JP3436985B2 - 摺動部材用組成物 - Google Patents

摺動部材用組成物

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報・映像機器等の精
密電子部品分野の主に歯車に使用される摺動部材向け
で、特に高負荷の面圧が加わる摺動部材の用途に優れた
摺動特性、機械的強度、成形加工性を有する組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】情報、映像機器等の各種精密電子部品は
軽量化及び仕様の多様化が急速に進んでおり、例えば複
写機、プリンター、ビデオ関連機器の駆動系まわりの摺
動部材(主に歯車)用の樹脂としては、高負荷状態での
耐摩耗性、強靭な歯面強度、薄肉成形性、成形安定性等
がとくに要求される。これらの要求を満足する熱可塑性
複合材料は、スーパーエンジニアリングプラスチック系
の複合材料で一部、実用化されているものの、高価であ
るため一般的にはアルミニウム合金が用いられているの
が現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金はプラスチックに比較して重く、且つ各種の
二次加工を必要とするため、生産性に劣り、部品の製造
原価が高くなるなどの欠点をもっている。このため市場
では、軽く且つ生産性に優れ、安価な材料で市場の要求
を満足しうるものを求めている。そこで、アルミニウム
合金に代わるものとして、汎用エンジニアリングプラス
チック系複合材料が各種検討されている。例えば、ポリ
アミド樹脂に、二硫化モリブデン、グラファイトなどの
鉱物系減摩剤、あるいは、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂、ポリエチレン樹脂等を添加したものなどが試みら
れている(特開昭61−211363号、特開昭62−
241946号公報等)。しかしながら、鉱物系減摩剤
の添加は硬すぎて生地プラスチック中に埋没してしまう
ために効果を示さず、また、ポリテトラフルオロエチレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂等を添加した場合には、摩擦
係数の低減には効果が認められるものの、歯面の面圧が
大きい時は、摩耗量が増大し、歯車としての実用限界を
はるかに越えてしまう。そこで、耐摩耗性や機械的強度
を高めるために、長繊維フィラーを添加する工夫が鋭意
行われているものの(特開平3−146555号公
報)、マトリックス樹脂の耐摩耗性が充分でないこと
と、マトリックス樹脂とフィラーの界面強度が十分でな
いために、ビデオ関連機器の高強度歯車向け等には、実
用化されていないのが現状である。本発明は、上記の問
題点を解決し、特に高強度摺動部材に適する組成物を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明者ら
は、曲げ強度、衝撃強度が大きく、高負荷状態での摩耗
量が小さく薄肉成形が可能で、部品の成形性が安定なる
ものを提供するための複合材料を種々検討する過程で、
ポリアミド樹脂に摺動性を付与する第2のポリマーとし
て、シラン変性ポリエチレンの添加を検討したところ、
マトリックスのポリアミド樹脂中でシラン変性ポリエチ
レンの分散径が極力小さくなるものでないと、歯車をイ
ンライン射出成形機にて成形する際、金型内に第2ポリ
マーが付着する現象(金型デポジット)を認めた。又シ
ラン変性ポリエチレンがポリアミド樹脂と過度に相互作
用した場合、流動性が低下し、薄肉歯車においてはショ
ートショット(金型の細部に樹脂が行き渡らない現象)
が認められた。そこで本発明者らは、ポリアミド樹脂と
本来相溶しないシラン変性ポリエチレンを、カルボン酸
変性ポリオレフィンをバインダーとして、これらの樹脂
と比較的融点が近い低融点ポリアミドで改質を行って改
良されたシラン変性ポリエチレンを作り、次にマトリッ
クスの高融点ポリアミドの改質を試みたところ、この改
良されたシラン変性ポリエチレンは、マトリックスの高
融点ポリアミド中で、良好なミクロ分散を示すことを見
いだし、本発明を完成させた。
【0005】すなわち本発明は、次の組成割合からなる
成分を溶融混合してなる摺動部材用組成物を提供するも
のである。 (a) ポリアミド樹脂 20〜88重量部 (b) 次の成分からなるシラン変性ポリエチレン (以下、これを変性ポリエチレンアロイという) 2〜25重量部 (i)エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト 重合させたシラン変性ポリエチレン (35〜89重合部) (ii) 融点230℃以下のポリアミド樹脂 (10〜50重量部) (iii)α,β不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン (1〜15重量部) (c) 無機フィラー 10〜55重量部。
【0006】上記のような組成にした結果、耐衝撃性の
向上及び流動性の向上が認められ、耐摩耗性の発現が認
められた。機械的強度の向上には、各種の長繊維フィラ
ーを用いて物性バランスを得ることができる。とりわけ
安価なガラス繊維系では、変性ポリエチレンアロイの小
さな分散ドメインが、ガラス繊維に付着するため、マト
リックスポリマーであるポリアミド樹脂との相溶性が高
まり、界面強度が向上し機械的強度の低下が小さくな
る。又、金属との摩擦摩耗特性は金属面と、ガラス繊維
表面に被覆された樹脂との摩擦となるため、摩擦熱によ
る温度上昇が、抑制されると共に、せん断力が直接にガ
ラス繊維に加わることが少ないためガラス繊維の剥離現
象が抑制されることになり、この2つの理由により、耐
摩耗性の向上が認められる。
【0007】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (a)成分 本発明で用いられる成分(a)のポリアミド樹脂は、ポ
リマー主鎖に−CO−NH−結合を有し、加熱溶融でき
るものである。その代表的なものとしては、ナイロン−
4(260℃:融点。以下同様)、ナイロン−6(22
0℃)、ナイロン−6.6(262℃)、ナイロン4.6
(290℃)、ナイロン−12(178℃)、ナイロン
−6.10(213℃)、ナイロン−MXD.6(246
℃。メタキシレンジアミンとアジピン酸よりなるポリア
ミド)等を挙げることができ、その他公知の芳香族ジア
ミン、芳香族ジカルボン酸等のモノマー成分を含む低結
晶性若しくは非晶性のポリアミド又は透明ナイロン等も
用いることができる。これらは通常、25℃の98%濃
硫酸中で測定した相対粘度が2.0〜8.0、好ましくは
2.0〜5.0である。(a)成分に用いるポリアミド樹
脂は、最終的な成形品に要求される耐熱性により選択す
れば良い。ただし、通常耐熱性は高い方が望ましいの
で、融点の高いナイロン−6.6、ナイロン−4.6等が
好ましい。
【0008】(b)成分中に使用されるシラン変性ポリ
エチレンは、ポリエチレンにラジカル発生剤の存在下で
エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合させて得
ることができる。ベースとなるポリエチレンは、密度
0.930〜0.965g/cm3の高密度ポリエチレン
が好ましく、かつMFRが0.1〜20g/10分、特
に0.1〜10g/10分のものが好ましい。
【0009】用いられるエチレン性不飽和シラン化合物
は、一般式 RSiR'n3-n(ここで、Rはエチレン性
不飽和炭化水素またはオキシ炭化水素、R’は脂肪族飽
和炭化水素基、フェニル基を示す。Yは加水分解可能な
有機基であり、nは0、1または2である)で表される
シラン化合物である。具体的にはRがビニル、アクリ
ル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニル、γ
−メタアクリロイルオキシプロピル等であり、R’はメ
チル、エチル、デシル、フェニル、Yはメトキシ、エト
キシ、ホルミルオキシ、アセトキシプロピオニルオキ
シ、アルキルまたはアリールアミノ等であり、好ましく
はRがビニルまたはγ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルであるトリアルコキシシランが用いられる。
【0010】ラジカル発生剤としては、グラフト反応条
件下で前記ポリオレフィンに遊離ラジカル部位を発生さ
せることができ、グラフト反応温度で充分短い半減期を
有する任意の化合物を使用することができる。これらの
ラジカル発生剤は、例えば特公昭48−1711号公報
に記載されているが、代表的なラジカル発生剤として
は、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシオク
テート、ベンゾイルペルオキシド等の有機過酸化物、ア
ゾイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等の
アゾ化合物が挙げられる。
【0011】ポリエチレンへのエチレン性不飽和シラン
化合物のグラフト反応は、前記ポリエチレン100重量
部に対し前記シラン化合物を0.01〜15重量部、好
ましくは0.5〜10重量部程度、および前記ラジカル
発生剤を0.01〜5重量部、好ましくは0.01〜2重
量部程度加え、用いたラジカル発生剤の分解が生じる温
度、一般には150〜200℃程度の温度で混練する事
により行うことができる。混練手法は、一軸あるいは多
軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベン
ダー・プラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用
いることができる。このようなシラン変性ポリオリフィ
ン樹脂は、一般にアルコキシシラン変性ポリエチレンと
称し、例えば、リンクロン〔三菱油化(株)商品名〕と
して市販されている。
【0012】(b)成分中に使用される融点230℃以
下のポリアミド樹脂としては、ナイロン−6(220
℃:融点。以下同様)、ナイロン−11(186℃)、
ナイロン−12(178℃)、ナイロン−6.10(2
13℃)、ナイロン−6.12(210℃)等が挙げら
れる。(b)成分に使用するポリアミド樹脂は、シラン
変性ポリエチレン、α,β不飽和カルボン酸変性ポリオ
レフィン等、低融点の樹脂と混練するため、230℃以
下の低融点、特に好ましくは160〜220℃の融点を
有するポリアミドか好ましい。
【0013】(b)成分中に使用されるα,β不飽和カ
ルボン酸変性ポリオレフィンは、ポリオレフィンにα,
β不飽和カルボン酸又はその誘導体をラジカル発生剤の
存在のもとにグラフト化したグラフト共重合体、エチレ
ンとα,β不飽和カルボン酸との二元共重合体、あるい
はエチレン、α,β不飽和カルボン酸及び第3成分モノ
マーを加えた三元共重合体等である。上記のα,β不飽
和カルボン酸グラフト共重合体に使用するポリオレフィ
ンには、エチレン、プロピレン及びブテン等のオレフィ
ン単独重合体並びにエチレン−プロピレンゴム又はエチ
レン−ブテンゴムのような共重合体エラストマーも含ま
れる。中でも無水マレイン酸による変性ポリオレフィン
が好ましく、無水マレイン酸変性ポリエチレンがさらに
好ましく、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンが最
も好ましい。また、高密度ポリエチレンでも、190℃
におけるMFRが0.1〜100g/10分、特に0.1
〜50g/10分のものが好ましい。加えて、マレイン
酸含有量が0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%
のものが好ましい。
【0014】(c)成分の無機フィラーは、機械的強
度、耐熱性を向上する目的では、長繊維状のガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カリウム、アルミニウム繊維、
黄銅繊維、アラミド繊維等を適宜使用することができ、
また、その他、必要に応じて、炭酸カルシウム、マイ
カ、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化バリウム、酸化亜鉛、ゼオライト、ウォラス
トナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、
モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラスビーズ、黒
鉛、二硫化モリブデン、酸化チタン、アルミニウム粉
末、木粉、モミ殻等も適宜使用することができる。
【0015】(付加成分)物性バランスや成形品表面特
性(耐表面受傷性、光沢、ウエルド外観、シルバースト
リーク、フローマーク等)、成形加工性、耐久性等の向
上に有効であるものは次のとおりである。例えば、ポリ
プロピレン、ポリエチレン(高密度、中密度、低密度、
直鎖状低密度)プロピレン・エチレン−ブロック又はラ
ンダム共重合体、ゴム又はラテックス成分、例えばエチ
レン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレ
ン・ブタジエン・スチレン−ブロック共重合体又はその
水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン
等、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂又は、ポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルサル
フォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサ
ルファイト、ポリエーテル・エーテルケトン、AS樹
脂、ABS樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルサルフォン等のほか酸化防止剤(フェ
ノール系、イオウ系等)、滑剤、有機系又は無機系の各
種顔料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、中和剤、
発泡剤、可塑剤、銅害防止剤、難燃剤、架橋剤、流れ改
良剤等である。
【0016】(配合量)本発明において上記の各必須成
分の配合量は次のとおりである。 (a)ポリアミド樹脂: 20〜88重量部、 好ましくは35〜76重量部、 (b)変性ポリエチレンアロイ: 2〜25重量部、 好ましくは4〜15重量部、 (b)の構成成分である (i) シラン変性ポリエチレン: 35〜89重量部 好ましくは50〜89重量部 (ii) 融点230℃以下のポリアミド樹脂: 10〜50重量部 好ましくは10〜40重量部 (iii) α,β不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン:1〜15重量部 好ましくは、1〜10重量部 (c)無機フィラー: 10〜55重量部 好ましくは20〜50重量部
【0017】(本発明の組成物の製造方法)本発明の組
成物は、一軸押出機、二軸押出機バンバリーミキサー、
ロール、ブラベンダー・プラストグラフ、ニーダー等の
通常の混練機を用いて製造することができる。
【0018】
【作用】ポリアミド樹脂にポリエチレン又はシラン変性
ポリエチレンを配合し、溶融混練したものは、2つのポ
リマーが相分離構造を形成するため、射出成形時に金型
付着物が発生する。また、ポリアミド樹脂にポリエチレ
ン又はシラン変性ポリエチレンと低融点ポリアミドを配
合し、溶融混練したものも同様の結果となる。ポリアミ
ド樹脂にポリエチレン又はシラン変性ポリエチレンと低
融点ポリアミド又は高融点ポリアミドと不飽和カルボン
酸変性ポリオレフィンを単に配合し、溶融混練したもの
は、ポリマー間の融点が大きく異なる事と、ポリマー間
の相互作用が同時に生じるため、分散ドメインとなるシ
ラン変性ポリエチレン、不飽和カルボン酸変性ポリオレ
フィンの分散状態が不均一となる。このために機械的強
度、摺動性、成形性が安定せず歯車の品質にバラツキを
生じる。一方、あらかじめ変性ポリエチレンアロイの混
合物を調製し配合する場合、使用するポリアミドが融点
230℃以上のものであると、(例えばポリアミド66
の融点は約260℃)他成分の融点が約120℃である
ため、ポリアミドの変性が十分に行われず、後混練時に
於いて変性ポリエチレンアロイの分散状態が不均一とな
る。このために機械的強度、摺動性、成形性が安定せず
歯車の品質にバラツキを生じる。しかしながら、本発明
の組成物のようにシラン変性ポリエチレンと融点230
℃以下のポリアミドに、不飽和カルボン酸変性ポリオレ
フィンを混合し、溶融混練した変性ポリエチレンアロイ
に、ベースポリマーとしてポリアミド樹脂を配合し溶融
混練したものは、変性ポリエチレンアロイがマトリック
ス中でミクロ分散構造を形成するため、射出成形時の、
金型付着物は認められず、機械的強度、摺動性、成形性
が安定し歯車の品質にバラツキが少ない。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 (実施例に使用した各成分) ポリアミド樹脂:ナイロン66樹脂(東レ(株)製:ア
ミランCM3001N、融点262℃) シラン変性ポリエチレン:三菱油化(株)製:リンクロ
ンHF700N 融点230℃以下のポリアミド樹脂:ナイロン11樹脂
(東レ(株)製:リルサンP40TL、融点186℃) α,β不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン:高密度ポ
リエチレン(密度0.968g/cm3)を無水マレイン
酸でグラフト処理し、マレイン酸含量0.8重量部、M
FR1.0g/10分の無水マレイン酸変性高密度ポリ
エチレン(以下、MMHDと略す)を得た。 無機フィラー: ガラス繊維:旭ファイバーガラス製:TMF200 炭素繊維:新旭化成カーボンファイバー製:A6003 硫化亜鉛:SACHTLEBEN CHEMIE GMBH製サクトリスHDS
【0020】実施例1〜7 リンクロンHF700N 75重量部、リルサンP40TL 20重
量部、MMHD5重量部を配合し、二軸押出機で混練し
て、変性ポリエチレンアロイ(A)とし、この変性ポリ
エチレンアロイとナイロン66と無機フィラー他を、表
3に示す割合で配合し、二軸押出機で混練してペレット
化した後、スクリューインライン式射出成形機を用いて
試験片を作成し、各種の物性を評価した。また歯車の成
形は、歯幅:1.1mm、歯数:65、モジュール:0.4
の仕様品で、スクリューインライン式射出成形機にて2
0時間成形後の金型内付着物を目視にて評価した。評価
結果は表3に示す。
【0021】比較例1〜8 表3に示す組成を混合し、二軸押出機で混練してペレッ
ト化し、実施例と同様に評価した。評価結果は表3に示
す。なお、比較例3および4においては、シラン変性ポ
リエチレン75重量部、融点230℃以上のポリアミド
樹脂(ナイロン−6.6)20重量部、MMHD5重量
部を配合し、二軸押出機で混練し、変性ポリエチレンア
ロイ(B)として用いた。なお、評価の試験方法は次の
とおりであり、精密電子部品の摺動部材に要求される実
用性能としては、次の試験法において、摩耗量は8mg以
下、アイゾット衝撃強度は7kg.cm/cm以上が望ましい。
【0022】試験条件 (1) 摩耗量、摩擦係数 試験装置:東京試験機製作所、伊藤式計装摩耗試験機IA
T-40/1500−01 試験片:射出成形品で、厚み2mm、長さ30mm、幅30mm 相手材質:SUS45C、φ20、幅2.8mm、リング
状、試験有効径d=22.8mm、試験片との接触面積0.
12cm2 試験手法:試験片を固定しておき、SUS45Cのリン
グが試験片上で一方向に回転する。 測定条件:荷重20kg、速度0.60m/s、面圧167kg
/cm2(PV値=100)、試験時間3時間。 摩耗量の計算:試験前の重量−試験後の重量=摩耗量
(mg) 摩擦係数の計算:測定チャートよりトルクT(kg・mm)
を求め、荷重及び試験有効径dから次式で計算した。 摩擦係数μ=(1/荷重)×T×(d/2)
【0023】(2) アイゾット衝撃強度:ASTM D
256に準拠した。 (3) 疲労強度: 試験機 東洋精機製作所 試験片 JIS 1号による射出成形品 曲げ速度 1800rpm 曲げ方法 両持ち両振り 測定温度 80℃ (4) 歯車耐久性: 試験方法 駆動歯車と従動歯車を一定回転数で噛み合わせ、歯車が
破損するまでの時間(噛み合い回数)を測定する。 試験機 三菱油化製過負荷折損試験機 試験用の歯車の仕様は次の表1のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】(5) 歯車成形性 次の表2に示す形状の歯車を成形し、その際の成形性を
評価した。
【0026】
【表2】 表 2 歯数 :65 モジュール:0.4 圧力角 :20 歯幅 :1.1mm 製品重量 :1.5g 成形性の評価結果は表3に示す。表3において、○は、
金型デポジット及びショートショットがなく、成形性が
良好なことを示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明は、シラン変性ポリエチレンと融
点230℃以下のポリアミドに、不飽和カルボン酸変性
ポリオレフィンを混合し、溶融混練した変性ポリエチレ
ンアロイをベースポリマーとして、ポリアミド樹脂に配
合し溶融混練したものは、変性ポリエチレンアロイがマ
トリックス中でミクロ分散構造を形成するため、射出成
形時の金型付着物は認められず、機械的強度、摺動性、
成形性が安定し、歯車等の品質にバラツキが少ない。ま
た、摩擦熱による温度上昇が抑制されるとともに、ガラ
ス繊維等のフィラーの剥離も防止され、耐摩耗性が向上
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 晶一 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 油化電子株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−268755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の組成割合からなる成分を溶融混合し
    てなる摺動部材用組成物: (a) ポリアミド樹脂 20〜88重量部 (b) 次の成分からなる変性ポリエチレンアロイ 2〜25重量部 (i)エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト 重合させたシラン変性ポリエチレン (35〜89重量部) (ii) 融点230℃以下のポリアミド樹脂 (10〜50重量部) (iii)α,β不飽和カルボン酸変性ポリオレフィン (1〜15重量部) (c) 無機フィラー 10〜55重量部。
  2. 【請求項2】 硫化亜鉛をさらに0.5〜4重量部添加
    してなる請求項1に記載の摺動部材用組成物。
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