JP2018062549A - 樹脂組成物とその製造方法及びハンドレールとその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物とその製造方法及びハンドレールとその製造方法 Download PDF

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育雄 関
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宏 岩渕
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公弥 松川
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龍太郎 菊池
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【課題】エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも成形性に優れる樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールとその製造方法を提供する。【解決手段】ハンドレール10は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下である樹脂組成物からなる芯材層2を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールとその製造方法に関する。
エスカレータ、動く歩道、及びこれらに類似した輸送装置のためのハンドレールの芯材層の材料として、ゴム材料等が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、特許文献2には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を芯材層の材料として使用したハンドレールが開示されている。具体的には、結合酢酸ビニル分25重量%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と所定の充填剤50重量部と適量の有機過酸化物との組成物から構成され分子間架橋された断面三日月型の主体を備えた移動用手摺が開示されている。
従来のハンドレールの芯材層に用いられるゴム(例えばクロロスルフォン化ポリエチレン)と比較して、EVAは比重が軽いため、ハンドレールの重量を低く抑えられるので、エスカレータ等の駆動装置の消費電力を低減することができる点でメリットがある。
特開2002−255470号公報 特公昭47−48146号公報
しかし、特許文献2に記載の組成物では、押出し後のプレス成形時に架橋させる必要があるため、成形性の点で問題がある。例えば、プレス成形時の架橋温度を160℃と設定した場合、プレス端部(長手方向の端部)の材料の温度は100℃程度となるが、EVAは元々の粘度が低く、特許文献2のように有機過酸化物を用いて架橋した場合には、プレス端部(100℃程度)ではほとんど反応が進まず、架橋が不十分なプレス端部で材料のだれが発生してしまい、成形が困難である。
そこで、本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも成形性に優れる樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールとその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の樹脂組成物とその製造方法及びハンドレールとその製造方法を提供する。
[1]シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記架橋樹脂組成物は、塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(塩化ビニルグラフトEVA)を含有することを特徴とする前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(非架橋EVA)を含有することを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、前記非架橋EVAを40〜95質量%含有することを特徴とする前記[3]に記載の樹脂組成物。
[5]熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[6]前記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、前記非架橋EVAを10〜85質量%、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを10〜30質量%含有することを特徴とする前記[5]に記載の樹脂組成物。
[7]前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が10質量%以上25質量%以下であることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[8]シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物の製造方法であって、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜5質量部添加して前記シラングラフトEVAを得る工程を有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下である樹脂組成物の製造方法。
[9]樹脂組成物からなる芯材層を備え、前記樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とするハンドレール。
[10]長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層への接着力が前記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層を介して前記抗張体及び前記布地層と一体化されていることを特徴とする前記[9]に記載のハンドレール。
[11]前記接着層を構成する前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを70〜93質量%、前記架橋樹脂組成物を2〜10質量%、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと前記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を5〜20質量%含有することを特徴とする前記[10]に記載のハンドレール。
[12]エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜5質量部添加してシランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を得る工程と、前記シラングラフトEVAを含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物からなる芯材層を形成する工程とを有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とするハンドレールの製造方法。
本発明によれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも成形性に優れる樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールとその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。 ハンドレールの開口力を測定する方法を説明するための概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールの変形例を示す横断面図(端部のみ図示)である。 本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールの変形例を示す横断面図である。
〔樹脂組成物〕
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、シラングラフトEVAという)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAという)部分中の酢酸ビニル含量(以下、VA含量という)が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とする。本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物のみからなるものであってもよいが、後述する非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、非架橋EVAという)等を含有するものであってもよい。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
(架橋樹脂組成物)
本発明の実施の形態における架橋樹脂組成物は、シラングラフトEVAを含有し、好ましくは、更に塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、塩化ビニルグラフトEVAという)を含有する。
(1)シラングラフトEVA
シラングラフトEVAは、EVA部分中のVA含量が4質量%以上28質量%以下である。すなわち、当該シラングラフトEVAを得るために材料として用いるEVAのVA含量が4質量%以上28質量%以下である。上記VA含量は、好ましくは5質量%以上25質量%以下であり、より好ましくは6質量%以上23質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上22質量%以下であり、最も好ましくは15質量%以上20質量%以下である。VA含量を4質量%以上とすることにより、ハンドレールに必要な硬度、弾性を得ることができる。また、VA含量を28質量%以下とすることにより、ビカット軟化点を60℃以上とすることができる。
シラングラフトEVAを得るために材料として用いるEVAの硬度は、ショアAスケールで86〜96であることが好ましい。当該シラングラフトEVAを含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物の硬度は、ショアAスケールで86〜94であることが好ましい。これにより、ハンドレール駆動用のローラによるハンドレールへの圧痕を少なくすることができる。
(2)塩化ビニルグラフトEVA
本発明の実施の形態に係る架橋樹脂組成物は、上記シラングラフトEVAのほか、塩化ビニルグラフトEVAを含有することが好ましい。塩化ビニルグラフトEVAを含有させることにより、15MPa以上の引張強度と400%以上の引張伸びが得られる。また、シラングラフトEVAと後述する熱可塑性ポリウレタンエラストマーとの相溶性を良くし、外観荒れや伸びを改善することができる。本実施の形態において、シラングラフトEVAのVA含量が低い場合に、シラングラフトEVAの熱可塑性ポリウレタンエラストマーに対する相溶性が悪くなる傾向にあるので、このような場合に特に効果がある。
塩化ビニルグラフトEVAは、EVA部分中のVA含量が5質量%以上45質量%以下であることが好ましい。すなわち、塩化ビニルグラフトEVAを得るために材料として用いるEVAのVA含量が5質量%以上45質量%以下であることが好ましい。上記VA含量は、より好ましくは15質量%以上28質量%以下である。
塩化ビニルのグラフト率は、特に限定されるものではないが、好ましくは40〜95%である。
(3)製造方法
本発明の実施の形態において使用される架橋樹脂組成物は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記シラングラフトEVAは、EVA100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜5質量部添加してシランをEVAにグラフト重合させて得ることが好ましい。シランカップリング剤の添加量は、より好ましくはEVA100質量部に対して1.0〜3.0質量部であり、更に好ましくは1.5〜2.5質量部である。
シランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、ビニルシラン、メタクリルシラン、アクリルシランが好適である。ビニルシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリルシランとしては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アクリルシランとしては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記グラフト重合(シラン架橋)においては、EVA100質量部に対して架橋剤としてシラングラフト用過酸化物を0.01〜0.5質量部程度添加することが好ましい。過酸化物としては、ジアルキルパーオキサイドが好ましく、例えば、ジ(2−t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド(DCP)、2,5−ジメチル−2,5ジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジ−t−ヘブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が挙げられる。
また、上記グラフト重合(シラン架橋)においては、EVA100質量部に対して架橋触媒としてシラノール縮合触媒を少量(例えば、0.03〜0.2質量部程度)添加することが好ましい。シラノール縮合触媒としては、有機錫系触媒が好適である。有機錫系触媒としては、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫マレートポリマー、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジブチル錫マレートポリマー等が挙げられる。有機錫系触媒の添加は、塩化ビニルグラフトEVAを添加した後が好ましいが、塩化ビニルグラフトEVAと一緒に添加してもよい。
EVAには、上記配合剤のほか、安定剤、老化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤等の一般的な各種配合剤を添加してよい。各配合剤の添加は、架橋触媒を添加する工程の後に行なわれることが好ましい。
また、塩化ビニルグラフトEVAの添加のタイミングは特に限定されるものではないが、EVAに対するシラングラフト反応が終了した後に添加することが好ましい。架橋樹脂組成物の製造に際し、上記グラフト重合(シラン架橋)前のEVA100質量部に対して前述の塩化ビニルグラフトEVAを10〜70質量部添加することが好ましい。塩化ビニルグラフトEVAの添加量は、より好ましくはEVA100質量部に対して20〜50質量部である。
シラングラフト反応は、例えば、2軸混練押出機内で行われ、押出機の途中から塩化ビニルグラフトEVA、架橋触媒等の残りの材料を加え、シラン縮合反応が促進、完了することにより、上記架橋樹脂組成物を得ることができる。
(非架橋EVA)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物のほか、更に非架橋EVAを含有することが好ましい。非架橋EVAを含有することにより、材料コストの低減、加工性の向上、押出性の向上(数日連日押出が可能となり量産性が向上する)の効果が得られる。なお、ここで、加工性とは、例えば2本のハンドレール端末間の接続性のことである。
非架橋EVAは、VA含量が4質量%以上28質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上25質量%以下である。
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、上記非架橋EVAを40〜95質量%含有することが好ましい。より好ましくは、上記架橋樹脂組成物を10〜50質量%、上記非架橋EVAを50〜90質量%含有する。
架橋樹脂組成物と非架橋EVAを含有(必要に応じて次に述べる熱可塑性ポリウレタンエラストマーも含有)する材料組成物は、加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどの混練機による混練や、二軸混練押出機などの押出機内混練で均一に混合されることにより、本発明の実施の形態に係る樹脂組成物を得ることができる。また、ハンドレール成形時にドライブレンドにて混合形成しても良い。
(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物のほか、更に熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有することが好ましい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有することにより、ハンドレール等の製造に際し、隣接する材料との接着性を向上させることができる。また、最外層の材料として使用した場合に製品表面の艶を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物は、上記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、上記非架橋EVAを10〜85質量%、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを10〜30質量%含有することが好ましい。より好ましくは、上記架橋樹脂組成物を30〜50質量%、上記非架橋EVAを25〜55質量%、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを15〜25質量%含有する。
(用途)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、エスカレータ、動く歩道、及びこれらに類似した輸送装置のためのハンドレールの芯材層や化粧層(表面層)の材料として特に適している。
〔ハンドレール〕
本発明の実施の形態に係るハンドレールは、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる芯材層を備えたことを特徴とする。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係るハンドレール10は、全体としてC字状の横断面形状を有し、ハンドレール10の長手方向に連続的に設けられた抗張体1と、抗張体1の周りを覆い横断面形状がC字状に形成された、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる芯材層2と、芯材層2のC字状の外面を覆って横断面形状がC字状に形成された化粧層3と、芯材層2のC字状の内面に内張りされた布地層4とを備える。
(抗張体1)
抗張体1は、ハンドレール10の強度を確保するための機能を有するものであり、公知のスチールコード、ナイロン芯入りスチールコード、高強度のアラミド繊維などから構成され得る。本実施形態では、抗張体1としてスチールコード18本を採用している。抗張体1は、棒状のものに限らず、板状(テープ状)のものであってもよい。
(芯材層2)
芯材層2は、抗張体1を外部応力から保護することを主目的とするものであり、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物からなる。本実施形態では、横断面形状をC字状としたが、当該形状に限られない。
(化粧層3)
化粧層3は、ハンドレール10の最外層に設けられ、良好な外観を主目的とするものである。化粧層3の材料としては、特に限定されず、種々の熱可塑性エラストマーを使用できるが、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用することが好ましい。化粧層3は、芯材層2と同じ硬度とすることが好ましい。硬度は、例えば、ショアAスケールで86〜94が好ましい。本実施形態では、横断面形状をC字状としたが、当該形状に限られない。
(布地層4)
布地層4は、ハンドレール10が設置されるガイドレールとの摩擦抵抗を低減することやハンドレール10の強度を補強することを主目的とするものである。布地層4は、綿などの天然繊維、ナイロンやポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)などの化学繊維、これらの混紡などの材料からなる。織り方としては、ハンドレールの使用状況により、平織り、綾織り、繻子織り等から選択する。布地層4として、帆布を使用することが好ましい。
本実施の形態は、種々の変形が可能であり、例えば、化粧層を別途設けずに芯材層に化粧層としての役目も持たせたものとしてもよいし、布地層を複数層設けたものとしてもよい。
ハンドレール10の製造方法としては、芯材層2又は芯材層2と化粧層3の材料として、本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用する以外は、公知の製造方法、例えば、特開2008−308299号公報に記載の方法で製造できる。
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るハンドレールを示す横断面図である。図2において図1と同じ部材には図1と同じ符号を付している。
本発明の第2の実施の形態に係るハンドレール20は、長手方向に延びる抗張体1及び長手方向に延びる布地層4への接着力が本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層5A,5Bを介して抗張体1及び布地層4と芯材層2が一体化されている点で第1の実施形態と異なる。これにより、使用時に材料間の剥がれが第1の実施形態よりも発生しにくいハンドレールが得られる。
接着層5Aは、抗張体1の周りを覆うように設けられ、抗張体1と芯材層2とをより強固に接着している。一方、接着層5Bは、布地層4の内側露出面とは反対の面を覆うように設けられ、布地層4と芯材層2とをより強固に接着している。
接着層5A,5Bを構成する樹脂組成物は、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを70〜93質量%、上記架橋樹脂組成物を2〜10質量%、及び上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと上記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を5〜20質量%含有するものであることが好ましい。
相溶化剤としては、変性ポリオレフィン、例えばエチレン・グリシジルメタクリレートなどのエポキシ変性ポリオレフィンが好適なものとして挙げられる。
接着層5Aを構成する樹脂組成物と、接着層5Bを構成する樹脂組成物とは、同一であっても異なっていてもよいが、同一の樹脂組成物からなることが好ましい。
ハンドレール20の製造方法としては、第1の実施の形態に係るハンドレール10の製造方法と基本的に同様であるが、接着層5A、5Bを設ける工程を有する点で相違している。具体的には、前述の特開2008−308299号公報の図2において、接着層5Aを構成する樹脂組成物を押出す押出機と接着層5Bを構成する樹脂組成物を押出す押出機を更に設け、他の2台の押出機と同時に押出成形することで、ヘッドの中で各層を構成する樹脂組成物が、ヘッドに供給された抗張体1及び布地層4と共に一体化されることで、ハンドレール20が得られる。
なお、本実施の形態においては芯材層2の材料として本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物を使用したものに限定しているが、長手方向に延びる抗張体1及び長手方向に延びる布地層4への接着力が「芯材層に使用されている材料(本発明の実施の形態に係る上記樹脂組成物に限られない)よりも強い樹脂組成物」からなる接着層5A,5Bを介して抗張体1及び布地層4と芯材層2が一体化されている図2に記載の構造のハンドレール自体が従来に無いものである。これにより、接着層5A,5Bを有さない実施形態に比べて使用時に材料間の剥がれが発生しにくいハンドレールが得られる。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、予めシラン架橋されたEVA(シラングラフトEVA)が組成物に含まれているため、前述の特許文献2(特公昭47−48146号公報)に記載の組成物のように押出し後にプレス成形による架橋をする必要がないので、エチレン−酢酸ビニル共重合体を材料として使用していながらも成形性に優れる樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールを提供することができる。
また、ハンドレール用樹脂組成物には、ハンドレールをエスカレータ等の手摺り部分に設置しやすく、かつ、ハンドレールが使用時に外れにくい適度な開口力(横断面C字形状の側端部間を広げる時の力)とすることができる特性が求められている。本発明の実施の形態によれば、上記効果に加え、適度な開口力のハンドレールが得られる樹脂組成物とその製造方法及び当該樹脂組成物を用いたハンドレールを提供することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(樹脂組成物の製造)
本発明の実施の形態に係る樹脂組成物を表1〜3に示す材料を用いて製造した。各材料の混練には、ワンダーニーダーを用いた。なお、架橋樹脂組成物(表3)の製造においては、ジブチル錫ジラウレート以外の材料を混練した後、これにジブチル錫ジラウレートを添加してグラフト重合(シラン架橋)を行なった。その樹脂組成物でストランドを作成し、ペレタイザーでカッティングしてペレットを作成した。
Figure 2018062549
Figure 2018062549
Figure 2018062549
また、接着層用の樹脂組成物を表4に示す材料を用いて製造した。各材料の混練には、二軸押出機を用いた。
Figure 2018062549
(実施例1のハンドレールの製造)
図1に示す構造のハンドレールを下記の材料を用いて製造した。
抗張体1:スチールコード18本
芯材層2:上記表1に基づき製造した樹脂組成物
化粧層3:上記表2に基づき製造した樹脂組成物
布地層4:ポリエチレンテレフタレート製の帆布(綾織、導電糸入り)
(実施例2のハンドレールの製造)
図2に示す構造のハンドレールを下記の材料を用いて製造した。
抗張体1:スチールコード18本
芯材層2:上記表1に基づき製造した樹脂組成物
化粧層3:上記表2に基づき製造した樹脂組成物
布地層4:ポリエチレンテレフタレート製の帆布(綾織、導電糸入り)
接着層5A,5B:上記表4に基づき製造した樹脂組成物
(比較例のハンドレールの製造)
芯材層2及び化粧層3の材料として、ゴム(東ソー製、商品名:CSM530)(比較例1)、EVA(三井・デュポンポリケミカル製、商品名:エバフレックスEV170、VA含量:33質量%)(比較例2)を用いたハンドレールを製造した。その他の材料、製法は上記実施例1と同様である。
(成形性の評価)
実施例1及び2のハンドレールは、端部のだれも生じることなく、成形性に優れていた。比較例1も同様の結果であった。一方、比較例2のハンドレール(EVAを使用)は、端部のだれが発生し、成形が困難であった。
(開口力の測定)
図3は、ハンドレールの開口力を測定する方法を説明するための概略図である。
ロードゲージ、スケール、長さ48mmの接触部101を有する開口力測定器100を図3に示すようにハンドレール10の開口部11に挿入し、接触部101をハンドレール10の端末部12に当て、雰囲気温度15℃の条件下で、端末部12間(開口部11)の幅を図3のY方向に7mm広げるのに要した力(開口力)を測定した。なお、開口する速度は約3秒間である。結果を表5に示す。ハンドレール性能として望ましい開口力である120N以上を合格とした。
Figure 2018062549
実施例1のハンドレールは、7mm広げるのに178Nであり、比較例1と同様に120N以上を満たし、合格であった。
(接着力の評価)
接着力の評価は、以下の通りにして行った。結果を表6に示す。
<剥離力試験>
ハンドレールから縦方向に25mm幅の短冊状に切り出した試料を23℃雰囲気で引張試験機で50mm/分の速度で剥離し、芯材層と布地層との間の引き剥がし力を測定した。ハンドレール性能として望ましい引き剥がし力である98N以上を合格とした。
<抗張体引抜き試験>
ハンドレールから縦方向に40mm幅の短冊状に切り出した50mm長さの試料から23℃雰囲気で引張試験機で50mm/分の速度で抗張体を引抜き、抗張体引抜力を測定した。ハンドレール性能として望ましい抗張体引抜力である980N以上を合格とした。
Figure 2018062549
実施例1及び比較例1のハンドレールは、引き剥がし力及び抗張体引抜力ともに合格であり、接着力が強かった。
なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。例えば、第2の実施形態(図2)において、ハンドレール端部を図4に示すように、化粧層3よりも薄い化粧層33及び芯材層2よりも厚い芯材層22を備える構成としてもよい。第1の実施形態(図1)においても同様の変形例を採り得る。また、第2の実施形態(図2)において、図5に示すように、接着層5Aが第2の実施形態の場合よりも幅方向に伸びている接着層55Aを備える構成としてもよい。
1:抗張体、2,22:芯材層、3,33:化粧層
4:布地層、5A,5B,55A:接着層
10,20:ハンドレール、11:開口部、12:端末部
100:開口力測定器、101:接触部

Claims (12)

  1. シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、
    前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記架橋樹脂組成物は、塩化ビニルをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(塩化ビニルグラフトEVA)を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 非架橋のエチレン−酢酸ビニル共重合体(非架橋EVA)を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、前記非架橋EVAを40〜95質量%含有することを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 熱可塑性ポリウレタンエラストマーを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記架橋樹脂組成物を5〜60質量%、前記非架橋EVAを10〜85質量%、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーを10〜30質量%含有することを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が10質量%以上25質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜5質量部添加して前記シラングラフトEVAを得る工程を有し、
    前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下である樹脂組成物の製造方法。
  9. 樹脂組成物からなる芯材層を備え、
    前記樹脂組成物は、シランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を含有する架橋樹脂組成物を含有し、
    前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とするハンドレール。
  10. 長手方向に延びる抗張体と、長手方向に延びる布地層とを備え、
    前記芯材層は、前記抗張体及び前記布地層への接着力が前記樹脂組成物よりも強い樹脂組成物からなる接着層を介して前記抗張体及び前記布地層と一体化されていることを特徴とする請求項9に記載のハンドレール。
  11. 前記接着層を構成する前記樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを70〜93質量%、前記架橋樹脂組成物を2〜10質量%、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーと前記架橋樹脂組成物を混ざりやすくする相溶化剤を5〜20質量%含有することを特徴とする請求項10に記載のハンドレール。
  12. エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対してシランカップリング剤を0.5〜5質量部添加してシランをグラフト重合させたエチレン−酢酸ビニル共重合体(シラングラフトEVA)を得る工程と、
    前記シラングラフトEVAを含有する架橋樹脂組成物を含有する樹脂組成物からなる芯材層を形成する工程とを有し、
    前記シラングラフトEVAは、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分中の酢酸ビニル含量が4質量%以上28質量%以下であることを特徴とするハンドレールの製造方法。
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