JP3174757B2 - 接着処理繊維及びこれを用いた動力伝動用ベルト - Google Patents
接着処理繊維及びこれを用いた動力伝動用ベルトInfo
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Description
れを用いた動力伝動用ベルトに係り、詳しくは接着処理
した心線と水素化ニトリルゴム配合物のような耐熱性ポ
リマーとの接着力を向上させ、そしてベルトの寿命を改
善した接着処理繊維及びこれを用いた動力伝動用ベルト
に関する。
社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム周辺の雰
囲気温度は、従来に比べて上昇し、伝動ベルトの使用環
境温度も高くなってきた。従来の伝動ベルトは主に天然
ゴム、スチレンーブタジエンゴム、クロロプレンゴムを
使用してきたが、 高温雰囲気下では、圧縮ゴム層が早
期に亀裂を発生することがあった。
て開発された水素化ニトリルゴムがVリブドベルト、V
ベルト、あるいは歯付ベルトに使用されている。また、
水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を使用し
たゴム配合物も伝動ベルトの弾性部材に使用されてい
る。これに応じて、心線である繊維コードと水素化ニト
リルゴムとの接着も改善されつつある。
組成物との接着において、特公昭60−24131号公
報には、カルボキシル基含有アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムラテックスからなるRFL液で処理する方法、
特公平5−41525公報、特公平5−41526公
報、特公平5−41527公報には、イソシアネート化
合物、エポキシ化合物及びシランカップリング剤から選
ばれた活性化合物、RFL液及びハロゲン含有重合体を
主成分とする接着剤組成物で処理する方法、特公平6−
41528公報にはエポキシ化合物あるいはイソシアネ
ート化合物で第1処理した後、RFL液で第2処理し、
そしてゴム配合物と塩化ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊で
第3処理する方法が開示されている。
基含有アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスか
らなるRFL液で処理する方法では、従来に比べて繊維
コードと水素化ニトリルゴムとの接着力は改善された
が、この処理コードを心線に用いた伝動ベルトを走行さ
せて繰り返し疲労を与えた場合には、早期に心線と接着
ゴム層とが界面剥離し、実使用上、接着力が不足してい
ることが明らかになった。
含有重合体を主成分とする接着剤組成物を使用する場合
には、ハロゲン含有重合体の使用は、地球環境上、制限
される可能性を含んでいる。
れた方法では、塩化ゴムが地球環境上、制限される可能
性を含んでおり、将来において継続的に安定した供給が
危ぶまれる問題を含んでいる。
含有重合体を使用せずに良好な接着力を得ることができ
る接着処理繊維と、この接着処理繊維を心線に用いてベ
ルトの寿命を改善した動力伝動用ベルトを提供すること
を目的とする。
の発明は、未処理繊維を、イソシアネート化合物又は/
及びエポキシ化合物を含む第1処理液で処理し、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムラテックスそして水素化ニ
トリルゴムラテックスから選ばれた少なくとも一種のゴ
ムラテックスを成分とするRFL液の第2処理液で処理
し、そしてニトリルゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊
とイソシアネート化合物からなり、イソシアネート化合
物と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物の重量
比が1/1〜1/3で、固形分濃度が3〜7%である第
3処理液で処理した接着処理繊維にある。とりわけ、本
発明では、イソシアネート化合物と該アクリロニトリル
−ブタジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3で、
固形分濃度が3〜7%とした第3処理液で処理している
ため、接着処理繊維とゴム組成物とは良好な剥離力を維
持する。また、この接着処理繊維は水素化ニトリルゴム
配合物との接合に適している。
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動ベルトにおいて、上記心
線として、未処理繊維コードを、イソシアネート化合物
又は/及びエポキシ化合物を含む第1処理液で処理し、
アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスそして水
素化ニトリルゴムラテックスから選ばれた少なくとも一
種のゴムラテックスを成分とするRFL液の第2処理液
で処理し、そしてアクリロニトリル−ブタジエンゴム配
合物を溶剤に溶かしたゴム糊とイソシアネート化合物か
らなり、イソシアネート化合物とアクリロニトリル−ブ
タジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3で、固形
分濃度が3〜7%である第3処理液で処理した処理繊維
コードを使用し、この処理繊維コードを水素化ニトリル
ゴム配合物からなる接着ゴム層に埋設した動力伝動用ベ
ルトにあり、耐熱接着性に優れた効果を発揮する。
含む弾性体層として、塩素含有量が15〜35重量%
で、硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるよ
うにクロロスルフォン化した直鎖状分子構造の低密度ポ
リエチレンのゴム組成物を用いた動力伝動用ベルトであ
り、高温環境下の走行でも心線と接着ゴム層との早期の
剥離が阻止され、圧縮ゴム層にも耐熱性ポリマーを使用
しているため、ベルトの寿命を高めることができる。
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなるVリブドベルトあるいはVベルト
から選ばれた摩擦伝動タイプの動力伝動用ベルトにあ
る。
向に沿って複数の歯ゴムと心線を埋設した背ゴムからな
る歯付ベルトにおいて、上記心線として、未処理繊維コ
ードを、イソシアネート化合物又は/及びエポキシ化合
物を含む第1処理液で処理し、アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴムラテックスそして水素化ニトリルゴムラテッ
クスから選ばれた少なくとも一種のゴムラテックスを成
分とするRFL液の第2処理液で処理し、そしてアクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム配合物を溶剤に溶かしたゴ
ム糊とイソシアネート化合物からなり、イソシアネート
化合物と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物の
重量比が1/1〜1/3で、固形分濃度が3〜7%であ
る第3処理液で処理した処理繊維コードを使用し、この
処理繊維コードを水素化ニトリルゴム配合物からなる接
着ゴム層に埋設した歯付ベルトにある。
ては、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニト
リルゴム(H−NBR)に不飽和カルボン酸金属塩を添
加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレ
ン(ACSM)、NBR、クロロプレンゴム(CR)、
クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)等を主
成分とし、これにカーボンブラックのような補強剤、充
填剤、軟化剤、老化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加
硫剤等が添加混合される。なかでも、水素化ニトリルゴ
ム配合物が最適である。
以上であり、耐熱性及び耐オゾン性の特性を発揮するた
めに好ましくは90%以上が良い。水素添加率80%未
満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性及び耐オゾン性が極
度に低下する。耐油性及び耐寒性を考慮すると、結合ア
クリロニトリル量は20〜45%の範囲が好ましい。
テフタレート繊維(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト繊維(PEN)、アラミド繊維、6−ナイロン等を素
材とするものであり、特に耐熱性を有する、ポリエチレ
ンレテフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊
維、アラミド繊維が好ましい。繊維の使用形態はコード
を初めとして織物、編物、スダレ等であり、動力伝動ベ
ルト以外にコンベヤベルト、タイヤのような動的な製品
の補強材に使用することができる。
れる。 (1)まず未処理繊維を、イソシアネート化合物又は/
及びエポキシ化合物を含む室温に設定した第1処理液に
0.5〜30秒間浸漬した後、150〜190°Cに調
節したオーブンに2〜5分間通して乾燥される。
ラテックス(NBRラテックス)そして水素化ニトリル
ゴムラテックス(H−NBRラテックス)から選ばれた
少なくとも一種のゴムラテックスを成分とするRFL液
である第2処理液で処理する。RFL液はレゾルシンと
ホルマリンの初期縮合物をゴムラテックスと混合したも
のであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は
3/1〜1/3にすることが接着力を高める上で好適で
ある。また、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、
ゴムラテックスのゴム分100重量部に対してその樹脂
分が5〜100重量部になるように混合した上、全固形
濃度を5〜40%濃度に調節される。
調節し、また浸漬時間は0.5〜30秒であり、220
〜250°Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱
処理される。
配合物を溶剤に溶かしたゴム糊とイソシアネート化合物
からなり、イソシアネート化合物と該アクリロニトリル
−ブタジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3で、
固形分濃度が3〜7%である第3処理液で処理する。こ
の場合の処理液の温度は5〜40°Cに調節し、また浸
漬時間は0.5〜30秒であり、140〜180°Cに
調節したオーブンに3〜7分間通して乾燥処理される。
化合物としては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネ
ート(例えば商品名としてPAPIがある)等がある。
このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケ
トン等の有機溶剤に混合して使用される。また、上記イ
ソシアネート化合物にフェノール類、第3級アルコール
類、第2級アルコール類等のブロック化剤を反応させて
ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化し
たブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、
ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチ
レングリコール等のポリアルキレングリコールとエピク
ロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との
反応生成物や、レゾルシン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ジメチルメタン、フェノール.ホルムアルデヒド
樹脂、レゾルシン.ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェ
ノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物
などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエ
チルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
とホルマリンの初期縮合物とニトリルゴムラテックスそ
して水素化ニトリルゴムラテックスから選ばれた少なく
とも一種のゴムラテックスとを混合したものであり、こ
の場合レゾルシンとホルマリンのモル比は3/1〜1/
3にすることが接着力を高めるうえで好適である。ま
た、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物は、これをゴ
ムラテックスのゴム分100重量部に対してその樹脂分
が5〜100重量部になるようにゴムラテックスと混合
したうえ、全固形濃度を5〜40%濃度に調節される。
ジエンゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊とイソシアネ
ート化合物からなる処理液は、イソシアネート化合物と
該アクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物の重量比
(1/1〜1/3)と固形分濃度(3〜7%)で制御さ
れる。重量比が1/1を越えると、処理液の存置安定性
が悪くなって接着処理途中に処理液が固化し、一方1/
3未満になると接着力が低下する。また、固形分濃度が
3%未満の場合、あるいは7%を越える場合には、接着
力が低下する。尚、処理液の固形分濃度は、処理液を秤
量瓶に取り、質量(W1 )を計る。採取した処理液をオ
ーブンに入れ、乾燥させる。質量が一定になるまで乾燥
を続け、最終質量(W2 )を計り、式W2 /W1 ×10
0(%)で算出する。
エンゴム配合物はアクリロニトリル−ブタジエンゴムに
カーボンブラックのような補強剤、充填剤、軟化剤、老
化防止剤、加硫助剤、硫黄のような加硫剤等を含有させ
たものであり、通常使用されるものである。
着処理した繊維コードを心線として使用した実施例を示
している。これによると、接着ゴム層3中ポリエチレン
レテフタレート繊維(PET)、ポリエチレンナフタレ
ート繊維(PEN)、アラミド繊維を素材とする高強度
で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム層3中に埋
設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を有して
いる。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向にのびる断
面略三角形の複数のリブ7が設けられ、またベルト表面
には付着したゴム付帆布5が設けられている。
ルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACS
M)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、NBR、ク
ロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチ
レンゴム(CSM)であり、耐熱劣化性の改良されたゴ
ムである。
ンは、、塩素含有量が15〜35重量%で、硫黄含有量
が0.5〜2.5重量%の範囲になるようにクロロスル
フォン化した直鎖状分子構造の低密度ポリエチレンであ
る。
層4には、ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、
綿、アラミドからなる短繊維を混入して圧縮ゴム層4の
耐側圧性を向上させるとともに、プーリと接する面にな
る圧縮ゴム層4の表面に該短繊維を突出させ、圧縮ゴム
層4の摩擦係数を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽
減する。これらの短繊維のうち、剛直で強度を有し、し
かも耐磨耗性を有するアラミド短繊維が最も効果があ
る。
発揮するためには、アラミド繊維の繊維長さは1〜20
mmで、その添加量はゴム100重量部に対して1〜3
0重量部である。このアラミド繊維は分子構造中に芳香
環をもつアラミド、例えば商品名コーネックス、ノーメ
ックス、ケブラー、テクノーラ、トワロン等である。
尚、アラミド短繊維の添加量が1重量部未満の場合に
は、圧縮ゴム層4のゴムが粘着しやすくなって磨耗する
欠点があり、また一方30重量部を越えると短繊維がゴ
ム中に均一に分散しなくなる。
ドは、分子構造の主鎖中に芳香環をもつアラミド、例え
ば商品名ケブラー、テクノーラ、トワロン等であり、1
〜3デニールのモノフィラメントを100〜3000本
収束したトータル300〜3100デニ−ルの無撚りの
原糸を2〜5本寄せ集め、これを上撚り数4〜50回/
10cmで上撚りして得たものである。無論、下撚り、
上撚りを施してもよいが、下撚りをするとRFL液がコ
ードの内部まで浸入しにくくなることがある。
が使用され、通常の水素化ニトリルゴムに通常のカーボ
ンブラックのような補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止
剤、加硫助剤、硫黄のような加硫剤等を含有させたもの
である。
みならず歯付ベルトにも使用される。歯付ベルト10
は、図2に示すようにベルト長手方向に沿って複数の歯
ゴム10と心線13を埋設した背ゴム14とからなり、
歯ゴム10の表面にはカバー帆布15を貼着している。
カットエッジタイプのVベルト21にも使用される。こ
のベルト21は、図3に示すように心線23を埋設した
接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上
記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム
付帆布22を積層している。
する。 実施例1〜5、比較例1〜4 先ず第1処理液の調合として、表1に示すようにトルエ
ン90重量部にPAPI−135(三菱化学ダウ社製ポ
リイソシアネート化合物)10重量部を加えて十分に攪
拌混合して処理液を作製した。
に水235.8重量部にレゾルシン11.0重量部、3
7%ホルマリン16.2重量部、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液3.0重量部を添加して十分に攪拌し、25°
Cで6時間熟成させる。別にNBRラッテクス(40%
ゴム分)100重量部に水59.2重量部を添加して攪
拌し、この中に上記レゾルシンーホルマリン反応液をゆ
っくりかき混ぜながら加えてゆき、均一に混合して25
°Cで20時間熟成し、処理液を作製した。
示す接着用ゴム配合に従ってニトリルゴム組成物を作製
した。配合方法は硫黄を混入しない前半はBP型バンバ
リーを用い、後半には硫黄を試験用ロール機に添加して
未加硫ゴムにシーティングした。そして、上記ゴム組成
物をトルエンに溶かして1〜9%の固形分濃度を有する
ゴム糊を作製し、更にこのゴム糊にイソシアネート化合
物(PAPI−135)を添加し、該イソシアネート化
合物とニトリルゴム配合物の重量比が1/4〜2/1に
なるように調節し、表4に示す10種類の第3処理液を
作製した。
ドを処理し、水素化ニトリルゴム配合物との接着ならび
に処理繊維コードを用いて作製したVリブドベルトの走
行試験を下記の通り行った。
29回/10cmのポリエチレンテレフタレート繊維か
らなるコードをコード処理機を用いて上記第1処理液に
浸漬した後、180°Cで4分間熱処理し、次いで第2
処理液に浸漬した後、230°Cで2分間熱処理し、更
に表4に示す第3処理液に浸漬した後、160°Cで5
分間乾燥処理した。
ム配合物との接着試験を行い、ゴムとコードとの剥離力
を測定した。この試験方法としては、まず処理繊維コー
ドを25mm幅に密に並べて上記水素化ニトリルゴム配
合物に温度150°C、圧力2MPaで30分間加圧密
着させ、幅25mm、長さ140mm、厚さ4mmのシ
ート状の試料を得、この試料を室温及び100°C雰囲
気下で引張試験機を用いて剥離力を求めた。更に、試料
を120°Cで8日間熱老化させた後、室温で測定し
た。この結果を表6と図3と図4に示す。
表5に示す水素化ニトリルゴム配合物をフリクションし
たゴム付き帆布を1プライ巻き付けた後、更にその上に
実施例2の処理繊維コードをスピニングし、そして表6
に示すACSMゴム配合物のゴムシートを巻き付けて成
形を終え、これを公知の方法で160°C、30分で加
硫して円筒状のゴムスリーブを得た。
従動ロールに装着し、張力を付与して回転し、同時に1
50メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨ホイ
ール1600rpmで回転させながらゴムスリーブに当
接しながらリブ部を研磨した。研磨機から取り出しゴム
スリーブを切断機に設置した後、回転しながら所定幅の
ベルトに切断した。得られたVリブドベルトはRMA規
格による長さ1100mmのK型3リブドベルトであ
り、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9mm、リ
ブ角度40°であった。
プーリ(直径120mm)、従動プーリ(直径45m
m)からなる3軸のプーリに巻き付け、テンションプー
リを調節して830Nの張力を与えた。走行条件は雰囲
気温度が85°C、駆動プーリの回転数が4900rp
m、、従動プーリ(直径1205mm)の負荷が12P
Sである。この装置を用いてベルトのリブ部に亀裂が発
生するか、あるいはコードがポップアウトするに要した
時間を測定した。この結果を表7に示す。
おいてイソシアネート化合物とニトリルゴム配合物の重
量比が1/1〜1/3で、固形分濃度が3〜7%の範囲
にあれば、図4と図5に示すようにゴムと繊維コードと
の剥離力が高い水準を維持している。しかし、イソシア
ネート化合物とアクリロニトリル−ブタジエンゴム配合
物の重量比が2/1を越えると、接着剤の安定性が悪く
て処理中に固化し始め、また1/3未満になると、ゴム
と繊維コードとの剥離力が急激に低下する傾向にある。
第3処理液の固形分濃度も3%未満になったり、7%を
越えるとゴムと繊維コードとの剥離力が低下することが
判る。
理液がイソシアネート化合物とアクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3で、固形分
濃度が3〜7%の範囲にあれば、繊維コードと接着ゴム
層との剥離力が高く、かつ接着処理コードも柔軟性を有
しているために、ベルトの寿命も長くなっていることが
判る。
は、未処理繊維を、イソシアネート化合物又は/及びエ
ポキシ化合物を含む第1処理液で処理し、アクリロニト
リル−ブタジエンゴムラテックスそして水素化ニトリル
ゴムラテックスから選ばれた少なくとも一種のゴムラテ
ックスを成分とするRFL液の第2処理液で処理し、そ
してアクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物を溶剤に
溶かしたゴム糊とイソシアネート化合物からなり、イソ
シアネート化合物と該アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム配合物の重量比が1/1〜1/3で、固形分濃度が3
〜7%である第3処理液で処理した接着処理繊維にあ
り、とりわけ第3処理液のイソシアネート化合物とアク
リロニトリル−ブタジエンゴム配合物の重量比が1/1
〜1/3で、固形分濃度が3〜7%とした第3処理液で
処理しているため、接着処理繊維とゴム組成物とは良好
な剥離力を維持し、特にこの接着処理繊維は水素化ニト
リルゴム配合物との接合に適している。
向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層を
含む弾性体層からなる動力伝動ベルトにおいて、上記心
線として、未処理繊維コードを、イソシアネート化合物
又は/及びエポキシ化合物を含む第1処理液で処理し、
アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスそして水
素化ニトリルゴムラテックスから選ばれた少なくとも一
種のゴムラテックスを成分とするRFL液の第2処理液
で処理し、そしてニトリルゴム配合物を溶剤に溶かした
ゴム糊とイソシアネート化合物からなり、イソシアネー
ト化合物と該ニトリルゴム配合物の重量比が1/1〜1
/3で、固形分濃度が3〜7%である第3処理液で処理
した処理繊維コードを使用し、この処理繊維コードを水
素化ニトリルゴム配合物からなる接着ゴム層に埋設した
動力伝動用ベルトにあり、屈曲疲労性に優れた効果を発
揮する。
含む弾性体層として、塩素含有量が15〜35重量%
で、硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるよ
うにクロロスルフォン化した直鎖状分子構造の低密度ポ
リエチレンのゴム組成物を用いた動力伝動用ベルトであ
り、高温環境下で走行しても心線と接着ゴム層との早期
の剥離を阻止し、圧縮ゴム層にも耐熱性ポリマーを使用
しているため、ベルトの寿命を高めることができる。
方向に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層
を含む弾性体層からなるVリブドベルトあるいはVベル
トから選ばれた摩擦伝動タイプの動力伝動用ベルトに適
用され、また本願請求項5記載の発明は歯付ベルトにも
適用される。
%に固定して、イソシアネート化合物とアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム配合物の重量比とゴムと繊維コード
との剥離力との関係を示したグラフである。
化合物とアクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物の重
量比を1/2に固定して、固形分濃度とゴムと繊維コー
ドとの剥離力との関係を示したグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム配合物との接合に適する接着処理繊
維であり、未処理繊維を、イソシアネート化合物又は/
及びエポキシ化合物を含む第1処理液で処理し、アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴムラテックスそして水素化ニ
トリルゴムラテックスから選ばれた少なくとも一種のゴ
ムラテックスを成分とするRFL液の第2処理液で処理
し、そしてアクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物を
溶剤に溶かしたゴム糊とイソシアネート化合物からな
り、イソシアネート化合物と該アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3で、固形分
濃度が3〜7%である第3処理液で処理したことを特徴
とする接着処理繊維。 - 【請求項2】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなる動力
伝動ベルトにおいて、上記心線として、未処理繊維コー
ドを、イソシアネート化合物又は/及びエポキシ化合物
を含む第1処理液で処理し、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴムラテックスそして水素化ニトリルゴムラテック
スから選ばれた少なくとも一種のゴムラテックスを成分
とするRFL液の第2処理液で処理し、そしてアクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム配合物を溶剤に溶かしたゴム
糊とイソシアネート化合物からなり、イソシアネート化
合物と該アクリロニトリル−ブタジエンゴム配合物の重
量比が1/1〜1/3で、固形分濃度が3〜7%である
第3処理液で処理した処理繊維コードを使用し、この処
理繊維コードを水素化ニトリルゴム配合物からなる接着
ゴム層に埋設したことを特徴とする動力伝動用ベルト。 - 【請求項3】 圧縮ゴム層を含む弾性体層として、塩素
含有量が15〜35重量%で、硫黄含有量が0.5〜
2.5重量%の範囲になるようにクロロスルフォン化し
た直鎖状分子構造の低密度ポリエチレンであるアルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレンのゴム組成物を用い
た請求項2記載の動力伝動用ベルト。 - 【請求項4】 ベルト長手方向に沿って心線を埋設した
接着ゴム層と、圧縮ゴム層を含む弾性体層からなるVリ
ブドベルトあるいはVベルトから選ばれた請求項2また
は3記載の動力伝動用ベルト。 - 【請求項5】 ベルト長手方向に沿って複数の歯ゴムと
心線を埋設した背ゴムからなる歯付ベルトにおいて、上
記心線として、未処理繊維コードを、イソシアネート化
合物又は/及びエポキシ化合物を含む第1処理液で処理
し、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックスそし
て水素化ニトリルゴムラテックスから選ばれた少なくと
も一種のゴムラテックスを成分とするRFL液の第2処
理液で処理し、そしてアクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム配合物を溶剤に溶かしたゴム糊とイソシアネート化合
物からなり、イソシアネート化合物と該アクリロニトリ
ル−ブタジエンゴム配合物の重量比が1/1〜1/3
で、固形分濃度が3〜7%である第3処理液で処理した
処理繊維コードを使用し、この処理繊維コードを水素化
ニトリルゴム配合物からなる接着ゴム層に埋設したこと
を特徴とする歯付ベルト。
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JP9-205328 | 1997-07-14 | ||
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