JP2002088658A - エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト - Google Patents

エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルト

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JP2002088658A
JP2002088658A JP2000331968A JP2000331968A JP2002088658A JP 2002088658 A JP2002088658 A JP 2002088658A JP 2000331968 A JP2000331968 A JP 2000331968A JP 2000331968 A JP2000331968 A JP 2000331968A JP 2002088658 A JP2002088658 A JP 2002088658A
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ethylene
rubber
olefin
fiber
rubber composition
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JP2000331968A
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English (en)
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Keiji Takano
啓二 高野
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と伝動
ベルトの心線となる繊維ロープのような繊維とを良好に
接着することができるエチレン・α−オレフィンゴム組
成物と繊維との接着体の製造方法及び動力伝動ベルトを
提供する。 【解決手段】 繊維をエチレン・α−オレフィンエラス
トマーラテックスからなるレゾルシン−ホルマリン−ゴ
ムラテックス液で付着処理した後、エチレン・α−オレ
フィンゴムの未加硫ゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊
でオーバーコート処理し密着加硫せしめたエチレン・α
−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法に
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエチレン・α−オレ
フィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法及び動力
伝動ベルトに係り、詳しくはエチレン・α−オレフィン
ゴム組成物と伝動ベルトの心線となる繊維コード等とを
良好に接着することができるエチレン・α−オレフィン
ゴム組成物と繊維コードとの接着体の製造方法及びこの
接着体を用いた動力伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー化、コンパクト化の
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は従来に比べて上昇してきている。これにとも
ない動力伝動用ベルトの使用環境温度も高くなってき
た。従来、動力伝動用ベルトは主として天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムが使用されて
きたが、高温雰囲気下では、硬化した圧縮ゴム層で早期
にクラックを生じるという問題が発生した。
【0003】このようなベルトの早期破壊現象に対し、
従来からクロロプレンゴムの耐熱性の改善が検討されて
きたが、これに代わり最近ではエチレン−プロピレン系
ゴム(EPR)あるいはエチレン−プロピレン−ジエン
系ゴム(EPDM)等のエチレン−α−オレフィンエラ
ストマーが優れた耐熱性、耐寒性を有し、比較的に安価
なポリマーであり、伝動ベルトへの使用も検討されつつ
あり、例えば特開平6−345948号公報に開示され
ている。
【0004】しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴ
ムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いる
と、更に引き裂き力が低下して、走行時に心線がポップ
アウトしやすいという問題があった。一方、硫黄架橋系
を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難である
ため、走行時に摩耗が多くなり、特にVリブドベルトで
は、摩耗紛がリブ部間の底部で蓄積され粘着摩耗を起こ
しやすく、これが発音を引き起こす大きな問題になって
いた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合
量の極めて多いEPDMを用いると、粘着摩耗はある程
度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生
した。
【0005】更に、問題になる点は、エチレン−α−オ
レフィンエラストマーと繊維コードとの接着方法にあ
る。具体的には、繊維材料をレゾルシン−ホルマリン−
スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスとを
含有するディップ液に浸漬処理した後、EPDMゴム組
成物と加硫接着する方法(特開平8−113657号公
報)、またレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス接
着液で接着処理した繊維材料と、メチレン供与体、メチ
レン受容体及び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成
物と加硫接着する方法(特開平8−113656号公
報)などが試みられてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レゾルシン−
ホルマリン−スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラ
テックスを含有するディップ液で処理する場合には、接
着力が改善されても、これを伝動ベルトの心線のような
繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用した場合には、心
線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあった。
【0007】また、メチレン供与体、メチレン受容体及
び珪酸化合物と配合したEPDMゴム組成物を使用した
場合でも、同様に繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用
すると、心線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあ
った。
【0008】近年、環境問題の重要性が増すに連れて、
環境負荷物質を含まない又は、含有量が少ないポリマー
として、エチレン・α-オレフィンゴム組成物が注目さ
れている。それに対応した各種のエチレン・α-オレフ
ィンゴム組成物用接着剤が上市されているが、その多く
は環境負荷物質であるハロゲン化ポリマーを含有してい
るため、環境問題を考慮し、ハロゲン化ポリマーを使用
しない、繊維とエチレン・α-オレフィンゴム組成物と
の接着方法が強く望まれていた。
【0009】本発明は、これらの点を考慮し、エチレン
・α−オレフィンゴム組成物と伝動ベルトの心線となる
繊維コードのような繊維とを良好に接着することができ
るエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着
体の製造方法及び動力伝動ベルトを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本願請求項1記載
の発明は、エチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維
との接着体の製造方法において、上記繊維をエチレン・
α−オレフィンエラストマーラテックスからなるレゾル
シン−ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理した
後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物
を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理し密着加
硫せしめたエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維
との接着体の製造方法にある。
【0011】本願請求項2記載の発明は、レゾルシン−
ホルマリン−ゴムラテックス液に使用するエチレン・α
−オレフィンゴムのジエン含量とオーバーコート処理液
に使用するエチレン・α−オレフィンゴムのジエン含量
の総和が15重量%以上であるエチレン・α−オレフィ
ンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法にある。
【0012】本願請求項3記載の発明は、オーバーコー
ト処理液の固形分付着率が1〜12重量%であるエチレ
ン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造
方法にある。
【0013】本願請求項4記載の発明は、ベルト長手方
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動ベルトにおいて、心線と
してエチレン・α−オレフィンエラストマーラテックス
からなるレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス液で
付着処理した後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加
硫ゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート
処理したコードをエチレン−α−オレフィンエラストマ
ーからなる接着ゴム層に埋設した動力伝動用ベルトにあ
る。
【0014】本願請求項5記載の発明は、レゾルシン−
ホルマリン−ゴムラテックス液に使用するエチレン・α
−オレフィンゴムのジエン含量とオーバーコート処理液
に使用するエチレン・α−オレフィンゴムのジエン含量
の総和が15重量%以上である動力伝動用ベルトにあ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用するエチレン・α−
オレフィンゴム組成物としては、その代表的なものとし
てEPDMがあり、これはエチレン−プロピレン−ジエ
ンモノマーよりなるゴムをいう。ジエンモノマーの例と
しては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、
シクロオクタジエンなどがあげられる。
【0016】上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物
が使用される。有機過酸化物としては、例えばジクミル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−
ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−
2,5−(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキ
サン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単
独もしくは混合物として、通常エチレン−α−オレフィ
ンエラストマー100gに対して0.005〜0.02
モルgの範囲で使用される。
【0017】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N‘−m−フェ
ニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架
橋に用いるものである。
【0018】そして、それ以外に必要に応じてカーボン
ブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タ
ルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色
剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用さ
れる。
【0019】本発明で使用する繊維は、アラミド繊維、
ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリ
エチレンナフタレート繊維(PEN繊維)、ポリアミド
繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維のようなコード、織
物が使用される。
【0020】使用する繊維の場合には、例えば下記2種
の方法によって処理される。 (イ)繊維をエチレン・α−オレフィンエラストマーラ
テックスからなるRFL液で付着処理し、更にエチレン
・α−オレフィンゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊で
オーバーコート処理する。 (ロ)繊維をイソシアネート化合物又は/及びエポキシ
化合物からなる前処理液で付着処理し、その後エチレン
・α−オレフィンエラストマーラテックスからなるRF
L液で付着処理し、更にエチレン・α−オレフィンゴム
組成物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理す
る。
【0021】RFL液はレゾルシンとホルマリンの初期
縮合物をエチレン・α−オレフィンエラストマーラテッ
クスゴムと混合したものであり、この場合レゾルシンと
ホルマリンのモル比は1:2〜2:1にすることが接着
力を高める上で好適である。モル比が1/2未満では、
レゾルシン−ホルマリン樹脂の三次元化反応が進み過ぎ
てゲル化し、一方2/1を超えると、逆にレゾルシンと
ホルマリンの反応があまり進まないため、接着力が低下
する。
【0022】エチレン・α−オレフィンエラストマーラ
テックスゴムとして、その代表的なものとしてエチレン
−プロピレン−ジエンモノマーラテックスゴムがあり、
ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、
メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、1,
4−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられ
る。合成ゴムラテックスの製造方法としては、以下の2
種類あり、一つは、固形ポリマーを溶剤に溶かした後、
相変化させて水に乳化分散させ、ラテックスとする方法
で、もう一つは、乳化させたモノマーを重合してそのま
まラテックスとする方法である。後述の実施例では前者
の方法で製造したエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ーラテックスを用いているが、いずれの方法で製造した
ものでも構わない。
【0023】また、レゾルシン−ホルマリンの初期縮合
物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は1:2〜1:
8が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上
で好適である。上記の比が1/2未満の場合には、レゾ
ルシン−ホルマリンの樹脂分が多くなり、RFL皮膜が
固くなり動的な接着が悪くなり、他方1/8を超える
と、レゾルシン−ホルマリンの樹脂分が少なくなるた
め、RFL皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
【0024】この場合の処理液の温度は5〜40°Cに
調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、200
〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱
処理される。
【0025】また前処理では、未処理の繊維をイソシア
ネート化合物又は/及びエポキシ樹脂で室温に設定した
処理液に0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190
°Cに調節したオーブンに2〜5分間通して乾燥され
る。
【0026】この前処理液で使用するイソシアネート化
合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネ
ート等がある。このイソシアネート化合物もトルエン、
メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用され
る。
【0027】また、上記イソシアネート化合物にフェノ
ール類、第3級アルコール類、第2級アルコール類等の
ブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシ
アネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネ
ートも使用可能である。
【0028】前処理液で使用するエポキシ化合物として
は、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエ
リスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリ
コール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒド
リンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成
物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジ
メチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド樹脂、レ
ゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類
やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などであ
る。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケト
ン等の有機溶剤に混合して使用される。
【0029】RFL液に使用するジエン含量とオーバー
コート処理液に使用するエチレン・α−オレフィンゴム
のジエン含量の総和が15重量%以上必要であるが、総
和が15重量%未満の場合には、繊維とゴムとの接着力
が低く、特にベルト走行時の心線と接着ゴム層の接着力
が低く、早期の剥離、心線の飛び出しが起こる原因とな
る。尚、エチレン・α−オレフィンゴムでは、エチレン
含量(重量%)とプロピレン含量(重量%)とジエン含
量(重量%)の総和が100重量%になるように、ジエ
ン含量が決定される。
【0030】また、オーバーコート処理液の固形分付着
率が1〜12重量%必要であり、この範囲外であれば、
繊維とゴムとの接着力が低く、特にベルト走行時の心線
と接着ゴム層の接着力が低く、早期の剥離、心線の飛び
出しが起こる原因となる。
【0031】上記接着処理をした繊維の用途として、例
えば図1に示すVリブドベルトの心線に使用される。こ
のVリブドベルト1によると、接着ゴム層3中の撚糸コ
ードを素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線
2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層であ
る圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベ
ルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ7が設
けられ、またベルト表面には付着したゴム付帆布5が設
けられている。
【0032】前記圧縮ゴム層4に使用されるゴムは、エ
チレン−α−オレフィンエラストマー100重量部に対
して、アラミド、ナイロン、ポリステル、ビニロン、綿
など短繊維を1〜50重量部、好ましくは5〜25重量
部含有してもよい。
【0033】一方、接着ゴム層3には耐熱性を有し、そ
して心線との接着を良好にするためにも、上記エチレン
−α−オレフィンエラストマーのゴム組成物であって硫
黄により架橋できるものを使用する。そして、それ以外
に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強
剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、
安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合に用
いるものが使用される。
【0034】上記接着ゴム層3における硫黄の添加量
は、エチレン−α−オレフィンエラストマー100重量
部に対して0.5〜3.0重量部である。
【0035】尚、この接着ゴム層3に使用するエチレン
−α−オレフィンエラストマーのうちEPDMは、ヨウ
素価が4以上で40未満であり、4未満であるとゴム組
成物の硫黄による架橋が充分でなく、心線のポップアウ
トの問題が発生する。一方、40を超えると、ゴム組成
物のスコーチが短くなって取扱にくくなり、また耐熱性
が悪くなる。
【0036】Vリブドベルトの製造方法の一例は以下の
通りである。まず、円筒状の成形ドラムの周面に1〜複
数枚のカバー帆布と接着ゴム層とを巻き付けた後、この
上にロープからなる心線を螺旋状にスピニングし、更に
圧縮ゴム層を順次巻きつけて積層体を得た後、これを硫
黄や有機過酸化物により架橋して架橋スリーブを得る。
【0037】次に、架橋スリーブを駆動ロールと従動ロ
ールに掛架され所定の張力下で走行させ、更に回転させ
た研削ホイールを走行中の架橋スリーブに当接するよう
に移動して架橋スリーブの圧縮ゴム層表面に3〜100
個の複数の溝状部を一度に研磨する。
【0038】このようにして得られた架橋スリーブを駆
動ロールと従動ロールから取り外し、該架橋スリーブを
他の駆動ロールと従動ロールに掛架して走行させ、カッ
ターによって所定の幅に切断して個々のVリブドベルト
に仕上げる。
【0039】また、本発明においては、上記のVリブド
ベルト以外にも、図2に示すようにベルトの上下表面の
みにゴム付帆布を付着したVベルト8も含む。このVベ
ルト8は、心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側
に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮
ゴム層4には、コグを長手方向に沿って所定間隔で設け
てもよい。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1〜7、比較例1〜3 ポリエチレンテレフタレート(PET)の1,100d
tex/2×3からなる未処理コードを準備し、これを
表1に示す前処理液に浸漬した後、180°Cで4分間
熱処理し、更に表2に示すRFL液に浸漬し、230°
Cで2分間熱処理した。続いて、表3に示すオーバーコ
ート処理液に浸漬し、150°Cで4分間熱処理した。
ここで、表5のオーバーコート処理液は表3の配合ゴム
をトルエンに溶解して、作製したものである。
【0041】得られたコードを心線とし、接着ゴム層と
して表4のゴム配合、また圧縮ゴム層として表4のゴム
配合にナイロンカット糸15重量部、アラミドカット糸
5重量部を添加したものを用意した。そして、円筒状の
成型ドラムの周面にゴム付綿帆布を2プライと接着ゴム
層を積層し、上記心線をピッチ1.03mm、張力50
Nでピニングした後に圧縮ゴム層を積層し、この積層物
を加硫した。加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールに
掛架して所定の張力下で走行させながら、回転中の研削
ホイールを圧縮ゴム層表面に当てて複数の溝状部を研磨
加工し、そして所定幅に切断してVリブドベルトを得
た。
【0042】得られたVリブドベルトはRMA規格によ
る長さ975mmのK型3リブドベルトであり、リブピ
ッチ3.56mm、リブ高さ2.0mm、ベルト厚さ
4.3mm、リブ角度40°である。得られたベルト初
期接着力とベルト残存接着力を以下の方法で求めた。そ
の結果を表5に示すとともに、図3(オーバーコート処
理液のEPDMポリマーのジエン含量とベルト残存接着
力の関係)と図4(オーバーコート処理液のEPDMポ
リマーのジエン含量とラテックスのジエン含量の和とベ
ルト残存接着力の関係)を示す。接着力の判定基準とし
て、ベルト残存接着力が25N以上の場合を「○」と
し、それ未満を「×」とした。なお、表5の比較例1〜
3は請求項2および5におけるレゾルシン−ホルマリン
−ゴムラテックス液に使用するエチレン・α−オレフィ
ンゴムのジエン含量とオーバーコート処理液に使用する
エチレン・α−オレフィンゴムのジエン含量の総和が1
5重量%以上であるという数値限定の範囲から外れると
いう意味での比較例である。
【0043】(1)ベルト初期接着力 ベルト周方向に埋設した心線を2本引き起こし、50m
m/分の速度で剥離したときの応力である。 (2)ベルト残存接着力 得られたベルトを、駆動プーリ(直径120mm)、従
動プーリ(直径120mm)、テンションプーリ(直径
45mm)の各プーリに掛架した。尚、テンションプー
リ上でのベルトの曲げ角度は約90°Cである。そし
て、雰囲気温度100°C、駆動プーリの回転数490
0rpm、従動プーリの負荷8.8kwとし、テンショ
ンプーリに834Nの初張力をかけて100時間ベルト
を走行させた後、ベルト周方向に埋設した心線を2本引
き起こし、50mm/分の速度で剥離したときの応力で
ある。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】この結果、オーバーコート処理液に使用す
るEPDMポリマーのジエン含量が高くなるほど、ベル
ト残存接着力も高くなり、またRFLのEPDMラテッ
クスポリマーのジエン含量とオーバーコート処理液のE
PDMポリマーのジエン含量との和が15重量%以上に
なると、より優れたベルト初期接着力とベルト残存接着
力を示すことが判る。
【0050】実施例8〜9、比較例4 実施例1と同じオーバーコート処理液の固形分付着率の
水準を変えて処理し、得られたベルト初期接着力と残存
接着力を以下の方法で求めた。オーバーコート処理液固
形分付着率は、オーバーコートまで処理し乾燥したコー
ドの1m当たりの重量(W1)とRFL液まで処理し乾
燥したコードの1m当たりの重量(W2)を測定し、接
着剤付着量(W1−W2)をW2で除した値(%)で算
出した。その結果を表6と図5(オーバーコート処理液
の固形分付着率とベルト残存接着力の関係)に示す。な
お、表6の比較例4は請求項3におけるオーバーコート
処理液の固形分付着率が1〜12重量%であるという数
値限定の範囲から外れるという意味での比較例である。
【0051】
【表6】
【0052】その結果、オーバーコート処理液の付着率
が1重量%以下、12重量%以上の範囲でベルト残存接
着力が低下することが判る。
【0053】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、繊維をエチレン・α−オレフィンエラストマーラテ
ックスからなるレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテック
ス液で付着処理した後、エチレン・α−オレフィンゴム
の未加硫ゴム組成物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバー
コート処理し密着加硫せしめたエチレン・α−オレフィ
ンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法とこのような
処理をした心線を用いた動力伝動用ベルトにあり、しか
もRFL液に使用するジエン含量とオーバーコート処理
液に使用するエチレン・α−オレフィンゴムのジエン含
量の総和が15重量%以上にすることにより、エチレン
・α−オレフィンゴム組成物と繊維との良好に接着する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの断面図である。
【図2】Vベルトの断面図である。
【図3】オーバーコート処理液のEPDMポリマーのジ
エン含量とベルト残存接着力の関係を示す。
【図4】オーバーコート処理液のEPDMポリマーのジ
エン含量とラテックスのジエン含量の和とベルト残存接
着力の関係を示す。
【図5】オーバーコート処理液の固形分付着率とベルト
残存接着力の関係を示す。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 心線 3 接着ゴム層 4 圧縮ゴム層 5 ゴム付帆布 7 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09J 5/02 C09J 5/02 119/00 119/00 B29K 19:00 B29K 19:00 105:08 105:08 Fターム(参考) 4F213 AA45 AD15 AD16 AD34 AD35 AG03 AG16 WA04 WA17 WA43 WA52 WA53 WA73 WA87 WB01 WC01 WC02 4J040 DA041 JA02 MA12 MB02 PA09 PA25 4L033 AB01 AC11 CA12 CA68

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・α−オレフィンゴム組成物と
    繊維との接着体の製造方法において、上記繊維をエチレ
    ン・α−オレフィンエラストマーラテックスからなるレ
    ゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス液で付着処理し
    た後、エチレン・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成
    物を溶剤に溶かしたゴム糊でオーバーコート処理し密着
    加硫せしめたことを特徴とするエチレン・α−オレフィ
    ンゴム組成物と繊維との接着体の製造方法。
  2. 【請求項2】 レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテック
    ス液に使用するエチレン・α−オレフィンゴムのジエン
    含量とオーバーコート処理液に使用するエチレン・α−
    オレフィンゴムのジエン含量の総和が15重量%以上で
    ある請求項1記載のエチレン・α−オレフィンゴム組成
    物と繊維との接着体の製造方法。
  3. 【請求項3】 オーバーコート処理液の固形分付着率が
    1〜12重量%である請求項1または2記載のエチレン
    ・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力
    伝動ベルトにおいて、心線としてエチレン・α−オレフ
    ィンエラストマーラテックスからなるレゾルシン−ホル
    マリン−ゴムラテックス液で付着処理した後、エチレン
    ・α−オレフィンゴムの未加硫ゴム組成物を溶剤に溶か
    したゴム糊でオーバーコート処理したコードをエチレン
    −α−オレフィンエラストマーからなる接着ゴム層に埋
    設したことを特徴とする動力伝動用ベルト。
  5. 【請求項5】 レゾルシン−ホルマリン−ゴムラテック
    ス液に使用するエチレン・α−オレフィンゴムのジエン
    含量とオーバーコート処理液に使用するエチレン・α−
    オレフィンゴムのジエン含量の総和が15重量%以上で
    ある請求項4記載の動力伝動用ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014121833A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Mitsuboshi Belting Ltd ベルトスリーブの製造方法

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