JP4752614B2 - 繊維被覆用塗布液およびそれを用いたゴム補強用繊維 - Google Patents

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本発明は、エチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体からなるゴム組成物(以下、EPDMゴムと略する)の補強に用いる繊維コードに塗布被覆するための繊維被覆用塗布液およびそれを用いたゴム補強用繊維に関し、特に、EPDMゴムに補強のためにガラス繊維コードを埋設させる際にガラス繊維コードとEPDMゴムを接着するために繊維コードに塗布被覆するための繊維被覆用塗布液および該繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに塗布してなるゴム補強用ガラス繊維に関する。
EPDMゴムは、耐熱性、耐候性、耐オゾン性に優れ、耐熱ベルト、耐熱ホース等に広く使用されている。また、EPDMゴムは、単にゴム加硫物としてだけでなく、強度向上のために繊維材料との複合体として使用されることが多い。このような複合体として、EPDMゴムを主構成部材、いわゆる母材ゴムとし、その中に繊維材料を埋め込んだ伝動ベルト、コンベヤベルト等のベルト、タイヤ、ゴムホース、ダイヤフラム等が挙げられる。
EPDMゴムに繊維材料をそのまま埋め込むとEPDMゴムと繊維材料との接着強度が弱いので、EPDMゴムと繊維材料との界面が剥離しないように種々の界面処理が行われてきた。例えば、繊維材料とEPDMゴムとの界面処理方法としては、硫黄加硫系ゴムを繊維材料に被覆した後にEPDMゴムに埋め込む方法が用いられてきた。
特許文献1には、レゾルシンとホルムアルデヒドの初期縮合物とクロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリプロピレン、クロロスルホン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、クロロスルホン化エチレン−プロピレンジエン共重合体、クロロスルホン化エチレン−プロピレン共重合体、および、クロロスルホン化イソブチレン−イソプレン共重合体から選ばれる1種以上のポリマーとを含有するディップ液で処理した繊維材料を使用する方法が開示されている。
特許文献1に記載の方法に比較して、より高度な接着力を得るために、有機過酸化物に
より架橋されたEPDMゴムを用いた以下のような方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、ジアルキルパーオキサイドおよびジ(メタ)アクリレート類を配合したEPDMゴムと、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とポリクロロプレンラテックスとを含有するディップ液で処理した繊維材料とを加硫接着する方法が開示されている。
特許文献3には、繊維材料が、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物、クロロスルホン化エチレンラテックスおよび亜鉛華を一定の組成で含有するディップ液で処理され、ゴムが、EPDMゴムを含むエチレン−プロピレン系ゴムからなる複合体であるものが開示されている。
特許文献4には、レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とクロロスルホン化ポリエチレンラテックス又はポリクロロプレンラテックスとからなるディップ液で繊維材料を処理し、EPDMゴムにハロゲン含有ゴムを配合し、加硫接着する方法が開示されている。
特許文献5には、繊維材料をレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とラテックスとを含有するディップ液で処理した後、ハロゲン化フェノール化合物とレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物とスチレン−ブタジエンゴムラテックスおよび/又はスチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスとを、固形分比で3:7〜7:3の割合で含有するディップ液で処理し、その後、ハロゲン化ゴム含有EPDMゴムと加硫接着させる方法が開示されている。
特許文献6には、EPDMゴムと繊維材料とを強固に接着させることができ、かつ、熱老化により接着力が低下することがない優れたゴム組成物と繊維材料との接着処理方法として、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体からなるゴム組成物と繊維材料とを接着処理するにあたり、前記繊維材料を、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス系処理剤に浸漬した後、乾燥熱処理し、その後、前記ゴム組成物と加硫接着する接着処理方法であり、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス系処理剤中のラテックス成分がエチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の水分散物であるゴム組成物と繊維材料との接着処理方法が開示されている。エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としてエチレン−グリシジルメタクリレートが挙げられる。
しかしながら、母材ゴムであるEPDMゴムにゴム補強用ガラス繊維を埋設させて伝動ベルトを作製する場合において、ガラス繊維コードを特許文献6に記載の接着処理方法で被覆処理したゴム補強用ガラス繊維は柔軟性がないという問題があった。
特開昭57−105476号公報 特公昭63−10732号公報 特開昭62−131035号公報 特公平5−86968号公報 特開平2−167346号公報 特開2001−40105公報
本発明は、EPDMゴムと繊維コードとを強固に接着して経時劣化、特に、多湿および水がかかる状態である被水下の使用における経時劣化により接着強度が低下するという問題を解決するために繊維コードに設ける被覆層を得るためのガラス繊維被覆用塗布液を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前述したゴム補強用ガラス繊維の柔軟性の問題を解決し、繊維コードに前記繊維被覆用塗布液を塗布し硬化させた被覆層を設けてなるゴム補強用繊維に柔軟性を与え、耐屈曲性を増すことを目的とする。
本発明の繊維被覆用塗布液は、繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにEPDMゴムと接着するための被覆層を設ける繊維被覆用塗布液であって、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の水分散物とを混合して得られた。本発明のガラス繊維被覆用塗布液は、EPDMゴムとガラス繊維コードとを強固に接着させ、加熱劣化により接着強度の低下することがない。
また、スチレン−ブタジエン共重合体を加えることで、詳しくは、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の水分散物とスチレン−ブタジエン共重合体の水分散物とを混合した繊維被覆用塗布液を塗布し硬化させた被覆層を設けてなるゴム補強用繊維は柔軟性が増し、耐屈曲性が増した。
即ち、本発明は、繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにEPDMゴムと接着するための被覆層を設けるための繊維被覆用塗布液であって、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とを混合してなることを特徴とする繊維被覆用塗布液である。
さらに、本発明は、繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにEPDMゴムと接着するための被覆層を設けるための繊維被覆用塗布液であって、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体とを混合してなることを特徴とする繊維被覆用塗布液である。
さらに、本発明は、繊維コードがガラス繊維コードであることを特徴とする上記の繊維被覆用塗布液である。
さらに、本発明は、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体の重量比が、95:5〜70:30であることを特徴とする上記の繊維被覆用塗布液である。
さらに、本発明は、スチレン−ブタジエン共重合体のガラス転移点が、−60℃以上、30℃以下であることを特徴とする上記の繊維被覆用塗布液である。
また、本発明は、上記の繊維被覆用塗布液を繊維コードに塗布被覆させてなることを特徴とするゴム補強用繊維である。
また、本発明は、EPDMゴムに上記のゴム補強用繊維を埋設させてなることを特徴とする伝動ベルトである。
本発明の繊維被覆用塗布液を繊維コードに塗布被覆しゴム補強用繊維とすれば、EPDMゴムと繊維コードとを強固に接着し、かつ、耐水性に優れた接着強度が得られた。
加えて、繊維コードに本発明の繊維被覆用塗布液を塗布し硬化させた被覆層を設けてなるゴム補強用繊維は柔軟であり耐屈曲性が増した。
本発明の繊維被覆用塗布液の組成物について説明する。
本発明の繊維被覆用塗布液の組成物であるモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物は、モノヒドロキシベンゼンとホルムアルデヒドとをモノヒドロキシベンゼン/ホルムアルデヒドのモル比が1/3〜3/1となるように塩基性触媒の存在下に水中で縮合反応させて得られ水溶液としたものが使用される。
本発明の繊維被覆用塗布液は、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液と、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の水分散物とを混合することによって調製した。
さらに、スチレン−ブタジエン共重合体を加えることで、詳しくは、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の水分散物とスチレン−ブタジエン共重合体の水分散物とを混合した繊維被覆用塗布液を塗布し硬化させた被覆層を設けてなるゴム補強用繊維は柔軟性が増し、耐屈曲性が増した。
特に、上記繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに被覆してなるゴム補強用繊維は柔軟性が増し、耐屈曲性が増し、本発明の繊維被覆用塗布液はガラス繊維コードに塗布被覆して用いることに有用である。
本発明の繊維被覆用塗布液において、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体の重量比、言い換えれば固形分比率は、95:5〜70:30である、スチレン−ブタジエン共重合体の比率が5よりも少なくなるとEPDMゴムと繊維コードが十分な接着性が得られなくなり、30より多く添加して繊維コードに塗布すると、EPDMゴムと繊維コードの接着性は低下する。このことは、特にガラス繊維コードに対して顕著である。
本発明の繊維被覆用塗布液に使用するスチレン−ブタジエン共重合体のガラス転移点は−60℃以上、30℃以下であり、スチレン−ブタジエン共重合体のガラス転移点が−60℃よりも低くなると十分な強度が得られなく、30℃よりも高くなると十分な強度が得られるが、ゴム補強用繊維が硬くなり柔軟性に乏しい。本発明の繊維被覆用塗布液に使用するスチレン−ブタジエン共重合体としてはカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体が好適に用いられ、本発明の繊維被覆用塗布液を繊維コードに塗布後、乾燥硬化させたゴム補強用繊維に柔軟性を与える。
本発明の繊維被覆用塗布液を、繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにEPDMゴムと接着するための被覆層を設けゴム補強用ガラス繊維とする。本発明のゴム補強用繊維を接着するEPDMゴムは、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体であり、モノマー成分は、エチレンが50重量%以上、80重量%以下、プロピレンが20重量%以上、重量50%以下、ジエンが5重量%以上、30重量%以下である。ジエンとしては、例えば、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。
上記EPDMゴムに、通常ゴムに配合される補強剤、充填剤、オイル、老化防止剤、粘着付与剤、加工助剤、共架橋剤、架橋助剤等を適宜配合し架橋させた後、本発明のゴム補強用繊維を埋め込んで伝動ベルトを作製する。
本発明における繊維被覆用塗布液を塗布被覆しゴム補強用繊維となす繊維コード、例えば、ガラス繊維コードはガラス繊維フィラメントを撚りあわせたもので、径、0.1mm以上、1.5mm以下の範囲内のものが使用される。ガラス繊維コードの径が0.1mm未満では細すぎて、得られたゴム補強用繊維に伝動ベルトを補強する効果がなく、1.5mmより大きいと太すぎて、得られたゴム補強用繊維は、伝動ベルトの補強材に必要な柔軟性に欠ける。
本発明の繊維被覆用塗布液を繊維コードに塗布後、乾燥硬化させると、繊維コードの柔軟性を低下させることなく、繊維コードに被覆層を設けたゴム補強用繊維が得られた。該ゴム補強用繊維を母材ゴムである上記EPDMゴムに埋設して伝動ベルトを作製する。作製される伝動ベルトとしては、Vリブドベルト、ローエッジベルト等が挙げられる。
例えば、Vリブドベルトは、Vベルトと平ベルトの良い所を融合したベルトで、高速回転におけるエネルギーロスが少なく、高い伝動能力を備え、自動車のエンジンリーム内等で使用される。Vリブドベルトを製造する場合は、表面が平滑な円筒状の成形ドラムの周面に、ゴムコート帆布と接着ゴム層のための未加硫シートを巻き付けた後、この上にポリエステル製の心線をらせん状にスピニングし、次いでその上に接着ゴム層のための未加硫シートを巻き付けた後、圧縮ゴム層のための未加硫シートを巻き付けて積層体とし、これを加硫缶中にて加熱加圧し、加硫して環状物を得、この環状物を駆動ロールと従動ロールとの間に掛け渡して、所定の張力の下で走行させながら研削ロールとの間に掛け渡し走行させながら所定の幅に裁断することによりVリブドベルトを得る。
以下に本発明の実施例を示す。
尚、以下の実施例および比較例における組成物の配合量は重量比であるが、溶媒以外のものについては、固形分に換算しての重量部である。
実施例1
(本発明の繊維被覆用塗布液の調製)
最初に、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド樹脂の合成について述べる。還流冷却器、温度計、攪拌機をつけた三つ口セパラブルフラスコに、モノヒドロキシベンゼン、100重量部、37.0重量%の濃度のホルムアルデヒド水溶液、157重量部、10重量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液、5重量部を仕込み、80℃に加熱した状態で3時間攪拌した。攪拌を止め、冷却した後、1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液、370重量部を加え、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物を縮合反応にて水溶液として得た。
次いで、前述の手順で合成したモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物を用い、市販のエチレン−グリシジルメタクリレートの水分散物(住友精化株式会社製、商品名、セポルジョンG218)を固形分換算してモノヒドロキシベンゼンーホルムアルデヒド縮合物:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体=1:29の重量比に成るように添加して均一に混合し、その後、ガラス転移点が−53℃であるカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体の水分散物(日本エイアンドエル株式会社製、商品名SR−113)を、固形分換算してエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体:カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体=80:20の重量比に成るように添加して本発明の繊維被覆用塗布液を調製した。
径9μmのガラス繊維フィラメントを200本集束したガラス繊維コード3本を引き揃えた後、前記の繊維被覆用塗布液を塗布し、その後、温度、280℃で、22秒間乾燥硬化させて被覆層を設け、径、0.3mmのゴム補強用繊維を得た。
この時のガラス繊維コードの固形分付着率、即ち、被覆層の重量割合は、被覆層を設けたゴム補強用繊維の重量に対して19.0重量%であった。
このようにして得られゴム補強用繊維理コードについて、エチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体100重量部に対して、カーボン−ブラック、50重量部と、酸化亜鉛、5重量部と、ステアリン酸、1.0重量部と、硫黄、1.5重量部と、加硫促進剤、2.5重量部とを配合してなる架橋したEPDMゴムとの接着力の測定を行った。
実施例2
繊維被覆用塗布液の調製において、実施例1で用いたモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物に替えて市販のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液(群栄化学工業社製、商品名、レジトップ、型番PL−4646、固形分、50重量%)を1重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液で2倍の重量割合で希釈したものを用いた以外は全て実施例1と同様の手順で得られた繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに塗布後、乾燥硬化させて本発明のゴム補強用繊維を得た。
実施例3
繊維被覆用塗布液の調製において、市販のモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液(群栄化学工業社製、商品名、レジトップ、型番PL−4646、固形分、50重量%)とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の水分散物(商品名、セポルジョンG218)を、固形分に換算しての重量比率をモノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物:エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体=2:28にした以外は、全て実施例1と同様の手順で得られた繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに塗布後、乾燥硬化させて本発明のゴム補強用繊維を得た。
比較例1
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液を添加しなかった以外は、全て実施例1と同様にして得られた繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに塗布後、乾燥硬化させてゴム補強用繊維を得た。
比較例2
モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液をレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物の水溶液に替えた以外は、全て実施例1と同様の手順で得られた繊維被覆用塗布液をガラス繊維コードに塗布後、乾燥硬化させてゴム補強用繊維を得た。
ここで用いたレゾルシン−ホルムアルデヒド縮合物は、0.05モル濃度のカセイソーダ水溶液にレゾルシンとホルムアルデヒドとを、モル比で1:1となるように添加して充分に攪拌しつつ、20時間、縮合反応させて水溶物として得られた。
(接着強度および柔軟性の測定)
試験片はEDPMゴムからなる厚み、3mm、幅、25mm、長さ、120mmである長尺状のゴムシートの上に、前記ゴム補強用繊維(実施例1〜3、比較例1〜2)を長さ方向に並べ、その上から布をかぶせ、160℃に加熱後、196ニュートン/cm2(以後、ニュートンをNと略す)の圧力で端部を除き押圧し、30分間加硫させて、剥離強さ測定のための試験片を作製した。この試験片においてゴムシートとゴム補強用繊維の端部を個別にクランプにて挟み、剥離速度を50mm/minとし、ゴムシートからゴム補強用繊維を剥離させる際の最大の抵抗値を測定し、剥離強さとした。剥離強さが大きいほど接着強度に優れる。
また、各試験片を1時間沸騰水に入れた後の剥離強さを測定し、初期の剥離強さとの比較から接着強度の耐水性の指標とした。剥離強さの低下のないことが好ましい。
また、ゴム補強用繊維の柔軟性は、30cmの長さに切断したゴム補強用繊維の中心を支持し垂らした際のコード両先端との中心とがなす線と水平線との角度、いわゆる垂れ角で示した。
表1が各ゴム補強用繊維の作製後のEPDMゴムに対する剥離強さおよび柔軟性の測定結果であり、表2が各試験片を1時間沸騰水に入れた後のゴム補強用繊維のEPDMゴムに対する接着性の測定結果である。
Figure 0004752614
Figure 0004752614
表1に示すように、実施例1〜3で作製した本発明のゴム補強用繊維、または比較例1、2を用いた本発明に属さないゴム補強用繊維を用いた各試験片における剥離強さを測定したところ、実施例1で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が196N、実施例2で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が216N、実施例3で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が196Nであり、比較例1で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が110N、比較例2で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が196Nであった。剥離強さを比較したところ、実施例1〜3で作製した本発明のゴム補強用繊維は、本発明に属さない比較例1で作製したゴム補強用繊維よりEPDMゴムに対する接着強度に優れていた。
各ゴム補強用繊維の垂れ角を測定したところ、実施例1で作製したゴム補強用繊維が46度、実施例2で作製したゴム補強用繊維が46度、実施例3で作製したゴム補強用繊維が45度であり、比較例1で作製したゴム補強用繊維が46度であり、比較例2で作製したゴム補強用繊維が46度であった。垂れ角を測定したところ、実施例1〜3で作製した本発明のゴム補強用繊維は、本発明に属さない比較例1で作製したゴム補強用繊維と同じ柔軟性であった。
表1および表2に示すように、各試験片の剥離状況は全てゴム破壊であり、界面破壊はなかった。尚、ガラス繊維コードとEPDMゴムが界面にて剥離していない破壊状態をゴム破壊とした、界面から一部のみでも剥離している破壊状態が界面剥離であり、ゴム破壊の方が、界面剥離より接着強度に優れる。
表2に示した各試験片を1時間煮沸した後の剥離強さを測定したところ、実施例1で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が196N、実施例2で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が196N、実施例3で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が186N、比較例1で作製したゴム補強用繊維を用いた試験片が106Nで、表1に示した実施例1〜3、比較例1に示した剥離強さとほとんど同じで、煮沸による接着強度の低下がない。一方、接着強度の比較例2のゴム補強用繊維を用いた試験片は剥離強さが表1に示した196Nから、表2に示した108Nへと低下していた。モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物を使用することにより初期の接着強度だけでなく、煮沸に対する接着強度の低下がなく耐水性が向上していた。

Claims (7)

  1. 繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにエチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体からなるゴム組成物と接着するための被覆層を設けるための繊維被覆用塗布液であって、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とを混合してなることを特徴とする繊維被覆用塗布液。
  2. 繊維コードに塗布し乾燥硬化させて繊維コードにエチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体からなるゴム組成物と接着するための被覆層を設けるための繊維被覆用塗布液であって、モノヒドロキシベンゼン−ホルムアルデヒド縮合物とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体とを混合してなることを特徴とする繊維被覆用塗布液。
  3. 繊維コードがガラス繊維コードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の繊維被覆用塗布液。
  4. エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とスチレン−ブタジエン共重合体の重量比が、95:5〜70:30であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の繊維被覆用塗布液。
  5. スチレン−ブタジエン共重合体のガラス転移点が、−60℃以上、30℃以下であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の繊維被覆用塗布液。
  6. 請求項1乃至請求項5に記載の繊維被覆用塗布液を繊維コードに塗布被覆させてなることを特徴とするゴム補強用繊維。
  7. エチレン−α−オレフィン−ジエン三元共重合体からなるゴム組成物に請求項6に記載のゴム補強用繊維を埋設させてなることを特徴とする伝動ベルト。
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