JP2003294087A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

動力伝動用ベルト

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JP2003294087A
JP2003294087A JP2002096317A JP2002096317A JP2003294087A JP 2003294087 A JP2003294087 A JP 2003294087A JP 2002096317 A JP2002096317 A JP 2002096317A JP 2002096317 A JP2002096317 A JP 2002096317A JP 2003294087 A JP2003294087 A JP 2003294087A
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JP
Japan
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power transmission
belt
rubber layer
mass
rubber
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JP2002096317A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takehara
剛 竹原
Toshimichi Takada
俊通 高田
Hitoshi Hanesaka
仁志 羽坂
Takeshi Kimura
武志 木村
Yasutsugu Kunihiro
康嗣 国広
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 寒冷地においてもベルト耐久性が高く、高温
下の使用が可能で、耐摩耗性、耐屈曲性に優れた動力伝
動用ベルトを提供する。 【解決手段】 Vベルト6は、接着ゴム層9内にベルト
長手方向に沿って心線11が埋め込まれ、接着ゴム層9
の上部下部に隣接して伸張ゴム層7と圧縮ゴム層10を
有し、伸張ゴム層7はその表面に基布8が積層した構造
を有する。この圧縮ゴム層10は、アルキル化クロロス
ルフォン化ポリエチレン100質量部に対して、ポリパ
ラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維が1〜40
質量部、加硫促進剤が0.5〜10質量部、架橋助剤が
0.1〜10質量部配合されたゴム組成物で構成されて
いる。また必要に応じて、アラミド繊維を併用して配合
しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等に用いられ
る動力伝動ベルトに関し、特に寒冷下の走行においても
耐久性の高い動力伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム工業分野、なかでも自動車用
部品の高機能、高性能に伴って、厳しい使用環境にも耐
えうるゴム製品が望まれている。ゴム製品は、原料ゴム
の選定及び配合剤等の組み合わせによりその特性が定ま
るが、近年では補強性、耐摩耗等を改善する目的で短繊
維を配合することが一般になされている。
【0003】自動車用部品に用いられるゴム製品のなか
に動力伝動用ベルトがあり、例えば自動車のエアーコン
プレッサーやオルタネータ等の補機駆動の動力伝動に広
く利用されている。この種のベルトでは、リブ部に綿、
ナイロン、ビニロン、レーヨン、アラミド繊維などの短
繊維群をベルト幅への配向性を保って埋設することによ
り、ベルトの摩擦伝動部の耐側圧性を高め、更に埋設し
た短繊維の一部をベルト側面より意図的に突出させるこ
とによって、リブ部の摩擦性能および粘着による発音の
抑止効果を奏する。また自動車のエンジンルーム内の雰
囲気温度が従来に比べて上昇してきていることから、伝
動ベルトに対する耐熱性の要求も高くなっており、この
種の伝動ベルトのゴム材料として、耐熱性に優れたクロ
ロスルホン化ポリエチレン系ゴムを使用することが検討
されている。しかし、この種のゴム材は、耐久性、低温
特性(耐寒性)の面で問題があり、特に寒冷地における
ベルト耐久性の低下が指摘されていた。
【0004】このため、特許第2614547号では、
クロロスルホン化ポリエチレン分子の主鎖にアルキル基
を導入して結晶化度を低減させるようにしたアルキル化
クロロスルホン化ポリエチレン(以下、ACSMとい
う。)を伝動ベルトの圧縮ゴムとして用いることが提案
されている。即ち、この発明は、上記ACSMの塩素含
有量を15〜35重量%、硫黄含有量を0.5〜2.5
重量%とすることにより、伝動ベルトの低温特性の向上
を図るものである。
【0005】また、特許第2983894号では、クロ
ロスルホン化ポリエチレン分子の主鎖にアルキル基を導
入して結晶化度を低減させるようにしたACSMを伝動
ベルトの圧縮ゴムとして用いることが記載されている。
ここでは、ACSMの温度100℃、振動数10Hzで
のtanδ(損失正接)が0.08〜0.15の範囲内
とし、クラックの発生の抑制を図っている。
【0006】そして、この種の伝動ベルトの耐久性をさ
らに向上させるために、摩擦伝動部の両側壁面に突出さ
せる短繊維としてアラミド繊維を用いることで、アラミ
ド繊維特有の耐摩耗性によるベルト自体の耐久性の向上
を意図した技術が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルトの圧縮
ゴム層内に埋設させたアラミド繊維をリブ部表面から突
出させ、あるいは突出して折れ曲げた場合には、アラミ
ド繊維の剛性が高過ぎて、ベルト走行時に耳ざわりなこ
すれ音が発生することが問題となっていた。また、伝動
ベルトのなかで変速ベルトは最も使用条件が厳しく、自
動車業界の動向としては排気量が更に大きいエンジンに
適用される傾向にある。更に、省エネルギー化、コンパ
クト化の社会的要請を背景に、より使用条件が厳しくな
っているのが現状であり、耐摩耗性、耐圧縮性に加え
て、耐屈曲性の要求がすすんでいる。これら近年求めら
れる要求では、耐摩耗性に優れるといわれるアラミド繊
維でも不十分である場合があった。
【0008】上記問題に鑑みて本発明者が鋭意研究を重
ねた結果、寒冷地においてもベルト耐久性が高く、高温
下の使用が可能で、耐摩耗性、耐屈曲性に優れた動力伝
動用ベルトを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1記載の発
明は、ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した接着ゴム
層と、圧縮ゴム層とからなる動力伝動用ベルトにおい
て、少なくとも上記圧縮ゴム層が、ポリパラフェニレン
ベンゾビスオキサゾール繊維を含有するアルキル化クロ
ロスルフォン化ポリエチレン組成物で構成されているこ
とを特徴とする動力伝動用ベルトにある。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の動
力伝動用ベルトにあって、アルキル化クロロスルフォン
化ポリエチレン100質量部に対して、ポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール繊維が1〜40質量部添加
されていることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の動力伝動用ベルトにあって、アルキル化クロロス
ルフォン化ポリエチレン組成物に、アラミド繊維が併用
して配合されてなることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項3記載の動
力伝動用ベルトにあって、ポリパラフェニレンベンゾビ
スオキサゾール繊維100質量部に対してアラミド繊維
が150質量部以下の割合で配合されてなることを特徴
とする。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の動力伝動用ベルトにあって、アルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレン組成物に、アルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレン100質量部に対し
て、加硫促進剤が0.5〜10質量部、架橋助剤が0.
1〜10質量部配合されてなることを特徴とする。
【0014】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれかに記載の動力伝動用ベルトにあって、アルキル
化クロロスルフォン化ポリエチレン組成物のtanδピ
ーク温度が−45〜−15℃であることを特徴とする。
【0015】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の動力伝動用ベルトにあって、動力伝動
用ベルトとは、ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した
接着ゴム層と、ベルト長さ方向に延びる複数のリブ部を
有する圧縮ゴム層とからなるVリブドベルトであること
を特徴とする。
【0016】請求項8記載の発明は、請求項1乃至6の
いずれかに記載の動力伝動用ベルトにあって、動力伝動
用ベルトとは、ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した
接着ゴム層と、圧縮ゴム層とからなるVベルトであるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
いずれかに記載の動力伝動用ベルトにあって、少なくと
もポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール短繊維
は、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そしてエ
ポキシ系樹脂とアルキルフェノール・ホルムアルデヒド
樹脂を含む処理液により接着処理が施されてなることを
特徴とする。
【0018】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
動力伝動用ベルトにあって、少なくともポリパラフェニ
レンベンゾビスオキサゾール短繊維は、ニトリルゴム変
性エポキシ樹脂もしくは/そしてエポキシ系樹脂とアル
キルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂を含む処理液
と、RFL液により接着処理が施されてなることを特徴
とする。
【0019】請求項11記載の発明は、請求項9または
10に記載の動力伝動用ベルトにあって、アルキルフェ
ノール・ホルムアルデヒド樹脂とニトリルゴム変性エポ
キシ樹脂もしくは/そしてエポキシ樹脂との質量比が2
/10〜10/10であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
説明する。図1に本発明に係る動力伝動用ベルトの一例
としてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト1は、
接着ゴム層2内にベルト長手方向に沿って心線3が埋設
され、接着ゴム層2の下部に、ベルト長手方向に複数の
リブを設けた圧縮ゴム層4を有している。また接着ゴム
層2の上部には、伸張層として基布5が積層した構造を
有する。
【0021】基布5は、織物、編物、不織布から選択さ
れる帆布である。構成する繊維素材としては、公知公用
のものが使用できるが、例えば綿、麻等の天然繊維や、
金属繊維、ガラス繊維等の無機繊維、そしてポリアミ
ド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ
スチレン、ポリフロルエチレン、ポリアクリル、ポリビ
ニルアルコール、全芳香族ポリエステル、アラミド等の
有機繊維が挙げられる。
【0022】上記基布5は、公知技術に従ってレゾルシ
ン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬後、
未加硫ゴムを基布5に擦り込むフリクションを行った
り、またRFL液に浸漬後にゴムを溶剤に溶かしたソー
キング液に浸漬処理する。尚、RFL液には適宜カーボ
ンブラック液を混合して処理反を黒染めしたり、公知の
界面活性剤を0.1〜5.0質量%加えてもよい。
【0023】心線3としては、ポリエステル繊維、アラ
ミド繊維、ガラス繊維が使用され、中でもエチレン−
2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエス
テル繊維フィラメント群を撚り合わせた総デニール数が
4,000〜8,000の接着処理したコードが、ベル
トスリップ率を低くでき、ベルト寿命を延長させるため
に好ましい。このコードの上撚り数は10〜23/10
cmであり、また下撚り数は17〜38/10cmであ
る。総デニールが4,000未満の場合には、心線のモ
ジュラス、強力が低くなり過ぎ、また8,000を越え
ると、ベルトの厚みが厚くなって、屈曲疲労性が悪くな
る。
【0024】エチレン−2,6−ナフタレートは、通常
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸またはそのエステル
形成性誘導体を触媒の存在下で適当な条件のもとにエチ
レングリコールと縮重合させることによって合成させ
る。このとき、エチレン−2,6−ナフタレートの重合
完結前に適当な1種または2種以上の第3成分を添加す
れば、共重合体ポリエステルが合成される。
【0025】また、心線3にはゴムとの接着性を改善す
る目的で接着処理が施される。このような接着処理とし
ては繊維をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RF
L)液に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形
成するのが一般的である。しかし、これに限ることなく
エポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった
後に、RFL液で処理する方法等もある。具体的には、
(1)未処理コードを、エポキシ化合物やイソシアネー
ト化合物を主成分とした前処理液を入れたタンクに含浸
してプレディップした後、(2)160〜200℃に温
度設定した乾燥炉に30〜600秒間通して乾燥し、
(3)続いてRFL処理液を入れたタンクに浸漬し、
(4)210〜260℃に温度設定した延伸熱固定処理
機に30〜600秒間通して−1〜3%延伸して処理コ
ードとする。
【0026】接着処理されたコードは、スピニングピッ
チ、即ち心線の巻き付けピッチを1.0〜1.3mmに
することで、モジュラスの高いベルトに仕上げることが
できる。1.0mm未満になると、コードが隣接するコ
ードに乗り上げて巻き付けができず、一方1.3mmを
越えると、ベルトのモジュラスが徐々に低くなる。
【0027】上記圧縮ゴム層4は、塩素含有量15〜3
5質量%、好ましくは25〜32質量%で、かつ硫黄含
有量が0.5〜2.5質量%の範囲になるようなACS
Mのゴム組成物が用いられる。ACSMの優れた低温特
性は、ACSMのアルキル側鎖が塩素と同様にポリエチ
レンの結晶を阻害する役割を果たすため、ポリエチレン
の結晶を残すことなく塩素含有量を35質量%以下にす
ることができる。その結果、低温領域では塩素間の凝集
力が弱まり耐低温性が向上するのである。また、高温領
域においても塩素より不活性なアルキル側鎖の存在によ
って反応性が低くなり、耐熱性が向上する。塩素含有量
は15質量%〜35質量%が必要であり、35質量%を
越えると耐寒性、耐熱性が十分でない。一方、15質量
%未満では耐油性及び機械的な強度が十分でない。ま
た、耐油性、耐熱性、耐寒性のバランスをとるために
は、好ましい含有量は25質量%〜32質量%である。
【0028】ここで使用する受酸体は特に限定されない
が、酸化マグネシウム−酸化アルミニウム固溶体が好ま
しく、その具体例として協和化学工業(株)製のKW−
2000、KW−2100等がある。
【0029】この受酸体の添加量はACSM100質量
部に対して1〜50質量部、好ましくは4〜20質量部
であり、この場合酸化マグネシウム−酸化アルミニウム
固溶体が1質量部未満では、架橋中に発生する塩化水素
を充分に除去することができないため、ACSMの架橋
点が少なくなって所定の加硫物が得られず、耐熱性に欠
けて早期にクラックの発生しやすいベルトになる。一
方、50質量部を越えるとムーニー粘度が著しく高くな
り加工仕上げの問題が生じる。この酸化マグネシウム−
酸化アルミニウム固溶体をそのまま混練時に添加しても
さしつかえないが、分散性を改善するために前もってス
テアリン酸ソーダ等のアニオン系界面活性剤やシランカ
ップリング剤等により処理して使用することも可能であ
る。
【0030】前記ACSMゴム組成物は、通常用いられ
るカーボンブラック、可塑剤、老化防止剤、加工助剤、
粘着剤、加硫促進剤、短繊維等と共に使用することがで
きる。ここで、カーボンブラックとしてはヨウ素吸着量
が40mg/gのものが好ましく用いられる。
【0031】可塑剤としてはセバケート系オイル、ポリ
エーテル系オイル、アジペート系オイルのうちのいずれ
か一つ以上を使用することが好ましい。これによってA
CSMの低温特性を一層向上させることができる。この
可塑剤は、ACSM100質量部に対して5〜30質量
部添加することが望ましい。
【0032】また、架橋助剤(co−agent)を配
合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題
を防止することができる。架橋助剤として挙げられるも
のとしては、TIAC、TAC、1,2ポリブタジエ
ン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジ
ン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、N−N’−m−フェ
ニレンジマレイミド、硫黄などがあるが、好ましくはN
−N’−m−フェニレンジマレイミドが用いられる。こ
の架橋助剤は、ACSM100質量部に対して0.1〜
10質量部添加することが望ましい。0.1質量部未満
の場合には、架橋密度が小さくなり耐摩耗性、耐粘着摩
耗性改善効果が小さく、一方10質量部を越えると加硫
ゴムの伸びの低下が著しく、耐屈曲性に問題が生じる。
【0033】加硫促進剤としては、例えばチウラム系加
硫促進剤、具体的にはジペンタメチレンチウラムテトラ
スルフィドがあげられる。このような加硫促進剤を0.
5〜10質量部配合することで加硫を速やかに進行し、
架橋度をあげて粘着摩耗等の問題を防止することができ
る。
【0034】そして、ACSM組成物にはポリパラフェ
ニレンベンズビスオキサゾール繊維が配合される。ポリ
パラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維(PBO繊
維)は、ジアミノレゾルシノールとテレフタル酸をポリ
リン酸溶媒中で縮重合したポリマーを紡糸することで得
られる。従来の凡用繊維よりもはるかに高い物性値を有
し、例えば機械的物性においてはアラミド繊維以上の強
度及び弾性率を示す。また、アラミド繊維に比べて耐切
創性が高いというのも大きな特徴である。
【0035】上記理由からPBO短繊維をASCM組成
物に配合すると、高い補強効果及び耐摩耗効果を付与で
きる。またアラミド繊維に比べ耐切創性が高いことか
ら、動力伝動用ベルトの圧縮ゴム層にPBO短繊維を含
有するゴムを用いた際、短繊維がゴム表面を覆う効果が
アラミド短繊維よりも高く、ひいては走行時に発生する
騒音減少効果に優れると共にその持続性が期待できる。
しかしその分子骨格上、官能基をほとんど含有していな
いことから従来の短繊維と比べてゴムとの接着が困難で
あり、特殊な接着処理が必要となる。
【0036】よってACSM組成物に分散して配合する
PBO短繊維は、下記方法によって接着処理されること
が好ましい。まず未処理繊維をフィラメントの状態で、
ニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そしてエポキ
シ樹脂、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、
架橋剤、そして溶剤からなる室温設定した処理液に0.
5〜30秒間浸漬した後、150〜250°Cに調節し
たオーブンに1〜5分間通して乾燥される。この処理を
行うことで該処理液が短繊維内部まで浸透してフィラメ
ントの接着性が改善される。尚、作業性の良好さ及び接
着効果並びに短繊維の分散性を考慮すると、処理液の固
形分濃度は1〜20質量%に調節されることが好まし
い。溶剤としてはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンが用いら
れる。
【0037】ニトリルゴム変性エポキシ樹脂は、分子内
に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂をニトリル
ゴムで変性したエポキシプレポリマーであり、ベースの
エポキシとしては、グリセリン、プロピレングリコール
類とエピクロルヒドリン等のハロゲン含有エポキシ化合
物との反応生成物、又はヒドロキノン、ビスフェノール
A等の多価フェノールとハロゲン含有エポキシ類との反
応生成物が使用される。特に、末端に2個のエポキシ基
を持つビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用したもの
が好適である。
【0038】アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂は、フェノールあるいはクレゾール、クロロフェノー
ルなどの1価フェノール、又はレゾルシン、カテコール
などの多価フェノールの1種又は2種以上のフェノール
と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの1種又
は2種以上のアルデヒドとを酸あるいはアルカリ触媒の
存在下で縮合したものである。
【0039】上記アルキルフェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そし
てエポキシ樹脂の質量比は2/10〜10/10が好ま
しい。2/10未満の場合にはゴムとの接着性が低下
し、一方10/10を超えると、ゴムとの接着性が低下
すると共に処理剤の可撓性が低下するため短繊維の柔軟
性が低下する。
【0040】架橋剤としては、3級アミン、イミダゾー
ル、酸無水物などが使用される。特に、3級アミンが好
適である。通常、エポキシ樹脂に対し3〜30質量%の
範囲で使用される。
【0041】尚、場合に応じて以下の後処理を施すこと
が好ましい。上記処理液を含浸させたPBO繊維をレゾ
ルシン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスを混合
したRFL液で処理する。この場合、レゾルシンとホル
マリンのモル比は3/1〜1/3にすることが接着力を
高める上で好適である。また、RFL液はレゾルシン・
ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスの固形分質量比
が1/1〜1/5で、かつRFL液の固形分付着量が3
〜10質量%であることがRFL液による接着力の効果
を高める上で好ましい。1/1を超えると、短繊維の凝
集力が大きくなって分散性が悪くなり、逆に1/5未満
になると、ゴムと短繊維との接着力が低下し、引張強さ
も低下する。更に、RFL液の固形分付着量が10質量
%を超えると、処理液が固まって短繊維のフィラメント
同士が分割しにくくなり、逆に3質量%未満の場合には
RFL液による分散性及び引張強さの向上効果が期待で
きない。また、ゴムラテックスとしては、スチレン−ブ
タジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロスルフ
ォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エピクロル
ヒドリン、天然ゴム、SBR、クロロプレンゴム、オレ
フィン−ビニルエステル共重合体、EPDM、CSM、
ACSM等のラテックスが挙げられる。尚、接着処理を
施す際の処理液の温度は5〜40°Cに調節し、また浸
漬時間は0.5〜30秒であり、200〜250°Cに
調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理される。
【0042】さらに、上記処理に加えオーバーコート処
理することも可能である。ゴム配合物をトルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトンなどの
脂肪族ケトンから選ばれた、ゴム配合物の良溶媒となる
溶剤に溶かしたゴム糊に浸漬しオーバーコート処理す
る。浸漬時間は0.5〜30秒であり、80〜200°
Cに調節したオーブンに1〜3分間通して熱処理され
る。
【0043】尚、PBO繊維の接着処理方法としては、
上記に限ることなく、例えば特公昭60−24131号
公報に記載されているカルボキシル基含有アクリロニト
リル−ブタジエンゴムラテックスからなるRFL液で処
理する方法、特公平5−41525公報、特公平5−4
1526公報、特公平5−41527公報に記載されて
いるイソシアネート化合物、エポキシ化合物及びシラン
カップリング剤から選ばれた活性化合物、RFL液及び
ハロゲン含有重合体を主成分とする接着剤組成物で処理
する方法、特公平6−41528公報に記載されている
エポキシ化合物あるいはイソシアネート化合物で第1処
理した後、RFL液で第2処理し、そしてゴム配合物と
塩化ゴムを溶剤に溶かしたゴム糊で第3処理する方法な
ども用いることができる。
【0044】上記の如く接着処理を施したPBO繊維を
所望の長さにカットし、短繊維を得ることができる。本
発明で使用するPBO短繊維は、繊維長1〜20mm、
繊維径が1〜3デニールのものが適当である。また、上
記ゴム層中の短繊維の方向はベルトの長手方向に対して
直角方向を向いているのを90°としたときほとんどの
短繊維が70°〜110°の範囲内に配向されているこ
とが望ましい。尚、PBO繊維は列理直角方向伸びが大
きく、アラミド短繊維を配合した場合に比べて耐屈曲性
に優れる。
【0045】ゴム組成物におけるPBO短繊維の好適な
配合条件としては、PBO繊維の繊維長さは1〜20m
mで、その配合量はASCM100質量部に対して1〜
40質量部であることが好ましい。尚、PBO短繊維の
添加量が1質量部未満の場合には、圧縮ゴム層4のゴム
が粘着しやすくなって摩耗する欠点があり、また一方4
0質量部を超えると短繊維がゴム中に均一に分散しなく
なりクラックが発生しやすくなる。また、PBO短繊維
を単独に添加することは必須ではなく、他の素材からな
る短繊維を添加することも可能である。この場合、耐摩
耗性、補強性を考慮するとアラミド繊維を選択すること
が好ましい。この際、PBO繊維とアラミド繊維は、ポ
リパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維100質
量部に対してアラミド繊維が150質量部以下となるよ
うな割合で配合すると良い。
【0046】PBO短繊維含有ゴム組成物を作製する方
法としては、まず第1ステップのマスターバッチ練りと
して、バンバリミキサーのような密閉式混練機に、AC
SM100質量部に1〜40質量部の短繊維と1〜10
質量部の軟化剤を投入して混練した後、混練したマスタ
ーバッチをいったん放出し、これを20〜50°Cまで
冷却する。これはゴムのスコーチを防止するためであ
る。次いで、得られたマスターバッチに所定量の補強
剤、充填剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫剤等をバン
バリミキサー、オープンロールを用いて仕上げ練りす
る。また、ゴム種によっては混練したマスターバッチを
いったん放出し、冷却する必要はなく、連続して仕上げ
練りを行うことも可能である。尚、混練り方法として
は、上記方法に限るものでなく、また混練り手段も例え
ばバンバリーミキサー、ロール、ニーダー、そして押出
機等限定するものでなく、適宜公知の手段、方法によっ
て混練することができる。また加硫方法も限定されるも
のでなく、モールド加熱、熱空気加熱、回転ドラム式加
硫機、射出成形機等の加硫装置を用いた公知の手段で加
硫される。
【0047】そして、ACSM組成物はtanδピーク
温度が−45〜−15℃、更に好ましくは−35〜−2
0℃の範囲内となるように調整する。これにより、低温
雰囲気下においても使用することが可能となる。
【0048】ここで、tanδは、加硫ゴムの動的性質
試験(JISK6394)等によって測定されるもの
で、ゴム組成物に加えられる機械的エネルギーの熱とし
ての散逸され易さ、換言すればゴム組成物に加えられる
機械的エネルギーの貯蔵され難さを表わすものである。
したがって、このtanδの最大値、即ち、変曲点の温
度、本発明でいうところのtanδピーク温度は、ゴム
組成物の特性の大きく変わる点を表し、その温度は、ゴ
ムのガラス転移温度Tgと相関関係がある。
【0049】一般に、ゴムの粘弾性は、ゴム製品の性能
に大きな影響を与え、粘弾性に最も影響を与えるのはゴ
ムのガラス転移温度Tgである。このガラス転移温度T
gを境にゴムは弾性率、誘電率、熱膨張等の特性値が急
激に変化する。このガラス転移温度Tg以下の温度で
は、主鎖セグメントの運動は凍結され、架橋ゴムはガラ
ス状となり弾性を失う。したがって、このガラス転移温
度Tg、即ち、tanδピーク温度の低いものほど、低
温で使用できるゴムであるといえる。
【0050】このACSMのtanδピーク温度は、例
えば可塑剤としてセバケート系オイル、ポリエーテル系
オイル、アジペート系オイルのうちのいずれか一つ以上
を添加することで、ACSMのtanδピーク温度を−
45〜−15℃、好ましくは−35〜−20℃の範囲内
とすることができる。尚、これら可塑剤は、ACSMの
tanδピーク温度を−45〜−15℃、好ましくは−
35〜−20℃の範囲内に調整できる一手段であり、A
CSMのtanδピーク温度を−45〜−15℃、好ま
しくは−35〜−20℃の範囲内に調整できるものであ
れば、これら可塑剤に限定されるものでなく、他の配合
剤であっても良い。
【0051】前記の如く配合剤を添加したACSM組成
物で、圧縮ゴム層4を構成することにより、耐側圧性が
向上するとともに、プーリと接する面となる圧縮ゴム層
4の表面に該短繊維が突出し、圧縮ゴム層4の摩擦係数
を低下させて、ベルト走行時の騒音を軽減する。また該
短繊維の機械的物性が高いことからベルト補強効果に優
れると共に耐摩耗効果がある。更に、低温下において
も、良好な耐久性を呈する。
【0052】一方、接着ゴム層2は圧縮ゴム層4と同種
のゴムが使用可能である。配合物として短繊維は混入し
ないほうが好ましいが、必要に応じてカーボンブラッ
ク、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクの
ような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のよ
うな通常のゴム配合に用いるものが使用される。
【0053】次にVリブドベルト1の製造方法の一例を
以下に示す。まず、円筒状の成形ドラムの周面に基布と
接着ゴムを巻き付けた後、この上にロープからなる心線
を螺旋状にスピニングし、更にACSM組成物からなる
圧縮ゴムを順次巻き付けて積層体を得た後、これを加硫
して加硫スリーブを得る。次に、加硫スリーブを駆動ロ
ールと従動ロールに掛架し、所定の張力下で走行させ、
更に回転させた研削ホイールを走行中の加硫スリーブに
当接するように移動して加硫スリーブの圧縮ゴム層表面
に3〜100個の複数の溝状部を一度に研削する。この
ようにして得られた加硫スリーブを駆動ロールと従動ロ
ールから取り外し、該加硫スリーブを他の駆動ロールと
従動ロールに掛架して走行させ、カッターによって所定
に幅に切断して個々のVリブドベルトに仕上げる。
【0054】尚、上記Vリブドベルト1は本発明の実施
の一形態であって、これに限定されるものではない。例
えば、本発明に係る動力伝動ベルトの他の一例としてV
ベルト6を図2に示す。Vベルト6は、接着ゴム層9内
にベルト長手方向に沿って心線11が埋め込まれ、接着
ゴム層9の上部下部に隣接して伸張ゴム層7と圧縮ゴム
層10を有し、伸張ゴム層7はその表面に基布8が積層
した構造を有する。尚、必要に応じて、圧縮ゴム層10
にベルト長手方向に所定間隔でコグ部を設けてもよい。
また、この圧縮ゴム層10は本発明に係るPBO短繊維
が1〜40質量部、更に好ましくは10〜30質量部配
合されたACSM組成物で構成されている。尚、各々の
ゴム層には上述のVリブドベルト1と同様のゴムを使用
することができる。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。1,100dtex/667filamentの
構成を有するPBO繊維を表1に示す前処理液に浸漬し
た後、200°Cで1分間熱処理した。次に表2に示す
RFL液に浸漬した後、200°Cで1分間熱処理し
た。この処理原糸をカットし、繊維長3mm、繊維径
1.7dtexのPBO短繊維を得た。また、1,67
0dtex/1,000filamentの構成を有す
るアラミド繊維を表2に示す示すRFL液に浸漬した
後、200°Cで1分間熱処理した。この処理原糸をカ
ットし、繊維長3mm、繊維径1.7dtexのアラミ
ド短繊維を得た。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】得られた短繊維を夫々表3に示す配合でバ
ンバリーミキサーにて混練りし、ロールにて圧延して厚
み1mmのゴムシートが得られた。また短繊維は圧延ロ
ールによりゴムの押出し方向に配向されている。このゴ
ムシートを型に入れて150°Cで30分加硫し、得ら
れたゴム組成物の物性を測定した。DIN摩耗試験はJ
IS K 6264により試験し、サンプルは摩耗面に
対し垂直に短繊維が配向するよう作製した。測定結果を
表3に併記する。
【0059】
【表3】
【0060】また上記で得られたゴムシートを圧縮ゴム
層に用いたカットエッジVベルトを作製した。カットエ
ッジVベルトの製造工程として、まず、円筒状モールド
に経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にACSMゴムを
フリクションしたゴム付帆布を2プライ巻き付けた後、
ACSM組成物からなる接着ゴムシートを巻き、その上
にポリエステル繊維からなるコードをスピニングし、そ
して先に得られたゴムシートからなる圧縮ゴム層、更に
ACSMゴムをフリクションしたゴム付帆布2プライを
順に巻き付けて成形を終えた。これを公知の方法で16
0°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを
得た。尚、比較例2は、円筒状モールドに経糸と緯糸と
が綿糸からなる平織物にクロロプレンゴムをフリクショ
ンしたゴム付帆布を2プライ巻き付けた後、クロロプレ
ン組成物からなる接着ゴムシートを巻き、その上にポリ
エステル繊維からなるコードをスピニングし、そして先
に得られたゴムシートからなる圧縮ゴム層、更にクロロ
プレンゴムをフリクションしたゴム付帆布2プライを順
に巻き付けて成形されてなる。
【0061】上記加硫ゴムスリーブを切断機に設置した
後、回転しながら切断した。更に、得られたベルトの両
端をカットして、カットエッジVベルトが得られた。
【0062】作製したカットエッジVベルトは、心線が
接着ゴム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を2
プライ積層し、他方接着ゴム層の下側にはゴム圧縮部が
設けられ、表面にゴム付綿帆布を2プライ積層されてな
る。
【0063】得られたカットエッジVベルトを用いて、
図3に示すレイアウトにて走行試験し、V芯ゴム部に心
線まで達するクラックが発生するまでの時間を測定し
た。結果を表3に併記する。
【0064】この結果、ACSM組成物をベースとし、
PBO短繊維を単独で配合した実施例は、アラミド繊維
を単独で配合した比較例に比べて、強力、耐摩耗性とい
った物性値が高く、耐久性が優れていることが分かる。
なかでも耐摩耗性についてはアラミドよりも高い効果が
見られる。またPBO短繊維は単独でACSM組成物に
配合するのみならず、アラミド繊維と併用しても高い効
果を奏することも判明した。更に、実施例はクロロプレ
ンゴム組成物をベースとした比較例と比べて耐久性が高
いことも判明した。
【0065】
【発明の効果】以上のように本願請求項記載の発明で
は、少なくとも上記圧縮ゴム層が、PBO繊維を含有す
るACSM組成物で構成された動力伝動用ベルトであっ
て、耐寒性、耐熱性に優れた性質を有すると共に、高い
耐摩耗性、耐久性を付与できることが判明した。またP
BO繊維は特定割合で配合することが望ましく、加硫促
進剤、加硫助剤を特定量併用することでその性能を充分
に発揮できる。しかもPBO短繊維は、アラミド短繊維
を併用しても高い効果を奏する。更に、PBO繊維に特
定の接着処理を施することでACSMとの接着性が改善
され、その成分を特定することで高い接着性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝動用ベルトであるVリブド
ベルトの断面斜視図である。
【図2】本発明に係る動力伝動用ベルトであるVベルト
の断面斜視図である。
【図3】ベルトクラック発生時間測定に係る走行試験の
レイアウトを示す図である。
【符号の説明】
1 Vリブドベルト 2 接着ゴム層 3 心線 4 圧縮ゴム層 5 基布 6 Vベルト 7 伸張ゴム層 8 基布 9 接着ゴム層 10 圧縮ゴム層 11 心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 武志 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 国広 康嗣 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB271 EG017 EH047 EP027 ER027 EV166 FD156 FD157 GM01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長さ方向に沿って心線を埋設した
    接着ゴム層と、圧縮ゴム層とからなる動力伝動用ベルト
    において、少なくとも上記圧縮ゴム層が、ポリパラフェ
    ニレンベンゾビスオキサゾール繊維を含有するアルキル
    化クロロスルフォン化ポリエチレン組成物で構成されて
    いることを特徴とする動力伝動用ベルト。
  2. 【請求項2】 アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
    レン100質量部に対して、ポリパラフェニレンベンゾ
    ビスオキサゾール繊維が1〜40質量部添加されている
    請求項1記載の動力伝動用ベルト。
  3. 【請求項3】 アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
    レン組成物に、アラミド繊維が併用して配合されてなる
    請求項1または2記載の動力伝動用ベルト。
  4. 【請求項4】 ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール繊維100質量部に対してアラミド繊維が150質
    量部以下の割合で配合されてなる請求項3記載の動力伝
    動用ベルト。
  5. 【請求項5】 アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
    レン組成物に、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
    レン100質量部に対して、加硫促進剤が0.5〜10
    質量部、架橋助剤が0.1〜10質量部配合されてなる
    請求項1乃至4のいずれかに記載の動力伝動用ベルト。
  6. 【請求項6】 アルキル化クロロスルフォン化ポリエチ
    レン組成物のtanδピーク温度が−45〜−15℃で
    ある請求項1乃至5のいずれかに記載の動力伝動用ベル
    ト。
  7. 【請求項7】 動力伝動用ベルトとは、ベルト長さ方向
    に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、ベルト長さ方向
    に延びる複数のリブ部を有する圧縮ゴム層とからなるV
    リブドベルトである請求項1乃至6のいずれかに記載の
    動力伝動用ベルト。
  8. 【請求項8】 動力伝動用ベルトとは、ベルト長さ方向
    に沿って心線を埋設した接着ゴム層と、圧縮ゴム層とか
    らなるVベルトである請求項1乃至6のいずれかに記載
    の動力伝動用ベルト。
  9. 【請求項9】 少なくともポリパラフェニレンベンゾビ
    スオキサゾール繊維は、ニトリルゴム変性エポキシ樹脂
    もしくは/そしてエポキシ系樹脂とアルキルフェノール
    ・ホルムアルデヒド樹脂を含む処理液により接着処理が
    施されてなる請求項1乃至8のいずれかに記載の動力伝
    動用ベルト。
  10. 【請求項10】 少なくともポリパラフェニレンベンゾ
    ビスオキサゾール繊維は、ニトリルゴム変性エポキシ樹
    脂もしくは/そしてエポキシ系樹脂とアルキルフェノー
    ル・ホルムアルデヒド樹脂を含む処理液と、RFL液に
    より接着処理が施されてなる請求項9記載の動力伝動用
    ベルト。
  11. 【請求項11】 アルキルフェノール・ホルムアルデヒ
    ド樹脂とニトリルゴム変性エポキシ樹脂もしくは/そし
    てエポキシ樹脂との質量比が2/10〜10/10であ
    る請求項9または10に記載の動力伝動用ベルト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006200732A (ja) * 2004-08-24 2006-08-03 Mitsuboshi Belting Ltd 動力伝動用ベルト、その製造方法及びバイアスカット装置
WO2020246190A1 (ja) * 2019-06-07 2020-12-10 バンドー化学株式会社 伝動ベルト
JP2022128397A (ja) * 2021-02-22 2022-09-01 バンドー化学株式会社 ローエッジvベルト

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