JP5244073B2 - 押出成形用樹脂組成物及び架橋ポリエチレン管の製造方法 - Google Patents
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Description
フトポリエチレンを含有する混合物を所定形状に押出成形して製品を得る場合、押出成形
金型出口に揮発シランが付着し、これが製品に流出して外観や性能を低下させたり、金型
内面に付着物(以下、「目ヤニ」と記す)が発生し、これが製品スジとなって外観や性能を低下させるという問題点があった。
揮発シランと記す)の単独縮合物により形成されている。揮発シランは金属表面に付着し
易いという性質を有しているので、揮発シランが金型金属面に付着して水分と反応して縮
合し、付着物として作用するものである。
化合物を用いる方法が知られている。例えば、シラン架橋ポリエチレンにフッ化ビニリデ
ン系ゴムを配合する方法(例えば、特許文献1参照)、又はシラン架橋ポリエチレンにフ
ッ素系エラストマーを配合する方法(例えば、特許文献2参照)、又はシラン架橋ポリエ
チレンにシリコーンを配合する方法(例えば、特許文献3参照)、溶融したシラン架橋ポ
リエチレンの押出機界面又は成形金型の界面にフッ素系エラストマーを介在させて押出す
方法(例えば、特許文献4参照)等多くの方法が知られている。
との界面の滑りを良くすることで揮発シランの金属面への付着性を低下させ、もって目ヤ
ニの発生を抑止しようとするものである。
に起因するものがある。即ち、架橋ポリエチレン管は、通常、長期間の使用耐久性を高めるために、シラングラフトポリエチレン樹脂に各種酸化防止剤や滑剤を配合した組成物が用いられ、この組成物を押出成形して製造されている。
の、押出トルクを下げるために滑剤が配合される場合もある。しかしながら、酸化防止剤や滑剤は、一般的にポリエチレン樹脂とは相溶性が低く、配合量を増加すると、樹脂を成形加工する際に、酸化防止剤や滑剤などポリエチレン樹脂と相溶性が低い配合剤が成形品表面にブリードアウトし、いわゆる金型目ヤニとなって成形不良を引き起こす場合がある。
用時に、管表面にブリードアウトした酸化防止剤等が温水中に溶出してしまい、架橋ポリ
エチレン管が急激な酸化劣化を引き起こしてしまうことがあった。
上記シラン化合物とは、オレフィン系不飽和結合、又は加水分解可能な有機基を持つシラン化合物のことをいう。このような特徴を備え、本発明に用いるに好ましいシラン化合
物としては、例えば、ビニルトリスアルコキシランがあり、中でも、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランが好まし
い。また、ビニルメチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン等を使用しても良
い。
上記グラフト反応は、シラン化合物のオレフィン系不飽和結合部と、ポリエチレン系樹脂に発生させた遊離ラジカル部とを反応させることにより行われる。
えば、有機パーオキサイド、有機パーエステル等があり、例えば、ジクミルパーオキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イリプロピル)ベンゼン、シクロヘキサンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)ベレレート、ジーt−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー卜、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー卜、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーアセテート、2,
2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、
t−ブチルパーオキシマレイン酸、ジアゾアミノベンゼン、N,N′−ジクロロアゾジカ
ルボンアミド、トリクロロペンタジエン、トリクロロメタンスルフォクロリド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げ
られる。
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ペンゾ
イルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシペンゾエート、メチルエチルケトンパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましく、ジクミルパーオ
キサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンメチル
エチルケトンパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)
ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンが、価
格と性能のバランスが良く、製造しやすいのでより好ましい。
る押出機は、特に限定されないが、たとえば、単軸押出機、2軸押出機、多軸押出機等が
挙げられる。
酸化防止剤としては、押出成形時の熱劣化を防止し、かつ得られた製品が日光による光劣化を防止するものであれば、特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
なお、エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量が1重量部未満であると、その効果が殆どなく、5重量%を超えると、製造される架橋ポリエチレン管の物性を低下させるおそれがある。
本発明の製造方法において、シラングラフトポリエチレンは、押出成形中に一部が架橋する場合もある。
なお、上記押出機と金型との間には、本発明の樹脂組成物の流量の均一性を確保するためにギアポンプなどの昇圧押込装置を設置するようにしても構わない。また、管状体を成形するプロセスライン中に、管状体の肉厚を計測し、これをギアポンプや引取機へフィードバックすることも可能である。
また、本発明の製造方法において、本発明の樹脂組成物は、あらかじめ全成分がマスターバッチ化されたものを用いても構わないし、複数のマスターバッチを混合機で混合して
この混合物を押出機中で混練して得るようにしても構わない。また、マレイン酸変性ポリエチレンを加えるタイミングも特に限定されない。
また、本発明の架橋ポリエチレン管の製造方法は、上記本発明の樹脂組成物を用いたので、生産性に優れたものとなる。
シラングラフトポリエチレン(三菱化学社製商品名リンクロンXHF830N)100重量部に対して、マレイン酸変性ポリエチレン(三井化学社製商品名アドマーNF530E、MFR=4.0g/10min、密度=920kg/m3、降伏点応力=10MPa、破断点強度=21MPa、破断点伸び=500%以上、IZ衝撃強度=非破壊、シャアーD硬度=47、ビカット軟化点120℃)を0.5重量部、酸化防止剤(チバスペシャルティケミカルズ社製商品名イルガノックス1010)を0.5重量部、滑剤(住友スリーM社製商品名ダイナマーFX9613、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体90重量%、タルク6重量%、炭酸カルシウム2重量%および酸化ケイ素2重量%を含む)を0.1重量部、エチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー社製商品名ウルトラセン7A55A)を2重量部の配合割合でそれぞれ配合した樹脂組成物を通常の押出成形機を用いて押出成形し、外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの管状体を得た。
そして、得られた管状体を110℃の水蒸気雰囲気に6時間曝し、シラングラフトポリエチレンを水架橋させて架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合割合を1重量部とした以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合割合を1.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合割合を2重量部とした以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合しなかった以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合割合を0.2重量部とした以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
マレイン酸変性ポリエチレンの配合割合を2.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして外径φ7.2mm、内径φ5.0mmの架橋ポリエチレン管を得た。
なお、成形状態の評価は、問題なく成形できる場合を○、成形はできるが、表面にスジが発生するなど表面状態が不安定である場合を△、成形できない場合を×とした。
すなわち、マレイン酸変性ポリエチレンの配合量を、シラングラフトポリエチレン100重量部に対し、0.5重量部以上2.0重量部以下とすることによって、目ヤニの発生を長時間抑制することができるとともに、安定した成形状態を保つことができることがよくわかる。
Claims (4)
- シラングラフトポリエチレンと、酸化防止剤と、滑材とを含む架橋ポリエチレン管成形用樹脂組成物であって、前記樹脂組成物がシラングラフトポリエチレン100重量部に対してマレイン酸変性ポリエチレンを0.5〜2.0重量部含むことを特徴とする押出成形用樹脂組成物。
- マレイン酸変性ポリエチレンの、メルトフローレートが1.5〜5.0g/10分、密度が910〜930kg/m3である請求項1に記載の押出成形用樹脂組成物。
- さらに、シラングラフトポリエチレン100重量部に対してエチレン酢酸ビニル共重合体1.0〜5.0重量部含む請求項1または請求項2に記載の押出成形用樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の押出成形用樹脂組成物を管状に押出成形する工程と、
少なくとも得られた管状体のシラングラフトポリエチレンを架橋させる工程とを備えていることを特徴とする架橋ポリエチレン管の製造方法。
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