それらの測定結果を図1〜3(実施例1〜3)に示す。また、比較例として、上記実施例で原料として使用した市販のLiCoO2粒子(すなわち粉砕前のもの、平均粒子径:約2μm)の細孔径分布を同様にして測定した。その測定結果を図4に示す。
図1〜4から判るように、比較例のLiCoO2粒子の細孔分布径のピーク値が約0.02μmであったのに対して、実施例1〜3により得られた粒子の細孔分布径のピーク値はそれぞれ約0.08μm、約0.2μmおよび約0.3μmであった。このように、実施例1〜3のいずれにおいても、原料として用いた比較例の粒子に比べて細孔径の大きな多孔質粒子(二次粒子)が得られた。
<実施例5:リチウムイオン二次電池の作製>
実施例1〜3により作製した多孔質粒子(二次粒子)および比較例の粒子(市販のLiCoO2粒子)をそれぞれ正極活物質として用いて、リチウムイオン二次電池用の正極を作製した。
すなわち、正極活物質、カーボンブラック(CB)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−メチルピロリドンとともに混合してペースト状の組成物を調製した。この正極活物質層形成用組成物は、正極活物質:CB:PVDFをほぼ85:10:5の質量比で含有する。なお、カーボンブラックとしては、電気化学工業株式会社製の商標「HS−100」(アセチレンブラック)を使用した。また、ポリフッ化ビニリデンとしては、呉羽化学工業株式会社製の商標「KFポリマー#1120」を使用した。
厚さ約15μmのアルミニウム箔(正極集電体)に上記で得られた組成物を塗布した。その塗布物を80℃で乾燥させた後、厚み方向にプレスして、集電体の片面に約6mg/cm2の正極活物質層が形成された正極シートを作製した。この正極シートを直径16mmの円形に打ち抜いて正極とした。
実施例1〜3により作製した多孔質粒子(二次粒子)および比較例の粒子(市販のLiCoO2粒子)をそれぞれ正極活物質として用いて、リチウムイオン二次電池用の正極を作製した。
すなわち、正極活物質、カーボンブラック(CB)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−メチルピロリドンとともに混合してペースト状の組成物を調製した。この正極活物質層形成用組成物は、正極活物質:CB:PVDFをほぼ85:10:5の質量比で含有する。なお、カーボンブラックとしては、電気化学工業株式会社製の商標「HS−100」(アセチレンブラック)を使用した。また、ポリフッ化ビニリデンとしては、呉羽化学工業株式会社製の商標「KFポリマー#1120」を使用した。
厚さ約15μmのアルミニウム箔(正極集電体)に上記で得られた組成物を塗布した。その塗布物を80℃で乾燥させた後、厚み方向にプレスして、集電体の片面に約6mg/cm2の正極活物質層が形成された正極シートを作製した。この正極シートを直径16mmの円形に打ち抜いて正極とした。
一方、アルミニウム箔の表面に負極活物質層を形成して負極を作製した。すなわち、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、カーボンブラック(CB)およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN−メチルピロリドンとともに混合してペースト状の組成物を調製した。この負極活物質形成用組成物は、Li4Ti5O12:CB:PVDFをほぼ85:10:5の質量比で含有する。なお、チタン酸リチウムとしては高純度化学株式会社製のものを用いた。カーボンブラックおよびポリフッ化ビニリデンとしては正極の作製に用いたものと同じものを使用した。
厚さ約15μmのアルミニウム箔(負極集電体)に上記で得られた組成物を塗布した。その塗布物を80℃で乾燥させた後、厚み方向にプレスして、集電体の片面に約8mg/cm2の負極活物質層が形成された負極シートを作製した。この負極シートを直径16mmの円形に打ち抜いて負極とした。
厚さ約15μmのアルミニウム箔(負極集電体)に上記で得られた組成物を塗布した。その塗布物を80℃で乾燥させた後、厚み方向にプレスして、集電体の片面に約8mg/cm2の負極活物質層が形成された負極シートを作製した。この負極シートを直径16mmの円形に打ち抜いて負極とした。
このようにして得られた正極および負極を用いて、常温溶融塩電解質を備えるリチウムイオン二次電池を構築した。セパレータとしては多孔質ポリエチレンフィルムを直径約20mmの円形に打ち抜いたものを用いた。また、電解質としては、1−エチル−3−メチル−イミダゾリウムトリフルオロスルホニルイミド(EMI−TFSI)にリチウムトリフルオロスルホニルイミド(LiTFSI)を1モル/リットルの割合で添加して攪拌混合したものを用いた。
セパレータを挟んで正極と負極とを活物質層同士が対向するように配置した。そして、正極(正極活物質層)とセパレータとの界面およびセパレータと負極(負極活物質層)との界面に上記の常温溶融塩電解質を滴下して、直径約20mm、厚さ約3.2mm(2032型)のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
セパレータを挟んで正極と負極とを活物質層同士が対向するように配置した。そして、正極(正極活物質層)とセパレータとの界面およびセパレータと負極(負極活物質層)との界面に上記の常温溶融塩電解質を滴下して、直径約20mm、厚さ約3.2mm(2032型)のコイン型リチウムイオン二次電池を作製した。
<実施例6:電池性能の評価(放電レート特性)>
実施例5で作製したリチウムイオン二次電池の放電レート特性を評価した。すなわち、電圧の上限が2.6Vとなるようにcc−cv(定電流−定電圧)充電を4時間行って電池を満充電状態にした。その後、25℃の恒温槽内で1/10C〜5Cの各電流値(放電レート)で1.5Vまで定電流(cc)放電を行い、そのときの放電容量を測定した。なお、1Cの理論値は正極活物質の量に比容量(140mA/g)を乗じて求めた。測定結果を図5に示す。
この図から判るように、実施例1〜3により作製した粒子を正極活物質に用いた二次電池は、比較例の電池に比べ、高放電レートにおいてもより高い放電比容量が得られた。すなわち良好な高速放電性能を示した。これは、実施例1〜3により作製した粒子が比較例の粒子に比べてより大きな細孔径を有することに関係していると考えられる。本実施例で用いたような常温溶融塩電解質は、通常のリチウムイオン電池に用いられる電解液(例えば、プロピレンカーボネートに1モル/リットル程度のLiPF6を溶解させたもの)に比べて高粘度である。比較例の粒子に比べて大きな細孔径を有する多孔質粒子(リチウム酸化物を主体とする二次粒子)を正極活物質として用いることにより、この二次粒子内に常温溶融塩電解質がより浸透しやすく(濡れやすく)なる。したがってリチウム酸化物と常温溶融塩電解質との実質的な接触面積が増加する。また、二次粒子の細孔容積がより大きくなる。また、細孔径が大きくなるとリチウムイオンの拡散速度(伝導度)が向上する。実施例1〜3の粒子を用いた二次電池では、これらのうち少なくとも一つの理由により放電レート特性が向上したものと考えられる。
実施例5で作製したリチウムイオン二次電池の放電レート特性を評価した。すなわち、電圧の上限が2.6Vとなるようにcc−cv(定電流−定電圧)充電を4時間行って電池を満充電状態にした。その後、25℃の恒温槽内で1/10C〜5Cの各電流値(放電レート)で1.5Vまで定電流(cc)放電を行い、そのときの放電容量を測定した。なお、1Cの理論値は正極活物質の量に比容量(140mA/g)を乗じて求めた。測定結果を図5に示す。
この図から判るように、実施例1〜3により作製した粒子を正極活物質に用いた二次電池は、比較例の電池に比べ、高放電レートにおいてもより高い放電比容量が得られた。すなわち良好な高速放電性能を示した。これは、実施例1〜3により作製した粒子が比較例の粒子に比べてより大きな細孔径を有することに関係していると考えられる。本実施例で用いたような常温溶融塩電解質は、通常のリチウムイオン電池に用いられる電解液(例えば、プロピレンカーボネートに1モル/リットル程度のLiPF6を溶解させたもの)に比べて高粘度である。比較例の粒子に比べて大きな細孔径を有する多孔質粒子(リチウム酸化物を主体とする二次粒子)を正極活物質として用いることにより、この二次粒子内に常温溶融塩電解質がより浸透しやすく(濡れやすく)なる。したがってリチウム酸化物と常温溶融塩電解質との実質的な接触面積が増加する。また、二次粒子の細孔容積がより大きくなる。また、細孔径が大きくなるとリチウムイオンの拡散速度(伝導度)が向上する。実施例1〜3の粒子を用いた二次電池では、これらのうち少なくとも一つの理由により放電レート特性が向上したものと考えられる。
<実施例7:正極活物質の作製>
PVDFを用いない点以外は実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、LiCoO2:PSt:NMPを凡そ5:1:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とポリスチレン粒子とを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子に含まれるポリスチレンを、実施例1と同様にしてDECで抽出して除去した。その後、残った粒子を加熱乾燥させた。このようにして得られた粒子(二次粒子)は主としてLiCoO2からなる。
PVDFを用いない点以外は実施例1と同様にしてペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、LiCoO2:PSt:NMPを凡そ5:1:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子(平均粒子径:約0.5μm)とポリスチレン粒子とを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
その複合粒子に含まれるポリスチレンを、実施例1と同様にしてDECで抽出して除去した。その後、残った粒子を加熱乾燥させた。このようにして得られた粒子(二次粒子)は主としてLiCoO2からなる。
<実施例8:正極活物質の作製>
実施例1と同様にして調製した平均粒子径約0.5μmのLiCoO2粒子と、PVDFとを、NMPとともに混合してペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、上記各材料(LiCoO2:PVDF:NMP)を凡そ5:1.2:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子とPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
この複合粒子に400℃の大気中で30分間の熱処理を施した。これにより、複合粒子に含まれるPVDFを溶融させるとともに、その一部を熱分解させて除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、PVDF(熱分解後の残留分)を含有する。
実施例1と同様にして調製した平均粒子径約0.5μmのLiCoO2粒子と、PVDFとを、NMPとともに混合してペースト状の組成物を調製した。この複合粒子作製用組成物は、上記各材料(LiCoO2:PVDF:NMP)を凡そ5:1.2:3の質量比で含有する。この複合粒子作製用組成物を噴霧乾燥させて、LiCoO2の一次粒子とPVDFとを含む複合粒子を得た。得られた複合粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
この複合粒子に400℃の大気中で30分間の熱処理を施した。これにより、複合粒子に含まれるPVDFを溶融させるとともに、その一部を熱分解させて除去した。このようにして得られた粒子(二次粒子)は、主としてLiCoO2からなり、PVDF(熱分解後の残留分)を含有する。
<実施例9:電池性能の評価(充放電サイクル特性)>
実施例1、実施例7および実施例8により作製した多孔質粒子(二次粒子)をそれぞれ正極活物質として用いて、実施例5と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。これらの電池につき、1.5V〜2.6Vの範囲で定電流(1/3C)充放電を繰り返す充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル数に対する放電比容量の測定結果を図6に示す。なお、実施例1および実施例7の電池に関する測定データにつき、図6中に矢印Rで示す箇所でデータの変動がみられるのは、いったん充放電サイクルの継続を中断した後に再スタートしたためだと考えられる。
図6から判るように、PVDFを含有する多孔質粒子(実施例1、8)を正極活物質に用いた電池は、PVDFを含有しない多孔質粒子(実施例7)を用いた電池に比べて、充放電サイクルに対する放電比容量の低下がより低減されていた。複合粒子に含まれるPVDFを溶融して作製した実施例8の粒子では特に良好な結果が得られた。これは、加熱溶融したPVDFが多孔質粒子の細孔に侵入することによって該多孔質粒子を構成する一次粒子の結合がより強くなり、このため充放電サイクルに対する耐久性が向上したものと考えられる。換言すれば、多孔質粒子の作製に使用したPVDFが一次粒子の結着材として働くことによって充放電サイクルに対する耐久性が向上したものと考えられる。
実施例1、実施例7および実施例8により作製した多孔質粒子(二次粒子)をそれぞれ正極活物質として用いて、実施例5と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。これらの電池につき、1.5V〜2.6Vの範囲で定電流(1/3C)充放電を繰り返す充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル数に対する放電比容量の測定結果を図6に示す。なお、実施例1および実施例7の電池に関する測定データにつき、図6中に矢印Rで示す箇所でデータの変動がみられるのは、いったん充放電サイクルの継続を中断した後に再スタートしたためだと考えられる。
図6から判るように、PVDFを含有する多孔質粒子(実施例1、8)を正極活物質に用いた電池は、PVDFを含有しない多孔質粒子(実施例7)を用いた電池に比べて、充放電サイクルに対する放電比容量の低下がより低減されていた。複合粒子に含まれるPVDFを溶融して作製した実施例8の粒子では特に良好な結果が得られた。これは、加熱溶融したPVDFが多孔質粒子の細孔に侵入することによって該多孔質粒子を構成する一次粒子の結合がより強くなり、このため充放電サイクルに対する耐久性が向上したものと考えられる。換言すれば、多孔質粒子の作製に使用したPVDFが一次粒子の結着材として働くことによって充放電サイクルに対する耐久性が向上したものと考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
Claims (10)
- 二次電池用の正極活物質を製造する方法であって、以下の工程:
リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用粒子とを含む混合物を得る工程;
その混合物から該一次粒子と該細孔形成用粒子との複合粒子を作製する工程;および、
その複合粒子に含まれる細孔形成用粒子構成材料を除去および/または溶融してリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程;
を含む正極活物質製造方法。 - 前記多孔質粒子形成工程は前記細孔形成用粒子構成材料の少なくとも一部を溶媒に溶出させて除去する処理を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記多孔質粒子形成工程は前記細孔形成用粒子構成材料の少なくとも一部を気化させて除去する処理を含む、請求項1または2に記載の方法。
- 前記細孔形成用粒子として有機系粒子を用いる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記一次粒子の平均粒子径に対して前記細孔形成用粒子の平均粒子径が30%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 二次電池用の正極活物質を製造する方法であって、以下の工程:
リチウム含有複合酸化物の一次粒子と細孔形成用有機材料とを含む混合物を得る工程;
その混合物から該一次粒子と該有機材料との複合粒子を作製する工程;および、
その複合粒子に含まれる有機材料を除去および/または溶融してリチウム含有複合酸化物を主体とする多孔質粒子を形成する工程;
を含む正極活物質製造方法。 - 前記細孔形成用有機材料は熱可塑性樹脂であり、前記多孔質粒子形成工程では前記複合粒子を該熱可塑性樹脂の融点以上600℃以下の温度域に加熱する、請求項6に記載の方法。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の方法により製造された正極活物質。
- 請求項8に記載の正極活物質を有する正極を備えるリチウムイオン二次電池。
- 常温溶融塩を含む電解質を備える、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池。
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