JP7029225B2 - ケーブル - Google Patents

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本発明は、ケーブルに関する。
キャブタイヤケーブルは、例えば複数の電力線芯と他の線芯とを撚り合わせたコアの外周に、内層シースを被覆した後、外層シースを被覆することで形成される。電力線芯は、導体上に絶縁体を設けて形成されるが、電気特性安定のため、導体上および絶縁体上のそれぞれに、内部半導電性層および外部半導電性層が設けられることがある。
電力線芯等を撚り合せたコアを被覆する内・外層シース材料としては、耐摩耗性、耐油性、高硬度等の特性を兼ね備えるために、クロロプレンゴムや塩素化ポリエチレン等のハロゲン含有ゴムが用いられている。内・外層シースは、コアの外周に被覆された後に、架橋されている。
例えば、特許文献1記載の技術では、内・外層シースに、それぞれ、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレンゴムが用いられており、内・外層シースは、溶融塩(温度200℃、2気圧の加圧下)により架橋されている。
キャブタイヤケーブルは、クレーンやエレベータ等の移動機器への電力供給に使用され、繰り返し屈曲や捻回、プーリやリールでのしごき・摩擦等を受ける厳しい環境で使用される。
従って、電力線芯と内層シースとは、強固に密着していることが望ましい。一方、電力線芯と内層シースとの間では、使用時の電気特性や端末施工性を考慮し、高すぎない密着性、つまり剥離性(フリーストリップ性と呼ばれる)が要求される。
密着性が低いと、使用時に繰り返し屈曲や捻回、プーリやリールでのしごき・摩擦等を受けることにより、ケーブル内の各線芯が徐々に動き、各線芯の撚りが戻る動きをする(いわゆる「笑う」)結果、ケーブル全体がヘビのようにうねってしまい、きちんとリールに収まらない等の不具合が発生するようになる。さらにうねりの程度が過酷な場合(著しい場合)、導体が断線に至る恐れも出てくる。
また逆に、密着性が高すぎる場合には、両者が強固に密着(接着)する結果、電力線芯の端末施工時に内層シースを剥離することが難しい、あるいは何とか剥離できても表面の平滑性が得られなくなることで、電気的な問題が発生することがある。
特許文献1記載の技術では、電力線芯の表層が、ニトリルゴムで構成された外部半導電性層であり、外部半導電性層と内層シースとの密着性を、内層シースにクロロスルフォン化ポリエチレンを用いることで得ている。また、内層シースに用いるクロロスルフォン化ポリエチレンにエチレンプロピレンゴムをブレンドすることで、密着性を適度に低下させて、剥離性を良好としている。外部半導電性層のニトリルゴムと、内層シースのエチレンプロピレンゴムとが、内・外層シースの架橋時の高温で相溶することにより、電力線芯と内層シースとの高い密着性が得られる。
キャブタイヤケーブルの内・外層シースの架橋処理には、一般的に、高温の溶融塩や高温の蒸気が用いられている。このような架橋処理を行うための設備は、高コストである。一方、より簡便な設備で架橋処理を行うことができるシラングラフトポリマーをシースに用いたキャブタイヤケーブルの検討も行われている。
シラングラフトポリマーの架橋処理は、水分を供給した低温の穏やかな環境で進行させられるため、非常に経済的である(例えば特許文献2、3参照)。
特開2008-130367号公報 特公昭50-35540号公報 特願2014-078079号公報
しかしながら、シラングラフトポリマーの架橋処理では高温とならないため、シラングラフトポリマーをシースに用いたキャブタイヤケーブルでは、電力線芯と内層シースとの間の十分な密着性が得られない恐れがある。
本発明の一目的は、外層シースの架橋にシラン架橋を用いた場合でも、耐しごき性及び可とう性を有するケーブルを得るための技術を提供することである。
本発明の一観点によれば、
少なくとも1本の電線を含むコアと、
前記コアの外周を被覆し、190℃におけるメルトフローレートが3.0g/10分以上35g/10分以下でありショアA硬度が80以下であるオレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物で構成された内層シースと、
前記内層シースの外周を被覆し、ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物で構成された外層シースと、
を有するケーブル
が提供される。
外層シースの架橋にシラン架橋を用いた場合でも、耐しごき性及び可とう性を有するケーブルを得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態によるキャブタイヤケーブルの構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、可とう性試験の状況を示す概略図である。
図1を参照し、本発明の一実施形態によるキャブタイヤケーブル100について説明する。図1は、キャブタイヤケーブル100の構成の一例を示す概略断面図である。
キャブタイヤケーブル100は、少なくとも1本の電力線芯(電線)10を含むコア20と、コア20の外周を被覆しオレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物で構成された内層シース30と、内層シース30の外周を被覆しハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物で構成された外層シース40と、を有する。
電力線芯10は、少なくとも、導体11と、導体11の外周を被覆する絶縁体13とを有する。導体11としては、例えば銅撚り線が用いられる。絶縁体13は、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)を用いて構成され、導体11の外周上にEPゴムを押出被覆し、架橋することで形成される。
電力線芯10は、電気特性の安定化のために、導体11の外周上および絶縁体13の外周上に、それぞれ、内部半導電性層12および外部半導電性層14を有していてもよい。半導電性層12、14の態様は、キャブタイヤケーブル100の種類、使用電圧等に応じて適宜選択することができる。半導電性層12、14としては、例えば、半導電性布テープや、押出タイプの半導電性ゴム・半導電性樹脂が用いられる。
絶縁体13や半導電性層12、14は、それぞれ、要求特性に応じ適宜、例えば、酸化防止剤、滑剤、操作油、耐オゾン防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤を含有していてもよい。
なお、電力線芯10の態様としては、上述のものに限定されず、必要に応じて各種のものを用いることができる。例えば、中央に芯ゴムを配し、芯ゴムに巻きつける形で導体が撚られた態様のものを用いてもよい。
コア20は、少なくとも1本の電力線芯(電線)10を含む。図1に例示するキャブタイヤケーブル100では、複数本、例えば3本の電力線芯10が撚り合されて、コア20が構成されている。
なお、コア20の態様としては、上述のものに限定されず、必要に応じて各種のものを用いることができる。例えば、電力線芯10の本数は3本以外であってもよい。また例えば、電力線芯10以外の他の線芯(例えば接地線芯や光ファイバユニット)が、電力線芯10とともに撚り合された態様のものを用いてもよい。
内層シース30は、オレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物で構成され、コア20の外周上に、当該ポリマー組成物を押出被覆することで形成される。
内層シース30を構成するポリマー組成物に含有されるオレフィン系ポリマー(以下単に、オレフィン系ポリマーと呼ぶことがある)としては、190℃におけるメルトフローレート(MFR)が3.0g/10分以上35g/10分以下であり、ショアA硬度が80以下であるものが用いられる。ここで、MFRは、ASTM-D1238に準拠する方法で測定され、ショアA硬度は、JIS K6253に規定される方法で測定される。なお、内層シース30を構成するポリマー組成物は、架橋されていなくてよいが、硫黄加硫、過酸化物架橋等により架橋されていてもよい。
オレフィン系ポリマーとしては、低結晶性または非晶性とすることで柔軟性を高めたオレフィン系ポリマーを用いることが好ましく、例えば、エチレンまたはプロピレンと(エチレンおよびプロピレンの少なくとも一方と)αオレフィンとの共重合体や、ポリエチレンや、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等を用いることができる。
オレフィン系ポリマーの190℃におけるMFRを3.0g/10分以上とすることで、内層シース30をコア20の外周上に押出被覆する際に、撚り合わされた電力線芯10の撚り目の小さい隙間に内層シース材料が浸入可能となりアンカーとなることで、コア20と内層シース30との密着性が得られる。さらに、撚り目の小さい隙間に浸入した形態で内層シース30が形成されていることで、電力線芯10の撚りが戻ることが抑制される。なお、電力線芯10の撚り目の隙間に内層シース材料を浸入させアンカーとして密着性を得る構造により、密着性が過度には高くならず、適度な剥離性も得られる。
このような適度な密着性は、コア20の表層の材料に特に依存せずに得ることができる。このため、例えば電力線芯10の表層は、絶縁体13であっても、外部半導電性層14であってもよい。
このようにして、使用中に繰り返し屈曲や捻回を受けても、内層シース30または外層シース40の破れや、電力線芯10の導体11の破断等が発生しない耐久性の高いキャブタイヤケーブル100を得ることができる。コア20と内層シース30との密着性は、後述の実施例で説明するしごき試験で評価することができる。
オレフィン系ポリマーの190℃におけるMFRを35g/10分以下とすることで、内層シース30の押出の際の成形性低下、つまり、ダレや寸法安定性の低下が抑制される。
オレフィン系ポリマーのショアA硬度を80以下とすることで、キャブタイヤケーブル100の内層シース30として、良好な可とう性を得ることができる。また、内層シース30が良好な可とう性を有していることで、屈曲や捻回の際に、内層シース30がコア20の動きに良好に追従して、コア20と内層シース30との密着性が保たれる。
なお、オレフィン系ポリマーのショアA硬度の下限は特に制限されないが、電力線芯の撚りが戻ることを抑制するため、30以上とすることが好ましい。
内層シース30を構成するポリマー組成物は、要求特性に応じ適宜、例えば、酸化防止剤、滑剤、操作油、耐オゾン防止剤、紫外線防止剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、粘着付与剤等の添加剤を含有していてもよい。
外層シース40は、ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物で構成され、内層シース30の外周上に、(架橋前の)当該ポリマー組成物を押出被覆し、架橋することで形成される。
なお、内層シース30と外層シース40との間には、補強層として埋め込み編組を設けてもよい。
外層シース40を構成するポリマー組成物に含有されるハロゲン含有ゴム(以下単に、ハロゲン含有ゴムと呼ぶことがある)としては、例えば塩素含有ゴム、より具体的には例えば、塩素化ポリエチレンやクロロプレンゴムを好ましく用いることができる。外層シース40にハロゲン含有ゴムを用いることで、可とう性、耐油性、コストに優れたキャブタイヤケーブル100を得ることができる。
外層シース40を構成するポリマー組成物の架橋方法としては、シラン架橋を用いることが好ましい。つまり、外層シース40を構成するポリマー組成物は、シラン架橋物であることが好ましく、ハロゲン含有ゴムは、ハロゲン含有ゴムにシラン化合物(いわゆるシランカップリング剤)がグラフト重合されたシラングラフトハロゲン含有ゴムとして含有されていることが好ましい。さらに、シラン架橋処理を低温(例えば、室温から60℃以下)で行えるようにするために、外層シース40を構成するポリマー組成物は、シラノール縮合触媒(架橋触媒)を含有していることが好ましい。
シラン化合物、シラノール縮合触媒としては、公知のものを適宜選択して用いることができる。また、シラン化合物のグラフト重合に用いる過酸化物としても、公知のものを適宜選択して用いることができる。シラン化合物としては、例えば、メタクリルシランやビニルシラン等を用いることができる。過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)等を用いることができる。シラノール縮合触媒としては、例えば、ジラウリン酸ジブチルすず等を用いることができる。
外層シース40を構成するポリマー組成物は、要求特性に応じ適宜、例えば、安定剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、カーボンブラック、難燃剤等の添加剤を含有していてもよい。
以上説明したように、コア20の外周を被覆する内層シース30を、190℃におけるメルトフローレートが3.0g/10分以上35g/10分以下でありショアA硬度が80以下であるオレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物で構成したことにより、コア20と内層シース30との間の適度な密着性を有し、耐しごき・摩擦に優れたキャブタイヤケーブル100を得ることができる。
つまり、内層シース30が適度な密着性をもつことで、端末施工時に電力線芯10から内層シース30を比較的容易に剥離できるとともに、ケーブル使用時に繰り返し屈曲や捻回、プーリやリールでのしごき・摩擦を受けても電力線芯10と内層シース30とが密着してうねり難い、キャブタイヤケーブル100を得ることができる。
ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物で構成された外層シース40の架橋に、シラン架橋を用い、架橋処理で高温とならない場合であっても、コア20と内層シース30との間の適度な密着性を得ることができる。つまり、内層シース30の材料を上述のような構成とする技術は、外層シース40の架橋にシラン架橋を用いる場合に、特に有用である。
次に、キャブタイヤケーブル100の製造方法について例示的に説明する。
まず、例えば3本の電力線芯10を撚り合せて、コア20を形成する。次に、コア20の外周上に内層シース30の材料を押出被覆して内層シース30を形成し、さらに、内層シース30の外周上に、外層シース40の材料を押出被覆する。
外層シース40の材料が押出被覆されたキャブタイヤケーブル100を、恒温恒湿槽中に保持することで水分に接触させて、シラン架橋を行う。このようにして、キャブタイヤケーブル100が作製される。
以下、外層シース40に用いる材料の調整について説明する。なお、以下に説明する条件は例示であり、限定的なものではない。
(1)シラングラフト塩素化ポリエチレンの調整
(グラフト処理の前処理)
8インチロール機を用いて粉末状の塩素化ポリエチレンを練り、これに安定剤、滑剤、過酸化物を添加する。安定剤とは、塩素化ポリエチレン分子から脱離した塩化水素を捕捉する働きを有する化合物である。混練条件としては、過酸化物が熱分解せずに、塩素化ポリエチレン中に添加剤が十分に分散することを考慮して設定すれば良く、例えば、ロール表面温度100℃、全ての添加剤が塩素化ポリエチレン中に繰り込まれてから5分間の混練とする。添加剤を混練した後のシートを約5mm角の形状にペレタイズする。
(グラフト処理)
スクリュ径40mmの単軸押出機(L/D=25)を使用し、スクリュはフルフライト形状、圧縮比2.0、ダイスはストランド押出用(穴径φ5mm、穴数3)のものを使用して、ストランドの形状に押出を行う。設定温度はホッパ側から順に、シリンダ1:80℃-シリンダ2:200℃-ヘッド:200℃とし、スクリュ回転数は20rpm(押出量約120g/分)とする。
前処理した塩素化ポリエチレンのペレットに対して1質量部のタルクを粘着防止を目的としてまぶした後に、シランカップリング剤をポリ袋内で十分に含浸させる。これを押出機ホッパから供給することで押出す。押出されたシラングラフト塩素化ポリエチレンのストランドは、長さ150cmの水槽を通すことで水冷した後に、ペレタイズする。
(その他の添加剤の配合)
シラングラフト塩素化ポリエチレンに対して、8インチロール機を用いて可塑剤、酸化防止剤、カーボンブラック、難燃剤、滑剤を添加し、混練する。例えば、ロール表面温度100℃、全ての添加剤を投入した後に5分間混練を行う混練条件とする。混練後のシートを約5mm角の形状にペレタイズした後に、ペレット同士の粘着を防止するためにタルクを1質量部まぶす。
(2)シラングラフトクロロプレンゴムの調整
クロロプレンゴムヘのシラングラフト処理は、塩素化ポリエチレンの場合とは異なり、ケーブル製造時の押出機内にて行う。クロロプレンゴムにシランカップリング剤以外の添加剤を混練したペレットを作製し、これにシランカップリング剤を含浸させたものを、ケーブル押出被覆に供する。
(添加剤の配合)
8インチロール機を用いてクロロプレンゴムにシランカップリング剤以外の添加剤を混練する。例えば、ロール表面温度80℃、全ての添加剤を投入した後に5分間混練を行う混練条件とする。混練後のシートを約5mm角の形状にペレタイズした後に、ペレット同士の粘着を防止するためにタルクを1質量部まぶす。これにシランカップリング剤をポリ袋内で十分に含浸させる。
(3)シラノール縮合触媒を含有する触媒マスターバッチの調整
8インチロール機を用いて、シラングラフト押出前の安定剤と滑剤を添加した塩素化ポリエチレン(グラフト前処理での過酸化物を抜いたもの)と、シラノール縮合触媒とを混練する。例えば、ロール表面温度100℃、触媒を投入してから3分間混練を行う混練条件とする。
(ケーブルの作製)
次に、実施例および比較例について説明する。実施例および比較例の各サンプルに用いた材料について、表1にまとめる。
Figure 0007029225000001
3本の電力線芯を撚り合せたコアを準備した。電力線芯として、断面積8mmの銅撚り線の導体と、厚さ1mmのEPゴムで形成された絶縁体とを有し、外径が3.7mmのものを用いた。
コアの外周上に、オレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物を、最薄部の厚さが1.5mmとなるように押出被覆して、内層シースを形成した。オレフィン系ポリマーとして、表1に示す各MFR、ショアA硬度を有する三井化学(株)製タフマー(登録商標)を用いた。なお、内層シースは、オレフィン系ポリマーのみで形成してもよいが、必要に応じ要求特性の範囲で、上述のような添加剤を含んでもよい。
内層シースの押出被覆後、内層シースの外周上に、(架橋前の)ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物を、厚さ0.5mmとなるように押出被覆し、架橋することで外層シースを形成した。ハロゲン含有ゴムとして、表1に示すように、シラングラフト塩素化ポリエチレンまたはシラングラフトクロロプレンゴムを用いた。
内層シース押出および外層シース押出には、それぞれ、スクリュ径75mmの単軸押出機と、スクリュ径40mmの単軸押出機とを使用した。スクリュはフルフライト形状、圧縮比2.0のものを使用した。
外層シース材料の押出被覆後のケーブルを、60℃、相対湿度95%とした恒温恒湿槽中に24時間保管することで、架橋処理を行った。
(ケーブルの評価)
作製したケーブルに対し、以下のような試験を行って、ケーブルを評価した。各サンプルの評価について、表1にまとめる。
(しごき試験)
作製したケーブルに対し、専用試験機を用いてしごき試験を実施した。ケーブルをリールに巻き付け、リールに沿ってのケーブルの巻取り、送出しを6回/分の速さで繰り返す試験を10万回行った。
しごき試験後、ケーブルの外観および内部を観察することで、しごき性の評価を行った。ケーブルにほとんどうねりがなく、電力線芯にほぐれや被覆の破れなどないものを合格(○)とし、そうでないものを不合格(×)とした。
(可とう性試験)
図2に示すように、可とう性試験を実施した。長さ30cmのケーブル100を治具201に水平に取り付け、ケーブル100の先端に5kgのおもり202を吊るした。おもり202による荷重で治具201に最近接するまで曲げられたケーブル100の先端の、治具201までの距離Wを測定し、距離Wが10cm以下であるものを合格(○)とし、そうでないものを不合格(×)とした。
実施例1~実施例5は、内層シース材料に用いたオレフィン系ポリマーの190℃におけるMFRが3.0g/10分以上35g/10分以下であるとともに、ショアA硬度が80以下であることで、耐しごき試験に合格するとともに、可とう性試験に合格している。
比較例1は、内層シース材料に用いたオレフィン系ポリマーの190℃におけるMFRが3.0g/10分未満であることで、耐しごき試験に合格していない。
比較例2は、内層シース材料に用いたオレフィン系ポリマーの190℃におけるMFRが3.0g/10分以上35g/10分以下であるが、ショアA硬度が80超であることで、可とう性試験に合格していない。
以上、実施形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
以下、本発明の好ましい形態について付記する。
(付記1)
少なくとも1本の電線を含むコアと、
前記コアの外周を被覆し、190℃におけるメルトフローレートが3.0g/10分以上35g/10分以下でありショアA硬度が80以下であるオレフィン系ポリマーを含有するポリマー組成物で構成された内層シースと、
前記内層シースの外周を被覆し、ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物で構成された外層シースと、
を有するケーブル。
(付記2)
前記ハロゲン含有ゴムは、シラングラフトハロゲン含有ゴムである付記1に記載のケーブル。
(付記3)
前記ハロゲン含有ゴムを含有するポリマー組成物は、シラノール縮合触媒を含有する付記1または2に記載のケーブル。
(付記4)
前記オレフィン系エラストマーとして、低結晶性または非晶性オレフィン系ポリマーを用いる付記1~3のいずれか1つに記載のケーブル。
(付記5)
前記ハロゲン含有ゴムは、塩素化ポリエチレンまたはクロロプレンゴムである付記1~4のいずれか1つに記載のケーブル。
(付記6)
前記電線の表層は、絶縁体または外部半導電性層である付記1~5のいずれか1つに記載のケーブル。
(付記7)
前記コアは、撚り合わせられた複数本の電線を含む付記1~6のいずれか1つに記載のケーブル。
10 電力線芯(電線)
11 導体
12 内部半導電性層
13 絶縁体
14 外部半導電性層
20 コア
30 内層シース
40 外層シース
100 ケーブル(キャブタイヤケーブル)

Claims (2)

  1. 少なくとも1本の電線を含むコアと、
    前記コアの外周を被覆し、190℃におけるメルトフローレートが3.0g/10分以上35g/10分以下でありショアA硬度が80以下であるオレフィン系ポリマーからなるポリマー組成物で構成された内層シースと、
    前記内層シースの外周を被覆し、シラングラフト塩素化ポリエチレンを含有するポリマー組成物で構成された外層シースと、
    を有するケーブル。
  2. 前記電線の表層は、絶縁体または外部半導電性層である請求項1に記載のケーブル。
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