JP2000234277A - エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法 - Google Patents

エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法

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JP2000234277A
JP2000234277A JP30323499A JP30323499A JP2000234277A JP 2000234277 A JP2000234277 A JP 2000234277A JP 30323499 A JP30323499 A JP 30323499A JP 30323499 A JP30323499 A JP 30323499A JP 2000234277 A JP2000234277 A JP 2000234277A
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Japan
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ethylene
bonding
rubber
fiber cord
rubber composition
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JP30323499A
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English (en)
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Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と伝動
ベルトの心線となる繊維コードとを良好に接着すること
ができるエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コ
ードとの接着方法を提供する。 【解決手段】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と
繊維コードとの接着方法であり、上記繊維コードをイソ
シアネート化合物又は/及びエポキシ化合物からなる第
1処理液で処理し、次いでアクリロニトリル−ブタジエ
ンゴムラテックスを含むレゾルシン−ホルマリン−ゴム
ラテックスの第2処理液で処理し、更にその後、ハロゲ
ン化ポリマーに加硫剤を添加した第3処理液で処理した
後、エチレン・α−オレフィンの未加硫ゴム組成物と密
着加硫せしめる構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン・α−オレ
フィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法に係り、詳
しくはエチレン・α−オレフィンゴム組成物と伝動ベル
トの心線となる繊維コードとを良好に接着することがで
きるエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コード
との接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにとも
ない動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期
にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討されて
きたが、これに代わり最近ではエチレン−プロピレン系
ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン
系ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラ
ストマーが優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価
なポリマーであり、伝動ベルトへの使用も検討されつつ
あり、例えば特開平6−345948号公報に開示され
ている。
【0004】しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴ
ムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いる
と、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップ
アウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系
を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難である
ため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトで
は、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こ
しやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になって
いた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合
量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程
度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生
した。
【0005】更に、問題になる点は、エチレン−α−オ
レフィンエラストマーと繊維コードとの接着方法にあ
る。具体的には、繊維材料をレゾルシン−ホルマリン−
スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスとを
含有するディップ液に浸漬処理した後、EPDMゴム組
成物と加硫接着する方法(特開平8−113657号公
報)、またレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス接
着液で接着処理した繊維材料と、メチレン供与体、メチ
レン受容体及び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成
物と加硫接着する方法(特開平8−113656号公
報)などが試みられてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レゾルシン−
ホルマリン−スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラ
テックスを含有するディップ液で処理する場合には、接
着力が改善されても、これを伝動ベルトの心線のような
繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用した場合には、心
線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあった。
【0007】また、メチレン供与体、メチレン受容体及
び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成物を使用した
場合でも、同様に繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用
すると、心線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあ
った。
【0008】本発明は、これらの点を考慮し、エチレン
・α−オレフィンゴム組成物と伝動ベルトの心線となる
繊維コードとを良好に接着することができるエチレン・
α−オレフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維
コードとの接着方法において、上記繊維コードをイソシ
アネート化合物又は/及びエポキシ化合物からなる第1
処理液で処理し、次いでレゾルシン−ホルマリン−ゴム
ラテックスの第2処理液で処理し、更にその後、ハロゲ
ン化ポリマーに加硫剤を添加した第3処理液で処理した
後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物
と密着加硫せしめたエチレン・α−オレフィンゴム組成
物と繊維との接着方法にある。
【0010】本願請求項2記載の発明は、第3処理液に
はハロゲン化ポリマーと加硫剤以外に接着用ゴムを添加
したエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コード
との接着方法にある。
【0011】本願請求項2記載の発明は、第3処理液に
おいて、ハロゲン化ポリマーと接着用ゴムとの配合比率
が3:7〜7:3であるエチレン・α−オレフィンゴム
組成物と繊維コードとの接着方法にある。
【0012】本願請求項3記載の発明は、接着処理後の
繊維コードへの固形の接着剤付着量が3〜16重量%で
あるエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コード
との接着方法にある。
【0013】本願請求項4記載の発明は、接着用ゴムが
エチレン・α−オレフィンゴムであるエチレン・α−オ
レフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法にある。
【0014】本願請求項5載の発明は、エチレン・α−
オレフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法におい
て、上記繊維コードをイソシアネート化合物又は/及び
エポキシ化合物からなる第1処理液で処理し、次いで少
なくともアクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス
を含むレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックスの第2
処理液で処理し、更にその後、塩化ゴムとそれ以外のエ
チレン・α−オレフィンゴムに加硫剤を添加し、塩化ゴ
ムとエチレン・α−オレフィンゴムとの配合比率が3:
7〜7:3とした第3処理液で接着処理後の繊維コード
への固形の接着剤付着量が3〜16重量%になるように
処理した後、エチレン・α−オレフィンの未加硫ゴム組
成物と密着加硫せしめたエチレン・α−オレフィンゴム
組成物と繊維コードとの接着方法にある。
【0015】本発明のように、ハロゲン化ポリマーとそ
れ以外の接着用ゴムに加硫促進剤を添加した第3処理液
で処理した接着処理コードを、エチレン・α−オレフィ
ンゴム組成物と加硫接着することにより良好な接着力を
得ることができる。また、第3処理液においてハロゲン
化ポリマーと接着用ゴムとの配合比率が3:7〜7:3
に特定することにより、更に接着力が向上し、また接着
完了後の繊維コードへの固形の接着剤付着量が3〜16
重量%にすることにより、コードへのカスの付着を阻止
してコードの外観が良好になり、またベルト作製の1工
程であるコードスピニング時のコード乗り上げ、コード
目開きの原因が解消される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で使用するエチレン・α−
オレフィンゴム組成物としては、その代表的なものとし
てEPDMがあり、これはエチレン−プロピレン−ジエ
ンモノマーよりなるゴムをいう。ジエンモノマーの例と
しては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、
シクロオクタジエンなどがあげられる。また、エチレン
−プロピレン系ゴム(EPR)も使用可能である。
【0017】上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物
が使用される。有機過酸化物としては、例えばジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単
独もしくは混合物として、通常エチレン−α−オレフィ
ンエラストマー100gに対して0.005〜0.02
モルgの範囲で使用される。
【0018】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0019】そして、それ以外に必要に応じてカーボン
ブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タ
ルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色
剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用さ
れる。
【0020】本発明で使用する繊維コードは、アラミド
繊維、又はポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊
維)、ポリエチレンナフタレート繊維(PEN繊維)の
ようなポリエステル繊維のコードが使用される。
【0021】使用する撚糸コードは、下記方法によって
処理される。 (1)まず未処理繊撚糸コードを、イソシアネート化合
物又は/及びエポキシ樹脂で室温に設定した第1処理液
に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190°Cに
調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥される。
【0022】上記第1処理液で使用するイソシアネート
化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネ
ート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。
このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケ
トン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0023】また、上記イソシアネート化合物にフェノ
ール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等の
ブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシ
アネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネ
ートも使用可能である。
【0024】第1処理液で使用するエポキシ化合物とし
ては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタ
エリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレング
リコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒ
ドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生
成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、
レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール
類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などで
ある。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケ
トン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0025】(2)RFL液である第2処理液で処理す
る。RFL液はレゾルシンとホルマリンの初期縮合物を
ゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾル
シンとホルマリンのモル比は3/1〜1/3にすること
が接着力を高める上で好適である。また、少なくともア
クリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス(NBRラ
テックス)または水素化アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス(H−NBRラテックス)を含むゴムラ
テックスを成分とすることが、接着力を向上させる上で
好ましい。
【0026】また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合
物は、このゴムラテックスのゴム分100重量部に対し
てその樹脂分が5〜100重量部になるように混合した
上、全固形濃度を5〜40%濃度に調節される。
【0027】この場合の処理液の温度は5〜40°Cに
調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200
〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱
処理される。
【0028】第2処理液であるRFL液は、レゾルシン
とホルマリンの初期縮合物とNBRラテックスとを混合
したものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモ
ル比は3/1〜1/3にすることが接着力を高めるうえ
で好適である。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮
合物は、これをゴムラテックスのゴム分100重量部に
対してその樹脂分が5〜100重量部になるようにゴム
ラテックスと混合したうえ、全固形濃度を5〜40%濃
度に調節される。
【0029】(3)第3処理液としては、ハロゲン化ポ
リマーに加硫剤を添加したもの、もしくはハロゲン化ポ
リマーと加硫剤の他に、ハロゲン化ポリマー以外からな
る接着用ゴムを添加したものであり、上記ハロゲン化ポ
リマーとしては、塩化ゴム、クロロプレンゴム、クロロ
スルフォン化ポリエチレンゴムがある。
【0030】また、接着用ゴムはハロゲン化ポリマー以
外のゴムであり、具体的には上記のようなエチレン・α
−オレフィンゴム、NBR、SBRなどがあるが、好ま
しくはEPDM、EPTのようなエチレン・α−オレフ
ィンゴムがよい。
【0031】また、加硫剤としては、ジベンゾチアジル
ジスルフィド(MBTS)、テトラメチルチウラムジス
ルフィド(TMTD)、N−シクロヘキシル−2−ベン
ゾチアジルサルフェナミド(CBS)、テトラメチルチ
ウラムモノスルフィド(TMTM)、メルカプトベンゾ
チアゾール(MBT)、PZ(ZnMDC)、硫黄など
がある。この加硫剤は処理繊維コードとエチレン・α−
オレフィンゴム組成物との140〜180℃での加硫密
着により接着力を向上させる。
【0032】第3処理液において、ハロゲン化ポリマー
以外の接着用ゴムを添加する場合、ハロゲン化ポリマー
と接着用ゴムとの配合比率は3:7〜7:3である。こ
の範囲内であれば、より一層接着力が向上する。また、
接着完了後の繊維コードへの固形の接着剤付着量が3〜
16重量%とすることによって、コードへのカスの付着
を阻止してコードの外観が良好になるばかりか、ベルト
作製の1工程でありコードスピニング時のコード乗り上
げ、コード目開きの原因が解消される。
【0033】上記接着処理をした撚糸コードの用途とし
て、例えば図1に示すVリブドベルトの心線に使用され
る。このVリブドベルト1によると、接着ゴム層3中の
撚糸コードを素材とする高強度で低伸度のコードよりな
る心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体
層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4
にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ
7が設けられ、またベルト表面には付着したゴム付帆布
5が設けられている。
【0034】前記圧縮ゴム層4に使用されるゴムは、エ
チレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対
して、アラミド、ナイロン、ポリステル、ビニロン、綿
など短繊維を1〜50重量部、好ましくは5〜25重量
部含有してもよい。
【0035】一方、接着ゴム層3には耐熱性を有し、そ
して心線との接着を良好にするためにも、上記エチレン
−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物であって硫
黄により架橋できるものを使用する。そして、それ以外
に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強
剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、
安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合に用
いるものが使用される。
【0036】上記接着ゴム層3における硫黄の添加量
は、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量
部に対して0.5〜3.0重量部である。
【0037】尚、この接着ゴム層3に使用するエチレン
−α−オレフィンエラストマーのうちEPDMは、ヨウ
素価が4以上で40未満であり、4未満であるとゴム組
成物の硫黄による架橋が充分でなく、心線のポップアウ
トの問題が発生する。一方、40を超えると、ゴム組成
物のスコーチが短くなって取扱にくくなり、また耐熱性
が悪くなる。
【0038】Vリブドベルトの製造方法の一例は以下の
通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複
数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この
上にロープからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に
圧縮ゴム層を順次巻きつけて積層体を得た後、これを硫
黄や有機過酸化物により架橋して架橋スリーブを得る。
【0039】次に、架橋スリーブを駆動ロールと従動ロ
ールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させ
た研削ホイールを走行中の架橋スリーブに当接するよう
に移動して架橋スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100
個の複数の溝状部を一度に研磨する。
【0040】このようにして得られた架橋スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該架橋スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定の幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0041】また、本発明においては、上記のVリブド
ベルト以外にも、図2に示すようにベルトの上下表面の
みにゴム付帆布を付着したVベルト8も含む。このVベ
ルト8は、心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側
に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮
ゴム層4には、コグを長手方向に沿って所定間隔で設け
てもよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 1.撚糸コード 1100d/1×5のポリエリレンテレフタレート撚糸
コードを準備し、これを張力500gで表1に示す第1
処理液に浸漬した。180℃で4分間熱処理した後、更
に表2に示す第2処理液に浸漬し、230℃で2分間熱
処理した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】その後、表3に示す第3処理液に浸漬し、
100℃で3分間熱処理して心線用の処理コードとし
た。用いた接着用ゴムの組成を表4に示し、処理工程に
ついては、表5に示す。
【0046】2.平剥離力 25mm幅に隙間なく並べた処理コードと表6に示す未
加硫のゴム組成物を積層し、プレスにより153℃で3
0分間加硫し、50mm/分の速度でT型剥離試験を行
い、処理コードとゴム間の剥離力(接着力)を、室温及
び120℃雰囲気下で測定した結果とコード外観の結果
を表3に示す。また、図3に塩化ゴムの配合比率と接着
力の関係を示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】3.接着剤付着量の測定方法 第3処理液まで処理し乾燥したコードの1m当たりの重
量(W1)と第2処理液まで処理し乾燥したコードの1
m当たりの重量(W2)を測定し、接着剤付着量(W1
−W2)をW2で除した値(%)を接着剤付着量として
算出した。図4に接着剤付着量と接着力の関係を示す。
【0052】この結果、第3処理液において、接着用ゴ
ムとハロゲン化ポリマーとを混合した系において接着に
効果がある。しかも、図3に示すようにハロゲン化ポリ
マーと接着用ゴムの配合比率は3:7〜7:3が接着良
好であることが判る。また、図4に示すように、第3処
理液の接着剤付着量が3%未満になると、接着力が低下
する。また、逆に16%を超えると、熱処理で乾燥不足
になり、カスが付着してコードの外観が悪くなり、また
ベルト作製の1工程であるコードスピニング時のコード
乗り上げ、コード目開きの原因となる。
【0053】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、ハロゲン化ポリマーと加硫剤、もしくはその両者の
他にもハロゲン化ポリマー以外の接着用ゴムを添加した
第3処理液で処理した接着処理コードを、エチレン・α
−オレフィンゴム組成物と加硫接着することにより良好
な接着力を得ることができ、また第3処理液においてハ
ロゲン化ポリマーと接着用ゴムとの配合比率が3:7〜
7:3に特定することにより、高水準の接着力を得るこ
とができ、また接着完了後の繊維コードへの固形の接着
剤付着量が3〜16重量%にすることにより、コードへ
のカスの付着を阻止してコードの外観が良好になり、更
にはベルト作製の1工程でありコードスピニング時のコ
ード乗り上げ、コード目開きの原因が解消されるといっ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの断面図である。
【図2】Vベルトの断面図である。
【図3】第3処理液における塩化ゴムの配合比率と接着
力の関係を示す。
【図4】第3処理液における接着剤付着量と接着力の関
係を示す。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 157/08 C09J 157/08 161/12 161/12 163/00 163/00 175/04 175/04 D02G 3/48 D02G 3/48 // C08L 23:16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と
    繊維コードの接着方法において、上記繊維コードをイソ
    シアネート化合物又は/及びエポキシ化合物からなる第
    1処理液で処理し、次いでレゾルシン−ホルマリン−ゴ
    ムラテックスの第2処理液で処理し、更にその後、ハロ
    ゲン化ポリマーに加硫剤を添加した第3処理液で処理し
    た後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成
    物と密着加硫せしめたことを特徴とするエチレン・α−
    オレフィンゴム組成物と繊維との接着方法。
  2. 【請求項2】 第3処理液にはハロゲン化ポリマーと加
    硫剤以外に接着用ゴムを添加した請求項1記載のエチレ
    ン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コードとの接着方
    法。
  3. 【請求項3】 第3処理液において、ハロゲン化ポリマ
    ーと接着用ゴムとの配合比率が3:7〜7:3である請
    求項2記載のエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊
    維コードとの接着方法。
  4. 【請求項4】 接着処理後の繊維コードへの固形の接着
    剤付着量が3〜16重量%である請求項1または2記載
    のエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維コードと
    の接着方法。
  5. 【請求項5】 接着用ゴムがエチレン・α−オレフィン
    ゴムである請求項2または3記載のエチレン・α−オレ
    フィンゴム組成物と繊維コードとの接着方法。
  6. 【請求項6】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と
    繊維コードとの接着方法において、上記繊維コードをイ
    ソシアネート化合物又は/及びエポキシ化合物からなる
    第1処理液で処理し、次いで少なくともアクリロニトリ
    ル−ブタジエンゴムラテックスを含むレゾルシン−ホル
    マリン−ゴムラテックスの第2処理液で処理し、更にそ
    の後、塩化ゴムとそれ以外のエチレン・α−オレフィン
    ゴムに加硫剤を添加し、塩化ゴムとエチレン・α−オレ
    フィンゴムとの配合比率が3:7〜7:3とした第3処
    理液で接着処理後の繊維コードへの固形の接着剤付着量
    が3〜16重量%になるように処理した後、エチレン・
    α−オレフィンの未加硫ゴム組成物と密着加硫せしめた
    ことを特徴とするエチレン・α−オレフィンゴム組成物
    と繊維コードとの接着方法。
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